JP5578796B2 - 酸素濃縮装置 - Google Patents
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Description
この方式の酸素濃縮装置によれば、取り込んだ原料空気を圧縮手段であるコンプレッサで圧縮して圧縮空気を発生して、吸着剤を内蔵した吸着筒に対してこの圧縮空気を供給することで該吸着剤に窒素を吸着させ酸素を生成する。そして、生成された酸素はタンクに貯めておき、減圧弁や流量設定器を介してタンクから所定流量の酸素を供給可能な状態にすることで、患者は鼻カニューラ等の器具を用いて酸素吸入ができる。
特に、在宅酸素療法患者が就寝中も使用する場合には、酸素濃縮装置は騒音発生が極めて少ないことが好ましい。例えば、酸素濃縮装置の騒音は、室内の空調設備から発生する騒音レベル以下となることが望ましい。
そこで、患者がやむなく外出する場合には、例えば、所定の収容容器に酸素を充填した酸素ボンベを搭載したカートを押しながら、その酸素ボンベから濃縮酸素を吸うようにしている。この酸素ボンベに対する酸素の充填は専用設備にて行なわなければならない。
そこで、可搬型や移動型の酸素濃縮装置が提案されており、可搬型や移動型の酸素濃縮装置は、原料空気を取り込んで圧縮空気を発生する圧縮手段と減圧空気を発生する減圧手段とを備えて電池駆動可能なコンプレッサを備えている(特許文献1を参照)。
特に、可搬型や移動型の酸素濃縮装置の場合には、重量の低減と小型化の要求から搭載電池の小型化が要望されており、コンプレッサのモータについても消費電力の低減が要望されている。
そこで、本発明は、動作時にモータの出力軸に加わる負荷変動を小さくして消費電力の低減を図ることができる酸素濃縮装置を提供することを目的とする。
これにより、第1ポンプ部と第2ポンプ部が出力軸の第1端部と第2端部にそれぞれ左右対称的に設けられているので、ポンプ部が出力軸の1つの端部に設けられている場合に比べて、動作時にモータの出力軸に加わる負荷変動を小さくして消費電力の低減を図ることができる。特に、可搬型や移動型の酸素濃縮装置の場合には、重量の低減と小型化の要求により求められている搭載電池の小型化が図れる。
これにより、第1ポンプ部が吸入工程の場合には、第2ポンプ部は圧縮工程であるので、第2ポンプ部から駆動用モータの出力軸に負荷がよりかかるが、第1ポンプ部が圧縮工程の場合には、第2ポンプ部は吸入工程であるので、第1ポンプ部から駆動用モータの出力軸に負荷がよりかかる。このように、圧縮工程と吸入工程を第1ポンプ部と第2ポンプ部が交互に行うことで、出力軸には、一定の負荷がかかるようにして、駆動用モータに対する負荷変動を低減できるので、消費電力の低減を図ることができる。本発明の酸素濃縮装置では、前記駆動用モータは、交流同期モータであることを特徴とする。これにより、交流同期モータは、同期回転数で第1ポンプ部と第2ポンプ部を動作させることができ、誘導モータを用いる場合に比べて消費電力の低減が図れ、誘導モータに比べて構造も簡単である。
図1は、本発明の酸素濃縮装置の好ましい実施形態を示すブロック図である。
図1に示す酸素濃縮装置1は、好ましい実施形態として携帯型(可搬型や移動型ともいう)の酸素濃縮装置である。図1に示す酸素濃縮装置1は、例えば、酸素生成原理として圧縮空気による圧縮空気力変動吸着法(PSA:正圧変動吸着法)を用いている。
圧縮空気のみによる正圧変動吸着法は、圧縮空気のみを吸着筒体内に送って窒素を吸着させる。正圧変動吸着法は、圧縮空気と減圧空気による正負圧変動吸着法(VPSA)に比べて、コンプレッサの構造が簡単化できるメリットがある。
酸素出口9には、鼻カニューレ314のアダプタ313が着脱可能に接続される。アダプタ313は、チューブ315を介して鼻カニューレ314に接続されている。患者は、鼻カニューレ314を経て、例えば最大流量3L/分の流量で、約90%程度以上に濃縮された酸素の吸入が可能である。
図1に示すAC(商用交流)電源のコネクタ430は、スイッチングレギュレータ式のACアダプタ419に電気的に接続され、ACアダプタ419は商用交流電源の交流電圧を所定の直流電圧に整流する。内蔵電池228は、主筐体2の底部に内蔵されている。外部電池227は、コネクタ431を介して着脱自在可能に設けられる。電源制御回路226は、コネクタ430,431に電気的に接続されている。内蔵電池228および外部電池227は、繰り返し充電可能な2次電池であり、内蔵電池228は電源制御回路226からの電力供給を受けて充電できる。外部電池227については、電源制御回路226からの電力供給を受けて充電することもできるが、通常は別途準備される電池充電器を用いて繰り返し充電されることになる。
図5は、コンプレッサ10の外形形状を2点鎖線で示し、このコンプレッサ10における原料空気の導入経路50を実線で示し、圧縮空気の排出経路60を破線で示している。
図5において実線で示す原料空気の導入経路50は、導入口51A、51Bと、導入通路52A、52Bを有している。導入口51A、51Bは、内部の配管4を介して吸気口2cのフィルタ3に接続されている。導入口51Aと導入通路52Aは、第1ポンプ部21のケース部33に設けられており、導入通路52AはV方向に沿って形成されている。導入口51Aは導入通路52Aにつながっていて、導入通路52Aの上端部は第1ヘッド部31のシリンダ内に通じており、導入通路52Aの下端部は第2ヘッド部32のシリンダ内に通じている。
図6に示すように、第1ポンプ部21のケース部33は、導入通路52Aと排出通路62Aを有している。同様にして、第2ポンプ部22のケース部43は、導入通路52Bと排出通路62Bを有している。図7は、4つの第1ヘッド部31、第2ヘッド部32、第3ヘッド部41、第4ヘッド部42の内の第1ヘッド部31の構造を一例として示す分解斜視図である。ここで、第1ヘッド部31、第2ヘッド部32、第3ヘッド部41、第4ヘッド部42は、ほぼ同じ構造を有している。そこで、第1ヘッド部31の構造を代表して説明する。
コンプレッサ10では、第1ポンプ部21は駆動用モータ11の一方に配置され、第2ポンプ部22は駆動用モータ11の他方に配置されている。第1ポンプ部21と第2ポンプ部2は、ほぼ左右対称形状を有していて、左右の重量バランスを取ることができる構造になっている。
特に、小型化,軽量化した可搬型酸素濃縮装置において、90%以上に濃縮された酸素を連続で3L/分まで供給が可能となり、併せて消費電力の低減を図ることができる。また、呼吸同調機能を動作させれば、90%以上に濃縮された酸素を実質的に5L/分〜8L/分で供給可能となる。
例えば、酸素濃縮装置は、図示した携帯型の酸素濃縮装置に限らず、据え置き型の酸素濃縮装置であっても良い。図1に示す酸素濃縮装置は、圧縮空気のみによる正圧変動吸着法(PSA)により酸素を生成しているが、これに限らず圧縮空気と減圧空気による正負圧変動吸着法(VPSA)により酸素を生成するようにしても良い。この正負圧変動吸着法は、圧縮空気に加えてと減圧空気を用いて減圧することで、より積極的に吸着筒体内のゼオライトの洗浄をおこなう。図に示すコンプレッサ10の駆動用モータは、例えば3Lクラス(90%以上に濃縮された酸素を連続して3L/分供給できるという意味)の同期モータであるが、これに限らず他の種類のモータであっても良い。駆動用モータは、単相交流誘導モータであっても良い。
Claims (4)
- 原料空気を圧縮して圧縮空気を発生するコンプレッサと、該圧縮空気から窒素を吸着する吸着剤を収容する吸着部材を備える酸素濃縮装置であって、
前記コンプレッサは、
正立状態において、中央部に位置するハウジング内に駆動用モータのロータおよびステータを収容し、該ハウジング内を水平に延びて貫通し、前記ハウジングの左の外部と、右の外部とにそれぞれ露出するように突出した出力軸の左端部である第1端部と、前記出力軸の右端部である第2端部とを備えた駆動用モータと、
該駆動用モータの前記出力軸の前記第1端部に連結されて、前記出力軸の回転により動作して原料空気を吸入して圧縮空気を発生する第1ポンプ部と、
前記駆動用モータの前記出力軸の前記第2端部に連結されて、該出力軸の回転により動作して原料空気を吸入して圧縮空気を発生する第2ポンプ部と
を備え、
前記出力軸の左右の両端部の対称位置に前記第1ポンプ部と第2ポンプ部が配置され、
各ポンプ部は、前記出力軸の左右の両端部の対称位置において、前記一方向と直交する方向に沿って、互いに同じ距離離れた位置にそれぞれ設けられて、前記直交する各方向にそってそれぞれ往復動するピストンを有している
ことを特徴とする酸素濃縮装置。 - 前記第1ポンプ部は、第1ピストンを有する第1ヘッド部と、第2ピストンを有する第2ヘッド部とを有し、前記第1ヘッド部と前記第2ヘッド部は、前記第1ピストンと前記第2ピストンとを反対方向に往復動作させるように対向配置され、前記第2ポンプ部は、第3ピストンを有する第3ヘッド部と、第4ピストンを有する第4ヘッド部とを有し、前記第3ヘッド部と前記第4ヘッド部は、前記第3ピストンと前記第4ピストンとを反対方向に往復動作させるように対向配置されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
- 前記第1ポンプ部が前記原料空気を吸入する吸入工程では、前記第2ポンプ部が吸入した前記空気を圧縮して前記圧縮空気を発生する圧縮工程を行い、前記第1ポンプ部が吸入した前記空気を圧縮して前記圧縮空気を発生する圧縮工程では、前記第2ポンプ部が前記原料空気を吸入する吸入工程を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸素濃縮装置。
- 前記駆動用モータは、交流同期モータであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の酸素濃縮装置。
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