JP5578613B2 - 磁性ナノ粒子複合体及び当該磁性ナノ粒子複合体による細胞の標識方法 - Google Patents
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Description
本発明は、酸化鉄表面を第3級アミンで被覆して表面をプラスに帯電させた磁性ナノ粒子(以下、「TMADM」と称する。)とマイナスに帯電している蛍光物質とを含む磁性ナノ粒子複合体である。
これにより、本発明は、当該磁性ナノ粒子複合体(磁性−蛍光ハイブリット材料)を細胞に添加して、細胞を磁性、蛍光の両方で標識化(ダブルイメージング)することができる。
本発明のTMADMを構成する酸化鉄としては、磁性金属酸化物であり、強磁性の粒子が用いられ、好ましくは、保持力が小さく、超常磁性であることが望ましい。
(MIIO)l・M2 IIIO3 (1)
(式(1)中、MIIは2価の金属原子を表し、MIIIは3価の金属原子を表し、lは0〜1の範囲内の実数を表す。)
(MIIO)m・Fe2O3 (2)
(式(2)中、MIIは2価の金属原子を表し、mは0〜1の範囲内の実数を表す。)
(FeO)n・Fe2O3 (3)
(式(3)中、nは0〜1の範囲内の実数を表す。)
従って、磁性金属酸化物の粒子径は、好ましくは2〜20nm、さらに好ましくは3〜15nm、さらに好ましくは3〜10nmの範囲内にある。
以下、ASCsの調製法の一例を説明する。
(1)脂肪組織からの細胞集団の調製
脂肪組織は動物から切除、吸引などの手段で採取される。ここでの用語「動物」はヒト、及びヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)を含む。免疫拒絶の問題を回避するため、本発明の組織再生用組成物を適用する対象(レシピエント)と同一の個体から脂肪組織を採取することが好ましい。但し、同種の動物の脂肪組織(他家)又は異種動物の脂肪組織の使用を妨げるものではない。
細胞集団は続いて遠心処理に供される。遠心処理による沈渣を沈降細胞集団(本明細書では「SVF画分」ともいう)として回収する。遠心処理の条件は、細胞の種類や量によって異なるが、例えば、1〜10分間、800〜1500rpmである。尚、遠心処理に先立ち、酵素処理後の細胞集団をろ過等に供し、その中に含まれる酵素未消化組織等を除去しておくことが好ましい。
接着性細胞(ASCs)の選択培養及び細胞の回収SVF画分にはASCsの他、他の細胞成分(内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、これらの前駆細胞等)が含まれる。そこで本発明の一態様では以下の選択培養を行い、SVF画分から不要な細胞成分を除去する。そして、その結果得られた細胞をASCsとして本発明の組織再生用組成物に用いる。
本発明の一態様では、上記(3)の操作の代わりに又は上記(3)の操作の後に以下の低血清培養を行う。そして、その結果得られた細胞をASCsとして本発明の組織再生用組成物に用いる。
本発明により提供される磁性ナノ粒子複合体は、生理学的に許容される水性磁性ゾルの状態で静脈内に投与された時に、実質的に凝集したりすることがなく、標的部位に特異的に集積するという顕著な特性を有している。そのため、当該磁性ナノ粒子複合体は、各種疾病ないし癌などの病巣部位のMRI診断用造影剤や高周波磁場照射による局所磁場治療剤などとして極めて有用である。
近年、MRI診断下での高周波焦点照射が可能になり、病変に対するピンポイント温熱療法が試行されている。本発明の磁性ナノ粒子複合体を用いるMRIによる微少病変の画像化は、このピンポイント療法を行う際のナビゲーターとなり、より精度の高い治療法の実現が可能になるものと期待される。
これに対し、本発明の磁性ナノ粒子複合体は、磁性ナノ粒子と蛍光物質とを混合させるだけで、磁性ナノ粒子複合体(磁性−蛍光ハイブリット材料)を形成することができる。
本発明において、蛍光物質としてのQDs(量子ドット)と、TMADM(磁性粒子)を同時に分子イメージングできるかを検討した。
TMADMを細胞内へのキャリアとして用い、QDsが細胞内に取り込まれるかを検討する。ここで、QDs655濃度を一定にし、TMADM濃度を変化させた。
[材料]
<動物>
ASCs:C57BL/6 Cr オスから採集し、上記ASCsの調製法により調製したASCsを用いた。なお、Pass回数(継代回数)は1〜5回である。
QSsとしては、Invitrogen社製の、Qdot ITK(Inovator's Tool Kit)Carboxyl Quantum Dots、又は、Qdot ITK(Inovator's Tool Kit)Amino(PEG) Quantum Dotsを用いた。以下、Qdot ITK(Inovator's Tool Kit)Carboxyl Quantum DotsをQDs655(−)、Qdot ITK(Inovator's Tool Kit)Amino(PEG) Quantum DotsをQDs655(+)と称する。また、QDs655(−)、QDs655(+)を区別する必要が特にないときは、単に、QDs655と総称する。QDs655(−)、QDs655(+)は、それぞれ、濃度が8μMとなるように、50mM borate,pH9.0に懸濁されている。当該QDs655(−)、QDs655(+)の各懸濁液を250μL用意した。なお、当該QDs655(−)、QDs655(+)の各懸濁液は、2−6℃で保存することにより(凍結してはならない。)、少なくとも6ヶ月間安定である。
磁性材料は、複合体を金属酸化物の金属質量に換算して、0.05mg/mLの濃度となるように、pH9.0のホウ酸バッファーで希釈して、複合体の水性ゾルを得た。
<細胞準備>
(1)C57BL/6 Cr SLC オスから脂肪細胞を分離し、上記ASCsの調製法によりASCsを調製した。ここで、「C57BL/6 Cr SLC」とは、近交系マウスの代表的な1種であり、黒い毛色を有している。近交系とは、兄妹交配あるいは親子交配を20代繰り返して、遺伝的統御が確立されているものである。
継代培養を繰り返し、2回passしたものを必要細胞数より多めに用意しておく。
(2)ASCsを96wellに1×104cells/wellで巻き込む。これは、細胞数をカウントした後、どのくらいの数を培養皿に巻き込むかを示している。基本的に、96wellプレートは、プレート及び各wellの面積が一律であり、その面積にどれだけの細胞数を巻き込んだかを示している。
接着するまで最低2時間静置した。
培地として、TMADM及びATDMが凝集しないDMEM+15%FBSを使用した。
また、QDs655が8nMにおいてASCsに対して毒性を示すことがなく、R8でほぼ100%導入することが分かっている。そのため、濃度としては8nMで試験を行った。ここで、R8のRとは、アミノ酸のアルギニンである。すなわち、R8はオクタアルギニンであり、アルギニンは電気的にプラスに帯電していることから、それらが8つ以上結合したものは細胞内への導入剤として注目されている。
(4)それらに対し、表1に示す量のTMADM又はATDMを添加した。
(5)TMADM又はATDMを添加した後、15分くらい反応のため、静置した。 (6)24時間後、蛍光顕微鏡にて、QDs655の取り込み状況を観察した。
なお、図3の左側に顕微鏡写真を示し、図3の右側に蛍光顕微鏡写真を示す。また、図3の左側の顕微鏡写真の右下に示すスケールの大きさは200μmである。
また、図4の縦軸は、蛍光強度を示している。図4に示すグラフでは、ASCsのみを観察した場合における蛍光強度によって補正を行っている。
Claims (6)
- 酸化鉄表面を第3級アミンで被覆して表面をプラスに帯電させた磁性ナノ粒子とマイナスに帯電している蛍光物質とを含み、
前記第3級アミンがアミノアルキルエーテル化多糖である、
磁性ナノ粒子複合体。 - 前記磁性ナノ粒子が、テトラメチルアミノデキストランマグネタイトであることを特徴とする請求項1に記載の磁性ナノ粒子複合体。
- 前記蛍光物質が、量子ドットであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性ナノ粒子複合体。
- 酸化鉄表面を第3級アミンで被覆して表面をプラスに帯電させた磁性ナノ粒子とマイナスに帯電している蛍光物質とを混合して細胞に添加する磁性ナノ粒子複合体による細胞の標識方法であって、
前記第3級アミンがアミノアルキルエーテル化多糖である磁性ナノ粒子複合体による細胞の標識方法。 - 前記磁性ナノ粒子が、テトラメチルアミノデキストランマグネタイトであることを特徴とする請求項4に記載の磁性ナノ粒子複合体による細胞の標識方法。
- 前記蛍光物質が、量子ドットであることを特徴とする請求項4または5に記載の磁性ナノ粒子複合体による細胞の標識方法。
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