JP5581406B2 - 羽毛糸及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紡織技術分野に関し、具体的には、羽毛糸及びその製造方法に関する。
糸は、衣服の製作及び加工過程において、基礎と架橋の二重の役割を果たしている。これは糸が紡績工場の最終製品であるとともに、織布工場の原料でもあり、半製品として梱包されてもよく、完成品として販売されてもよいからである。
糸は、種類が多く、性能もそれぞれ異なる。天然繊維或いは各種の化学短繊維で作った純紡績糸でもよく、また、複数種類の繊維を混合させてなる混紡糸であってもよく、化学繊維を直接噴出紡糸して得たフィラメント糸であってもよい。通常、糸に用いられる原料、糸の太さ、紡糸方法、紡糸システム、糸の構造及び糸の用途などによって分類することができる。
紡績品は糸の製品の一つとして、人々の日常生活で広く応用されている。生活品質の向上に伴って、紡績品に対する要求も高くなる一方である。そこで、紡績品の製造材料は、品質の高い紡績品の開発における最大のボトルネックであり、従来技術では、シェニール糸で作った紡績品があり、当該シェニール糸は二本の芯糸を撚り合わせた後、横方向に毛糸を貫通させてなり、且つ毛糸をそれぞれ切り揃える。しかし、二本の芯糸のねじり挟持力には限りがあり、シェニール糸で作られた紡績品は洗濯の過程で、毛糸が緩んで毛羽が脱落しやすいという現象があり、繰り返し洗濯できないといった問題がある。
これに鑑み、本発明は、従来のシェニール糸で作られた紡績品の毛羽が脱落しやすく、繰り返し洗濯できないという問題を解決すべく、羽毛糸及びその製造方法を提供する。
技術的問題を解決するため、本発明の提供する技術案は次のとおりである。即ち、羽毛糸の製造方法であって、少なくとも二本の芯糸を縦方向に離間させて間隔を予め設定することと、毛糸を隣接する二本の芯糸の間で横方向に移動させ、同一のニードルで前記芯糸と編んでそれぞれループを作り、羽毛糸半製品を形成することと、前記羽毛糸半製品の隣接する芯糸の間の毛糸を切り分け、羽毛糸を形成することとを含む、羽毛糸の製造方法。
好ましくは、当該方法は、予め設定された撚り方向どおりに前記羽毛糸の芯糸の外周に併合糸を巻くことを含む。
羽毛糸であって、芯糸と、前記芯糸上に同一のニードルで編み込んだ複数本の毛糸セグメントを含み、前記毛糸セグメントは、二本の縦方向に離間させて間隔を予め設定した芯糸の間で横方向に移動して、同一のニードルで芯糸と編んでそれぞれループを作った毛糸を切り分けて形成されたものである。
好ましくは、前記毛糸セグメントは、前記芯糸の片側または両側に同一のニードルで編み込んだものである。
好ましくは、前記羽毛糸は、さらに、同一のニードルで毛糸セグメントを編み込んだ芯糸の外周に巻きつけられている併合糸を含む。
好ましくは、上記芯糸は、糸、フィラメント糸またはストレッチカバードヤーンである。
好ましくは、上記併合糸は、ストレッチカバードヤーンである。
好ましくは、上記毛糸は、糸、超極細ポリエステルフィラメント糸または三角異形ナイロンフィラメント糸あるいはこれら三種の任意の組み合わせである。
上述の技術提案によれば、本発明が提供する羽毛糸の製造方法において、毛糸は縦方向で芯糸と同一のニードルで編み、ループを作り、隣接する芯糸の間の毛糸を切り分け、羽毛糸を形成することによって、芯糸と毛糸セグメントとの抱合力が強くなり、このような羽毛糸を用いて紡績品を製作すると、従来のシェニール糸で作られた紡績品の洗濯時の毛羽脱落や繰り返し洗濯できないといった問題を解決することができる。
以下の図面を参照して、非限定的な実施例に対して詳細な説明をすることによって、本発明のほかの特徴と目的及びメリットはより明瞭になるであろう。
本発明の実施例で開示された一種の羽毛糸の製造方法のフローチャートである。 本発明の実施例で開示された一種の片側羽毛糸の構造概略図である。 本発明の実施例で開示された一種の片側羽毛糸半製品の構造概略図である。 本発明の別の実施例で開示された一種の片側羽毛糸の構造概略図である。 本発明の実施例で開示された一種の両側羽毛糸の構造概略図である。 本発明の実施例で開示された一種の両側羽毛糸の半製品の構造概略図である。 本発明の別の実施例で開示された一種の両側羽毛糸の構造概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例の技術案に対し詳細、完全な説明をする。なお、説明された実施例は、本発明のすべての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎないのは明らかである。本発明の実施例に基づき、当業者が進歩性に値する労働を必要せずに得られるそのほかのすべての実施例も本発明の保護範囲に該当する。
本発明は、従来のシェニール糸で作られた紡績品の洗濯時の毛羽脱落や繰り返し洗濯できないといった問題を解決するための、羽毛糸と羽毛糸の製造方法を開示している。
図1に示したように、上記羽毛糸の製造方法は、以下のステップを含む:
S11:少なくとも二本の芯糸を縦方向に離間させて間隔を予め設定する;
具体的には、芯糸の間の予め設定した間隔の大きさによって羽毛糸の羽毛の長さが決められる。即ち、羽毛糸の製造の必要に応じて、芯糸の間の間隔を確定する。
S12:毛糸を用いて隣接する二本の芯糸の間を横方向に移動させて、同一のニードルで芯糸と編み、それぞれループを作って、羽毛糸半製品を形成する;
上記同一のニードルで編んでループを作るとは、一本の毛糸とそのうちの一本の芯糸とを同一のニードルで編んでループを形成させ、そしてループを引っ張って、毛糸と芯糸とを互いに強く抱合させることをいう。
具体的には、上記芯糸を縦方向で平行に置き、ロッドを用いてノズルを連動させて、毛糸を横方向に左芯糸位置まで移動させると、この芯糸位置のラッチニードルが毛糸と芯糸とを同一のニードルでループに編むと同時に、右芯糸位置のラッチニードルが当該芯糸自身をループに編む。一方、ロッドを用いてノズルを連動させ、毛糸を横方向に右芯糸位置まで移動させると、この芯糸位置でのラッチニードルが毛糸と右芯糸とを同一のニードルでループに編むと同時に、左芯糸位置のラッチニードルが当該芯糸自身をループに編む。このように繰り返して、編み物が下へ行き、羽毛糸半製品が形成される。
S13:上記羽毛糸半製品の隣接する芯糸の間の毛糸を切り分けて、羽毛糸を形成する。
具体的には、羽毛糸半製品の下方垂直方向にて、隣接する二本の芯糸の間に、前後に移動する刃を設け、羽毛糸半製品が下へ行く際に隣接する二本の芯糸の間の横方向の毛糸が刃に当たり、毛糸が切り分けられ、羽毛糸半製品が二本或いは若干の羽毛糸に分割されて、最終生産品とすることが可能な羽毛糸が形成される。
芯糸が非弾性のカバードヤーンである場合、製造された羽毛糸の弾性を増加するために、当該製造方法は、さらに、上記羽毛糸の芯糸の外周に予め設定した撚り方向に併合糸を巻くことを含む。併合糸はストレッチカバードヤーンである。
ここで、撚り方向とは撚り合わせる方向をいい、つまり、撚糸における繊維の傾斜方向或いは撚り合わせた糸における単糸の傾斜方向である。一般的に、撚り方向はZ撚りとS撚りの2種類がある。単糸における繊維或いは撚り糸における単糸の、撚りをかけた後の傾斜方向は下から上にかけて右から左であればS撚りであり、右撚りとも呼ばれる。傾斜方向が下から上にかけて左から右であればZ撚りであり、左撚りとも呼ばれる。
上述の実施例に開示された製造方法で羽毛糸を製造すると、芯糸と毛糸とを同一のニードルでループに作った後引っ張った特殊な構造になり、芯糸と毛糸セグメントとの抱合力がより強く、シェニール糸で作られた紡績品の洗濯時の毛羽脱落や繰り返し洗濯できないといった課題を解決することができる。また、芯糸と毛糸との抱合力がより堅牢なので、予め毛糸を切った後の長さをより長く設定することができ、これによって、製造する羽毛糸に豊かな毛糸とやわらかな風合いを付与でき、そして、紡績品の製作要求をさらに満足することができる。
羽毛糸の製造工程においては、2種類の羽毛糸を製造することができる。以下、二つの実施例によって詳しく説明する。
図2に示したように、本発明の実施例は、片側羽毛糸を開示しており、当該片側羽毛糸は、芯糸21と、芯糸21上に同一のニードルで編み込んだ複数本の毛糸セグメント101を含み、毛糸セグメント101が芯糸21の片側に位置している。
図3に示した半製品の片側羽毛糸を参照して片側羽毛糸の製造工程を説明する。
上記片側羽毛糸半製品は、毛糸11、芯糸21と芯糸22とを含む。そこで、芯糸21と芯糸22を縦方向に離間させて間隔を予め設定し、毛糸11を横方向に芯糸21および芯糸22と同一のニードルでそれぞれループを編み、このように繰り返すことによって、編み物が下へ行き、一セットのレール状羽毛糸半製品が形成される。その具体的な交織過程は上記実施例に開示した内容と同様であるので、ここでは再度説明しない。且つ、芯糸21と芯糸22とは同一の原料であり、糸、フィラメント糸、若しくはストレッチカバードヤーンであってもよい。毛糸11は、糸、超極細ポリエステルフィラメント糸、三角異形ナイロンフィラメント糸であってもよく、生産の必要に応じて、糸、超極細ポリエステルフィラメント、三角異形ナイロンフィラメント糸三種の任意の組み合わせであってもよい。
芯糸21と芯糸22との間の間隔における中間位置にて横方向の毛糸11を分割して、毛糸11を複数本の毛糸セグメントに分割することによって、片側羽毛糸半製品は2本の片側羽毛糸に形成される。具体的には、芯糸21と芯糸21の右側に位置する毛糸セグメントとが一つの片側羽毛糸を形成し、芯糸22と芯糸22の左側に位置する毛糸とがもう一つの片側羽毛糸を形成する。
図4に示したように、片側羽毛糸の弾性を高めるために、当該片側羽毛糸の芯糸21の外周に併合糸31が巻き付けられている。具体的に、芯糸21は非弾性のカバードヤーンであり、併合糸31はストレッチカバードヤーンであって、当該ストレッチカバードヤーンは、化学繊維フィラメント糸でスパンデックスフィラメントをコーティングしたものである。
図5に示したように、本発明の実施例に開示された両側羽毛糸は、芯糸32と、芯糸32上に同一のニードルで編み込んだ複数本の毛糸セグメント401及び複数本の毛糸セグメント402とを含み、毛糸セグメント401及び402は、当該両側羽毛糸において、芯糸32の両側に位置する。
図6に示した両側羽毛糸半製品を参照して両側羽毛糸の製造工程を説明する。上記両側羽毛糸半製品は、毛糸41及び42などの複数本の同種の糸である毛糸と、芯糸31、32及び33などの複数本の同種の糸である芯糸とを含み、但し、毛糸と芯糸は同種の糸であってもよく、異なる糸であってもよい。なお、芯糸31、芯糸32と芯糸33などの複数本の芯糸は、縦方向にそれぞれ同一の間隔に予め設定されており、毛糸41は芯糸31及び芯糸32と、毛糸42は芯糸32及び芯糸33と、それぞれ所定の同一のニードルでループを作る。ほかはこれと同様である。
具体的には、ロッドを用いて複数個のノズルを連動させて、毛糸をそれぞれその対応する左芯糸位置に移動させ、この芯糸位置でのラッチニードルが毛糸と芯糸とを同一のニードルでループに編むと同時に、最も右の芯糸位置でのラッチニードルが最も右の芯糸自身をループに編む。一方、ロッドを用いて複数個のノズルを連動させて、毛糸をそれぞれ右芯糸位置に移動させると、この芯糸位置でのラッチニードルが毛糸と芯糸とを同一のニードルでループに編むと同時に、最も左の芯糸位置でのラッチニードルが最も左の芯糸自身をループに編む。このように繰り返し往復させることによって、編み物が下へ行き、ネット状の一枚の両側羽毛糸半製品を形成した。
具体的には、一枚の両側羽毛糸半製品の下方垂直方向にて、隣接する二本の芯糸の間毎に、前後移動可能な刃を設けて、一枚の両側羽毛糸半製品が下へ行く際に横方向の毛糸が刃に当って切り分けられ、一枚の両側羽毛糸半製品が複数本の両側羽毛糸に分かれる。そこで、最も左の芯糸と最も右の芯糸が形成する羽毛糸は、上記実施例に開示した片側羽毛糸と同様であり、そのほかの位置での芯糸はいずれも両側羽毛糸であり、即ち、芯糸の両側に同一のニードルで編み込んで切り分けられた毛糸セグメントを有する両側羽毛糸が形成される。
図7は本発明の別の実施例で開示された一種の両側羽毛糸の構造概略図である。上記両側羽毛糸は、毛糸セグメント401、毛糸セグメント402、芯糸32及び併合糸51を含み、但し、芯糸32は非弾性カバードヤーンであってもよく、併合糸51はストレッチカバードヤーンである。
具体的に、本実施例の芯糸及び毛糸の材質は上記の実施例と同様であるので、ここで、再び説明しない。
開示された実施例に対する上記の説明によって、当業者は本発明を実施及び使用できるようになると考えられる。これらの実施例に対する様々な変形は、当業者にとって容易であり、本文に定義された一般的な原理は本発明の精神及び範囲から離れない状況でほかの実施例にも実現できる。従って、本発明は本文に開示した実施例に限定されず、本文に開示された原理や新規な特徴と一致する最も幅広い範囲を含む。

Claims (8)

  1. なくとも二本の芯糸を縦方向で離間させて間隔を予め設定する芯糸準備工程と、
    接する二本の前記芯糸の間で、ノズルによって毛糸を横方向に移動させ、それぞれの前記芯糸位置に設けられたラッチニードルによる同一のニードルで前記毛糸と前記芯糸を編んでそれぞれループを作り、そして前記ループを引っ張り、前記毛糸と前記芯糸とを連結することにより羽毛糸半製品を形成する羽毛糸半製品形成工程と、
    前記羽毛糸半製品の隣接する前記芯糸の間の前記毛糸を切り分けて、羽毛糸を形成する羽毛糸形成工程とを含むことを特徴とする羽毛糸の製造方法であって、
    前記芯糸は縦方向で平行に配置されることを含み、
    前記羽毛糸半製品は、片側羽毛糸半製品または両側羽毛糸半製品であり、
    前記羽毛糸半製品形成工程において、下記(A)又は(B)であることを特徴とする羽毛糸の製造方法。
    (A)前記羽毛糸半製品が前記片側羽毛糸半製品である場合、ロッドを用いて前記ノズルを連動させて、前記毛糸を横方向に左芯糸位置まで移動させ、前記左芯糸位置の前記ラッチニードルによる同一の前記ニードルで前記毛糸と左芯糸とをループに編み、次に、前記毛糸を横方向に右芯糸位置まで移動させ、この前記右芯糸位置のラッチニードルによる同一の前記ニードルで前記毛糸と右芯糸とをループに編み、そしてこの繰り返しにより編み物が作られ、レール状の前記片側羽毛糸半製品が形成される。
    (B)前記羽毛糸半製品が前記両側羽毛糸半製品である場合、ロッドを用いて複数個の前記ノズルを連動させて、前記毛糸をそれぞれその対応する左芯糸位置に移動させ、前記左芯糸位置のラッチニードルによる同一の前記ニードルで前記毛糸と前記左芯糸とをループに編み、次に、前記毛糸をそれぞれその対応する右芯糸位置に移動させると、前記右芯糸位置のラッチニードルによる同一の前記ニードルで前記毛糸と前記右芯糸とをループに編み、そしてこの繰り返し往復させることにより編み物が作られ、ネット状の前記両側羽毛糸半製品が形成される。
  2. さらに、予め設定された撚り方向どおりに前記羽毛糸の前記芯糸の外周に併合糸を巻くことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の羽毛糸の製造方法。
  3. 前記併合糸は、ストレッチカバードヤーンである請求項2に記載の羽毛糸の製造方法。
  4. 糸と、前記芯糸上にラッチニードルによる同一のニードルで編み込んだ複数本の毛糸セグメントを含む羽毛糸であって、
    前記毛糸セグメントは、二本の縦方向に離間させて間隔を予め設定した前記芯糸の間で横方向に移動して、同一の前記ニードルで前記芯糸と編んでそれぞれループを作った毛糸を切り分けて形成されたものであり、
    前記芯糸と前記毛糸の連結構造は、前記同一のニードルによりそれぞれループを作った後、ループを引っ張ることにより連結する構造であることを特徴とする羽毛糸。
  5. 前記毛糸セグメントは、前記芯糸の片側または両側に同一の前記ニードルで編み込んだものであることを特徴とする、請求項4に記載の羽毛糸。
  6. さらに、前記毛糸セグメントを編み込んだ前記芯糸の外周に巻きつけられている併合糸を含むことを特徴とする、請求項4に記載の羽毛糸。
  7. 前記芯糸は、糸、フィラメント糸またはストレッチカバードヤーンであることを特徴とする、請求項4に記載の羽毛糸。
  8. 前記毛糸は、糸、超極細ポリエステルフィラメント糸または三角異形ナイロンフィラメント糸あるいはこれら三種の任意の組み合わせであることを特徴とする、請求項4乃至7のいずれか一つに記載の羽毛糸。
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