JP5577864B2 - 椅子用ヒータ部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、椅子用ヒータ部材及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、幅方向における寸法が変化しているにもかかわらず、構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸の各々の長さが実質的に同一であるため、幅方向(編み物のコース方向と同方向)のみでなく、長さ方向(編み物のウエール方向と同方向)にも、より均等に昇温させることができ、椅子の座面等を均等に、且つ十分に暖めることができる椅子用ヒータ部材及びその製造方法に関する。
従来、車両、特に乗用車等のシートでは、座面等の表皮材の裏面にヒータ部材を貼着し、冬期等に乗員を下方から暖めることができるシートが知られている。このようなシートに用いるヒータ部材として、通電により発熱する複数本の導電縦糸と、この導電縦糸に対して電気絶縁される複数本の非導電横糸とから織成され、導電縦糸が、背もたれ側に比べて反背もたれ側で密になるように配策されている、背もたれ付きのイスの座面を加熱するシートヒータが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、このシートヒータでは、イスの座面のうち体重の多くがかかる背もたれ側の導電縦糸が毎回大きく屈曲し、断線することが抑えられると説明されている。
特開2008−67850号公報
シートに用いるヒータとしては、編み物の構成糸として導電糸を編み込んだ原反から所定形状のヒータ材を切り出し、これを表皮材の裏面に貼着した製品も開発されている。この製品では、原反から切り出された所定形状のヒータ部材が用いられるが、乗用車等のシートでは、座面は後方から前方へ、背もたれは上方から下方へと幅が狭くなる形状であることが多く、この場合、導電糸の長さが座面の前方で後方より長くなり、背もたれの上方で下方より長くなる。そして、このように長さが異なる導電糸が並列に接続され、通電されるため、座面では大腿部が接触する前方が、背もたれでは肩から背中が接触する上方が昇温し難く、乗員の大腿部、肩、背中等の暖めたい部位を十分に暖めることができないという問題がある。また、前記の特許文献では、このような導電糸の長さによる昇温のばらつきという観点での検討は全くなされていない。
本発明は前記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、幅方向における寸法が一定ではないにもかかわらず、構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸の各々の長さが実質的に同一であるため、幅方向(編み物のコース方向と同方向)のみでなく、長さ方向(編み物のウエール方向と同方向)にも、より均等に昇温させることができ、椅子の座面等を十分に暖めることができる椅子用ヒータ部材を提供することを課題とする。
本発明の以下のとおりである。
1.緯編組織の構成糸の一部として一定の長さの複数の導電糸が編み込まれた一定の幅の編み物片と、前記編み物片の幅方向の両側端部において、前記複数の導電糸の各々の両端部を接続する接続部材と、を備え、幅方向における寸法が一定ではない椅子に取り付けられる椅子用ヒータ部材であって、
前記椅子の幅方向における寸法に合わせて、前記編み物片を幅方向に引き伸ばして形成されており、前記椅子の幅方向における寸法が異なる部分であっても均等に昇温することを特徴とする椅子用ヒータ部材。
2.前記複数の導電糸は、前記編み物のウエール方向に等間隔に編み込まれている前記1.に記載の椅子用ヒータ部材。
3.幅方向における寸法が一定ではない椅子に取り付けられ、前記椅子の幅方向における寸法が異なる部分であっても均等に昇温する椅子用ヒータ部材の製造方法であって、
構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸を有する緯編組織の編み物から、一定の長さの複数の導電糸が編み込まれた一定の幅の編み物片を切り出す切出工程と、前記編み物片の幅方向の両側端部において、接続部材により前記複数の導電糸の各々の両端部を接続する導電糸接続工程と、前記編み物片を幅方向に引き伸ばし、前記椅子の幅方向における寸法に合わせて賦形して椅子用ヒータ部材とする賦形工程と、を備えることを特徴とする椅子用ヒータ部材の製造方法。
4.前記複数の導電糸の各々の前記両端部は直線状であり、前記賦形工程が、前記導電糸接続工程の後になされる前記3.に記載の椅子用ヒータ部材の製造方法。
5.前記賦形は、前記編み物片を熱セットすることによりなされる前記3.又は4.に記載の椅子用ヒータ部材の製造方法。
本発明の椅子用ヒータ部材(以下、「ヒータ部材」ということもある。)では、幅方向における寸法が変化しているにもかかわらず、構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸の各々の長さが実質的に同一であるため、ヒータ部材が幅方向(編み物のコース方向と同方向)のみでなく、長さ方向(編み物のウエール方向と同方向である。)に、より均等に昇温し、椅子に座った人の大腿部等の他、椅子と接触する全ての部位をより均等に、且つ十分に暖めることができる。
また、複数の導電糸が、編み物のウエール方向に略等間隔に編み込まれている場合は、ヒータ部材を長さ方向により均等に昇温させることができ、椅子に座った人の大腿部等の他、椅子と接触する全ての部位をより十分に暖めることができる。
本発明の椅子用ヒータ部材の製造方法によれば、ヒータ部材の幅方向における寸法が変化しているにもかかわらず、構成糸として編み込まれた導電糸を同じ長さとすることができ、幅方向のみでなく、長さ方向にもより均等に昇温させることができるヒータ部材を容易に製造することができる。
また、賦形工程が、導電糸接続工程の後になされる場合は、賦形時、接続部材にピンを立てる等の方法により、編み物片をより容易に所定形状のヒータ部材とすることができる。
更に、複数の導電糸の両端部が略直線状である場合は、編み物片の両端部の非導電材を除去し易く、導電糸を容易に露出させることができるとともに、導電糸と接続部材とを電気的により確実に接続することができる。
また、賦形が、所定形状とされた編み物片を熱セットすることによりなされる場合は、所定形状を有するとともに、構成糸として編み込まれた導電糸の長さが実質的に同一であるヒータ部材を容易に製造することができる。
丸編によって編まれ、構成糸の一部として導電糸が編み込まれた編み物の原反を斜め方向からみた模式図である。 図1の原反が開反され、その一部から編み物片が切り出される様子を表す説明図である。 図2のようにして原反から切り出された編み物片を平面方向からみた模式図である。 接続部材が縫着された略長方形形状の編み物片の所定箇所が拡幅され、所定形状に賦形されてなる椅子用ヒータ部材を正面からみた模式図である。 長方形形状の編み物片の両側端部が導電糸を除いて除去され、接続部材が縫着された様子を表す説明図である。 導電糸の両端部が、編み物片に縫着された接続部材のめっき層と接続されている様子を、正面からみた模式図である。 導電糸の両端部が、編み物片に縫着された接続部材のめっき層と接続されている様子を、横方向からみた模式的な断面図である。 編み物片のうちのヒータとして機能するヒータ用部と、接続部材が取り付けられる接続用端部との境界部において、導電糸を除く他部、即ち、非導電材が帯状に除去された様子を表す説明図である。 図4の椅子用ヒータ部材が裏面に貼着された表皮材を有する乗用車のシートの斜視図である。 略長方形形状の編み物片が切り出される原反を正面からみた模式図である。 原反から切り出された拡幅前の略長方形形状の編み物片を正面からみた模式図である。 略長方形形状の編み物片が拡幅され、所定形状に賦形された状態で、構成糸として編み込まれた導電糸のコース方向の長さがウエール方向で略同一である様子を説明するための模式図である。 所定形状の編み物片が切り出される原反を正面からみた模式図である(従来技術)。 所定形状に切り出された編み物片において、構成糸として編み込まれた導電糸のコース方向の長さがウエール方向で異なっている様子を説明するための模式図である(従来技術)。
以下、本発明を図1〜12を参照して詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]椅子用ヒータ部材
本発明の一実施形態の椅子用ヒータ部材は、構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸を有する緯編組織の編み物を備える。そして、幅方向における寸法が変化しているにもかかわらず、構成糸として編み込まれた複数の導電糸の各々の長さは実質的に同一である。
尚、導電糸はループを形成しながら編み込まれているが、長さが同一とは、直線状に引き伸ばした状態での長さが同一という意味である。また、導電糸の編組織が同じ場合、コース方向のニッティングポジション数が実質的に同じであり、これによって導電糸の各々の長さを実質的に同一とすることができる。
本発明のヒータ部材は、幅方向における寸法が変化しているにもかかわらず、構成糸として編み込まれた複数の導電糸の各々の長さは実質的に同一であることを特徴としている。より具体的には、複数の導電糸のうちの最長の導電糸の長さ(L)と、最短の導電糸の長さ(L)との比(L/L)が、1.00〜1.06である。即ち、最長の導電糸は、最短の導電糸と同じ長さであるか、最短の導電糸より6%以下長いことが好ましい。比(L/L)は、1.00〜1.04、特に1.00〜1.02、即ち、最長の導電糸は、最短の導電糸と同じ長さであるか、最短の導電糸より4%以下、2%以下長いことがより好ましい。
本発明のヒータ部材の基体をなす前記「編み物」は、緯編組織を有する編み物である。緯編組織を有する編み物は、コース方向に供給される糸でループを形成し、これを順次ウエール方向に連結させることによって得られる編み物であり、この緯編の種類は特に限定されず、丸編及び横編のいずれであってもよい。また、緯編機の種類も特に限定されず、丸編機及び横編機を用いることができ、いずれの場合もシングルベット編機、ダブルベット編機を使用することができる。更に、編機としては、無地機とジャガード編機とが挙げられ、いずれを用いてもよい。また、ヒータ部材は表皮材の裏面に配設して用いられるため、編地が薄く、且つ伸び易いことが好ましく、従って、編み物としては丸編機のうちのシングルベット編機を用いたシングルジャージが好ましい。
構成糸の一部として用いられる前記「導電糸」は、通電可能な導電性の繊維状材料であり、特にJIS K 7194に準拠して測定した比抵抗(体積抵抗率)が100〜10−12Ω・cmの導電糸を使用することができる。このような導電糸としては、例えば、炭素繊維のフィラメント、金属線及びめっき線材等が挙げられる。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。これらのうちでは、1000℃以上の焼成温度で製造される炭素化繊維、黒鉛化繊維、黒鉛繊維等の炭素繊維が、優れた電気伝導性を有するため好ましい。
また、金属線としては、金、銀、銅、黄銅、白金、鉄、ステンレス鋼及び耐熱鋼等の鋼、亜鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、タングステン等からなる線材が挙げられる。これらのうちでは、ステンレス鋼製の金属線が、優れた耐食性及び強度等を有するため好ましい。ステンレス鋼は特に限定されず、SUS304,SUS316及びSUS316L等が挙げられ、SUS304は汎用性が高く、SUS316及びSUS316Lはモリブデンが含有されており、優れた耐食性を有するため好ましい。
導電糸として用いられる金属線の線径は特に限定されないが、強度及び柔軟性の観点で、10〜150μm、特に20〜60μmであることが好ましい。更に、金属線は、例えば、ポリエステル繊維等の他の繊維材料を芯糸とし、金属線を鞘糸とし、S及びZ撚方向に金属線を巻き付けてなる複合糸の形態で用いることもできる。この場合、線径の小さい金属線を使用すれば、優れた柔軟性を有するとともに、芯糸による十分な引張強度を併せて有する導電糸とすることができるため好ましい。
また、金属線として、その表面に樹脂コーティングが施された金属線を用いることもできる。このような金属線は、表面の樹脂層により保護されるため優れた防錆性を有するとともに、編み物片の両側端部に接続部材を接続するときは、樹脂層を剥がして金属線を露出させ、電気的に確実に接続することができる。コーティングに用いる樹脂は特に限定されず、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、耐久性の観点でポリウレタン樹脂が好ましい。
更に、樹脂層の厚さは、樹脂の種類及びその耐久性等、並びにヒータ部材が配設される椅子の用途等によって設定することができ、例えば、0.05〜500μm、特に1〜10μmとすることができる。更に、樹脂コーティングの方法も特に限定されないが、金属線を樹脂分散液に浸漬し、又は液中を通過させて樹脂を付着させ、その後、加熱し、次いで、冷却して固着させる方法が挙げられる。また、樹脂粉末又は溶融樹脂を金属線に付着させ、又は融着させ、必要に応じて加熱し、その後、冷却して固着させることもできる。
また、めっき線材としては、非導電性又は導電性の繊維材料を芯材とし、この芯材の表面のうちの全面又は幅方向の一部において全長さに亘って形成された、単体金属又は合金からなるめっき層を有する線材を用いることができる。このように芯材の表面にめっき層を形成することで、芯材が非導電性の繊維材料であっても導電糸とすることができる。一方、芯材が導電性の繊維材料の場合、めっき層を形成することで耐久性を向上させることができる。
めっき線材の芯材として用いることができる導電性繊維としては、各種の金属繊維等が挙げられる。一方、非導電性繊維としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリアクリレート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維及びボロン繊維等が挙げられる。更に、めっき処理に用いられる金属としては、錫、ニッケル、金、銀、銅、鉄、鉛、白金、亜鉛、クロム、コバルト及びパラジウム等の単体金属、並びにニッケル−錫、銅−ニッケル、銅−錫、銅−亜鉛及び鉄−ニッケル等の合金が挙げられる。
導電糸は、編み物に用いられる他の糸である非導電糸と比べて高い耐熱性を有していることが好ましい。言い換えれば、加熱により溶融する温度、又は溶融しない糸である場合は、燃焼開始温度が非導電糸より高いことが好ましい。即ち、非導電糸より高融点であるか、又は燃焼し難い糸であることが好ましい。この燃焼性の指標としては、JIS K 7201及びJIS L 1091(1999) 8.5E−2法に準拠して測定される限界酸素指数(LOI)を用いることができ、LOIが26以上である導電糸が好ましい。前記の導電糸のうち、金属線は、一般に、非導電糸として用いられる天然繊維及び合成繊維より高融点であって、且つLOIは、通常、26以上であり、例えば、ステンレス鋼繊維のLOIは49.6である。また、炭素繊維は溶融せず、LOIは60以上である。
導電糸を除く他の糸、即ち、非導電糸としては、植物系及び動物系の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリアミド及びポリエステル等の合成樹脂からなる合成繊維等を用いてなる糸が挙げられる。これらの非導電糸は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、これらの非導電糸は、通常、比抵抗が10Ω・cmを超え、絶縁性である。
非導電糸は、加熱により溶融する温度、又は溶融せず燃焼する場合は、燃焼開始温度が導電糸より低く、溶融せず燃焼する非導電糸の場合、LOIが26未満であることが好ましい。天然繊維のLOIは26未満であることが多く、例えば、綿のLOIは18〜20であり、羊毛のLOIは24〜25である。更に、合成繊維は、導電糸より低融点であることが多く、燃焼性は導電糸より高いことが多い。例えば、ポリエステル繊維のLOIは18〜20であり、ポリアミド繊維のLOIは20〜22である。
構成糸として編み込まれる非導電糸中の導電糸の間隔は特に限定されないが、間隔は2〜100mm、特に5〜50mm程度が好ましい。間隔が狭いと均等に暖めることができるが導電糸1本当たりの電流が少なくなり温度が低下する、若しくは温度を上げるために電圧を高くすれば、消費電力が増加することになる。一方、間隔が広いと導電糸1本当たりの電流が多くなり温度が上がる、若しくは電圧を下げて消費電力を抑制することができる。しかし、間隔が広いために温度にムラを生じ易くなる。
また、編み物のウエール方向における導電糸の配置は特に限定されず、導電糸は略等間隔に編み込まれていてもよく、等間隔でなくてもよい。導電糸が略等間隔に編み込まれておれば、座面及び背もたれの全面をより均等に暖めることができる。一方、着座した人の特定箇所、例えば、大腿部、肩、背部等を特に十分に暖めたい場合は、ヒータ部材の対応する箇所において導電糸を相対的に密に配置させ、他の箇所において相対的に粗に配置させることもできる。
更に、導電糸は、非導電糸の間に1本のみを編み込んでもよく、非導電糸の間に複数本、例えば、2〜10本、特に2〜5本の導電糸を連続して編み込んでもよい。この場合も、連続して編み込まれた複数の導電糸の、編み物のウエール方向における配置は等間隔でもよく、等間隔でなくてもよい。このように、椅子の座面及び背もたれを均等に暖めるか、特定箇所をより十分に暖めるかは、導電糸を配置させる間隔、及び連続して編み込むときの本数等によって調整することができる。
本発明の椅子用ヒータ部材は、幅方向(編み物のコース方向と同じ方向である。)における寸法が一定ではない、即ち、形状が略長方形ではなく、幅方向において寸法が変化している。例えば、図9の乗用車の前席のシート5のように、座面51は後方から前方へと幅広になっており、背もたれ52は上方から下方へと幅狭になっているのが一般的である。このように、ヒータ部材の幅方向の寸法は一定ではないが、構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸の各々の長さは実質的に同一であり、これにより、ヒータ部材の長さ方向(編み物のウエール方向と同じ方向である。)においてより均等に昇温し、温度差が抑えられるヒータ部材とすることができる。
[2]椅子用ヒータ部材の製造方法
本発明の一実施形態の椅子用ヒータ部材の製造方法は、構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸を有する緯編組織の編み物から、略長方形形状の編み物片を切り出す切出工程と、編み物片の幅方向の両側端部において、接続部材により複数の導電糸の各々の両端部を接続する導電糸接続工程と、編み物片を所定形状に賦形(所定の形状にすることを意味する。)して椅子用ヒータ部材とする賦形工程と、を備え、編み物片が有する複数の導電糸の各々の長さが実質的に同一である。
この実施形態の製造方法において、導電糸及び編み物については、前記[1]の椅子用ヒータ部材における各々の記載をそのまま適用することができる。
前記「切出工程」では、緯編組織の編み物から前記「編み物片」が切り出される。編み物片の形状は略長方形形状であり、長方形でもよく、正方形でもよいが、椅子に用いられるため、座面用であっても、背もたれ用であっても、長方形であることが多い。この編み物片の原反(編み物)からの切り出し方法は特に限定されず、カッターにより切り出してもよいし、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザを照射して切り出してもよい。
編み物は、前記のように、丸編又は横編により編み立てられる、例えば、丸編によって編まれ(図1参照)、この原反10が開反され(図2参照)、この開反された原反10から編み物片10aが切り出される。原反10には、図2のように、ヒータとなる幅広のヒータ用部101と、接続部材に接続するための複数の導電糸の各々の両端部となる幅狭の接続用端部102と、が交互に編み立てられ、ウエール方向では所定の長さにカットされ、コース方向では接続用端部102のコース方向の略中央部でカットされ、図3のような、長方形形状の所定寸法の編み物片10aが切り出される。尚、横編では、図2のような原反が編み立てられ、この原反から、図3のような編み物片10aが切り出される。
前記「賦形工程」では、原反から切り出された編み物片が所定形状に賦形される。賦形工程では、切出工程において原反から切り出された編み物片が、椅子の座面及び背もたれの形状と略同一の所定形状の編み物片に賦形される。より具体的には、原反から切り出された長方形形状の編み物片のコース方向の両側端部を、針及びクリップ等で固定し、コース方向の両方向に引き伸ばして所定形状とし、その形状を保持した状態で形状を固定し、賦形することができる。賦形方法は特に限定されないが、編み物には、導電糸を除いて、合成樹脂等からなる糸が用いられるため、所定形状に固定された編み物片を、合成樹脂の種類に応じた温度で、所要時間加熱し、熱セットすることにより、賦形し、図4のような、椅子用ヒータ部材200を得ることができる。
また、編み物片のコース方向の両側端部には、図5のように、編み物に編み込まれた導電糸3をECUに接続するための接続部材21が接続される。即ち、本発明のヒータ部材の製造方法は、切出工程及び賦形工程の他に、編み物片10aが有する複数の導電糸3の各々の両端部(この「両端部」は、導電糸3に電気絶縁性の被覆がなされているときは、被覆が除去された両端部の「導電体」を意味する。)を、ECUに接続するための接続部材21に電気的に接続する導電糸接続工程を備える。
前記の導電糸接続工程では、編み物片10aが有する導電糸3のコース方向の両端部を、接続部材21が有する導体に接続し、それぞれの接続部材21の長さ方向の一端部の接続端子21aをECUに接続することにより、ECUからの信号で電源から電力が供給され、導電糸3が発熱し、編み物片10aが昇温する。尚、製造工程を説明するための図5は、賦形前中間品100であり、この後、賦形されて、図4の椅子用ヒータ部材200になる。
接続部材は、賦形された編み物片に取り付けるときの作業のし易さ、及び椅子に人が着座したときの荷重による変形のし易さ等の観点で、柔軟であることが好ましい。このような接続部材は特に限定されないが、例えば、図6、7のように、織物等からなる帯状の基材211の、少なくとも導電糸3の端部が接続される面にめっきが施されてなる接続部材21が挙げられる。この接続部材21は、めっき層212と、導電糸3の端部とを接触させ、かがり縫い等により固定し、その後、帯状の基材211の一方の側端部を編み物片のコース方向の側端部に縫着することにより取り付けることができる。
接続部材は、原反から切り出された略長方形形状の賦形前の編み物片に取り付けてもよいし、賦形された編み物片に取り付けてもよいが、賦形前の編み物片に取り付けることが好ましい(図5参照)。賦形前の略長方形形状の編み物片10aであれば、コース方向の両側端部が直線状であり、接続部材21を縫着等により取り付けるときに作業が容易である。更に、編み物片のコース方向の両側端部を、針及びクリップで固定し、コース方向の両方向に引き伸ばして所定形状に賦形するときに、予め接続部材が取り付けられておれば、この接続部材を針及びクリップで固定し、引き伸ばすことができ、両側端部を、より容易に、且つより確実に固定することができる。このように、賦形工程は、導電糸接続工程の後になされることが好ましい。
また、導電糸の両端部近傍には、編み込まれた非導電糸、及び導電糸に電気絶縁性の被覆がなされているときは、その被覆材(非導電材)が混在しており、これらの非導電材は、接続部材を取り付ける前に除去する必要がある。こられの非導電材は、導電体と比べて融点が低く、又はより低温で燃焼が開始されるため、編み物片の両側端部を加熱することによって、溶融させ、又は燃焼させて除去することができる。加熱手段は特に限定されず、電熱加熱による発熱部材等を接触させる方法、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザを照射する方法等が挙げられるが、レーザを照射する方法が好ましい。
レーザを照射する方法であれば、非導電材の材質等によって、レーザの強度及び出力を非導電材の溶融、燃焼に必要とされるレベルに容易に調整することができ、非導電材を効率よく除去することができる。更に、レーザは、編み物片のいずれの面から照射してもよく、編み物片の表面に対して焦点位置をずらして照射することにより、一時に幅広に加工することもでき、編み物片のウエール方向に往復して照射して非導電材を帯状に除去することもできる。また、レーザの照射とともに、窒素ガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを吹き付けることにより、過熱による導電体の酸化劣化を防止、又は少なくとも抑えることもできる。
編み物片の両側端部の非導電材は、全てを加熱により除去してもよいが、編み物片の両側端部の全面を加熱し、溶融又は燃焼させて除去するのは容易ではない。そのため、図8のように、編み物片10aのヒータ用部101と接続用端部102との境界部で、非導電材を編み物片のウエール方向に帯状に除去し(図8の非導電材除去部103参照、併せて前記のレーザ照射により非導電材を帯状に除去する方法に係る記載を参照)、その後、両端部側の接続用端部102を外方に引っ張って導電糸から抜き取り、編み物片10aの両側端部の非導電材の全てを除去することが好ましい。このようにすれば、非導電材をより効率よく除去することができる。
前記のように、非導電材除去部103を設け、その後、他の非導電材を導電糸から引き抜いて除去する場合、複数の導電糸の各々の両端部は、図3、6、8等のように、ニット及びタックをされていない、即ち、略直線状であることが好ましい。又は少なくともニット及びタックを極力減らして、多くの部分が直線状になるようにすることが好ましい。このように、複数の導電糸の各々の両端部が直線状、又は多くの部分が直線状であれば、非導電材を容易に導電糸から引き抜いて除去することができ、導電糸を容易、且つ確実に露出させることができる。
また、ヒータ部材を表皮材の裏面に貼着し、例えば、乗用車のシートクッション等の椅子の座面に用いる場合、接続部材が座面の幅方向のどの位置になるかは特に限定されないが、接続部材が座面のうちの人の臀部、大腿部等が触れる部分にあると、硬さを感じて違和感がある。更に、背もたれでは、接続部材が背もたれのうちの人の肩、背部等が触れる部分に接続部材があると、硬さを感じて違和感がある。そのため、接続部材は、表皮材と、この表皮材に隣接するサイド材等の他の部材との縫製部より外側に位置するように配設することが好ましい。このようにすれば、着座した人が違和感を感じることがないとともに、耐久性を向上させることもできる。
尚、前記のように、幅方向の寸法が一定ではない編み物片を原反から切り出す場合、図13のように、原反10から幅方向の寸法が一定ではない所定形状の編み物片10’a(A>B)を切り出したときは、図14のように、幅方向における導電糸3の長さがウエール方向で異なる(X>Y)ため、各々の導電糸3に並列に通電したときに、ヒータ部材の長さ方向(編み物のウエール方向と同じ方向である。)において昇温に差を生じることになる。また、原反から所定形状の編み物片を切り出すため、編み物片間の使用されず廃棄されることになる部分が多く、歩留まりが低い。
一方、本発明のヒータ部材の製造方法では、図10のように、原反10から略長方形形状、即ち、幅方向の寸法が略一定の編み物片10aを切り出し、その後、図11のように、編み物片10aが所定形状となるように拡幅し(矢印のように幅方向の両方向に引き伸ばして拡幅する。)、賦形して、図12のように、所定形状に賦形された編み物片10aを得る(A>B)。この場合、拡幅により、編み物片10aの幅方向における寸法は変化するが、導電糸3の長さは略同一になる(X=Y)。これにより、各々の導電糸3に並列に通電したときに、長さ方向(編み物のウエール方向と同じ方向である。)において均等に昇温するヒータ部材とすることができる。更に、原反から略長方形形状の編み物片を切り出すため、編み物片間の廃棄部分が殆ど生じることがなく、歩留まりが高い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
導電糸としては、径40μmのSUS316糸7本を予めZ方向に150m/Tにて加撚した撚糸と、122dtexの融着糸(東レ社製、商品名「エルダー」)とを芯糸として使用し、鞘糸として、330dtex、72フィラメントのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)フィラメント仮撚糸をS及びZ方向に1500T/mカバリングした芯鞘繊維を用いた。尚、カバリング後、熱セットすることにより鞘糸がずれないようにした。この導電糸は、カバリング糸表面から観察するとSUS糸が見えず、被覆性に優れていた。
その後、PET仮撚糸及び上記導電糸を用いて緯編組織を有する編み物を編成した。ダブルジャージは、緯編機として、両面選針機(福原精機製作所製、型式「V−LEC4DS」、釜径30インチ、18ゲージ、給糸口48)を用いて編成した。また、シングルジャージは、緯編機(福原精機製作所製、型式「V−SEC−7」、釜径30インチ、18ゲージ、給糸口24)を用いて編成した。このシングルジャージでは、針本数1728本中、着座部(図2、3のヒータ用部101参照)として496本を3組(合計1488本)使用し、その間及び一方の端部側に接続部(図2の接続用端部102参照)として60本を4組(合計240本)用いた。また、接続部では導電糸はニットを減らして略直線状とし、非導電材であるPET糸を除去し易くするとともに、容易に接続することができるようにした。
次いで、丸編物を開反し、この開反された原反から、着座部の両側端部に接続部が配置されるように長方形形状の編み物片を切り出し、レーザーを用いて接続部となる両側端部の不要なPET糸を除去するとともに、再度レーザーを照射して、カバリング糸(導電糸)の鞘糸として巻き付いているPET糸を除去し、SUS糸を露出させた。その後、接続部材である接続ベルト(接続部材)とSUS糸とを縫製により接続した。次いで、長方形形状の編み物片の両側端部に接続ベルトを縫着させ、縫着された接続ベルトに針を刺し、表皮材の形状に合わせるべく個々の針を横方向に移動させ、編み物片をコース方向に引っ張った状態で熱セットし、ヒータ部材を得た。熱セットは、乾熱にて180℃で1分間とし、室温(20〜30℃)にまで冷却後、針の固定を外し、ヒータ部材を得た。
その後、本革製の表皮材の裏面に、熱セットして得られたヒータ部材を熱接着用パウダーを用いて接合させた。更に、ヒータ部材の裏面(表皮材に接合された面とは反対側の面)に、5mm厚さの発泡ポリウレタンシートを貼着した。次いで、接続部の外方側にサイド材を縫製により接続し、シートカバーを作製して、シートクッションに被せた。また、比較用として、ヒータ部材が貼着されていない他は、同様の構成のシートカバーを作製し、シートクッションに被せた。この場合、直径1.5mmのニクロム線を樹脂で被覆した導電線を不織布面に貼着してなるシートヒータを、5mm厚さの発泡ポリウレタンシートの下であって、ウレタンパッドの上に載置した。
上記のようにして作製した本発明の椅子用ヒータ部材を用いたシートと、比較用のシートとで仕立て性には差はなかった。しかし、座り心地は、比較用のシートでは導電線の硬さにより違和感が感じられたのに対して、本発明の椅子用ヒータ部材を用いたシートでは、違和感は全く感じられず、触感に優れていた。
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施形態を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は、車両用の椅子(シート)、事務用椅子、肘掛け椅子、安楽椅子、カウチ、パイプ椅子、ストール等の少なくとも座面を有する各種の椅子のヒータに利用することができる。特に乗用車等の車両のシートのように屋内ではないところで用いられるシート等を暖めるヒータ部材として有用である。
200;椅子用ヒータ部材、100;賦形前中間品、101;ヒータ用部、102;接続用端部、103;非導電材除去部、10;丸編原反、10a;編み物片、1;基部、2;接続部、21;接続部材、21a;接続端子、211;テープ基体(接続部材の基体)、222;めっき層(接続部材の導電層)、3;導電糸、4;非導電糸、5;乗用車用シート、51;座面、52;背もたれ、53;ヘッドレスト。

Claims (5)

  1. 緯編組織の構成糸の一部として一定の長さの複数の導電糸が編み込まれた一定の幅の編み物片と、
    前記編み物片の幅方向の両側端部において、前記複数の導電糸の各々の両端部を接続する接続部材と、を備え、
    幅方向における寸法が一定ではない椅子に取り付けられる椅子用ヒータ部材であって、
    前記椅子の幅方向における寸法に合わせて、前記編み物片を幅方向に引き伸ばして形成されており、
    前記椅子の幅方向における寸法が異なる部分であっても均等に昇温することを特徴とする椅子用ヒータ部材。
  2. 前記複数の導電糸は、前記編み物のウエール方向に等間隔に編み込まれている請求項1に記載の椅子用ヒータ部材。
  3. 幅方向における寸法が一定ではない椅子に取り付けられ、前記椅子の幅方向における寸法が異なる部分であっても均等に昇温する椅子用ヒータ部材の製造方法であって、
    構成糸の一部として編み込まれた複数の導電糸を有する緯編組織の編み物から、一定の長さの複数の導電糸が編み込まれた一定の幅の編み物片を切り出す切出工程と、
    前記編み物片の幅方向の両側端部において、接続部材により前記複数の導電糸の各々の両端部を接続する導電糸接続工程と、
    前記編み物片を幅方向に引き伸ばし、前記椅子の幅方向における寸法に合わせて賦形して椅子用ヒータ部材とする賦形工程と、を備えることを特徴とする椅子用ヒータ部材の製造方法。
  4. 前記複数の導電糸の各々の前記両端部は直線状であり、
    前記賦形工程が、前記導電糸接続工程の後になされる請求項に記載の椅子用ヒータ部材の製造方法。
  5. 前記賦形は、前記編み物片を熱セットすることによりなされる請求項3又は4に記載の椅子用ヒータ部材の製造方法。
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