JP5582208B2 - 金属粉末製造装置および金属粉末 - Google Patents
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Description
この溶融金属の噴霧微粉化装置は、溶湯(溶融金属)を下方に向けて吐出する吐出口と、吐出口から吐出された溶湯が通過する流路と該流路に開口するスリットとを有するノズルとを備えている。このノズルのスリットからは、水が噴射される。
吐出口から吐出された溶湯は、自然落下することにより、流路を通過して水に接触する。ところが、溶湯が通過する経路は、水の流速やノズルの形状等の多数の因子によって変化するため、溶湯が水と接触する位置が変化することとなる。このため、溶湯の飛散や冷却固化の状態が変化して、得られる金属粉末の粒径や粒度分布にバラツキが生じるという問題がある。
本発明の金属粉末製造装置は、溶融金属を供給する供給部と、
前記供給部の下方に設置され、該供給部から供給された溶融金属が通過可能な流路と、該流路の下端部に開口し、前記流路の下方に流体を噴射するオリフィスとが形成されたノズルと、を有し、
前記オリフィスから噴射された流体に、前記流路を通過した溶融金属を接触させることにより、該溶融金属を飛散させて微細な液滴に分裂させるとともに、該液滴を冷却固化させて金属粉末を製造する金属粉末製造装置であって、
前記供給部の下方に、下端が前記流路の途中に位置するように筒状部材を設け、前記供給部から供給された溶融金属を、前記筒状部材の内腔部を通過させて、前記流体に接触させるよう構成されており、
前記筒状部材は、その内腔部を通過した前記溶融金属を、前記筒状部材の下端面の周方向に沿って均一に分割する分割手段を有し、
前記分割手段は、前記筒状部材の下端面の周方向に沿って設けられた凸部で構成され、
前記凸部は、環状をなしていて、その下端が尖っていることを特徴とする。
これにより、微細で粒径が揃った金属粉末を、効率よく製造可能な金属粉末製造装置が得られる。
また、下端が流路の途中に位置するよう筒状部材を設けることにより、溶融金属は、最も減圧される領域付近まで、筒状部材の内部を経て供給されることとなる。その結果、溶融金属と空気との接触による影響を確実に防止または抑制することができる。
また、これにより、第1の流路の全体にムラなく液滴が落下することになるため、この液滴は、円錐状の流体ジェットにほぼ均等に接触することができ、高い冷却効率で冷却固化される。その結果、均質な金属粉末をより確実に得ることができる。
また、これにより、液滴と筒状部材との接触面積を縮小することができるため、液滴が筒状部材から速やかに離散することができる。その結果、液滴が筒状部材の表面に滞留する時間、すなわち液滴が空気と接触する時間をより短縮することができる。
これにより、前記流路の内周面は、滑らかなものとなる。そして、前記流路に引き込まれた空気は、この内周面に沿って滞りなく加速されることとなり、前記流路の圧力がより低くなる。これにより、前記溶融金属をより細かく飛散させることができ、より微細な液滴を得ることができる。
これにより、前記筒状部材の下端近傍において、前記流路に引き込まれた空気の流速が最も速くなるため、この付近の圧力がさらに低くなる。したがって、前記溶融金属を特に細かく飛散させることができ、特に微細な液滴を得ることができる。
これにより、溶融金属の落下に引き込まれるように、筒状部材の上方から内部に流入する空気を遮断することができる。その結果、前述の溶融金属が空気と接触することによる影響(溶融金属の経路の乱れ、温度低下、酸化等)を抑制することができる。
これにより、筒状部材の上方からの空気の流入をより確実に防止することができる。さらに、筒状部材の下方を流れる空気の流れにより、筒状部材の下端部が減圧されることとなる。その結果、溶融金属は、筒状部材の開口部から吸い出されるように吐出されるため、開口部周辺に凝固物が付着するのを防止することができる。
このような寸法範囲の筒状部材を用いることにより、本発明の金属粉末製造装置は、特に微細で粒径の揃った金属粉末を効率よく製造し得るものとなる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記筒状部材は、ほぼ円筒状をなしていることが好ましい。
これにより、例えば、液滴が筒状部材の下端面を伝って落下する場合、液滴は、ほぼ円錐状の流体ジェットに対してムラなく接触するよう水平方向に分布することができる。その結果、液滴に対する流体ジェットの飛散および冷却が、全体的に均一になされ、粒径の揃った金属粉末が得られる。また、第1の流路に流入する空気の流れを、筒状部材により不本意に乱し、その結果、溶融金属の落下する経路が変化するのを防止することもできる。
セラミックス材料は、耐熱性が特に高く、酸化等の化学変化を起こし難いことから好適である。また、セラミックス材料は、断熱性に比較的優れている(熱伝導性が比較的低い)ことから、溶融金属の温度低下を抑制する利点も有する。
液状流体は、ガス状流体に比べて比重や熱容量が大きいため、溶融金属に接触(二次分裂)した際に、溶融金属をより微細化するとともに、短時間で効率よく冷却することができる。また、液状流体は、より多くの空気を引き込むため、第1の流路の圧力(気圧)をより低下させることができ、一次分裂による微細化をさらに促進することができる。
これにより、高品質な金属粉末が得られる。
<第1実施形態>
まず、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態を示す模式図(縦断面図)、図2は、図1中の一点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大詳細図(模式図)、図3は、図1中の二点鎖線で囲まれた領域[B]の拡大詳細図(模式図)である。なお、以下の説明では、図1ないし図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す金属粉末製造装置(アトマイザ)1は、溶融金属Qをアトマイズ法により粉末化して、多数の金属粉末Rを得るために用いられるものである。この金属粉末製造装置1は、溶融金属Qを供給する供給部(タンディシュ)2と、供給部2の下方に設けられたノズル3と、供給部2とノズル3との間に設けられた筒状部材10を有している。
図1に示すように、供給部2は、有底筒状をなす部分を有している。この供給部2の内部空間(内腔部)22には、製造すべき金属粉末の原材料を溶融した溶融金属Qが一時的に収納される。
また、供給部2の底部21の中央部には、吐出口23が設けられている。この吐出口23からは、内部空間22内の溶融金属Qが下方に向かって自然落下により吐出される。
このノズル3には、供給部2から供給された(吐出された)溶融金属Qが通過する第1の流路(流路)31と、流体(本実施形態では、水)を供給する給水源(図示せず)からの水Sが通過する第2の流路32とが形成されている。
第1の流路31は、横断面形状が円形をなしており、ノズル3の中央部に、鉛直方向に沿って形成されている。
なお、第1の流路31において、このように周囲の圧力が低下することにより、溶融金属に一次分裂が生じる位置を、「一次分裂位置」と言う。
また、本実施形態では、内径漸減部33の内径が下方に向かって連続的に減少している。これにより、内径漸減部33の内周面は、滑らかなものとなる。そして、内径漸減部33に引き込まれた空気Gは、この内周面に沿って滞りなく加速されることとなり、第1の流路31内の圧力がより低くなる。特に、第1の流路31のうち、内径漸減部33の内径が最小となる部分331付近では、空気Gの流速が最も速くなるため、この付近の圧力がさらに低くなる。これにより、溶融金属Qをより細かく飛散させることができ、より微細な液滴Q1を得ることができる。
貯留部35は、前記給水源に接続され、当該給水源から水Sが供給される部位である。
この貯留部35は、導入路36を介して、オリフィス34と連通している。
オリフィス34は、貯留部35、導入路36を順に通過した水Sを、第1の流路31に噴射(噴出)する部位である。
このように形成されたオリフィス34により、水Sは、頂部S2が下方に位置し、ほぼ円錐形状をなすような液体ジェットS1として噴射される(図1参照)。この液体ジェットS1に液滴Q1が接触して飛散(二次分裂)され、さらに微細化される。
このようにして製造された金属粉末Rは、金属粉末製造装置1の下部に設けられた容器(図示せず)に回収される。
このような第1の流路31および第2の流路32が形成されたノズル3は、図1および図2に示すように、円盤状(リング状)の第1の部材4と、第1の部材4と同心的に設けられた円盤状(リング状)の第2の部材5とで構成されている。第2の部材5は、第1の部材4の下方に間隙37を介して設けられている。
第1の部材4および第2の部材5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、各種金属材料を用いることができ、特に、ステンレス鋼を用いるのが好ましい。
このカバー7により、下方に落下する金属粉末Rの飛散を防止することができ、よって、金属粉末Rを前記容器に確実に収納することができる。
また、カバー7は、第2の部材5の下端面51に気密的に接続されているのが好ましい。これにより、カバー7内に外気が流入するのを防止することができる。その結果、液滴Q1が二次分裂する際に、液滴Q1に外気が接触して、液滴Q1が酸化・変質してしまうのを確実に防止することができる。
かかる観点から、カバー7の内径は、オリフィス34のリング径(円環状のオリフィス34の径)の1〜4倍程度であるのが好ましく、1.5〜3倍程度であるのがより好ましい。これにより、液滴Q1を十分に冷却しつつ、カバー7内の圧力も十分に低下させることができる。
なお、カバー7の内径が前記下限値を下回ると、二次分裂において、液滴Q1を分裂してなる液滴を、十分に冷却することができないおそれがある。このため、得られた金属粉末Rの形状が異形状になるおそれがある。
ここで、従来の金属粉末製造装置(アトマイザ)では、供給部の吐出口から吐出された溶融金属が、空気中を自然落下しつつ流路を通過して、流体ジェットに接触するよう構成されていた。
さらに、このような効果により、吐出口23のサイズを小さくして溶融金属Qの吐出量を少なくした場合でも、溶融金属の温度低下による凝固や酸化による変質・劣化等を抑制し、溶融金属Qを確実に吐出することができる。また、溶融金属Qの吐出量を少なくすると、その吐出量に応じた微細な液滴Q1を形成することができるため、最終的に、より微細な金属粉末Rを得ることができる。
なお、開口部12の内径は、特に限定されないが、1〜10mm程度であるのが好ましく、1〜5mm程度であるのがより好ましい。開口部12の内径を前記範囲内とすることにより、溶融金属Qの固化物や、溶融金属Qの表面張力によって、開口部12が閉塞してしまうのが防止しつつ、微細な液滴Q1を形成することができる。
また、筒状部材10の上端は、図3に示すように供給部2の底部21に接触している。これにより、溶融金属Qの落下に引き込まれるように、筒状部材10の上方から内部に流入する空気Gを遮断することができる。その結果、前述の溶融金属Qが空気Gと接触することによる影響(溶融金属Qの経路の乱れ、温度低下、酸化等)を抑制することができる。
このとき、筒状部材10の下端は、一次分裂位置付近に位置しているのがより好ましい。これにより、溶融金属Qが筒状部材10の下端から吐出されるとともに、一次分裂を生じることとなる。その結果、特に微細な液滴Q1が得られる。
また、この一次分裂位置は、一般に、第1の流路31のうちの最も減圧される領域か、またはその近傍に位置する場合が多い。したがって、本実施形態における一次分裂位置は、前記部分331の付近に位置している。これにより、本実施形態では、筒状部材10の下端が前記部分331付近に位置していることにより、筒状部材10から吐出された溶融金属Qは、吐出直後に一次分裂する。このため、溶融金属Qを、より高温で粘度の低い状態で一次分裂させることができるので、より微細な液滴Q1が得られ、最終的に、より微細な金属粉末Rを得ることができる。
また、筒状部材10は、その上端が、供給部2に気密的に接続されているのが好ましい。これにより、筒状部材10の上方からの空気Gの流入をより確実に防止することができる。さらに、筒状部材10の下方を流れる空気Gの流れにより、筒状部材10の下端部が減圧されることとなる。その結果、溶融金属Qは、筒状部材10の開口部12から吸い出されるように吐出されるため、開口部12周辺に凝固物が付着するのを防止することができる。
なお、本実施形態では、供給部2と筒状部材10とが接触しているが、これらは離間していてもよい。
さらに、第1の流路31に流入する空気Gの流れを、筒状部材10により不本意に乱し、その結果、溶融金属Qの落下する経路が変化するのを防止することもできる。
なお、筒状部材10の底面に設けられた複数の開口部12は、1つであってもよく、さらに、筒状部材10は、底面を有しない筒状形状であってもよい。
図4に示す筒状部材10は、その下端面の周方向に沿って環状の凸部13を有している。このような凸部13は、筒状部材10の内腔部を通過した溶融金属Qを、筒状部材10の下端面の周方向に沿ってほぼ均一に分割する分割手段として簡便に用いることができるものである。この分割手段により、第1の流路31の全体にムラなく液滴Q1が落下することになるため、この液滴Q1は、円錐状の流体ジェットS1にほぼ均等に接触することができ、高い冷却効率で冷却固化される。その結果、均質な金属粉末Rをより確実に得ることができる。
このような筒状部材10を通過した溶融金属Qは、その下端の開口部12に到達すると、その表面張力により筒状部材10の内壁に移動し、この内壁を伝って凸部13の下端部に到達する。
図5に示す筒状部材10は、その下端面の周方向に沿ってほぼ均等に設けられた複数の突起部14を有している。これにより、突起部14は、筒状部材10の内腔部を通過した溶融金属Qを、筒状部材10の下端面の周方向に沿ってほぼ均一に分割する分割手段として機能する。その結果、前述の凸部13と同様の効果を奏する。
筒状部材10の構成材料としては、溶融金属Qと接触しても変質・劣化しない耐熱性を有する材料であればよく、例えば、アルミナ、ジルコニアのような各種セラミックス材料、タングステンのような各種耐熱金属材料等が挙げられる。
なお、本実施形態では、流体が水Sである場合を代表に説明した。この流体は、各種の液状またはガス状の冷媒を用いることができるが、本実施形態のように液状のものが好ましい。液状流体は、ガス状流体に比べて比重や熱容量が大きいため、溶融金属Qに接触(二次分裂)した際に、溶融金属Qをより微細化するとともに、短時間で効率よく冷却することができる。また、液状流体は、より多くの空気Gを引き込むため、第1の流路31の圧力(気圧)をより低下させることができ、一次分裂による微細化をさらに促進することができる。
このような高品質の金属粉末Rを、例えば、被処理部材の表面を研削する研削材とした場合、被処理部材に研削材、すなわち本発明の金属粉末を噴射したとき、各粒子が有する運動エネルギーがほぼ一定となり、この運動エネルギーに基づいた一定の研削力で研削加工を行うことができる。これにより、被処理部材を高い加工精度で加工することができる。
さらに、本発明の金属粉末を、例えば、成形体を形成する原料粉末として用いた場合、ボイド等の成形不良の発生を防止することができ、高密度の成形体を得ることができる。そして、この成形体を焼成することにより、高い寸法精度の焼結体を得ることもできる。
次に、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態の一部を示す拡大詳細図(模式図)である。なお、以下の説明では、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態では、図6に示すように、複数の筒状部材10’が設けられている。各筒状部材10’は、それぞれ、前記第1実施形態と同様に、その上端が供給部2の底部21に接触し、その下端は第1の流路31の途中に位置するよう配設されている。
また、各筒状部材10’は、それぞれが、前記第1実施形態の筒状部材10と同様の構成をとり得るものである。
次に、本発明の金属粉末製造装置の第3実施形態について説明する。
図7は、本発明の金属粉末製造装置の第3実施形態の一部を示す拡大詳細図(模式図)である。なお、以下の説明では、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7に示す第1の部材4には、第1の凹部43と、第1の易変形部44とが形成されている。また、第2の部材5には、第2の凹部53と、第2の易変形部54とが形成されている。
また、このように第1の易変形部44が容易に変形可能であるため、第1の易変形部44より第1の流路31の中心軸O側(図7中の右側)の第1の中心部45は、第1の易変形部44を中心として容易かつ確実に変位することができる。図7には、この変位の一例として、変位後の第1の中心部45’を、二点鎖線で示している。
なお、第1の凹部43は、図7に示すように、貯留部35と導入路36との境界38に対して内側(中心軸O側)、すなわち、図7中の右側に位置している。
なお、第1の凹部43は、図示の構成では境界38に対して内側に位置しているが、これに限定されず、境界38に対して外側に位置してもよい。
第2の凹部53は、第2の部材5の下部55のオリフィス34近傍の一部が欠損することにより形成されている。この第2の凹部53により、第2の部材5の厚さが減少し、当該厚さが減少した部分は、その物理的強度が低下して容易に変形可能となり、第2の易変形部54となる。
また、第2の凹部53は、内径漸減部33の周方向に沿って、円環状に形成されている。これにより、第2の易変形部54が内径漸減部33の周方向に沿って形成されることとなり、よって、第2の中心部56は、その周方向のいかなる部分においても均等に変位することができる。
なお、第2の凹部53は、図7に示すように、境界38に対して内側、すなわち、図7中の右側に位置している。
なお、第2の凹部53は、図示の構成では境界38に対して内側に位置しているが、これに限定されず、境界38に対して外側に位置していてもよい。
以上のような構成の金属粉末製造装置1では、オリフィス34から液体ジェットS1が噴射されたとき、当該オリフィス34を通過する水Sの圧力により、内周面341および外周面342が押圧される。このため、オリフィス34は、拡大しようとする。
また、溶融金属Qの組成が、非晶質になり得る組成であれば、液滴Q1のサイズを小さくすることによって、液滴Q1の冷却速度が高くなる。その結果、液体状態における原子配列をより確実に維持することができ、よりアモルファス化度の高い非晶質の金属粉末Rを得ることができる。
また、例えば、筒状部材の構成は、前記実施形態で説明した複数の構成を組み合わせたものでもよい。
(実施例1)
まず、Cu(銅)を高周波誘導炉で溶融して溶融物を得た。
次に、得られた溶融物を、図1に示すアトマイザ(本発明の金属粉末製造装置)により粉末化し、Cu粉末(金属粉末)を得た。
また、この円筒部材は、その内径が5mm(横断面積:19.6mm2)のものを用い、溶融金属を冷却する流体として水を用いた。
円筒部材の内径を6mm(横断面積:28.3mm2)のものを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてCu粉末を得た。
(比較例)
円筒部材を省略したアトマイザを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてCu粉末を得た。
各実施例および比較例で得られたCu粉末について、レーザー式粒度分布計により、平均粒径および粒度分布の標準偏差を得た。
これらの結果を表1に示す。
特に、実施例1のCu粉末では、このような傾向が顕著であった。
Claims (10)
- 溶融金属を供給する供給部と、
前記供給部の下方に設置され、該供給部から供給された溶融金属が通過可能な流路と、該流路の下端部に開口し、前記流路の下方に流体を噴射するオリフィスとが形成されたノズルと、を有し、
前記オリフィスから噴射された流体に、前記流路を通過した溶融金属を接触させることにより、該溶融金属を飛散させて微細な液滴に分裂させるとともに、該液滴を冷却固化させて金属粉末を製造する金属粉末製造装置であって、
前記供給部の下方に、下端が前記流路の途中に位置するように筒状部材を設け、前記供給部から供給された溶融金属を、前記筒状部材の内腔部を通過させて、前記流体に接触させるよう構成されており、
前記筒状部材は、その内腔部を通過した前記溶融金属を、前記筒状部材の下端面の周方向に沿って均一に分割する分割手段を有し、
前記分割手段は、前記筒状部材の下端面の周方向に沿って設けられた凸部で構成され、
前記凸部は、環状をなしていて、その下端が尖っていることを特徴とする金属粉末製造装置。 - 前記ノズルは、前記流路の途中に、下方に向かって内径が連続的に減少している部分を有する請求項1に記載の金属粉末製造装置。
- 前記筒状部材は、その下端が、前記流路のうち、最も内径が小さい部位の近傍に位置するよう配設されている請求項1または2に記載の金属粉末製造装置。
- 前記筒状部材は、その上端が、前記供給部に接触している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属粉末製造装置。
- 前記筒状部材は、その上端が、前記供給部に気密的に接続されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の金属粉末製造装置。
- 前記筒状部材の内腔部の横断面積は、1〜400mm2である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属粉末製造装置。
- 前記筒状部材は、ほぼ円筒状をなしている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の金属粉末製造装置。
- 前記筒状部材は、セラミックス材料で構成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の金属粉末製造装置。
- 前記流体は、液状流体である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の金属粉末製造装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の金属粉末製造装置により製造されたことを特徴とする金属粉末。
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