JP5578376B2 - 炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体およびそれを用いた物品 - Google Patents

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この出願の発明は、ゼオライト系化合物と炭酸カルシウムの機能を併せ持った炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体およびそれを用いた物品に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、吸着性、イオン交換性、触媒性などのゼオライト系化合物の機能に加え、炭酸カルシウムのリン酸固定化機能などの性質を併せ持つ新規な炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体およびそれを用いた物品に関するものである。
ゼオライトおよびゼオライト系化合物(以下、単にゼオライト系化合物と示す)は、多孔質構造を有する含水アルミノ珪酸塩鉱物であって、自然界だけでも40種類以上のものが発見されている。このゼオライト系化合物は、その細孔構造や化学結合に起因して吸着性、イオン交換性、触媒性などのユニークな特性を有しており、従来より、各種の吸着剤、イオン交換体、触媒などとして広く利用されている。そして特に最近では、これらの特性を有害物質の吸着や除去などに利用することで、環境浄化物質としての利用が注目されている。
また、炭酸カルシウムは、ゴム、プラスチック、紙、塗料などの化学工業や食品、医薬品工業に欠かすことのできない原材料として利用されているほかに、リン酸イオン等に対する反応特性を示すことからイオン交換材料や環境浄化材料などとしての利用が期待され、一部で実用化されている。
したがって、ゼオライト系化合物に炭酸カルシウムの性質を付与することができれば、前者の触媒性、吸着性、イオン交換性などの性質に、後者のリン酸イオン反応特性といった特異な性質を複合化することができ、これまでにない高機能性を備えた材料の創出が期待される。
しかしながら、ゼオライト系化合物については、陽イオン交換機能を利用して目的に応じた多様な人工ゼオライトを作り出すことなどは知られているものの、陽イオンの交換を利用した反応は少なく、その陽イオンを実際に化学反応に利用する研究はこれまで全くなされていなかった。
そこで、以上のとおりの事情に鑑み、この出願の発明は、触媒性、吸着性、イオン交換性などの性質に、リン酸イオン反応特性などといった特異な性質が複合化された新規な炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体およびそれを用いた物品を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、ゼオライト系化合物の表面の一部あるいは全部に板状結晶、柱状結晶又は針状結晶のいずれかの炭酸カルシウムが析出されており、前記炭酸カルシウムが、2以上の板状結晶が重畳されて形成されている形状、2以上の柱状結晶が基端側を重畳し、先端側を離間するように形成されている形状、又は、2以上の針状結晶が前記表面で均一に分散されて形成されているか形状のうちいずれか一の形状を有していることを特徴とする炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体を提供する
さらにこの出願の発明は、第には、上記の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体を用いていることを特徴とする物品も提供する。
上記第1〜4の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体によれば、触媒性、吸着性、イオン交換性などの性質に、リン酸イオン反応特性などといった特異な性質が複合化された新規な機能性材料を実現することができる。
上記第5の物品によれば、上記の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体の特性を利用した、触媒・吸着・イオン交換・イオン固定が可能な物品を得ることができる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体は、ゼオライト系化合物の表面の一部あるいは全部に炭酸カルシウムが析出していることを特徴としている。
この出願の発明の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体におけるゼオライト系化合物部分は、その組成や構造、大きさ等は特に制限されず、あらゆる天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライトなどとすることができる。また、この出願の発明の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体における炭酸カルシウム部分は、ゼオライト系化合物の表面の一部あるいは全部に析出されており、カルサイト相、アラゴナイト相、バテライト相、非晶質炭酸カルシウムのいずれか1種または2種以上が任意の割合で混合されたものとすることができる。
したがって、この出願の発明の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体は、ゼオライト系化合物部分においてゼオライト系化合物が本来有する吸着性、イオン交換性、触媒性などの特性を、炭酸カルシウム部分において炭酸カルシウムが本来有するリン酸イオン反応特性などの特性を示し、両者の特性をそのまま併せ持った新規な機能性材料として実現されている。
このようなこの出願の発明の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体は、たとえば以下に示す方法で簡便に製造することができる。
すなわち、この出願の発明の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体の製造方法は、炭酸水素カルシウム水溶液のpHを7.5以下に調製し、この炭酸水素カルシウム水溶液にゼオライト系化合物を浸漬することでpHを少なくとも6.5以上の範囲まで上昇させて、ゼオライト系化合物の表面の一部あるいは全部に炭酸カルシウムを析出させることを特徴としている。
この出願の発明において、炭酸水素カルシウム水溶液としては、任意の濃度のものを用いることができる。たとえば飽和水溶液については、蒸留水中に任意の量の炭酸カルシウムを入れて炭酸バブリング中で撹拌し、得られた懸濁液をフィルターでろ過して懸濁物を分離することによって、炭酸カルシウム飽和水溶液を用意することができる。
このような炭酸カルシウム水溶液を、たとえば溶液中に溶け込んでいるCOの量を調整することでpHを7.5以下に、より好ましくはpHを6.5以下に調製する。炭酸カルシウム水溶液のpHが7.5よりも高い場合には、溶液中で炭酸カルシウムが析出を開始してしまうために好ましくない。
ゼオライト系化合物としては、天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライトおよびそれらの複合物のいずれを用いてもよく、またその組成や構造、大きさ等は特に制限されない。ゼオライト系化合物は陽イオンを構成成分としており、この陽イオンとしてはNa、K、Ca2+、Mg2+、Ba2+、N(R)など様々である。この出願の発明に於いては、ゼオライト系化合物の構成成分である陽イオンの種類についても特に制限はなく、目的に応じてたとえば上記の陽イオンのいずれか1種または2種以上とすることや、またあらかじめこれらの陽イオンを所望の陽イオンに置換しておくことなども可能である。
たとえば、具体的には、A型ゼオライトの陽イオン(ナトリウムイオン)をカルシウムイオンで置換する場合には、たとえば0.5Nの塩化カルシウム溶液1LにA型ゼオライト5.0g程度を投入し、1時間浸漬させてイオン交換させた後、試料を十分に洗浄し、再び塩化カルシウム溶液にA型ゼオライトを入れる、という操作を3回程度繰り返す。これによってA型ゼオライトの陽イオンをカルシウムイオンで置換することができる。この例において、塩化カルシウム溶液の代わりに、カルシウム塩溶液としては水溶液となっていればどのようなものでも用いることができる。また、カルシウム塩溶液の温度は、0℃〜沸点までの任意の温度であってよく、その濃度も任意のものとすることができる。さらに、このようなイオン交換の方法は、A型ゼオライト以外のどのようなゼオライト系化合物にも適用することができ、同様の方法でカルシウム型ゼオライト系化合物にすることができる。もちろん、同様の方法で、ゼオライト系化合物の陽イオンをカルシウム以外の所望の陽イオンにイオン交換することも可能である。ただし、ゼオライトの種類によっては細孔径およびイオン交換量が異なってくるため、交換できるイオンに選択性が生じる場合もある。
以上の炭酸水素カルシウム水溶液に、ゼオライト系化合物を浸漬することで、少なくともpH6.5以上の範囲に、もしくはpH6.5以上の範囲でpHを上昇させる。ゼオライト系化合物を水溶液に加えることで、下記のとおり、ゼオライト中の陽イオンと水溶液中のH+ イオンのイオン交換反応が生じ、水溶液のH+ がゼオライト中に吸着した分だけ水溶液のpHが上昇する。
Ca型ゼオライトの場合:HO+Ca2+ → 2H+(2OH+Ca2+
このような反応は、ゼオライト系化合物の近傍で起こるため、ゼオライト系化合物の近傍で優先的にpHが上昇して炭酸カルシウムが析出する。pHの上昇の割合は、炭酸水素カルシウム水溶液の濃度および浸漬させるゼオライト系化合物の量等によって異なるが、たとえば、飽和に近い炭酸水素カルシウム水溶液を用いた場合にはpHは約0.3(pH6.5→6.8)、希薄溶液(純水に近い溶液)を用いる場合はpHが約3(pH6→9)だけ上昇すると考えられる。ゼオライト系化合物の構成イオンが、どのようなものでも、炭酸水素カルシウム水溶液の濃度や温度を調整することにより、アルカリ側へpHを上昇させることが可能である。
このように炭酸水素カルシウム水溶液のpHを6.5以上のアルカリ側に上昇させることで、ゼオライト系化合物の表面に炭酸カルシウムを析出させることができる。ここでゼオライト系化合物の浸漬により炭酸水素カルシウム水溶液のpHが6.5以上の範囲で上昇されない場合には、ゼオライト系化合物表面での炭酸カルシウムの析出がおこらず、複合体を得ることができない。なお、水溶液をある程度放置しておくと炭酸が大気中に放出され、pHが上昇して炭酸カルシウムの析出が生じるが、この場合はゼオライト系化合物の表面付近で炭酸カルシウムが析出しないため好ましくない。
反応時間については、析出させる炭酸カルシウムの量等に応じて任意に設定することができる。反応時の圧力と温度は、炭酸水素カルシウム水溶液の沸点以下の温度であれば任意の圧力とすることができる。また炭酸水素カルシウム水溶液の沸点から250℃の間の任意の温度範囲においても、気液平衡状態で規定される圧力にあっては、反応を進行させることができる。これによって、ゼオライト系化合物の表面の一部あるいは全部に炭酸カルシウムを析出させることができ、この出願の発明の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体を得ることができる。
さらにこの出願の発明の方法においては、炭酸水素カルシウム水溶液に、あらかじめナトリウム、マグネシウム、バリウムなどの陽イオンや、アミノ酸、あるいは塩素、フッ素、炭酸などの陰イオンを添加しておくことができる。これらの陰イオンあるいは陽イオン等を添加しておくことで、イオン半径に起因する炭酸カルシウム析出における相互反応の結果として、析出する炭酸カルシウムの結晶相を制御することができる。例えば、具体的には、炭酸水素カルシウム水溶液にMgClを添加しておくと、ゼオライト系化合物の表面には炭酸カルシウムのアラゴナイト相のみを析出する可能性がある。またBaClを添加した場合には、バテライト相のみが析出することが考えられる。
さらにこの出願の発明の方法においては、炭酸カルシウムを析出させる際の雰囲気圧を、加圧または減圧することで、析出する炭酸水素カルシウム結晶の形態を変化させることが可能とされる。また、たとえば、加圧によると、ゼオライト系化合物の表面への炭酸カルシウムの析出が促進され、常圧の場合よりもはやく複合体を得ることができる。加えて、炭酸水素カルシウム水溶液の温度変化によっても、ゼオライト中の陽イオンのイオン交換速度に関係して反応速度を変化させることができる。したがって、たとえば、炭酸水素カルシウム水溶液が常温では板状の炭酸カルシウムが析出する場合であっても、高温とし
た場合では反応速度が速いために針状の炭酸カルシウムを析出させることも可能となる。このように、一般的に、炭酸水素カルシウム水溶液の濃度が高い又は温度が高いと、条件として急速に炭酸カルシウムが析出し、針状に近い形態が観察される。これに対して低濃度または低温度では析出反応がゆっくりと進行するために、形態は比較的板状に近いものとなる。もちろん、これに伴い結晶相を変化させることができる。
またこの出願の発明の物品は、上記のとおりに得られる炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体を少なくともその一部に備えていることから、吸着性、イオン交換性、触媒性などの特性に加え、イオン固定特性を備えた新規な物品を実現することが可能となる。具体的には、たとえば、この出願の発明の物品は、環境浄化材料として利用することができる。ゼオライトは天然に豊富に存在し有害元素であるアンモニウムイオンの吸着材として、そして貝殻の成分でもある炭酸カルシウムは、リン酸イオンの吸着材に使用することができる。従って、これらの二つの特性を有する炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体を備える物品は、環境に負荷を与えない同時除去材料として用いることができ、また炭酸カルシウムの形態を制御することによってリン酸イオンの吸着量の増加を見込むことができる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
(実施例1)
カルシウムにイオン交換したA型ゼオライト(Ca6Si12Al12O48・24H2O)粉末0.3gを、pH6.7に調製した60℃の炭酸水素カルシウム飽和水溶液300ml中に入れて3時間反応させた。反応後の溶液(pH6.8)をろ過して得られた試料を蒸留水でよく洗浄し、乾燥器を用いて100℃で5時間乾燥させた。
この試料の結晶相をX線回折で調べた結果、図1に示したように、A型ゼオライトと、アラゴナイト相およびカルサイト相の炭酸カルシウムからなることがわかった。さらに走査電子顕微鏡(SEM)で観察および元素マッピングをした結果をそれぞれ図2、図3に示した。図2から、略立方体の結晶の表面に、柱状結晶が生成していることがわかった。また図3からは、柱状結晶部分にCa,Oが多く検出されていることから柱状結晶が炭酸カルシウム、立方体の結晶部分にSi,Al,Oが多く検出されていることから立方体結晶がA型ゼオライトであることが示唆された。これらのことから、ゼオライト粒子の表面に、柱状の炭酸カルシウム(アラゴナイト相およびカルサイト相)が生成した、炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体が得られていることがわかった。
(実施例2)
実施例1と同様のゼオライト0.3gを、pH6.6に調製した25℃の炭酸水素カルシウム飽和水溶液300ml中に入れて3時間反応させた。反応後の溶液(pH7.3)をろ過して得られた試料を蒸留水でよく洗浄し、乾燥器を用いて100℃で5時間乾燥させた。
この試料の結晶相をX線回折で調べた結果、A型ゼオライトと、アラゴナイト相およびカルサイト相の炭酸カルシウムからなることがわかった。さらに走査電子顕微鏡で観察し元素マッピングを行なった結果、図4に示したように、ゼオライト粒子の表面に、板状の炭酸カルシウム(アラゴナイト相およびカルサイト相)が生成した炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体が得られたことがわかった。
(実施例3)
実施例1と同様のゼオライト0.3gを、pH7.4に調製した25℃、2.5mMの炭酸水素カルシウム水溶液300ml中に入れて3時間反応させた。反応後(pH8.1)の溶液をろ過して得られた試料を蒸留水でよく洗浄し、乾燥器を用いて100℃で5時間乾燥させた。
この試料の結晶相をX線回折で調べた結果、A型ゼオライトと、アラゴナイト相およびカルサイト相の炭酸カルシウムからなることがわかった。さらに走査電子顕微鏡で観察し、元素マッピングを行なった結果、図5に示したように、ゼオライト粒子の表面に、板状の炭酸カルシウム(アラゴナイト相およびカルサイト相)が生成している炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体が得られたことがわかった。
(実施例4)
ナトリウムにイオン交換したFAU型ゼオライト(Na86Al86Si106384・nHO)粉末0.3gを、pH6.6に調製した40℃の炭酸水素カルシウム飽和水溶液300ml中に入れて3時間反応させた。反応後の溶液(pH7.2)をろ過して得られた試料を蒸留水でよく洗浄し、乾燥器を用いて100℃で5時間乾燥させた。
この試料の結晶相をX線回折で調べた結果、図6に示したように、FAU型ゼオライトと、アラゴナイト相およびカルサイト相の炭酸カルシウムからなることがわかった。さらに走査電子顕微鏡で観察して元素マッピングを行なった結果、図7に示したように、ゼオライト粒子の表面に、柱状の炭酸カルシウム(アラゴナイト相およびカルサイト相)が生成している炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体が得られたことがわかった。
炭酸水素カルシウム飽和水溶液の温度が高められたことにより反応速度が異なり、炭酸カルシウムの結晶相および形態に違いがでることが確認された。またゼオライトに含まれる陽イオンの種類によってイオン交換速度および炭酸カルシウムの結晶相にも違いが現れることが確認された。以上のとおり、炭酸水素カルシウム飽和水溶液の温度、濃度によって結晶相および形態が、ゼオライト系化合物を構成する陽イオン種によって結晶相が変化することが明らかにされた。
(実施例5)
カルシウムにイオン交換したA型ゼオライト(CaSi12Al1248・24HO)粉末0.3gとpH7に調整した炭酸水素カルシウム飽和水溶液30mlを100ml容量のフッ素樹脂製の容器中に封入し、その容器を耐圧容器に入れ、120℃で8時間反応させた。反応後の試料は蒸留水で良く洗い、乾燥器中100℃で5時間乾燥した。得られた試料を走査電子顕微鏡で観察した結果、図8に示したとおり、針状の炭酸カルシウムがゼオライトの表面に均一に生成している炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体が得られたことが分かった。
(実施例6)
実施例1と実施例4で得られた炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体0.1gとpH3に調整した所定濃度のリン酸アンモニウム水溶液30mlを24時間遠沈管中で反応させた。0.45μmのメンブランフィルターを用いて固液分離した後に、アンモニウムイオン濃度とアンモニア電極で、リン濃度を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置で測定した。これらの分析をした結果を表1に示した。
表1に示したとおり、A型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体とFAU型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のリンおよびアンモニウムイオン濃度が、いずれも初期濃度と比較して18〜44%減少したことが分かった。このことから、これらの複合体がリンおよびアンモニウムイオンの吸着能を有していることが示された。
もちろん、この出願の発明は以上の実施形態および実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、触媒性、吸着性、イオン交換性などの性質に、リン酸イオン反応特性といった特異な性質を兼ね備えた、これまでにない高機能性を備えた炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体が提供される。
実施例1で製造したA型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のX線回折パターンを例示した図である。 実施例1で製造したA型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のSEM像を例示した図である。 実施例1で製造したA型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体の元素マッピング像を例示した図である。 実施例2で製造したA型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のSEM像を例示した図である。 実施例3で製造したA型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のSEM像を例示した図である。 実施例4で製造したFAU型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のX線回折パターンを例示した図である。 実施例4で製造したFAU型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のSEM像を例示した図である。 実施例5で製造したA型ゼオライト・炭酸カルシウム複合体のSEM像を例示した図である。

Claims (2)

  1. ゼオライト系化合物の表面の一部あるいは全部に板状結晶、柱状結晶又は針状結晶のいずれかの炭酸カルシウムが析出されており、
    前記炭酸カルシウムが、2以上の板状結晶が重畳されて形成されている形状、2以上の柱状結晶が基端側を重畳し、先端側を離間するように形成されている形状、又は、2以上の針状結晶が前記表面で均一に分散されて形成されているか形状のうちいずれか一の形状を有していることを特徴とする炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体。
  2. 請求項1に記載の炭酸カルシウム・ゼオライト系化合物複合体を用いていることを特徴とする物品。
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