JP5586270B2 - 分岐部を有する配管を備えたプラント及び沸騰水型原子力プラント - Google Patents

分岐部を有する配管を備えたプラント及び沸騰水型原子力プラント Download PDF

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Description

本発明は、分岐部を有する配管を備えたプラントに関し、更には、沸騰水型原子力プラントに関する。
原子炉として沸騰水型原子炉(以下、「BWR」という)を有する沸騰水型原子力プラント(以下、「BWRプラント」という)では、発電容量を増大する際に、主蒸気流量の増大に伴って圧力変動が増大し、プラントの機器損傷に至る事例が報告されている。機器の損傷を避けるため、主蒸気系の流路形状の適正化及び構造強度の増大などの対策がとられている。このような事例及び対策が、以下の非特許文献1に既に開示されている。
BWRプラントにおける主蒸気系(主蒸気配管等)での圧力変動の原因の一つとして、音響共鳴が考えられている。原子炉圧力容器の蒸気ドームから主蒸気配管を通って高圧タービンに至る主蒸気系では、主蒸気配管に設置されている主蒸気逃し安全弁などの分岐管において圧力波が発生し、主蒸気系内を伝播、反射する。これによって、大きな振幅を持つ定在波(音響共振モード)が形成され、圧力変動の振幅が増大する可能性がある。特に、発電容量を増大したBWRプラントでは、主蒸気流量の増大に伴って蒸気の圧力変動が大きくなるため、音響共鳴が生じやすくなる。
この音響共鳴を抑制する方法としては、例えば、以下の特許文献1には、ヘルムホルツ共鳴管を利用してBWRプラントの主蒸気系で発生する音響共鳴に伴う圧力変動を抑制する方法が開示されている。また、以下の特許文献2には、音響共鳴が発生すると考えられているキャビティに庇部材を設けることで、音響共鳴に伴う圧力変動を抑制する方法が開示されている。更に、以下の非特許文献2には、主配管(内径89mm)に、内径50.73mmで長さ2mの2本の分岐管を119mm間隔で接続した場合には、分岐管の間で音響共鳴が発生すると、分岐管1本分の音圧の数倍にもなる音が発生することを示している(589頁、図7の(b3)参照)。しかしながら、この文献は、2本の分岐管のうち1本の分岐管の長さを15%減の1.7mにすることによって、その音圧を分岐管1本分の音圧にまで抑制できることを開示している。
また、以下の非特許文献3には、分岐管の主配管への接続部である分岐部で発生する音響共鳴に伴う圧力変動を、ストローハル数(St)とよばれる無次元数で表わし、このSt数が0.4の前後において、前述した渦と音のフィードバックループが分岐管内等に形成されることにより、強い音響共鳴が発生することが既に報告されている。更に、以下の非特許文献4には、圧力変動が大きい音響共鳴領域は、St数が0.3<St<0.5、0.6<St<0.8の範囲であることが開示されている。
特開2006−153869号公報 特開2008−14458号公報
G. Deboo, et al.,"Quad cities unit 2 main steam line acoustic source identification and load reduction", ICONE14-89903 Proceedings of ICONE 14, (2006) S. Ziada, et al.,"Self-excited resonances of two side-branches in close proximity", Journal of Fluids and Structures, 6, P583-601(1992) D. S. Weaver, et al.,"Entrance port rounding effects on acoustic resonance in safety relief valves", Flow-Induced Vibration, 389, (1999) B.D.Knotts, et al.,"Suppression of flow-acoustic coupling in sidebranch ducts by interface modification", Journal of sound and vibration, 265, (2003)
原子炉を含め、多数の配管を備えたプラントでは、その主蒸気配管が引き回される原子炉格納容器内のスペースが限られていることから、発電容量増大時の音響共鳴の抑制方法としても、空間的な制約が大きく、よりコンパクトな手法が強く求められている。
これに対し、上記の特許文献1では、上述したように、主蒸気配管にヘルムホルツ管を設置することにより、ヘルムホルツ共鳴管が主蒸気系内の音響エネルギーを吸収して、効果的に音響共鳴モードを減衰させることができる。しかしながら、当該特許文献1では、分岐管毎にヘルムホルツ管を設置する必要がある。特に、BWRプラントにおいては、逃し安全弁は10ヶ所以上あることが多いため、分岐管毎にヘルムホルツ管を設置した場合、原子炉格納容器を大きくする必要性が生じる。
また、上記の特許文献2でも、分岐管毎に音響共鳴モードを減衰させる必要があり、この場合にも、配管の構造が複雑化するという課題が生じる。
更に、上記の非特許文献1では、主配管に接続された隣り合う分岐管の間の距離が分岐管の長さよりも短い体系を対象に、音響共鳴に伴う圧力変動を抑制している。主蒸気逃し安全弁を設けた複数の分岐管を接続した、一般的な原子力プラントの主蒸気配管では、隣接する分岐管の間の距離が分岐管の長さよりも長いので、この主蒸気配管に、上記した隣接する分岐管の間の距離が分岐管の長さよりも短い体系を適用することは現実的ではない。
また、上記の非特許文献2では、2本の分岐管のうち1本の分岐管の長さを所定の比率で縮減することによって、その音圧を分岐管1本分の音圧にまで抑制できることを開示しているが、一般的な原子力プラントの主蒸気配管のように、複数の分岐管を隣接して接続する体系を適用することについては記載していない。加えて、上記の非特許文献3や4にも、一般的な原子力プラントの主蒸気配管のように、複数の分岐管を隣接して接続する体系への具体的な適用については記載がない。
本発明は、上述した従来技術における課題を考慮して達成されたものであり、その目的は、音響共鳴に基づく圧力変動をさらに低減できる、分岐部を有する配管を備えたプラント及び沸騰水型原子力プラントを提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明によれば、まず、複数の分岐管が接続されて内部に気体が流れる配管を備えたプラントであって、前記配管に接続された複数の分岐管のうち、少なくとも、同じ長さを有する第1分岐管及び第2分岐管が、互いに、隣接して配置されており、かつ、前記第1分岐管と前記第2分岐管との間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されている複数の分岐管を有する配管を備えたプラントが提供される。
また、本発明では、前記に記載された複数の分岐管を有する配管を備えたプラントにおいて、更に、前記配管と、当該配管に接続された前記第1分岐管及び前記第2分岐管とで決定されるストローハル数が、0.6<St<0.8の範囲であることが好ましく、更に、前記配管には、前記第1分岐管及び前記第2分岐管と同じ長さを有する第3分岐管が接続されており、かつ、前記第1分岐管と前記第2分岐管と前記第3分岐管との間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されていてもよい。
また、本発明によれば、やはり上記した目的を達成するため、複数の分岐管が接続されて内部に気体が流れる配管を備えたプラントであって、前記配管に接続された複数の分岐管のうち、少なくとも、同じ長さを有する複数の分岐管が、互いに、隣接して配置されており、かつ、前記複数の分岐管の間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されている複数の分岐管を有する配管を備えたプラントが提供される。そして、本発明では、前記プラントが原子力プラントであることが、又は、前記プラントが火力プラントであることが好ましい。
加えて、本発明によれば、やはり上記した目的を達成するため、原子炉と、前記原子炉に接続されて前記原子炉で発生した蒸気を導き、複数の分岐管が接続されている蒸気配管とを備え、前記蒸気配管に接続された複数の蒸気逃し安全弁を取り付けた分岐管のうち、少なくとも、同じ長さを有する複数の分岐管が、互いに、隣接して配置されており、かつ、前記複数の分岐管の間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されている沸騰水型原子力プラントが提供される。
上述した本発明によれば、プラント内において、配管の隣接している分岐管の間で音響共鳴が発生してもより強くなる音響共鳴の発生を抑制することができ、もって、配管内を流れる気体の圧力変動をさらに低減することが可能なプラント及び沸騰水型原子力プラントを提供することができる。
本発明の一実施例になるプラント(沸騰水型原子力プラント)における主蒸気配管と分岐管の分岐部の拡大縦断面図である。 本発明の好適な一実施例である実施例1の分岐部を有する配管を備えたプラント(沸騰水型原子力プラント)の構成図である。 上記主蒸気配管と分岐管の分岐部における、St数と二乗平均平方根(RMS)で表す圧力変動の関係を示す特性図である。 上記主蒸気配管に分岐管が2本設置された場合において、隣り合う2本の分岐管の間の距離と圧力変動の関係を示す特性図である。 隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの1倍である場合について、2つの分岐管から主蒸気配管内に伝播された音圧と、それらが合成されたときの圧力を示す特性図である。 隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの2倍である場合について、2つの分岐管から主蒸気配管内に伝播された音圧と、それらが合成されたときの圧力を示す特性図である。 本発明の他の実施例である実施例2の分岐部を有する配管を備えたプラント(沸騰水型原子力プラント)において、主蒸気配管と分岐管の接続部で主蒸気配管に形成された開口部の拡大図である。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、まず、その前に、本発明の発明者らにより行われた検討内容、即ち、主蒸気逃し安全弁などの分岐管における音の発生メカニズムについて説明する。
まず、弁の弁体により閉止される分岐管が主配管に設置されており、気体(例えば、空気または蒸気)が主配管内を流れているものとする。すると、分岐管と主配管の接続部において分岐管の上流側端部で、主配管内を流れる気体の流れが剥離し、渦が発生する。この渦は気体とともに下流に向って流れ、上記の接続部において分岐管の下流側端部付近で分岐管の内面に衝突する。そして、この渦の分岐管内面への衝突により音波が発生する。
上述のようにして発生した音波は、分岐管内を伝播し、分岐管を封鎖している弁の弁体で反射される。また、反射された音波が、分岐管と主配管の接続部において分岐管の上流側端部に到達する。ここで、反射されてこの接続部に到達した音波が、主配管から剥離した渦を強める働きをする。この時、分岐管と主配管の接続部において分岐管の上流側端部で発生したある渦が、その接続部での分岐管の下流側端部付近で分岐管の内面に衝突するまでの期間に発生する渦の周波数の値と、その下流側端部付近で分岐管の内面で発生した音波が、分岐管内を伝播し分岐管の上流側端部に到達するまでの期間における音波の周波数の値が近いのときに、分岐管及び主配管内において、このような音波のフィードバックループが形成される。この渦と音波のフィードバックループの形成によって、音波の強度が数十〜数百倍に強められる。以上が分岐管の設置による音の発生メカニズムである。
分岐管の主配管への接続部である分岐部で発生する音響共鳴に伴う圧力変動は、ストローハル数(St)とよばれる無次元数で以下の(式1)のように表される。
St=f×d/U ……(式1)
ここで、dは分岐管との接続部で主配管に形成された開口部の、主配管の軸方向における差し渡し長さ、Uは主配管内の流体の流速、fは主配管と分岐配管の接続部で発生する音響共鳴に伴う圧力変動の周波数である。差し渡し長さとは、開口部での、開口部の対向する側面間の距離を示すもので、例えば、円の差し渡し長さは円の直径と等しくなる。なお、このSt数が0.4の前後となることで、前述した渦と音のフィードバックループが分岐管内等に形成されることにより、強い音響共鳴が発生することが、上記の非特許文献3に開示されている。
本発明の発明者らは、このような課題の解決策を鋭意検討した結果、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、第1分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)にしたときに、第1分岐管で発生した音波と第2分岐管で発生した音波が互いに打ち消し合うため、隣り合う分岐管の間で強い音響共鳴が生じないことを初めて見出した。ここで、分岐管の長さとは、分岐管と主配管との接続部と、この分岐管に設けられた弁のうち、その接続部に最も近い弁の弁体との間の最短距離である。
続いて、以上の本発明の発明者らによる検討結果を考慮して得られた、本発明になるプラント(沸騰水型原子力プラント)、特に、かかるプラントにおける主蒸気配管と分岐管の分岐部について、以下に詳細に説明する。
本発明の好適な一実施例である分岐部を有する配管を備えたプラント(沸騰水型原子力プラント)について、添付の図1、図2、図3、図4及び図5を用いて、以下に説明する。本実施例の分岐部を有する配管を備えたプラントは、例えば、図2に示すように、BWRプラント1である。
BWRプラント1は、図示のように、原子炉2、主蒸気配管10、タービン11、復水器(図示せず)及び給水配管(図示せず)を備えている。
原子炉2(図示せず)は、原子炉圧力容器(以下、RPVという)3、及びRPV3内に配置された炉心を有する。炉心には、多数の燃料集合体(図示せず)が装荷されている。RPV3上には、取り外し可能な蓋4が取り付けられている。RPV3内には、炉心の上方に気水分離器(図示せず)が設置され、更に、当該気水分離器の上方には、波板6を有する蒸気乾燥器5が設置されている。
主蒸気配管10は、上記RPV3に形成されたノズル9に接続されており、そして、上記RPV3内において蒸気乾燥器5よりも上方に形成される蒸気ドーム7に連絡されている。主蒸気配管10には、タービン11が接続されると共に、その途中には、図1に示すように、複数の分岐管12A、12Bが接続され、そして、当該分岐管12A、12Bには、それぞれ、蒸気逃し安全弁13A、13Bが設置されている。なお、主蒸気配管10に接続された分岐管12Aの長さL、及び、分岐管12Bの長さLは、共に、55cmである。ここで、分岐管の長さとは、分岐管の内側の底面と分岐部との最短距離を示す。また、分岐管12Aの中心軸と分岐管12Bの中心軸との間の距離D(以下、「分岐管の距離」と称する)は150cmである。
なお、ここでは図示しないが、蒸気逃し安全弁13Aに接続された排気管(図示せず)及び蒸気逃し安全弁13Bに接続された排気管(図示せず)は、原子炉2を取り囲んでいる原子炉格納容器(図示せず)内に設けられた圧力抑制室内まで伸びており、それらの排気管の先端部が、圧力抑制室内のプール水に浸漬されている。また、再循環ポンプ(図示せず)の駆動によって、RPV3内の冷却水が昇圧されてRPV3内に設置されたジェットポンプ(図示せず)のノズルから噴出される。即ち、この噴出された冷却水流によって、ノズルの周囲に存在する冷却水が、ジェットポンプ内に吸引されてジェットポンプから吐出される。吐出された冷却水は、炉心に供給される。この冷却水は、炉心を上昇する間に、燃料集合体内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、その一部が蒸気16になる。この蒸気16に含まれている水分が、気水分離器及び蒸気乾燥器5で除去される。
その後、水分が除去された蒸気16は、上述した主蒸気配管10を通ってタービン11に導かれ、当該タービン11を回転させる。それに伴い、タービン11に連結された発電機(図示せず)が回転し、電力を発生する。なお、タービン11から排出された蒸気16は、復水器(図示せず)で凝縮されて水になる。この水は、給水として、給水ポンプ(図示せず)で昇圧され、給水配管(図示せず)を通ってRPV3内に供給される。このように、BWRプラント1における原子炉2は、蒸気発生装置である。また、蒸気乾燥器5で分離された水分は、ドレン管8を通って蒸気乾燥器5よりも下方で気水分離器の相互間に形成された領域に排出される。
ところで、上述したBWRプラント1において、万が一、RPV3内の圧力が設定値よりも高くなったとき、上述した蒸気逃し安全弁13A、13Bが自動的に開く。すなわち、蒸気逃し安全弁13A,13Bに設けられたそれぞれの弁体15が蒸気の圧力により押し上げられる。RPV3内の蒸気16は、主蒸気配管10及び蒸気逃し安全弁13A,13Bを通り、そして、それぞれの排気管(図示せず)を経て、圧力抑制室内のプール水中に放出され、凝縮される。これにより、RPV3内の圧力が設定値以下に抑えられ、原子炉2の安全性が確保される。
蒸気16の流れによって分岐部(主蒸気配管10の、分岐管12A、12Bを接続した部分)で発生する音響共鳴に伴う圧力変動は、ストローハル数(St)とよばれる無次元数で(1)式のように表され、圧力変動の周波数fは以下の(式2)で表される。
f=c/(4L) ……(式2)
ここで、cは分岐部12内を流れる蒸気16の音速(m/S)である。
分岐管が1本だけ存在する体系において、分岐部における圧力変動の強さである二乗平均平方根(RMS)は、St数に対して、添付の図3に示すように変化する。そして、圧力変動が大きい音響共鳴領域A、Bは、それぞれ、図3に示すように、St数が0.3<St<0.5、0.6<St<0.8の範囲であることは、既に、上記の非特許文献4に開示されている。
なお、このような条件では、分岐管上流側の付け根部から放出される渦の放出周波数が分岐管の共鳴周波数が近くなり、渦発生を促進するようなフィードバック現象が発生するため、主蒸気配管を流れる蒸気流れの動圧の数倍レベルの極めて大きな圧力変動が急激に発生する。ただし、一般的なBWRプラントでは、原子炉出力(電気出力)が定格出力の状態で、分岐管が隣り合って主蒸気配管に接続されている分岐部の構造が、一般に規格化されたStが0.5以下になることはほとんどなく、むしろ、基本的には0.8より大きい値になり、強い音響共鳴が生じないように設計されている。
次に、図4には、強い音響共鳴が生じる0.6<St<0.8の範囲において、主蒸気配管に分岐管が2本設置された場合における圧力変動の強さを示す。なお、図における縦軸は、2本の分岐管が存在する本実施例の分岐部における圧力変動の強さを、分岐管が1本だけ存在したときにおける分岐部の圧力変動の強さで規格化して((2本の分岐管が存在する本実施例の分岐部における圧力変動)/(1本の分岐管で発生する音圧))示しており、この値が2より小さければ2本の分岐管で発生した圧力変動が打ち消し合い、音圧を抑制していることを示す。なお、横軸は、2本の分岐管の間の距離を、分岐管の長さで規格化(枝管の距離/枝管の長さ)して示している。
この図4によれば、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)のときに、横軸の値が2より小さくなり、2本の分岐管で発生した圧力変動が打ち消し合って、音圧を抑制していることがわかる。これは、強い音響が生じる0.3<St<0.5の範囲においては、分岐部12Aで発生した音波と分岐部12Bで発生した音波が、それぞれ、主蒸気配管10に伝播するが、音波は圧力の疎・密の時間的な変化であるため、このように2つの音波が存在する場合には、これらが合成される。例えば、2つの音波の密な部分が重なった場合は、強めあうことで音波の強さが2倍になる。他方、音波の疎の部分と、もう一方の音波の密の部分が重なった場合には、互いに弱め合うことで音波が消える。これら2つの音波の重なり合い方は、音の波長と2つの分岐管の間の距離で決まり、音の波長λは、以下の(式3)で表される。
λ=1/f ……(式3)
一例として、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの1倍、2倍である場合について、2つの分岐管から主蒸気配管内に伝播された音圧と、それらが合成されたときの圧力を、添付の図5及び図6に示す。
図5(A)及び(B)に示すように、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの1倍(分岐管の間の距離=分岐管の長さ×1)の場合は、隣り合う分岐管で発生する音波の位相が丁度逆で打ち消し合うため、合成された音波が弱くなる。
一方、図6(A)及び(B)に示すように、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの2倍(分岐管の間の距離=分岐管の長さ×2)の場合は、隣り合う分岐管で発生する音波の位相が同じで強めあうため、合成された音波が強くなる。
より詳細には、本実施例においては、音速が約500m/s、主蒸気配管を流れる蒸気の流速が50m/s、分岐管との接続部で主配管に形成された開口部の、分岐管との接続部で主配管に形成された開口部の、主配管の軸方向における差し渡し長さは10cmであることから、上記の(式1)及び(式2)により、St数の値は、0.45である。この場合、前述した音響共鳴の条件に入っていることから、仮に分岐管が1本だけ存在する場合は強い圧力変動が生じる。しかしながら、本実施例では、2本の分岐管の間の距離が分岐管の長さの2.7倍となり、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、n=2)の領域に入っており、2本の分岐管で発生した圧力変動が打ち消し合うことから、音圧が抑制される。
続いて、上記にその詳細を説明した分岐部を有する配管を備えたプラント及び沸騰水型原子力プラントによって得られる効果について、以下に詳細に説明する。
なお、上述した特許文献1に記載されたBWRプラントでは、主蒸気配管に接続された分岐管にヘルムホルツ共鳴管を設けることによって、音響共鳴を回避している。しかしながら、BWRプラント1の主蒸気配管10には、一般的に、10本程度の分岐管が接続されており、かかる構造において音響共鳴を回避するためには、これらすべての分岐管にそれぞれヘルムホルツ共鳴管を設置する必要がある。しかし、このようなヘルムホルツ共鳴管の設置は原子炉格納容器を大きくすることになる。
これに対し、上述した本実施例になる配管の構造によれば、ヘルムホルツ管などを特に設置していないため、原子炉格納容器を大きくする必要がない。即ち、本実施例によれば、主蒸気配管に接続された分岐管を、上述した所定の関係を保つよう配置するだけでよく、原子炉格納容器の拡大を抑えつつ、かつ、分岐管12Aと分岐管12Bとの間で発生する強い音響共鳴の発生を回避することができる。すなわち、本実施例によれば、分岐部を有する配管を備えたプラント(沸騰水型原子力プラント)において、音響共鳴に基づく蒸気16の圧力変動をさらに低減することが可能となる。
更に、上述したように、主蒸気配管10内を流れる蒸気16の圧力変動をさらに低減できる本実施例によれば、上記の効果に加え、特に、BWRプラント1の出力向上を、容易に達成することを可能とする。ここで、BWRプラント1の出力向上とは、炉心流量を増加させ、もって、原子炉出力を定格出力(100%出力)よりも増大させることである。この出力向上により、タービン11に供給される蒸気16の流量が増大されるが、本実施例によれば、前述したように、主蒸気配管10内を流れる蒸気16の圧力変動をさらに低減できることから、タービン11に供給する蒸気16の流量を、容易に、増加させることができる。そのため、本実施例は、BWRプラント1の出力向上を容易に達成するための技術としても有効である。
次に、本発明の他の実施例である分岐部を有する配管を備えたプラントについて、添付の図7を用いて、以下に詳細に説明する。なお、本実施例2の分岐部を有する配管を備えたプラントは、BWRプラント1Aである。
本実施例2に示すBWRプラント1Aは、上述したBWRプラント1と同様に、原子炉2、主蒸気配管10、タービン11、復水器(図示せず)及び給水配管を備えている(上記の図2を参照)。
但し、本実施例2になるBWRプラント1Aでは、上記実施例1において形成された分岐管12A及び分岐管12B(上記図1を参照)に代えて、図7に示すように、分岐管12C、分岐管12D及び分岐管12Eを備えている。これらの分岐管12C、分岐管12D、分岐管12Eの長さは、すべて等しく設定されている。また、分岐管12Cと分岐管12Dの間の距離は、分岐管の長さの1.4倍に、また、分岐管12Dと分岐管12Eの間の距離も、同様に、1.4倍に設定されている。
このように、本実施例2においても、上記の実施例1と同様に、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、n=1)の領域に入っており、そのため、上記図4にも示したように、2本の分岐管で発生した圧力変動が打ち消し合うことから、音圧が抑制されることとなる。
更に、分岐管12Cと分岐管12Eの間の距離は、分岐管の長さの2.8倍となっている。即ち、このことも、やはり上記図4にも示したように、隣り合う2本の分岐管の間の距離が、分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、n=1)の領域に入っており、これら2本の分岐管で発生した圧力変動も互いに打ち消し合うことから、音圧が抑制される。すなわち、これらの分岐管12C、分岐管12D、分岐管12Eは、それぞれの分岐管で発生した圧力変動を互いに打ち消し合うという関係にあることから、さらに音圧を抑制することが可能となる。
以上のように、本実施例2によっても、上記実施例1と同様、分岐部を有する配管を備えたプラント(沸騰水型原子力プラント)において、音響共鳴に基づく蒸気16の圧力変動をさらに低減することが可能となり、そして、BWRプラント1の出力向上を、容易に達成することを可能とする効果を発揮する。
本発明は、蒸気配管を有する原子力プラント及び火力プラント等のプラントに適用することができる。
1,1A…沸騰水型原子力プラント、2…原子炉、3…原子炉圧力容器、4…蓋、5…蒸気乾燥器、6…波板、7…蒸気ドーム、8…ドレン管、9…ノズル、10…主蒸気配管、11…タービン、12A,12B,12C,12D,12E…分岐管、13A,13B,13C,13D,13E…主蒸気逃し安全弁、14A,14B,14C,14D,14E,…分岐部、16…蒸気。

Claims (7)

  1. 複数の分岐管が接続されて内部に気体が流れる配管を備えたプラントであって、
    前記配管に接続された複数の分岐管のうち、少なくとも、同じ長さを有する第1分岐管及び第2分岐管が、互いに、隣接して配置されており、かつ、
    前記第1分岐管と前記第2分岐管との間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されていることを特徴とする複数の分岐管を有する配管を備えたプラント。
  2. 前記請求項1に記載された複数の分岐管を有する配管を備えたプラントにおいて、更に、
    前記配管と、当該配管に接続された前記第1分岐管及び前記第2分岐管とで決定されるストローハル数が、0.6<St<0.8の範囲であることを特徴とする複数の分岐管を有する配管を備えたプラント。
  3. 前記請求項1に記載された複数の分岐管を有する配管を備えたプラントにおいて、更に、
    前記配管には、前記第1分岐管及び前記第2分岐管と同じ長さを有する第3分岐管が接続されており、かつ、
    前記第1分岐管と前記第2分岐管と前記第3分岐管との間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されていることを特徴とする複数の分岐管を有する配管を備えたプラント。
  4. 複数の分岐管が接続されて内部に気体が流れる配管を備えたプラントであって、
    前記配管に接続された複数の分岐管のうち、少なくとも、同じ長さを有する複数の分岐管が、互いに、隣接して配置されており、かつ、
    前記複数の分岐管の間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されていることを特徴とする複数の分岐管を有する配管を備えたプラント。
  5. 前記請求項1〜4の何れか1項において、前記プラントが原子力プラントであることを特徴とする複数の分岐管を有する配管を備えたプラント。
  6. 前記請求項1〜4の何れか1項において、前記プラントが火力プラントであることを特徴とする複数の分岐管を有する配管を備えたプラント。
  7. 原子炉と、前記原子炉に接続されて前記原子炉で発生した蒸気を導き、複数の分岐管が接続されている蒸気配管とを備え、
    前記蒸気配管に接続された複数の蒸気逃し安全弁を取り付けた分岐管のうち、少なくとも、同じ長さを有する複数の分岐管が、互いに、隣接して配置されており、かつ、
    前記複数の分岐管の間の距離が、前記分岐管の長さの(2×n−1.5)倍から(2×n−0.5)倍(ただし、nは自然数)の範囲内に設定されていることを特徴とする沸騰水型原子力プラント。
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