JP5584971B2 - 高分子化合物の製造方法 - Google Patents
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また、本発明は、有機電界発光素子に用いたときに、当該化合物を含む層を厚膜化しても、有機電界発光素子の特性に対する影響が少ない芳香族ジアミン含有高分子化合物を提供することを課題とする。
<連結基群X1>
[置換基群Z]
アルキル基;アルケニル基;アルキニル基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルコキシカルボニル基;ジアルキルアミノ基;ジアリールアミノ基;アリールアルキルアミノ基;アシル基;ハロゲン原子;ハロアルキル基;アルキルチオ基;アリールチオ基;シリル基;シロキシ基;芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基:
R31およびR32は、各々独立して、水素原子、或いは、分子量400以下の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、または芳香族複素環基を表す。)〕
また、本発明の高分子化合物は、この高分子化合物を含む層を厚膜化しても、有機電界発光素子の特性に対する影響が少ない。
本発明の高分子化合物は、重量平均分子量が34000〜1000000であり、下記式(1)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする。
<連結基群X1>
式(1)において、Ar1〜Ar5、および、Ar11〜Ar28には、任意の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基が適用可能であり、各々が同一であっても異なっていてもよく、任意の置換基を有していてもよい。
メチル基、エチル基等の好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基;
ビニル基等の好ましくは炭素数2〜11、更に好ましくは炭素数2〜5のアルケニル基;
エチニル基等の好ましくは炭素数2〜11、更に好ましくは炭素数2〜5のアルキニル基;
メトキシ基、エトキシ基等の好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の好ましくは炭素数4〜25、更に好ましくは炭素数5〜14のアリールオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の好ましくは炭素数2〜11、更に好ましくは炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2〜12のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−カルバゾリル基等の好ましくは炭素数10〜30、更に好ましくは炭素数12〜22のジアリールアミノ基;
フェニルメチルアミノ基等の好ましくは炭素数6〜25、更に好ましくは炭素数7〜17のアリールアルキルアミノ基;
アセチル基、ベンゾイル基等の好ましくは炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜7のアシル基;
フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;
トリフルオロメチル基等の好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4のハロアルキル基;
メチルチオ基、エチルチオ基等の好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の好ましくは炭素数4〜25、更に好ましくは炭素数5〜14のアリールチオ基;
トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の好ましくは炭素数2〜33、更に好ましくは炭素数3〜26のシリル基;
トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の好ましくは炭素数2〜33、更に好ましくは炭素数3〜26のシロキシ基;
シアノ基;
フェニル基、ナフチル基等の好ましくは炭素数6〜30、更に好ましくは炭素数6〜18の芳香族炭化水素基;
チエニル基、ピリジル基等の好ましくは炭素数3〜28、更に好ましくは炭素数4〜17の芳香族複素環基:
耐熱性、酸化還元電位を含めた正孔注入・輸送性の点から、Ar3〜Ar5としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環由来の基が好ましく、フェニレン基(ベンゼン環由来の基)、ビフェニレン基(ベンゼン環由来の基)、ナフチレン基(ナフタレン環由来の基)がさらに好ましい。
本発明の高分子化合物は、重量平均分子量が34000〜1000000の範囲であり、有機電界発光素子への使用に好適である。高分子化合物の重量平均分子量がこの範囲よりも小さいと、高分子化合物の駆動寿命向上に十分な効果を示さない。高分子化合物の重量平均分子量がこの範囲よりも大きいと成膜性が低下し、均一な膜が得られにくくなる。
この高分子化合物を含む層を、湿式成膜法により形成する場合には、溶解性および耐熱性の点から、その重量平均分子量は特に100000以下程度のものが好ましい。
SECの測定条件は次の通りである。
カラムは、TSKgel GMHXL(東ソー社製)×2本または同等以上の分離能を示すもの、すなわち、
粒子径:9mm
カラムサイズ:7.8mm内径×30cm長さ×2本
保証理論段数:14000TP/30cm程度
のものを用い、カラム温度は40℃とする。
移動層はテトラヒドロフラン、クロロホルムのうち充填材への吸着のないものを選択し、流量は1.0ml/分とする。インジェクション濃度は0.1重量%とし、インジェクション量は0.10mlとする。検出器としてはRIを用いる。
分子量既知のポリスチレン(標準試料)の溶出時間から算出した校正曲線を用いて、サンプルの溶出時間を分子量に換算することによって、分子量分布が決定される。なお、SEC測定では高分子量成分ほど溶出時間が短く、低分子量成分ほど溶出時間が長くなる。
本発明の高分子化合物のガラス転移温度は、通常90℃以上であり、有機電界発光素子の耐熱性を含めた駆動安定性の点で好ましくは110℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。
また、本発明の高分子化合物が酸化される電位は、通常+0.2〜+1.2Vvs.SCEであり、電荷輸送性の点で、好ましくは+0.4〜+1.0Vvs.SCEである。
また、本発明の高分子化合物のイオン化ポテンシャルは、通常4.5〜5.5eVであり、電荷輸送性の点で、好ましくは4.8〜5.3eVである。
前記式(1)で表される繰り返し単位を含有する本発明の高分子化合物の溶媒に対する溶解性を良好なものとするために、本発明の高分子化合物は、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定により決定された分子量分布において、分子量分布全体の積分値に対して下記式(2)で表される化合物(以下「化合物(2)」と称す場合がある。)の分子量に対応するピークの積分値(以下、「低分子量成分面積比」という)が3%以下であることが好ましく、溶解性、成膜性、正孔注入・輸送性の点から、低分子量成分面積比はさらに1.5%以下、特に0.7%以下、とりわけ0.3%以下であることが好ましく、0.001%以上であることが好ましい。低分子量成分面積比が上記上限よりも大きいと、十分な溶媒溶解性を得ることができない。
即ち、
低分子量成分面積比=2×(面積A)/(面積B)
で表され、百分率で表すと、
低分子量成分面積比(%)=2×(面積A)/(面積B)×100
となる。
<前記式(1)で表される繰り返し単位を含有する本発明の高分子化合物の合成方法>
本発明の高分子化合物は、例えば、下記式(5)で表されるジヒドロキシ化合物と下記式(6)で表される二ハロゲン化物を、炭酸カリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下で反応させることによって合成される。
(2) 高分子化合物の粗組成物を、その粗組成物を溶解しやすい溶媒すなわち富溶媒に溶解させ、その溶液に該粗組成物を溶解しにくい溶媒すなわち貧溶媒を加えるか、上記粗組成物の溶液を貧溶媒に加える等して生成する沈殿と液相とを、濾過やデカント等の操作によって分別する再沈殿法
(3) 富溶媒と貧溶媒を混合した溶媒で高分子化合物の粗組成物を溶解したのち、富溶媒を蒸留等の操作によって除き、貧溶媒の濃度上昇に伴って生成する沈殿と液相とを分別する再沈殿法
(4) 高分子化合物の粗組成物を高温においては溶解するが低温においては溶解しにくい溶媒を用いて、該粗組成物を然るべく高温で溶解して得られた溶液の温度を下げることによって生成する沈殿と液相とを分別する再沈殿法
上記精製操作における溶媒、富溶媒、貧溶媒は、それぞれ1種類でもよいし複数の溶媒が混合されて用いられてもよい。
本発明のポリマー組成物は、上記本発明の高分子化合物および後述の電子受容性化合物を含有することを特徴とし、好ましくは有機電界発光素子に用いられる。また、本発明のポリマー組成物は、さらに溶媒を含有させ、本発明の高分子化合物や電子受容性化合物などを、溶媒に溶解ないし分散させた組成物として、湿式成膜に用いることが好ましい。
本発明のポリマー組成物に用いられる電子受容性化合物とは、酸化力を有し、本発明の高分子化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましい。電子受容性化合物の例としては、例えば、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等の有機基の置換したオニウム塩;塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物;トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる化合物;等が挙げられる。
溶媒としては、本発明の高分子化合物を、通常0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上溶解する溶媒であることが好ましい。また、電子受容性化合物を0.005重量%以上溶解することが好ましく、0.05重量%以上溶解することがより好ましく、0.5重量%以上溶解することがさらに好ましい。
具体的には、本発明のポリマー組成物に含まれる水分量は、1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下である。
本発明のポリマー組成物は、さらに正孔輸送材料を含有していてもよい。
正孔輸送材料としては、4.5eV〜5.5eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が電荷輸送性の点で好ましく、例えば、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体またはポルフィリン誘導体、ジアリールアミノ基を有する8−ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体、オリゴチオフェン誘導体等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、本発明の高分子化合物を含有する層、ないしは、本発明のポリマー組成物を用いて形成された層を有することを特徴とする。
本発明の有機電界発光素子は、第1の電極と、本発明の高分子化合物または本発明のポリマー組成物を用いて形成された層と、第2の電極とを、この順に有して成る。本発明に係る有機電界発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に層を一層のみ有していてもよく、二層以上有していてもよい。第1の電極と第2の電極との間の層は湿式成膜法で形成されても、真空蒸着法で形成されていてもよい。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板等、汎用材料からなる透明基板を用いることが好ましい。
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は、発光層5側の層(正孔注入層3または発光層5等)への正孔注入の役割を果たすものである。
また、陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
さらに、正孔注入の効率を更に向上させ、かつ、有機層全体の陽極への付着力を改善させる目的で、正孔注入層3と陽極2との間に公知の陽極バッファ層を挿入してもよい。
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層である。正孔注入層3は、本発明の高分子化合物を含有する層であることが好ましく、さらに電子受容性化合物を含有する層であることが好ましい。また、本発明のポリマー組成物を用いて形成された層であることが好ましい。特に、正孔注入層3は、溶媒を含有する本発明のポリマー組成物(以下、「塗布用組成物」という場合がある。)を用いて、湿式成膜法により膜形成される層であることが好ましい。
なお、微粒子のパーティクル数は、光散乱方式により検出され、例えば、ハンドヘルドパーティクルカウンターKR(リオン株式会社製)で検出できる。
なお、膜厚精度とは発光部(陽極と陰極とに挟まれた有機層部分)の膜厚の、最大値と最小値の比と定義される。また、膜厚精度は、接触式膜厚計または干渉式膜厚計で測定される。
乾燥工程における乾燥温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、熱処理を行なう場合、通常50℃以上、好ましくは80℃以上、また、通常300℃以下、好ましくは250℃以下である。温度が高すぎると他の層に悪影響を及ぼす可能性があり、また、低すぎると層中に溶媒が残る可能性がある。なお、乾燥温度とは、例えばホットプレート方式の場合にはプレート温度、ヒーターを用いる方式の場合には有機層近傍の雰囲気温度をいう。
正孔輸送層4を形成する材料としては、本発明のポリマー組成物に混合して用いてもよい正孔輸送材料として例示した化合物と同様なものが挙げられる。また、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン等の高分子材料も用いることができる。なお、正孔輸送層4の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
正孔輸送層4の上には、通常発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3や正孔輸送層4を通じて注入された正孔と、陰極9から電子注入層8や正孔阻止層6を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
なお、発光層5は、上に説明した各種の発光材料のうち、何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併有していてもよい。
発光層5の陰極側に正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。この正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率良く発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。その例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられる。
電子注入層8の形成方法に制限はない。
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8または発光層5など)に電子を注入する役割を果たすものである。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明の有機電界発光素子を構成することも可能である。
本発明の有機ELディスプレイは、上述のような本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機ELディスプレイの型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機ELディスプレイを形成することができる。
得られた高分子化合物(精組成物1)のSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定を下記の条件で行った。
<SEC測定条件>
装置:東ソー社製HLC8020
カラム:東ソー社製TSKgel GMHXL(カラムサイズ30cm×2本)
カラム温度:40℃
移動層:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/分
インジェクション濃度:0.1重量%
インジェクション量:0.10ml
検出器:RI
換算法:ポリスチレン換算
近似式:3次式
(例示の繰り返し単位(P−1)を含有し、重量平均分子量(Mw)=3.0万、低分子量成分面積比=0.2%である高分子化合物、「精組成物2」の合成)
窒素気流下でN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(1.00重量部)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(0.49重量部)、炭酸カリウム(1.88重量部)、およびN−メチル−2−ピロリドン(23.4重量部)を148℃で15時間攪拌した。得られた反応混合物を濾過することにより、不溶物を除いた後、濾液をメタノールに添加した。得られた沈殿物を濾過により回収し、水−メタノール混合液およびメタノールで洗浄した後、クロロホルムに溶解させた。このクロロホルム溶液をアセトンに添加し終了後、30分間攪拌した後、得られた沈殿物を濾過により回収した。次に、得られた沈殿物をアセトンで洗浄した後、乾燥することによって得られた固体をもう一度クロロホルムに溶解させた。このクロロホルム溶液をアセトンに添加し終了後、30分間攪拌した後、得られた沈殿物を濾過により回収し、乾燥することによって、粗組成物2−1(1.03重量部、収率74%)を得た。
<実施例2>
図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
溶媒:安息香酸エチル
塗布液濃度:2[重量%]
高分子化合物:電子受容性化合物=10:2(重量比)
スピナ回転数:1500[rpm]
スピナ回転時間:30[秒]
乾燥条件:230[℃]で15[分]
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
最大発光輝度は電流密度250mA/cm2での値、駆動電圧は輝度2,500cd/m2での値を各々示す。
素子の発光極大波長は528nm、色度はCIE(x,y)=(0.33,0.54)であった。
また、通電開始時の発光輝度が1,100cd/m2となる電流値で直流定電流による連続通電試験を、室温で実施した。このとき、発光輝度が初期より5%減となったときの通電時間を駆動寿命とした。結果を表1に示す。
正孔注入層の形成において実施例1で得られた高分子化合物の代わりに、比較例1で得られた高分子化合物を用いる以外は実施例2と同様にして、素子を作製した。正孔注入層の膜厚は30nmであった。
この素子の発光特性および駆動寿命を表1に示す。発光極大波長は528nm、色度はCIE(x,y)=(0.34,0.54)であった。
正孔注入層3を形成するに際し、下記のスピンコート条件に変更した以外は実施例2と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
溶媒 :安息香酸エチル
塗布液濃度 :5[重量%]
高分子化合物 :電子受容性化合物=10:2(重量比)
スピナ回転数 :7500[rpm](回転時 キャップカバー付き)
スピナ回転時間:30[秒]
乾燥条件:230[℃]で15[分]
上記のスピンコートにより膜厚35nmの均一な薄膜が形成された。
最大発光輝度は電流密度250mA/cm2での値、駆動電圧は輝度2,500cd/m2での値を各々示す。
素子の発光極大波長は528nm、色度はCIE(x,y)=(0.34,0.54)であった。
また、通電開始時の発光輝度が1,150cd/m2となる電流値で直流定電流による連続通電試験を、室温で実施した。このとき、発光輝度が初期より50%減となったときの通電時間を駆動寿命とした。
正孔注入層3の形成において実施例1で得られた高分子化合物の代わりに、比較例1で得られた高分子化合物を用いる以外は実施例3と同様にして、素子を作製した。
比較例1で得られた高分子化合物を用いて実施例3のスピンコート条件でスピンコートを実施したところ、膜厚28nmの均一な薄膜が形成された。
正孔輸送層4、発光層5、陰極9の形成まで実施例3と同様に行って2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を得た。この素子の発光特性を表2に示す。
素子の発光極大波長は530nm、色度はCIE(x,y)=(0.35,0.54)であった。
また、通電開始時の発光輝度が1,150cd/m2となる電流値で直流定電流による連続通電試験を、室温で実施した。このとき、発光輝度が初期より50%減となったときの通電時間を駆動寿命とした。
表2に示されるように、実施例1で合成された高分子化合物を正孔注入材料として用いた実施例3では、比較例1で合成された高分子化合物を正孔注入材料として用いた比較例3に比べて、正孔注入層の膜厚を25%も厚くしたにもかかわらず、駆動電圧の上昇はわずかであり、この結果より、本発明の高分子化合物を正孔注入材料として有機電界発光素子に使用した場合は、膜厚を厚くしても、駆動電圧の上昇が小さく、有機電界発光素子の安定な性能が確保できることがわかる。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
Claims (2)
- 富溶媒よりも疎水性の高い溶媒を貧溶媒として用いる再沈殿法を使用して精製することにより、重量平均分子量が34000〜1000000であり、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物を得る高分子化合物の製造方法であって、富溶媒としてエーテル系溶媒を用い、貧溶媒としてアルカン系溶媒を用いる、高分子化合物の製造方法。
<連結基群X1>
[置換基群Z]
アルキル基;アルケニル基;アルキニル基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルコキシカルボニル基;ジアルキルアミノ基;ジアリールアミノ基;アリールアルキルアミノ基;アシル基;ハロゲン原子;ハロアルキル基;アルキルチオ基;アリールチオ基;シリル基;シロキシ基;芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基:
R31およびR32は、各々独立して、水素原子、或いは、分子量400以下の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、または芳香族複素環基を表す。)〕
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