JP5582927B2 - 航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機 - Google Patents

航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機 Download PDF

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Description

本発明は、航行中の航空機の翼前縁部の外側に氷が付着することを防止あるいは付着した氷を除去するための航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機に関する。
航空機には、航行中に翼前縁部に氷が付着することを防止あるいは付着した氷を除去するための防除氷装置が備えられている。そして、この防除氷装置には、主翼の翼前縁部の内部に暖気室を形成し、この暖気室に主機から抽気したブリードエア(高温空気)を供給して主翼の翼前縁部を内側から加熱するように構成したものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
実開平1−149894号公報 特開平6−206593号公報
しかしながら、上記従来の防除氷装置においては、一般に、例えば雲中など機体に着氷しやすい条件下でのみ稼動するようにしているが、航空機の主機から抽気したブリードエアで翼前縁部を加熱するため、本来の主機推力低下、燃費低下に伴う運行コスト悪化などを招くという問題があった。すなわち、航空機性能の低下を招く一要因となっていた。
本発明は、上記事情に鑑み、効果的に防除氷を行うことを可能にしつつ、主機推力の低下抑制・燃費の向上など、航空機性能の向上を図ることを可能にする航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の航空機の防除氷システムは、航空機の翼に氷が付着することを防止あるいは付着した氷を除去するための航空機の防除氷システムであって、航空機の主機から抽気したブリードエアと、機体に設けられたエアインテークから取り込んで航空機の機体の熱源で昇温した外気とを選択的に、前記翼の内側に形成した暖気室に供給して防除氷を行うように構成されていることを特徴とする。
この発明においては、従来と同様に主機からブリードエアを暖気室に供給して翼(翼前縁部)の防除氷を行うことが可能であるとともに、機体に設けられたエアインテークから取り込んだ外気をラム圧によって航空機の機体の熱源に送り、この熱源を利用して暖気(昇温した外気)を生成することができる。そして、この昇温した外気を暖気室に供給することによって防除氷を行うことが可能になる。
また、本発明の航空機の防除氷システムにおいては、前記熱源が、航空機に設けられた油圧回路に具備されたオイルクーラーと、オイルタンクと、航空機の主機の少なくとも一つであることが望ましい。
この発明においては、エアインテークから取り込んだ外気を昇温させるための熱源として、油圧回路のオイルクーラーやオイルタンク、または、航空機の主機を採用することで確実に防除氷に利用可能な温度まで外気を昇温させることが可能になる。
特に、従来、エアインテークから取り込んだ外気を冷却媒体として用い、熱交換後の昇温した外気は外部に排出されていたのに対し、この発明においては防除氷に有効活用することが可能になる。
また、オイルタンクに貯留した作動油との間で熱交換を行って外気を昇温させるようにした場合には、高温化した作動油をオイルクーラーで冷却するだけでなく、外気との熱交換によってオイルタンク内の作動油を降温(低温化)させることが可能になる。これにより、作動油の酸化劣化を遅らせることで交換間隔を長期化させることが可能になる。
さらに、本発明の航空機の防除氷システムにおいて、前記オイルクーラーは、作動油が流通する内管と、前記エアインテークから取り込んだ前記外気を前記内管との間で流通させる外管とからなる二重管構造の伝熱管を備え、前記内管を流通する作動油との熱交換によって前記外気を昇温させるように構成されていることがより望ましい。
この発明においては、エアインテークから取り込んだ外気を二重管構造の伝熱管の外管と内管の間に流通させるようにオイルクーラーを構成することで、確実且つ効率的に内管を流通する作動油との熱交換によって外気を昇温させることが可能になり、この昇温した外気を防除氷に有効活用することが可能になる。
また、本発明の航空機の防除氷システムにおいては、前記内管が外面に凸部を備えていることがさらに望ましい。
この発明においては、内管の外面に凸部が設けられていることによって、伝熱面積が増大し、また、外気が外管と内管の間を流通する際に凸部によって外気の流れが乱流状態になることで作動油との熱交換が促進される。これにより、熱交換効率を増大させることが可能になり、オイルクーラー内の配管長(伝熱管長)を短縮することが可能になる。また、このようにオイルクーラー内の配管長を短縮できることで、航空機の機体の軽量化にも寄与することになる。
さらに、本発明の航空機の防除氷システムにおいて、前記オイルタンクは、作動油を貯留するタンク本体の外面との間に流通空間を形成する外郭体を備え、前記タンク本体内の作動油との熱交換によって、前記流通空間を流通する前記外気を昇温させるように構成されていることが望ましい。
この発明においては、タンク本体の外面との間に流通空間を形成する外郭体を備えてオイルタンクを形成し、流通空間に外気を流通させることによって、確実にオイルタンクを熱源として外気を昇温させることが可能になる。
また、本発明の航空機の防除氷システムにおいては、前記タンク本体が外面に凸部を備えていることが望ましい。
この発明においては、タンク本体の外面に凸部が設けられていることによって、伝熱面積が増大し、また、外気がタンク本体と外郭体の間の流通空間を流通する際に凸部によって流れが乱流状態になることで作動油と熱交換が促進される。これにより、熱交換効率を増大させることが可能になり、確実且つ効率的に外気を昇温することが可能になるとともに、この昇温した外気を防除氷に有効活用することが可能になる。
さらに、本発明の航空機の防除氷システムにおいて、前記主機は、ケーシングの外面との間に流通空間を形成する外郭体を備え、前記外気を前記流通空間に流通させることにより昇温させるように構成されていることが望ましい。
この発明においては、例えば、比較的高温となる燃焼器などのケーシングの外面との間に流通空間を形成する外郭体を備えて主機を形成し、流通空間に外気を流通させることによって、この主機を熱源として外気を昇温させることが可能になる。
また、本発明の航空機の防除氷システムにおいては、前記ケーシングの外面に凸部を備えていることが望ましい。
この発明においては、ケーシングの外面にフィンなどの凸部が設けられていることによって、伝熱面積が増大し、また、外気がケーシングと外郭体の間の流通空間を流通する際に凸部によって流れが乱流状態になることで主機と熱交換が促進される。これにより、熱交換効率を増大させることが可能になり、確実且つ効率的に外気を昇温することが可能になるとともに、この昇温した外気を防除氷に有効活用することが可能になる。
さらに、本発明の航空機の防除氷システムにおいて、前記ケーシングの外面の凸部は、前記外気を前記ケーシングの外面に沿って旋回して流通させるように形成されていることがより望ましい。
この発明においては、ケーシングの外面の凸部によって外気をケーシングの外面に沿って旋回して流通させることができる。これにより、外気とケーシングとの接触時間を増やし、熱交換効率を高めることが可能になり、より確実且つ効率的に外気を昇温することが可能になるとともに、昇温した外気を防除氷に有効活用することが可能になる。
本発明の航空機は、上記のいずれかの航空機の防除氷システムを備えたことを特徴とする。
この発明においては、上記の航空機の防除氷システムの作用効果を得ることが可能になる。
本発明の航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機によれば、従来と同様の主機からブリードエアを暖気室に供給する構成に加えて、航空機の機体に設けられたエアインテークから取り込んだ外気をラム圧によって航空機の機体の熱源に送り、この熱源を利用して生成した暖気(昇温した外気)を暖気室に供給して、防除氷を行うことが可能になる。
これにより、ブリードエアと熱源で昇温した外気とを選択的に暖気室に供給して防除氷を行うことが可能になり、熱源で昇温した外気で十分に防除氷を行うことが可能な場合には、ブリードエアを用いる必要がなくなる。また、熱源で昇温した外気だけでは十分でない場合には、ブリードエアを用いることで確実に防除氷を行うことが可能になる。さらに、このブリードエアを用いる場合であっても、昇温した外気で翼を予め保温することができ(翼を予め暖めることができ)、氷が付着しにくい状態にすることができるため、ブリードエアの抽出量を最小限に抑えることができる。
よって、航行中、主機から抽気するブリードエアを不要にする、あるいはブリードエアの抽気量を必要最少量に抑えることが可能になり、従来の防除氷装置を備えた場合と比較し、主機推力の低下を抑え、燃費の向上に伴う運行コストの低減など、航空機性能の向上を図ることが可能になる。
本発明の実施形態に係る航空機を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る航空機の防除氷システムを示す図である。 主機を示すとともに、この主機から翼の暖気室にブリードエアを供給する構成を示す図である。 翼の暖気室を示す図3のX1−X1断面図である。 本発明の第1実施形態に係る航空機の防除氷システムのオイルクーラーが具備する伝熱管を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る航空機の防除氷システムを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る航空機の防除氷システムのオイルタンク(タンク本体、外郭体、流通空間)の一部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る航空機の防除氷システムを示す図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る航空機の防除氷システムの主機に形成した流通空間(ケーシング、外郭体、凸部)を示す図であり、(b)は(a)のA矢視図である。
[第1実施形態]
以下、図1から図5を参照し、本発明の第1実施形態に係る航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機について説明する。
はじめに、本実施形態の航空機1は、図1及び図2に示すように、主翼2に設けられた主機3と、主機3を駆動源とする油圧ポンプ25と、油圧ポンプ25で動作する油圧回路5と、油圧回路5の一部を成し主翼2に設けられたアクチュエータ4を制御するためのマニホールド5’とを備えて構成されている。
主機3であるガスタービン6は、図3に示すように、ファンケーシング7とコアエンジンケーシング8とを備え、ファンケーシング7内にファン9を収容し、コアエンジンケーシング8内に圧縮機10と燃焼器11とタービン12を収容して構成されている。
ファン9は、回転軸15の外周部に複数のファンブレード16を装着して形成されている。圧縮機10は、低圧コンプレッサ17と高圧コンプレッサ18とを備えて構成されている。タービン12は、高圧タービン19及び低圧タービン20を備え、圧縮機10に対して下流側に配設されている。そして、ファン9の回転軸15と低圧コンプレッサ17とが連結され、低圧コンプレッサ17と低圧タービン20とが、第1ロータ軸21により連結されている。また、高圧コンプレッサ18と高圧タービン19とが、第1ロータ軸21の外周側に位置する円筒状の第2ロータ軸22によって連結されている。
そして、空気取入口から取り込まれた空気は、圧縮機10の低圧コンプレッサ17と高圧コンプレッサ18の複数の静翼と動翼(不図示)を通過して圧縮されることにより、高温・高圧の圧縮空気となる。また、この圧縮空気に対して燃焼器11で所定の燃料が供給されるともに燃焼されて高温・高圧の燃焼ガスが生成する。このように生成された燃焼ガスがタービン12を構成する高圧タービン19及び低圧タービン20の複数の静翼と動翼(不図示)を通過することで、タービン12が回転駆動する。このとき、低圧タービン20の動力が第1ロータ軸21によりファン9に伝達され、ファン9が空気を送風することで推力が得られる。
本実施形態の油圧回路5は、図1及び図2に示すように、フラップ、エルロン、方向舵、降着装置等の操縦系統用のアクチュエータ4に対して作動油を給排し、このアクチュエータ4を駆動させ、油圧ポンプ25とオイルクーラー(熱交換器)26とオイルタンク27とを備えて構成されている。また、例えば図1に示すように、油圧ポンプ25は、主機駆動であり、主機ナセル内に装備され、オイルクーラー26とオイルタンク27は、胴体(機体)28の下部に装備されている。
そして、この油圧回路5では、図1及び図2に示すように、油圧ポンプ25が駆動することによりオイルタンク27からアクチュエータ4に作動油が供給され、アクチュエータ4が駆動するとともにアクチュエータ4からの作動油(戻り油)がオイルクーラー26を通じてオイルタンク27に返送される。このとき、オイルクーラー26は、伝熱管(油圧ライン)30が蛇行して形成されており、胴体28に形成されたエアインテーク31から取り込んだ低温の外気S1を冷却媒体とし、例えば70〜80℃程度の高温の戻り油と外気S1の間で熱交換を行うことで戻り油を冷却し、オイルタンク27に戻す。
一方、本実施形態の航空機の防除氷システムAにおいては、図2及び図3に示すように、主機3から抽気したブリードエア(高温空気)S2と、エアインテーク31から取り込んでオイルクーラー(航空機の機体の熱源)26で昇温した外気S1’とを選択的に、主翼2の翼前縁部2aの内側に形成した暖気室32に供給して防除氷を行うように構成されている。
ここで、本実施形態において、主翼2の翼前縁部2aは、図3及び図4に示すように、先端部が例えば湾曲した上下の板材を接合することにより湾曲形状で形成されており、ガイド板33が翼前縁部2aの内側に所定の隙間をあけて配設されている。また、このガイド板33は、翼前縁部2aと同様に、先端部が、例えば湾曲した上下の板材を接合することにより湾曲形状で形成されている。なお、翼前縁部2aとは、翼2における前縁近傍を含む部分を示す。
また、翼前縁部2aは、主翼2の長手方向(図4における紙面鉛直方向)に沿って延在し、ガイド板33は、航空機1の幅方向に沿って所定長さを有し、この方向に複数並設されている。さらに、翼前縁部2aには、その内側に、主翼2の長手方向に沿って且つ主翼2の前後方向(図3における左右方向)に沿って隔壁34が設けられており、この隔壁34が主翼2の長手方向に所定の間隔をあけて形成されている。また、各ガイド板33は、その両端部を隔壁34の端面に当接または固定して設けられている。
そして、翼前縁部2aと後部の隔壁35と左右の隔壁34によって囲まれることで、暖気室32が形成されている。また、翼前縁部2aとガイド板33との間が暖気通路36とされ、この暖気通路36は、翼前縁部2aの内側に沿い、翼前縁部2aの先端部から後方に向けて延設され、暖気室32に開放されている。なお、暖気室32には、この暖気室32内の空気を適宜外部に排出するための排気口が設けられている。
さらに、図4に示すように、暖気室32内には、翼前縁部2aの先端側にガイド板33と隣接して2つのダクト配管40、41が配設されている。これらダクト配管40、41はそれぞれ、両端部を閉塞して形成され、主翼2の長手方向に沿い、隔壁34を貫通して延設されている。また、ガイド板33には、翼前縁部2aの先端部に対応する位置に開口部33aが形成されている。各ダクト配管40、41には、ガイド板33に形成した開口部33aに対向する位置に、翼前縁部2aの前方に向けて開口する噴射孔40a、41aが形成されている。そして、各ダクト配管40、41は、連結管42、43を介してガイド板33の開口部33aに噴射孔40a、41aが連結されている。また、このとき、開口部33a、噴射孔40a、41a、連結管42、43は、一つのガイド板33に対し、所定の間隔をあけて複数設けられている。また、2つのダクト配管40、41はそれぞれ、個別に連結管42、43を介してガイド板33の開口部33aに噴射孔40a、41aを連結して、すなわち、個別に暖気通路36に連通して設けられている。
そして、本実施形態の航空機の防除氷システムAにおいては、図2から図4に示すように、一方のダクト配管40が主機3の圧縮機10と配管(ブリードエア供給ライン)45で接続され、このブリードエア供給ライン45から主機3の圧縮機10のブリードエアS2を暖気通路36(暖気室32)に供給するように構成されている。
さらに、他方のダクト配管41が油圧回路5に具備されたオイルクーラー26と配管(昇温外気供給ライン)46で接続されている。このとき、本実施形態において、オイルクーラー26の蛇行した伝熱管30は、図2及び図5に示すように、アクチュエータ4から排出された作動油が流通する内管47と、エアインテーク31から取り込んだ外気S1を内管47との間で流通させる外管48とを備えて二重管構造で形成されている。また、内管47は、複数のリングが一体に取り付けられ、これらリングによって内管47の外面から外管48の内面に向けて突出する凸部49が形成されている。
さらに、他方のダクト配管41は、昇温外気供給ライン46を介してオイルクーラー26の伝熱管30の内管47と外管48の間の外気S1が流通する流通空間50と接続されている。
また、図2に示すように、ブリードエア供給ライン45と昇温外気供給ライン46にはそれぞれ、開閉弁51、52が設けられている。そして、本実施形態の航空機の防除氷システムAでは、主翼2の翼前縁部2aの表面温度(外面温度、あるいは外気温)を計測する温度計53の計測結果に基づき、バルブコントローラ54によってこれら開閉弁51、52が開閉制御されるように構成されている。
さらに、ブリードエア供給ライン45と昇温外気供給ライン46にはそれぞれ、暖気室32(暖気通路36)から主機3やオイルクーラー(熱源)26に空気が逆流することを防止するための逆止弁など(不図示)が設けられている。
次に、上記構成からなる本実施形態の航空機の防除氷システムAの作用及び効果について説明する。
まず、本実施形態の防除氷システムAでは、航行中、エアインテーク31から外気S1が取り込まれ、オイルクーラー26にラム圧によって送られ、この外気S1を冷却媒体としてオイルクーラー26で作動油を冷却する熱交換が行われる。このとき、オイルクーラー26の伝熱管30が二重管構造で形成され、内管47と外管48の間の流通空間50を外気S1が流通することになる。そして、このように流通空間50を通り、高温の作動油が流通する内管47に沿って低温の外気S1が流通することで、効率的に作動油と外気S1の間で熱交換が行われて外気S1が昇温する。
また、本実施形態では、内管47に複数のリングを取り付けて内管47の外面に凸部49が設けられているため、内管47の伝熱面積が増大し、さらに、内管47と外管48の間の流通空間50を流通する外気S1の流れが乱流状態になることで熱交換が促進される。これにより、熱交換効率が高められ、確実且つ効率的に外気S1が昇温することになる。
このようにオイルクーラー26で昇温した外気(暖気)S1’は、昇温外気供給ライン46を通じて暖気室32の他方のダクト配管41に供給され、この他方のダクト配管41の噴射孔41aから連結管43、ガイド板33の開口部33aを通じて翼前縁部2aとガイド板33の間の暖気通路36に噴射される。そして、この昇温した外気S1’が暖気通路36内を流通することで、翼前縁部2aが内側から加熱され、翼2の外側に氷が付着することが防止あるいは付着した氷が除去される。
このように、本実施形態の防除氷システムAでは、従来、エアインテーク31から取り込んでオイルクーラー26の冷却媒体として使用された後は、外部に排出されていた外気S1を防除氷に利用する。これにより、オイルクーラー26で昇温した外気S1’で十分に防除氷を行うことが可能な場合には、ブリードエアS2を用いる必要がなくなる。すなわち、温度計53が十分に防除氷される温度を検出した場合には、バルブコントローラ54の制御により開閉弁51は閉じられるが開閉弁52は開くので、外気S1’のみが他方のダクト配管41の噴射孔41a、連結管43、ガイド板33の開口部33aを通じて暖気通路36に供給される。
一方、オイルクーラー26で昇温した外気S1’だけでは十分に防除氷効果が得られない場合には、すなわち、温度計53が十分に防除氷されない温度を検出した場合には、この検出結果を受けて、バルブコントローラ54が開閉弁51、52を開閉制御し、主機3からブリードエアS2が一方のダクト配管40の噴射孔40a、連結管42、ガイド板33の開口部33aを通じて暖気通路36に噴射される。そして、このブリードエアS2は、オイルクーラー26で昇温した外気S1’よりも高温であるため、確実に防除氷が行われることになる。
したがって、本実施形態の航空機の防除氷システムAにおいては、従来と同様に主機3からブリードエアS2を暖気室32に供給して、翼前縁部2aの防除氷を行うことが可能であるとともに、機体28に設けられたエアインテーク31から取り込んだ外気S1をラム圧によってオイルクーラー26に送り、暖気(昇温した外気)S1’を生成することができる。
また、本実施形態のように、従来、エアインテーク31から取り込んだ外気S1を冷却媒体として用い、熱交換後の外気S1’を外部に排出するようにしていたオイルクーラー26を熱源とした場合には、航空機1の航行に伴い発生する熱を防除氷に有効活用することが可能になる。
これにより、ブリードエアS2とオイルクーラー26で昇温した外気S1’とを選択的に暖気室32に供給して防除氷を行うことが可能になり、オイルクーラー26で昇温した外気S1’で十分に防除氷を行うことが可能な場合には、ブリードエアS2を用いる必要がなくなる。また、オイルクーラー26で昇温した外気S1’だけでは十分でない場合には、ブリードエアS2を用いることで確実に防除氷を行うことが可能になる。さらに、このブリードエアS2を用いる場合であっても、昇温した外気S1’で翼2を予め保温することができ(翼2を予め暖めることができ)、氷が付着しにくい状態にすることができるため、ブリードエアS2の抽出量を最小限に抑えることができる。
よって、本実施形態の航空機の防除氷システムA及びこれを備える航空機1によれば、航行中、主機3から抽気するブリードエアS2を不要にする、あるいはブリードエアS2の抽気量を必要最少量に抑えることが可能になり、従来の防除氷装置を備えた場合と比較し、主機推力の低下を抑え、燃費の向上に伴う運行コストの低減など、航空機性能の向上を図ることが可能になる。
また、本実施形態の航空機の防除氷システムAにおいては、エアインテーク31から取り込んだ外気S1を二重管構造の伝熱管30の外管48と内管47の間に流通させるようにオイルクーラー26を構成したことで、確実に内管47を流通する作動油との熱交換によって外気S1を昇温させることが可能になる。
さらに、内管47の外面に凸部49が設けられていることによって、伝熱面積が増大し、また、外気S1が外管48と内管47の間を流通する際に凸部49によって流れが乱流状態になることで熱交換が促進される。これにより、内管47を流通する作動油と、内管47と外管48の間を流通する外気S1との熱交換効率を増大させることが可能になり、オイルクーラー26内の配管長(伝熱管長)を短縮することが可能になる。そして、このようにオイルクーラー26内の配管長を短縮できることで、航空機1の機体の軽量化を図ることにも寄与することが可能になる。
[第2実施形態]
次に、図1、図3から図7を参照し、本発明の第2実施形態に係る航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機について説明する。本実施形態の航空機の防除氷システムは、第1実施形態に対して、主にエアインテークから取り込んだ外気を昇温させる熱源のみが異なる。このため、第1実施形態と同様の構成に対しては、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の航空機の防除氷システムBは、図6に示すように、主機3から抽気したブリードエアS2と、エアインテーク31から取り込んでオイルタンク(航空機の機体の熱源)27で昇温した外気S1’とを選択的に、主翼2の翼前縁部2aの内側に形成した暖気室32に供給して防除氷を行うように構成されている。
また、オイルタンク27は、図7に示すように、作動油を貯留するタンク本体55の外面との間に流通空間50を形成する外郭体56を備えて構成されている。さらに、タンク本体55は、外面に凸部(凸状片)57を備えて形成されている。
また、図4及び図6に示すように、他方のダクト配管41が油圧回路5に具備されたオイルタンク27と昇温外気供給ライン46で接続されている。このとき、他方のダクト配管41は、昇温外気供給ライン46を介してオイルタンク27のタンク本体55と外郭体56の間の外気S1が流通する流通空間50と接続されている。
なお、一方のダクト配管40は、第1実施形態と同様、主機3とブリードエア供給ライン45で接続され、この一方のダクト配管40から主機3のブリードエアS2を暖気通路36(暖気室32)に供給するように構成されている。
上記構成からなる本実施形態の航空機の防除氷システムBにおいては、航行中、エアインテーク31から外気S1が取り込まれ、オイルタンク27にラム圧によって送られ、この外気S1とオイルタンク27のタンク本体55に一時的に貯留された作動油との間で熱交換が行われる。このとき、オイルタンク27がタンク本体55と外郭体56を備えて形成され、タンク本体55と外郭体56の間の流通空間50を外気S1が流通することになる。そして、このように流通空間50を通り、作動油を貯留したタンク本体55の外面に沿って外気S1が流通することによって、効率的に作動油と外気S1の間で熱交換が行われて外気S1が昇温する。
また、本実施形態では、タンク本体55の外面に凸部57が設けられているため、タンク本体55の伝熱面積が増大し、さらに、タンク本体55と外郭体56の間の流通空間50を流通する外気S1の流れが乱流状態になることで熱交換が促進される。これにより、第1実施形態と同様、熱交換効率が高められ、確実且つ効率的に外気が昇温することになる。
このようにオイルタンク27で昇温した外気(暖気)S1’は、昇温外気供給ライン46を通じて暖気室32の他方のダクト配管41に供給され、この他方のダクト配管41の噴射孔41aから連結管43、ガイド板33の開口部33aを通じて翼前縁部2aとガイド板33の間の暖気通路36に噴射される。そして、この昇温した外気S1’が暖気通路36内を流通することで、翼前縁部2aが内側から加熱され、翼2の外側に氷が付着することが防止あるいは付着した氷が除去される。
これにより、本実施形態の防除氷システムBにおいても、オイルタンク27で昇温した外気S1’で十分に防除氷を行うことが可能な場合には、ブリードエアS2を用いる必要がなくなる。一方、オイルタンク27で昇温した外気S1’だけでは十分に防除氷効果が得られない場合には、第1実施形態と同様に、バルブコントローラ54が開閉弁51、52を開閉制御し、主機3からブリードエアS2が一方のダクト配管40の噴射孔40a、連結管42、ガイド板33の開口部33aを通じて暖気通路36に噴射される。そして、このブリードエアS2は、オイルタンク27で昇温した外気S1’よりも高温であるため、確実に防除氷が行われることになる。
したがって、本実施形態の航空機の防除氷システムBにおいては、第1実施形態と同様、主機3からブリードエアS2を暖気室32に供給して、翼前縁部2aの防除氷を行うことが可能であるとともに、機体28に設けられたエアインテーク31から取り込んだ外気S1をラム圧によってオイルタンク27に送り、このオイルタンク27を利用して暖気(昇温した外気)S1’を生成することができる。
これにより、ブリードエアS2とオイルタンク27で昇温した外気S1’とを選択的に暖気室32に供給して防除氷を行うことが可能になり、オイルタンク27で昇温した外気S1’で十分に防除氷を行うことが可能な場合には、ブリードエアS2を用いる必要がなくなる。また、オイルタンク27で昇温した外気S1’だけでは十分でない場合には、ブリードエアS2を用いることで確実に防除氷を行うことが可能になる。さらに、このブリードエアS2を用いる場合であっても、昇温した外気S1’で翼2を予め保温することができ、氷が付着しにくい状態にすることができるため、ブリードエアS2の抽出量を最小限に抑えることができる。
よって、本実施形態の航空機の防除氷システムB(及びこれを備える航空機1)においても、航行中、主機3から抽気するブリードエアS2を不要にする、あるいはブリードエアS2の抽気量を必要最少量に抑えることが可能になり、従来の防除氷装置を備えた場合と比較し、主機推力の低下を抑え、燃費の向上に伴う運行コストの低減など、航空機性能の向上を図ることが可能になる。
また、本実施形態のように、オイルタンク27に貯留した作動油との間で熱交換を行って外気S1を昇温させるようにした場合には、高温化した作動油をオイルクーラー26で冷却するだけでなく、外気S1との熱交換によってオイルタンク27内の作動油を降温(低温化)させることが可能になる。これにより、作動油の酸化劣化を遅らせることで交換間隔を長期化させることが可能になる。
[第3実施形態]
次に、図1、図3から図5、図8、図9を参照し、本発明の第3実施形態に係る航空機の防除氷システム及びこれを備える航空機について説明する。本実施形態の航空機の防除氷システムでは、エアインテークから取り込んだ外気をオイルクーラーと主機で昇温し、第1実施形態及び第2実施形態と熱源が異なる。このため、本実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成に対しては、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の航空機の防除氷システムCは、図8に示すように、主機3から抽気したブリードエアS2と、エアインテーク31から取り込んで主機3及びオイルクーラー26(航空機の機体の熱源)で昇温した外気S1’とを選択的に、主翼2の翼前縁部2aの内側に形成した暖気室32に供給して防除氷を行うように構成されている。
また、本実施形態では、エアインテーク31から取り込んだ外気S1を分岐してオイルクーラー26と主機3にそれぞれラム圧によって送り、オイルクーラー26と主機3でそれぞれ昇温した外気S1’を混合し、暖気室32内の他方のダクト配管41に供給するように構成されている。
そして、本実施形態のオイルクーラー26は、第1実施形態と同様(図5参照)、二重管構造の伝熱管30を備えている。
一方、主機3は、例えば燃焼器11のケーシングが二重筒構造で形成されている。すなわち、図9に示すように、筒状のコアエンジンケーシング8に、このコアエンジンケーシング8の外面との間に流通空間50を形成する外郭体60を備えて構成されている。さらに、この外郭体60を備えた部分(本実施形態では燃焼器11)には、コアエンジンケーシング8の外面全体にフィンなどの第1凸部(凸部)61が分散配置して設けられている。この第1凸部61は、コアエンジンケーシング8の外面から外郭体60の内面に向けて突出するように形成されている。すなわち、第1凸部61は、その先端が外郭体60の内面に接触していない。
また、本実施形態においては、外郭体60を備えた部分のコアエンジンケーシング8の外面に、第1凸部61に加えて、外面から外郭体60の内面まで突出する複数の第2凸部(凸部)62が設けられている。そして、これら第2凸部62は、コアエンジンケーシング8の軸線O1中心の周方向に延びるとともに、漸次軸線O1方向一端側から他端側に向かうように形成されている。また、隣り合う第2凸部62の間に所定の隙間をあけて形成されている。これにより、軸線O1方向に隣り合う第2凸部62同士の間には、螺旋状の流通空間50が形成されている。
そして、本実施形態では、他方のダクト配管41がオイルクーラー26と主機3とに昇温外気供給ライン46で接続され、このとき、他方のダクト配管41は、昇温外気供給ライン46を介してオイルクーラー26の内管47と外管48の間の流通空間50及び主機3のコアエンジンケーシング8と外郭体60の間の流通空間50に接続されている。
なお、一方のダクト配管40は、第1及び第2実施形態と同様、主機3とブリードエア供給ライン45で接続され、この一方のダクト配管40から主機3のブリードエアS2を暖気通路36に供給するように構成されている。
上記構成からなる本実施形態の航空機の防除氷システムCにおいては、航行中、エアインテーク31から外気S1が取り込まれ、分岐してオイルクーラー26と主機3にラム圧によって送られ、この外気S1がオイルクーラーで熱交換によって昇温するとともに、主機3のコアエンジンケーシング8との熱交換によって昇温する。このとき、主機3では、コアエンジンケーシング8と外郭体60の間の複数の流通空間50を外気S1が流通することになる。そして、これら流通空間50(複数の第2凸部62)が螺旋状に形成されているため、各流通空間50を流通する外気S1は、筒状のコアエンジンケーシング8の外面に沿って旋回しながら流通することになる。このため、コアエンジンケーシング8の外面及び第2凸部62によって効率的に外気S1が昇温する。
また、本実施形態では、主機3のコアエンジンケーシング8の外面に第1凸部61が設けられているため、第2凸部62とこの第1凸部61によって伝熱面積が増大し、さらに、各流通空間50を流通する外気S1の流れが乱流状態になることで熱交換が促進される。これにより、伝熱効率が高められ、確実且つ効率的に外気が昇温することになる。
このように主機3のコアエンジンケーシング8の外側で昇温した外気(暖気)S1’は、オイルクーラー26で昇温した外気S1’と混合し、昇温外気供給ライン46を通じて暖気室32の他方のダクト配管41に供給される。そして、この他方のダクト配管41の噴射孔41aから連結管43、ガイド板33の開口部33aを通じて翼前縁部2aとガイド板33の間の暖気通路36に噴射される。この昇温した外気S1’が暖気通路36内を流通することで、翼前縁部2aが内側から加熱され、翼2の外側に氷が付着することが防止あるいは付着した氷が除去される。
これにより、本実施形態の防除氷システムCにおいても、主機3で昇温した外気S1’(及びオイルクーラー26で昇温した外気S1’)で十分に防除氷を行うことが可能な場合には、ブリードエアS2を用いる必要がなくなる。一方、主機3で昇温した外気S1’ (及びオイルクーラー26で昇温した外気S1’)だけでは十分に防除氷効果が得られない場合には、第1実施形態、第2実施形態と同様、バルブコントローラ54が開閉弁51、52を開閉制御し、主機3からブリードエアS2が一方のダクト配管40の噴射孔40a、連結管42、ガイド板33の開口部33aを通じて翼前縁部2aとガイド板33の間の暖気通路36に噴射される。そして、このブリードエアS2は、昇温した外気S1’よりも高温であるため、確実に防除氷が行われることになる。
なお、本実施形態では、外気S1を主機3のコアエンジンケーシング8の外側を流通させて昇温するため、第1実施形態や第2実施形態のように熱源を油圧回路5のオイルクーラー26、オイルタンク27のみとした場合に対し、主機3の推力低下を招かないように設計し、主機3を熱源にすることで暖気室32に供給する外気S1’をより高温にすることができる。このため、第1実施形態や第2実施形態と比較し、防除氷効果が高くなる。
したがって、本実施形態の航空機の防除氷システムCにおいては、第1、第2実施形態と同様、主機3からブリードエアS2を暖気室32に供給して、翼前縁部2aの防除氷を行うことが可能であるとともに、機体28に設けられたエアインテーク31から取り込んだ外気S1をラム圧によって主機3(及びオイルクーラー26)に送り、主機3を利用して暖気(昇温した外気)S1’を生成することができる。
これにより、ブリードエアS2と主機3で昇温した外気S1’とを選択的に暖気室32に供給して防除氷を行うことが可能になり、主機3で昇温した外気S1’で十分に防除氷を行うことが可能な場合には、ブリードエアS2を用いる必要がなくなる。また、主機3で昇温した外気S1’だけでは十分でない場合には、ブリードエアS2を用いることで確実に防除氷を行うことが可能になる。さらに、このブリードエアS2を用いる場合であっても、昇温した外気S1’で翼2を予め保温することができ、氷が付着しにくい状態にすることができるため、ブリードエアS2の抽出量を最小限に抑えることができる。
よって、本実施形態の航空機の防除氷システムC(及びこれを備える航空機1)においても、航行中、主機3から抽気するブリードエアS2を不要にする、あるいはブリードエアS2の抽気量を必要最少量に抑えることが可能になり、従来の防除氷装置を備えた場合と比較し、主機推力の低下を抑え、燃費の向上に伴う運行コストの低減など、航空機性能の向上を図ることが可能になる。
また、本実施形態のように、コアエンジンケーシング8の外面にフィンなどの第1凸部61が設けられていることによって、伝熱面積が増大し、また、外気S1がコアエンジンケーシング8と外郭体60の間の流通空間50を流通する際に第1凸部61によって流れが乱流状態になることで熱交換が促進される。これにより、流通空間50を流通する外気S1との熱交換効率を増大させることが可能になり、確実且つ効率的に外気S1を昇温することが可能になるとともに、この昇温した外気S1’を防除氷に有効活用することが可能になる。
さらに、第2凸部62が外気S1をコアエンジンケーシング8の外面に沿って旋回して流通するように形成されているため、外気S1とコアエンジンケーシング8との接触時間を増やし、熱交換効率を高めることが可能になり、さらに確実且つ効率的に外気S1を昇温することが可能になるとともに、昇温した外気S1’を防除氷に有効活用することが可能になる。
以上、本発明に係る航空機の防除氷システムの第1、第2、第3実施形態について説明したが、本発明は上記の第1、第2、第3実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第3実施形態で熱源を主機3とオイルクーラー26の組み合わせとした場合と同様に、第1、第2、第3実施形態の熱源を選択的に組み合わせ、オイルクーラー26とオイルタンク27、オイルタンク27と主機3、オイルクーラー26とオイルタンク27と主機3で、エアインテーク31から取り込んだ外気S1を昇温させて暖気室32に供給するように構成してもよい。また、この場合には、複数の熱源から昇温した外気S1’をそれぞれ個別に暖気室32に供給(並列式)するようにしても、複数の熱源で順次外気S1を昇温させながら暖気室32に供給(直列式)するようにしてもよい。
また、第1、第2、第3実施形態では、主翼2の翼前縁部2aに形成された暖気室32にブリードエアS2や熱源で昇温した外気S1’を供給し、主翼2に対して防除氷を行うように説明を行ったが、勿論、尾翼などに暖気室32を形成し、本実施形態と同様の防除氷システムA、B、Cによって、他の翼に形成した暖気室32に(他の翼に形成した暖気室32にも)ブリードエアS2や熱源で昇温した外気S1’を供給して防除氷効果を得るようにしてもよい。
さらに、第3実施形態では、第1凸部61と螺旋状の第2凸部62を備えて外気S1の流通空間50が形成されているものとしたが、本発明に係る凸部を備えて構成する場合であっても、第1凸部61と第2凸部62のいずれか一方を備えていれば、確実且つ効率的に外気S1を昇温することが可能である。また、必ずしも流通空間50に凸部49、57、61、62が設けられていなくてもよい。
また、主機3で外気S1を昇温させる場合において、必ずしも燃焼器11で外気S1を昇温することに限定しなくてもよい。
1 航空機
2 主翼(翼)
2a 翼前縁部
3 主機(熱源)
4 アクチュエータ
5 油圧回路
5’ マニホールド
6 ガスタービン
7 ファンケーシング
8 コアエンジンケーシング
9 ファン
10 圧縮機
11 燃焼器
12 タービン
15 回転軸
16 ファンブレード
17 低圧コンプレッサ
18 高圧コンプレッサ
19 高圧タービン
20 低圧タービン
21 第1ロータ軸
22 第2ロータ軸
25 油圧ポンプ
26 オイルクーラー(熱源)
27 オイルタンク(熱源)
28 胴体(機体)
30 伝熱管
31 エアインテーク
32 暖気室
33 ガイド板
33a 開口部
34 隔壁
35 隔壁
36 暖気通路
40 ダクト配管
40a 噴射孔
41 ダクト配管
41a 噴射孔
42 連結管
43 連結管
45 ブリードエア供給ライン
46 昇温外気供給ライン
47 内管
48 外管
49 凸部
50 流通空間
51 開閉弁
52 開閉弁
53 温度計
54 バルブコントローラ
55 タンク本体
56 外郭体
60 外郭体
61 第1凸部(凸部)
62 第2凸部(凸部)
A 航空機の防除氷システム
B 航空機の防除氷システム
C 航空機の防除氷システム
S1 外気
S1’ 昇温した外気
S2 ブリードエア

Claims (10)

  1. 航空機の翼に氷が付着することを防止あるいは付着した氷を除去するための航空機の防除氷システムであって、航空機の主機から抽気したブリードエアと、機体に設けられたエアインテークから取り込んで航空機の機体の熱源で昇温した外気とを選択的に、前記翼の内側に形成した暖気室に供給して防除氷を行うように構成されていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  2. 請求項1記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記熱源が、航空機に設けられた油圧回路に具備されたオイルクーラーと、オイルタンクと、航空機の主機の少なくとも一つであることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  3. 請求項2記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記オイルクーラーは、作動油が流通する内管と、前記エアインテークから取り込んだ前記外気を前記内管との間で流通させる外管とからなる二重管構造の伝熱管を備え、前記内管を流通する作動油との熱交換によって前記外気を昇温させるように構成されていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  4. 請求項3記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記内管が外面に凸部を備えていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記オイルタンクは、作動油を貯留するタンク本体の外面との間に流通空間を形成する外郭体を備え、前記タンク本体内の作動油との熱交換によって、前記流通空間を流通する前記外気を昇温させるように構成されていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  6. 請求項5記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記タンク本体が外面に凸部を備えていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  7. 請求項2から請求項6のいずれかに記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記主機は、ケーシングの外面との間に流通空間を形成する外郭体を備え、前記外気を前記流通空間に流通させることにより昇温させるように構成されていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  8. 請求項7記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記ケーシングの外面に凸部を備えていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  9. 請求項8記載の航空機の防除氷システムにおいて、前記ケーシングの外面の凸部は、前記外気を前記ケーシングの外面に沿って旋回して流通させるように形成されていることを特徴とする航空機の防除氷システム。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の航空機の防除氷システムを備えたことを特徴とする航空機。
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