JP5580718B2 - 計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、参照面と被検面との間の絶対距離を計測する計測装置に関する。
参照面と被検面との間の絶対距離を計測する装置として、多波長光源を用いた光波干渉計測装置が知られている(特許文献1及び2参照)。かかる計測装置において、測長範囲を広くするためには波長数を選択的に増やす必要がある。例えば、近赤外帯の光源で1m程度の測長範囲を実現するためには、4つの波長を用いる必要がある。特許文献2は、波長数の増加による計測装置の複雑化及び高コスト化を抑制するために、光通信用の半導体レーザの電流変調で波長を変更し、光源の数を少なくする技術を提案している。また、参照面と被検面との間の絶対距離を計測する装置として、光源の波長を連続的に走査する波長走査型の光波干渉計測装置も知られている(特許文献3参照)。
このような計測装置においては、光源の波長の保証精度が測長精度(計測精度)の要因となる。従って、絶対距離を高精度に計測するためには、光源の波長を高精度に保証する必要がある。そこで、特許文献2及び3の技術では、エタロンやガスセルなどの波長基準を用いて光源の波長を保証している(即ち、光源の波長の保証精度を高めている)。
特開昭62−135703号公報 特許第2808136号 特公平06−052166号公報
しかしながら、特許文献2に開示されたエタロンを用いた波長保証では、エタロンの透過率ピークが環境変化に敏感であるため、長期間にわたって波長を高精度に保証することが困難である。また、特許文献2に開示されたガスセルを用いた波長保証では、光源の最小波長間隔をガスの吸収線間隔以下にすることができないため、測長範囲を十分に確保する(即ち、広範囲にわたって絶対距離を計測する)ことが困難である。例えば、光通信帯の波長基準に用いられるアセチレンガスの吸収線間隔は500pm程度であり、この場合、2.4mm程度の範囲でしか絶対距離を計測することができない。
一方、特許文献3に開示された波長走査型の計測装置においては、絶対距離を高精度に計測するために、波長の走査量を大きくする必要がある。従って、半導体レーザなどの安価な光源を用いることができず、光源の高コスト化を招いてしまう。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、参照面と被検面との間の絶対距離を広範囲、且つ、高精度に計測することができる技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての計測装置は、参照面と被検面との間の絶対距離を計測する計測装置であって、互いに異なる吸収線をそれぞれ有する複数の種類のガスが封入されたガスセルを含む波長基準素子と、光源からの光を第1の光と第2の光とに分割して、前記第1の光を前記参照面に入射させ、前記第2の光を前記被検面に入射させる光分割素子と、前記参照面で反射された前記第1の光と前記被検面で反射された前記第2の光との干渉信号を検出して、前記干渉信号から前記参照面と前記被検面との間の光路長に対応する位相を検出する位相検出部と、前記波長基準素子を用いて、前記光源から射出される光の波長を互いに異なる複数の吸収線に対応する互いに異なる複数の波長のそれぞれに設定し、前記互いに異なる複数の波長のそれぞれについて、前記参照面と前記被検面との間の光路長に対応する位相を検出するように前記位相検出部を制御して、前記絶対距離を求める処理を行う処理部と、を有し、前記互いに異なる複数の波長は、第1の基準波長と、第2の基準波長と、第3の基準波長と、第4の基準波長と、を含み、前記第1の基準波長をλ 、前記第2の基準波長をλ 、前記第3の基準波長をλ 、前記第4の基準波長をλ 、前記第1の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ 、前記第2の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ 、前記第3の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ 、前記第4の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ 、λ ・λ /|λ −λ |で表される前記第1の基準波長と前記第2の基準波長との合成波長の真空における波長をΛ 12v 、λ ・λ /|λ −λ |で表される前記第2の基準波長と前記第3の基準波長との合成波長の真空における波長をΛ 23v 、λ ・λ /|λ −λ |で表される前記第3の基準波長と前記第4の基準波長との合成波長の真空における波長をΛ 34v 、前記第4の基準波長の真空における波長をλ 4v とすると、前記処理部は、前記絶対距離をDとして、
Figure 0005580718
に従って求めることを特徴とする
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、参照面と被検面との間の絶対距離を広範囲、且つ、高精度に計測する技術を提供することができる。
本発明の第1の実施形態における計測装置の構成を示す概略図である。 図1に示す計測装置の計測処理を説明するためのフローチャートである。 第1のガスセル及び第2のガスセルのそれぞれに封入されたガスの吸収線と第1の基準波長乃至第4の基準波長との関係とを示す図である。 本発明の第2の実施形態における計測装置の構成を示す概略図である。 図4に示す計測装置の計測処理を説明するためのフローチャートである。 ガスセルに封入されたガスの吸収線と第1の基準波長乃至第3の基準波長との関係とを示す図である。 図5に示すフローチャートのS508を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における計測装置1の構成を示す概略図である。計測装置1は、参照面と被検面との間の絶対距離を計測する光波干渉計測装置である。計測装置1は、図1に示すように、波長可変光源としての第1の光源102と、固定波長光源としての第2の光源104と、ビームスプリッタ106a、106b及び106cと、分光素子108a、108b及び108cとを有する。また、計測装置1は、光量検出部110a、110b、110c、110d及び110eと、第1のガスセル112と、第2のガスセル114と、波長制御部116と、光分割素子としてのビームスプリッタ118と、分光素子120とを有する。更に、計測装置1は、位相検出部122及び124と、環境検出部126と、処理部128とを有する。なお、ビームスプリッタ106b及び106c、分光素子108a乃至108c、光量検出部110a乃至110e、第1のガスセル112、第2のガスセル114、及び、波長制御部116は、光源制御系LCを構成する。また、ビームスプリッタ118、分光素子120、位相検出部122及び124、環境検出部126、及び、処理部128は、干渉計測系IMを構成する。
第1の光源102から射出される光及び第2の光源104から射出される光のそれぞれは、ビームスプリッタ106aを介して(即ち、ビームスプリッタ106aによって2つの光に分割され)、光源制御系LC及び干渉計測系IMのそれぞれに導光される。
第1の光源102及び第2の光源104は、本実施形態では、光通信用に量産され、容易、且つ、安価に入手可能な分布帰還形(DFB)半導体レーザを用いる。DFB半導体レーザは、駆動電流を変調させることで連続的に波長を変更することができる。但し、第1の光源102及び第2の光源104は、DFB半導体レーザに限定されるものではなく、外部共振器型の半導体レーザやファイバレーザなどを用いてもよい。
光源制御系LCに導光された光は、ビームスプリッタ106bを介して(即ち、ビームスプリッタ106bによって2つの光に分割され)、分光素子108a及びビームスプリッタ106cのそれぞれに導光される。
分光素子108aに導光された光は、第1の光源102からの光と第2の光源104からの光とに分離(分岐)され、それぞれの光の光量が光量検出部110a及び110bで検出される。分光素子108aは、例えば、ダイクロイックミラーで構成される。但し、分光素子108aは、ダイクロイックミラーに限定されるものではなく、プリズム、バルク型の回折格子、アレイ導波路型の回折格子などで構成してもよく、必要な波長分解能及びコストから選択することが可能である。
ビームスプリッタ106cに導光された光は、2つの光に分割され、第1のガスセル112及び分光素子108bに導光される。第1のガスセル112に導光された光は、分光素子108cを介して、第1の光源102からの光と第2の光源104からの光とに分離され、それぞれの光が光量検出部110c及び110dに導光される。また、分光素子108bに導光された光は、第1の光源102からの光と第2の光源104からの光とに分離され、第1の光源からの光が第2のガスセル114に導光される。従って、第1の光源102からの光は、第1のガスセル112及び第2のガスセル114を並列に通過(透過)して、その光量が光量検出部110c及び110eで検出される。また、第2の光源104からの光は、第1のガスセル112を通過(透過)して、その光量が光量検出部110dで検出される。
第1のガスセル112には、互いに異なる複数の種類のガスが封入され、本実施形態では、12ガスと13ガスとの混合ガスが封入されている。但し、第1のガスセル112に封入するガスはこれらに限定されるものではなく、例えば、アセチレン、アセチレン同位体、シアン化水素及びシアン化水素同位体の少なくとも2つを封入してもよい。また、第2のガスセル114には、単一種類のガスが封入され、本実施形態では、H1214Nガスが封入されている。
波長制御部116は、光量検出部110a乃至110eで検出される光量に基づいて、第1の光源102から射出される光の波長及び第2の光源104から射出される光の波長を制御する(即ち、波長を安定化させる)。例えば、波長制御部116は、第1の光源102及び第2の光源104の温度を変調させたり、第1の光源102及び第2の光源104に与える電流を変調させたりすることで、第1の光源102及び第2の光源104のそれぞれから射出される光の波長を制御する。本実施形態では、波長制御部116は、第1の光源102から射出される光の波長を互いに異なる3つの波長、即ち、第1の基準波長λ、第2の基準波長λ及び第3の基準波長λのそれぞれに制御する。また、波長制御部116は、第2の光源104から射出される光の波長を第4の基準波長λに制御する。
一方、干渉計測系IMに導光された光は、ビームスプリッタ118を介して(即ち、ビームスプリッタ118によって2つの光(第1の光、及び、第2の光)に分割され)、参照面RS及び被検面TSのそれぞれに導光される。参照面RSは、例えば、複数の反射面からなるコーナキューブで構成され、ビームスプリッタ118と共に距離計測の基準となる基準構造体に固定されている。被検面TSは、参照面RSと同様に、コーナキューブで構成され、距離計測の対象物体(被検物体)に固定されている。
参照面RSで反射された光(参照光)と被検面TSで反射された光(被検光)とは、ビームスプリッタ118で合波され(即ち、干渉光となり)、分光素子120に入射する。分光素子120に入射した光は、第1の光源102からの光と第2の光源104からの光とに分離(分岐)され、それぞれの光が位相検出部122及び124に導光される。
位相検出部122及び124は、参照光と被検光との干渉信号を検出して、参照面と被検面の位置情報を含む位相を取得する。本実施形態では、位相検出部122は、第1の光源102からの光の波長、即ち、第1の基準波長λ、第2の基準波長λ及び第3の基準波長λのそれぞれについて、参照面RSと被検面TSとの間の光路長に対応する位相を検出する。また、位相検出部124は、第2の光源104からの光の波長、即ち、第4の基準波長λについて、参照面RSと被検面TSとの間の光路長に対応する位相を検出する。
環境検出部126は、被検面TSの近傍に配置され、被検面TSの近傍、具体的には、参照面RSと被検面TSとの間の空間の環境を計測する。環境検出部126は、例えば、参照面RSと被検面TSとの間の空間の気体の温度を検出する温度計と、参照面RSと被検面TSとの間の空間の気圧を検出する気圧計とを含み、参照面RSと被検面TSとの間の空間(即ち、大気)の群屈折率を検出する。
処理部128は、位相検出部122及び124のそれぞれで検出される位相、及び、環境検出部126で検出される屈折率を用いて、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を求める処理を行う。また、処理部128は、波長制御部116を介して、第1の光源102及び第2の光源104のそれぞれから射出される光の波長を制御する。
図2を参照して、計測装置1の計測処理(即ち、処理部128による参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を求める処理)について説明する。計測装置1の計測処理は、S204乃至S214の多波長計測処理と、S216乃至S224の相対距離計測処理とに分類される。
S202では、多波長計測処理を実施するかどうかを判定する。例えば、絶対距離の計測開始直後や第2の光源104からの光が遮光されるなどして過去の位相検出履歴が失われた場合には、多波長計測処理を実施することが必要となる。なお、多波長計測処理を実施するかどうかの判定は、処理部128によって自動的に行われ、多波長計測処理を実施すると判定された場合には、S204に移行し、多波長計測処理を実施しないと判定された場合には、S216に移行する。
S204では、第1の光源102から射出される光の波長を第1の基準波長λに設定する(即ち、第1の基準波長λにおける波長安定化制御を開始する)。本実施形態では、図3に示すように、第1のガスセル112に封入された12ガスが有する吸収線S11に対応する波長を第1の基準波長λとして、第1の光源102から射出される光の波長の安定化を行う。具体的には、第1の光源102から射出される光の波長を走査したときに光量検出部110cで検出される光量の変化から吸収線S11を特定する。そして、吸収線S11の裾において、光量検出部110aで検出される光量と光量検出部110cで検出される光量との比が一定となるように、第1の光源102からの光の波長を制御(調整)する。なお、電気光学変調器によって周波数変調された光を用いて、光源からの光の波長を吸収線の中心波長に安定化させてもよい。
S206では、第1の基準波長λにおける位相φを検出する。位相の検出とは、参照光と被検光との干渉信号の位相を検出することである。位相検出部122での位相の検出には、例えば、光波を空間的に3分割し、偏光素子を用いて2π/3の位相差を与えた光を3つのセンサで検出する技術など、当業界で周知の技術を適用することができる。
S208では、第1の光源102から射出される光の波長を第2の基準波長λに設定する(即ち、第2の基準波長λにおける波長安定化制御を開始する)。本実施形態では、図3に示すように、第2のガスセル114に封入されたH1214Nガスが有する吸収線S12に対応する波長を第2の基準波長λとして、第1の光源102から射出される光の波長の安定化を行う。なお、第2の基準波長λにおける波長安定化制御については、第2のガスセル114及び光量検出部110eを用いることを除いてS202と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
S210では、第2の基準波長λにおける位相φを検出する。なお、第2の基準波長λにおける位相φの検出については、S206と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
S212では、S202と同様にして、第1の光源102から射出される光の波長を第3の基準波長λに設定する(即ち、第3の基準波長λにおける波長安定化制御を開始する)。本実施形態では、図3に示すように、第1のガスセル112に封入された13ガスが有する吸収線S13に対応する波長を第3の基準波長λとして、第1の光源102から射出される光の波長の安定化を行う。
S214では、S206と同様にして、第3の基準波長λにおける位相φを検出する。
S216では、第2の光源104から射出される光の波長を第4の基準波長λに設定する(即ち、第4の基準波長λにおける波長安定化制御を開始する)。本実施形態では、図3に示すように、第1のガスセル112に封入された13ガスが有する吸収線S14に対応する波長を第4の基準波長λとして、第2の光源104から射出される光の波長の安定化を行う。なお、第4の基準波長λにおける波長安定化制御については、S204と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
S218では、第4の基準波長λにおける位相φを検出する。なお、第4の基準波長λにおける位相φの検出については、位相検出部124を用いることを除いてS206と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態では、第1の光源102と同じDFB半導体レーザを第2の光源104に用いているため、S216における波長安定化制御とS204、S208及びS212における波長安定化制御を共通にすることができる。同様に、S218における位相の検出とS206、S210及びS214における位相の検出を共通にすることができる。
ここで、4つの基準波長(第1の基準波長λ乃至第4の基準波長λ)を用いた多波長干渉計測で絶対距離を計測するための各基準波長の条件、及び、第1のガスセル112及び第2のガスセル114の詳細について説明する。
本実施形態では、第1の基準波長λ乃至第4の基準波長λの関係は、λ<λ<λ<λ、及び、Δλ12<Δλ23<Δλ34を満たすものとする。なお、Δλ12、Δλ23及びΔλ34のそれぞれは、Δλ12=|λ−λ|、Δλ23=|λ−λ|、Δλ34=|λ−λ|である。
λ・λ/|λ−λ|で表される第1の基準波長λと第2の基準波長λとの合成波長をΛ12とする。また、λ・λ/|λ−λ|で表される第2の基準波長λと第3の基準波長λとの合成波長をΛ23とする。また、λ・λ/|λ−λ|で表される第3の基準波長λと第4の基準波長λとの合成波長をΛ34とする。このように、多波長干渉計測においては、以下の式(1)で表される合成波長Λ12、Λ23及びΛ34のうち、最大波長となるΛ12と最小波長となるΛ34が、以下の式(2)及び(3)で表される条件式を満たすように波長を設定(選択)する必要がある。
Figure 0005580718
なお、dは、計測装置1(干渉計測系IM)の最大測長範囲である。式(2)及び(3)の制約から、各基準波長の波長差は、以下の式(4)、(5)及び(6)で表される条件式の範囲内で選択する必要がある。
Figure 0005580718
なお、dφは、計測装置1(位相検出部122及び124)の位相の検出精度である。式(4)において、λ=1500nm、d=1m、dφ=10−3[wave]とすると、1.5fm<Δλ12<1.1pmとなる。光通信帯の標準ガスであるアセチレン、シアン化水素などのガスが有する吸収線の間隔(吸収線間隔)は500pm程度である。従って、単一の種類のガスを封入したガスセルを波長基準素子として用いた場合には、上述した波長差を実現することができない。一方、複数の種類のガスを封入したガスセルを波長基準素子として用いた場合には、かかる複数の種類のガスが有する吸収線から適切な吸収線を吸収線S11及びS12として選択することで上述した波長差を実現することが可能である。
本実施形態では、12ガスが有する1526.8742nmの吸収線を吸収線S11とし、H1214Nガスが有する1526.8748nmの吸収線を吸収線S12とすることで、Δλ12=0.6pmを実現している。また、Δλ12は各ガスが有する吸収線の線幅(数pm)よりも狭いため、12ガス及びH1214Nガスを同一のガスセルに封入した場合、吸収線が重なり、波長安定化の精度が低下することがある。そこで、本実施形態では、第1のガスセル112に12ガスを封入し、第2のガスセル114にH1214Nガスを封入している。また、第1のガスセル112には、第3の基準波長λ及び第4の基準波長λにおける波長安定化制御に用いる13ガスも封入されている。
また、波長安定化制御において、各基準波長に対応する吸収線スペクトルは同形であるとよい。例えば、吸収線S11と吸収線S12とを比較すると、吸収線S11の吸収線強度よりも吸収線S12の吸収線強度が小さい。このような場合には、第2のガスセル114の長さを第1のガスセル112の長さよりも長くすることで、吸収線S11の吸収率と吸収線S12の吸収率とを揃えることができる。なお、ガスセルの圧力を変更することで、吸収線の吸収率を調整することも可能である。
式(5)において、第2の基準波長λとしてH1214Nガスが有する吸収線S12に対応する波長を用いた場合、Δλ23の範囲は、1.5pm<Δλ23<600pmとなる。DFB半導体レーザの電流敏感度は数pm/mAであるため、Δλ23を数10pm程度にすることで、同一の光源(即ち、第1の光源102)を用いて第1の基準波長λ乃至第3の基準波長λを得ることができる。
本実施形態では、13ガスが有する1526.9467nmの吸収線を吸収線S13としている。上述したように、13ガスは12ガスと混合されて第1のガスセル112に封入されている。また、吸収線S11と吸収線S13とを比較すると、吸収線S11の吸収線強度よりも吸収線S13の吸収線強度が小さい。このような場合には、第1のガスセル112において、13ガスの分圧を12ガスの分圧よりも大きくすることで、吸収線S11の吸収率と吸収線S13の吸収率とを揃えることができる。
式(6)において、第3の基準波長λとして13ガスが有する吸収線S13に対応する波長を用いた場合、Δλ34の範囲は、1.5nm<Δλ34<75.4nmとなる。Δλ34の範囲は、単一の種類のガスが有する吸収線の間隔よりも十分に広いため、第4の基準波長λに対応する吸収線S14の選択性は広い。本実施形態では、13ガスが有する1530.7388nmの吸収線を吸収線S14としている。
このように、本実施形態では、第1のガスセル112には、第1の吸収線を有するガス(例えば、12ガス)と、第2の吸収線を有するガス(例えば、13ガス)とが少なくとも封入されている。また、第2のガスセル114には、第3の吸収線を有するガス(例えば、H1214Nガス)が少なくとも封入されている。そして、第1の吸収線(例えば、吸収線S11)、第2の吸収線(例えば、吸収線S13)、第3の吸収線(例えば、吸収線S12)は、前記第1の吸収線に対応する波長<前記第3の吸収線に対応する波長<前記第2の吸収線に対応する波長の関係を満たす。
なお、第1の基準波長λ乃至第3の基準波長λにおける波長安定化制御と第4の基準波長λにおける波長安定化制御とでは、光源だけではなく、波長安定化制御に用いる光量検出部及び位相検出部も異なる。従って、第1の基準波長λ乃至第3の基準波長λにおける波長安定化制御と独立して、第4の基準波長λに安定化された第2の光源104を用いて位相を検出することが可能であり、S216乃至S224の相対距離計測処理を常に行うことができる。
図2に戻って、S216では、被検面TSの近傍、即ち、参照面RSと被検面TSとの間の空間の環境を検出する。本実施形態では、参照面RSと被検面TSとの間の空間の湿度は保証されているものとし、環境検出部126は、かかる空間の温度t[℃]と気圧p[Pa]を検出して、検出結果を処理部128に入力する。
S222では、第1の基準波長λ、第2の基準波長λ、第3の基準波長λ及び第4の基準波長λのそれぞれについて、参照面RSと被検面TSとの間の空間の大気屈折率n、n、n及びnを算出する。まず、乾燥気体の大気屈折率nは、温度t[℃]及び気圧p[Pa]からEdlenの式を用いて、以下の式(7)で算出される。
Figure 0005580718
なお、参照面RSと被検面TSとの間の空間の気体が乾燥気体でない場合も考えられる。このような場合には、環境検出部126は、かかる気体の湿度を検出する湿度計を含む必要があり、式(7)の代わりに湿度補正項を含むEldenの式を用いればよい。また、空調などで大気環境が十分に制御され、屈折率が安定しているとみなせる(即ち、屈折率の変化がない)空間においては、2回目以降のS220及びS222を省略することができる。
S224では、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離Dを算出する。具体的には、絶対距離Dは、以下の式(8)で算出される。なお、以下の式(9)乃至(18)は、式(8)における各変数を定義する式である。式(9)乃至(11)の左辺は、合成波長Λ34、Λ23及びΛ12を用いて算出される測長距離に相当する。λ4v、Λ12v、Λ23v及びΛ34vは、λ、Λ12、Λ23及びΛ34の真空における波長に相当する。n12、n23及びn34は、λとλの群屈折率、λとλの群屈折率、λとλの群屈折率に相当する。また、round(A)は、引数Aを整数に丸める関数を表す。
Figure 0005580718
S226では、計測処理(参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を求める処理)を終了するかどうかを判定する。計測処理を終了すると判定された場合には、計測処理を終了する。また、計測処理を終了しないと判定された場合には、S202に移行して、多波長計測処理を実施するかどうかを判定する。この際、多波長計測処理を実施しないと判定された場合には、S204乃至S214が省略され、S216乃至S224が実行されることになる。なお、S204乃至S214がi回省略された場合には、絶対距離Dは、以下の式(19)で算出される。
Figure 0005580718
式(19)において、D(0)は、S204乃至S224を実行し、式(8)で算出された最後の絶対距離に相当する。また、λ4v(i)及びφ(i)のそれぞれは、i回目のλの真空における波長及び位相に相当する。
このように、本実施形態の計測装置1によれば、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を広範囲、且つ、高精度に計測することができる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態における計測装置1Aの構成を示す概略図である。計測装置1Aは、計測装置1と比較して、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を求める計測処理が異なる。また、計測装置1Aは、基本的には、計測装置1と同様な構成を有するが、第1のガスセル112及び第2のガスセル114の2つのガスセルではなく、1つのガスセル130を有する。従って、計測装置1Aは、計測装置1に対して、より簡易な構成になっている。なお、計測装置1Aにおいて、ビームスプリッタ106b、分光素子108a及び108b、光量検出部110a乃至110d、ガスセル130、及び、波長制御部116は、光源制御系LCを構成する。また、ビームスプリッタ118、分光素子120、位相検出部122及び124、環境検出部126、及び、処理部128は、干渉計測系IMを構成する。
第1の光源102から射出される光及び第2の光源104から射出される光のそれぞれは、ビームスプリッタ106aを介して(即ち、ビームスプリッタ106aによって2つの光に分割され)、光源制御系LC及び干渉計測系IMのそれぞれに導光される。
光源制御系LCに導光された光は、ビームスプリッタ106bを介して(即ち、ビームスプリッタ106bによって2つの光に分割され)、分光素子108a及びガスセル130のそれぞれに導光される。分光素子108aに導光された光は、第1の光源102からの光と第2の光源104からの光とに分離(分岐)され、それぞれの光の光量が光量検出部110a及び110bで検出される。ガスセル130に導光された光は、分光素子108bを介して、第1の光源102からの光と第2の光源104からの光とに分離され、それぞれの光が光量検出部110c及び110dに導光される。従って、第1の光源102及び第2の光源104のそれぞれからの光は、ガスセル130を通過(透過)して、その光量が光量検出部110c及び110dで検出される。
ガスセル130には、互いに異なる複数の種類のガスが封入され、本実施形態では、12ガスと13ガスとの混合ガスが封入されている。
波長制御部116は、光量検出部110a乃至110dで検出される光量に基づいて、第1の光源102から射出される光の波長及び第2の光源104から射出される光の波長を制御する(即ち、波長を安定化させる)。本実施形態では、波長制御部116は、第1の光源102から射出される光の波長を互いに異なる2つの波長、即ち、第1の基準波長λ及び第2の基準波長λのそれぞれに制御する。また、波長制御部116は、第2の光源104から射出される光の波長を第3の基準波長λに制御する。
一方、干渉計測系IMに導光された光は、ビームスプリッタ118を介して(即ち、ビームスプリッタ118によって2つの光(第1の光、及び、第2の光)に分割され)、参照面RS及び被検面TSのそれぞれに導光される。
参照面RSで反射された光(参照光)と被検面TSで反射された光(被検光)とは、ビームスプリッタ118で合波され(即ち、干渉光となり)、分光素子120に入射する。分光素子120に入射した光は、第1の光源102からの光と第2の光源104からの光とに分離(分岐)され、それぞれの光が位相検出部122及び124に導光される。
位相検出部122及び124は、参照光と被検光との干渉信号を検出して、参照面と被検面の位置情報を含む位相を取得する。本実施形態では、位相検出部122は、第1の光源102からの光の波長、即ち、第1の基準波長λ及び第2の基準波長λのそれぞれについて、参照面RSと被検面TSとの間の光路長に対応する位相を検出する。また、位相検出部124は、第2の光源104からの光の波長、即ち、第3の基準波長λについて、参照面RSと被検面TSとの間の光路長に対応する位相を検出する。
処理部128は、位相検出部122及び124のそれぞれで検出される位相、及び、環境検出部126で検出される屈折率を用いて、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を求める処理を行う。また、処理部128は、波長制御部116を介して、第1の光源102及び第2の光源104のそれぞれから射出される光の波長を制御する。
図5を参照して、計測装置1Aの計測処理(即ち、処理部128による参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を求める処理)について説明する。計測装置1Aの計測処理は、S502乃至S518の干渉次数決定処理と、S520乃至S526の相対距離計測処理とに分類される。
S502では、干渉次数決定処理を実施するかどうかを判定する。例えば、絶対距離の計測開始直後や第2の光源104からの光が遮光されるなどして過去の位相検出履歴が失われた場合には、干渉次数決定処理を実施することが必要となる。なお、干渉次数決定処理を実施するかどうかの判定は、処理部128によって自動的に行われ、干渉次数決定処理を実施すると判定された場合には、S504に移行し、干渉次数決定処理を実施しないと判定された場合には、S520に移行する。
S504では、第1の光源102から射出される光の波長を第1の基準波長λに設定する(即ち、第1の基準波長λにおける波長安定化制御を開始する)。本実施形態では、図6に示すように、ガスセル130に封入された12ガスが有する吸収線S21に対応する波長を第1の基準波長λとして、第1の光源102から射出される光の波長の安定化を行う。
S506では、第1の基準波長λにおける位相φを検出する。上述したように、位相の検出とは、参照光と被検光との干渉信号の位相を検出することである。ここで、第1の基準波長λにおける位相φについて説明する。第1の光源102から参照面RSまでの距離をL、被検光と参照光との光路長差を2n(λ)Dとする。なお、n(λ)は、波長λにおける被検光の光路の屈折率であり、Dは、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離である。この場合、基準信号Iref及び計測信号Itestのそれぞれは、以下の式(20)で表される。
Figure 0005580718
式(20)を参照するに、S506で検出される第1の基準波長λにおける位相φは、以下の式(21)で表される。式(21)において、mod(u,k)は、第1引数uの第2引数kに対する余剰を表すものとする。
Figure 0005580718
S508では、第1の光源102から射出される光の波長を第1の基準波長λから第2の基準波長λに連続的に変更(走査)しながら(即ち、第1の基準波長λにおける波長安定化制御を解除して)位相の飛び数を計測する。本実施形態では、図6に示すように、ガスセル130に封入された13ガスが有する吸収線S22に対応する波長を第2の基準波長λとする。
なお、S508は、第1の基準波長λから第2の基準波長λに連続的に変更することで発生する積算位相を計測する工程であるとも言える。第1の光源102から射出される光の波長を第1の基準波長λから第2の基準波長λに連続的に変更する(図7(a)参照)ことに伴って、位相は、図7(b)に示すように、単調に変化する。位相計で検出可能な位相の範囲は±πであるため、±πを超えると位相飛びが発生する。積算位相を計測することは、位相飛びをカウントすることに相当する。以下、S508で計測される位相の飛び数をMとする。
S510では、第1の光源102から射出される光の波長が第1の基準波長λから第2の基準波長λに変更された時点で、第2の基準波長λにおける波長安定化制御を開始する。
S512では、第2の基準波長λにおける位相φを検出する。S512で検出される第2の基準波長λにおける位相φは、以下の式(22)で表される。なお、nは、第2の基準波長λにおける被検光の光路の屈折率である。
Figure 0005580718
式(21)及び(22)を参照するに、位相の飛び数Mは、以下の式(23)で表される。ここで、Λ12は、λ・λ/|λ−λ|で表される第1の基準波長λと第2の基準波長λとの合成波長である。なお、式(23)に示すように、位相の飛び数Mは、合成波長Λ12の干渉次数に相当するため、以下では、合成波長の干渉次数Mと称する。また、n12は、波長λ及びλに対する群屈折率を表す。
Figure 0005580718
S514では、第2の光源104から射出される光の波長を第3の基準波長λに設定する(即ち、第3の基準波長λにおける波長安定化制御を開始する)。本実施形態では、図6に示すように、ガスセル130に封入された13ガスが有する吸収線S23に対応する波長を第3の基準波長λとして、第2の光源104から射出される光の波長の安定化を行う。
S516では、第3の基準波長λにおける位相φを検出する。第3の基準波長λにおける位相φは、以下の式(24)で表される。なお、nは、第3の基準波長λにおける被検光の光路の屈折率である。また、n13は、波長λ及びλに対する群屈折率を表す。
Figure 0005580718
S518では、第3の基準波長λにおける干渉次数を算出する。合成波長Λ12、λ・λ/|λ−λ|で表される第1の基準波長λと第3の基準波長λとの合成波長Λ13、及び、第3の基準波長λから算出される絶対距離D12、D13、Dのそれぞれは、以下の式(25)、(26)及び(27)で表される。
Figure 0005580718
式(25)、(26)及び(27)において、λ、Λ12及びΛ13の間には、λ<<Λ13<<Λ12の関係があるため、干渉次数N及びM13は、以下の式(28)で表される。
Figure 0005580718
また、位相の検出精度をdφとすると、干渉次数N及びM13を誤差なく決定(算出)するための条件は、以下の式(29)及び(30)で表される。
Figure 0005580718
ここで、式(29)及び(30)を満たすために要求される各基準波長の条件、及び、ガスセル130の詳細について説明する。
式(29)の左辺の第2項及び第3項において、D=1.0m、λ=1.5μmである場合には、D/λ≒10となる。一方、dΛ13/Λ13及びdλ/λは、ガスセル130に封入された複数のガスが有する吸収線を用いた波長安定化によって、10−7を実現することができる。従って、式(29)における制約条件は、左辺の第1項となる。
dφ/2πが10−3[wave]程度であるとすると、Λ13が0.3mmとなるように第1の基準波長λを選択することで、式(29)を満たすことが可能となる。このとき、第1の基準波長λと第3の基準波長λとの波長差Δλ13≒λ /Λ12であり、Δλ13=7.5nm程度となる。7.5nmは、ガスセル130に封入された複数の種類のガスが有する吸収線の間隔(吸収線間隔)よりも十分に広いため、第3の基準波長λに対する第1の基準波長λの選択性は広い。
また、上述した条件下では、式(30)において、D/Λ13は10〜10程度となる。従って、式(30)における制約条件も左辺の第1項となる。Λ13=0.3mm、dφ/2πが10−3[wave]程度であるとすると、Λ12が60mm程度であれば、式(30)を満たすことが可能となる。このとき、第1の基準波長λと第2の基準波長λとの波長差Δλ12は、40pm程度となる。
光通信帯の標準ガスが有する吸収線の間隔(吸収線間隔)は500pm程度であるため、単一の種類の標準ガスを封入したガスセルを波長基準素子として用いた場合には、波長差Δλ12を実現することができない。一方、複数の種類のガスを封入したガスセルを波長基準素子として用いた場合には、かかる複数の種類のガスが有する吸収線から適切な吸収線を吸収線S21及びS22として選択することで波長差Δλ12を実現することが可能である。
本実施形態では、12ガスが有する1535.3927nmの吸収線を吸収線S21とする。また、13ガスが有する1535.4298nmの吸収線を吸収線S22とし、13ガスが有する1527.8604nmの吸収線を吸収線S23とする。このとき、Δλ12=37pm、Δλ13=7.5nmである。本実施形態において、吸収線S21、S22及びS23のそれぞれの吸収線強度を比較すると、S23>S21>S22となる。そこで、ガスセル130において、13ガスの分圧を12ガスの分圧よりも大きくすることで、吸収線S22及びS23の吸収率を吸収線S21の吸収率と同程度又は吸収線S21の吸収率よりも大きくなるように調整している。
また、本実施形態では、2D/λ>2D/Λ13であるため、式(29)及び(30)におけるdΛ12/Λ12は、dλ/λよりも大きくすることができる。従って、dΛ12を決定する第2の基準波長λの波長安定性は、第3の基準波長λの波長安定性よりも低精度でよく、吸収線S22の吸収率は、吸収線S23の吸収率よりも小さくてよい。また、ガスセル130に12ガスと13ガスとを封入するのではなく、12ガスと13ガスとがそれぞれ封入されたガスセル(12ガスが封入されたガスセルと13ガスが封入されたガスセル)を用いてもよい。12ガスと13ガスとを独立してガスセルに封入した場合には、12ガスと13ガスとを混合して封入した場合と比較して、ガスセルの全長は長くなる。但し、それぞれのガスセルのセル長と圧力を用いてより詳細な吸収率の調整が可能となる。
S520及びS522は、S220及びS222と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。S524では、第3の基準波長λにおける位相φを検出する。
S526では、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を算出する。具体的には、上述した式(27)に従って絶対距離を算出する。但し、特に、干渉次数決定処理を実施した後、絶対距離を求める際には、以下の式(31)に従って絶対距離を求める。
Figure 0005580718
S528では、計測処理(参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を求める処理)を終了するかどうかを判定する。計測処理を終了すると判定された場合には、計測処理を終了する。また、計測処理を終了しないと判定された場合には、S502に移行して、干渉次数決定処理を実施するかどうかを判定する。
このように、本実施形態の計測装置1Aによれば、簡易な構成でありながら、参照面RSと被検面TSとの間の絶対距離を広範囲、且つ、高精度に計測することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (5)

  1. 参照面と被検面との間の絶対距離を計測する計測装置であって、
    互いに異なる吸収線をそれぞれ有する複数の種類のガスが封入されたガスセルを含む波長基準素子と、
    光源からの光を第1の光と第2の光とに分割して、前記第1の光を前記参照面に入射させ、前記第2の光を前記被検面に入射させる光分割素子と、
    前記参照面で反射された前記第1の光と前記被検面で反射された前記第2の光との干渉信号を検出して、前記干渉信号から前記参照面と前記被検面との間の光路長に対応する位相を検出する位相検出部と、
    前記波長基準素子を用いて、前記光源から射出される光の波長を互いに異なる複数の吸収線に対応する互いに異なる複数の波長のそれぞれに設定し、前記互いに異なる複数の波長のそれぞれについて、前記参照面と前記被検面との間の光路長に対応する位相を検出するように前記位相検出部を制御して、前記絶対距離を求める処理を行う処理部と、
    を有し、
    前記互いに異なる複数の波長は、第1の基準波長と、第2の基準波長と、第3の基準波長と、第4の基準波長と、を含み、
    前記第1の基準波長をλ、前記第2の基準波長をλ、前記第3の基準波長をλ、前記第4の基準波長をλ、前記第1の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ、前記第2の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ、前記第3の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ、前記第4の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ、λ・λ/|λ−λ|で表される前記第1の基準波長と前記第2の基準波長との合成波長の真空における波長をΛ12v、λ・λ/|λ−λ|で表される前記第2の基準波長と前記第3の基準波長との合成波長の真空における波長をΛ23v、λ・λ/|λ−λ|で表される前記第3の基準波長と前記第4の基準波長との合成波長の真空における波長をΛ34v、前記第4の基準波長の真空における波長をλ4vとすると、
    前記処理部は、前記絶対距離をDとして、
    Figure 0005580718
    に従って求めることを特徴とする計測装置。
  2. 参照面と被検面との間の絶対距離を計測する計測装置であって、
    互いに異なる吸収線をそれぞれ有する複数の種類のガスが封入されたガスセルを含む波長基準素子と、
    光源からの光を第1の光と第2の光とに分割して、前記第1の光を前記参照面に入射させ、前記第2の光を前記被検面に入射させる光分割素子と、
    前記参照面で反射された前記第1の光と前記被検面で反射された前記第2の光との干渉信号を検出して、前記干渉信号から前記参照面と前記被検面との間の光路長に対応する位相を検出する位相検出部と、
    前記波長基準素子を用いて、前記光源から射出される光の波長を互いに異なる複数の吸収線に対応する互いに異なる複数の波長のそれぞれに設定し、前記互いに異なる複数の波長のそれぞれについて、前記参照面と前記被検面との間の光路長に対応する位相を検出するように前記位相検出部を制御して、前記絶対距離を求める処理を行う処理部と、
    を有し、
    前記互いに異なる複数の波長は、第1の基準波長と、第2の基準波長と、第3の基準波長とを含み、
    前記処理部は、前記波長基準素子を用いて前記光源から射出される光の波長を前記第1の基準波長から前記第2の基準波長に連続的に変更させながら前記第1の基準波長と前記第2の基準波長と前記第3の基準波長のそれぞれについて、前記参照面と前記被検面との間の光路長に対応する位相を検出するように前記位相検出部を制御し、
    前記第1の基準波長をλ、前記第2の基準波長をλ、前記第3の基準波長をλ、前記第1の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ、前記第2の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ、前記第3の基準波長において前記位相検出部で検出される位相をφ、前記光源から射出される光の波長を前記第1の基準波長から前記第2の基準波長に連続的に変更した際に発生する位相飛び数をM、λ・λ/|λ−λ|で表される前記第1の基準波長と前記第2の基準波長との合成波長をΛ12、λ・λ/|λ−λ|で表される前記第1の基準波長と前記第3の基準波長との合成波長をΛ13、前記参照面と前記被検面との間の空間におけるλの屈折率をn、λとλに対する群屈折率をn12、λとλに対する群屈折率をn13とすると、
    前記処理部は、前記絶対距離をDとして、
    Figure 0005580718
    に従って求めることを特徴とする計測装置。
  3. 前記第1の基準波長に対応する吸収線の吸収率及び前記第2の基準波長に対応する吸収線の吸収率のうち小さい方の吸収率は、前記第3の基準波長に対応する吸収線の吸収率よりも小さいことを特徴とする請求項に記載の計測装置。
  4. 前記ガスセルは、
    第1の吸収線を有するガスと、第2の吸収線を有するガスとが少なくとも封入された第1のガスセルと、
    第3の吸収線を有するガスが少なくとも封入された第2のガスセルと、
    を含み、
    前記第1の吸収線、前記第2の吸収線及び第3の吸収線は、
    前記第1の吸収線に対応する波長<前記第3の吸収線に対応する波長<前記第2の吸収線に対応する波長
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  5. 前記ガスセルには、アセチレン、アセチレン同位体、シアン化水素及びシアン化水素同位体の少なくとも2つが封入されていることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
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