JP5577649B2 - 鋼の連続鋳造用ガイドロール - Google Patents

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本発明は、連続鋳造鋳片の搬送に使用されるガイドロールであり、その表層近傍にロール冷却水系を配置して鋳片に対する抜熱効率を増加させ、連続鋳造機端部における鋳片未凝固を防止して高速鋳造を可能とするものである。
連続鋳造において、鋳型から引抜かれた鋳片は、二次冷却帯での強制冷却により、凝固シェル内の溶鋼が凝固する。しかしながら、鋳片の引抜き速度が速くなると、連続鋳造機の出側においても溶鋼の凝固が完了せず、静鉄圧による凝固シェルの変形(以降、機端バルジングという。)が発生し、鋳型湯面レベル低下等による操業トラブルを余儀なくされる。
従って、鋳片の引抜き速度の増加に伴い、二次冷却帯での冷却能率の向上が望まれていた。二次冷却帯における鋳片の冷却手法には、スプレー冷却あるいは水冷式ロール冷却などがあるが、特に水冷式ロール冷却による冷却効果が大きいことが知られている。
ところで、連続鋳造に使用するガイドロールには、鋳造された高温の鋳片が直接接触するため、従来の軸芯部のみに冷却孔を設けたロール構造では、ロール及び鋳片の冷却機能が不足していた。
そこで、この対策として、各種のロールが提案され、鋳片の熱影響によってロールの表面に亀裂や曲がりなどが発生することの防止に効果を発揮している。
例えば特許文献1では、肉盛層を被覆したロール表層部の円周方向に所定の深さ、溝の凸部の幅を有するU字形溝を等間隔ピッチで刻設する一方、ロール胴部の表面にスパイラル状の冷却孔を設けたスリーブ型ロールが提案されている。
この特許文献1で提案されたスリーブ型ロールは、冷却孔を流れる冷却水によりロール表層全体の冷却を図り、幅方向における熱応力を溝の凹凸部に吸収分散することで、ロール表層の亀裂発生および摩耗を減少するようにしている。
また、特許文献2では、ロールの、胴長方向中央外周部の胴長に対して1/3〜4/5長さの範囲に、所定断面積を有する4〜64個の冷却水通過用有蓋溝を設け、溝両端が通水孔によりロール軸心の通水孔に連通されたリボルバー型ロールが提案されている。
この特許文献2で提案されたリボルバー型ロールは、ロール胴長方向の中央部近傍のみに水冷溝を配置することで、ロール胴部両端に接触するスラブコーナ部の温度低下を抑制するようにしている。
これら特許文献1、2で提案されたロールは、上記課題の防止効果は発揮しているものの、ロール抜熱改善による鋳片冷却向上を狙った発明ではなく、ロール寿命・鋳片端部冷却に関する提案であり、鋳片冷却向上(鋳片抜熱向上による凝固促進)に関する効果は不明である。
特開平9−192808号公報 特開平9−277004号公報
本発明が解決しようとする問題点は、特許文献1、2で提案されたロールは、ロール表層冷却水による鋳片抜熱の有効な方法が示されていないので、鋳片の凝固促進対策としてはなお不十分であるという点である。
本発明の鋼の連続鋳造用ガイドロールは、
ロール表層冷却水による鋳片抜熱効果が十分に発揮できるようにするために、
鋼の連続鋳造に用いる内部を水冷された直径が200mm〜350mmのガイドロールであって、
該ガイドロールは、
軸方向に沿って通水すべく横断面の中心部に設けられた、内径が40mm〜60mmの1個の冷却孔と、
横断面の表層部における略同一円周上に、軸方向に沿って通水すべく均等に設けられた、5個以上、20個以下の断面積が25πmm 2 〜156.25πmm 2 の冷却孔と、を有し、
前記表層部に設けられる前記複数個の冷却孔は、ロール表面から50mm深さまでの範囲に設けられ、これら冷却孔には、一方側のロール軸端部から前記横断面の中心部に設けられた冷却孔を経て他方側のロール軸端部近傍から冷却水を導くようにし、
前記中心部の冷却孔による下記熱伝達係数Hw1に対する前記表層部の前記複数の冷却孔の冷却孔1個の下記熱伝達係数Hw2の比、Hw2/Hw1が1.0以上、3.0以下となるようにしたことを主要な特徴としている。
Hw1=0.023・(Kw/Dw1)・Re1 0.8 ・Pr 0.4
Hw2=0.023・(Kw/Dw2)・Re2 0.8 ・Pr 0.4
但し、Hw1:中心部の冷却孔による熱伝達係数(Kcal/m 2 ・hr・℃)
Hw2:表層部の冷却孔による熱伝達係数(Kcal/m 2 ・hr・℃)
Dw1:中心部の冷却孔の直径(m)
Dw2:表層部の冷却孔の直径(m)
Vw1:中心部の冷却孔の冷却水流速(m/s)
Vw2:表層部の冷却孔の冷却水流速(m/s)
Re1:中心部の冷却孔のレイノルズ数
Re2:表層部の冷却孔のレイノルズ数
Kw:冷却水の熱伝達率(Kcal/m 2 ・hr・℃)
Pr:プラントル数
ν:動粘性係数(m 2 /s)
本発明は、中心部の冷却孔による熱伝達係数Hw1に対する表層部の複数の冷却孔の熱伝達係数Hw2の比(Hw2/Hw1)を最適範囲に規定することで、高速鋳造時の冷却能向上とロール寿命の延長を図ることが可能になる。
(a)〜(c)は伝熱解析モデルによる冷却能の評価テストに使用したロールの横断面を示した図である。 図1(a)に示した参考ロールについての伝熱解析の結果を示した図である。 図1(b)に示したテストロールAについての伝熱解析の結果を示した図である。 図1(c)に示したテストロールBについての伝熱解析の結果を示した図である。 図2の伝熱解析結果を説明する図である。 図2〜図4に示す伝熱解析結果の冷却能を比較した結果を示す図である。 熱伝達係数比Hw2/Hw1が3.45と0.95の場合における、熱影響範囲の関係を対象ロール径と併せて示した図である。 図1に示した各ロールの冷却水出側におけるロール内冷却水温の推移を示した図である。 図8の結果を基に算出したロール内冷却水の入出水温差による鋳片抜熱量を算出した結果を示した図である。
本発明では、ロール表層冷却水による鋳片抜熱効果が十分に発揮できるようにするという目的を、中心部の冷却孔による熱伝達係数Hw1に対する表層部の複数の冷却孔の熱伝達係数Hw2の比(Hw2/Hw1)を最適範囲に規定することによって実現した。
以下、本発明について、添付図面を用いて説明する。
特許文献1で提案されたスリーブ型ロールや、特許文献2で提案されたリボルバー型ロールでは、鋳片冷却効果は十分でなく、機端バルジング等の操業トラブルは依然として問題となっていた。
一方、ロールによる鋳片冷却が過度になった場合、鋳片コーナ部分の品質欠陥に繋がることから、操業上、品質上の観点から適正なロール冷却を行うことが望ましい。
そこで、本発明では、高効率な鋳片冷却が可能な表層冷却型ロールを設計したうえで、問題の解決を図った。なお、本発明の連続鋳造用ガイドロールは、直径が200mm〜350mmで、横断面の中心部に軸方向に設けられた冷却孔の内径は40mm〜60mmのものを対象としている。
すなわち、本発明は、横断面の中心部に設けた、軸方向に沿って通水する1個の冷却孔に加えて、横断面が円形またはかまぼこ型などの断面積が25πmm 2 〜156.25πmm 2 冷却孔を5個以上、20個以下、軸方向に沿って横断面の表層部に設けたガイドロールである。
そして、前記表層部に設けた複数の冷却孔への冷却水の供給は、冷却水入側から横断面の中心部に設けた冷却孔を通って対面に位置する側に設けた通水孔を介して行う。供給された冷却水は、対面に位置する側からロール表層部に沿って流れ、冷却水入側と略同位置に設けられた排水孔から排出される。
前記構成のガイドロールでは、ロール内に供給される冷却水の流速の増加は、ロール表層部に接触する鋳片からの抜熱量を向上させる効果があり、冷却水の流速を調整することで、品質欠陥の回避と鋳片の冷却能向上の両立が可能になる。
発明者等は、横断面の中心部にのみ内径が55mmの冷却孔2を設けた、従来より用いられている参考ロール1(図1(a))と、横断面の表層部における同一円周上の均等位置にも複数の冷却孔3を設けたテストロール4(図1(b)(c))について評価した。
なお、参考ロール、テストロールは、共に炭素含有量が0.4質量%の中炭素鋼製であり、その外径は、参考ロール、テストロール共に250mmで、テストロールの複数の冷却孔は横断面の表層から32mmの位置に設けた。
図1(b)は、横断面の表層に、内径が15mmの円形の冷却孔3を12個設けたリボルバー型のロール(テストロールA)である。図1(c)は、外周に幅20mm、深さ5mmの溝を設けたロール本体4aに外筒4bを焼き嵌めしてかまぼこ型の冷却孔3を20個設けたスリーブ型のロール(テストロールB)である。これらのテストロール4は、それぞれ横断面の中心部に図1(a)と同じ大きさの冷却孔2が設けられている。
なお、図1中の5は、横断面の中心部に設けた冷却孔2を経て横断面の表層部に設けた冷却孔3に導かれて表層部を冷却した後の冷却水を排水する、内径が55mmの排水孔である。
図1(a)〜(c)に示した各ロールについて、下記表1に示した伝熱解析条件で、二次元非線形モデルによる伝熱解析をして鋳片冷却能の事前評価を行った。その結果を図2〜図4に示す。
図2〜図4に示した伝熱解析モデルによる冷却能評価の、その他の解析条件は以下の通りである。
・冷却水:元流量Q=15.0リットル/min
水量:テストロールA 1.25リットル/min/個
テストロールB 0.75 リットル/min/個
流速:テストロールA 0.12m/sec
テストロールB 0.13 m/sec
・ロールのベース温度:40℃
ロールの回転が非定常の伝熱解析にて、接触時間対応を行い、さらに図1(a)〜(c)に示す位置(図1(a)(b)はロール表面から23mmと28mmの位置、図1(c)はロール表面から11mmと16mmの位置。)に熱電対6を取り付けて温度解析の検証を行った。また、温度解析は、冷却孔3が鋳片との接触位置から離れた時を推定し、抜熱的に不利な状況下での解析を実施した。
図2は図1(a)に示した参考ロールについての解析結果、図3は図1(b)に示したテストロールAについての解析結果、図4は図1(c)に示したテストロールBについての解析結果を示したものである。
図2〜図4は、ロールの横断面の1/4を示した図で、例えば図2の解析結果を図示した図5に示すように、伝熱解析の結果を温度分布で示したものである。これら図2〜図4より、ロール内冷却水の抜熱影響範囲を指標として冷却効果を判断すると、図1(b)に示すリボルバー型、図1(c)に示すスリーブ型のいずれのテストロールも、図1(a)に示す参考ロールと比較して優れた冷却能を示していることが分かる。本例では、リボルバー型のテストロールAよりもスリーブ型のテストロールBの冷却効果が大きかった。
図2〜図4に示す伝熱解析結果の冷却能を比較した結果を図6に示す。冷却能を比較する指標として、ロール表面から温度上昇の影響を除外した範囲であるロール内部冷却範囲を使用した。
このロール内部冷却範囲は、図2〜図4において温度上昇した範囲を読み取り、この読み取った値(参考ロールは26.96mm、テストロールAは7.23mm、テストロールBは8.55mm)をロールの半径125mmから引いた値である。この値が大きいほどロール内部への熱影響範囲が狭くなり、冷却能が大きいことになる。
伝熱解析結果を得る際に使用したロール(直径250mm)における表層部の冷却孔の内径、孔数を変化させた場合における表層側冷却水の熱伝達係数の比較を下記表2に示す。
表2中の、ロール軸心部の熱伝達係数Hw1に対するリボルバー型とスリーブ型のテストロールの熱伝達係数Hw2の比(以下、熱伝達係数比という。)Hw2/Hw1が3.45と0.95の場合における、熱影響範囲(ロール表面から内部への温度上昇影響深さ)の関係を対象ロール径と併せて図7に示す。
ところで、熱影響範囲には最適値が存在し、熱影響範囲(深さ)が浅い場合、冷却能的には十分であるが、ロール表面に加わる熱サイクル(疲労)が大きく、ロール表面に亀裂等の発生が多くなり、寿命を低下させる結果となる。
一方、熱影響範囲が深い場合は、ロールの冷却能が低下していることで、高効率な鋳片冷却が達成できないことになる。
発明者等の種々の試験および解析結果から、熱影響範囲は5mmから10mmが最も効果的な範囲であることが分かった。
また、前記図7より、熱伝達係数比Hw2/Hw1が3.43の場合、冷却水の流速は速くなるものの、直径が350mmの大径ロールでは表層部に設ける冷却孔のピッチが大きくなり、熱影響範囲が20mmとなって冷却能が低下することが分かる。また、直径が200mmの小径ロールでは、冷却孔のピッチの大きさは多少改善されるものの、やはり熱影響範囲が13mmとなって冷却能の点で問題がある。
一方、熱伝達係数比Hw2/Hw1が0.95の場合は、直径が200mmの小径ロールであっても、直径が350mmの大径ロールであっても、熱影響範囲は5〜6mmで冷却能の点では問題がない。しかしながら、熱伝達係数比Hw2/Hw1が0.95の場合は、冷却孔の内径に比べて冷却孔数が多すぎることになるので、ロール強度の点で問題がある。
以上の結果、高効率な鋳片冷却が可能な表層冷却型ロールとするためには、Hw2/Hw1が1.0〜3.0の範囲が有効であることを確認した。
なお、冷却孔2、3の熱伝達係数は、下記の数式1を用いて算出する。
本発明は以上の解析結果に基づいてなされたものであり、
鋼の連続鋳造に用いる内部を水冷された直径が200mm〜350mmのガイドロールであって、
該ガイドロールは、
軸方向に沿って通水すべく横断面の中心部に設けられた、内径が40mm〜60mmの1個の冷却孔と、
横断面の表層部における略同一円周上に、軸方向に沿って通水すべく均等に設けられた、5個以上、20個以下の断面積が25πmm 2 〜156.25πmm 2 の冷却孔と、を有し、
前記表層部に設けられる前記複数個の冷却孔は、ロール表面から50mm深さまでの範囲に設けられ、これら冷却孔には、一方側のロール軸端部から前記横断面の中心部に設けられた冷却孔を経て他方側のロール軸端部近傍から冷却水を導くようにし、
前記中心部の冷却孔による下記熱伝達係数Hw1に対する前記表層部の前記複数の冷却孔の冷却孔1個の下記熱伝達係数Hw2の比、Hw2/Hw1が1.0以上、3.0以下となるようにしたことを特徴としている。
Hw1=0.023・(Kw/Dw1)・Re1 0.8 ・Pr 0.4
Hw2=0.023・(Kw/Dw2)・Re2 0.8 ・Pr 0.4
但し、Hw1:中心部の冷却孔による熱伝達係数(Kcal/m 2 ・hr・℃)
Hw2:表層部の冷却孔による熱伝達係数(Kcal/m 2 ・hr・℃)
Dw1:中心部の冷却孔の直径(m)
Dw2:表層部の冷却孔の直径(m)
Vw1:中心部の冷却孔の冷却水流速(m/s)
Vw2:表層部の冷却孔の冷却水流速(m/s)
Re1:中心部の冷却孔のレイノルズ数
Re2:表層部の冷却孔のレイノルズ数
Kw:冷却水の熱伝達率(Kcal/m 2 ・hr・℃)
Pr:プラントル数
ν:動粘性係数(m 2 /s)
本発明において、表層部に設ける複数個の冷却孔を、ロール表面から50mm深さまでの範囲に設けるのは、50mmを超えると冷却孔からの抜熱効果が少なくなってしまうからである。
発明者等の検討によれば、表層部に最接近する場合の好ましい下限値は、約20mmであった。ロール表面からの深さが浅い場合、ロール表面の熱疲労によるクラックが伝播し、容易に水漏れが発生するためである。
上記構成の本発明のガイドロールでは、鋳片の冷却能向上により、鋳造速度の向上が可能となり、その派生効果として、ロール寿命向上の効果も得られることになる。
しかしながら、ロール表層の周方向の冷却を考えると、表層部に設ける冷却孔が少ない場合、冷却孔間における抜熱効果が低下することから、5個以上設けることが好ましい
また、本発明で対象とする、直径が200mm〜350mmで、横断面の中心部に軸方向に設けられた冷却孔の内径が40mm〜60mmのロールでは、表層部に設ける冷却孔は、横断面が円形の場合、内径は10mm以上、25mm以下であることが好ましい。冷却孔の形状がかまぼこ型の場合も同等の断面積となるような大きさが必要である。
表層部に設ける冷却孔の内径が小さいと、冷却孔断面積に対し冷却水接触長(円周)が長いため冷却効率が良く、有利であるものの、特にロール胴長が長い場合は機械加工が難しく、また、冷却孔の閉塞も考えられため10mm以上とするのが好ましいからである。一方、冷却孔の内径が大きいと、冷却孔断面積に対し冷却水接触長(円周)が短いため冷却効率が悪く、さらにロールの断面係数を低下させるため、25mm以下とするのが好ましい。
以上の解析結果を基にガイドロールの製作を行い、実操業の中で冷却能評価を実施した結果を以下に説明する。
図1(a)〜(c)に示した各ロールのロール内冷却水量、および入出時の水温を測定した。ロールを装着するセグメントには、テストロールA、Bと参考ロールに、共通の系から供給されるロール内冷却水を分割して供給した。テスト条件を下記表3に示す。
前記参考ロールとテストロールA、Bに15Nリットル/minの冷却水を供給した場合における、連続鋳造中のロール内冷却水の出側でのロール内冷却水温の推移を図8に示す。また、図8に示す結果から算出したロール内冷却水の入出水温差による鋳片抜熱量を、下記数式2を用いて算出した結果を図9に示す。なお、図9に示した抜熱量Qの計算に使用する抜熱部有効面積Aは、鋳片接触弧長Lrを0.065mとして算出した。
この結果、図9より明らかなように、テストロールA、テストロールBの抜熱量は、いずれも従来ロールと比べて、約80〜100%向上することが確認できた。
本発明は上記した例に限らないことは勿論であり、請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば表層部に設ける冷却孔は、テストロールAの円形、テストロールBのかまぼこ型の他、矩形状を湾曲させた形状であってもよい。

Claims (2)

  1. 鋼の連続鋳造に用いる内部を水冷された直径が200mm〜350mmのガイドロールであって、
    該ガイドロールは、
    軸方向に沿って通水すべく横断面の中心部に設けられた、内径が40mm〜60mmの1個の冷却孔と、
    横断面の表層部における略同一円周上に、軸方向に沿って通水すべく均等に設けられた、5個以上、20個以下の断面積が25πmm 2 〜156.25πmm 2 の冷却孔と、を有し、
    前記表層部に設けられる前記複数個の冷却孔は、ロール表面から50mm深さまでの範囲に設けられ、これら冷却孔には、一方側のロール軸端部から前記横断面の中心部に設けられた冷却孔を経て他方側のロール軸端部近傍から冷却水を導くようにし、
    前記中心部の冷却孔による下記熱伝達係数Hw1に対する前記表層部の前記複数の冷却孔の冷却孔1個の下記熱伝達係数Hw2の比、Hw2/Hw1が1.0以上、3.0以下となるようにしたことを特徴とする鋼の連続鋳造用ガイドロール。
    Hw1=0.023・(Kw/Dw1)・Re1 0.8 ・Pr 0.4
    Hw2=0.023・(Kw/Dw2)・Re2 0.8 ・Pr 0.4
    但し、Hw1:中心部の冷却孔による熱伝達係数(Kcal/m 2 ・hr・℃)
    Hw2:表層部の冷却孔による熱伝達係数(Kcal/m 2 ・hr・℃)
    Dw1:中心部の冷却孔の直径(m)
    Dw2:表層部の冷却孔の直径(m)
    Vw1:中心部の冷却孔の冷却水流速(m/s)
    Vw2:表層部の冷却孔の冷却水流速(m/s)
    Re1:中心部の冷却孔のレイノルズ数
    Re2:表層部の冷却孔のレイノルズ数
    Kw:冷却水の熱伝達率(Kcal/m 2 ・hr・℃)
    Pr:プラントル数
    ν:動粘性係数(m 2 /s)
  2. 前記ロール表層部に設けた複数の冷却孔の横断面形状は、円形またはかまぼこ型であることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造用ガイドロール。
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