JP5586364B2 - 金ナノ粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
塩化金酸・四水和物(HAuCl4・4H2O)を出発原料として、脂肪族第一級アミンを被覆剤とする金ナノ粒子を製造する方法であって、
塩化金酸・四水和物と脂肪族第二級アミンから、塩化金酸と脂肪族第二級アミンとの錯体を形成した後、
形成された塩化金酸と脂肪族第二級アミンとの錯体を、炭化水素溶媒中にアミン抽出し、
炭化水素溶媒中にアミン抽出された前記錯体を中間原料として、脂肪族第一級アミンの存在下、脂肪族第三級アミンを還元剤として用いて、該錯体中に含まれる金を還元し、
生成する金属金で構成される金ナノ粒子の表面に、前記脂肪族第一級アミンによる表面被覆層が形成されてなる、脂肪族第一級アミンを被覆剤とする金ナノ粒子を形成する
ことを特徴とする金ナノ粒子の製造方法。
前記脂肪族第一級アミンは、炭素数10〜20の脂肪族炭化水素基R"を含んでなる形態とすることが好ましい。
塩化金酸・四水和物(HAuCl4・4H2O)を出発原料として、脂肪族第一級アミンを被覆剤とする金ナノ粒子を製造する方法であって、
前記脂肪族第一級アミンは、炭素数10〜20の脂肪族炭化水素基R”を含んでなる脂肪族第一級アミン(R”−NH2)であり、
該方法は、下記の工程(i)〜工程(vii)を具えており、
(i)水に該塩化金酸・四水和物を溶解し、塩化金酸の水溶液を調製する、塩化金酸水溶液の調製工程;
(ii)水に対して、溶解性を示さない第一の炭化水素溶媒と、該第一の炭化水素溶媒に対する溶解性を有し、水に対する溶解性が乏しい脂肪族第二級アミン(RR’NH)とを、前記塩化金酸の水溶液に添加し、攪拌して、塩化金酸と、該脂肪族第二級アミン(RR’NH)との錯体([RR’NH2]+:[AuCl4]-)からなる析出物を、水相に形成する、塩化金酸と脂肪族第二級アミン(RR’NH)との錯体形成工程;
(iii)前記第一の炭化水素溶媒と脂肪族第二級アミン(RR’NH)とを添加して、前記錯体([RR’NH2]+:[AuCl4]-)からなる析出物を、前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を利用するアミン抽出により、該錯体([RR’NH2]+:[AuCl4]-)の前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)付加物([RR’NH2]+:[AuCl4]-・HNRR’)として前記第一の炭化水素溶媒中に抽出し、水相と分離する、該第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相を回収する、アミン抽出工程;
(iv)回収された、前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相に、前記第一の炭化水素溶媒、脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)とを添加し、混合することで、反応液を調製する、反応液調製工程;
(v)調製された前記反応液を加熱して、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)の存在下、前記脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)を還元剤とする還元反応を行って、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)を表面被覆剤として含んでなる、表面被覆層を有する金ナノ粒子を形成する、還元反応工程;
(vi)前記反応液を室温に冷却した後、前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする反応液に、沸点が80℃以下の低沸点極性有機溶媒と、炭素数2〜6の脂肪族モノカルボン酸(RA−COOH)を添加し、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)を表面被覆剤として含んでなる、表面被覆層を有する金ナノ粒子を沈降させ、該金ナノ粒子の沈降層を、液相と分離して、回収する、金ナノ粒子の沈降・回収工程;
(vii)回収された、金ナノ粒子の沈降層を、前記低沸点極性有機溶媒で洗浄し、該低沸点極性有機溶媒からなる液相を除去した後、該洗浄済の金ナノ粒子の沈降層に、第二の炭化水素溶媒を加え、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)を表面被覆剤として含んでなる、表面被覆層を有する金ナノ粒子を、該第二の炭化水素溶媒中に再分散させ、金ナノ粒子の分散液を調製する、金ナノ粒子の再分散工程;
工程(i)において調製される塩化金酸水溶液では、塩化金酸・四水和物1質量部あたり、溶媒の水の量を4質量部〜10質量部の範囲に選択しており;
工程(ii)では、出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、1分子〜1.5分子の範囲に選択される脂肪族第二級アミン(RR’NH)を添加し、
前記溶媒の水の量10質量部あたり、2質量部〜4質量部の範囲に選択される前記第一の炭化水素溶媒を添加し;
工程(iii)では、出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、合計1.3分子〜3.5分子の範囲に選択される脂肪族第二級アミン(RR’NH)を利用して、アミン抽出がなされ、
該アミン抽出に利用される前記第一の炭化水素溶媒の量の合計は、前記溶媒の水の量10質量部あたり、10質量部〜20質量部の範囲に選択されており;
工程(iv)では、回収された、前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相に、
出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、3.5分子〜5分子の範囲に選択される脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)と、
出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、3分子〜10分子の範囲に選択される脂肪族第一級アミン(R”−NH2)を添加しており;
工程(v)では、前記反応液の加熱温度は、50℃〜80℃の範囲に選択し、
該加熱温度における反応時間を、40分間〜150分間の範囲に選択しており;
工程(vi)では、前記冷却された反応液に、
出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、10分子〜20分子の範囲に選択される前記脂肪族モノカルボン酸(RA−COOH)と、
前記溶媒の水の量10質量部あたり、25質量部〜50質量部の範囲に選択される前記低沸点極性有機溶媒を添加しており;
工程(vii)では、
前記溶媒の水の量10質量部あたり、45質量部〜150質量部の範囲に選択される前記低沸点極性有機溶媒を用いて洗浄を行い、
出発原料の塩化金酸・四水和物中に含まれる金の1質量部あたり、再分散に用いる前記第二の炭化水素溶媒の量を0.4質量部〜4質量部の範囲に選択しており;
前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)は、それを構成する脂肪族炭化水素基Rの炭素数(CR)とR’の炭素数(CR')の合計(CR+CR')は、8〜20の範囲に選択され、
前記脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)は、それを構成する脂肪族炭化水素基R1の炭素数(CR1)と、R2の炭素数(CR2)と、R3−CH2−の炭素数(CR3+1)の合計(CR1+CR1+CR3+1)は、6〜24の範囲に選択されおり;
前記沸点が80℃以下の低沸点極性有機溶媒は、炭素数1〜2のアルカノール、前記アルカノールとアセトンとの混合溶媒からなる群から選択され、
前記第一の炭化水素溶媒は、沸点が90℃〜180℃の範囲の炭化水素溶媒であり、
前記第二の炭化水素溶媒は、沸点が65℃〜280℃の範囲の炭化水素溶媒であり;
作製される前記金ナノ粒子の平均粒子径は、5nm〜50nmの範囲に選択される
ことを特徴とする、金ナノ粒子の製造方法である。
前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を構成する前記脂肪族炭化水素基RとR’が、いずれもアルキル基である形態を、好適に採用することができる。
前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)は、
ジイソブチルアミン、ジsecブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミンからなる群から選択されることが好ましい。
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ブチルジメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミンからなる群から選択されることが好ましい。
テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミンからなる群から選択されることが好ましい。
前記第二の炭化水素溶媒は、炭素数6〜15の範囲の鎖式脂肪族炭化水素溶媒、炭素数6〜10の範囲の脂環式炭化水素溶媒、炭素数6〜9の範囲の芳香族炭化水素溶媒からなる群より選択されることが好ましい。
前記工程(vii)は、
前記低沸点極性有機溶媒を用いる洗浄後、前記第二の炭化水素溶媒を用いる再分散を行った後、得られる分散液中に混入する前記低沸点極性有機溶媒を減圧留去する操作をさらに含むことが好ましい。
前記アミン抽出後、水相に、前記第一の炭化水素溶媒をさらに添加して、攪拌し、該水相に溶存している前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を前記第一の炭化水素溶媒中に回収する操作をさらに含み、
該操作において回収される前記第一の炭化水素溶媒と、前記アミン抽出で回収される液を併せて、回収された前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相とすることが好ましい。
前記溶媒の水の量10質量部あたり、2質量部〜4質量部の範囲に選択される前記第一の炭化水素溶媒を添加することが好ましい。
作製される前記金ナノ粒子の分散液中には、
前記金ナノ粒子中に含まれる金の1原子あたり、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)が、0.015分子〜0.065分子の範囲で含まれていることが好ましい。
作製される前記金ナノ粒子の平均粒子径は、6nm〜30nmの範囲に選択される形態とすることができる。
工程(ii):塩化金酸のアミン錯体の生成
工程(iii):塩化金酸のアミン錯体のアミン抽出
工程(iv):反応液の調製
工程(v):還元反応と金ナノ粒子の形成
工程(vi):反応液中に分散している金ナノ粒子の分離・回収
工程(vii) 脂肪族第一級アミンによる表面被覆層を有する金ナノ粒子の再分散
以下に、工程(i)〜(vii)に関して、それぞれ、より詳しく説明する。
出発原料の塩化金酸・四水和物(HAuCl4・4H2O)は、水に溶解すると、ヒドロニウムカチオン(H3O+)と、テトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)を生成する。生成するテトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)は、平面四配位正方形構造を有している。その際、4つの塩素原子に対して、4つの水分子(H2O)が、水素結合(Cl…H)を介して、溶媒和した状態を形成すると推定される。
得られる水溶液は、溶解しているテトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)に起因して、橙黄色を呈している。
水溶液中に溶解している、ヒドロニウムカチオン(H3O+)と、テトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)から、脂肪族第二級アミン(RR’NH)を利用して、錯体([RR’NH2]+:[AuCl4]-)を生成する。
水溶液中には、テトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)が存在しており、生成したアンモニウムカチオン([RR’NH2]+)は、下記の反応により、錯体([RR’NH2]+:[AuCl4]-)を形成する。
[RR’NH2]+:[AuCl4]- ⇔ [RR’N+H2:Cl-]:[AuCl3]
[RR’N+H2:Cl-]:[AuCl3] ⇔ [RR’NH]:[HAuCl4]
水相中において析出物を形成している、錯体([RR’NH2]+:[AuCl4]-)を、前記第一の炭化水素溶媒中に溶解した前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を利用して、アミン抽出する。すなわち、前記アミン錯体の作製に利用した、脂肪族第二級アミン(RR’NH)と同じ、脂肪族第二級アミンを利用して、アミン抽出を行う。
→ ([RR’NH2]+:[AuCl4]-)・RR’NH
→ ([RR’NH2]+:[AuCl4]-)・3RR’NH
前記アミン抽出工程により、有機相(第一の炭化水素溶媒)中に回収された錯体の脂肪族第二級アミン(RR’NH)3分子付加体([RR’NH2]+:[AuCl4]-)・3RR’NHを、表面被覆剤に利用する脂肪族第一級アミン(R”−NH2)、例えば、第一級アルキルアミン(CmH2m+1−NH2)、第一級アルケニルアミン(CmH2m-1−NH2)の存在下、脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)を還元剤として、還元する。
([RR’N+H2:Cl-]:[AuCl3])・3RR’NH+R1R2N−CH2−R3
→[R1R2N−CH2−R3:AuCl3]・3RR’NH+[RR’N+H2:Cl-]
調製された反応液中で生成する、前記脂肪族第三級アミン:塩化金(III)錯体の脂肪族第二級アミン(RR’NH)3分子付加体を加熱処理すると、下記の反応が進行する。
[R1R2N−CH2−R3:AuCl3]・3RR’NH
→ {R1R2N+=CH−R3:-Cl‥AuCl‥ClH}・3RR’NH
→[R1R2N+=CH−R3:-Cl]+{AuCl・(HNRR’)2}+[RR’N+H2:Cl-]
素過程(iv-b)
3{AuCl・(HNRR’)2}+R1R2N−CH2−R3+4(R”−NH2)
→[R1R2N−CH2−R3:AuCl3]・3RR’NH+{(R”−NH2)2Au:Au(H2N−R”)2}+3RR’NH
素過程(iv-a)においては、脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)から、塩化イミニウム型化合物([R1R2N+=CH−R3]Cl-)が生成する結果、Au(III)→Au(I)への還元が進行する。素過程(iv-b)では、表面被覆剤に利用する脂肪族第一級アミン(R”−NH2)、例えば、第一級アルキルアミン(CmH2m+1−NH2)、第一級アルケニルアミン(CmH2m-1−NH2)の大過剰量存在下、生成するAu(I)から、不均化反応;3Au(I)→Au(III)+2Au(0) が進行する結果、表面被覆剤の脂肪族第一級アミン(R”−NH2)が表面を被覆する金属金原子のクラスター{(R”−NH2)2Au:Au(H2N−R”)2}が生成される。
上記の反応の終了後、反応溶媒の第一の炭化水素溶媒中には、生成した脂肪族第一級アミンによる表面被覆層を有する金ナノ粒子が分散している。すなわち、表面被覆剤として利用する、脂肪族第一級アミンは、その脂肪族炭化水素鎖部分は、第一の炭化水素溶媒に親和性を有するので、この親和性によって、脂肪族第一級アミンによる表面被覆層を有する金ナノ粒子の分散がなされている。
→ (RA−COOH:R1R2N−CH2−R3)
RR’NH+RA−COOH → (RA−COOH:HNRR’)
R”−NH2+RA−COOH → (RA−COOH:H2N-R”)
また、反応副生物のアンモニウム塩化物[RR’N+H2:Cl-]、塩化イミニウム型化合物([R1R2N+=CH−R3]Cl-)も、該脂肪族モノカルボン酸(RA−COOH)との間では、下記のアニオン種の交換反応が起こる。
→ (RR’N+H2:-OCO−RA)+(HCl)
([R1R2N+=CH−R3]Cl-)+RA−COOH
→ ([R1R2N+=CH−R3]:-OCO−RA)+(HCl)
この処理に使用される脂肪族モノカルボン酸(RA−COOH)の添加量は、出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、10分子〜20分子の範囲、好ましくは、11.4分子〜15.8分子の範囲に選択することが望ましい。具体的には、上記の工程(ii)〜工程(vi)の間に利用されている、脂肪族第二級アミン(RR’NH)、脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)、脂肪族第一級アミン(R”−NH2)の量は、出発原料の塩化金酸・四水和物の量に基づき、選択されている。従って、未反応の脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)、余剰の脂肪族第二級アミン(RR’NH)、残余している脂肪族第一級アミン(R”−NH2)、反応副生物のアンモニウム塩化物[RR’N+H2:Cl-]、塩化イミニウム型化合物([R1R2N+=CH−R3]Cl-)の量も、出発原料の塩化金酸・四水和物の量に依存している。そのため、これらの除去に利用される、脂肪族モノカルボン酸(RA−COOH)の量は、出発原料の塩化金酸・四水和物の量に基づき、前記の大過剰量に選択される。
前記の希釈洗浄操作後、回収される、脂肪族第一級アミンによる表面被覆層を有する金ナノ粒子の沈降層に、第二の炭化水素溶媒を分散溶媒として加え、脂肪族第一級アミンによる表面被覆層を有する金ナノ粒子を該第二の炭化水素溶媒中に分散させる。
本実施例1では、塩化金酸・4水和物を出発原料として、オレイルアミンからなる表面被覆層を具える金ナノ粒子を作製している。本実施例1で利用する、金ナノ粒子の分散液の調製手順を以下に説明する。
得られる水溶液は、テトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)に起因して、橙黄色を呈している。
→ [(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+ + H2O
水溶液(水相)において、アンモニウムカチオン([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+)とテトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)が会合すると、錯体([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)が生成される。
[(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]++[AuCl4]-⇔([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)
([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)⇔[(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2N+H2:Cl-]:[AuCl3]
[(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2N+H2:Cl-]:[AuCl3]⇔[(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH]:[HAuCl4]
10分間攪拌した後、静置すると、水相中で生成する塩化金酸のジ(2−エチルヘキシル)アミン錯体([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)は、水に対する溶解度が低いため、凝集して、黄色の固形物を形成する。水相に溶存する、テトラクロロ金酸アニオン([AuCl4]-)が消費される結果、最終的に、水相は、無色透明となる。アルキルシクロヘキサン系の非芳香族炭化水素溶媒(スワクリーン150)と水は、相溶性を示さないので、水相と有機相に分離される。
→ ([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)・(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH
添加されたジ(2−エチルヘキシル)アミンの量は、塩化金酸のジ(2−エチルヘキシル)アミン錯体1分子当たり、ジ(2−エチルヘキシル)アミンが1.153分子となっている。残余していたジ(2−エチルヘキシル)アミンと併せると、塩化金酸のジ(2−エチルヘキシル)アミン錯体1分子当たり、ジ(2−エチルヘキシル)アミンが1.30分子程度となっている。従って、黄色の固形物を形成している、塩化金酸のジ(2−エチルヘキシル)アミン錯体全体の大部分が、該錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン付加体に変換される。その際、該錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン付加体は、ジ(2−エチルヘキシル)アミンに由来する2−エチルヘキシル基部位のアルキルシクロヘキサン系の非芳香族炭化水素溶媒(スワクリーン150)に対する親和性のため、アルキルシクロヘキサン系の非芳香族炭化水素溶媒(スワクリーン150)中に溶解可能である。その結果、該錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン付加体の形状でアミン抽出され、有機相に回収される。溶解する該錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン付加体のため、有機相は青色となる。水相と有機相とは分離するので、有機相を分取する。その際、該1回目のアミン抽出後、分離された水相の色は、淡い青色となっている。
([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)・(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH
+ 2(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH
→ ([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)・3(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH
従って、該有機相中においては、スワクリーン150 8.3g×5中に、塩化金酸のジ(2−エチルヘキシル)アミン錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体(([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)・3(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH)と、残余するジ(2−エチルヘキシル)アミンが溶解している。塩化金酸のジ(2−エチルヘキシル)アミンン錯体の形成、ならびに、アミン抽出に使用されたジ(2−エチルヘキシル)アミンの合計は、3.38g×4となっている。従って、出発原料の塩化金酸・4水和物の1分子当たり、ジ(2−エチルヘキシル)アミンが4.6分子使用されている。
(([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:[AuCl4]-)・3(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH)+(C4H9)3N
→[(C4H9)3N:AuCl3]・3(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH+([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:Cl-)
すなわち、塩化金酸のジ(2−エチルヘキシル)アミン錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体は、共役的に、ジ(2−エチルヘキシル)アミンの塩酸塩([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:Cl-)と、塩化金(III)(AuCl3)のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体のルイス塩基−ルイス酸複合体でもある。その際、ルイス塩基のジ(2−エチルヘキシル)アミンの塩酸塩([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:Cl-)が解離し、大過剰量に存在している、トリブチルアミンにより置換されると、トリブチルアミン:塩化金(III)錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体に変換される。該ルイス塩基の交換反応(配位子の交換反応)は、可逆的な平衡反応であるが、約5倍量のトリブチルアミンを添加することにより、トリブチルアミン:塩化金(III)錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体の形成過程が進行する。
[(C4H9)3N:AuCl3]・3(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH
→ [(C4H9)3N+=CH-C3H7:-Cl‥AuCl‥ClH]・3(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH
→ {(C4H9)3N+=CH-C3H7:-Cl}+{AuCl・((C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH)2}+{[(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:Cl-}
トリブチルアミンは、窒素原子に隣接する炭素原子は、いずれも、水素を有しており、−CH2−の形態であり、該炭素原子上の水素原子が引き抜かれると、イミニウムカチオン((C4H9)3N+=CH-C3H7)の形成が可能である。その際、窒素原子の孤立電子対の電子の一方が、塩素原子に供与されると、塩化物アニオン(-Cl)が生成する。結果的に、塩化イミニウム{(C4H9)3N+=CH-C3H7:-Cl}が形成される。
3{AuCl・((C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH)2}+(C4H9)3N+4(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)8NH2)
→ [(C4H9)3N:AuCl3]・3(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH+3C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH
+[(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)8NH2)2Au:Au(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)8NH2)2]
該不均化反応で生成する金属金(0)は、オレイルアミンが配位した状態でクラスター化し、該金属金(0)のクラスターは、配位しているオレイルアミンの溶媒スワクリーン150に対する親和性によって、該溶媒中に分散している。加熱に伴って、金属金(0)のクラスター複数は凝集して、金ナノ粒子を構成し、その表面には、オレイルアミンによる表面被覆層が形成される。不均化反応では、塩化金(III)のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体が生成されるが、該塩化金(III)のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体に、トリブチルアミンが作用して、トリブチルアミン:塩化金(III)錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体となる。このトリブチルアミン:塩化金(III)錯体のジ(2−エチルヘキシル)アミン3分子付加体も、上記の素過程(a)の反応を起こすので、最終的に、未反応のトリブチルアミン:塩化金(III)錯体は実質的に残余していない。
→ (CH3(CH2)7CH=CH(CH2)8N+H3:-OCOCH2CH3
(C4H9)3N+CH3CH2COOH → (C4H9)3N+H:-OCOCH2CH3
(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH+CH3CH2COOH
→ (C4H9-CH(C2H5)-CH2)2N+H2:-OCOCH2CH3
また、塩化イミニウム{(C4H9)3N+=CH-C3H7:-Cl}、ジ(2−エチルヘキシル)アミンの塩酸塩([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:Cl-)に対しても、プロピオン酸が作用すると、それぞれ、フロピオン酸塩が形成される。
→ (C4H9)3N+=CH-C3H7:-OCOCH2CH3+(HCl)
([(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:Cl-)+CH3CH2COOH
→ [(C4H9-CH(C2H5)-CH2)2NH2]+:-OCOCH2CH3+(HCl)
その際、溶媒は、スワクリーン150 8.3g×5と、メタノール23.9gとの混合物となっており、フロピオン酸イミニウム{(C4H9)3N+=CH-C3H7:-OCOCH2CH3}、オレイルアミンのフロピオン酸付加塩((CH3(CH2)7CH=CH(CH2)8N+H3:-OCOCH2CH3)、トリブチルアミンのフロピオン酸付加塩((C4H9)3N+H:-OCOCH2CH3)、ジ(2−エチルヘキシル)アミンのフロピオン酸付加塩((C4H9-CH(C2H5)-CH2)2N+H2:-OCOCH2CH3)の形態で該混合液中に溶解している。また、余剰のプロピオン酸、HClも、該混合液中に溶解している。
Claims (15)
- 塩化金酸・四水和物(HAuCl 4 ・4H 2 O)を出発原料として、脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )を被覆剤とする金ナノ粒子を製造する方法であって、
塩化金酸・四水和物と脂肪族第二級アミン(RR’NH)から、塩化金酸と脂肪族第二級アミンとの錯体を形成した後、
形成された塩化金酸と脂肪族第二級アミンとの錯体を、第一の炭化水素溶媒中にアミン抽出し、
第一の炭化水素溶媒中にアミン抽出された前記錯体を中間原料として、脂肪族第一級アミンの存在下、脂肪族第三級アミン(R 1 R 2 N−CH 2 −R 3 )を還元剤として用いて、該錯体中に含まれる金を還元し、
生成する金属金で構成される金ナノ粒子の表面に、前記脂肪族第一級アミンによる表面被覆層が形成されてなる、脂肪族第一級アミンを被覆剤とする金ナノ粒子を形成する方法を使用しており、
前記脂肪族第一級アミンは、炭素数10〜20の脂肪族炭化水素基R”を含んでなる脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )であり、
該方法は、下記の工程(i)〜工程(vii)を具えており、
(i)水に該塩化金酸・四水和物を溶解し、塩化金酸の水溶液を調製する、塩化金酸水溶液の調製工程;
(ii)水に対して、溶解性を示さない第一の炭化水素溶媒と、該第一の炭化水素溶媒に対する溶解性を有し、水に対する溶解性が乏しい脂肪族第二級アミン(RR’NH)とを、前記塩化金酸の水溶液に添加し、攪拌して、塩化金酸と、該脂肪族第二級アミン(RR’NH)との錯体([RR’NH 2 ] + :[AuCl 4 ] - )からなる析出物を、水相に形成する、塩化金酸と脂肪族第二級アミン(RR’NH)との錯体形成工程;
(iii)前記第一の炭化水素溶媒と脂肪族第二級アミン(RR’NH)とを添加して、前記錯体([RR’NH 2 ] + :[AuCl 4 ] - )からなる析出物を、前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を利用するアミン抽出により、該錯体([RR’NH 2 ] + :[AuCl 4 ] - )の前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)付加物([RR’NH 2 ] + :[AuCl 4 ] - ・HNRR’)として前記第一の炭化水素溶媒中に抽出し、水相と分離する、該第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相を回収する、アミン抽出工程;
(iv)回収された、前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相に、前記第一の炭化水素溶媒、脂肪族第三級アミン(R 1 R 2 N−CH 2 −R 3 )、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )とを添加し、混合することで、反応液を調製する、反応液調製工程;
(v)調製された前記反応液を加熱して、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )の存在下、前記脂肪族第三級アミン(R 1 R 2 N−CH 2 −R 3 )を還元剤とする還元反応を行って、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )を表面被覆剤として含んでなる、表面被覆層を有する金ナノ粒子を形成する、還元反応工程;
(vi)前記反応液を室温に冷却した後、前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする反応液に、沸点が80℃以下の低沸点極性有機溶媒と、炭素数2〜6の脂肪族モノカルボン酸(R A −COOH)を添加し、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )を表面被覆剤として含んでなる、表面被覆層を有する金ナノ粒子を沈降させ、該金ナノ粒子の沈降層を、液相と分離して、回収する、金ナノ粒子の沈降・回収工程;
(vii)回収された、金ナノ粒子の沈降層を、前記低沸点極性有機溶媒で洗浄し、該低沸点極性有機溶媒からなる液相を除去した後、該洗浄済の金ナノ粒子の沈降層に、第二の炭化水素溶媒を加え、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )を表面被覆剤として含んでなる、表面被覆層を有する金ナノ粒子を、該第二の炭化水素溶媒中に再分散させ、金ナノ粒子の分散液を調製する、金ナノ粒子の再分散工程;
工程(i)において調製される塩化金酸水溶液では、塩化金酸・四水和物1質量部あたり、溶媒の水の量を4質量部〜10質量部の範囲に選択しており;
工程(ii)では、出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、1分子〜1.5分子の範囲に選択される脂肪族第二級アミン(RR’NH)を添加し、
前記溶媒の水の量10質量部あたり、2質量部〜4質量部の範囲に選択される前記第一の炭化水素溶媒を添加し;
工程(iii)では、出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、合計1.3分子〜3.5分子の範囲に選択される脂肪族第二級アミン(RR’NH)を利用して、アミン抽出がなされ、
該アミン抽出に利用される前記第一の炭化水素溶媒の量の合計は、前記溶媒の水の量10質量部あたり、10質量部〜20質量部の範囲に選択されており;
工程(iv)では、回収された、前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相に、
出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、3.5分子〜5分子の範囲に選択される脂肪族第三級アミン(R 1 R 2 N−CH 2 −R 3 )と、
出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、3分子〜10分子の範囲に選択される脂肪族第一級アミン(R”−NH 2 )を添加しており;
工程(v)では、前記反応液の加熱温度は、50℃〜80℃の範囲に選択し、
該加熱温度における反応時間を、40分間〜150分間の範囲に選択しており;
工程(vi)では、前記冷却された反応液に、
出発原料の塩化金酸・四水和物の1分子あたり、10分子〜20分子の範囲に選択される前記脂肪族モノカルボン酸(R A −COOH)と、
前記溶媒の水の量10質量部あたり、25質量部〜50質量部の範囲に選択される前記低沸点極性有機溶媒を添加しており;
工程(vii)では、
前記溶媒の水の量10質量部あたり、45質量部〜150質量部の範囲に選択される前記低沸点極性有機溶媒を用いて洗浄を行い、
出発原料の塩化金酸・四水和物中に含まれる金の1質量部あたり、再分散に用いる前記第二の炭化水素溶媒の量を0.4質量部〜4質量部の範囲に選択しており;
前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)は、それを構成する脂肪族炭化水素基Rの炭素数(C R )とR’の炭素数(C R' )の合計(C R +C R' )は、8〜20の範囲に選択され、
前記脂肪族第三級アミン(R 1 R 2 N−CH 2 −R 3 )は、それを構成する脂肪族炭化水素基R 1 の炭素数(C R1 )と、R 2 の炭素数(C R2 )と、R 3 −CH 2 −の炭素数(C R3 +1)の合計(C R1 +C R1 +C R3 +1)は、6〜24の範囲に選択されおり;
前記沸点が80℃以下の低沸点極性有機溶媒は、炭素数1〜2のアルカノール、前記アルカノールとアセトンとの混合溶媒からなる群から選択され、
前記第一の炭化水素溶媒は、沸点が90℃〜180℃の範囲の炭化水素溶媒であり、
前記第二の炭化水素溶媒は、沸点が65℃〜280℃の範囲の炭化水素溶媒であり;
作製される前記金ナノ粒子の平均粒子径は、5nm〜50nmの範囲に選択され;
前記第一の炭化水素溶媒は、炭素数7〜12の範囲の非芳香族炭化水素溶媒である
ことを特徴とする、金ナノ粒子の製造方法。 - 前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を構成する前記脂肪族炭化水素基RとR’が、いずれもアルキル基である
ことを特徴とする、請求項1に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)を構成する前記脂肪族炭化水素基R1、R2、R3−CH2−が、いずれもアルキル基である
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)を構成する前記炭素数10〜20の脂肪族炭化水素基R”は、炭素数10〜20のアルキル基と炭素数10〜20のアルケニル基からなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)は、
ジイソブチルアミン、ジsecブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミンからなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記脂肪族第三級アミン(R1R2N−CH2−R3)は、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ブチルジメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミンからなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)は、
テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミンからなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記第二の炭化水素溶媒は、炭素数6〜15の範囲の鎖式脂肪族炭化水素溶媒、炭素数6〜10の範囲の脂環式炭化水素溶媒、炭素数6〜9の範囲の芳香族炭化水素溶媒からなる群より選択される
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記低沸点極性有機溶媒は、メタノール、または、メタノールとアセトンの混合溶媒である
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記工程(vii)は、
前記低沸点極性有機溶媒を用いる洗浄後、前記第二の炭化水素溶媒を用いる再分散を行った後、得られる分散液中に混入する前記低沸点極性有機溶媒を減圧留去する操作をさらに含む
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記工程(iii)は、
前記アミン抽出後、水相に、前記第一の炭化水素溶媒をさらに添加して、攪拌し、該水相に溶存している前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を前記第一の炭化水素溶媒中に回収する操作をさらに含み、
該操作において回収される前記第一の炭化水素溶媒と、前記アミン抽出で回収される液を併せて、回収された前記第一の炭化水素溶媒を溶媒とする有機相とする
ことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 前記脂肪族第二級アミン(RR’NH)を前記第一の炭化水素溶媒中に回収する操作において、
前記溶媒の水の量10質量部あたり、2質量部〜4質量部の範囲に選択される前記第一の炭化水素溶媒を添加する
ことを特徴とする、請求項11に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 作製される前記金ナノ粒子の分散液中には、
前記金ナノ粒子中に含まれる金の1原子あたり、前記脂肪族第一級アミン(R”−NH2)が、0.015分子〜0.065分子の範囲で含まれている
ことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 作製される前記金ナノ粒子の平均粒子径は、6nm〜30nmの範囲に選択される
ことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。 - 作製される前記金ナノ粒子の平均粒子径は、8nm〜20nmの範囲に選択される
ことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の金ナノ粒子の製造方法。
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