JP5586324B2 - 除電ブラシの除電性能評価装置およびそれを用いた除電性能評価方法 - Google Patents

除電ブラシの除電性能評価装置およびそれを用いた除電性能評価方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体装置や、この半導体装置に抵抗やコンデンサ部品等で回路構成する電子部品、実装・液晶基板、および、電子部品を搭載した電気・電子機器に至る全ての静電気放電(ESD:Electro−Static Discharge)で破壊する電気機器(以後、半導体装置、電子部品から電子機器等まで電気機器に含むこととする)での製造工程で静電気を除去する自己放電式除電器(以後、除電ブラシとする)の除電性能評価装置および評価方法に関するものである。
近年、システムLSIを含む半導体装置を搭載した電気機器が大量に生産されており、ESDにより内部ICの絶縁破壊が生じる可能性がある。これらの電気機器の組立てラインでは、生産中での設備・機械部材などの接触で、接触摩擦帯電を発生する。この接触摩擦作業による静電気が蓄積することで、ESDが生じ、内部ICの破壊が生じる可能性がある。今後、益々、ICは高機能・高精細化する傾向にあり、ESDが発生した場合、IC破壊の顕在化が予想される。
ESDを防ぐ対策としてはイオナイザ(除電器)を設置して帯電した電気機器を除電することが検討される。特に絶縁物の除電に対しては、イオナイザが効果的である。しかし、イオナイザの増設はコスト増大、針やフィルターの清掃のメンテナンスでは現場作業者の負担になる。
そこで静電気帯電を除去するもう一つの手法として、除電ブラシが上げられる。
従来、除電ブラシを適用したラインでの静電気除去方法では、複写装置の転写ベルトの除電に関するものであり、除電チャージャー等の除電手段(除電ブラシ含)の下流に位置する表面電位センサで、除電チャージャー等で除電した後の転写ベルトの表面電位を検出する(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−27381号公報
上述の検出方法では、ベルトが様々なローラ等に接触しそのときにブラシ以外の箇所でも電荷緩和が発生するので、除電量は除電ブラシ以外の除電効果を含んでいる。最近では多種類の除電ブラシが市販されているが、除電効果の見られない機種もあり、所望の除電性能を得るためには、それぞれの除電ブラシ自体の除電特性を定量的に確認しておく必要がある。
しかし、イオナイザの除電特性を評価する方法はIEC規格61340−5−1に規定されているが、除電ブラシに関してはどのように効果を確認すれば良いか不明な点が多く、除電ブラシの評価方法に関する規格はなく、準拠化されていない。このような状況で、除電ブラシ稼動前後の帯電体上の除電性能を定量的に評価できないという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するために、除電ブラシの除電性能を定量的に評価する除電ブラシの除電性能評価装置および除電性能評価方法を得ることが目的である。
この発明に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、除電ブラシの除電性能を評価する除電評価装置であって、除電対象の帯電物に接触または近接している上記除電ブラシを、上記帯電物に対して相対的に移動するようにする移動手段と、上記除電ブラシを先導するように上記帯電物に対して相対的に移動しながら上記除電ブラシの前方の除電前の上記帯電物の表面電位である除電前表面電位を計測する除電前表面電位プローブと、上記除電ブラシに後続するように上記帯電物に対して相対的に移動しながら上記除電ブラシの後方の除電後の上記帯電物の表面電位である除電後表面電位を計測する除電後表面電位計プローブと、を備え、上記除電ブラシを動かして上記除電ブラシの上記帯電物に対する位置を調整するマイクロメータと、上記除電ブラシの移動速度を可変する速度可変モータと、上記マイクロメータおよび上記速度可変モータによって設定された除電条件において計測された上記除電前表面電位および上記除電後表面電位から、除電による効果を除電効率として定量的に算出する制御・判定装置と、をさらに備える。
この発明に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、除電ブラシの除電性能の評価方法を確立し、最適な除電ブラシを適用することで、電気・電子機器の製造現場でのESD破壊を抑制し、製品の品質を向上させるという効果がある。
今後、実際の現場での除電ブラシ適用の可能性は高く、多数市販されている除電ブラシの除電効率を本装置から明らかにし、最適な除電条件を決定することができる。
この発明の実施の形態1に係る除電ブラシの除電性能評価装置の構成図である。 性能評価対象の除電ブラシの外観図である。 除電の原理を説明するための図である。 帯電した電荷が緩和する様子を表面電位の変化で表現したグラフである。 この発明の実施の形態2に係る標準ヘッドの平面図である。 この発明の実施の形態3に係る除電ブラシの除電性能評価装置の構成図である。 この発明の実施の形態4に係る除電ブラシの除電性能評価装置の構成図である。 4つの除電条件を説明するための図である。 除電ブラシの除電性能を4つの除電条件の元ブラシ回数に対する表面電位の変化として表したグラフである。 この発明の実施の形態5に係る除電ブラシの除電性能評価装置の構成図である。 除電ブラシの除電性能を4つの除電条件の元ブラシ回数に対する除電された割合の変化として表したグラフである。 各種の除電ブラシの除電性能をブラシ回数に対する表面電位の変化と除電された割合として表したグラフである。 この発明の実施の形態7に係る除電ブラシの除電性能評価装置の構成図である。 この発明の実施の形態9に係る除電ブラシの除電性能評価装置の構成図である。
以下、本発明の除電ブラシの除電性能評価装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る除電ブラシの除電性能評価装置の構成図である。
この発明の実施の形態1に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、評価対象である除電ブラシ1により除電される帯電物2を保持する保持部材3と、除電ブラシ1を支持する支持部材4と、支持部材4を移動させる移動部材5と、支持部材4に支持される除電前表面電位プローブ6と、支持部材4に支持される除電後表面電位プローブ7と、除電ブラシ1による除電前後の表面電位差を測定する電位測定装置8と、を備える。
除電ブラシ1は、図2に示すように、金属片41に多数の金属性または導電性ブラシ繊維42が取付けられたものである。除電ブラシ1のブラシ繊維42の材質は金属製(例えばステンレス、アルミ、銅など)、または導電性材料(例えば導電性アクリル、導電性ポリアミド、導電性アセテート、導電性ポリエステル、および、これら材料に銅イオンを吸着させた銅イオン繊維やカーボン材を混入した炭素繊維など)を適用する。一般的なブラシ繊維42の繊維径は5〜50μm、長さは1〜30mmである。
除電原理は、図3に示すように、接地された除電ブラシ1のブラシ先端43を帯電物2に接近させると、その間に強い不平等電界が形成され、その結果、近傍の気体分子は電離され、プラスとマイナスのイオン対が生成される。帯電物2の電荷と逆極性の電離イオンが帯電物2に吸引され帯電電荷は中和される仕組みである。
また、帯電物2と除電ブラシ1が接触することで、帯電物2の電荷がブラシ繊維42を通じて緩和されて除電される場合もある。但し、帯電物2の静電エネルギーを利用するため、帯電物2が高電位に帯電している必要がある。除電ブラシ1の特徴としては、電源不要で低コスト、メンテナンスが容易、狭い場所に取付け可能であり、電気電子機器製造工程での静電気帯電の除電に適している。
保持部材3は、盤11と、盤11上に縦立する柱12と、柱12の先端に一端が支持される梁13と、から構成され、盤11と梁13との間に帯電物2が保持される。
移動部材5は、盤11上に縦立する柱14と、支持部材4を上下方向に移動する図示しない送り機構とから構成される。
支持部材4は、移動部材5により上下方向に移動され、支持部材4の中央に除電ブラシ1を支持する支持部15が設けられている。そして、除電ブラシ1の除電性能を評価するときには除電ブラシ1の進行方向を上から下とする。なお、進行方向を下から上としても良い。
また、支持部材4には、除電ブラシ1の進行方向に向いて除電ブラシ1の前方に除電前表面電位プローブ6、除電ブラシ1の進行方向に向いて除電ブラシ1の後方に除電後表面電位プローブ7が設けられている。
帯電物2上の電荷は減衰するので、帯電物2自体は表面抵抗が1011Ω/□以上の絶縁性材料であることが好ましい。帯電物2は積層された複数のシリコンシートが好ましく、表面の1枚のシリコンシートを剥離して剥離帯電させる。また、擦って摩擦帯電させたものでも良い。帯電物2の状態はシート、フィルム、板、固体状など、絶縁物で測定できれば問題はない。
帯電物2として表面抵抗が1016Ω/□のシリコンシートを複数枚重ねたものから表面の1枚剥離したときの電荷の減衰結果を図4に示す。図4(A)から、帯電物2では空気中で自然に電荷が減衰していく様子がわかる。1時間で初期の帯電電位の1/3が減衰、さらに短い時間での減衰特性結果を図4(B)に示すが、30秒以上の放置で初期電位から減衰率が高いことが分かる。
従って、除電ブラシ1のみの除電効果を確認するためには、帯電物2の電荷減衰の影響を考慮しなくてもすむように、数秒以内でブラシ稼動前後の帯電物2の帯電電位を測定する必要がある。
本発明では除電ブラシ1の進行方向の後方直後に除電後表面電位プローブ7を設置しているので、ブラシ除電後の電位の確認に5秒以上かけないので、除電ブラシ1以外の緩和の影響を受けずに測定することが可能である。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係る除電ブラシの除電性能評価装置の標準ヘッドの側面図である。
この発明の実施の形態2に係る除電ブラシの除電性能評価装置では、この発明の実施の形態1に係る除電ブラシの除電性能評価装置のそれぞれ水平に配置される除電ブラシ1、除電前表面電位プローブ6および除電後表面電位プローブ7を支持板21に固定して標準ヘッド22として一体化したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
このように除電ブラシ1、除電前表面電位プローブ6および除電後表面電位プローブ7を一体化した標準ヘッド22を移動することにより、同種の除電ブラシ1の個体差や異なる種類の除電ブラシ1間の差を、常に一定条件で、帯電物2の電荷除去を除電ブラシ1のみによる除電効果として確認できるので、除電ブラシ1以外の電荷の緩和の影響を受けずに、各除電ブラシ1の除電特性の比較が可能である。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3に係る除電ブラシの除電性能評価装置の側面図である。
この発明の実施の形態2に係る除電ブラシの除電性能評価装置では標準ヘッド22が移動部材5により上下方向に移動されるが、この発明の実施の形態3に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、標準ヘッド22が固定部材23に固定されている一方で保持部材3Bが図示しない移動機構により上下方向に移動される。
従って、帯電物2や除電性能評価装置の状況に応じて除電ブラシ1の除電性能が測定可能である。
なお、実施の形態1乃至3に係る除電ブラシの除電性能評価装置では、除電ブラシ1または帯電物2を上下方向に移動しているが、除電ブラシ1または帯電物2を水平方向に移動しても良い。
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4に係る除電ブラシの除電性能評価装置の側面図である。
この発明の実施の形態4に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、この発明の実施の形態2に係る除電ブラシの除電性能評価装置にマイクロメータ24、速度可変モータ25および駆動装置26を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
マイクロメータ24は、帯電物2と除電ブラシ1との距離を可変するために支持部15を移動する。
速度可変モータ25は、除電ブラシ1の移動速度を可変するために支持部材を柱に沿って上下に移動する。
駆動装置26は、速度可変モータ25を制御して除電ブラシ1を上下に移動する。
帯電物2と除電ブラシ1の距離の変化は、帯電物2に対して除電ブラシ1が接する長さを基準として、押込み量で表す。尚、ブラシ繊維と帯電物を離す場合もある。本装置では、ブラシの押込み量とブラシの移動速度が制御可能なため、実ラインで適用する時のブラシの最適な除電条件を把握することが可能である。
ここでブラシの押込み量を含む駆動系を変化させた場合の測定結果の一例を示す。
除電ブラシ1と帯電物2の配置の条件は、例えば、以下の4つとする。各条件での状況の説明図を図8に示す。
第1条件:接触(接地あり):除電ブラシ1の先端部と帯電物2を接触させる。その際除電ブラシ1は接地する。
第2条件:5mm離間(接地あり):除電ブラシ1の先端部と帯電物2を5mm離す。除電ブラシ1は接地する。
第3条件:押付(接地あり):除電ブラシ1の先端部を5mm曲げて帯電物2に押し付ける。除電ブラシ1は接地する。
第4条件:接触(接地なし):除電ブラシ1の先端部と帯電物2を接触させる。除電ブラシ1は接地しない。
帯電物2は積層された複数の絶縁性シートを表面の絶縁性シートを1枚剥離して残された絶縁性シートの表面に帯電された電荷を除電ブラシ1により除電する。
マイクロメータ24を使用して除電ブラシ1と帯電物2の位置関係を各条件になるようにし、速度可変モータ25により除電ブラシ1を帯電物2上で移動した後の帯電物2の表面電位を測定した。その結果を図9に示す。帯電物2へのブラシの接触回数(ブラシ回数)を横軸に、縦軸に帯電物2の表面電位をプロットする。積層された複数のシリコンシートからなる帯電物2から表面に積層された1枚のシリコンシートを剥離し、剥離直後の帯電電位(ブラシ回数0回目に対応)は除電前表面電位プローブ6で測定される。いずれの条件でも、表面電位の平均は8000V付近にあり、除電ブラシ1が接触した後に除電後表面電位プローブ7で測定した値は、どの条件でも約1000V付近にまで低下する。
また、帯電物2に接触しないように除電ブラシ1を上昇させてから再度除電ブラシ1を帯電物2に接触しながら下降させることによりブラシ回数を増加させると、帯電物2の電位は低下することが分かる。特に、図8に示す条件のうち、接触(接地あり)の場合に最も電位が低下することが明らかである。
速度可変モータ25を駆動して一定速度で除電ブラシ1を移動することも可能である。図4に示したように、帯電物2を長時間放置すると電荷の減衰で除電ブラシ1の効果が分からなくなるので、できるだけ早く、標準ヘッドを移動する必要がある。但し、表面電位プローブが測定に要する時間は表面電位プローブの機種によって異なるので、表面電位プローブが測定可能な時間を確保し得る移動速度に制御する必要がある。
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5に係る除電ブラシの除電性能評価装置の側面図である。
この発明の実施の形態5に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、この発明の実施の形態4に係る除電ブラシの除電性能評価装置に制御・判定装置27を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
制御・判定装置27は、電位測定装置8と、駆動装置26から入力される入力信号から、判定結果を求める。
除電ブラシ1を帯電物2上で移動した後の帯電物2の表面電位を図9に示したが、シリコンシートの剥離直後の電位はマニュアル制御できないので、除電条件の違いにより、帯電物2の電位値だけではどれぐらいの効果があるのかを明確に評価できない。
そこで、これらの結果から除電条件の違いにおける除電効率を検討した。シリコンシートの剥離直後の電位に対する除電ブラシ1を接触した後の電位の割合を、各除電条件での除電率として示した。
除電率(%)=(剥離直後の電位−ブラシ後の電位)×100/剥離直後の電位・・・(1)
式(1)から算出した除電率から、除電ブラシ1の除電効率を定量的に評価したグラフを図11に示す。
図11では、横軸には除電ブラシ1の接触で除電した回数を示し、縦軸には表面の1枚のシリコンシートを剥離した直後の電位に対する除電ブラシ1により除電された後での電位の割合(%)を示す。割合(%)が大きいほど効率が良い。除電ブラシ1により帯電物2を接触(接地あり)の除電条件で除電した場合の除電率は90%以上で最も効率が良いことが分かる。接触(接地なし)の場合や5mm離した場合は、除電率も80%台であり、効率は接触(接地あり)よりも低いことが確認できる。
また、押付(接地あり)の場合も4回までは効率が良いが、ブラシの接触回数が増加するに従って、新たな接触帯電による電荷発生のため徐々に割合が低下することが分かる。
この結果より高効率に除電することのできる手法は、接地した除電ブラシ1を帯電物2に接触させて除電する手法であることがわかる。除電ブラシ1のブラシ繊維の先端は帯電物2に対して、接触、あるいは押し付けた状態で帯電物2の上を数回、移動することが最適であることがわかる。式(1)を取り込んだシステムを有している制御・判定装置27を備えることで、どの条件が最適であるかを判別することができる。
もう1つの例として、各除電ブラシの種類の違いにおけるブラシ回数とシート表面電位の関係を図12(A)に示す。
ブラシは市販の6種類(A〜F)について実施した。除電条件は除電効率が最も良いところの除電ブラシ1を帯電物2に接触(接地あり)した場合で比較した。いずれの除電ブラシ1も回数とともに表面電位が低下する。製品の中でもブラシ製品(A、B、C)は、接触回数が1回目で2000V以上である。ブラシ製品(E)では2000V以下に低下させることができ、ブラシ製品(D、F)はブラシ回数が1回目で表面電位は1000V以下に低下させることができる。
次に、これらの結果を基に、除電効率の定量的な評価のために各ブラシ条件でのブラシ回数と除電率の関係を図12(B)に示す。ブラシ製品(D、F)はブラシ回数が1回目で88%以上を示し、回数とともに除電率は増加する。特にブラシ製品(F)の除電率は92%以上で最も効率が良い。ブラシ製品(A、B、C)は全体に除電率が低く、効率が悪いことが確認できる。例えば、制御・判定装置のプログラム中に、除電率は90%以上の機種として選別することを組み込んでおけば、除電率が92%であるブラシ製品(F)が該当することとなる。これらのデータから実ラインではブラシ製品(F)を適用する。これらの判定結果を有した制御・判定装置27を備えることで、どのブラシの除電効率が良いか、どの機種がラインに最適であるかをすぐに判別することができる。
実施の形態6.
この発明の実施の形態6においては、この発明の実施の形態5に係る除電ブラシの除電性能評価装置を使用して除電ブラシの除電性能を評価する手順について説明する。
ステップS1において、帯電物2を保持部材3により保持し、帯電物2を帯電する。帯電物2が積層された複数のシリコンシートの場合、表面の1枚のシリコンシートを剥離して残された積層されたシリコンシートの表面に帯電した電荷を除電する。
ステップS2において、帯電表面電位を測定する前に、マイクロメータ24を制御して帯電物2に対して除電ブラシ1のブラシ先端部が接するように調整する。
ステップS3において、駆動装置26から速度可変モータ25を駆動して除電ブラシ1のブラシ先端部が帯電物2の表面をなぞるように除電ブラシ1を一定速度で移動する。
このステップS3では、除電ブラシ1の移動に伴い、帯電物2の除電ブラシ1の前方の位置の表面電位を除電前表面電位プローブ6により測定され、帯電物2の除電ブラシ1の後方の位置の表面電位を除電後表面電位プローブ7により計測される。
ステップS4において、計測された除電前表面電位と除電後表面電位が制御・判定装置27に入力されて各除電条件での除電効率が算出される。
ステップS3において、除電ブラシ1が帯電物2の下端に到達すると、帯電物2の除電前の初期表面電位と除電ブラシ1を帯電物2の全長に渡って移動することによる1回目の除電後の表面電位との測定が完了する。
除電ブラシ1による複数回の除電による除電効果を確認するときには、ステップS4において、マイクロメータ24を使用して除電ブラシ1のブラシ先端部が帯電物2の表面に接しないように除電ブラシ1を帯電物2から離す。そして、標準ヘッド22を帯電物2の上端と同じ高さまで持ち上げる。
それから、ステップS2〜S4を繰り返すことにより、除電ブラシ1による複数回の除電による除電効果を確認することができる。
なお、除電ブラシ1による複数回の除電による除電効果を確認するときに、ステップS4では除電ブラシ1を帯電物2から離しながら除電ブラシ1を帯電物2の上端に戻しているが、除電ブラシ1を帯電物2から離さずに除電しながら且つ表面電位を測定しながら除電ブラシ1を帯電物2の上端に戻しても良い。なお、このときは、除電後表面電位プローブ7により除電前表面電位が、除電前表面電位プローブ6により除電後表面電位が測定される。
このようにして計測された除電前表面電位のデータと除電後表面電位のデータを制御・判定装置27によりいずれの除電条件が最適であるかを判定することができる。
なお、本発明では表面電位プローブを2本としているが、3本以上用いることで、帯電物2全体の面内分布の測定を実施しても良い。一方、帯電物2の電荷緩和にかかる時間が長い材料であれば、表面電位プローブ1本で、まずは帯電物2の初期表面電位を測定し、その後、除電ブラシ1により除電し、その後、除電後の表面電位を測定しても良い。
実施の形態7.
図13は、この発明の実施の形態7に係る除電ブラシの除電性能評価装置の側面図である。
この発明の実施の形態7に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、この発明の実施の形態5に係る除電ブラシの除電性能評価装置に帯電プレート31とDC電源32を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
帯電プレート31は帯電物2の除電ブラシ1に対向する面の裏面に固定される金属板である。なお、帯電プレート31は金属板でなくても良く、シートやフィルムでもDC電源32から電圧が印加できればどのような状態でも良い。
DC電源32は帯電プレート31に接続されており、スイッチをオンすることによりDC電源32で発生する直流電圧が帯電プレート31に印加され、除電ブラシ1に対向する帯電物2の面に電荷が誘起される。
このように帯電プレート31とDC電源32とにより帯電物2に電荷を誘起することにより、帯電物2の初期表面電位を所定の値に合わすことができ、帯電物2を剥離したり摩擦したりして帯電するときとは異なり、バラツキの少ない状況で除電ブラシ1の除電性能を評価することができる。
実施の形態8.
この発明の実施の形態8においては、この発明の実施の形態7に係る除電ブラシの除電性能評価装置を使用して除電ブラシの除電性能を評価する手順について説明する。
ステップS11において、帯電物2を保持部材3により保持し、帯電物2の裏面に固定された帯電プレート31に、接続するDC電源32からスイッチをオンにして直流電圧を印加する。すると、帯電物2の除電ブラシ1に対向する面に電荷が誘起される。
ステップS12において、帯電表面電位を測定する前に、マイクロメータ24を制御して帯電物2に対して除電ブラシ1のブラシ先端部が接するように調整する。
ステップS13において、駆動装置26から速度可変モータ25を駆動して除電ブラシ1のブラシ先端部が帯電物2の表面をなぞるように除電ブラシ1を一定速度で移動する。
このステップS13では、除電ブラシ1の移動に伴い、帯電物2の除電ブラシ1の前方の位置の表面電位を除電前表面電位プローブ6により測定され、帯電物2の除電ブラシ1の後方の位置の表面電位を除電後表面電位プローブ7により計測される。
ステップS14において、計測された除電前表面電位と除電後表面電位が制御・判定装置27に入力されて各除電条件での除電効率が算出される。
このように帯電プレート31とDC電源32とにより帯電物2に電荷を誘起することにより、帯電物2の初期表面電位のバラツキが小さくすることができ、帯電物2を剥離したり摩擦したりして帯電するときと比べて、バラツキの少ない状況で除電ブラシ1の除電性能を評価することができる。
実施の形態9.
図14は、この発明の実施の形態9に係る除電ブラシの除電性能評価装置の側面図である。
この発明の実施の形態9に係る除電ブラシの除電性能評価装置は、この発明の実施の形態5に係る除電ブラシの除電性能評価装置に恒温恒湿槽33を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
帯電物2に帯電した静電気は湿度の影響を受けやすく、湿度が高い場合、除電ブラシ1以外による電荷緩和の影響が大きくなるので、除電ブラシ1単独での除電性能を評価することが難しくなる可能性がある。そこで、除電ブラシ1や帯電物2を恒温恒湿槽33内に納めながら除電ブラシ1により帯電物2を除電することにより、湿気の影響を排除して除電ブラシ1の除電性能を正確に見極めることが可能である。
1 除電ブラシ、2 帯電物、3、3B 保持部材、4 支持部材、5 移動部材、6 除電前表面電位プローブ、7 除電後表面電位プローブ、8 電位測定装置、11 盤、12 柱、13 梁、14 柱、15 支持部、21 支持板、22 標準ヘッド、23 固定部材、24 マイクロメータ、25 速度可変モータ、26 駆動装置、27 制御・判定装置、31 帯電プレート、32 DC電源、33 恒温恒湿槽、41 金属片、42 ブラシ繊維、43 ブラシ先端。

Claims (7)

  1. 除電ブラシの除電性能を評価する除電評価装置であって、
    除電対象の帯電物に接触または近接している上記除電ブラシを、上記帯電物に対して相対的に移動するようにする移動手段と、
    上記除電ブラシを先導するように上記帯電物に対して相対的に移動しながら上記除電ブラシの前方の除電前の上記帯電物の表面電位である除電前表面電位を計測する除電前表面電位プローブと、
    上記除電ブラシに後続するように上記帯電物に対して相対的に移動しながら上記除電ブラシの後方の除電後の上記帯電物の表面電位である除電後表面電位を計測する除電後表面電位計プローブと、
    を備え
    上記除電ブラシを動かして上記除電ブラシの上記帯電物に対する位置を調整するマイクロメータと、
    上記除電ブラシの移動速度を可変する速度可変モータと、
    上記マイクロメータおよび上記速度可変モータによって設定された除電条件において計測された上記除電前表面電位および上記除電後表面電位から、除電による効果を除電効率として定量的に算出する制御・判定装置と、
    をさらに備えることを特徴とする除電ブラシの除電性能評価装置。
  2. 上記除電ブラシ、上記除電前表面電位プローブおよび上記除電後表面電位プローブが支持板に取り付けられるとともに一体として移動する標準ヘッドを備えることを特徴とする請求項1に記載の除電ブラシの除電性能評価装置。
  3. 上記除電ブラシまたは上記帯電物のいずれか一方を移動することを特徴とする請求項1または2に記載の除電ブラシの除電性能評価装置。
  4. 上記帯電物の上記除電ブラシに対向する面の裏面に固定される帯電プレートと、
    上記帯電プレートに接続されるDC電源と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の除電ブラシの除電性能評価装置。
  5. 上記帯電物を囲繞して上記帯電物の周囲の温度および湿度を制御する恒温恒湿槽を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の除電ブラシの除電性能評価装置。
  6. 上記請求項1乃至のいずれかに記載の除電ブラシの除電性能評価装置を用いて除電ブラシの除電性能を評価する除電性能評価方法であって、
    上記帯電物と上記除電ブラシとの位置関係を所定の除電条件に合致するように調整するステップと、
    上記除電ブラシを上記帯電物に対して相対的に移動させながら上記帯電物の上記除電ブラシにより除電される前の表面電位および上記帯電物の上記除電ブラシにより除電された後の表面電位を計測するステップと、
    を含むことを特徴とする除電ブラシの除電性能評価方法。
  7. 上記請求項4または5に記載の除電ブラシの除電性能評価装置を用いて除電ブラシの除電性能を評価する除電性能評価方法であって、
    帯電プレートに直流電圧を印加することにより帯電物を帯電するステップと、
    上記帯電物と上記除電ブラシとの位置関係を所定の除電条件に合致するように調整するステップと、
    上記除電ブラシを上記帯電物に対して相対的に移動させながら上記帯電物の上記除電ブラシにより除電される前の表面電位および上記帯電物の上記除電ブラシにより除電された後の表面電位を計測するステップと、
    を含むことを特徴とする除電ブラシの除電性能評価方法。
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