本明細書に説明されるのは、マスクレスリソグラフィ装置、マスクレスリソグラフィ方法、プログラマブル・パターニングデバイス及びその他の装置、製造物及び方法についての1つ又は複数の実施の形態である。ある実施の形態においては、低コストの、及び/または、柔軟なマスクレスリソグラフィ装置が提供される。マスクレスであるから、例えばICあるいはフラットパネルディスプレイを露光するのに従来のマスクは必要とされない。同様に、パッケージング用途において1つ又は複数のリングは不要である。つまり、プログラマブルパターニングデバイスは、パッケージング用途向けにエッジ投影を避けるために、デジタルのエッジ処理「リング」を提供することができる。マスクレス(デジタルパターニング)は、柔軟な基板に使用することもできる。
ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、極度に非限界の用途が可能である。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、0.1μm以上の解像度、例えば、0.5μm以上の解像度、または1μm以上の解像度が可能である。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、20μm以下の解像度、例えば、10μm以下の解像度、または5μm以下の解像度が可能である。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、およそ0.1μmないし10μmの解像度が可能である。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、50nm以上のオーバレイ、例えば、100nm以上のオーバレイ、200nm以上のオーバレイ、または300nm以上のオーバレイが可能である。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、500nm以下のオーバレイ、例えば、400nm以下のオーバレイ、300nm以下のオーバレイ、または200nm以下のオーバレイが可能である。これらのオーバレイ及び解像度の値は、基板の寸法及び材料には無関係であり得る。
ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は高度に柔軟性をもつ。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、種々の寸法、種類、性質の基板に拡張可能である。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、仮想的に無制限のフィールドサイズを有する。そのためリソグラフィ装置は、大部分が共通するリソグラフィプラットフォームを用いて1つのリソグラフィ装置で又は多数のリソグラフィ装置によって、多くの用途(例えばIC、フラットパネルディスプレイ、パッケージング等)を可能にすることができる。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、柔軟な製造を提供するための自動化されたジョブ生成を許容する。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、三次元集積化を提供する。
ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、低コストである。ある実施の形態においては、ありふれた市販の部品のみが用いられる(例えば、放射発光ダイオードや、単純な移動可能な基板ホルダ、レンズアレイ)。ある実施の形態においては、ピクセルグリッド結像が使用され、単純な投影光学系が可能となる。ある実施の形態においては、単一のスキャン方向を有する基板ホルダが使用され、コスト及び/または複雑さが低減される。
図1は、本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ投影装置100の概略を示す。装置100は、パターニングデバイス104、物体保持部106(例えば物体テーブルであり、例としては基板テーブル)、及び、投影系108を含む。
ある実施の形態においては、パターニングデバイス104は、ビーム110にパターンを付与するよう放射を変調するための複数の個別に制御可能な素子102を備える。ある実施の形態においては、複数の個別制御可能素子102の位置は、投影系108に対し固定されることができる。しかし、ある代替的な構成においては、複数の個別制御可能素子102は、あるいくつかのパラメタに従って当該素子の1つ又は複数を(例えば投影系108に対して)正確に位置決めするための位置決め装置(図示せず)に接続されていてもよい。
ある実施の形態においては、パターニングデバイス104は、自己放射コントラストデバイスである。このようなパターニングデバイス104は放射システムを不要にするので、リソグラフィ装置の例えばコストを減らし、サイズを小さくすることができる。例えば、個別制御可能素子102の各々は、放射発光ダイオード(例えば、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、高分子LED(PLED))、または、レーザダイオード(例えば、固体レーザダイオード)である。ある実施の形態においては、個別制御可能素子102の各々はレーザダイオードである。ある実施の形態においては、個別制御可能素子102の各々は青紫レーザダイオード(例えば、三洋の型式番号DL-3146-151)である。こうしたダイオードは、三洋、日亜、オスラム、ナイトライド等の企業により供給される。ある実施の形態においては、ダイオードは、約365nmまたは約405nmの波長を有する放射を発する。ある実施の形態においては、ダイオードは、0.5mWないし100mWの範囲から選択される出力パワーを提供することができる。ある実施の形態においては、レーザダイオードの(むき出しのダイの)サイズは、250μmないし600μmの範囲から選択される。ある実施の形態においては、レーザダイオードは、1μmないし5μmの範囲から選択される発光領域を有する。ある実施の形態においては、レーザダイオードは、7度ないし44度の範囲から選択される発散角を有する。ある実施の形態においては、パターニングデバイス104は、1×105個のダイオードを有し、これらは全体として約6.4×108W/(m2・sr)以上の明るさを提供するための構成(例えば、発光領域、発散角、出力パワーなど)を有する。
ある実施の形態においては、自己放射コントラストデバイスは、「冗長な」個別制御可能素子102を許容するために、必要以上に多くの個別制御可能素子102を備える。冗長な個別制御可能素子102は、他の個別制御可能素子102が動作不能であるか、適正に動作しない場合に、使用される。ある実施の形態においては、冗長な個別制御可能素子は、移動可能な個別制御可能素子102(これは例えば図5に関し後述される)を使用する実施の形態において有利に使用され得る。
ある実施の形態においては、自己放射コントラストデバイスである個別制御可能素子102は、個別制御可能素子102(例えばレーザダイオード)のパワー/順電流曲線の勾配部分で作動される。これは、より効率的であり、低い消費電力/発熱につながり得る。ある実施の形態においては、使用時において、個別制御可能素子あたりの光出力は、少なくとも1mW、例えば、少なくとも10mW、少なくとも25mW、少なくとも50mW、少なくとも100mW、または少なくとも200mWである。ある実施の形態においては、使用時において、個別制御可能素子あたりの光出力は、300mW未満、250mW未満、200mW未満、150mW未満、100mW未満、50mW未満、25mW未満、または10mW未満である。ある実施の形態においては、使用時において、個別制御可能素子を作動させるプログラマブルパターニングデバイスあたりの消費電力は、10kW未満、例えば、5kW未満、1kW未満、または0.5kW未満である。ある実施の形態においては、使用時において、個別制御可能素子を作動させるプログラマブルパターニングデバイスあたりの消費電力は、少なくとも100W、例えば、少なくとも300W、少なくとも500W、または少なくとも1kWである。
リソグラフィ装置100は、物体保持部106を備える。この実施形態においては、物体保持部は、基板114(例えば、レジストで被覆されたシリコンウェーハまたはガラス基板)を保持する物体テーブル106を備える。物体テーブル106は、移動可能であってもよく、あるいくつかのパラメタに従って基板114を正確に位置決めするための位置決め装置116に接続されていてもよい。例えば、位置決め装置116は、投影系108及び/またはパターニングデバイス104に対して基板114を正確に位置決めしてもよい。ある実施の形態においては、物体テーブル106の移動は、図1には明示されていないが、ロングストロークモジュール(粗い位置決め)と、任意選択としてショートストロークモジュール(精密位置決め)と、を備える位置決め装置116により実現されてもよい。ある実施の形態においては、本装置には、物体テーブル106を移動させる少なくともショートストロークモジュールが欠落している。類似のシステムが個別制御可能素子102を位置決めするために使用されてもよい。ビーム110が代替的に又は追加的に移動可能であり、それとともに、物体テーブル106及び/または個別制御可能素子102が固定された位置を有することで、必要な相対移動が提供されてもよいものと理解されたい。こうした構成は本装置のサイズを制限するのに役立ちうる。ある実施の形態においては(これは例えば、フラットパネルディスプレイの製造に適用可能であり得るが)、物体テーブル106が静止されてもよく、位置決め装置116が物体テーブル106に対して(例えば上方で)基板114を移動させるよう構成されている。例えば、物体テーブル106には、実質的に一定の速度で当該テーブルにわたって基板114を走査するシステムが設けられていてもよい。この場合、物体テーブル106には、平坦な最上面に多数の開口が設けられてもよく、これら開口を通じてガスが送出されることで、基板114を支持可能であるガスクッションが提供されてもよい。これは従来、ガスベアリング構成と呼ばれる。基板114は、ビーム110の経路に対して基板114を正確に位置決めすることのできる1つ又は複数のアクチュエータ(図示せず)を用いて、物体テーブル106の上を移動される。あるいは、基板114は、上記の開口を通るガスの経路を選択的に起動及び停止することにより、物体テーブル106に対して移動されてもよい。ある実施の形態においては、物体保持部106は、基板を巻き取るロールシステムであってもよく、位置決め装置116は、基板を物体テーブル106に供給するようロールシステムを回転させるモータであってもよい。
投影系108(例えば、石英及び/またはCaF2のレンズ系、またはそうした材料からなるレンズ素子を備える反射屈折系、またはミラー系)は、個別制御可能素子102により変調されパターンが付与されたビームを基板114の目標部分120(例えば1つ又は複数のダイ)に投影するために使用されることができる。投影系108は、複数の個別制御可能素子102により与えられるパターンの像を、当該パターンが基板114にコヒーレントに形成されるように投影してもよい。あるいは、投影系108は、二次光源の像を投影してもよく、複数の個別制御可能素子102の各々はそれら二次光源のためにシャッタとして作動する。
この点において、投影系は、例えば二次光源を形成し基板114上にスポット状に像形成するために、例えばマイクロレンズアレイ(MLAとして知られる)またはフレネルレンズアレイなどの合焦素子または複数の合焦素子(本書で一般化して、レンズアレイと呼ぶ)を備えてもよい。ある実施の形態においては、レンズアレイ(例えばMLA)は、少なくとも10個、例えば、少なくとも100個、少なくとも1,000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、または少なくとも1,000,000個の合焦素子を備えてもよい。ある実施の形態においては、パターニングデバイスにおける個別制御可能素子の数とレンズアレイにおける合焦素子の数とは等しいか、あるいは、パターニングデバイスにおける個別制御可能素子の数がレンズアレイにおける合焦素子の数よりも多い。ある実施の形態においては、レンズアレイは、個別制御可能素子アレイにおける1つ又は複数の個別制御可能素子に光学的に関連付けられた合焦素子を備え、例えば、個別制御可能素子アレイにおける1つの個別制御可能素子のみに関連し、または、個別制御可能素子アレイにおける2つ以上(例えば3つ以上、5つ以上、10以上、20以上、25以上、35以上、または50以上)の個別制御可能素子に関連する。ある実施の形態においては、合焦素子は、5000未満、例えば、2500未満、1000未満、500未満、または100未満の個別制御可能素子に光学的に関連付けられている。ある実施の形態においては、レンズアレイは、個別制御可能素子アレイにおける1つ又は複数の個別制御可能素子に光学的に関連付けられた2以上(例えば、多くの場合1000より多く、または、ほぼすべて)の合焦素子を備える。
ある実施の形態においては、レンズアレイは、少なくとも基板に近づく方向及び遠ざかる方向に例えば1つ又は複数のアクチュエータを用いて移動可能である。基板に近づく方向及び遠ざかる方向にレンズアレイを移動させることができる場合には、基板の移動を要することなく例えば焦点調整をすることが可能となる。ある実施の形態においては、レンズアレイの個別のレンズ素子は、例えばレンズアレイの個別レンズ素子の各々は、少なくとも基板に近づく方向及び遠ざかる方向に(例えば、非平坦基板での局所焦点調整のために、または、各光学コラムを同一の焦点距離にするために)移動可能である。
ある実施の形態においては、レンズアレイは、例えば放射の波長が約400nm以上(例えば405nm)である場合には、プラスチックの合焦素子を備える(例えば射出成形で作成容易であり、値段が手頃であるため)。ある実施の形態においては、放射の波長は400nmないし500nmの範囲から選択される。ある実施の形態においては、レンズアレイは、石英の合焦素子を備える。ある実施の形態においては、各々の又は複数の合焦素子は、非対称レンズであってもよい。その非対称性は、複数の合焦素子で同一であってもよいし、複数の合焦素子の1つ又は複数の合焦素子において複数の合焦素子のそれと異なる1つ又は複数の合焦素子とは異なっていてもよい。非対称レンズは、楕円の放射出力を円形の投影スポットに(またはその逆に)変換するのに役立ちうる。
ある実施の形態においては、合焦素子は、システムのために低い開口数(NA)を得るよう焦点外で基板に放射を投影するようになっている高い開口数を有する。高NAレンズは、入手可能な低NAレンズよりも、経済的であり、普及しており、及び/または、高品質でありうる。ある実施の形態においては、低NAとは0.3以下であり、ある実施の形態においては、0.18または0.15以下である。したがって、高NAレンズは、システムの設計NAより大きいNAを有し、例えば、0.3より大きく、0.18より大きく、または0.15より大きい。
ある実施の形態においては、投影系108がパターニングデバイス104から分離されているが、これは必須ではない。投影系108は、パターニングデバイス104に統合されていてもよい。例えば、レンズアレイブロックまたはレンズアレイプレートがパターニングデバイス104に取り付けられ(一体化され)ていてもよい。ある実施の形態においては、レンズアレイは、空間的に分離された個別のレンズレットの形式であってもよい。レンズレットの各々は、詳しくは後述するように、パターニングデバイス104の個別アドレス可能素子に取り付けられ(一体化され)る。
任意選択として、リソグラフィ装置は、放射(例えば紫外(UV)放射)を複数の個別制御可能素子102に供給する放射システムを備えてもよい。パターニングデバイス自体が放射源、例えばレーザダイオードアレイまたはLEDアレイである場合には、リソグラフィ装置は、放射源を備えない設計、つまり、パターニングデバイス自体以外の放射源を備えない設計、または、少なくとも単純な放射システムを備える設計とされてもよい。
放射システムは、放射源から放射を受けるよう構成されている照明系(イルミネータ)を含む。照明系は、放射搬送システム(例えば、適切な方向変更用のミラー)、放射調整デバイス(例えば、ビームエキスパンダ)、放射の角強度分布を設定するための調節デバイス(通常、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも半径方向外径及び/または内径の値(それぞれ「シグマ−アウタ(σ−outer)」、「シグマ−インナ(σ−inner)」と呼ばれる)が調整される。)、インテグレータ、及び/または、コンデンサのうち1つ又は複数の要素を含む。照明系は、個別制御可能素子102へと与えられる放射の断面に所望の均一性及び照度分布をもつように、放射を調整するために用いられてもよい。照明系は、放射を複数のサブビームに分割するように構成されていてもよい。例えば各サブビームが個別制御可能素子アレイにおける1つまたは複数の個別制御可能素子に関連付けられる。例えば二次元の回折格子が、放射をサブビームに分割するのに用いられてもよい。本明細書において「放射のビーム」及び「放射ビーム」という用語は、ビームがこうした複数のサブビームからなるという状況も包含するが、これには限定されない。
また、放射システムは、複数の個別制御可能素子102に供給するために放射を生成し、または、複数の個別制御可能素子102によって放射を生成する放射源(例えばエキシマレーザ)を含んでもよい。例えば放射源がエキシマレーザである場合には、放射源とリソグラフィ装置100とは別体であってもよい。この場合、放射源はリソグラフィ装置100の一部を構成しているとはみなされなく、放射は放射源からイルミネータへと受け渡される。あるいは放射源が水銀ランプである場合には、放射源はリソグラフィ装置100に一体に構成されていてもよい。これら両方の形式が本発明の範囲内にあるものと考慮されるべきである。
ある実施の形態においては、放射源は、ある実施の形態では複数の個別制御可能素子102であり得るが、少なくとも5nm、例えば、少なくとも10nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも175nm、少なくとも200nm、少なくとも250nm、少なくとも275nm、少なくとも300nm、少なくとも325nm、少なくとも350nm、または少なくとも360nmの波長を有する放射を提供することができる。ある実施の形態においては、放射は、長くても450nm、例えば長くても425nm、長くても375nm、長くても360nm、長くても325nm、長くても275nm、長くても250nm、長くても225nm、長くても200nm、または長くても175nmの波長を有する。ある実施の形態においては、放射は、436nm、405nm、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、126nm、及び/または13.5nmを含む波長を有する。ある実施の形態においては、放射は、365nm付近または355nm付近の波長を含む。ある実施の形態においては、放射は、広帯域の波長を含み、例えば365nm、405nm、及び436nmを包含する。355nmのレーザ源が使用可能でありうる。ある実施の形態においては、放射は、約405nmの波長を有する。
ある実施の形態においては、放射は照明系からパターニングデバイス104に、0度から90度の間、例えば5度から85度の間、15度から75度の間、25度から65度の間、または35度から55度の間の角度で向けられる。照明系からの放射は、パターニングデバイス104に直接与えられてもよい。ある代替的な実施の形態においては、放射は照明系からパターニングデバイス104へとビームスプリッタ(図示せず)により向けられてもよい。このビームスプリッタは、放射がまずビームスプリッタにより反射されてパターニングデバイス104に向けられるように構成される。パターニングデバイス104は、ビームを変調し、再度ビームスプリッタに向かって戻るように反射する。ビームスプリッタは変調されたビームを基板114へと透過させる。しかしながら放射をパターニングデバイス104に向け、そのまま更に基板114に入射させるという代替的な構成も可能であることも理解されよう。特に、透過型のパターニングデバイス104(例えばLCDアレイ)が用いられる場合、またはパターニングデバイス104が自己放射型(例えば複数のダイオード)である場合には、照明系の構成は必要とされないこともある。
リソグラフィ装置100の動作において、パターニングデバイス104が放射を発する(例えばLEDを備える)ものではない場合には、放射は、放射システム(照明系及び/または放射源)からパターニングデバイス104(例えば、複数の個別制御可能素子)に入射し、パターニングデバイス104により変調される。複数の個別制御可能素子102によって生成されたパターンが与えられたビーム110は、投影系108を通過する。投影系108は、ビーム110を基板114の目標部分120に合焦させる。
位置決め装置116(及び、任意選択として、ベース136上の位置センサ134(例えば、干渉ビーム138を受ける干渉測定デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)により基板114は正確に移動され、そうして例えばビーム110の経路に異なる複数の目標部分120がそれぞれ位置決めされる。用いられている場合には、複数の個別制御可能素子102のための位置決め装置は、例えば走査中にビーム110の経路に対して複数の個別制御可能素子102の位置を正確に補正するよう使われてもよい。
本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ装置100は基板上のレジストを露光するものとして説明されているが、装置100は、レジストレス・リソグラフィでの使用のためのパターン付きビーム110を投影するために使用されてもよい。
図示されるように、リソグラフィ装置100は反射型(例えば反射型の個別制御可能素子を用いる)である。代替的に、本装置は、透過型(例えば透過型の個別制御可能素子を用いる)であってもよい。
図示の装置100は例示される1つ又は複数のモードで使用することができる。
1.ステップモードにおいては、放射ビーム110に付与されたパターンの全体が1回の照射で目標部分120に投影される間、個別制御可能素子102及び基板114は実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして基板114がX方向及び/またはY方向に移動されて、異なる目標部分120がパターン放射ビーム110で露光される。ステップモードでは露光フィールドの最大サイズが、1回の静的露光で結像される目標部分120の寸法を制限する。
2.スキャンモードにおいては、パターン放射ビーム110が目標部分120に投影される間、個別制御可能素子102及び基板114は同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。個別制御可能素子に対する基板の速度及び方向は、投影系PSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。スキャンモードでは露光フィールドの最大サイズが1回の動的露光での目標部分の(非走査方向の)幅を制限し、走査移動距離が目標部分の(走査方向の)長さを決定する。
3.パルスモードにおいては、個別制御可能素子102は実質的に静止状態とされ、パルス(例えば、パルス化された放射源、または個別制御可能素子のパルス化によって与えられる)により基板114の目標部分120にパターンの全体が投影される。基板114が実質的に一定の速度で移動して、パターンビーム110は基板114上を線状に走査させられる。個別制御可能素子により与えられるパターンはパルス間に必要に応じて更新される。パルス照射のタイミングは、連続する複数の目標部分120が基板114上の要求される場所にて露光されるように調整される。その結果、基板114上の1つの短冊状領域にパターンが完全に露光されるようパターンビーム110が基板114を走査することになる。この短冊状領域の露光を順次繰り返すことにより基板114の全体が露光される。
4.連続スキャンモードは基本的にパルスモードと同様である。異なるのは、変調された放射ビーム110に対して基板114が実質的に等速で走査され、パターンビーム110が基板114を走査し露光するとともに個別制御可能素子アレイ上のパターンが更新されることである。個別制御可能素子アレイのパターンの更新に同期させるようにした、実質的に一定の放射源またはパルス放射源を用いることができる。
上記で記載したモードを組み合わせて動作させてもよいし、モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別のモードで使用してもよい。
図2は、本発明のある実施の形態に係り、ウェーハ(例えば300mmウェーハ)とともに使用されるリソグラフィ装置の概略上面図を示す。図2に示されるように、リソグラフィ装置100は、基板114を保持する基板テーブル106を備える。基板テーブル106に付随して、基板テーブル106を少なくともX方向に移動させる位置決め装置116がある。任意選択として、位置決め装置116は、基板テーブル106をY方向及び/またはZ方向に移動させてもよい。位置決め装置116は、基板テーブル106をX方向まわりに、Y方向まわりに、及び/またはZ方向まわりに回転させてもよい。したがって、位置決め装置116は、最大6自由度の運動を提供してもよい。ある実施の形態においては、基板テーブル106は、X方向の運動のみを提供する。その利点は、コスト及び複雑度が低くなることである。ある実施の形態においては、基板テーブル106はリレー光学系を備える。
リソグラフィ装置100は、フレーム160に配設された複数の個別アドレス可能素子102をさらに備える。フレーム160は、基板テーブル106及びその位置決め装置116から機械的に隔離されていてもよい。機械的隔離は例えば、フレーム160を地面に、または、基板テーブル106及びその位置決め装置116のためのフレームから分離された堅固な基礎に接続することによって、提供されてもよい。加えて、又は代替的に、ダンパがフレーム160とそれに接続される構造(地面、堅固な基礎、または、基板テーブル106及びその位置決め装置116を支持するフレーム)との間に設けられてもよい。
この実施形態においては、個別アドレス可能素子102の各々は、放射発光ダイオードであり、例えば青紫レーザダイオードである。図2に示されるように、個別アドレス可能素子102は、少なくとも3つに区分けされた個別アドレス可能素子102のアレイであり、これらはY方向に沿って配列されていてもよい。ある実施の形態においては、個別アドレス可能素子102のアレイは、隣接する個別アドレス可能素子102のアレイとX方向にずれている。リソグラフィ装置100は、特に個別アドレス可能素子102は、詳しくは後述するピクセルグリッド結像を提供するよう構成されていてもよい。
個別アドレス可能素子102のアレイのそれぞれは、個別の光学エンジンコンポーネントの一部であってもよく、容易に複製されるユニットとして製造されうる。また、フレーム160は、拡張可能に構成されてもよく、任意の個数のこうした光学エンジンコンポーネントにも容易に適合するよう構成可能であってもよい。光学エンジンコンポーネントは、個別アドレス可能素子102のアレイとレンズアレイ170(図8参照)との組み合わせを備えてもよい。例えば、図2においては、3つの光学エンジンコンポーネントが描かれている(個別アドレス可能素子102のアレイのそれぞれに後述のレンズアレイ170が付属する)。したがって、ある実施の形態においては、各光学エンジンが1つのコラムを形成して、多数コラムの光学構成が提供されてもよい。
また、リソグラフィ装置100は、アライメントセンサ150を備える。アライメントセンサは、基板114の露光前及び/または露光中に、個別アドレス可能素子102と基板114とのアライメントを決定するために使用される。アライメントセンサ150の結果は、例えば基板テーブル106を位置決めする位置決め装置116をリソグラフィ装置100のコントローラにより制御してアライメントを改善するために、使用されることができる。加えて、または代替的に、コントローラは、アライメントを改善するために、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102を位置決めするよう個別アドレス可能素子102に関連する位置決め装置を例えば制御してもよい。ある実施の形態においては、アライメントセンサ150は、アライメントを実行するためにパターン認識機能/ソフトウェアを含んでもよい。
リソグラフィ装置100は、追加的に又は代替的に、レベルセンサ150を備える。レベルセンサ150は、個別アドレス可能素子102からのパターンの投影に対し基板106が水平であるか否かを決定するために使用される。レベルセンサ150は、基板114の露光前及び/または露光中に高さを決定することができる。レベルセンサ150の結果は、例えば基板テーブル106を位置決めする位置決め装置116をリソグラフィ装置100のコントローラにより制御してレベリングを改善するために、使用されることができる。加えて、または代替的に、コントローラは、レベリングを改善するために、投影系108のある要素(例えばレンズアレイ)を位置決めするよう投影系108(例えばレンズアレイ)に関連する位置決め装置を例えば制御してもよい。ある実施の形態においては、レベルセンサは、基板106に超音波ビームを投影することによって、及び/または、基板106に電磁放射ビームを投影することによって、動作してもよい。
ある実施の形態においては、アライメントセンサ及び/またはレベルセンサからの結果は、個別アドレス可能素子102により与えられるパターンを変更するために使用されてもよい。パターンは、例えば、個別アドレス可能素子102と基板114との間の光学系(もし存在するなら)や、基板114の位置決めの不規則性、基板114の不均一性などによって生じ得る例えばディストーションを補正するよう変更されてもよい。故に、アライメントセンサ及び/またはレベルセンサからの結果は、非線形のディストーションの補正効果を与えるよう投影パターンを変更するために使用されてもよい。非線形ディストーション補正は例えば、一貫性のある線形性又は非線形性のディストーションを有しないかもしれないフレキシブルディスプレイに有用であり得る。
リソグラフィ装置100の動作においては、基板114が例えばロボットハンドラ(図示せず)を用いて基板テーブル106に搬入される。基板114はそれからX方向にフレーム160及び個別アドレス可能素子102の下を移動させられる。基板114はレベルセンサ及び/またはアライメントセンサ150により測定され、その後に個別アドレス可能素子102を用いてパターンが露光される。例えば、基板114は、投影系108の焦点面(像面)を走査される。このとき、サブビームは、すなわち像スポットS(例えば図12参照)は、パターニングデバイス104によって少なくとも部分的にオン、または完全にオン、またはオフに切り換えられる。パターニングデバイス104のパターンに相当するフィーチャが基板114に形成される。個別アドレス可能素子102は例えば、本書に説明するピクセルグリッド結像を提供するよう動作してもよい。
ある実施の形態においては、基板114は、正のX方向に完全に走査されてから、負のX方向に完全に走査されてもよい。このような実施の形態においては、負のX方向の走査のために、追加のレベルセンサ及び/またはアライメントセンサ150が個別アドレス可能素子102の反対側に必要とされてもよい。
図3は、本発明のある実施の形態に係り、例えばフラットパネルディスプレイ(例えばLCDディスプレイ、OLEDディスプレイ等)の製造において基板を露光するためのリソグラフィ装置の概略上面図を示す。図2に示すリソグラフィ装置100と同様に、リソグラフィ装置100は、フラットパネルディスプレイ基板114を保持する基板テーブル106と、最大6自由度で基板テーブル106を移動させる位置決め装置116と、個別アドレス可能素子102と基板114とのアライメントを決定するためのアライメントセンサ150と、個別アドレス可能素子102からのパターンの投影に対して基板114が水平か否かを決定するためのレベルセンサ150と、を備える。
リソグラフィ装置100は、フレーム160に配設された複数の個別アドレス可能素子102をさらに備える。この実施形態においては、個別アドレス可能素子102の各々は、放射発光ダイオードであり、例えば青紫レーザダイオードである。図3に示されるように、個別アドレス可能素子102は、いくつかの(少なくとも8つの)静的に分離された、Y方向に延在する個別アドレス可能素子102のアレイに配列されていてもよい。ある実施の形態においては、これらアレイは実質的に静止しており、すなわち、投影中に顕著に移動することはない。また、ある実施の形態においては、個別アドレス可能素子102のいくつかのアレイは、隣接する個別アドレス可能素子102のアレイとX方向に交互にずれている。リソグラフィ装置100は、特に個別アドレス可能素子102は、ピクセルグリッド結像を提供するよう構成されていてもよい。
リソグラフィ装置100の動作においては、パネルディスプレイ基板114が例えばロボットハンドラ(図示せず)を用いて基板テーブル106に搬入される。基板114はそれからX方向にフレーム160及び個別アドレス可能素子102の下を移動させられる。基板114はレベルセンサ及び/またはアライメントセンサ150により測定され、その後に個別アドレス可能素子102を用いてパターンが露光される。個別アドレス可能素子102は例えば、本書に説明するピクセルグリッド結像を提供するよう動作してもよい。
図4は、本発明のある実施の形態に係り、ロールトゥロールのフレキシブルディスプレイ/電子機器に使用されるリソグラフィ装置の概略上面図を示す。図3に示すリソグラフィ装置100と同様に、リソグラフィ装置100は、フレーム160に配設された複数の個別アドレス可能素子102を備える。この実施形態においては、個別アドレス可能素子102の各々は、放射発光ダイオードであり、例えば青紫レーザダイオードである。また、リソグラフィ装置は、個別アドレス可能素子102と基板114とのアライメントを決定するためのアライメントセンサ150と、個別アドレス可能素子102からのパターンの投影に対して基板114が水平か否かを決定するためのレベルセンサ150と、を備える。
また、リソグラフィ装置は、物体テーブル106を有する物体保持部を備えてもよく、基板114はその上を移動させられる。基板114は柔軟であり、位置決め装置116に接続されているロールへと巻かれる。位置決め装置116はこのロールを回転させるモータであってもよい。ある実施の形態においては、基板114は、追加的にまたは代替的に、位置決め装置116に接続されたロールから巻き取られてもよく、位置決め装置116はこのロールを回転させるモータであってもよい。ある実施の形態においては、少なくとも2つのロールがあり、基板が巻かれている一方から他方へと基板が巻かれる。ある実施の形態においては、物体テーブル106は、基板114がロール間で充分に剛である場合には例えば、設けられていなくてもよい。こうした場合であっても、物体保持部(例えば1つ又は複数のロール)が設けられることもあり得る。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、基板のキャリアレス(例えば、キャリアレスフォイル(CLF))及び/又はロールトゥロール製造を提供することができる。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、シートトゥシート製造を提供することができる。
リソグラフィ装置100の動作においては、フレキシブル基板114がロールへと、及び/または、ロールから、X方向にフレーム160及び個別アドレス可能素子102の下で巻き取られる。基板114はレベルセンサ及び/またはアライメントセンサ150により測定され、その後パターンが個別アドレス可能素子102を使用して露光される。個別アドレス可能素子102は例えば、本書に説明するピクセルグリッド結像を提供するよう動作してもよい。
図5は、本発明のある実施の形態に係り、移動可能である個別アドレス可能素子102を有するリソグラフィ装置の概略上面図を示す。図2に示すリソグラフィ装置100と同様に、リソグラフィ装置100は、基板114を保持する基板テーブル106と、最大6自由度で基板テーブル106を移動させる位置決め装置116と、個別アドレス可能素子102と基板114とのアライメントを決定するためのアライメントセンサ150と、個別アドレス可能素子102からのパターンの投影に対して基板114が水平か否かを決定するためのレベルセンサ150と、を備える。
リソグラフィ装置100は、フレーム160に配設された複数の個別アドレス可能素子102をさらに備える。この実施形態においては、個別アドレス可能素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えばレーザダイオードであり、例えば青紫レーザダイオードである。図5に示されるように、個別アドレス可能素子102は、いくつかの区分けされた個別アドレス可能素子102のアレイ200であり、Y方向に沿って配列されていてもよい。また、ある実施の形態においては、個別アドレス可能素子102のいくつかのアレイ200は、隣接する個別アドレス可能素子102のアレイ200とX方向に交互にずれている。リソグラフィ装置100は、特に個別アドレス可能素子102は、ピクセルグリッド結像を提供するよう構成されていてもよい。しかし、ある実施の形態においては、リソグラフィ装置100がピクセルグリッド結像を提供することは必須ではない。むしろ、リソグラフィ装置100は、基板への投影のために個別のピクセルを形成するのではなく、基板への投影のために実質的に連続する像を形成するように、基板にダイオードの放射を投影してもよい。
ある実施の形態においては、複数の個別アドレス可能素子102のうち1つ又は複数は、ビーム110の全体又は部分を投影するために1つ又は複数の個別アドレス可能素子が使用される露光区域と、その露光区域の外側の、1つ又は複数の個別アドレス可能素子が何らビーム110を投影しない場所と、の間を移動可能である。ある実施の形態においては、その1つ又は複数の個別アドレス可能素子102は、露光区域204(図5において薄い影付き領域)においてオンに又は少なくとも部分的にオンに切り換え(すなわち、素子が放射を発し)、露光区域204の外側に位置するときオフ(すなわち、素子が放射を発しない)に切り換えられる放射発光デバイスである。
ある実施の形態においては、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102は、露光区域204の内側及び外側でオンに切り換えられ得る放射発光デバイスである。こうした状況においては、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102は、補償露光を提供するために露光区域204の外側でオンに切り換えられてもよい。補償露光は例えば、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102によって露光区域204にて適正に放射が投影されなかった場合になされる。例えば、図5を参照するに、ある1つのアレイにおいて露光区域204の反対側で1つ又は複数個別アドレス可能素子102が、露光区域204での失敗した又は不適正の放射投影を補正するためにオンに切り換えられてもよい。
ある実施の形態においては、露光区域204は細長い線である。ある実施の形態においては、露光区域204は、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102の一次元アレイである。ある実施の形態においては、露光区域204は、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102の二次元アレイである。ある実施の形態においては、露光区域204は、細長い。
ある実施の形態においては、移動可能な個別アドレス可能素子102の各々は、別々に移動可能であり、1つのユニットとして一緒に移動可能である必要はない。
ある実施の形態においては、1つ又は複数の個別アドレス可能素子は、少なくともビーム110の投影中においてビーム110の伝播方向に交差する方向に移動可能であり、使用時に移動される。例えば、ある実施の形態においては、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102は、ビーム110の投影中にビーム110の伝播方向に実質的に垂直な方向に移動する放射発光デバイスである。
ある実施の形態においては、アレイ200の各々は横方向変位可能プレートであり、図6に示されるように、当該プレートに沿って配列された複数の空間的に隔てられた個別アドレス可能素子102を有する。使用時において、各プレートは方向208に沿って平行移動する。使用時において個別アドレス可能素子102が露光区域204(図6において濃い影付き領域で示す)に配置されるように運動のタイミングが適切に調整されており、それによってビーム110の全体又は部分が投影される。例えば、ある実施の形態においては、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102は放射発光デバイスであり、個別アドレス可能素子102のオンオフ切り換えは、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102が露光区域204にあるときオンに切り換えられ、露光区域204外にあるときオフに切り換えられるように、タイミングが調整されている。例えば、図6(A)には、放射発光ダイオードの複数の二次元アレイ200が方向208に移動されている(2つのアレイが正の方向208で、その2つのアレイの中間のアレイが負の方向208である)。放射発光ダイオード102のオンオフ切り換えは、各アレイ200のある放射発光ダイオード102が露光区域204にあるときオンに切り換えられ、区域204外にあるときオフに切り換えられるように、タイミングが調整されている。もちろん、アレイ200は、例えばアレイ200の移動範囲末端に達したとき、反対方向に(つまり、2つのアレイが負の方向208に、それら2つのアレイの中間のアレイが正の方向208に)移動することができる。ある他の実施の形態においては、図6(B)において、複数の交互配置された放射発光ダイオード一次元アレイ200が方向208に移動されている(正の方向208と負の方向208とが交互である)。放射発光ダイオード102のオンオフ切り換えは、各アレイ200のある放射発光ダイオード102が露光区域204にあるときオンに切り換えられ、区域204外にあるときオフに切り換えられるように、タイミングが調整されている。もちろん、アレイ200は反対方向に移動することができる。ある他の実施の形態においては、図6(C)において、単一の放射発光ダイオードアレイ200(一次元で図示するがそれは必須ではない)が方向208に移動されている。放射発光ダイオード102のオンオフ切り換えは、各アレイ200のある放射発光ダイオード102が露光区域204にあるときオンに切り換えられ、区域204外にあるときオフに切り換えられるように、タイミングが調整されている。
ある実施の形態においては、各アレイ200は回転可能プレートであり、当該プレートまわりに配列された複数の空間的に隔てられた個別アドレス可能素子102を有する。使用時において、各プレートが自身の軸206まわりに、例えば図5にて矢印で示される方向に、回転する。すなわち、アレイ200は、図5に示すように、時計回り方向及び反時計回り方向に交互に回転してもよい。あるいは、アレイ200の各々が時計回り方向に回転してもよいし、または反時計回り方向に回転してもよい。ある実施の形態においては、アレイ200は、全周に回転する。ある実施の形態においては、アレイ200は、全周より小さい弧を回転する。ある実施の形態においては、アレイ200は、基板がZ方向に走査する場合には例えば、X方向またはY方向に延びる軸まわりに回転してもよい。ある実施の形態においては、図6(D)を参照するに、アレイ200の個別アドレス可能素子102は、端部に配列され、基板114に向かう半径方向に投影してもよい。基板114は、アレイ200の側部の少なくとも一部のまわりに延在してもよい。この場合、アレイ200は、X方向に延びる軸まわりに回転し、基板114はX方向に移動する。
使用時において、個別アドレス可能素子102の運動は、ビーム110の全体又は部分を投影するよう露光区域204に配置されるように適切にタイミングが調整されている。例えば、ある実施の形態においては、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102は放射発光デバイスであり、個別アドレス可能素子102のオンオフ切り換えは、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102が露光区域204にあるときオンに切り換えられ、区域204外にあるときオフに切り換えられるように、タイミングが調整されている。そのため、ある実施の形態においては、放射発光デバイス102はすべてが運動中にオンに維持され、その後、一部の放射発光デバイス102が露光区域204にてオフに変調されることもあり得る。放射発光デバイス102と基板との間で露光区域204の外側にある適切なシールドが、露光区域204外でオンに切り換えられた放射発光デバイス102から露光区域204を遮蔽するために必要とされるかもしれない。放射発光デバイス102を一貫してオンにすることは、放射発光デバイス102を使用中に実質的に均一の温度にするのに役立つ。ある実施の形態においては、放射発光デバイス102は大半の期間オフに維持されており、1つ又は複数の放射発光デバイス102が露光区域204でオンに切り換えられることもあり得る。
ある実施の形態においては、回転可能プレートは、図7に示す構成を有してもよい。例えば、図7(A)には、回転可能プレートの概略上面図が示される。回転可能プレートは、プレートまわりに配列された個別アドレス可能素子102の多数のサブアレイ210を有するアレイ200を有してもよい(図5の回転可能プレートは、プレートまわりに配列された個別アドレス可能素子102の1つのアレイ200を概略的に示すのと比較されたい)。図7(A)に示されるサブアレイ210は、ある1つのサブアレイ210のある個別アドレス可能素子102が別のサブアレイ210の2つの個別アドレス可能素子102の間にあるようにして互いにずれている。しかし、サブアレイ210の個別アドレス可能素子102は互いに位置を合わせてあってもよい。個別アドレス可能素子102は、モータ216によって軸まわりに(本例では、図7(A)におけるZ方向にモータ216を通る軸まわりに)個別的に又は一緒に回転させられてもよい。モータ216は、回転可能プレートに取り付けられフレーム(例えばフレーム160)に接続されていてもよいし、または、フレーム(例えばフレーム160)に取り付けられ回転可能プレートに接続されていてもよい。ある実施の形態においては、モータ216(または、例えば、他のいずれかの場所に配置された何らかのモータ)は、個別的にであっても一緒にであってもよいが、個別アドレス可能素子102にその他の移動をもたらしてもよい。例えば、モータ216は、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102のX方向、Y方向、及び/またはZ方向の平行移動をもたらしてもよい。追加的に又は代替的に、モータ216は、1つ又は複数の個別アドレス可能素子102のX方向及び/またはY方向まわりの回転(即ちRx運動及び/またはRy運動)をもたらしてもよい。
回転可能プレートのある実施の形態においては、図7(B)に概略上面図を示すように、回転可能プレートは、その中心領域に開口212を有し、開口212の外側でプレートに配列された個別アドレス可能素子102のアレイ200を有してもよい。そのため、例えば、回転可能プレートは、図7(B)に示すように、ディスクまわりに配列された個別アドレス可能素子102のアレイ200を有する環状ディスクを形成してもよい。開口を設けることで回転可能プレートの重量が低減され、及び/または、個別アドレス可能素子102の冷却に役立つ。
ある実施の形態においては、回転可能プレートは、支持体214を使用して外周にて支持されてもよい。支持体214は、ローラベアリング又はガスベアリングといったベアリングであってもよい。図7(A)に示されるようにモータ216によって回転(及び/またはその他の運動、例えばX方向、Y方向、及び/またはZ方向の平行移動、及び/または、Rx運動及び/またはRy運動)が提供されてもよい。追加的に又は代替的に、支持体214は、個別アドレス可能素子102を軸Aまわりに回転させる(及び/またはその他の運動、例えばX方向、Y方向、及び/またはZ方向の平行移動、及び/または、Rx運動及び/またはRy運動を提供する)モータを含んでもよい。
ある実施の形態においては、図7(D)及び図7(E)を参照するに、個別アドレス可能素子102のアレイ200を有する回転可能プレートは、回転可能構造体218に取り付けられていてもよい。回転可能構造体218は、モータ220によって軸Bまわりに回転させられてもよい。また、回転可能プレートは、モータ216(回転可能プレートを軸Aまわりに回転させるモータ)によって回転可能構造体218に対して回転させられてもよい。ある実施の形態においては、図7(D)及び図7(E)に示されるように、回転軸A、Bは一致せずに空間的に隔てられている。ある実施の形態においては、回転軸A、Bは互いに実質的に平行である。露光中の使用時において、回転可能構造体218及び回転可能プレートの両方が回転する。この回転は、露光区域204において個別アドレス可能素子102が実質的に直線に並び得るように連係されていてもよい。これは例えば、露光区域204において個別アドレス可能素子102が実質的に直線には並び得ない図5の実施の形態と比較することができる。
上述の移動可能な個別アドレス可能素子を有することで、必要なときに露光区域204へと個別アドレス可能素子を移動させることにより個別アドレス可能素子の数を低減することができる。したがって、熱負荷を低減することができる。
ある実施の形態においては、(例えば回転可能プレート上に)理論的に必要とされるよりも多数の移動可能個別アドレス可能素子を設けてもよい。こうした構成の潜在的利点は、1つ又は複数の移動可能個別アドレス可能素子が壊れるか動作不能である場合に、他の1つ又は複数の移動可能個別アドレス可能素子を代わりに使用することができることにある。追加的に又は代替的に、余剰の移動可能個別アドレス可能素子は、個別アドレス可能素子の熱負荷制御に利点があり得る。移動可能個別アドレス可能素子の数が多ければ、移動可能個別アドレス可能素子が露光区域204外で冷却される機会が増えるからである。
ある実施の形態においては、移動可能個別アドレス可能素子102は、熱伝導率の低い材料に埋設されている。例えば、この材料は、セラミック、例えばコージライトまたはコージライトベースのセラミック、及び/またはゼロデュアセラミックであってもよい。ある実施の形態においては、移動可能個別アドレス可能素子102は、熱伝導率の高い材料、例えば金属、例えば比較的重量の軽い金属、例えばアルミニウム又はチタンに埋設されている。
ある実施の形態においては、アレイ200は、温度制御構成を備えてもよい。例えば、図7(F)を参照するに、アレイ200は、アレイを冷却する冷却流体をアレイ200に接触させ、近接させ、又は通過させて輸送するための流体(例えば液体)導管222を有してもよい。導管222は、導管を通じて流体を循環させるために適切な熱交換器及びポンプ228に接続されていてもよい。導管222及び熱交換器及びポンプ228間に接続された供給部224及び返送部226は、流体の循環及び温度制御に役立つ。センサ234がアレイの内部、表面、又は近傍に設けられ、アレイ200のあるパラメタを測定し、測定結果が例えば熱交換器及びポンプにより供給される流体流れの温度を制御するために使用されてもよい。ある実施の形態においては、センサ234はアレイ200の本体の膨張及び/または収縮を測定し、測定結果が熱交換器及びポンプにより供給される流体流れの温度を制御するために使用されてもよい。こうした膨張及び/または収縮は温度の代用であり得る。ある実施の形態においては、センサ234は、(センサ234が点で図示されるように)アレイ200に一体化されていてもよいし、(センサ234が箱で図示されるように)アレイ200から分離されていてもよい。アレイ200から分離されたセンサ234は光学センサであってもよい。
ある実施の形態においては、図7(G)を参照するに、アレイ200は、放熱のための表面積を大きくするための1つ又は複数のフィン230を有してもよい。フィン230は例えば、アレイ200の上面及び/またはアレイ200の側面にあってもよい。任意選択として、1つ又は複数の別のフィン232がフィン230と協働して放熱を促進するよう設けられていてもよい。例えば、フィン232は、フィン230からの熱を吸収可能であり、図7(F)に関して図示し説明したのと同様に流体(例えば液体)導管と関連する熱交換器/ポンプとを備えてもよい。
ある実施の形態においては、図7(H)を参照するに、アレイ200は、流体閉じ込め構造236に又はその近傍に配置されていてもよい。流体閉じ込め構造236は、流体238による放熱を促進するために、流体238をアレイ200本体に接触状態に維持するよう構成されている。ある実施の形態においては、流体238は液体、例えば水であってもよい。ある実施の形態においては、流体閉じ込め構造236はアレイ200本体との間にシールを提供する。ある実施の形態においては、このシールは、例えば気体流れ又は毛管力によってもたらされる非接触シールであってもよい。ある実施の形態においては、流体238は、流体導管222に関して説明したのと同様に、放熱を高めるために循環する。流体238は流体供給装置240により供給されてもよい。
ある実施の形態においては、図7(H)を参照するに、アレイ200は、流体238による放熱を促進するために、流体238をアレイ200本体に向けて投射するよう構成されている流体供給装置240に又はその近傍に配置されていてもよい。ある実施の形態においては、流体238は気体、例えば清浄乾燥空気、N2、不活性ガス等である。図7(H)においては流体閉じ込め構造236と流体供給装置240とが一緒に図示されているが、これらが一緒に設けられる必要はない。
ある実施の形態においては、アレイ200本体は、実質的に固体の構造であり、例えば流体導管222のための空洞を有する。ある実施の形態においては、アレイ200本体は、大半が開放された実質的にフレーム型構造であり、種々の構成部品例えば個別アドレス可能素子102や流体導管222等が取り付けられる。この開放型構造は気体流れを促進し、及び/または、表面積を増加させる。ある実施の形態においては、アレイ200本体は、気体流れを促進するために、及び/または、表面積を増加させるために、本体内部へと進入し又は本体を貫通する複数の空洞を有する実質的に固体の構造である。
上述の実施の形態においては冷却が提供されるが、それに代えて又はそれとともに、加熱が提供されてもよい。
ある実施の形態においては、アレイ200は望ましくは、露光使用の間、実質的に一定の安定状態の温度に保たれる。そのため、例えば、アレイ200のすべての又は多くの個別アドレス可能素子102は、所望の安定状態温度に又はその近傍に達するよう露光前に電源が入れられ、露光中に安定状態温度を維持するようアレイ200を冷却及び/または加熱するために、1つ又は複数の温度制御構成のいずれかが使用されてもよい。ある実施の形態においては、1つ又は複数の温度制御構成のいずれかが、所望の安定状態温度に又はその近傍に達するよう露光前にアレイ200を加熱するために使用されてもよい。そうして、露光中に、1つ又は複数の温度制御構成のいずれかが、安定状態温度を維持するようアレイ200を冷却及び/または加熱するために使用されてもよい。センサ234からの測定結果が安定状態温度を維持するようフィードフォワードまたはフィードバックに使用されてもよい。ある実施の形態においては、複数のアレイ200の各々が同一の安定状態温度を有してもよいし、複数のアレイ200のうち1つ又は複数のアレイ200が複数のアレイ200のうち他の1つ又は複数のアレイ200とは異なる安定状態温度を有してもよい。ある実施の形態においては、アレイ200は、所望の安定状態温度よりも高温に加熱されてから、1つ又は複数の温度制御構成のいずれかによる冷却によって、及び/または、所望の安定状態温度よりも高温に保つほどには個別アドレス可能素子102が使用されないことによって、露光中に降温される。
ある実施の形態においては、温度制御及び全体冷却を改善するために、アレイ200本体の数が露光区域に沿って及び/または露光区域を横断して増やされる。そのため、例えば、図5に示す4個のアレイ200に代えて、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれより多くのアレイ200が設けられてもよい。より少ないアレイ、例えば1個のアレイ200が設けられてもよく、この場合、単一の大型アレイが基板の幅全体に及んでもよい。
ある実施の形態においては、本書に述べるレンズアレイは、移動可能な個別アドレス可能素子に関連づけられ又は一体化されている。例えば、レンズアレイプレートが移動可能アレイ200の各々に取り付けられて、個別アドレス可能素子102とともに移動可能(例えば回転可能)であってもよい。上述のように、レンズアレイプレートは個別アドレス可能素子102に対し(例えばZ方向に)変位可能であってもよい。ある実施の形態においては、複数のレンズアレイプレートが1つのアレイ200に設けられ、レンズアレイプレートの各々が複数の個別アドレス可能素子102の別々のサブセットに関連付けられていてもよい。
ある実施の形態においては、図7(I)を参照するに、単一の個別のレンズ242が各個別アドレス可能素子102の前方に取り付けられ、その個別アドレス可能素子102とともに移動可能(例えば軸Aまわりに回転可能)であってもよい。また、レンズ242は、アクチュエータ244を使用することによって、個別アドレス可能素子102に対し(例えばZ方向に)変位可能であってもよい。ある実施の形態においては、図7(J)を参照するに、個別アドレス可能素子102及びレンズ242は、アクチュエータ244によってアレイ200の本体246に対し一緒に変位されてもよい。ある実施の形態においては、アクチュエータ244は、レンズ242を(即ち、個別アドレス可能素子102に対し、または、個別アドレス可能素子102とともに)Z方向に変位させるだけのために構成されている。
ある実施の形態においては、アクチュエータ244は、最大3自由度(Z方向、X軸まわりの回転、及び/またはY軸まわりの回転)でレンズ242を変位させるよう構成されている。ある実施の形態においては、アクチュエータ244は、最大6自由度でレンズ242を変位させるよう構成されている。レンズ242が個別アドレス可能素子102に対し移動可能である場合、レンズ242はアクチュエータ244によって、レンズ242の焦点位置を基板に対して変化させるために移動されてもよい。レンズ242が個別アドレス可能素子102とともに移動可能である場合、レンズ242の焦点位置は実質的に一定であるが基板に対し変位させられる。ある実施の形態においては、レンズ242の移動は、アレイ200の各個別アドレス可能素子102に関連付けられた各レンズ242について個別に制御される。ある実施の形態においては、複数のレンズ242のうちあるサブセットは一緒に、複数の個別アドレス可能素子102のうち関連付けられたサブセットに対して又はそれとともに移動可能である。後者の場合、データのオーバーヘッドを小さくし、及び/または、応答を速くするために、焦点制御の精確さが犠牲となりうる。ある実施の形態においては、ある個別アドレス可能素子102によりもたらされる放射スポットのサイズはデフォーカスによって調整されてもよい。つまり、デフォーカスするにつれてスポットサイズが大きくなる。
ある実施の形態においては、図7(K)を参照するに、内側にアパーチャを有するアパーチャ構造248がレンズ242の下方に配置されてもよい。ある実施の形態においては、アパーチャ構造248は、レンズ242の上方でレンズ242と関連する個別アドレス可能素子102との間に配置されてもよい。アパーチャ構造248は、レンズ242、関連する個別アドレス可能素子102、及び/または、隣接するレンズ242/個別アドレス可能素子102の回折効果を限定することができる。
ある実施の形態においては、個別アドレス可能素子102は放射発光デバイス例えばレーザダイオードであってもよい。この放射発光デバイスは高い空間コヒーレンスを有することがあるため、スペックルが問題となりうる。このようなスペックル問題を回避するために、放射発光デバイスにより発せられる放射は、あるビーム部分の位相を他のビーム部分に対しずらすことによりスクランブルされるべきである。ある実施の形態においては、図7(L)及び図7(M)を参照するに、プレート250が、例えばフレーム160に配置されており、個別アドレス可能素子102がプレート250に対し移動する。個別アドレス可能素子102がプレート250に対し上方を移動すると、プレート250によって、個別アドレス可能素子102により基板へと発せられた放射の空間コヒーレンスが乱される。ある実施の形態においては、個別アドレス可能素子102がプレート250に対しその上方を移動するとき、プレート250はレンズ242と関連する個別アドレス可能素子102との間に配置される。ある実施の形態においては、プレート250はレンズ242と基板との間に配置されてもよい。
ある実施の形態においては、図7(N)を参照するに、空間コヒーレンス破壊デバイス252が、基板と、少なくとも、露光区域に放射を投影する個別アドレス可能素子102との間に配置されていてもよい。ある実施の形態においては、空間コヒーレンス破壊デバイス252は、個別アドレス可能素子102とレンズ242との間に配置され、本体246に取り付けられていてもよい。ある実施の形態においては、空間コヒーレンス破壊デバイス252は、位相変調器、振動プレート、または回転プレートである。個別アドレス可能素子102が基板へと放射を投影すると、空間コヒーレンス破壊デバイス252によって、個別アドレス可能素子102により発せられた放射の空間コヒーレンスが乱される。
ある実施の形態においては、レンズアレイは(ユニットとして一緒に、又は個別のレンズとして)、レンズアレイからアレイ200への伝熱を促進し、それにより冷却が有利に提供されるように、望ましくは熱伝導率の高い材料を介してアレイ200に取り付けられている。
ある実施の形態においては、アレイ200は、レベルセンサ150と同様の、1つ又は複数のフォーカスセンサまたはレベルセンサ254を備えてもよい。例えば、センサ254は、アレイ200の各個別アドレス可能素子102について、または、アレイ200の複数の個別アドレス可能素子102について、フォーカスを測定するよう構成されていてもよい。従って、焦点外れ状態が検出された場合に、アレイ200の各個別アドレス可能素子102について、または、アレイ200の複数の個別アドレス可能素子102について、フォーカスが補正されてもよい。例えば、レンズ242をZ方向に(及び/またはX軸まわりに、及び/またはY軸まわりに)移動させることによって、フォーカスが補正されてもよい。
ある実施の形態においては、センサ254は、ある個別アドレス可能素子102に一体化されている(あるいは、アレイ200の複数の個別アドレス可能素子102に一体化されていてもよい)。図7(O)を参照するに、例示的なセンサ254の概略が示されている。フォーカス検出ビーム256が基板から向けられ(例えば反射され)、レンズ242を通過して、半透明ミラー258により検出器262へと向けられる。ある実施の形態においては、フォーカス検出ビーム256は露光のために使用される放射であって、基板にて向きが変えられたものであってもよい。ある実施の形態においては、フォーカス検出ビーム256は、基板に向けられた専用のビームが基板で向きを変えられてビーム256となったものでもよい。ナイフエッジ260(アパーチャでもあり得る)がビーム256の経路においてビーム256が検出器262に入射する手前にある。この例においては、検出器262は、図7(O)において検出器262の分割により図示するように、少なくとも2つの放射感応部分(例えば領域または検出器)を備える。基板に焦点が合っているとき、エッジ260に鮮明な像が形成され、検出器262の放射感応部分は等量の放射を受ける。基板が焦点から外れているとき、ビーム256がシフトしてエッジ260の前方又は後方に像が形成されるであろう。そのためエッジ260がビーム256のある部分を遮断し、検出器262の一方の放射感応部分が他方の放射感応部分よりも少量の放射を受ける。検出器262の放射感応部分からの出力信号を比較することにより、ビーム256の向きを変更させた基板面が所望位置からどの程度の量及びどの方向に異なるかを得ることができる。信号は電子的に処理され、例えばレンズ242を調整する制御信号を生成してもよい。ミラー258、エッジ260、及び検出器262は、アレイ200に搭載されていてもよい。ある実施の形態においては、検出器262はクワッドセルであってもよい。
ある実施の形態においては、(任意の一時点で)133個を動作状態とする400個の個別アドレス可能素子102が設けられていてもよい。ある実施の形態においては、600個ないし1200個の動作する個別アドレス可能素子102が、任意選択として、例えば予備の、及び/または、(例えば上述の)補正露光用の追加の個別アドレス可能素子102とともに、設けられていてもよい。動作する個別アドレス可能素子102の数は例えば、レジストに依存しうる。パターニングのために、ある放射ドーズ量を要するからである。個別アドレス可能素子102が回転可能である場合、個別アドレス可能素子102は、1200個の個別アドレス可能素子102を動作させた状態で6Hzの周波数で回転されてもよい。個別アドレス可能素子102が少数であれば高周波数で回転されうるし、個別アドレス可能素子102が多数であれば低周波数で回転されうる。
ある実施の形態においては、個別アドレス可能素子102の数は、移動可能な個別アドレス可能素子102を使用することで、個別アドレス可能素子102のアレイに比べて低減されうる。例えば、600個ないし1200個の(任意の一時点に)動作する個別アドレス可能素子102が提供される。また、数が減っても個別アドレス可能素子102のアレイと実質的に同様の結果を生み出すことが可能であるとともに、1つ又は複数の利点もある。例えば、青紫ダイオードを使用して十分な露光能力を得るには、(例えば200個×500個に配列された)10万個のダイオードのアレイが必要とされるかもしれない。10kHzの周波数で動作させるとき、レーザダイオードあたりの光パワーは、0.33mWであり得る。レーザダイオードあたりの電力は、150mW=35mA×4.1Vであり得る。そうすると、アレイについての電力は15kWであり得る。移動可能な個別アドレス可能素子を使用するある実施の形態においては、400個の青紫ダイオード(うち133個が動作する)が設けられてもよい。9MHzの周波数で動作させるとき、レーザダイオードあたりの光パワーは、250mWであり得る。レーザダイオードあたりの電力は、1000mW=240mA×4.2Vであり得る。そうすると、アレイについての電力は133Wであり得る。そこで、ダイオードの移動可能個別アドレス可能素子構成は、図7(P)に例示されるように、出力光パワー対順電流曲線の勾配部分で動作させることで(240mA対35mA)、ダイオードあたりの出力パワーを高くする一方(250mW対0.33mW)、複数の個別アドレス可能素子についての電力を小さくすることができる(133W対15kW)。したがって、より効率的にダイオードを使用し、消費電力及び/または発熱を小さくすることができる。
よって、ある実施の形態においては、ダイオードはパワー/順電流曲線の勾配部分で動作させられる。パワー/順電流曲線の非勾配部分で動作させることは、放射のインコヒーレンスにつながりうる。ある実施の形態においては、ダイオードは、5mWより大きく20mW以下の、または30mW以下の、または40mW以下の光パワーで動作させられる。ある実施の形態においては、ダイオードは300mWを超える光パワーでは動作されない。ある実施の形態においては、ダイオードは、マルチモードではなくシングルモードで動作させられる。
あるアレイ200上の個別アドレス可能素子102の数を決める要因には、とりわけ(上述の範囲に関して)、アレイ200がカバーすることが意図される露光区域の長さ、アレイが露光中に移動する速度、スポットサイズ(すなわち、ある個別アドレス可能素子102から基板に投影されたスポットの断面寸法、例えば幅/直径)、各個別アドレス可能素子102が与えるべき所望の強度(例えば、基板または基板上のレジストへの損傷を避けるよう複数の個別アドレス可能素子にわたって基板上でのスポットに意図されるドーズを与えることが望まれるか否か)、所望の基板走査速度、費用面の考察、個別アドレス可能素子がオンオフ切り換えされる周波数、冗長な個別アドレス可能素子102への要求(上述のように、例えば、露光の補正のために、あるいは例えば1つ又は複数の個別アドレス可能素子が故障した場合の予備として)がある。ある実施の形態においては、アレイ200は、少なくとも100個の個別アドレス可能素子102、例えば少なくとも200個の個別アドレス可能素子、少なくとも400個の個別アドレス可能素子、少なくとも600個の個別アドレス可能素子、少なくとも1000個の個別アドレス可能素子、少なくとも1500個の個別アドレス可能素子、少なくとも2500個の個別アドレス可能素子、または少なくとも5000個の個別アドレス可能素子を備える。ある実施の形態においては、アレイ200は、50000個未満の個別アドレス可能素子102、例えば25000個未満の個別アドレス可能素子、15000個未満の個別アドレス可能素子、10000個未満の個別アドレス可能素子、7500個未満の個別アドレス可能素子、5000個未満の個別アドレス可能素子、2500個未満の個別アドレス可能素子、1200個未満の個別アドレス可能素子、600個未満の個別アドレス可能素子、または300個未満の個別アドレス可能素子を備える。
ある実施の形態においては、アレイ200は、露光区域の長さ10cmごとに(すなわち、あるアレイの個別アドレス可能素子の数を露光区域の長さ10cmに正規化して)、少なくとも100個の個別アドレス可能素子102、例えば少なくとも200個の個別アドレス可能素子、少なくとも400個の個別アドレス可能素子、少なくとも600個の個別アドレス可能素子、少なくとも1000個の個別アドレス可能素子、少なくとも1500個の個別アドレス可能素子、少なくとも2500個の個別アドレス可能素子、または少なくとも5000個の個別アドレス可能素子を備える。ある実施の形態においては、アレイ200は、露光区域の長さ10cmごとに(すなわち、あるアレイの個別アドレス可能素子の数を露光区域の長さ10cmに正規化して)、50000個未満の個別アドレス可能素子102、例えば25000個未満の個別アドレス可能素子、15000個未満の個別アドレス可能素子、10000個未満の個別アドレス可能素子、7500個未満の個別アドレス可能素子、5000個未満の個別アドレス可能素子、2500個未満の個別アドレス可能素子、1200個未満の個別アドレス可能素子、600個未満の個別アドレス可能素子、または300個未満の個別アドレス可能素子を備える。
ある実施の形態においては、アレイ200は、75%未満の、例えば67%以下の、50%以下の、約33%以下の、25%以下の、20%以下の、10%以下の、または5%以下の、冗長の個別アドレス可能素子102を備える。ある実施の形態においては、アレイ200は、少なくとも5%の、例えば少なくとも10%の、少なくとも25%の、少なくとも33%の、少なくとも50%の、または少なくとも65%の、冗長の個別アドレス可能素子102を備える。ある実施の形態においては、アレイは約67%の冗長の個別アドレス可能素子を備える。
ある実施の形態においては、ある個別アドレス可能素子による基板上でのスポットサイズは、10ミクロン以下、5ミクロン以下、例えば3ミクロン以下、2ミクロン以下、1ミクロン以下、0.5ミクロン以下、0.3ミクロン以下、または約0.1ミクロンである。ある実施の形態においては、ある個別アドレス可能素子による基板上でのスポットサイズは、0.1ミクロン以上、0.2ミクロン以上、0.3ミクロン以上、0.5ミクロン以上、0.7ミクロン以上、1ミクロン以上、1.5ミクロン以上、2ミクロン以上、または5ミクロン以上である。ある実施の形態においては、スポットサイズは約0.1ミクロンである。ある実施の形態においては、スポットサイズは約0.5ミクロンである。ある実施の形態においては、スポットサイズは約1ミクロンである。
リソグラフィ装置100の動作においては、基板114が例えばロボットハンドラ(図示せず)を用いて基板テーブル106に搬入される。基板114はそれからX方向にフレーム160及び個別アドレス可能素子102の下を移動させられる。基板114はレベルセンサ及び/またはアライメントセンサ150により測定され、その後に上述の個別アドレス可能素子102を用いてパターンが露光される。個別アドレス可能素子102は例えば、本書に説明するピクセルグリッド結像を提供するよう動作してもよい。
図8は、本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ装置の概略側面図を示す。図8に示されるように、リソグラフィ装置100は、パターニングデバイス104と、投影系108と、を備える。投影系108は、2つのレンズ176、172を備える。第1のレンズ176は、パターニングデバイス104から変調された放射ビーム110を受け、それが開口絞り174のコントラスト・アパーチャを通るよう集束させるよう配設されている。もう1つのレンズ(図示せず)がアパーチャに配置されていてもよい。放射ビーム110はそれから発散し、第2のレンズ172(例えば視野レンズ)により集束される。
投影系108は、変調された放射ビーム110を受けるよう配設されたレンズのアレイ170をさらに備える。変調された放射ビーム110の各部分はパターニングデバイス104の1つ又は複数の個別制御可能素子に対応しており、ビーム110のある部分はレンズアレイ170のあるレンズを通り、ビーム110の別の部分は別のレンズを通る。各レンズは変調放射ビーム110の対応部分を基板上に位置する一点に集束する。こうして放射スポットSの配列(図12参照)が基板に露光される。図示のレンズアレイ170には5つのレンズしか示されていないが、レンズアレイは数百または数千のレンズを備えてもよいものと理解されたい(同じことはパターニングデバイス104として使用される個別制御可能素子にも当てはまる)。
図8に示されるように、自由作動距離FWDが基板114とレンズアレイ170との間に設けられる。この距離は、基板114及び/またはレンズアレイ170が例えば焦点補正のために移動することを許容する。ある実施の形態においては、自由作動距離は、1mmないし3mmの範囲にあり、例えば約1.4mmである。パターニングデバイス104の個別アドレス可能素子はピッチPで配列されており、これに関連づけられたピッチPが基板114での像スポットに与えられる。ある実施の形態においては、レンズアレイ170は0.15または0.18のNAを与えることができる。ある実施の形態においては、像スポットサイズはおよそ1.6μmである。
この実施形態においては、投影系108は、等倍投影系であってもよく、基板114上での像スポット配列間隔はパターニングデバイス104のピクセル配列間隔と同じである。向上された解像度を得るために、像スポットがパターニングデバイス104のピクセルよりも相当に小さくてもよい。
図9は、本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ装置の概略側面図を示す。この実施形態においては、レンズアレイ170以外にはパターニングデバイス104と基板114との間に光学系が存在しない。
図9のリソグラフィ装置100は、パターニングデバイス104と、投影系108と、を備える。この場合、投影系108は、変調された放射ビーム110を受けるよう配設されたレンズのアレイ170のみを備える。変調された放射ビーム110の各部分はパターニングデバイス104の1つ又は複数の個別制御可能素子に対応しており、ビーム110のある部分はレンズアレイ170のあるレンズを通り、ビーム110の別の部分は別のレンズを通る。各レンズは変調放射ビーム110の対応部分を基板上に位置する一点に集束する。こうして放射スポットSの配列(図12参照)が基板に露光される。図示のレンズアレイ170には5つのレンズしか示されていないが、レンズアレイは数百または数千のレンズを備えてもよいものと理解されたい(同じことはパターニングデバイス104として使用される個別制御可能素子にも当てはまる)。
図8と同様に、自由作動距離FWDが基板114とレンズアレイ170との間に設けられる。この距離は、基板114及び/またはレンズアレイ170が例えば焦点補正のために移動することを許容する。パターニングデバイス104の個別アドレス可能素子はピッチPで配列されており、これに関連づけられたピッチPが基板114での像スポットに与えられる。ある実施の形態においては、レンズアレイ170は0.15のNAを与えることができる。ある実施の形態においては、像スポットサイズはおよそ1.6μmである。
図10は、本発明のある実施の形態に係り、図5を参照して説明した移動可能な個別アドレス可能素子102を用いるリソグラフィ装置の概略側面図を示す。この実施形態においては、レンズアレイ170以外にはパターニングデバイス104と基板114との間に光学系が存在しない。
図10のリソグラフィ装置100は、パターニングデバイス104と、投影系108と、を備える。この場合、投影系108は、変調された放射ビーム110を受けるよう配設されたレンズのアレイ170のみを備える。変調された放射ビーム110の各部分はパターニングデバイス104の1つ又は複数の個別制御可能素子に対応しており、ビーム110のある部分はレンズアレイ170のあるレンズを通り、ビーム110の別の部分は別のレンズを通る。各レンズは変調放射ビーム110の対応部分を基板上に位置する一点に集束する。こうして放射スポットSの配列(図12参照)が基板に露光される。図示のレンズアレイ170には5つのレンズしか示されていないが、レンズアレイは数百または数千のレンズを備えてもよいものと理解されたい(同じことはパターニングデバイス104として使用される個別制御可能素子にも当てはまる)。
図8と同様に、自由作動距離FWDが基板114とレンズアレイ170との間に設けられる。この距離は、基板114及び/またはレンズアレイ170が例えば焦点補正のために移動することを許容する。パターニングデバイス104の個別アドレス可能素子はピッチPで配列されており、これに関連づけられたピッチPが基板114での像スポットに与えられる。ある実施の形態においては、レンズアレイ170は0.15のNAを与えることができる。ある実施の形態においては、像スポットサイズはおよそ1.6μmである。
図11は、複数の個別アドレス可能素子102、具体的には6個の個別アドレス可能素子102を示す。この実施形態においては、各個別アドレス可能素子102は放射発光ダイオードであり、例えば青紫レーザダイオードである。各放射発光ダイオードは、当該ダイオードの制御のためにダイオードに電流を供給する2本の電線を架橋する。よって、ダイオードはアドレス可能な格子を形成する。2本の電線間の幅はおよそ250μmであり、放射発光ダイオードはおよそ500μmのピッチを有する。
図12は、基板114上にどのようにパターンが生成されるのかを模式的に示す図である。図中の黒丸は、投影系108のレンズアレイMLAによって基板114に投影されるスポットSの配列を示す。基板114は、基板上での露光が進むにつれて投影系108に対してX方向に移動する。図中の白丸は、基板上で既に露光されている露光スポットSEを示す。図示されるように投影系108のレンズアレイ170によって基板に投影された各スポットにより、基板上に露光スポット列Rが露光される。各スポットSにより露光された露光スポット列Rがすべて合わさって、基板114にパターンが完全に形成される。このような方式はよく「ピクセルグリッド結像」と称される。図12は概略図であるので、実際にはスポットSは重なり合ってもよいものと理解されたい。
放射スポットSの配列が基板114に対して角度θをなして配置されている様子が示されている(基板114の端部はそれぞれX方向及びY方向に平行である)。これは、基板114が走査方向(X方向)に移動するときに、各放射スポットに基板の異なる領域を通過させるためである。これにより、放射スポットSの配列により基板の全領域がカバーされることになる。ある実施の形態においては、角度θは大きくても20°、10°、例えば大きくても5°、大きくても3°、大きくても1°、大きくても0.5°、大きくても0.25°、大きくても0.10°、大きくても0.05°、または大きくても0.01°である。ある実施の形態においては、角度θは少なくとも0.0001°であり、例えば少なくとも0.001°である。傾斜角θ及び走査方向のアレイ幅は、基板114の全表面領域が処理されることを保証するように、像スポットサイズ及び走査方向に垂直な方向のアレイ間隔に従って決定される。
図13は、どのようにして基板114の全体が複数の光学エンジンを用いて1回の走査で露光されるのかを模式的に示す図である。各光学エンジンが1つ又は複数の個別アドレス可能素子を備える。放射スポットS(図示せず)の8つの配列SAが8つの光学エンジンにより形成される。光学エンジンは、いわばチェス盤のように、あるいは、放射スポットSの1つの配列の端部が隣接する放射スポットSの配列の端部に少し重なるようにずらした構成で、2つの列R1、R2に配列されている。ある実施の形態においては、光学エンジンは少なくとも3列、例えば4列または5列に配列される。このようにして、放射の帯が基板Wの幅を横切って延び、1回の走査で基板全体の露光が実現されることとなる。このような「全幅」の一回通過の露光は、2回以上の通過を接続する場合に生じるステッチングの問題を回避するのに役立つとともに、基板通過方向に交差する方向に基板を移動する必要がない点で装置フットプリントを低減することも可能である。任意の適切な数の光学エンジンが使用されてもよいと理解されたい。ある実施の形態においては、光学エンジンの数は少なくとも1個であり、例えば少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、または少なくとも17個である。ある実施の形態においては、光学エンジンの数は40個未満であり、例えば30個未満または20個未満である。各光学エンジンは、上述のパターニングデバイス104を、及び任意選択として投影系108及び/または放射システムを別個に備えてもよい。しかし、2個以上の光学エンジンが、1つ又は複数の放射システム、パターニングデバイス104、及び/または投影系108の少なくとも一部を共有してもよいことも理解されるべきである。
本書に説明される実施の形態においては、個別アドレス可能素子を制御するためのコントローラが設けられている。例えば、個別アドレス可能素子が放射発光デバイスである実施例においては、コントローラは、個別アドレス可能素子がオンまたはオフにいつ切り換えられるかを制御し、個別アドレス可能素子の高周波数変調を可能としてもよい。コントローラは、1つ又は複数の個別アドレス可能素子により発せられる放射のパワーを制御してもよい。コントローラは、1つ又は複数の個別アドレス可能素子により発せられる放射の強度を変調してもよい。コントローラは、個別アドレス可能素子アレイの全体または部分にわたって強度均一性を制御または調整してもよい。コントローラは、結像誤差(例えばエテンデュ、及び光学収差(例えばコマ収差、非点収差など))を補正するよう個別アドレス可能素子の放射出力を調整してもよい。
リソグラフィにおいては、所望のフィーチャが、基板上のレジスト層を放射で選択的に露光することによって、例えばパターンが与えられた放射でレジスト層を露光することによって、基板上に生成され得る。ある最小の放射ドーズ量(ドーズしきい値)を受けるレジスト領域で化学反応が生じる一方、他の領域は変化しないままである。こうしてレジスト層に生成された化学的相違によってレジストの現像が許容される。すなわち、少なくとも上記最小ドーズ量を受けた領域、または最小ドーズ量を受けなかった領域のいずれかを選択的に除去することができる。その結果、基板の一部はなおレジストに保護される一方で、レジストが除去された基板領域は露出されて、例えば更なる処理工程が可能となる。例えば、基板の選択的エッチング、選択的金属成膜などである。このようにして、所望のフィーチャが生成される。放射にパターンを与えることは、パターニングデバイスの個別制御可能素子を設定することによってもたらされてもよい。つまり、基板上の所望のフィーチャ内部のレジスト層領域に伝達される放射の強度が、当該領域にてドーズしきい値を超える放射ドーズ量を露光中に受けるよう実質的に高くなるように設定される。その一方で、基板上の他の領域は対応する個別制御可能素子をゼロ又は顕著に低い放射強度を与えるよう設定することでドーズしきい値を下回る放射ドーズ量を受けるようになっている。
実際には、所望のフィーチャ端部での放射ドーズ量が所与の最大ドーズ量からゼロへと急激に変化するわけではない。たとえフィーチャの境界部分の一方の側への放射強度が最大となり、かつそのフィーチャ境界部分の他方の側への放射強度が最小となるように個別制御可能素子が設定されていたとしても急激には変化しない。回折の影響により、放射ドーズ量の大きさは移行区間を介して低下するからである。所望のフィーチャの境界位置は最終的にレジストの現像により形成される。その境界位置は、照射されたドーズ量が放射ドーズしきい値を下回る位置によって定められる。この移行区間でのドーズ量低下のプロファイル、ひいてはフィーチャ境界の正確な位置は、当該フィーチャ境界上または近傍に位置する基板上の各点に放射を与える個別制御可能素子の設定により、より正確に制御できるであろう。そのために、強度レベルの最大値または最小値を制御するだけではなく、当該最大値及び最小値の間の強度レベルにも制御される。これは通常「グレイスケーリング」または「グレイレベリング」と呼ばれる。
グレイスケーリングによれば、ある所与の個別制御可能素子により基板に2値の放射強度(つまり最大値と最小値)だけが与えられるリソグラフィシステムよりも、フィーチャ境界位置の制御性を向上させることができる。ある実施の形態においては、少なくとも3種類の異なる放射強度値、例えば少なくとも4種類の放射強度値、少なくとも8種類の放射強度値、少なくとも16種類の放射強度値、少なくとも32種類の放射強度値、少なくとも64種類の放射強度値、少なくとも100種類の放射強度値、少なくとも128種類の放射強度値、または少なくとも256種類の放射強度値が基板に投影されてもよい。パターニングデバイス自体が放射源(例えば発光ダイオードまたはレーザダイオードのアレイ)である場合には、例えば、送出される放射の強度レベルを制御することで、グレイスケーリングがもたらされてもよい。コントラストデバイスがマイクロミラーデバイスである場合には、例えば、マイクロミラーの傾斜角を制御することで、グレイスケーリングがもたらされてもよい。また、コントラストデバイスにおける複数のプログラム可能素子をグループ化し、所与の時点でオン又はオフに切り換えられる素子の数をグループ内で制御することで、グレイスケーリングがもたらされてもよい。
ある実施例においては、パターニングデバイスは、下記を含む一連の状態を有してもよい。(a)黒の状態。この場合、与えられる放射は、対応するピクセルでの強度分布に最小の寄与を与える(あるいは何ら寄与しない)。(b)最も白い状態。この場合、与えられる放射は、最大の寄与を与える。(c)複数の中間の状態。この場合、与えられる放射は中間の寄与を与える。これらの状態は、通常セット(通常ビームのパターニング/プリンティングに使用される)と補償セット(欠陥素子の影響を補償するために使用される)とに分けられる。通常セットは、黒状態と、複数の中間状態からなる第1群と、を備える。この第1群を灰色状態と呼ぶことにする。これらは、最小の黒の値からある通常最大値まで対応ピクセル強度への寄与を徐々に大きくするよう選択可能である。補償セットは、残りの中間状態からなる第2群と、最白状態とを備える。この中間状態の第2群を白状態と呼ぶことにする。これらは、通常最大値より大きい寄与を与え、最白状態に相当する真の最大値まで徐々に増加する寄与を与えるよう選択可能である。第2群の中間状態を白状態と呼ぶのは単に、通常の露光ステップと補償の露光ステップとを区別しやすくするためにすぎないものと理解されたい。あるいは、複数状態の全体を、黒と白との間でグレイスケール・プリンティングをもたらすよう選択可能である一連の灰色状態とも呼びうるのである。
グレイスケーリングは上述の目的に加えてまたは上述の目的に代えて使用されてもよい。例えば、照射されたドーズ量レベルに応じて基板領域で2種以上の潜在的な反応があるように、露光後の基板への処理が調整されていてもよい。例えば、第1しきい値を下回る放射ドーズ量を受けた基板の部位では第1の種類の反応が生じ、第1しきい値を超え第2しきい値を下回る放射ドーズ量を受けた基板の部位では第2の種類の反応が生じ、第2しきい値以上の放射ドーズ量を受けた基板の部位では第3の種類の反応が生じるようにしてもよい。したがって、グレイスケーリングは、2以上の望ましいドーズ量レベルを有する基板上での放射ドーズ量プロファイルを提供するために使用されてもよい。ある実施の形態においては、放射ドーズ量プロファイルは、少なくとも2つの所望のドーズ量レベル、例えば少なくとも3つの所望のドーズ量レベル、少なくとも4つの所望のドーズ量レベル、少なくとも6つの所望のドーズ量レベル、または少なくとも8つの所望のドーズ量レベルを有する。
放射ドーズ量プロファイルの制御は、上述のように基板上の各点が受ける放射強度を単に制御するという方法以外の方法によっても可能である。例えば、基板上の各点が受ける放射ドーズ量は、各点への露光時間を代替的にまたは追加的に制御することによっても制御することができる。他の実施例として、基板上の各点は、連続的な複数回の露光により放射を受けてもよい。このような連続的複数露光から一部の露光を選択して照射することにより代替的にまたは追加的に各点が受ける放射ドーズ量を制御することが可能となる。
パターンを基板に形成するためには、パターニングデバイスの各個別制御可能素子を露光プロセス中の各段階で要求状態に設定する必要がある。よって、その要求状態を表す制御信号が各個別制御可能素子に伝送されなければならない。望ましくは、リソグラフィ装置は、制御信号を生成するコントローラ400を含む。基板に形成されるべきパターンは、例えばGDSIIなどのベクトル定義のフォーマットでリソグラフィ装置に供給される。設計情報を各個別制御可能素子への制御信号へと変換するために、コントローラは1つ又は複数のデータ処理装置を備えてもよい。データ処理装置は各々が、ある処理ステップを、パターンを表すデータストリームに施すよう構成されている。これらのデータ処理装置は以下では「データパス」と総称されてもよい。
データパスのデータ処理装置は、次に示す機能の1つ又は複数を実行するよう構成されていてもよい。その機能とは、ベクトルベースの設計情報をビットマップのパターンデータに変換すること、ビットマップのパターンデータを必要とされる放射ドーズ量マップ(つまり基板上で必要とされる放射ドーズ量のプロファイル)に変換すること、必要放射ドーズ量マップを各個別制御可能素子用の必要放射強度値に変換すること、及び、各個別制御可能素子用の必要放射強度値を対応する制御信号に変換することである。
ある実施の形態においては、制御信号は、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に、有線又は無線通信で供給されてもよい。また、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)からの信号は、コントローラ400に通信されてもよい。
図14(A)を参照するに、無線の実施形態においては、送受信機(または単に送信機)406は、送受信機(または単に受信器)402による受信のために、上記制御信号を具体化する信号を発する。制御信号は、各個別制御可能素子102へと1つ又は複数の配線404により伝送される。ある実施の形態においては、送受信機406からの信号は多重の制御信号として具体化されていてもよく、送受信機402は多重制御信号内の信号を各個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)のために分離することができる。ある実施の形態においては、無線伝送は無線周波数(RF)によってもよい。
図14(B)を参照するに、有線の実施形態においては、1つ又は複数の配線404は、コントローラ400を個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に接続してもよい。ある実施の形態においては、1本の配線404がアレイ200本体への及び/またはアレイ200本体からの各制御信号を運ぶよう設けられていてもよい。アレイ200本体にて制御信号は、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に個別的に与えられてもよい。例えば、無線の実施例と同様に、制御信号は伝送のために上記1本の配線で多重化され、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に与えるために分離されてもよい。ある実施の形態においては、複数の配線404が個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)の各制御信号を運ぶよう設けられていてもよい。アレイ200が回転可能である実施形態においては、配線404は回転軸Aに沿って設けられていてもよい。ある実施の形態においては、信号がアレイ200本体に又はアレイ200本体からモータ216での滑り接触により与えられてもよい。これは回転可能な実施形態に有利である。滑り接触は例えば、プレートに接触するブラシにより可能である。
ある実施の形態においては、配線404は光配線であってもよい。その場合、信号は光信号であってもよい。ここで、例えば、異なる制御信号が異なる波長で運ばれてもよい。
制御信号と同様にして、電力が個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に有線または無線の手段で供給されてもよい。例えば、有線の実施形態においては、電力が1本又は複数本の配線404により供給されてもよい。これは信号を運ぶものと同一であるか否かを問わない。上述の滑り接触の構成が電力を伝えるために設けられてもよい。無線の実施形態においては、RF結合により電力が搬送されてもよい。
前述の議論は個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に供給される制御信号に焦点を当てているが、それらは追加的に又は代替的に、適切な構成により個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)からコントローラ400への信号伝送を網羅するものと理解すべきである。そのため、通信は一方向(例えば、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)着又は発のみ)であってもよいし、あるいは双方向(すなわち、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)発及び着)であってもよい。例えば、送受信機402は、送受信機406への伝送のために個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)からの多数の信号を多重化してもよい。送受信機406は個別の信号に分離することができてもよい。
ある実施の形態においては、パターンを与えるための制御信号は、基板上でのパターンの適正な供給及び/または実現に影響しうる要因を考慮に入れて変更されてもよい。例えば、1つ又は複数のアレイ200の加熱を考慮に入れて制御信号に何らかの補正が適用されてもよい。こうした加熱によって、個別制御可能素子102の指示方向や、個別制御可能素子102からの放射の均一性などに変化が生じうる。ある実施の形態においては、例えばセンサ234からのアレイ200(例えば1つ又は複数の個別制御可能素子102)に関連する測定温度及び/または膨張/収縮が、さもなければパターン形成のために与えられていたであろう制御信号を変更するために使用されてもよい。例えば、露光中に個別制御可能素子102の温度は変わりうるが、その変動によって、ある1つの一定温度で与えられたであろう投影パターンから変化が生じる。従って、制御信号がこうした変動を考慮に入れて変更されてもよい。同様に、ある実施の形態においては、アライメントセンサ及び/またはレベリングセンサ150からの結果が、個別制御可能素子102により与えられるパターンを変更するために使用されてもよい。パターンは、例えば、個別制御可能素子102と基板114との間の光学系(もし存在するなら)や、基板114の位置決めの不規則性、基板114の不均一性などによって生じ得る例えばディストーションを補正するよう変更されてもよい。
ある実施の形態においては、制御信号の変化量は、測定されたパラメタ(例えば、測定温度、レベルセンサによる測定距離など)から生じる所望のパターンにおける理論的な物理的/光学的結果に基づいて決定されてもよい。ある実施の形態においては、制御信号の変化量は、測定パラメタから生じる所望のパターンにおける物理的/光学的結果の実験的又は経験的モデルに基づいて決定されてもよい。ある実施の形態においては、制御信号の変化量は、フィードフォワード及び/またはフィードバックに適用されてもよい。
ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、1つ又は複数の個別制御可能素子102により基板に伝達される又は伝達されるはずの放射の性質を測定するセンサ500を備えてもよい。こうしたセンサはスポットセンサまたは透過イメージセンサであってもよい。このセンサは、例えば、ある個別制御可能素子102からの放射の強度、ある個別制御可能素子102からの放射の均一性、ある個別制御可能素子102からの放射のスポットの断面のサイズまたは面積、及び/または、ある個別制御可能素子102からの放射のスポットの(XY面での)位置を決定するために使用されてもよい。
図15は、本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ装置の概略上面図であり、センサ500のいくつかの例示的な配置を示す。ある実施の形態においては、1つ又は複数のセンサ500が、基板114を保持する基板テーブル106の内部又は表面に設けられている。例えば、センサ500は、基板テーブル106の前縁及び/または基板テーブル106の後縁に設けられていてもよい。この実施例においては、4個のセンサ500が示されており、1つのアレイ200に1つのセンサが設けられている。望ましくは、これらは基板114により覆われない場所に配置される。代替的な又は追加的な実施例においては、センサは、基板テーブル106の側縁に、望ましくは基板114により覆われない場所に、設けられていてもよい。基板テーブル106の前縁のセンサ500は、個別制御可能素子102の露光前検出に使用可能である。基板テーブル106の後縁のセンサ500は、個別制御可能素子102の露光後検出に使用可能である。基板テーブル106の側縁のセンサ500は、個別制御可能素子102の露光中の検出(いわゆるオンザフライの検出)に使用可能である。
図16(A)を参照するに、本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ装置の一部分の概略側面図が示されている。この実施例においては、1つのアレイ200のみが示されており、リソグラフィ装置の他の部分については明確のため省略されている。よって、ここに説明されるセンサは、アレイ200の各々に、又はいくつかのアレイ200に適用されてもよい。センサ500の配置の追加的な又は代替的な実施例が図16(A)に示されている(基板テーブル106のセンサ500に加えて)。最初の実施例では、フレーム160にあるセンサ500が、ある個別制御可能素子102からの放射をビーム方向変更構造502(例えば反射ミラーの配列)を介して受ける。この最初の例では、個別制御可能素子102がXY面内で移動して、異なる個別制御可能素子102がビーム方向変更構造502に放射を与えるよう配置されることができる。2番目の追加的な又は代替的な実施例では、フレーム160にあるセンサ500が、ある個別制御可能素子102からの放射をその個別制御可能素子102の背面側(すなわち露光放射が与えられるのと反対側)から受ける。この2番目の例では、個別制御可能素子102がXY面内で移動して、異なる個別制御可能素子102がセンサ500に放射を与えるよう配置されることができる。2番目の例でセンサ500は露光区域204での個別制御可能素子102の経路に示されているが、センサ500はセンサ510で示される場所に配置されてもよい。ある実施の形態においては、フレーム160にあるセンサ500は固定された場所にあるが、例えば関連するアクチュエータによって移動可能であってもよい。これら最初と2番目の実施例は、露光前及び/または露光後の検知に加えて又はそれに代えて「オンザフライ」の検知を提供するよう使用されてもよい。3番目の実施例では、構造504、506にセンサ500がある。構造504、506は、アクチュエータ508によって移動可能であってもよい。ある実施の形態においては、構造504は、基板テーブルが移動するであろう経路の下方(図16(A)に示す)またはその経路の側方に配置されている。ある実施の形態においては、構造504は、仮に基板テーブル106がそこになかったとすれば、図16(A)において基板テーブル106のセンサ500を示す場所にアクチュエータ508によって移動されてもよい。こうした移動は(図16(A)に示すように)Z方向であってもよいし、あるいは、構造504が経路の側方にあったとすれば、X方向及び/またはY方向であってもよい。ある実施の形態においては、構造506は、基板テーブルが移動するであろう経路の上方(図16(A)に示す)またはその経路の側方に配置されている。ある実施の形態においては、構造506は、仮に基板テーブル106がそこになかったとすれば、図16(A)において基板テーブル106のセンサ500を示す場所にアクチュエータ508によって移動されてもよい。構造506はフレーム160に取り付けられ、フレーム160に対し変位可能であってもよい。
1つ又は複数の個別制御可能素子102により基板に伝達される又は伝達されるはずの放射の性質を測定する動作においては、センサ500が、ある個別制御可能素子102からの放射の経路に、センサ500を移動させることによって、及び/または、その個別制御可能素子102の放射ビームを移動させることによって、配置される。そのため、ある実施例として、基板テーブル106は、図16(A)に示されるように、個別制御可能素子102からの放射の経路に位置センサ500を移動させてもよい。この場合、センサ500は、露光区域204にて個別制御可能素子102の経路に位置決めされる。ある実施の形態においては、センサ500は、露光区域204外で個別制御可能素子102の経路に位置決めされてもよい(例えば、ビーム方向変更構造502がそこにない場合、左側に図示される個別制御可能素子102)。放射の経路に配置されると、センサ500は、放射を検出し、その放射の性質を測定することができる。検知を促進するために、センサ500が個別制御可能素子102に対し移動されてもよいし、及び/または、個別制御可能素子102がセンサ500に対し移動されてもよい。
他の実施例として、ある個別制御可能素子102からの放射がビーム方向変更構造502に入射する位置へと、その個別制御可能素子102が移動されてもよい。ビーム方向変更構造502はフレーム160上のセンサ500へとビームを誘導する。検知を促進するために、センサ500が個別制御可能素子102に対し移動されてもよいし、及び/または、個別制御可能素子102がセンサ500に対し移動されてもよい。この実施例においては、個別制御可能素子102は露光区域204の外側で測定される。
ある実施の形態においては、センサ500は固定されていてもよいし、移動していてもよい。固定されている場合、個別制御可能素子102は望ましくは、検知を促進するために、固定されたセンサ500に対し移動可能である。センサ500による検知を促進するために、例えば、アレイ200がセンサ500(例えば、フレーム160上のセンサ500)に対し移動(例えば回転または平行移動)されてもよい。センサ500が移動可能である場合(例えばセンサ500が基板テーブル106にある場合)、個別制御可能素子102は検知のために静止されていてもよいし、あるいは、例えば検知の高速化のために移動されてもよい。
センサ500は、1つ又は複数の個別制御可能素子102を校正するために使用されてもよい。例えば、ある個別制御可能素子102のスポット位置をセンサ500により露光前に検出し、それに従ってシステムを校正することができる。そして、この予定スポット位置に基づいて露光を管理することができる(例えば、基板114の位置が制御されたり、個別制御可能素子102の位置が制御されたり、個別制御可能素子102のオンオフ切り換えが制御されたりする)。また、複数の校正が順次行われてもよい。例えば、ある校正が露光直後に別の露光の前に、基板テーブル106の後縁にあるセンサ500を例えば使用して行われてもよい。校正は、毎回の露光前や、ある回数の露光後等に行われてもよい。また、個別制御可能素子102のスポット位置は、センサ500を使用してオンザフライで検出され、それに従って今回の露光が管理されてもよい。個別制御可能素子102はオンザフライ検知に基づいて再校正されてもよい。
ある実施の形態においては、1つ又は複数の個別制御可能素子102は、どの個別制御可能素子102がある位置にあって使用されているのかを検出可能とするように、符号が与えられていてもよい。ある実施の形態においては、個別制御可能素子102はマーカを有し、センサ510がマーカを検出するために使用されてもよい。マーカは、RFID、バーコード等であってもよい。例えば、複数の個別制御可能素子102の各々がマーカを読み取るためのセンサ510に隣接するよう移動されてもよい。どの個別制御可能素子102がセンサ510に隣接するかを既知とすることで、どの個別制御可能素子102がセンサ500に隣接するかを露光区域204等において知ることが可能となる。ある実施の形態においては、各個別制御可能素子102は、異なる周波数を有する放射を与えるよう使用され、センサ500、510はどの個別制御可能素子102がセンサ500、510に隣接するかを検出することができてもよい。例えば、複数の個別制御可能素子102の各々が、個別制御可能素子102からの放射を受けるセンサ500、510に隣接するよう移動され、センサ500、510は受けた放射を分離して、ある特定の時点にどの個別制御可能素子102がセンサ500、510に隣接していたかを決定してもよい。これを知ることで、どの個別制御可能素子102がセンサ500に隣接するかを露光区域204等において知ることが可能となる。
ある実施の形態においては、上述のように、位置センサが、1つ又は複数の個別制御可能素子102の位置を最大6自由度で決定するために設けられていてもよい。例えば、センサ510は位置検出のために使用されてもよい。ある実施の形態においては、センサ510は、干渉計を備えてもよい。ある実施の形態においては、センサ510は、1つ又は複数の一次元エンコーダグレーティング及び/または1つ又は複数の二次元エンコーダグレーティングを検出するために使用され得るエンコーダを備えてもよい。
ある実施の形態においては、センサ520が、基板に伝達された放射の性質を決定するために設けられていてもよい。この実施形態においては、センサ520は、基板によって方向を変えられた放射を捕捉する。ある例示的な使用においては、センサ520により捕捉された方向変更された放射は、ある個別制御可能素子102からの放射スポットの位置(例えば、ある個別制御可能素子102からの放射スポットの位置ずれ)の決定を促進するために使用されてもよい。特に、センサ520は、基板のちょうど露光された部分(すなわち潜像)から方向変更された放射を捕捉してもよい。方向変更された放射のこうした尾部の強度の測定結果は、スポットが適正に位置合わせされていたか否かの指標を与え得る。例えば、この尾部の反復測定は反復信号を与え、これはスポットの位置ずれを表すであろう偏差を与え得る(例えば、位相外れ信号が位置ずれを表すことができる)。図16(B)は、基板114の露光された区域522に対するセンサ520の検出区域の位置を概略的に示す。この実施形態においては、3つの検出区域が示されており、これらの結果が、位置ずれの認識を促進するために、比較され、及び/または、組み合わされてもよい。1つの検出区域だけが使用される必要があり、それは例えば左側のものである。ある実施の形態においては、個別制御可能素子102の検出器262がセンサ520と同様にして使用されてもよい。例えば、アレイ200の露光区域204外にある右側の1つ又は複数の個別制御可能素子102が、基板上の潜像から方向変更された放射を検出するために使用されてもよい。
図17は、ある実施の形態のリソグラフィ装置を示す。この実施形態においては、複数の個別制御可能素子102が回転可能ポリゴン600へと放射を向ける。放射が入射するポリゴン600の表面604は、レンズアレイ170へと放射の向きを変える。レンズアレイ170は基板114へと放射を向ける。露光中にポリゴン600は軸602まわりに回転し、複数の個別制御可能素子102の各々からのビームをレンズアレイ170を横断してY方向に移動させる。具体的には、放射がポリゴンの新たなファセットに入射するたびに、各ビームは正のY方向にレンズアレイ170を繰り返し走査する。個別制御可能素子102は、本書に述べる所望のパターンを与えるよう露光中に変調される。ポリゴンは任意の適切な数の側面を有してもよい。また、個別制御可能素子102は、各ビームがレンズアレイ170のレンズに入射するように、回転するポリゴン600にタイミングを合わせて変調される。ある実施の形態においては、もう1組の複数の個別制御可能素子102がポリゴンの反対側に(即ち右側に)設けられ、ポリゴン600の表面606に放射を入射させるようにしてもよい。
ある実施の形態においては、ポリゴン600に代えて、振動する光学素子が使用されてもよい。振動光学素子はレンズアレイ170に対しある固定された角度を有し、Y方向に往復移動することで、各ビームにレンズアレイ170をY方向に往復走査させるようにしてもよい。ある実施の形態においては、ある弧を軸602まわりに往復回転する光学素子がポリゴン600の代わりに使用されてもよい。光学素子がある弧を往復回転することにより、各ビームがレンズアレイ170をY方向に往復走査する。ある実施の形態においては、ポリゴン600、振動光学素子、及び/または回転光学素子は、1つ又は複数のミラー表面を有する。ある実施の形態においては、ポリゴン600、振動光学素子、及び/または回転光学素子は、プリズムを備える。ある実施の形態においては、音響光学変調器がポリゴン600の代わりに使用されてもよい。各ビームにレンズアレイ170を走査させるために音響光学変調器を使用することができる。ある実施の形態においては、レンズアレイ170は、複数の個別制御可能素子102と、ポリゴン600、振動光学素子、回転光学素子、及び/または音響光学変調器との間の放射経路に配置されてもよい。
よって、一般に、放射出力の幅で露光領域(例えば基板)の幅を分割するのに比べて、少数の放射出力でその露光領域の幅を覆うことができる。ある実施の形態においては、これは、露光領域に対して放射ビーム源を移動させること、又は、露光領域に対して放射ビームを移動させること、を含んでいてもよい。
図18は、本発明のある実施の形態に係り、移動可能な個別制御可能素子102を有するリソグラフィ装置の概略側断面図を示す。図5に示されるリソグラフィ装置100と同様に、リソグラフィ装置100は、基板を保持する基板テーブル106と、基板テーブル106を最大6自由度で移動させる位置決め装置116と、を備える。
リソグラフィ装置100は、フレーム160に配設された複数の個別制御可能素子102をさらに備える。この実施形態においては、個別制御可能素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えばレーザダイオードであり、例えば青紫レーザダイオードである。個別制御可能素子102は、Y方向に沿って延在する個別制御可能素子102のアレイ200に配列されている。1つのアレイ200が示されているが、リソグラフィ装置は、例えば図5に示すように、複数のアレイ200を有してもよい。
この実施形態においては、アレイ200は回転可能プレートであり当該プレートまわりに配列された複数の空間的に隔てられた個別制御可能素子102を有する。使用時において、プレートが自身の軸206まわりに、例えば図5にて矢印で示される方向に、回転する。アレイ200のプレートはモータ216を使用して軸206まわりに回転させられる。また、アレイ200のプレートは、個別制御可能素子102が基板テーブル106に対し変位しうるようにモータ216によってZ方向に移動されてもよい。
この実施形態においては、アレイ200は、放熱のための表面積を大きくするための1つ又は複数のフィン230を有してもよい。フィン230は例えば、アレイ200の上面にあってもよい。任意選択として、1つ又は複数の別のフィン232がフィン230と協働して放熱を促進するよう設けられていてもよい。例えば、フィン232は、フィン230からの熱を吸収可能であり、図7(F)に関して図示し説明したのと同様に流体(例えば液体)導管と関連する熱交換器/ポンプとを備えてもよい。
この実施形態においては、レンズ242が各個別制御可能素子102の前方に取り付けられ、その個別制御可能素子102とともに移動可能(例えば軸Aまわりに回転可能)であってもよい。図18においては、2つのレンズ242が示されており、アレイ200に取り付けられている。また、レンズ242は、個別制御可能素子102に対し(例えばZ方向に)変位可能であってもよい。
この実施形態においては、内側にアパーチャを有するアパーチャ構造248がレンズ242の上方でレンズ242と関連する個別制御可能素子102との間に配置されてもよい。アパーチャ構造248は、レンズ242、関連する個別制御可能素子102、及び/または、隣接するレンズ242/個別制御可能素子102の回折効果を限定することができる。
この実施形態においては、センサ254が、ある個別制御可能素子102に(またはアレイ200の複数の個別制御可能素子102に)設けられていてもよい。この実施形態においては、センサ254は、フォーカスを検出するよう構成されている。フォーカス検出ビーム256が基板表面から向けられ(例えば反射され)、レンズ242を通過して、例えば半透明ミラー258により検出器262へと向けられる。ある実施の形態においては、フォーカス検出ビーム256は露光のために使用される放射であって、基板にて向きが変えられたものであってもよい。ある実施の形態においては、フォーカス検出ビーム256は、基板に向けられた専用のビームが基板で向きを変えられてビーム256となったものでもよい。ある例示的なフォーカスセンサは図7(O)に関して説明されている。ミラー258及び検出器262がアレイ200に搭載されていてもよい。
この実施形態においては、制御信号が、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に、有線又は無線通信で供給されてもよい。また、個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)からの信号が、コントローラに通信されてもよい。図18においては、配線404は回転軸206に沿って設けられていてもよい。ある実施の形態においては、配線404は光配線であってもよい。その場合、信号は光信号であってもよい。ここで、例えば、異なる制御信号が異なる波長で運ばれてもよい。制御信号と同様にして、電力が個別制御可能素子102及び/または他の1つ又は複数の装置(例えばセンサ)に有線または無線の手段で供給されてもよい。例えば、有線の実施形態においては、電力が1本又は複数本の配線404により供給されてもよい。これは信号を運ぶものと同一であるか否かを問わない。無線の実施形態においては、700にて図示するように、RF結合により電力が搬送されてもよい。
この実施形態においては、リソグラフィ装置は、1つ又は複数の個別制御可能素子102により基板に伝達される又は伝達されるはずの放射の性質を測定するセンサ500を備えてもよい。こうしたセンサはスポットセンサまたは透過イメージセンサであってもよい。このセンサは、例えば、ある個別制御可能素子102からの放射の強度、ある個別制御可能素子102からの放射の均一性、ある個別制御可能素子102からの放射のスポットの断面のサイズまたは面積、及び/または、ある個別制御可能素子102からの放射のスポットの(XY面での)位置を決定するために使用されてもよい。この実施形態においては、センサ500はフレーム160上にあり、基板テーブル106に隣接し又は基板テーブル106を通じてアクセス可能であってもよい。
ある実施の形態においては、個別制御可能素子102をXY面内で移動可能とするというよりも、個別制御可能素子102は、基板の露光中にXY面内で実質的に静止している。これは、制御可能素子102がXY面内で移動可能とされないことを言うのではない。例えば、素子の位置を補正するためにXY面内で移動可能であってもよい。制御可能素子102を実質的に静止させる潜在的な利点は、制御可能素子102への電力及び/またはデータの伝送がより容易になることである。更なる又は他の潜在的利点は、システムの焦点深度より大きく、かつ移動制御可能素子のピッチよりも高い空間周波数である基板の高さ差を補償するための局所的な焦点調整能力が改善されることである。
この実施形態においては、制御可能素子102が実質的に静止しており、個別制御可能素子102に対し移動する少なくとも1つの光学素子がある。個別制御可能素子102がXY面内で実質的に静止しており、かつ光学素子がそれに対して移動可能である種々の構成が以下に説明される。
本書の説明において、用語「レンズ」は、文脈が許す限り、屈折光学部品、回折光学部品、反射光学部品、磁気的光学部品、電磁気的光学部品、静電的光学部品を含む各種の光学部品の1つまたはこれらの組み合わせを包含するものと一般的に理解されるべきである。こうした光学部品は、言及されたレンズと同一の機能を提供する任意の屈折光学素子、反射光学素子、及び/または回折光学素子であってもよい。例えば、結像レンズは、光学倍率を有する従来の屈折レンズの形式、光学倍率を有するシュヴァルツシルト反射系の形式、及び/または、光学倍率を有するゾーンプレートの形式で具体化されてもよい。また、結像レンズは、結果的に得られる効果が基板上に収束ビームをもたらす場合には、非結像光学系を備えてもよい。
また、本書の説明において、複数の個別制御可能素子102との言及があり、これは例えばミラーアレイ変調器のミラーまたは複数の放射源である。しかしながら、本書はより一般的に、複数のビームを出力するよう構成された変調器に言及したものと理解されるべきである。例えば、変調器は、1つの放射源により与えられたビームから複数のビームを出力する音響光学変調器であってもよい。
図19は、本発明のある実施の形態に係り、XY面内で実質的に静止した複数の個別制御可能素子102(例えばレーザダイオード)とそれに対し移動可能である光学素子242とを有するリソグラフィ装置の部分のレイアウトの概略上面図を示す。この実施形態においては、複数の個別制御可能素子102がフレームに取り付けられてXY面内で実質的に静止しており、複数の結像レンズ242がこれら個別制御可能素子102に対し実質的にXY面内で(図19において輪801の回転で表されるように)移動し、基板が方向803に移動する。ある実施の形態においては、結像レンズ242は、軸まわりに回転することにより個別制御可能素子102に対し移動する。ある実施の形態においては、結像レンズ242は、軸まわりに(例えば図19に示す方向に)回転する構造に搭載され、(例えば図19に部分的に示すように)円形に配列されている。
個別制御可能素子102の各々が移動する結像レンズ242に、コリメートされたビームを与える。ある実施の形態においては、個別制御可能素子102には、コリメートビームを与える1つ又は複数のコリメートレンズが付設されている。ある実施の形態においては、コリメートレンズはXY面内で実質的に静止しており、個別制御可能素子102が取り付けられているフレームに取り付けられている。
この実施形態においては、コリメートビームの断面幅は、結像レンズ242の断面幅よりも小さい。そのため、結像レンズ242の光学的に透過可能な部位の内側に完全にコリメートビームが収まるようになるや否や、個別制御可能素子102(例えばレーザダイオード)がオンに切り換えられる。そして、結像レンズ242の光学的に透過可能な部位の外側にビームがくると、個別制御可能素子102(例えばレーザダイオード)がオフに切り換えられる。よって、ある実施の形態においては、ある個別制御可能素子102からのビームはどの任意の一時点においても1つの結像レンズ242を通過する。個別制御可能素子102からのビームを結像レンズ242が横断することによって、オンに切り換えられている個別制御可能素子102の各々から対応する結像ライン800が基板上にもたらされる。図19においては3本の結像ライン800が、図19における3つの例示的な個別制御可能素子102の各々に対して示されている。図19におけるその他の個別制御可能素子102も対応する結像ライン800を基板上に生成することは明らかである。
図19のレイアウトにおいては、結像レンズ242のピッチは1.5mmであってもよく、各個別制御可能素子102からのビームの断面幅(例えば直径)は0.5mmより若干小さい。この構成によると、各個別制御可能素子102により長さ約1mmの線を書くことが可能である。よって、ビーム直径が0.5mmで結像レンズ242の直径が1.5mmであるこの構成においては、デューティサイクルが67%の高さになる。結像レンズ242に対する個別制御可能素子102の適切な位置決めがなされることで、基板の全幅を完全にカバーすることが可能である。そこで、例えば、標準的な直径5.6mmのレーザダイオードのみが使用される場合に、レーザダイオードの図19に示すような同心リングをいくつか用いて、基板の全幅をカバーするようにすることができる。そこで、この実施形態においては、単純に固定された個別制御可能素子102のアレイを使用する場合よりも、又はおそらくは、本書に述べる移動可能な個別制御可能素子102を使用する場合よりも、少ない数の個別制御可能素子102(例えばレーザダイオード)を使用することが可能であり得る。
この実施形態においては、結像レンズ242の各々は同一であるべきである。各個別制御可能素子102がすべての移動結像レンズ242によって結像されるからである。この実施形態においては、NAが大きい、例えば、0.3より大きい、0.18より大きい、又は0.15より大きいレンズが必要であるが、すべての結像レンズ242は視野を結像する必要がない。この単一素子の光学系によって、回折が制限された結像が可能である。
基板上でのビームの焦点は結像レンズ242の光軸に固定されており、コリメートビームがレンズのどこに入るかにはよらない(例えば図20を参照。これは図19のリソグラフィ装置の一部の概略三次元図である)。この構成の不利な点は、結像レンズ242から基板に向かうビームがテレセントリックではなく、その結果、焦点誤差がオーバレイ誤差につながりうることである。
この実施形態においては、XY面内で移動していない要素を使用した(例えば個別制御可能素子102における)焦点調整が、口径食を引き起こす可能性がある。従って、所望の焦点調整は、移動結像レンズ242においてなされるべきである。これにより、移動結像レンズ242よりも高周波数のアクチュエータが必要となりうる。
図21は、本発明のある実施の形態に係り、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子と、それらに対し移動可能な光学素子と、を有するリソグラフィ装置の部分のレイアウトの概略側面図であり、ある個別制御可能素子に関し結像レンズセット242の3箇所の異なる回転位置を示す。この実施形態においては、図19及び図20のリソグラフィ装置は、ある個別制御可能素子102からのコリメートビームを受ける結像レンズ242が2つのレンズ802、804を備えるよう拡張されている。図19と同様に、結像レンズ242はXY面内で個別制御可能素子102に対し移動する(例えば、結像レンズ242を少なくとも部分的に輪状に配列した軸まわりに回転する)。この実施形態においては、個別制御可能素子102からのビームは、結像レンズ242に到達する手前でレンズ806によりコリメートされる。しかし、ある実施の形態においては、こうしたレンズは設けられていなくてもよい。レンズ806はXY面内で実質的に静止している。基板はX方向に移動する。
2つのレンズ802、804は、個別制御可能素子102から基板へのコリメートビームの光路において基板へのビームをテレセントリックにするよう配設されている。個別制御可能素子102とレンズ804との間のレンズ802は、実質的に焦点距離が等しい2つのレンズ802A、802Bを備える。個別制御可能素子102からのコリメートビームは2つのレンズ802A、802B間で集束され、そうしてレンズ802Bはビームを結像レンズ804へとコリメートする。結像レンズ804はビームを基板上に結像する。
この実施形態においては、レンズ802は個別制御可能素子102に対しXY面内である速度で(例えば毎分ある回転数(rpm)で)移動する。よって、この実施形態においては、仮に結像レンズ804がレンズ802と同じ速さで移動したならば、レンズ802から出るコリメートビームはXY面内で移動結像レンズ804の2倍の速さを有するであろう。そこで、この実施形態においては、結像レンズ804は、個別制御可能素子102に対してレンズ802とは異なる速さで移動する。特に、結像レンズ804がXY面内でレンズ802の2倍の速さで(レンズ802の2倍のrpmで)移動することで、ビームが基板上でテレセントリックに合焦されるようになる。レンズ802から出るコリメートビームの結像レンズ804へのこうした位置合わせが図21において3箇所の例示的な位置で概略的に示されている。また、基板上への実際の書き込みは図19の例に比べて2倍の速さで行われるので、個別制御可能素子102のパワーは2倍であるべきである。
この実施形態においては、XY面内で移動していない要素を使用した(例えば個別制御可能素子102における)焦点調整が、テレセントリック性を損なわせ、口径食を引き起こす可能性がある。従って、所望の焦点調整は、移動結像レンズ242においてなされるべきである。
また、この実施形態においては、すべての結像レンズ242は視野を結像する必要がない。この単一素子の光学系によって、回折が制限された結像が可能である。約65%のデューティサイクルが可能である。ある実施の形態においては、これらのレンズ806、802A、802B、及び804は、2つの非球面レンズと2つの球面レンズとを備えてもよい。
ある実施の形態においては、約380個の個別制御可能素子102(例えば標準的なレーザダイオード)が使用されてもよい。ある実施の形態においては、約1400個の結像レンズセット242が使用されてもよい。標準的なレーザダイオードを使用するある実施の形態においては、約4200個の結像レンズセット242が使用され、これらがある輪において6つの同心リングに配列されていてもよい。ある実施の形態においては、結像レンズの回転輪は約12000rpmで回転し得る。
図22は、本発明のある実施の形態に係り、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子と、それらに対し移動可能な光学素子と、を有するリソグラフィ装置の部分のレイアウトの概略側面図であり、ある個別制御可能素子に関し結像レンズセット242の3箇所の異なる回転位置を示す。この実施の形態においては、図21に関し説明したように異なる速さでレンズが移動することを避けるために、いわゆる4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムが、図22に示すように移動結像レンズ242に使用され得る。移動結像レンズ242は、XY面内で実質的に同じ速さで移動する(例えば、結像レンズ242を少なくとも部分的に輪状に配列した軸まわりに回転する)2つの結像レンズ808、810を備え、入力としてテレセントリックビームを受け、テレセントリック結像ビームを基板に出力する。この構成で倍率が1である場合、基板上の像は移動結像レンズ242の2倍の速さで移動する。基板はX方向に移動する。この構成においては、光学系は、比較的大きいNA、例えば0.3より大きいNA、0.18より大きいNA、又は0.15より大きいNAで、視野を結像する必要があるかもしれない。この構成では2つの単一素子の光学系は可能でないかもしれない。非常に正確な位置合わせ公差をもつ6個以上の素子が、回折制限された像を得るのに必要であるかもしれない。約65%のデューティサイクルが可能である。この実施形態においては、移動結像レンズ242に沿って又はそれと連携しては移動しない素子を用いて局所的に合焦することも比較的容易である。
図23は、本発明のある実施の形態に係り、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子と、それらに対し移動可能な光学素子と、を有するリソグラフィ装置の部分のレイアウトの概略側面図であり、ある個別制御可能素子に関し結像レンズセット242の5箇所の異なる回転位置を示す。この実施の形態においては、図21に関し説明したように異なる速さでレンズが移動することを避け、かつ図22に関し説明したように視野を結像させない光学系を有するために、XY面内で実質的に静止したレンズの組み合わせが移動結像レンズ242に結合される。図23を参照するに、個別制御可能素子102が設けられており、これはXY面内で実質的に静止している。XY面内で実質的に静止している任意選択のコリメートレンズ806が、個別制御可能素子102からのビームをコリメートし、そのコリメートビーム(0.5mmの断面幅(例えば直径)を例えば有する)をレンズ812に与えるために設けられている。
レンズ812もXY面内で実質的に静止しており、コリメートビームを移動結像レンズ242の視野レンズ814(1.5mmの断面幅(例えば直径)を例えば有する)に合焦する。レンズ814は比較的長い焦点距離を有する(例えば、f=20mm)。
可動結像レンズ242の視野レンズ814は、個別制御可能素子102に対し移動する(例えば、結像レンズ242を少なくとも部分的に輪状に配列した軸まわりに回転する)。視野レンズ814は、可動結像レンズ242の結像レンズ818へとビームを方向付ける。視野レンズ814と同様に、結像レンズ818は、個別制御可能素子102に対し移動する(例えば、結像レンズ242を少なくとも部分的に輪状に配列した軸まわりに回転する)。この実施形態においては、視野レンズ814は結像レンズ818と実質的に同じ速さで移動する。視野レンズ814と結像レンズ818との一組が互いに位置合わせされている。基板はX方向に移動する。
視野レンズ814と結像レンズ818との間にレンズ816がある。レンズ816はXY面内で実質的に静止しており、視野レンズ814から結像レンズ818へのビームをコリメートする。レンズ816は比較的長い焦点距離を有する(例えば、f=20mm)。
この実施形態においては、視野レンズ814の光軸が対応する結像レンズ816の光軸に一致すべきである。視野レンズ814は、レンズ816によりコリメートされるビームの主光線が結像レンズ818の光軸に一致するようビームが折り曲げられるように設計されている。このようにして基板に向かうビームがテレセントリックとなる。
レンズ812、816は、F値が大きいことにより、単純な球面レンズであってもよい。視野レンズ814は結像品質に影響すべきでなく、これも球面素子であってもよい。この実施形態においては、コリメートレンズ806及び結像レンズ818は、視野を結像する必要がないレンズである。こうした単一素子の光学系を用いて、回折が制限された結像が可能である。約65%のデューティサイクルが可能である。
ある実施の形態においては、可動結像レンズ242が回転可能である場合、レンズ及び個別制御可能素子102の少なくとも2つの同心リングが、基板の全幅をカバーするために設けられる。ある実施の形態においては、これらリング上の個別制御可能素子102は、1.5mmのピッチで配列されている。5.6mmの直径をもつ標準的なレーザダイオードが使用される場合、全幅をカバーするために少なくとも6つの同心リングが必要とされ得る。図24及び図25は、これらの構成に係り、個別制御可能素子102の同心リングの構成を示す。これは、ある実施の形態においては、XY面内で実質的に静止しており、対応するレンズをもつおよそ380個の個別制御可能素子102になるかもしれない。移動結像レンズ242は、700×6個のリングで4200セットのレンズ814、818を有するかもしれない。この構成によると、各個別制御可能素子102を用いて長さ約1mmの線を書くことが可能である。ある実施の形態においては、約1400の結像レンズセット242が使用されてもよい。ある実施の形態においては、レンズ812、814、816、及び818は、4つの非球面レンズを備えてもよい。
この実施形態においては、XY面内で移動していない要素を使用した(例えば個別制御可能素子102における)焦点調整が、テレセントリック性を損なわせ、口径食を引き起こす可能性がある。従って、所望の焦点調整は、移動結像レンズ242においてなされるべきである。これにより、移動結像レンズ242よりも高周波数のアクチュエータが必要となりうる。
図26は、本発明のある実施の形態に係り、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子と、それらに対し移動可能な光学素子と、を有するリソグラフィ装置の部分のレイアウトの概略側面図である。この実施形態においては、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子102を移動結像レンズ242に接続するために、光デローテータが使用される。
この実施形態においては、個別制御可能素子102は、任意選択のコリメートレンズとともに、リング状に配設されている。2つのパラボラミラー820、822が個別制御可能素子102からのコリメートビームのリングをデローテータ824に許容可能な直径に縮小する。図26においてはペシャンプリズムがデローテータ824として使用されている。デローテータが結像レンズ242の半分の速さで回転する場合、各個別制御可能素子102は対応する結像レンズ242に対し実質的に静止しているように見える。2つの更なるパラボラミラー826、828がデローテータ824からのデローテートされたビームのリングを移動結像レンズ242に許容可能な直径に拡大する。基板はX方向に移動する。
この実施形態においては、各個別制御可能素子102が1つの結像レンズ242と組になっている。したがって、すべての個別制御可能素子102を同心リングに搭載することは可能でないかもしれず、そのため基板の全幅をカバーすることはできないかもしれない。約33%のデューティサイクルが可能である。この実施形態においては、結像レンズ242は視野を結像する必要がないレンズである。
図27は、本発明のある実施の形態に係り、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子と、それらに対し移動可能な光学素子と、を有するリソグラフィ装置の部分のレイアウトの概略側面図である。この実施の形態においては、結像レンズ242は、XY面内に延びる方向まわりに回転するよう配設されている(例えば図19乃至図26に関し説明した回転輪というよりも、例えば回転ドラムである)。図27を参照するに、可動結像レンズ242は、例えばY方向まわりに回転するよう構成されたドラム上に配設されている。可動結像レンズ242は、ドラムの回転軸と可動結像レンズ242との間でY方向に一列に延在する個別制御可能素子102からの放射を受ける。原理上、こうしたドラムの可動結像レンズ242により書き込まれる線は、基板の走査方向831に平行である。したがって、45°の角度で搭載されたデロテータ830が、ドラムの可動結像レンズ242により作成される線を90°回転するよう構成されている。それによって、結像される線が基板の走査方向に垂直になる。基板はX方向に移動する。
基板上の縞ごとに、可動結像レンズ242の円配列がドラム上に必要とされるであろう。円の1つが基板上に幅3mmの縞を書き基板が300mm幅である場合には、700個(のドラム周上に設けられる光学系)×100で70000個の光学アセンブリがドラム上に必要とされ得る。これは、シリンドリカル光学系がドラムに使用されれば、より少なくなるかもしれない。また、この実施形態における結像光学系はある視野を結像する必要があるかもしれず、そうすると光学系がさらに複雑になるかもしれない。約95%のデューティサイクルが可能である。この実施形態の利点は、結像される縞がすべて実質的に等しい長さであり、実質的に平行な直線にできることである。この実施形態においては、可動結像レンズ242に沿って又はそれと連携しては移動しない素子を用いて局所的に合焦することが、比較的容易である。
図28は、本発明のある実施の形態に係り、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子と、それらに対し移動可能な光学素子と、を有するリソグラフィ装置の部分のレイアウトの概略側面図であり、ある個別制御可能素子に関し光学素子セット242の5箇所の異なる回転位置を示す。
図28を参照するに、ある個別制御可能素子102が設けられており、これはXY面内で実質的に静止している。可動結像レンズ242は複数のレンズセットを備える。各レンズセットは視野レンズ814と結像レンズ818とを備える。基板はX方向に移動する。
可動結像レンズ242の視野レンズ814(例えば球面レンズ)は、個別制御可能素子102に対して方向815に移動する(例えば、結像レンズ242を少なくとも部分的に輪状に配列した軸まわりに回転する)。視野レンズ814は、可動結像レンズ242の結像レンズ818(例えば、両面非球面レンズ等の非球面レンズ)へとビームを方向付ける。視野レンズ814と同様に、結像レンズ818は、個別制御可能素子102に対し移動する(例えば、結像レンズ242を少なくとも部分的に輪状に配列した軸まわりに回転する)。この実施形態においては、視野レンズ814は結像レンズ818と実質的に同じ速さで移動する。
視野レンズ814の焦点面は位置815にて結像レンズ818の後焦点面に一致し、テレセントリックイン/テレセントリックアウトのシステムが与えられる。図23の構成とは異なり、結像レンズ818はある視野を結像する。視野レンズ814の焦点距離は、結像レンズ818の視野サイズが2度乃至3度の半角より小さいようになっている。この場合でも、単一素子の光学系(例えば単一の両面非球面素子)で回折が制限された結像を得ることが可能である。視野レンズ814は、個々の視野レンズ814が互いに隙間なく搭載されるよう配設されている。この場合、個別制御可能素子102のデューティサイクルは約95%が可能である。
結像レンズ818の焦点距離は、基板にて0.2のNAを有するとき、これらのレンズが視野レンズ814の直径を超えないようになっている。結像レンズ818の焦点距離が視野レンズ814の直径に等しいとき、結像レンズ818の直径は結像レンズ818を搭載するのに十分な空間をもたらす。
視野角のために、視野レンズ814のピッチよりも若干長い線が書かれる。これにより、結像レンズ818の焦点距離にも依存するが、隣接する個別制御可能素子102の基板上で結像される線に重なりが与えられる。したがって、個別制御可能素子102は、1つのリング上の結像レンズ242と同一のピッチで取り付けられていてもよい。
図29は、図28のリソグラフィ装置の一部の概略三次元図である。本図においては、5個の個別制御可能素子102が5個の関連する可動結像レンズセット242とともに示されている。明らかなように、個別制御可能素子102及び関連する可動結像レンズセット242が更に設けられていてもよい。基板は矢印829で示すようにX方向に移動する。ある実施の形態においては、視野レンズ814は互いに隙間なく配設されている。瞳面が817に位置する。
比較的小さい両面非球面結像レンズ818を避け、移動結像レンズ242の光学系の量を減らし、かつ、個別制御可能素子102として標準的なレーザダイオードを使用するために、この実施形態においては多数の個別制御可能素子102を可動結像レンズ242の単一のレンズセットで結像する可能性がある。ある個別制御可能素子102が各可動結像レンズ242の視野レンズ814にテレセントリックに結像される限り、対応する結像レンズ818はその個別制御可能素子102からのビームを基板にテレセントリックに再結像する。例えば8本の線が同時に書かれるとしたら、同じスループットで視野レンズ814の直径及び結像レンズ818の焦点距離は8倍に大きくなるとともに、可動結像レンズ242の量は8分の1に小さくなる。また、XY面で実質的に静止した光学系についても減らし得る。個別制御可能素子102を視野レンズ814に結像するのに必要とされる光学系の一部が共用されうるからである。1つの可動結像レンズセット242によって8本の線が同時に書かれる構成例の概略を図30に示す。結像レンズセット242の回転軸821、及び回転軸821から結像レンズセット242への半径823も図示する。ピッチが1.5mmから12mmに増えることで(1つの可動結像レンズセット242によって8本の線が同時に書かれる場合)、個別制御可能素子102として標準的なレーザダイオードを搭載するための十分な空間が与えられる。ある実施の形態においては、224個の個別制御可能素子102(例えば標準的なレーザダイオード)が使用されてもよい。ある実施の形態においては、120個の結像レンズセット242が使用されてもよい。ある実施の形態においては、28個の実質的に静止した光学系が224個の個別制御可能素子102とともに使用されてもよい。
この実施形態においては、可動結像レンズ242に沿って又はそれと連携しては移動しない素子を用いて局所的に合焦することも比較的容易である。視野レンズ814での個別制御可能素子102のテレセントリック像が光軸に沿って移動されテレセントリックを維持する限り、基板上での像のフォーカスのみが変わり、像はテレセントリックのままである。図31は、図28及び図29の構成において移動ルーフトップを用いて焦点制御をする概略構成を示す図である。2つの折り曲げミラー832がルーフトップ(例えばプリズム又はミラーのセット)834とともに、視野レンズ814の手前で個別制御可能素子102からのテレセントリックビームに配置されている。ルーフトップ834を方向833に沿って折り曲げミラー832に遠ざけ又は近づけることにより、像が光軸に沿って、従って基板に対してシフトする。軸方向の焦点変化はF値の比の二乗に相当するため光軸に沿って大きな倍率があるので、基板でのF/2.5ビームの25μmのデフォーカスが視野レンズ814でのf/37.5ビームに与える焦点シフトは5.625mm((37.5/2.5)2)である。つまり、その半分だけルーフトップ834を移動させなければならないということである。
図32は、本発明のある実施の形態に係り、XY面で実質的に静止した個別制御可能素子と、それらに対し移動可能な光学素子と、を有する本発明のある実施の形態に係るリソグラフィ装置の概略側断面図である。図32は図23に類似する構成を示すが、図19乃至図22及び/または図24乃至図31の実施形態のいずれかに適合するよう適切に修正されうる。
図32を参照するに、リソグラフィ装置100は、基板を保持する基板テーブル106と、基板テーブル106を最大6自由度で移動させる位置決め装置116と、を備える。
リソグラフィ装置100は、フレーム160に配設された複数の個別制御可能素子102をさらに備える。この実施形態においては、個別制御可能素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えばレーザダイオードであり、例えば青紫レーザダイオードである。個別制御可能素子102は、フレーム838に配設され、Y方向に沿って延在する。1つのフレーム838が図示されているが、リソグラフィ装置は、例えば図5に示すアレイ200と同様に、複数のフレーム838を有してもよい。フレーム838には更に、レンズ812、816が配設されている。フレーム838、従って、個別制御可能素子102、及びレンズ812、816はXY面内で実質的に静止している。フレーム838、個別制御可能素子102、及びレンズ812、816は、アクチュエータ836によってZ方向に移動されてもよい。
この実施形態においては、フレーム840が設けられており、これは回転可能である。フレーム840には視野レンズ814及び結像レンズ818が配設されており、視野レンズ814と結像レンズ818との結合が可動結像レンズ242を形成する。使用時においては、プレートが自身の軸まわりに(例えば、図5においてアレイ200に対し矢印で示す方向に)回転する。フレーム840はモータ216を使用して軸206まわりに回転させられる。また、フレーム840はモータ216によって、可動結像レンズ242が基板テーブル106に対し変位させられるように、Z方向に移動されてもよい。
この実施形態においては、内側にアパーチャを有するアパーチャ構造248がレンズ812の上方でレンズ812と関連する個別制御可能素子102との間に配置されてもよい。アパーチャ構造248は、レンズ812、関連する個別アドレス可能素子102、及び/または、隣接するレンズ812/個別アドレス可能素子102の回折効果を限定することができる。
ある実施の形態においては、リソグラフィ装置100は、光学素子(例えばレンズ)を備える1つ又は複数の可動プレート890(例えば回転可能プレート、例えば回転可能ディスク)を備える。図32の実施形態においては、視野レンズ814をもつプレート890と、結像レンズ818をもつプレート890とが示されている。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、使用時に回転する反射光学素子が全く欠落している。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置は、いずれかの又はすべての個別制御可能素子102からの放射を受け、使用時に回転する反射光学素子が全く欠落している。ある実施の形態においては、1つ又は複数の(例えばすべての)プレート890は実質的に平坦であり、例えば、プレートの1つ又は複数の表面の上方又は下方に突き出る光学素子(又は光学素子の部分)を有しない。これを実現するために例えば、プレート890を十分に厚くするか(すなわち、少なくとも光学素子の高さよりも厚くし、光学素子を突き出さないよう位置決めするか)、あるいは、プレート890を覆う平坦なカバープレート(図示せず)を設けてもよい。プレートの1つ又は複数の表面を実質的に平坦にすることは、例えば、装置の使用時における騒音低減に役立ちうる。
図33は、リソグラフィ装置の部分の概略側断面図を概略的に示す。この実施の形態においては、リソグラフィ装置は、以下に詳述するようにXY面で実質的に静止した個別制御可能素子を有するが、これは必須ではない。リソグラフィ装置900は、基板を保持する基板テーブル902と、基板テーブル902を最大6自由度で移動させる位置決め装置904と、を備える。基板はレジストで被覆された基板であってもよい。ある実施の形態においては、基板はウェーハである。ある実施の形態においては、基板は多角形(例えば矩形)の基板である。ある実施の形態においては、基板はガラスプレートである。ある実施の形態においては、基板はプラスチック基板である。ある実施の形態においては、基板は箔である。ある実施の形態においては、リソグラフィ装置はロールトゥロール製造に適する。
リソグラフィ装置900は、複数のビームを発するよう構成されている複数の個別に制御可能な自己放射コントラストデバイス906を更に備える。ある実施の形態においては、自己放射コントラストデバイス906は、放射発光ダイオード(例えば、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、高分子LED(PLED))、または、レーザダイオード(例えば、固体レーザダイオード)である。ある実施の形態においては、個別制御可能素子906の各々は青紫レーザダイオード(例えば、三洋の型式番号DL-3146-151)である。こうしたダイオードは、三洋、日亜、オスラム、ナイトライド等の企業により供給される。ある実施の形態においては、ダイオードは、約365nmまたは約405nmの波長を有するUV放射を発する。ある実施の形態においては、ダイオードは、0.5mWないし200mWの範囲から選択される出力パワーを提供することができる。ある実施の形態においては、レーザダイオードの(むき出しのダイの)サイズは、100μmないし800μmの範囲から選択される。ある実施の形態においては、レーザダイオードは、0.5μm2ないし5μm2の範囲から選択される発光領域を有する。ある実施の形態においては、レーザダイオードは、5度ないし44度の範囲から選択される発散角を有する。ある実施の形態においては、それらのダイオードは、合計の明るさを約6.4×108W/(m2・sr)以上にするための構成(例えば、発光領域、発散角、出力パワーなど)を有する。
自己放射コントラストデバイス906は、フレーム908に配設されており、Y方向及び/またはX方向に沿って延在してもよい。1つのフレーム908が図示されているが、リソグラフィ装置は、図34に示すように複数のフレーム908を有してもよい。フレーム908には更に、レンズ920が配設されている。フレーム908、従って、自己放射コントラストデバイス906及びレンズ920はXY面内で実質的に静止している。フレーム908、自己放射コントラストデバイス906、及びレンズ920は、アクチュエータ910によってZ方向に移動されてもよい。これに代えて又はこれとともに、レンズ920は、当該レンズ920に関係するアクチュエータによってZ方向に移動されてもよい。任意選択として、レンズ920ごとにアクチュエータが設けられていてもよい。
自己放射コントラストデバイス906はビームを発するよう構成されていてもよく、投影系920、924、930はそのビームを基板の目標部分に投影するよう構成されていてもよい。自己放射コントラストデバイス906及び投影系が光学コラムを形成する。リソグラフィ装置900は、光学コラム又はその一部を基板に対して移動させるアクチュエータ(例えばモータ918)を備えてもよい。フレーム912には視野レンズ924及び結像レンズ930が配設されており、フレーム912はアクチュエータを用いて回転可能であってもよい。視野レンズ924と結像レンズ930との結合が可動光学系914を形成する。使用時においては、フレーム912は自身の軸916まわりを、例えば図34に矢印で示す方向に、回転する。フレーム912は、アクチュエータ(例えばモータ918)を使用して軸916まわりに回転させられる。また、フレーム912はモータ910によってZ方向に移動されてもよく、それによって可動光学系914が基板テーブル902に対し変位させられてもよい。
内側にアパーチャを有するアパーチャ構造922がレンズ920の上方でレンズ920と自己放射コントラストデバイス906との間に配置されてもよい。アパーチャ構造922は、レンズ920、関連する自己放射コントラストデバイス906、及び/または、隣接するレンズ920/自己放射コントラストデバイス906の回折効果を限定することができる。
図示される装置は、フレーム912を回転させると同時に光学コラム下方の基板テーブル902上の基板を移動させることによって、使用されてもよい。自己放射コントラストデバイス906は、レンズ920、924、930が互いに実質的に整列されたときこれらのレンズを通じてビームを放つことができる。レンズ924、930を移動させることによって、基板上でのビームの像が基板の一部分を走査する。同時に光学コラム下方の基板テーブル902上の基板を移動させることによって、自己放射コントラストデバイス906の像にさらされる基板の当該部分も移動する。光学コラム又はその一部の回転を制御し、自己放射コントラストデバイス906の強度を制御し、且つ基板速度を制御するコントローラにより自己放射コントラストデバイス906のオンオフ(例えば、オフであるときには出力がないかしきい値を下回る出力を有し、オンであるときにはしきい値を上回る出力を有する)を高速に切り換える制御をすることによって、所望のパターンを基板上のレジスト層に結像することができる。
図34は、自己放射コントラストデバイス906を有する図33のリソグラフィ装置の概略上面図である。図33に示すリソグラフィ装置900と同様に、リソグラフィ装置900は、基板928を保持する基板テーブル902と、基板テーブル902を最大6自由度で移動させる位置決め装置904と、自己放射コントラストデバイス906と基板928とのアライメントを決定し、自己放射コントラストデバイス906の投影に対して基板928が水平か否かを決定するためのアライメント/レベルセンサ932と、を備える。図示されるように基板928は矩形形状を有するが、これとともに又はこれに代えて円形の基板が処理されてもよい。
自己放射コントラストデバイス906はフレーム926に配設されている。自己放射コントラストデバイス906は、放射発光ダイオード、例えばレーザダイオード、例えば青紫レーザダイオードであってもよい。図34に示されるように、自己放射コントラストデバイス906はXY面内に延在するアレイ934に配列されていてもよい。
アレイ934は細長い線であってもよい。ある実施の形態においては、アレイ934は、自己放射コントラストデバイス906の一次元配列であってもよい。ある実施の形態においては、アレイ934は、自己放射コントラストデバイス906の二次元配列であってもよい。回転フレーム912が設けられていてもよく、これは、矢印で図示される方向に回転してもよい。
回転フレーム912が設けられていてもよく、これは、矢印で図示される方向に回転してもよい。回転フレームには、各自己放射コントラストデバイス906の像を与えるためのレンズ924、930(図33参照)が設けられていてもよい。本装置は、フレーム912及びレンズ924、930を備える光学コラムを基板に対して回転させるアクチュエータを備えてもよい。
回転可能フレームが回転すると、ビームが連続する複数のレンズへと入射する。このときあるレンズがビームに照射されるたびに、レンズ表面上でビームに照射される場所が移動する。レンズ上のビーム入射場所に依存してビームが異なって(例えば、異なる偏向をもって)基板に投影されるので、(基板に到達する)ビームは後続のレンズが通過するたびに走査移動をすることになる。
既述の実施の形態においては、光学コラムの一部が移動(本実施例では回転)するという性質のために、基板に投影されるべきパターンにおける異なるいくつかの部分はそれぞれ異なるレンズを通じて投影される。こうしたパターンの部分同士を正確に合わせることを達成するために、投影系のレンズ同士のマッチングも必要となり得る。様々なレンズを通じた投影間の差異には種々の原因が関連しうる。例えば、各レンズはビームを投影する際にある許容誤差を示す。別の例としては、各レンズの装着にも公差がある。更に別の例としては、回転可能フレームに関するレンズの位置決めにも公差がある。
投影系の各レンズによる投影同士のマッチングを改善することができるようにするために、少なくとも1つのレンズが調整可能部材によって回転可能フレームに接続される。こうした調整可能部材の実施例が図35を参照して説明される。図35は、各レンズのための調整可能部材936が取り付けられた回転可能フレーム912の一部を示す。この実施例においては、図33の回転可能フレーム912の複数の回転輪のうち下側の1つを示し、これはレンズ930を保持している。同一の又は類似の構成が、図33に係る回転可能フレームのレンズ924を保持する上側回転輪に設けられてもよい。図35に示す実施形態においては、レンズの各々が対応する調整可能部材によって保持されており、それによって各レンズの調整が個別的に許容されている。図35には3個の調整可能部材及び3個のレンズのみを例示のために図示するが、調整可能部材及び対応するレンズは回転可能フレーム912の周に沿って繰り返し設けられていてもよい。
この調整可能部材の1つについての実施形態を以下に述べる。図35に示す実施形態においては、調整可能部材936は、回転可能フレーム912に取り付けられている基部938を備える。中間部940がくさび部942を介して基部938に取り付けられている。この実施形態においては、くさび部及び中間部はそれぞれ、回転可能フレーム912の半径方向R(即ち回転可能フレームの半径に合致する方向)に垂直な平面に対して僅かに傾斜された隣接端面を備える。これら隣接端面が縦方向に対し僅かに傾斜しているので、その縦方向のくさび部942の位置の調整が調整可能部材の長さの調整をもたらし、ひいては対応する調整可能部材に保持されている対応レンズ930の調整をもたらすことになる。より一般化すると、中間部940及び/またはくさび部942は、回転可能フレームの回転軸方向に沿って見られるくさび形状を有してもよい。基部、くさび部、及び中間部は、図36に示すように、少なくとも1つの相互連結ボルト950によって一緒に保持されている。相互連結ボルト950は、くさび部942の貫通孔942Aを貫通して延在する。相互連結ボルト950を締め付けることにより、基部938及び中間部940がくさび部942の両側に押し付けられる。
各レンズ930は対応するレンズホルダ948により保持され、レンズホルダ948は中間部940により保持されている。レンズホルダ948及び中間部940は一体部分として形成されていてもよい。中間部940は、半径方向に見られる狭窄部944を備える。この実施形態においては、狭窄部は、中間部940の両側に縦方向に広がる第1狭窄部944A及び第2狭窄部944Bにより具体化されている。第1狭窄部944Aはプッシュプルデバイスによって、本実施例では張力装置946によって、架橋されている。張力装置946は、細長部(例えばネジ部)946Aと、細長部946Aに協働するよう構成されている対応ナット部946Bと、を備えてもよい。張力装置946は、中間部940の部分に半径方向Rに力が作用することを許容する。張力装置946を締めることにより、張力装置が取り付けられているほうの狭窄部944の一方側における中間部940の部分間に引付力が生じる。その結果、中間部は狭窄部にていくらかの曲げを呈し、従って、中間部の半径方向外側部分及び対応する調整可能部材に保持された対応レンズが矢印Aの方向にいくらか移動することになる。
図37は、中間部の更なる実施の形態を示す。ここで、くさび部942及び中間部940を基部938に取り付ける相互連結ボルトは狭窄部944Aの中へと延びており、それによって相互連結ボルトを外側から容易に締められるようになっている。したがって、対応する貫通孔952が中間部940の半径方向外側部分に設けられていてもよい。
調整可能部材936の調整は以下に述べるように実行されてもよい。
焦点調整は、各レンズについて二段階の手法を用いて行われてもよい。まず、中間部940が基部938及びくさび部942に装着される。中間部940の位置決めは、基部938及びくさび部942の装着の際に利用可能な遊びの範囲内で、対応レンズの粗い位置決めを許容する。微調整は、方向Aにレンズの位置を調整するための張力装置946を締めることによって行われてもよい。
半径調整(すなわち、回転可能フレーム912の半径方向Rにおける対応レンズ位置の調整)は、各レンズについて二段階の手法を用いて行われてもよい。まず、基部938及び中間部940に対するくさび部942の位置の縦方向調整によって、半径方向Rのレンズ位置調整がもたらされる。微調整は相互連結ボルト950を締めることによって行われてもよい。正確な位置決めを可能とするために、相互連結ボルト950の剛性は、くさび部、基部、及び中間部の剛性よりも小さくなるよう定められていてもよい。従って、相互連結ボルトの締め付けによる基部、くさび部、及び中間部の変形は比較的小さくなり、よって半径方向の正確な位置決めが許容される。
回転可能フレームの回転の周方向における対応レンズの調整(即ち方向Bの調整)は、調整可能部材936の回転可能フレーム912への装着によって行われる。この装着は遊びを呈する。レンズの角度位置についての残りの公差は、自己放射コントラストデバイス強度の駆動タイミングを適切にすることによって補正されてもよい。
図38は、調整可能部材936が接続される回転可能フレーム912の部分を示す。調整可能部材は、レンズを、又は、本実施例ではレンズ924、930のアセンブリを保持する。なお、レンズの各々について又はレンズ924、930のアセンブリの各々について調整可能部材が設けられ、それによって各レンズ又は各レンズアセンブリが個別的に位置決めされることが許容されていてもよい。この実施形態においては、調整可能部材は、バランスマスを備える。高スループットを実現するためには高走査速度が実現されるべきであり、そのために回転可能フレームは高い回転速度となる。その結果、調整可能部材には使用中に大きな遠心力が作用しうる。想定動作条件においては、およそ5000g(つまり重力の5000倍)の遠心加速度が予測される。こうした大きさの力によって動作中に調整可能部材に変形が生じ得る。そこで、調整可能部材は、遠心力が調整可能部材を変形させるのを妨げるように、又は少なくとも、遠心力が調整可能部材に与える作用を軽減するように、ある程度バランスされていてもよい。調整可能部材は、回転可能フレームへの(例えば図示のボルトによる)取付を提供する基部954を備える。バランスマス956は、相互接続構造958によって基部954に接続されている。回転可能フレーム912の半径方向に関して(より望ましくは、回転可能フレームの回転軸に垂直な平面に関して)、バランスマスは釣り合い状態にある。この実施形態では接続構造は、回転軸に平行な方向においてバランスマスよりも寸法が小さく、それによりバランスマスに少量の「揺動」がもたらされる。ある実施の形態においては、調整可能部材には調整質量部960が設けられている。より具体的には、この実施形態においては、バランスマスに調整質量部960が設けられている。調整質量部の位置がネジ機構等の適当な位置決め機構によって調整され、それによってバランスマス(より一般には調整可能部材)の重心にいくらかの調整が許容されていてもよい。重心の調整によって、回転可能フレームの回転中に遠心力にさらされるとき合力がレンズ924、930に少量の変位を与え、そうして調整質量960の位置調整によるレンズ位置調整の可能性が提供されてもよい。調整質量部960に代えて又はこれに加えて、回転可能フレームとバランスマスとの間に力を作用させることができるバネ荷重調整構造が設けられ、それによって調整質量部の場合と同様に、バランスマスに生じる合計の力が動作中にレンズ924、930に若干の変位を可能とし、バネ荷重調整構造の引張に依存するレンズ位置決めが許容されてもよい。
調整可能部材936の更なる実施の形態が図39に示されている。図39は、基部954と、バランスマス956と、バランスマス956を基部954に接続する接続構造958と、を備える調整可能部材936を再び示す。この実施形態においては、基部954は、基部954の回転可能フレーム側部分964をそのバランスマス側部分966に接続する調整機構962を備える。調整機構962は、4つの狭窄部分968a、968b、968c、968dを備え、2つの狭窄部分968a、968bが調整機構を回転可能フレーム側部分964に接続し、他の2つの狭窄部分968c、968dが調整機構962を相互接続構造958に接続する。狭窄部分968a、968c間の中間部970が、位置決め機構によって、この実施形態では位置決めネジ972によって、位置決めされていてもよい。ある力が、回転可能フレーム912及び/または回転可能フレーム側部分964にバランスマスを接続するバネ荷重調整構造974によって、バランスマス956に負荷されていてもよい。
図38及び図39を参照して説明した実施形態は、問題のレンズ又はレンズ群924、930の位置の調整を次のように許容する。図38に示す実施形態については、調整質量部を上方に移動させることにより、調整可能構造がレンズ924、930をいくらか内側に移動させる。調整質量部を含むバランスマスの重心がいくらか上方に変位するからである。逆も同様である。従って、調整質量のこうした移動は回転中の遠心力によるいくらかの曲げを引き起こし、それにより、調整質量部を使用するレンズの焦点調整が許容されることになる。図39に示す実施形態については、位置決めネジ972を締めることによりレンズ924、930が上方に(即ちz方向に)移動し、それによりレンズ焦点が調整される。それとともに、バネ荷重調整構造974を締めることによりレンズ924、930が内側に(即ち半径方向に)移動され、それにより問題のレンズの半径位置が調整される。よって図38及び図39の実施形態によれば、焦点調整(図38及び図39)及び半径位置調整(図39)をそれぞれ実質的に独立に(つまり、同じレンズにおける他の調整への「クロストーク」を比較的小さくして)行うことができる。本調整によれば、回転可能フレームに搭載された複数のアームのための校正処理の実行を比較的迅速に行うことができる。それと同時に、バランスの概念によって、遠心力による曲げ力は大半が防止されうる。なお、調整質量部という特徴はバランスマスと組み合わせて使用することに限定されないものと理解されたい。むしろ、こうした手法は調整可能部材の他の実施形態にも適用されうるものである。
調整質量部の概念は他の構成にも適用されうる。例えば、上部にヒンジ構造を備える調整可能部材に調整質量部が設けられ、その位置が回転可能フレームの回転軸に実質的に平行な方向に(例えばネジ機構により)調整可能であってもよい。調整質量部の位置を下方向に(つまりヒンジ構造から離れる方向に)調整することにより、調整可能部材の下側部分での遠心力を動作中に大きくし、それにより調整可能部材の上向き及び/または外向きの調整が提供されてもよい。
あるデバイス製造方法によると、ディスプレイ、集積回路、又はその他の任意の品目といったデバイスが、パターンが投影された基板から製造されうる。
既述の実施形態における投影系の移動(例えば回転)という性質のために、回転可能フレームは高速で回転し得る。その結果、回転可能フレームやレンズ等に実質的な遠心力が生じ、これはそれらの変形の原因となり得る。調整可能部材の調整可能な性質にもかかわらず、既述の実施形態はこうした遠心力のもとで小さい変形を呈することもあり得る。
上記の実施形態において調整可能部材はレンズ930に関連して説明されているが、同一の又は類似の構成がレンズ924又は本装置のその他の要素の位置を保持し調整するために適用されてもよい。
下記の番号付けられた節によっても実施の形態が与えられる。
1.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
所望のパターンに従って変調された複数のビームで基板の露光領域を露光するよう構成されている変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系であって、前記複数のビームを受けるレンズアレイを備え、前記露光領域の露光中に前記変調器に対し前記レンズアレイを移動させるよう構成されている投影系と、を備える。
2.各レンズは、前記変調器から基板への前記複数のビームのうち少なくとも1つのビーム経路に沿って配列された少なくとも2つのレンズを備える、実施形態1のリソグラフィ装置。
3.前記少なくとも2つのレンズの第1レンズは視野レンズを備え、前記少なくとも2つのレンズの第2レンズは結像レンズを備える、実施形態2のリソグラフィ装置。
4.前記視野レンズの焦点面は前記結像レンズの後焦点面に一致する、実施形態3のリソグラフィ装置。
5.前記結像レンズは両面非球面レンズを備える、実施形態3又は4のリソグラフィ装置。
6.前記視野レンズの焦点距離は、前記結像レンズの視野サイズが2度乃至3度の半角より小さいようになっている、実施形態3から5のいずれかのリソグラフィ装置。
7.前記結像レンズの焦点距離は、基板にて0.2のNAを有するとき、前記結像レンズが前記視野レンズの直径を超えないようになっている、実施形態3から6のいずれかのリソグラフィ装置。
8.前記結像レンズの焦点距離は前記視野レンズの直径に等しい、実施形態7のリソグラフィ装置。
9.単一の前記視野レンズと前記結像レンズとの結合により複数のビームが結像される、実施形態3から8のいずれかのリソグラフィ装置。
10.前記変調器から前記視野レンズへの前記複数のビームのうち少なくとも1つのビーム経路に沿って配設された焦点制御装置をさらに備える、実施形態3から9のいずれかのリソグラフィ装置。
11.前記焦点制御装置は折り曲げミラーと可動ルーフトップとを備える、実施形態10のリソグラフィ装置。
12.前記経路において前記第1レンズから前記第2レンズへのビームをコリメートするレンズをさらに備える、実施形態3のリソグラフィ装置。
13.前記経路においてビームをコリメートするレンズは前記変調器に対して実質的に静止している、実施形態12のリソグラフィ装置。
14.前記経路において前記変調器と前記第1レンズとの間に、前記第1レンズに向かう前記複数のビームの少なくとも1つを集束するレンズをさらに備える、実施形態3、12、又は13のリソグラフィ装置。
15.前記経路においてビームを集束するレンズは前記変調器に対して実質的に静止している、実施形態14のリソグラフィ装置。
16.前記視野レンズの光軸が前記結像レンズの光軸に一致する、実施形態3又は12乃至15のいずれかのリソグラフィ装置。
17.前記少なくとも2つのレンズの第1レンズは少なくとも2つのサブレンズを備え、前記複数のビームの少なくとも1つは前記2つのサブレンズの中間で集束する、実施形態2のリソグラフィ装置。
18.前記少なくとも2つのサブレンズの各々は実質的に等しい焦点距離を有する、実施形態17のリソグラフィ装置。
19.前記第1レンズは、コリメートされたビームを前記少なくとも2つのレンズの第2レンズに向けて出力するよう配設されている、実施形態2、17、又は18のリソグラフィ装置。
20.前記少なくとも2つのレンズの第1レンズを前記少なくとも2つのレンズの第2レンズと異なる速さで移動させるよう構成されている、実施形態2又は17乃至19のいずれかのリソグラフィ装置。
21.前記第2レンズの速さが前記第1レンズの2倍である、実施形態20のリソグラフィ装置。
22.各レンズが4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムを備える、実施形態1のリソグラフィ装置。
23.前記4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムは少なくとも6個のレンズを備える、実施形態22のリソグラフィ装置。
24.前記変調器と前記レンズアレイとの間にデローテータをさらに備える、実施形態1のリソグラフィ装置。
25.前記デローテータはペシャンプリズムを備える、実施形態24のリソグラフィ装置。
26.前記デローテータは前記レンズアレイの半分の速さで移動するよう構成されている、実施形態24又は25のリソグラフィ装置。
27.前記変調器と前記デローテータとの間にビームのサイズを小さくするためのパラボラミラーをさらに備える、実施形態24から26のいずれかのリソグラフィ装置。
28.前記デローテータと前記レンズアレイとの間にビームのサイズを大きくするためのパラボラミラーをさらに備える、実施形態24から27のいずれかのリソグラフィ装置。
29.前記レンズアレイは前記変調器に対して回転させられる、実施形態1から28のいずれかのリソグラフィ装置。
30.前記変調器は電磁放射を発するための複数の個別制御可能放射源を備える、実施形態1から29のいずれかのリソグラフィ装置。
31.前記変調器はマイクロミラーアレイを備える、実施形態1から29のいずれかのリソグラフィ装置。
32.前記変調器は放射源または音響光学変調器を備える、実施形態1から29のいずれかのリソグラフィ装置。
33.デバイス製造方法は、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを供給することと、
前記複数のビームを受けるレンズアレイを使用して前記複数のビームを基板に投影することと、
前記投影中に前記ビームに対し前記レンズアレイを移動させることと、を備える。
34.各レンズは、前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの源から基板への前記少なくとも1つのビームのビーム経路に沿って配列された少なくとも2つのレンズを備える、実施形態33の方法。
35.前記少なくとも2つのレンズの第1レンズは視野レンズを備え、前記少なくとも2つのレンズの第2レンズは結像レンズを備える、実施形態34の方法。
36.前記視野レンズの焦点面は前記結像レンズの後焦点面に一致する、実施形態35の方法。
37.前記結像レンズは両面非球面レンズを備える、実施形態35又は36の方法。
38.前記視野レンズの焦点距離は、前記結像レンズの視野サイズが2度乃至3度の半角より小さいようになっている、実施形態35から37のいずれかの方法。
39.前記結像レンズの焦点距離は、基板にて0.2のNAを有するとき、前記結像レンズが前記視野レンズの直径を超えないようになっている、実施形態35から38のいずれかの方法。
40.前記結像レンズの焦点距離は前記視野レンズの直径に等しい、実施形態39の方法。
41.単一の前記視野レンズと前記結像レンズとの結合により複数のビームが結像される、実施形態35から40のいずれかの方法。
42.前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの源と前記視野レンズとの間で焦点制御装置を使用することをさらに備える、実施形態35から41のいずれかの方法。
43.前記焦点制御装置は折り曲げミラーと可動ルーフトップとを備える、実施形態42の方法。
44.前記第1レンズと前記第2レンズとの間でレンズを使用して前記少なくとも1つのビームをコリメートすることをさらに備える、実施形態35の方法。
45.前記少なくとも1つのビームをコリメートするレンズは前記少なくとも1つのビームに対して実質的に静止している、実施形態44の方法。
46.前記第1レンズに向かう前記複数のビームの少なくとも1つを、前記少なくとも1つのビームの源と前記第1レンズとの間で前記経路においてレンズを使用して集束することをさらに備える、実施形態35、44、又は45の方法。
47.前記少なくとも1つのビームを集束するレンズは前記少なくとも1つのビームに対して実質的に静止している、実施形態46の方法。
48.前記視野レンズの光軸が対応する結像レンズの光軸に一致する、実施形態35又は44乃至47のいずれかの方法。
49.前記少なくとも2つのレンズの第1レンズは少なくとも2つのサブレンズを備え、前記複数のビームの少なくとも1つは前記2つのサブレンズの中間で集束する、実施形態34の方法。
50.前記少なくとも2つのサブレンズの各々は実質的に等しい焦点距離を有する、実施形態49の方法。
51.前記第1レンズは、コリメートされたビームを前記少なくとも2つのレンズの第2レンズに向けて出力するよう配設されている、実施形態34、49、又は50の方法。
52.前記少なくとも2つのレンズの第1レンズを前記少なくとも2つのレンズの第2レンズと異なる速さで移動させることを備える、実施形態34又は49乃至51のいずれかの方法。
53.前記第2レンズの速さが前記第1レンズの2倍である、実施形態52の方法。
54.各レンズが4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムを備える、実施形態33の方法。
55.前記4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムは少なくとも6個のレンズを備える、実施形態54の方法。
56.前記ビームの源と前記レンズアレイとの間でデローテータを使用して前記ビームをデローテートすることをさらに備える、実施形態33の方法。
57.前記デローテータはペシャンプリズムを備える、実施形態56の方法。
58.前記レンズアレイの半分の速さで前記デローテータを移動させることを備える、実施形態56又は57の方法。
59.前記ビームの源と前記デローテータとの間でパラボラミラーを使用してビームのサイズを小さくすることをさらに備える、実施形態56から58のいずれかの方法。
60.前記デローテータと前記レンズアレイとの間でパラボラミラーを使用してビームのサイズを大きくすることをさらに備える、実施形態56から59のいずれかの方法。
61.前記レンズアレイを前記ビームに対して回転させることを備える、実施形態33から60のいずれかの方法。
62.複数の個別制御可能放射源の各々が前記複数のビームの各々を発する、実施形態33から61のいずれかの方法。
63.マイクロミラーアレイが前記複数のビームを発する、実施形態33から61のいずれかの方法。
64.放射源または音響光学変調器が前記複数のビームを生成する、実施形態33から61のいずれかの方法。
65.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
電磁放射を発するための複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームで基板の露光領域を露光するよう構成されている変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系であって、前記複数のビームを受けるレンズアレイを備え、前記露光領域の露光中に前記個別制御可能放射源に対し前記レンズアレイを移動させるよう構成されている投影系と、を備える。
66.デバイス製造方法は、
複数の個別制御可能放射源を使用して所望のパターンに従って変調された複数のビームを供給することと、
前記複数のビームを受けるレンズアレイを使用して前記複数のビームを基板に投影することと、
前記投影中に前記個別制御可能放射源に対し前記レンズアレイを移動させることと、を備える。
67.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
所望のパターンに従って変調された複数のビームで基板の露光領域を露光するよう構成されている変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系であって、前記複数のビームを受ける複数のレンズアレイを備え、各レンズアレイが前記複数のビームのビーム経路に沿って離れて配設されている投影系と、を備える。
68.前記投影系は、前記露光領域の露光中に前記変調器に対し前記レンズアレイを移動させるよう構成されている、実施形態67のリソグラフィ装置。
69.各アレイにおいてレンズは単一の本体に配列されている、実施形態67又は68のリソグラフィ装置。
70.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
電磁放射を発するための複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームで基板の露光領域を露光するよう構成され、任意の一時点において前記複数の放射源の全部よりも少ない放射源のみによって前記露光領域を露光可能であるように前記露光領域の露光中に前記複数の放射源を前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
71.リソグラフィ装置は、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを供給するよう構成されている複数の個別制御可能放射源であって、前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源が放射を発する場所と発しない場所とを移動可能である、複数の個別制御可能放射源と、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
72.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
電磁放射を発するための複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームで基板の露光領域を露光するよう構成され、前記露光領域の露光中に前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源を、当該少なくとも1つの放射源からの放射が前記複数の放射源のうち他の少なくとも1つの放射源からの放射と同時に隣接し又は重なり合うように、前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
73.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成されている複数の個別制御可能放射源であって、前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源が前記露光領域へと放射を発することができる場所と前記露光領域へは放射を発することができない場所とを移動可能である、複数の個別制御可能放射源と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
74.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記露光領域の露光中に前記複数の放射源を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、該変調器は前記複数のビームの前記露光領域への出力を有し、該出力は前記複数の放射源の出力の領域より小さい領域を有する、変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
75.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源アレイを備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の対応する露光領域に供給するよう構成され、各アレイをその対応露光領域に対して移動させ又は各アレイからの前記複数のビームをその対応露光領域に対して移動させ又は前記アレイ及び前記複数のビームの両方をその対応露光領域に対して移動させるよう構成されており、使用時において、前記複数のアレイのうちあるアレイに対応する露光領域が前記複数のアレイのうちある他のアレイに対応する露光領域と隣接し又は重なり合う、変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
76.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させ又は前記複数のビームを前記露光領域に対して移動させ又は前記複数の放射源の各々及び前記複数のビームを前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、使用中に、各放射源は対応するパワー/順電流曲線の勾配部分で作動される、変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
77.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させ又は前記複数のビームを前記露光領域に対して移動させ又は前記複数の放射源の各々及び前記複数のビームを前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、各個別制御可能放射源は青紫レーザダイオードを備える、変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
78.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は少なくとも2つの同心円形アレイに配列されている、変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
79.前記円形アレイのうち少なくとも1つの円形アレイは、前記円形アレイのうち他の少なくとも1つの円形アレイに対しずらして配設されている、実施形態78のリソグラフィ装置。
80.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は構造体の中心のまわりに配列されており前記構造体は前記複数の放射源の内側に前記構造体を貫通する開口を有する、変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
81.前記放射源にて又は前記放射源の外側で構造体を保持支持する支持体をさらに備える、実施形態80のリソグラフィ装置。
82.前記支持体は前記構造体の運動を許容するベアリングを備える、実施形態81のリソグラフィ装置。
83.前記支持体は前記構造体を運動させるモータを備える、実施形態81又は82のリソグラフィ装置。
84.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は構造体の中心のまわりに配列されている、変調器と、
前記放射源にて又は前記放射源の外側で前記構造体を支持し、前記構造体を回転させ又は回転を許容するよう構成されている支持体と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
85.前記支持体は前記構造体の回転を許容するベアリングを備える、実施形態84のリソグラフィ装置。
86.前記支持体は前記構造体を回転させるモータを備える、実施形態84又は85のリソグラフィ装置。
87.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は、可動プレートに配設されたことで移動可能である構造体に配設されている、変調器と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
88.前記移動可能構造体は回転可能である、実施形態87のリソグラフィ装置。
89.前記可動プレートは回転可能である、実施形態87又は88のリソグラフィ装置。
90.前記可動プレートの回転中心は、前記移動可能構造体の回転中心に一致していない、実施形態89のリソグラフィ装置。
91.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は、移動可能構造体の内部又は表面に配設されている、変調器と、
温度制御流体を、前記複数の放射源に少なくとも隣接して供給するよう前記移動可能構造体の内部に構成されている流体導管と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
92.前記移動可能構造体の内部又は表面に配置されたセンサをさらに備える、実施形態91のリソグラフィ装置。
93.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源に隣接する場所であって、前記移動可能構造体の内部又は表面ではない場所に配置されたセンサをさらに備える、実施形態91又は92のリソグラフィ装置。
94.前記センサは温度センサを備える、実施形態92又は93のリソグラフィ装置。
95.前記センサは、前記構造体の膨張及び/または収縮を測定するよう構成されているセンサを備える、実施形態92から94のいずれかのリソグラフィ装置。
96.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は、移動可能構造体の内部又は表面に配設されている、変調器と、
前記移動可能構造体の温度制御を提供するよう前記構造体の内部又は表面に配設されているフィンと、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
97.前記移動可能構造体の内部又は表面にある前記フィンと協働する静止フィンをさらに備える、実施形態96のリソグラフィ装置。
98.前記移動可能構造体の内部又は表面に少なくとも2つのフィンを備え、前記静止フィンは、前記移動可能構造体の内部又は表面にあるフィンの少なくとも1つと他の少なくとも1つとの間に配置されている、実施形態97のリソグラフィ装置。
99.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は、移動可能構造体の内部又は表面に配設されている、変調器と、
前記構造体の温度を制御するために前記構造体の外表面に流体を供給するよう構成されている流体供給装置と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
100.前記流体供給装置は気体を供給するよう構成されている、実施形態99のリソグラフィ装置。
101.前記流体供給装置は液体を供給するよう構成されている、実施形態99のリソグラフィ装置。
102.前記液体を前記構造体と接触状態に維持するよう構成されている流体閉じ込め構造をさらに備える、実施形態101のリソグラフィ装置。
103.前記流体閉じ込め構造は、前記構造体と前記流体閉じ込め構造との間にシールを維持するよう構成されている、実施形態102のリソグラフィ装置。
104.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
前記複数の放射源の各放射源に又はその近傍に取り付けられ、対応する放射源とともに移動可能である、構造的に分離されたレンズと、を備える。
105.レンズを対応する放射源に対し変位させるよう構成されているアクチュエータをさらに備える、実施形態104のリソグラフィ装置。
106.レンズ及びそれに対応する放射源を、当該レンズ及びそれに対応する放射源を支持する構造に対し変位させるよう構成されているアクチュエータをさらに備える、実施形態104又は105のリソグラフィ装置。
107.前記アクチュエータは、前記レンズを最大3自由度で移動させるよう構成されている、実施形態105又は106のリソグラフィ装置。
108.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源から下流にアパーチャ構造をさらに備える、実施形態104から107のいずれかのリソグラフィ装置。
109.前記レンズは、前記レンズ及びそれに対応する放射源を支持する構造に熱伝導率の高い材料で取り付けられている、実施形態104から107のいずれかのリソグラフィ装置。
110.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源からの放射をスクランブルするよう構成されている空間コヒーレンス破壊デバイスと、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
111.前記空間コヒーレンス破壊デバイスは静止プレートを備え、前記少なくとも1つの放射源が前記プレートに対し移動可能である、実施形態110のリソグラフィ装置。
112.前記空間コヒーレンス破壊デバイスは、位相変調器、回転プレート、または振動プレートから選択される少なくとも1つを備える、実施形態110のリソグラフィ装置。
113.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源に関してフォーカスを測定するよう構成されているセンサであって、該センサの少なくとも一部が前記少なくとも1つの放射源の内部又は表面にあるセンサと、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
114.前記センサは、各放射源に関して個別的にフォーカスを測定するよう構成されている、実施形態113のリソグラフィ装置。
115.前記センサは、ナイフエッジフォーカス検出器である、実施形態113又は114のリソグラフィ装置。
116.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
前記複数の放射源をそれぞれ制御及び/または給電するよう前記複数の放射源に信号及び/または電力を無線で送出するよう構成されている送信機と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
117.前記信号は複数の信号を含み、前記複数の信号の各々を対応する放射源に送るためのデマルチプレクサをさらに備える、実施形態116のリソグラフィ装置。
118.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は移動可能構造体の内部又は表面に配設されている、変調器と、
コントローラを前記移動可能構造体に接続し、前記複数の放射源をそれぞれ制御及び/または給電するよう前記複数の放射源に複数の信号及び/または電力を送出する1本の配線と、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
119.前記信号は複数の信号を含み、前記複数の信号の各々を対応する放射源に送るためのデマルチプレクサをさらに備える、実施形態118のリソグラフィ装置。
120.前記配線は光配線を備える、実施形態118又は119のリソグラフィ装置。
121.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源により基板に伝達される又は伝達されるはずの放射の性質を測定するためのセンサと、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
122.前記センサの少なくとも一部は、前記基板保持部の内部又は表面に配置されている、実施形態121のリソグラフィ装置。
123.前記センサの前記少なくとも一部は、前記基板保持部に基板が支持される領域の外側の位置で、前記基板保持部の内部又は表面に配置されている、実施形態122のリソグラフィ装置。
124.前記センサの少なくとも一部は、使用時に基板の走査方向に実質的に延在する基板の側部に配置されている、実施形態121から123のいずれかのリソグラフィ装置。
125.前記センサの少なくとも一部は、前記移動可能構造体を支持するフレームの内部又は表面に搭載されている、実施形態121から124のいずれかのリソグラフィ装置。
126.前記センサは、前記少なくとも1つの放射源からの放射を前記露光領域の外で測定するよう構成されている、実施形態121から125のいずれかのリソグラフィ装置。
127.前記センサの少なくとも一部は、移動可能である、実施形態121から126のいずれかのリソグラフィ装置。
128.前記センサの結果に基づいて前記少なくとも1つの放射源を校正するよう構成されているコントローラをさらに備える、実施形態121から127のいずれかのリソグラフィ装置。
129.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源は移動可能構造体の内部又は表面に配設されている、変調器と、
前記移動可能構造体の位置を測定するためのセンサと、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
130.前記センサの少なくとも一部は、前記移動可能構造体を支持するフレームの内部又は表面に搭載されている、実施形態129のリソグラフィ装置。
131.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
変調器であって、複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されており、前記複数の放射源の各々は識別手段を有し又は提供する、変調器と、
前記識別手段を検出するよう構成されているセンサと、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
132.前記センサの少なくとも一部は、前記複数の放射源を支持するフレームの内部又は表面に搭載されている、実施形態131のリソグラフィ装置。
133.前記識別手段は、対応する放射源からの放射の周波数を備える、実施形態131又は132のリソグラフィ装置。
134.前記識別手段は、バーコード、電波による個体識別、またはマークから選択される少なくとも1つを備える、実施形態131から133のいずれかのリソグラフィ装置。
135.リソグラフィ装置は、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、
複数の個別制御可能放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に供給するよう構成され、前記複数の放射源の各々を前記露光領域に対して移動させるよう構成されている変調器と、
前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源からの、基板によって方向を変えられた放射を検出するよう構成されているセンサと、
変調されたビームを基板に投影するよう構成されている投影系と、を備える。
136.前記センサは、前記少なくとも1つの放射源から基板に入射する放射のスポットの位置を、前記方向を変えられた放射から決定するよう構成されている、実施形態135のリソグラフィ装置。
137.前記変調器は、前記複数のビームの伝播方向に実質的に平行な軸まわりに少なくとも1つの放射源を回転させるよう構成されている、実施形態70から136のいずれかのリソグラフィ装置。
138.前記変調器は、前記複数のビームの伝播方向に交差する方向に少なくとも1つの放射源を平行移動させるよう構成されている、実施形態70から137のいずれかのリソグラフィ装置。
139.前記変調器は、前記複数のビームを移動させるよう構成されているビームデフレクタを備える、実施形態70から138のいずれかのリソグラフィ装置。
140.前記ビームデフレクタは、ミラー、プリズム、または音響光学変調器からなるグループから選択される、実施形態139のリソグラフィ装置。
141.前記ビームデフレクタは、ポリゴンを備える、実施形態139のリソグラフィ装置。
142.前記ビームデフレクタは、振動するよう構成されている、実施形態139のリソグラフィ装置。
143.前記ビームデフレクタは、回転するよう構成されている、実施形態139のリソグラフィ装置。
144.前記基板保持部は、ある方向に基板を移動させるよう構成されており、当該方向に沿って前記複数のビームが供給される、実施形態70から143のいずれかのリソグラフィ装置。
145.基板の移動は回転である、実施形態144のリソグラフィ装置。
146.前記複数の放射源は一緒に移動可能である、実施形態70から145のいずれかのリソグラフィ装置。
147.前記複数の放射源は円形に配列されている、実施形態70から146のいずれかのリソグラフィ装置。
148.前記複数の放射源はプレートに、互いに隙間を空けて配設されている、実施形態70から147のいずれかのリソグラフィ装置。
149.前記投影系は、レンズアレイを備える、実施形態70から148のいずれかのリソグラフィ装置。
150.前記投影系は、実質的にレンズアレイからなる、実施形態70から149のいずれかのリソグラフィ装置。
151.前記レンズアレイのレンズは高開口数を有し、本リソグラフィ装置は、前記レンズの開口数を実質的に低下させるよう前記レンズに関連する放射の焦点を基板から外すよう構成されている、実施形態149又は150のリソグラフィ装置。
152.前記放射源の各々はレーザダイオードを備える、実施形態70から151のいずれかのリソグラフィ装置。
153.各レーザダイオードは、約405nmの波長を有する放射を発するよう構成されている、実施形態152のリソグラフィ装置。
154.前記複数の放射源を露光中に実質的に一定の温度に維持するよう構成されている温度コントローラをさらに備える、実施形態70から153のいずれかのリソグラフィ装置。
155.前記コントローラは、前記複数の放射源を露光前に前記実質的に一定の温度又はその近傍の温度に加熱するよう構成されている、実施形態154のリソグラフィ装置。
156.ある方向に沿って配列された少なくとも3つの分離されたアレイを備え、各アレイが複数の放射源を備える、実施形態70から155のいずれかのリソグラフィ装置。
157.前記複数の放射源は、少なくとも約1200個の放射源を備える、実施形態70から156のいずれかのリソグラフィ装置。
158.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源と基板とのアライメントを決定するためのアライメントセンサをさらに備える、実施形態70から157のいずれかのリソグラフィ装置。
159.前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの焦点に対する基板の位置を決定するためのレベルセンサをさらに備える、実施形態70から158のいずれかのリソグラフィ装置。
160.前記アライメントセンサの結果及び/または前記レベルセンサの結果に基づいて前記パターンを変更するよう構成されているコントローラをさらに備える、実施形態158又は159のリソグラフィ装置。
161.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源の又はそれに関連づけられた温度の測定に基づいて前記パターンを変更するよう構成されているコントローラをさらに備える、実施形態70から160のいずれかのリソグラフィ装置。
162.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源により基板へと伝達される又は伝達されるはずの放射の性質を測定するためのセンサをさらに備える、実施形態70から161のいずれかのリソグラフィ装置。
163.リソグラフィ装置は、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを供給するよう構成されている複数の個別制御可能放射源と、
複数のレンズレットを備えるレンズアレイと、
基板を保持するよう構成されている基板保持部と、を備え、
使用時において前記複数の放射源と基板との間には前記レンズアレイを除き光学系がない。
164.プログラマブル・パターニングデバイスは、
少なくとも一方向に隙間を空けた放射発光ダイオードのアレイを備える基板と、
前記放射発光ダイオードの放射下流側にあるレンズアレイと、を備える。
165.前記レンズアレイは、複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイを備え、前記マイクロレンズの数は前記放射発光ダイオードの数に相当し、対応する放射発光ダイオードにより選択的に通過する放射をマイクロスポットの配列へと合焦するよう位置決めされている、実施形態164のプログラマブル・パターニングデバイス。
166.前記放射発光ダイオードは、少なくとも2つの直交方向に隙間を空けている、実施形態164又は165のプログラマブル・パターニングデバイス。
167.前記放射発光ダイオードは、熱伝導率の低い材料に埋設されている、実施形態164から166のいずれかのプログラマブル・パターニングデバイス。
168.デバイス製造方法は、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光領域に複数の個別制御可能放射源を使用して供給することと、
すべての前記複数の放射源より少数の放射源のみが任意の一時点に前記露光領域を露光可能であるように前記複数のビームを供給する間に前記複数の放射源の少なくとも1つを移動させることと、
前記複数のビームを基板に投影することと、を備える。
169.デバイス製造方法は、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを複数の個別制御可能放射源を使用して供給することと、
前記複数の放射源の少なくとも1つを、放射を発する場所と放射を発しない場所とでに移動させることと、
前記複数のビームを基板に投影することと、を備える。
170.デバイス製造方法は、所望のパターンに従って変調されたビームを複数の個別制御可能放射源を使用して供給することと、前記変調されたビームを前記複数の個別制御可能放射源から基板へとレンズアレイのみを使用して投影することと、を備える。
171.デバイス製造方法は、
所望のパターンに従って変調された複数の電磁放射ビームを複数の個別制御可能放射源を使用して供給することと、
前記複数の放射源の少なくとも1つを露光領域に対し該露光領域の露光中に、前記少なくとも1つの放射源からの放射が前記複数の放射源のうち他の少なくとも1つの放射源からの放射に同時に隣接し又は重なり合うように、移動させることと、
前記複数のビームを基板に投影することと、を備える。
172.前記移動させることは、前記複数のビームの伝播方向に実質的に平行な軸まわりに少なくとも1つの放射源を回転させることを備える、実施形態168から171のいずれかの方法。
173.前記移動させることは、前記複数のビームの伝播方向に交差する方向に少なくとも1つの放射源を平行移動させることを備える、実施形態168から172のいずれかの方法。
174.前記移動させることは、ビームデフレクタを使用して前記複数のビームを移動させることを備える、実施形態168から173のいずれかの方法。
175.前記ビームデフレクタは、ミラー、プリズム、または音響光学変調器からなるグループから選択される、実施形態174の方法。
176.前記ビームデフレクタは、ポリゴンを備える、実施形態174の方法。
177.前記ビームデフレクタは、振動するよう構成されている、実施形態174の方法。
178.前記ビームデフレクタは、回転するよう構成されている、実施形態174の方法。
179.ある方向に基板を移動させることを備え、当該方向に沿って前記複数のビームが供給される、実施形態168から178のいずれかの方法。
180.基板の移動は回転である、実施形態179の方法。
181.前記複数の放射源を一緒に移動させることを備える、実施形態168から180のいずれかの方法。
182.前記複数の放射源は円形に配列されている、実施形態168から181のいずれかの方法。
183.前記複数の放射源はプレートに、互いに隙間を空けて配設されている、実施形態168から182のいずれかの方法。
184.前記投影することは、レンズアレイを使用して前記ビームの各々の像を基板に形成することを備える、実施形態168から183のいずれかの方法。
185.前記投影することは、実質的にレンズアレイのみを使用して前記ビームの各々の像を基板に形成することを備える、実施形態168から184のいずれかの方法。
186.前記放射源の各々はレーザダイオードを備える、実施形態168から185のいずれかの方法。
187.各レーザダイオードは、約405nmの波長を有する放射を発するよう構成されている、実施形態186の方法。
188.実施形態168から187のいずれかの方法に従って製造されたフラットパネルディスプレイ。
189.実施形態168から187のいずれかの方法に従って製造された集積回路デバイス。
190.放射システムは、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを供給するよう構成されている複数の個別制御可能放射源を各々が備える複数の移動可能放射アレイと、
前記放射アレイの各々を移動させるよう構成されているモータと、を備える。
191.前記モータは、前記複数のビームの伝播方向に実質的に平行な軸まわりに前記放射アレイの各々を回転させるよう構成されている、実施形態190の放射システム。
192.前記モータは、前記複数のビームの伝播方向に交差する方向に前記放射アレイの各々を平行移動させるよう構成されている、実施形態190又は191の放射システム。
193.前記複数のビームを移動させるよう構成されているビームデフレクタをさらに備える、実施形態190から192のいずれかの放射システム。
194.前記ビームデフレクタは、ミラー、プリズム、または音響光学変調器からなるグループから選択される、実施形態193の放射システム。
195.前記ビームデフレクタは、ポリゴンを備える、実施形態193の放射システム。
196.前記ビームデフレクタは、振動するよう構成されている、実施形態193の放射システム。
197.前記ビームデフレクタは、回転するよう構成されている、実施形態193の放射システム。
198.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源は一緒に移動可能である、実施形態190から197のいずれかの放射システム。
199.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源は円形に配列されている、実施形態190から198のいずれかの放射システム。
200.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源はプレートに、互いに隙間を空けて配設されている、実施形態190から199のいずれかの放射システム。
201.前記放射アレイの各々に関連付けられたレンズアレイをさらに備える、実施形態190から200のいずれかの放射システム。
202.各放射アレイの前記複数の放射源の各々が、前記放射アレイに関連付けられたレンズアレイのレンズに関連付けられている、実施形態201の放射システム。
203.各放射アレイの前記複数の源の各々はレーザダイオードを備える、実施形態190から202のいずれかの放射システム。
204.各レーザダイオードは、約405nmの波長を有する放射を発するよう構成されている、実施形態203の放射システム。
205.基板を放射で露光するためのリソグラフィ装置は、100個乃至25000個の自己放射個別アドレス可能素子を有するプログラマブル・パターニングデバイスを備える。
206.少なくとも400個の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態205のリソグラフィ装置。
207.少なくとも1000個の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態205のリソグラフィ装置。
208.10000個より少数の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態205から207のいずれかのリソグラフィ装置。
209.5000個より少数の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態205から207のいずれかのリソグラフィ装置。
210.前記自己放射個別アドレス可能素子はレーザダイオードである、実施形態205から209のいずれかのリソグラフィ装置。
211.前記自己放射個別アドレス可能素子は、0.1ミクロン乃至3ミクロンの範囲から選択される基板上でのスポットサイズを有するよう構成されている、実施形態205から209のいずれかのリソグラフィ装置。
212.前記自己放射個別アドレス可能素子は、約1ミクロンの基板上でのスポットサイズを有するよう構成されている、実施形態205から209のいずれかのリソグラフィ装置。
213.基板を放射で露光するためのリソグラフィ装置は、10cmの露光フィールド長さに正規化して100個乃至25000個の自己放射個別アドレス可能素子を有するプログラマブル・パターニングデバイスを備える。
214.少なくとも400個の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態213のリソグラフィ装置。
215.少なくとも1000個の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態213のリソグラフィ装置。
216.10000個より少数の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態213から215のいずれかのリソグラフィ装置。
217.5000個より少数の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態213から215のいずれかのリソグラフィ装置。
218.前記自己放射個別アドレス可能素子はレーザダイオードである、実施形態213から217のいずれかのリソグラフィ装置。
219.前記自己放射個別アドレス可能素子は、0.1ミクロン乃至3ミクロンの範囲から選択される基板上でのスポットサイズを有するよう構成されている、実施形態213から217のいずれかのリソグラフィ装置。
220.前記自己放射個別アドレス可能素子は、約1ミクロンの基板上でのスポットサイズを有するよう構成されている、実施形態213から217のいずれかのリソグラフィ装置。
221.プログラマブル・パターニングデバイスは、100個乃至25000個の自己放射個別アドレス可能素子を有する回転可能ディスクを備える。
222.前記ディスクは少なくとも400個の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態221のプログラマブル・パターニングデバイス。
223.前記ディスクは少なくとも1000個の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態221のプログラマブル・パターニングデバイス。
224.前記ディスクは10000個より少数の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態221から223のいずれかのプログラマブル・パターニングデバイス。
225.前記ディスクは5000個より少数の自己放射個別アドレス可能素子を備える、実施形態221から223のいずれかのプログラマブル・パターニングデバイス。
226.前記自己放射個別アドレス可能素子はレーザダイオードである、実施形態221から225のいずれかのプログラマブル・パターニングデバイス。
227.フラットパネルディスプレイの製造における1つ又は複数の本発明の使用。
228.集積回路パッケージングにおける1つ又は複数の本発明の使用。
229.リソグラフィ方法は、自己放射素子を有するプログラマブル・パターニングデバイスを使用して基板を放射で露光することを備え、前記露光中に前記自己放射素子を動作させるための前記プログラマブル・パターニングデバイスの消費電力が10kW未満である。
230.前記消費電力は5kW未満である、実施形態229の方法。
231.前記消費電力は少なくとも100mWである、実施形態229又は230の方法。
232.前記自己放射素子はレーザダイオードである、実施形態229から231のいずれかの方法。
233.前記レーザダイオードは青紫レーザダイオードである、実施形態232の方法。
234.リソグラフィ方法は、自己放射素子を有するプログラマブル・パターニングデバイスを使用して基板を放射で露光することを備え、使用時における放射素子あたりの光出力が少なくとも1mWである。
235.前記光出力は少なくとも10mWである、実施形態234の方法。
236.前記光出力は少なくとも50mWである、実施形態234の方法。
237.前記光出力は200mW未満である、実施形態234から236のいずれかの方法。
238.前記自己放射素子はレーザダイオードである、実施形態234から237のいずれかの方法。
239.前記レーザダイオードは青紫レーザダイオードである、実施形態238の方法。
240.前記光出力は5mWより大きく20mW以下である、実施形態234の方法。
241.前記光出力は5mWより大きく30mW以下である、実施形態234の方法。
242.前記光出力は5mWより大きく40mW以下である、実施形態234の方法。
243.前記自己放射素子はシングルモードで動作する、実施形態234から242のいずれかの方法。
244.リソグラフィ装置は、
自己放射素子を有するプログラマブル・パターニングデバイスと、
前記自己放射素子からの放射を受けるための光学素子を有する回転可能フレームと、を備え、前記光学素子は屈折光学素子である。
245.リソグラフィ装置は、
自己放射素子を有するプログラマブル・パターニングデバイスと、
前記自己放射素子からの放射を受けるための光学素子を有する回転可能フレームと、を備え、前記回転可能フレームは、いずれかの又はすべての前記自己放射素子からの放射を受ける反射光学素子を有しない。
246.リソグラフィ装置は、
プログラマブル・パターニングデバイスと、
回転可能フレームと、を備え、前記回転可能フレームは光学素子付きのプレートを備え、前記光学素子付きのプレートの表面は平坦である。
247.フラットパネルディスプレイの製造における1つ又は複数の本発明の使用。
248.集積回路パッケージングにおける1つ又は複数の本発明の使用。
249.前記方法のいずれかに従って製造されたフラットパネルディスプレイ。
250.前記方法のいずれかに従って製造された集積回路デバイス。
251.装置は、
基板の目標部分にパターンを生成可能である光学コラムであって、基板にビームを投影するよう構成されている投影系を備え、該投影系が回転可能フレームと該回転可能フレームにより支持されている複数のレンズとを備える光学コラムと、
前記フレームを回転させるよう構成されているアクチュエータと、
前記回転可能フレームに関し少なくとも1つのレンズの位置を調整するための調整可能部材と、を備える。
252.各レンズが対応する調整可能部材によって前記回転可能フレームに取り付けられている、実施形態251の装置。
253.前記調整可能部材はくさび部を備え、前記くさび部は、前記回転可能フレームの回転軸方向に沿って見られるくさび形状を有する、実施形態251又は252の装置。
254.前記調整可能部材は、前記くさび部と前記回転可能フレームとの間に介在する基部と、接続部と、をさらに備え、前記くさび部は、前記基部と前記接続部との間に介在する、実施形態253の装置。
255.前記くさび部は、貫通孔を備え、前記くさび部を介して前記接続部を前記基部に取り付けるための相互接続ボルトは、前記くさび部の前記貫通孔を貫通して延在する、実施形態254の装置。
256.前記相互接続ボルトの剛性は、前記基部及び前記接続部の剛性より低い、実施形態255の装置。
257.前記接続部は、前記回転可能フレームの半径方向に垂直な方向にある狭窄部と、前記半径方向に前記狭窄部を渡るよう延在するプッシュプルデバイスと、を備える、実施形態254から256のいずれかの装置。
258.前記フレームの回転運動は、500rpmを超え、1000rpmを超え、2000rpmを超え、又は4000rpmを超える、実施形態251から257のいずれかの装置。
259.前記ビームを発するよう構成されている少なくとも1つの自己放射コントラストデバイスをさらに備える、実施形態251から258のいずれかの装置。
260.デバイス製造方法は、
回転可能フレームと該回転可能フレームにより支持されている複数のレンズとを有する投影系を使用して基板に放射ビームを投影することにより基板の目標部分にパターンを生成することと、
前記回転可能フレームを回転させることにより基板に対し前記レンズを移動させることと、を備え、
少なくとも1つのレンズの位置が調整可能部材により前記回転可能フレームに関し調整される。
261.前記少なくとも1つのレンズについて焦点調整が実行され、該焦点調整は、
前記調整可能部材を前記回転可能フレームに装着することと、
前記回転可能フレームの半径方向に前記調整可能部材の狭窄部を渡るよう延在するプッシュプルデバイスを調整することと、を備え、前記狭窄部は前記回転可能フレームの半径方向に垂直な方向にある、実施形態260の方法。
262.前記調整可能部材は、くさび部と、該くさび部の貫通孔を通じて前記回転可能フレームの半径方向に延在する相互接続ボルトと、を備えており、本方法は、
対応するレンズを前記半径方向に位置決めするよう前記くさび部の位置を調整することと、
前記半径方向に前記レンズの位置を調整するよう前記相互接続ボルトを締めることと、を備える、実施形態260又は261の方法。
263.前記放射ビームを少なくとも1つの自己放射コントラストデバイスから発することをさらに備える、実施形態260から262のいずれかの方法。
264.装置は、
回転可能フレームにより支持されている複数のレンズまたは個別制御可能素子アレイと、
前記回転可能フレームを回転させるよう構成されているアクチュエータと、
前記回転可能フレームに関し前記レンズの少なくとも1つ及び/または前記個別制御可能素子の少なくとも1つの位置を調整するための調整可能部材と、を備える。
265.複数のレンズまたは個別制御可能素子アレイを支持する回転可能フレームに関し前記複数のレンズのうち少なくとも1つのレンズまたは前記個別制御可能素子アレイの個別制御可能素子の位置を調整するための調整可能部材。
266.装置は、
基板の目標部分にパターンを生成可能である光学コラムであって、ビームを発するよう構成されている複数の個別制御可能素子を備え、該複数の個別制御可能素子が移動可能フレームにより支持されている光学コラムと、
前記フレームを移動させるよう構成されているアクチュエータと、
前記移動可能フレームに関し少なくとも1つの個別制御可能素子の位置を調整するための調整可能部材と、を備える。
267.前記調整可能部材は調整質量部を備え、前記調整質量部は、前記フレームの回転軸に実質的に平行な方向に位置を調整可能である、実施形態251、252、又は266の装置。
268.前記調整可能部材は、前記調整可能部材を前記フレームに取り付ける基部と、少なくとも1つのレンズを保持するバランスマスと、前記バランスマスを前記基部に接続する接続構造と、を備え、前記バランスマス及び前記少なくとも1つのレンズのアセンブリは、前記フレームの回転軸に垂直な平面に関し実質的にバランスされている、実施形態251、252、又は267の装置。
269.前記平面は前記接続構造に交差する、実施形態268の装置。
270.前記バランスマスは調整質量部を備える、実施形態268又は269の装置。
271.前記調整可能部材は、前記フレームと前記バランスマスとの間に力を作用させるよう構成されているバネ荷重調整構造をさらに備える、実施形態268から270のいずれかの装置。
272.前記基部は、前記基部のフレーム側部分に対して前記基部のバランスマス側部分の位置を調整可能にするよう構成されている調整機構を備える、実施形態268から271のいずれかの装置。
本書ではある特定のデバイス又は構造(例えば集積回路又はフラットパネルディスプレイ)の製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、本明細書に説明したリソグラフィ装置及びリソグラフィ方法は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積回路、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCD、OLEDディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、微小電気機械デバイス(MEMS)、微小光学電気機械システム(MOEMS)、DNAチップ、パッケージング(例えば、フリップチップ、再配線など)、または、フレキシブルディスプレイ又は電子機器(紙のように巻き取りや曲げが可能であり、変形のない、コンフォーマブルな、凸凹の、薄く、及び/または軽量であるディスプレイ又は電子機器、例えばフレキシブルプラスチックディスプレイ)などの製造に用いることが可能であり、これらに限られない。また、例えばフラットパネルディスプレイの場合には、本発明に係る装置及び方法は、例えば薄膜トランジスタ層及び/またはカラーフィルター層などのさまざまな層の生成に役立つよう用いることができる。当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェーハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。本書に言及された基板は露光前または露光後において、例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は既に処理されている多数の処理層を含む基板をも意味し得る。
フラットパネルディスプレイ基板は形状が長方形であってもよい。この種の基板を露光するよう設計されているリソグラフィ装置は、長方形基板の幅全体またはその一部(例えば全幅の半分)をカバーする露光区域を有するように設計される。この露光区域の最下部で基板が走査されるとともに、パターニングデバイスがパターン付けられたビームに対し同期して走査されるか、または、パターニングデバイスが変化するパターンを提供する。このようにして、パターンのすべて又は一部が基板に転写される。露光区域が基板の幅全体をカバーする場合には1回の走査で露光が完了する。露光区域が例えば基板の幅の半分をカバーする場合には、1回目の露光後に横方向に基板を移動させ、通常は基板の残りを露光するための走査がさらに行われる。
本明細書において用語「パターニングデバイス」は、例えば基板(の部分)にパターンを生成する等、放射ビーム断面を変調するのに用い得るいかなるデバイスをも示すよう広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、パターンが位相シフトフィーチャあるいはいわゆるアシストフィーチャを例えば含む場合には基板の目標部分に所望されるパターンと厳密に一致していなくてもよい。また、基板に最終的に形成されるパターンは、個別制御可能素子アレイ上に形成されるパターンにどの時点においても一致しないようになっていてもよい。このような事態は、基板の各部に形成される最終的なパターンが所定時間または所定回数の露光の重ね合わせにより形成され、かつこの所定の露光中に個別制御可能素子アレイ上のパターン及び/または基板の相対位置が変化する場合に起こりうる。通常、基板の目標部分に生成されるパターンは、その目標部分に生成されるデバイス例えば集積回路又はフラットパネルディスプレイの特定の機能層に対応する(例えば、フラットパネルディスプレイのカラーフィルタ層、又はフラットパネルディスプレイの薄膜トランジスタ層)。パターニングデバイスの例としては、レチクル、プログラマブルミラーアレイ、レーザダイオードアレイ、発光ダイオードアレイ、グレーティングライトバルブ、及びLCDアレイなどがある。パターニングデバイスにおけるパターンは電子的手段(例えばコンピュータ)を利用してプログラム可能である。例えば、パターニングデバイスは、放射ビームの一部分の強度を各々が変調可能である複数のプログラム可能素子を備えてもよい(例えば前の文で言及したレチクル以外のデバイスはすべて該当する)。例えば、パターニングデバイスは、放射ビームのある一部分の位相をその放射ビームの隣接する部分に対し変調することにより放射ビームにパターンを付与する複数のプログラム可能素子を有する電子的にプログラム可能なパターニングデバイスを含む。以下ではこれらを集合的に「コントラストデバイス」と称する。ある実施の形態においては、パターニングデバイスは、少なくとも10個のプログラム可能素子、例えば、少なくとも100個、少なくとも1,000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、または少なくとも10,000,000個、のプログラム可能素子を備える。これらのデバイスのいくつかの実施形態が以下に詳述される。
−プログラマブルミラーアレイ。プログラマブルミラーアレイは、粘弾性制御層と反射表面とを有するマトリックス状のアドレス指定可能な表面を備えてもよい。この装置の基本的な原理は例えば、反射表面のうちアドレス指定されている領域が入射放射を回折放射として反射する一方、アドレス指定されていない領域が入射放射を非回折放射として反射するというものである。適当な空間フィルタを用いることにより、反射ビームから非回折放射を取り除いて回折放射だけを基板に到達させるようにすることができる。このようにして、マトリックス状アドレス指定可能表面のアドレス指定パターンに従ってビームにパターンが付与される。なお代替例として、回折放射をフィルタにより取り除いて非回折放射を基板に到達させるようにしてもよい。回折光学MEMSデバイスのアレイを同様に用いることもできる。回折光学MEMSデバイスは、入射放射を回折放射として反射する格子を形成するよう1つが他の1つに対して変形する複数の反射性リボン状部位を備えてもよい。プログラマブルミラーアレイの他の実施形態においては、マトリックス状の微小ミラーの配列が用いられる。各微小ミラーは局所的に電界を適宜付与されることによりまたは圧電駆動手段を使用することにより各々が個別に軸周りに傾斜されうる。傾斜の程度が各ミラーの状態を定義する。各ミラーは、当該素子が欠陥でないとき、コントローラからの適切な制御信号によって、制御可能である。非欠陥素子の各々は、投影される放射パターンにおいて対応するピクセルの強度を調整するように、一連の状態のうち任意の1つをとるよう制御可能である。繰り返しになるが、ミラーはマトリックス状にアドレス指定可能であり、アドレス指定されたミラーは入射する放射ビームをアドレス指定されていないミラーとは異なる方向に反射する。このようにしてマトリックス状アドレス指定可能ミラーのアドレス指定パターンに従って反射ビームにパターンが付与されうる。必要とされるマトリックス状アドレス指定は、適宜の電子的手段を使用して実行することができる。本書に言及するミラーアレイについての更なる情報は例えば、米国特許第5,296,891号、米国特許第5,523,193号、国際公開第98/38597号、国際公開第98/33096号から入手可能であり、これらの全体が本明細書に援用される。
−プログラマブルLCDアレイ。こうした構成の例は、米国特許第5,229,872号に与えられており、その全体が本明細書に援用される。
リソグラフィ装置は、1つ又は複数のパターニングデバイス、例えば1つ又は複数のコントラストデバイスを備えてもよい。例えば、リソグラフィ装置は、複数の個別制御可能素子アレイを有し、それぞれのアレイが互いに独立に制御されるものであってもよい。この構成においては、個別制御可能素子アレイのうちのいくつかのアレイまたはすべてのアレイが、少なくとも1つの照明系(または照明系の一部)、当該アレイのための支持構造、及び/または投影系(または投影系の一部)を共有していてもよい。
フィーチャのプリバイアス処理、光近接効果補正フィーチャ、位相変化技術、及び/または、多重露光技術を利用する場合、例えば、個別制御可能素子アレイに「表示される」パターンは、基板の層又は基板上の層に最終的に転写されるパターンと実質的に異なり得ることを理解されたい。同様に、基板上に最終的に生成されるパターンは、どの時点においても個別制御可能素子アレイに形成されるパターンに対応しないことがある。このような事態は、基板の各部に形成される最終的なパターンが所定時間または所定回数の露光の重ね合わせにより形成され、かつこの所定の露光中に個別制御可能素子アレイ上のパターン及び/または基板の相対位置が変化する場合に起こりうる。
投影系及び/または照明系は、屈折光学部品、反射光学部品、磁気的光学部品、電磁気的光学部品、静電的光学部品、あるいは他の種類の光学部品などの各種の光学部品、またはこれらの組合せを含み得るものであり、放射ビームの向きや形状、あるいはその他の制御をするためのものである。
リソグラフィ装置は2つ(例えばデュアルステージ)又はそれより多くの基板テーブル(及び/または2つ以上のパターニングデバイステーブル)を備えてもよい。このような多重ステージ型の装置においては、追加されたテーブルは並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルが露光のために使用されている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されるようにしてもよい。
リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が「液浸液」で投影系と基板との間の空隙を満たすよう覆われるものであってもよい。この液体は比較的高い屈折率を有する例えば水などの液体である。液浸液は、例えばパターニングデバイスと投影系との間などのリソグラフィ装置の他の空間に適用されるものであってもよい。液浸技術は投影系の開口数を増大させるために使用される。本明細書における用語「液浸」は、基板等の構造体が液体に完全に浸されているということを意味するのではなく、露光中に投影系と基板との間に液体が配置されるということを意味するに過ぎない。
また、本装置には、(例えば、基板に化学物質を付着させるか、又は基板の表面構造を選択的に修正するために、)流体と基板の照射部分との相互作用を可能にする流体処理セルが設けられてもよい。
ある実施の形態においては、基板は、任意選択として周縁部にノッチ及び/または平坦部をもつ実質的に円形の形状を有する、ある実施の形態においては、基板は、例えば長方形などの多角形形状を有する。基板の形状が実質的に円形である実施形態は、基板の直径が、少なくとも25mm、例えば少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも125mm、少なくとも150mm、少なくとも175mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、または少なくとも300mmである実施形態を含む。ある実施の形態においては、基板の直径は長くても500mm、長くても400mm、長くても350mm、長くても300mm、長くても250mm、長くても200mm、長くても150mm、長くても100mm、または長くても75mmである。基板が例えば長方形などの多角形である実施形態は、基板の少なくとも1辺の、例えば少なくとも2辺の、又は少なくとも3辺の長さが、少なくとも5cm、例えば少なくとも25cm、少なくとも50cm、少なくとも100cm、少なくとも150cm、少なくとも200cm、または少なくとも250cmである実施形態を含む。ある実施の形態においては、基板の少なくとも1辺の長さは、長くても1000cm、例えば長くても750cm、長くても500cm、長くても350cm、長くても250cm、長くても150cm、または長くても75cmである。ある実施の形態においては、基板は、約250〜350cmの長さと約250〜300cmの幅をもつ長方形基板である。基板の厚さは変わりうるものであり、ある程度は例えば基板材料及び/または基板寸法に依存しうる。ある実施の形態においては、厚さは、少なくとも50μm、例えば少なくとも100μm、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、または少なくとも600μmである。ある実施の形態においては、基板の厚さは、厚くても5000μm、例えば厚くても3500μm、厚くても2500μm、厚くても1750μm、厚くても1250μm、厚くても1000μm、厚くても800μm、厚くても600μm、厚くても500μm、厚くても400μm、または厚くても300μmである。本書で言及される基板は、露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)において処理されてもよい。基板の性質が露光前または露光後において、例えばメトロロジツール及び/またはインスペクションツールにおいて測定されてもよい。
ある実施の形態においては、レジスト層が基板に設けられる。ある実施の形態においては、基板はウェーハであり、例えば半導体ウェーハである。ある実施の形態においては、ウェーハの材料は、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge、GaAs、InP、InAsから成るグループから選択される。ある実施の形態においては、ウェーハは、III−V族化合物半導体ウェーハである。ある実施の形態においては、ウェーハは、シリコンウェーハである。ある実施の形態においては、基板は、セラミック基板である。ある実施の形態においては、基板は、ガラス基板である。ガラス基板は例えば、フラットパネルディスプレイ及び液晶ディスプレイパネルの製造に有用であり得る。ある実施の形態においては、基板は、プラスチック基板である。ある実施の形態においては、基板は(人の裸眼で見たときに)透明である。ある実施の形態においては、基板は有色である。ある実施の形態においては、基板は無色である。
ある実施の形態においては、基板114の上方にパターニングデバイス104があるものとして説明し及び/又は図示しているが、代替的に又は追加的に、基板114の下にパターニングデバイス104が配置されてもよい。また、ある実施の形態においては、パターニングデバイス104と基板114とが横に並べられてもよく、例えば、パターニングデバイス104及び基板114が垂直に延在し、パターンが水平に投影される。ある実施の形態においては、パターニングデバイス104は、基板114の少なくとも2つの対向する側面が露光されるように設けられている。例えば、少なくとも2つのパターニングデバイス104が、少なくとも基板114の対応する対向側面の各々に、これらの側面を露光するためにあってもよい。ある実施の形態においては、基板114の1つの側面を投影する単一のパターニングデバイス104と、単一のパターニングデバイス104からのパターンを基板114の別の側面に投影する適当な光学系(例えば、ビーム誘導ミラー)とがあってもよい。
本発明に係るある方法の実施形態は、
回転可能フレームと該回転可能フレームにより支持されている複数のレンズとを有する投影系を使用して基板に放射ビームを投影することにより基板の目標部分にパターンを生成することと、
前記回転可能フレームを回転させることにより基板に対し前記レンズを移動させることと、を備え、
少なくとも1つのレンズの位置が調整可能部材により前記回転可能フレームに対し調整されるデバイス製造方法である。
本発明に係る方法の更なる実施形態においては、前記少なくとも1つのレンズについて焦点調整が実行され、該焦点調整は、
前記調整可能部材を前記回転可能フレームに装着することと、
前記回転可能フレームの半径方向に垂直な方向にある前記調整可能部材の狭窄部を渡るよう前記回転可能フレームの半径方向に延在するプッシュプルデバイスを調整することと、を備える。
本発明に係る方法の更なる実施形態においては、前記調整可能部材は、くさび部と、該くさび部の貫通孔を通じて前記回転可能フレームの半径方向に延在する相互接続ボルトと、を備えており、本方法は、
対応するレンズを前記半径方向に位置決めするよう前記くさび部の位置を調整することと、
前記半径方向に前記レンズの位置を調整するよう前記相互接続ボルトを締めることと、を備える。
本発明に係る方法の更なる実施形態は、前記放射ビームを少なくとも1つの自己放射コントラストデバイスから発することを備える。
本発明の特定の実施形態が上述されたが、説明したもの以外の態様で本発明が実施されてもよい。例えば、本発明は、上述の方法を記述する機械で読み取り可能な命令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、または、そうしたコンピュータプログラムを記録したデータ記録媒体(例えば半導体メモリ、磁気ディスク、または光ディスク)の形式をとってもよい。
さらに、ある種の実施形態及び実施例の文脈において本発明を開示したが、本発明は上記の開示された特定の実施形態を超えて別の代替的な実施形態及び/又は本発明の使用法並びにその自明な改良物及び均等物にも拡張されることは当業者には明らかであろう。加えて、本発明のいくつかの変形例を図示し詳述してきたが、本発明の範囲内にあるその他の改良も、当業者には本開示に基づき明らかである。例えば、各実施形態の具体的な特徴及び態様の様々な組合せ又はサブコンビネーションも可能であり、本発明の範囲内にある。したがって、開示された発明の多様な形態を形成するために、開示された実施形態の様々な特徴及び態様を互いに組み合わせ、又は交換することができる。例えば、ある実施の形態においては、図5の可動式の個別制御可能素子の実施形態を個別制御可能素子の非可動式アレイと組み合わせて、例えば、バックアップシステムを提供するか又は有してもよい。
したがって、本発明の様々な実施の形態について上述したが、それらは例示に過ぎず、限定的なものではないことを理解されたい。本発明の精神と範囲から逸脱することなく形式及び詳細を種々に変更することができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。したがって、本発明の範囲と精神は上記で述べたいかなる例示的な実施の形態にも限定されるものではなく、請求項とその均等物によってのみ定義されるものである。