JP5578560B2 - 前眼部測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、前眼部組織の形状を測定する前眼部測定装置に関する。
被検眼の前眼部にスリット光を投影し、シャインプルーフカメラにより前眼部断面像を得て、前眼部組織の形状を測定する装置が知られている(特許文献1参照)。この場合、シャインプルーフカメラを回転させることにより3次元形状が得られる。
特許文献1の装置において、スリット光を眼に向けて反射するミラーを備えた構成となっている。
特開2001−61786号公報
しかしながら、このようなミラーを備えた装置において、ミラーの背後に前眼部観察を設けた場合、ミラーが回転されると、光軸の偏位方向が変更される。このため、回転撮影中において、前眼部像が回転してしまうため、前眼部観察が困難となる。
本発明は、上記問題点を鑑み、シャインプルーフカメラを備えた前眼部測定装置装置において、前眼部観察を好適に行うことができる装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼前眼部にスリット光を投影する投影光学系、前記投影光学系の投影光軸に対して傾斜した撮影光軸を持つ第1撮像光学系であって、シャインプルークの原理に基づいて配置された撮影レンズと第1撮像素子を持ち、前眼部の断面像を撮像する第1撮像光学系、前眼部正面像を正面方向から第2撮像素子により撮像する第2撮像光学系、前記スリット投影光学系及び第2撮像光学系の光路上に配置され、前記スリット光を反射し、前眼部正面からの反射光を透過する光学部材、前記スリット投影光学系、前記光学部材、及び前記第1撮像光学系を、前記投影光軸を中心にその軸回りに一体的に回転させる回転手段、を備える装置本体と、前記第2撮像光学系の光路中に配置され,前記光学部材の回転によって生じる前記第2撮像光学系の光軸ずれを補正するための補正光学部材を有し、前記回転手段の回転動作とともに前記補正光学部材を回転させる光学補正手段と、を備え、複数の回転角度にて撮影された各前眼部断面画像に基づいて前眼部組織を測定することを特徴とする。
(2) 前記第2撮像素子から出力される撮像信号に基づいて被検眼に対する装置本体のXY方向のアライメント状態を検出し、前記回転手段の回転動作中における前記アライメント状態を検出するXYアライメント検出手段を備えることを特徴とする(1)記載の前眼部測定装置。
(3) 前記XYアライメント検出手段の検出結果に基づいて被検眼に対して前記装置本体を移動させる自動アライメント手段を備えることを特徴とする(2)記載の前眼部測定装置。
(4) 前記回転手段は、前記スリット投影光学系、前記光学部材、第1撮像光学系、前記補正光学部材を一体的に回転させることを特徴とする(3)記載の前眼部測定装置。
シャインプルーフカメラを備えた前眼部測定装置装置において、前眼部観察を好適に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る前眼部測定装置の外観図である。本装置は、基台2と、基台2に取り付けられた顔支持ユニット4と、基台2上に移動可能に設けられた移動台6と、移動台6に移動可能に設けられ、後述する光学系を収納する測定部(装置本体)8を備える。また、測定部(装置本体)8には、被検眼Eの観察像や測定結果等の各種の情報を表示するモニタ70が設けられている。移動台6は、ジョイスティック12の操作により、基台2上を左右方向(X方向)及び前後方向(Z方向)に移動される。また、測定部8は回転ノブ12aが回転操作されることにより、モーター等からなる駆動機構17により上下方向(Y方向)に移動される。移動台6には各種設定を行うためのスイッチが配置された操作部85が設けられている。
図2は、本実施形態に係る前眼部測定装置の光学系の斜視図である。図3は本実施形態に係る前眼部測定装置の光学系を横方向から見たときの構成を示す図である。
本光学系は、被検眼前眼部にスリット光を投影するスリット投影光学系20と、スリット投影光軸に対して傾斜した撮像光軸を持ち、シャインプルークの原理に基づいて配置された撮影レンズと撮像素子を持つ撮像光学系30と、固視標投影光学系40と、アライメント投影光学系50と、被検眼に対する測定部8の作動距離(Z)方向におけるアライメント状態を検出するための作動距離検出光学系60(60a、60b)、角膜形状測定用の指標を角膜に投影するケラト投影光学系45と、前眼部正面像を撮像する前眼部正面撮像光学系90と、に大別される。また、前眼部Eaを赤外光にて照明する光源が検出光学系60の外側に配置されている。なお、以上の光学系は、測定部8に内蔵されている。
<スリット投影光学系>
スリット投影光学系20(図3参照)は、光源21と、集光レンズ22と、スリット板23と、全反射ミラー25、投影レンズ26、ダイクロイックミラー24を含む。ダイクロイックミラー24はスリット光を反射し、その他の光を透過する特性を持つ光学部材である。光源21には、例えば、中心波長が略470nmで略460〜490nmの波長領域の光(青色光)を発する光源が使用される。スリット板23は、前眼部(例えば、角膜頂点付近)と共役な位置に配置される。
光源21を発した光束は集光レンズ22によって集光してスリット板23を照明する。スリット板23により細いスリット状に制限された光束は、全反射ミラー25によって反射され、そして、投影レンズ26によって集光される。その後、その光束は、ダイクロイックミラー24によって反射された後、スリット光として眼Eに投光される。これにより、被検眼前眼部の透光体(角膜、前房、水晶体等)は、スリット光により光切断された形で照明される。
<スリット断面撮像光学系>
撮像光学系30は、二次元撮像素子35と、スリット投影光学系20による前眼部からの反射光を撮像素子35に導く撮像レンズ33と、を含み、シャインプルークの原理に基づいて前眼部断面像を撮像する構成となっている。すなわち、撮像光学系30は、その光軸(撮像光軸)が投影光学系20の光軸と所定の角度で交わるように配置されており、投影光学系20による投影像の光断面と角膜Ecを含むレンズ系(角膜及び撮像レンズ33)と撮像素子35の撮像面とがシャインプルークの関係にて配置されている。なお、レンズ33の手前(眼E側)には、光源21から出射され,前眼部断面像を撮像するために用いられる光(青色光)のみを透過するフィルタ32が配置されている。
<固視標投影光学系>
固視標投影光学系40は、可視光源(例えば、LED)41、リレーレンズ42を備え、光源41から発せられた光は、リレーレンズ42、ダイクロイックミラー92、補正光学部材91、ダイクロイックミラー24、開口部66bを介して眼Eに投光される。
<アライメント指標投影光学系>
アライメント指標投影光学系50は、アライメント用の近赤外光源51、投影レンズ52、偏光ビームスプリッタ53、ダイクロイックミラー92を備え、光源51から発した光は投影レンズ52により平行光束にされた後、偏光ビームスプリッタ53で反射する。その後、アライメント光は、ダイクロイックミラー92により反射され光軸L1に沿って眼Eに向かい、角膜Ecにアライメント指標を投影するために用いられる。そして、角膜に投影された指標(図5のB参照)は、眼Eに対するXY方向の位置合わせ(例えば、自動アライメント、アライメント検出、手動アライメント、等)に用いられる。
<作動距離検出光学系>
検出光学系60は、被検眼角膜Ecに向けて斜め方向からZ検出用のアライメント光を投光する投光光学系(指標投影光学系)60aと、投光光学系60aによるアライメント光を受光素子を用いて斜め方向から受光する受光光学系60bと、を有する。そして、投光光学系60a及び受光光学系60bは、ケラト投影光学系45の背後に配置されている。
投光光学系60aは、赤外光源61、反射プリズム62、投光レンズ63を有し、ケラト投影光学系45に設けられた図無き第1の孔を介して、Z検出用の指標である赤外光を斜め方向から角膜Ecに投影する。なお、投光光学系60aの赤外光源61は、投影光学系50の光源51とは異なる波長の赤外光を発する。
受光光学系60bは、位置検出素子(例えば、ラインCCD)69、反射プリズム68、受光レンズ67を有し、ケラト投影光学系45に設けられた図無き第2の孔を介して、投光光学系60aによって角膜Ecに形成された指標像を検出する(角膜Ecで反射された光源61からの赤外光を受光する)。なお、投光光学系60aと受光光学系60bは、説明の便宜上、上下方向に配置されているが、実際には水平方向に対して所定角度(例えば、25°)傾斜され、かつ光軸L1に対して、対称に配置されている。これにより、ケラト投影光学系45によって水平方向の角膜曲率の測定が可能になる。
<ケラト投影光学系>
ケラト投影光学系45は、そのリング開口66内に光軸L1を中心に配置されたリング状の図示なき光源を有し、角膜Ecに多重リング指標を投影して角膜形状(曲率分布、乱視軸角度、等)を測定するために用いられる。また、リング開口66は、周辺部には、径が異なる複数のリング状の開口66aが形成され、中心部には、観察光路として用いられ開口部66bを有している。
なお、光源には、例えば、赤外光または可視光を発するLEDが使用される。なお、ケラト投影光学系45について、プラチド指標投影光学系であってもよい。
<前眼部正面撮像光学系>
前眼部正面撮像光学系90は、ダイクロイックミラー92、偏光ビームスプリッタ53、視野レンズ94、平面ミラー95、平面ミラー96、フィルタ97、撮像レンズ98、二次元撮像素子99、を含み、被検眼の前眼部正面像を撮像するために用いられる。
また、ダイクロイックミラー24とダイクロイックミラー92との間には、ダイクロイックミラー24の回転によって生じる光軸ずれを補正するための補正光学部材91(例えば、プリズム)91が設けられている。補正光学部材91は、ダイクロイックミラー24とほぼ同じ厚さで、ほぼ同じ屈折率を有する。補正光学部材91は、ダイクロイックミラー24と光軸L1に対して対称となるように配置されている。すなわち、補正光学部材91は、ダイクロイックミラー24の回転による光軸ずれを補正するように配置されている。
前述の投影光学系45、投影光学系50、図示無き前眼部照明光学系による前眼部正面からの反射光は、ダイクロイックミラー24、補正光学部材91、ダイクロイックミラー92、偏光ビームスプリッタ53、視野レンズ94、平面ミラー95、平面ミラー96、フィルタ97、及び撮像レンズ98を介して二次元撮像素子99に結像される。
また、本装置には、上記記載のスリット投影光学系20と撮像光学系30をスリット投影光軸L1を中心にして、その軸回りに回転移動させる回転手段(回転機構100)が備えられている。
図4は回転機構100の構成の一例を示す図である。筒部110は、内部が空洞になっている筒状構造を有し、ダイクロイックミラー24、補正光学部材91を内蔵する。筒部110の外周面には、投影光学系20の一部(光源21、集光レンズ22、スリット板23、全反射ミラー25、投影レンズ26からなる投影ユニット)と、撮像光学系30が固定されている。
筒部110は、装置本体に固定された第1回転軸受(例えば、ボールベアリング)115に対し回転可能に取り付けられている。また、筒部110は、連結部材120を介して装置本体に固定された第2回転軸受118に対し、回転可能に取り付けられている。そして、第2回転軸受118には、ケラト投影光学系45及び作動距離指標投影光学系60が固定されている。また、筒部110の初期回転位置を検出するセンサ111(図3参照)が備えられている。
固視標投影光学系40の下部には、駆動部101(例えば、パルスモータ)、駆動部101の回転軸に連結されたシャフト102、シャフト102と直結された第1プーリー103、が配置されている。一方、筒部110における撮像素子99側端部には、第2プーリー107が直結されている。そして、第1プーリ103と第2プーリ107には、ベルト105が掛けられている。
以上の構成により、駆動部101が駆動されると、第1プーリー103が回転される。そして、第1プーリー103の回転力がベルト105を介して第2プーリー107へ伝達され、第2プーリー107が回転される。そして、第2プーリー107の回転により、筒部110が装置本体に対して光軸L1を中心に回転される(例えば、A方向)。また、筒部110の回転とともに撮像光学系30が、光軸L1を中心にして回転される。
例えば、回転開始前(初期回転位置)の装置図である図4(a)から回転開始後の装置図である図4(b)に示されるように、回転ユニット(投影光学系20及び撮像光学系30を含むユニット)200が装置本体に対して回転される。すなわち、駆動部101が駆動されると、スリット投影光学系20と撮像光学系30は、ケラト投影光学系45及び検出光学系60に対して独立して回転移動される。
逆をいえば、ケラト投影光学系45及び検出光学系60は、回転ユニット200の回転移動とは独立した位置に配置され、回転ユニット200と共に回転しない。そして、検出光学系60は、所定の位置に固定された状態で、Z方向のアライメント状態を検出する。また、ケラト投影光学系45は、所定の位置に固定された状態で、角膜に指標を投影する。
次に、制御系について説明する。制御部80は、装置全体の制御及び測定結果の算出を行う。制御部80は、光源21、光源41、光源51、光源61、駆動機構17、駆動部101、センサ111、撮像素子35、位置検出素子69、二次元撮像素子99、投影光学系45、モニタ70、メモリ86等と接続されている。また、制御部80には、各種入力操作を行うための操作部85が接続されている。メモリ86には、各種制御プログラムの他、制御部80が角膜曲率等を算出するためのソフトウェアプログラム等が記憶されている。また、メモリ86には、複数の回転角度にて撮影された各前眼部断面画像とその撮影時の回転角度情報に基づいて所定の前眼部組織の3次元位置を求め、その組織の形状を測定するソフトウェアプログラムが記憶されている。
操作部85には、例えば、前眼部断面像を撮影して測定を行う第1モードと角膜形状(曲率分布、乱視軸角度、等)を測定する第2モードとを切り換える切換信号を発するためのモード切換手段(モード切換スイッチ85a)が設けられている。また、操作部85には、操作入力部として、マウス等の汎用インターフェースが用いられてもよいし、その他、タッチパネルが用いられてもよい。
制御部80は、モード切換スイッチ85aからの切換信号に基づいて、第1モードでは、スリット投影光学系20及び撮像光学系30により、複数の回転角度にて各前眼部断面画像を撮影し、その組織の形状を測定する。また、第2モードでは、ケラト投影光学系45により、角膜Ecにリング指標を投影して角膜表面の形状を測定する。
以上のような構成を備える装置において、その動作について説明する。まず、第1モードに設定された場合を説明する。検者は、モニタ70に表示される被験者眼のアライメント状態を見ながら(図5参照)、ジョイスティック12を用いて測定部8をXYZ方向に移動させる。このとき、検者は、図示無き固視標を眼Eに固視させる。また、図5において、レチクルLTは、アライメント基準として電子的に表示されたマークである。
以上のようにして測定部8が移動され、指標像Bが検出されると、制御部80は、撮像素子99からの撮像信号に基づいて指標像Bの座標位置を略角膜頂点として検出し、XY方向におけるアライメントずれ方向/偏位量を検出する。そして、制御部80は、駆動部17の駆動を制御し、アライメントずれが所定のアライメント許容範囲内に入るように測定部8をXY方向に移動させる。
また、制御部80は、位置検出素子69からの受光信号に基づいてZ方向のおけるアライメントずれ方向/偏位量を検出する。そして、制御部80は、Z方向のアライメントずれが所定のアライメント許容範囲に入るように測定部8をZ方向に移動させる。
前述したアライメント動作によって、XYZ方向のアライメントずれがアライメント完了の条件を満たしたら、制御部80は、XYZ方向のアライメントが合致したと判定し、測定開始のトリガ信号を発する。
<断面画像の撮影>
測定開始のトリガ信号が出力されると、制御部80は、光源21を点灯する。そして、光源21の点灯とともに、駆動部101を駆動して回転ユニット200(補正光学部材91、スリット投影光学系20、撮像光学系30)を光軸L1の軸回りに回転する。光源21の点灯により、前眼部はスリット光により光切断される。スリット光で光切断された前眼部からの散乱光は撮像光学系30に向かい、撮像素子35により断面画像が撮影される。このとき、制御部80は駆動部101のパルス数と同期させ、所定の回転角度毎に撮像素子35から出力される撮影画像をメモリ86に記憶させる。また、撮影角度の情報も撮影画像と対応付けて記憶させる。なお、回転撮影中は、光源21の撮影光量が一定に制御されている。
また、回転撮影中において、制御部80は、検出光学系60を用いてZ方向のアライメント状態を検出し、撮影中の眼Eの位置ずれが補正されるように、検出結果に基づいて駆動部17を制御する。これにより、回転撮影中においても所定の回転角度毎にZトラッキングが行われる。もちろん、制御部80は、XY方向のアライメント検出結果に基づいて駆動部17を駆動させ、XYトラッキングを行うようにしてもよい。この場合、制御部80は、回転角度毎のアライメント検出結果に基づいて各断面画像の位置ずれを画像処理により補正してもよい。
半周の回転で全周分の撮影像が得られるので、撮影画像の枚数は18枚(10度毎の回転)以上が好ましい。さらに好ましくは、36枚以上(回転角5度毎)である。本実施形態ではできるだけ精度の良い立体解析が行えるように、スリット光の幅80μmとした場合、回転角2.25度毎に撮影した80枚の撮影画像が自動的にメモリ86に記憶させる。回転角度は固定であっても良いが、任意に設定できる構成が好ましい。
なお、スリット投影光学系20及び撮像光学系30は、撮影前に初期回転角度(例えば、0度位置)に置かれている。投影光学系20及び撮像光学系30が初期位置にあるか否かは、センサ111により検知される。初期位置への復帰は、装置の起動時又は操作部の図無きリセットスイッチを押すことにより行われる。また、3次元撮影が終了したときにおいても駆動部101が駆動され、投影光学系20及び撮像光学系30が初期位置に配置される。
撮影が完了すると、制御部80は、メモリ86に記憶した全ての撮影画像とその回転角度情報を呼び出し、ソフトウェアプログラムを用いて撮影画像を立体構築し、メモリ86へ保存する。
<ケラト撮影>
検者により、第2モードへのモード切換スイッチ85aが選択されると、制御部80は、第1モードから第2モードへとモード切り換えを行う。なお、制御部80は、第1モードから第2モードへの切換を自動的に行うようにしてもよい。第2モードへ切り換えられると、制御部80は、リング開口66内の光源を点灯させ、リング視標を被検眼に投光する。
図5は撮像素子99によって撮像された前眼部像が表示された前眼部観察画面を示す図である。第2モードにおいても、制御部80は、アライメント検出結果に基づいて駆動部17の駆動を制御し、XYZ方向の自動アライメントを実行する。この場合、第1モードのトラッキングを継続することにより、スムーズな測定が可能となる。なお、アライメントが完了されると、前眼部観察画面には、さらに、投影光学系45によるリング指標R1とその外側にリング指標R2が表示されている。
上記のようにアライメントが完了した状態で、所定のトリガ信号が発せられると、制御部80は、撮像素子99を用いて前眼部像を撮影する。そして、制御部80は、撮像素子99から出力される撮像信号に基づいて、リング指標R1、R2を含む前眼部画像を静止画として取得し、メモリ86に記憶させる。
なお、上記のように測定が終了したら、制御部80は、前眼部断面像により角膜表面の曲率、角膜裏面の曲率、角膜厚、水晶体前面の曲率、水晶体裏面の曲率、水晶体厚、前房深度、等の各組織の測定値を算出する。また、制御部80は、メモリ86に記憶された前眼部画像における指標像R1/R2に基づいて角膜表面の形状(例えば、強主経線方向及び弱主経線方向における角膜曲率、角膜の乱視軸角度、等)を算出する。ケラト指標による測定結果は、前眼部断面像による測定結果と比較して反射像を利用するため、測定精度が良い(歪みの影響が少ないため)。そして、これらの測定結果は、メモリ86に記憶され、モニタ70に出力される。
以上のように、スリット投影系及びシャインプルークカメラの回転により各回転位置での前眼部断面像を撮像する装置にZアライメント検出系を設けたことにより前眼部に関する測定が精度よく行われる。また、断面画像の撮影中においてもZ方向のアライメントを検出することにより、断面像間のずれの補正が可能となった。なお、トラッキングは、シャインプルークカメラを回転させながら行ってもよい。また、シャインプルークカメラの回転移動を一時的に停止し、トラッキング完了後、再度撮影を開始してもよい。
また、前眼部断面像を撮像する装置が、さらに、リング指標投影系と前眼部正面撮像系を備え、角膜表面の形状を測定する場合、Zアライメント検出系を用いて位置あわせを行うことにより、角膜表面の形状を精度良く測定できる。これは、多重のリング指標を広範囲に投影する場合において、特に有効である。
また、検出光学系60が回転ユニット200の回転移動に対して独立して装置本体に固定されていることにより、断面像又は正面像撮像時におけるZ方向のアライメント検出を精度よく行うことができる。逆に、検出光学系60が回転される構成の場合、回転動作の振動等によって検出光学系60と装置本体との位置関係が変動する可能性がある。そして、検出光学系60と被検眼光軸との整列誤差が生じ、Z方向のアライメント検出の検出誤差が生じる可能性がある。
また、上記のように断面像を撮像する第1モードからケラト指標を撮像する第2モードの順に測定を行うような場合において、第2モードでZアライメント検出を行う場合、断面撮影終了後、スリット投影系及びシャインプルークカメラを回転させて、Z方向のアライメント検出系を初期位置に復帰させる手間を回避できる。
なお、本発明は、本実施例においては、第1モード終了後、第2モードの測定を行うという構成としたが、第2モードの測定後、第1モードの測定を行うようにしてもよい。
<補正光学部材91>
次いで、補正光学部材91について説明する。前述の投影光学系45、投影光学系50、図示無き前眼部照明系による前眼部反射光は、ダイクロイックミラー24、補正光学部材91、ダイクロイックミラー92〜二次元撮像素子99の光路を介して結像される。このとき、光軸L1は、ダイクロイックミラー24により偏位した光軸L1'となるが、補正光学部材91によりその偏位が戻される。
ここで、スリット投影光学系20の回転とともにダイクロイックミラー24が回転されると、光軸L1の偏位方向が変更される。ここで、図6に示すように、補正光学部材91がない場合、回転位置に応じて、前眼部の撮像光軸が撮像素子99上で移動されてしまう。すなわち、回転撮影中において、前眼部像及びアライメント指標が撮像素子99上で回転してしまうため、前眼部観察及びアライメント検出が困難となる。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、ダイクロイックミラー24の回転とともに補正光学部材91が光軸L1を中心に回転されることにより、常時、光軸の偏位が補正され、回転位置に関わらず、前眼部の撮像光軸は、光軸L1に戻される。
このようにすれば、撮像素子99上の撮像光軸は、回転位置に関わらず、一定となる。これにより、ダイクロイックミラー24の回転によって、前眼部像及びアライメント指標が回転してしまうのを回避できる。
したがって、検者は、回転撮影中の前眼部像を良好に観察できる。また、回転撮影中におけるXY方向のアライメント検出/トラッキングが可能となる。
なお、本発明においては、ダイクロイックミラー24と補正光学部材91を共通の駆動部101を用いて一体として回転させる構成としたがこれに限るものではない。例えば、補正光学部材専用の駆動部を設け、ダイクロイックミラー24の回転と同期させて補正光学部材91を回転させる構成としてもよい。ただし、この場合には、駆動部が別途必要となることや、駆動部を配置するためのスペースが必要となるため光学系の配置を変更する必要がある。そのため、装置の大型化に繋がることや余分なコストがかかる可能性があるため、本発明の構成とすることがよりよい。
また、補正光学部材の配置位置について、撮像光学系90の光路中に配置されていればよく、例えば、ダイクロイックミラー24と被検眼Eとの間に配置された構成であっても良いし、ダイクロイックミラー92〜撮像素子99との間に配置された構成であってもよい。
なお、以上の説明において、スリット投影光学系からの光を反射し被検眼に導光するとともに、前眼部正面からの反射光を透過し、二次元撮像素子99へ導く光学部材としてダイクロイックミラー24を用いたが、これに限るものではなく、ハーフミラーであってもよい。
なお、被検眼に対するXY方向のアライメントを検出する場合、前眼部像に基づいて画像処理により検出が行われても良い。例えば、前眼部像における特徴部(瞳孔、虹彩、など)を画像処理により抽出して、特徴部の移動が検出されるようにしてもよい。
本実施形態に係る前眼部測定装置の外観図である。 本実施形態に係る前眼部測定装置の光学系の斜視図である。 本実施形態に係る前眼部測定装置の光学系を横方向から見たときの構成を示す図である。 回転機構の構成の一例を示す図である。 前眼部像が表示された前眼部観察画面を示す図である。 補正光学部材がない場合に前眼部撮像光軸が移動することを示す図である。 補正光学部材により撮像光軸の偏位が補正されることを示す図である。
8 測定部
12 ジョイスティック
20 スリット投影光学系
24 ダイクロイックミラー
30 撮像光学系
33 撮像レンズ
35 二次元撮像素子
40 固視標投影光学系
45 ケラト投影光学系
50 アライメント投影光学系
60 作動距離検出光学系
70 モニタ
80 制御部
85 操作部
86 メモリ
90 前眼部正面撮像光学系
91 補正光学部材
99 二次元撮像素子
100 回転機構
101 駆動部
200 回転ユニット

Claims (4)

  1. 被検眼前眼部にスリット光を投影する投影光学系、
    前記投影光学系の投影光軸に対して傾斜した撮影光軸を持つ第1撮像光学系であって、シャインプルークの原理に基づいて配置された撮影レンズと第1撮像素子を持ち、前眼部の断面像を撮像する第1撮像光学系、
    前眼部正面像を正面方向から第2撮像素子により撮像する第2撮像光学系、
    前記スリット投影光学系及び第2撮像光学系の光路上に配置され、前記スリット光を反射し、前眼部正面からの反射光を透過する光学部材、
    前記スリット投影光学系、前記光学部材、及び前記第1撮像光学系を、前記投影光軸を中心にその軸回りに一体的に回転させる回転手段、
    を備える装置本体と、
    前記第2撮像光学系の光路中に配置され,前記光学部材の回転によって生じる前記第2撮像光学系の光軸ずれを補正するための補正光学部材を有し、前記回転手段の回転動作とともに前記補正光学部材を回転させる光学補正手段と、を備え、
    複数の回転角度にて撮影された各前眼部断面画像に基づいて前眼部組織を測定することを特徴とする前眼部測定装置。
  2. 前記第2撮像素子から出力される撮像信号に基づいて被検眼に対する装置本体のXY方向のアライメント状態を検出し、前記回転手段の回転動作中における前記アライメント状態を検出するXYアライメント検出手段を備えることを特徴とする請求項1記載の前眼部測定装置。
  3. 前記XYアライメント検出手段の検出結果に基づいて被検眼に対して前記装置本体を移動させる自動アライメント手段を備えることを特徴とする請求項2記載の前眼部測定装置。
  4. 前記回転手段は、前記スリット投影光学系、前記光学部材、第1撮像光学系、前記補正光学部材を一体的に回転させることを特徴とする請求項3記載の前眼部測定装置。
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