JP5577229B2 - 粒子分散液 - Google Patents

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Description

本発明は、亜酸化銅粒子の粒子分散液に関する。本発明の粒子分散液は、印刷用のインクとして好適に用いられる。
基板上に導電膜を形成する方法としては、スパッタリング法や真空蒸着法等の真空薄膜形成法、電解めっき法や無電解めっき法等のめっき法などが知られている。これらの方法のうち、スパッタリング法や真空蒸着法等の真空薄膜形成法は、その実施に真空チャンバが必要となり、装置が複雑化するという不都合や、製造速度を高めにくいといった不都合がある。電解めっき法や無電解めっき法によれば、比較的大面積の基板に容易に薄膜を形成することが可能であるが、基板の表面に導電化処理を施す必要があるという不都合や、廃液の環境負荷が大きく、その処理に多大な経費が必要であるという不都合がある。
このような状況のもと、金属粒子のインクやペースト等の導電性分散液の印刷によって導電膜を形成する方法が注目されている。例えば特許文献1には、平均粒子径が500nm以下で、中心部が金属で表皮部が金属酸化物であるコア/シェル構造を有する金属微粒子を含み、インクジェット印刷法によって金属膜を形成するために用いられる複合材料液が提案されている。同文献の記載によれば、この液は、25℃における粘度が50mPa・s以下であり、表面張力が18〜50mN/mであるとされている。
特開2009−123674号公報
インクジェット印刷法によって微細なパターンの導電膜を形成する場合、印刷の位置精度が非常に重要になる。また、インクジェット印刷法によって工業的規模で導電膜を形成する場合には、連続印刷時や間欠印刷時にノズルが目詰まりしにくいことも重要な要素になる。前記の特許文献1においては、幅3mm、長さ14mmの矩形のパターンの印刷の良否に基づきインクの印刷適性を評価しているが、昨今の電子回路の細線化に鑑みると、前記のパターンに基づく評価がたとえ良くても、当該インクが位置精度の高いものであり、工業的に使用可能であるか否かを判断することはできない。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る粒子分散液を提供することにある。
前記の課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討した結果、亜酸化銅粒子の分散液における分散媒として特定の有機溶媒を用い、かつ分散液の粘度及び表面張力を、特定の限られた範囲に設定することで、前記の目的が達成されることを知見した。
本発明は前記の知見に基づきなされたものであり、有機溶媒を分散媒とする亜酸化銅粒子の粒子分散液であって、
前記分散媒として、プロピレングリコールとγ−ブチロラクトンのみの組み合わせを用い、該分散媒におけるプロピレングリコールの割合を30〜70重量%とし、γ−ブチロラクトンの割合を30〜70重量%とし、
前記分散媒中に水が含まれておらず、
前記分散液は、25℃において、粘度が5〜18mPa・sであり、かつ表面張力が40〜45mN/mであり、
インクジェット印刷又はマイクロディスペンサ印刷に用いられることを特徴とする粒子分散液を提供することにより前記の課題を解決したものである。
本発明の粒子分散液は、これを用いて印刷を行ったときの位置精度が高いものである。また、長時間にわたる連続印刷時及び間欠印刷時のいずれにおいてもノズルの目詰まりが起こりにくいものである。
図1(a)は実施例1で印刷した直線の光学顕微鏡像であり、図1(b)は比較例2で印刷した直線の光学顕微鏡像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の粒子分散液は、分散媒として有機溶媒を用いている。本発明は、この有機溶媒として特定のものを用いる点に特徴を有している。具体的には、本発明においては、この有機溶媒としてグリコール系化合物と環状エステル化合物との組み合わせを用いている。本発明者らの検討の結果、分散媒としてこれら2種類の有機溶媒の組み合わせを用い、かつ分散液の粘度及び表面張力を、特定の限られた範囲に設定することで、本発明の分散液を用いてインクジェット印刷又はマイクロディスペンス印刷を行うと、印刷の位置精度が高くなることが判明した。また、ノズルの目詰まりが起こりにくいことも判明した。印刷の位置精度が高いとは、目標の位置に対する印刷位置のずれが例えば10μm以内であることを言う。
前記のグリコール系化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール等の、炭素数2〜10のグリコール系化合物を用いることができる。これらのグリコール系化合物は1種又は2種以上用いることができる。これらのグリコール系化合物のうち、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)を用いることが、連続印刷時及び間欠印刷時の双方においてノズルの目詰まりが起こりにくくなることから好ましい。また、環状エステル化合物との組み合わせによって、分散液の粘度及び表面張力を、後述する特定の範囲内に設定しやすいことから好ましい。
前記の環状エステル化合物としては、例えばβ−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を用いることができる。これらの化合物のうち、γ−ブチロラクトンを用いることが、連続印刷時及び間欠印刷時の双方においてノズルの目詰まりが起こりにくくなることから好ましい。また、前記のグリコール系化合物との組み合わせによって、分散液の粘度及び表面張力を、後述する特定の範囲内に設定しやすくなることから好ましい。
本発明においては、分散媒として、グリコール系化合物と環状エステル化合物との組み合わせを用いるところ、グリコール系化合物は、1種又は2種以上用いることができる。同様に、環状エステル化合物も、1種又は2種以上用いることができる。
分散媒は、プロピレングリコールとγ−ブチロラクトンのみの組み合わせからなることが、連続印刷時及び間欠印刷時の双方においてノズルの目詰まりが起こりにくくなることから好ましい。
本発明において、分散媒として、グリコール系化合物と環状エステル化合物のみの組み合わせを用いる場合には、これ以外の分散媒は有機系及び無機系を問わず使用しない。もちろん分散媒中に水も含まれていない。「グリコール系化合物と環状エステル化合物のみの組み合わせを用いる」とは、グリコール系化合物及び環状エステル化合物以外の分散媒を意図的に使用しないことを意味し、不可避的にグリコール系化合物及び環状エステル化合物以外の分散媒が含まれることは許容される趣旨である。したがって、例えば分散媒中に、完全に除去できず不可避的に水が存在している場合は、「グリコール系化合物及び環状エステル化合物のみを分散媒として用いる」ことに該当する。
分散媒として、グリコール系化合物と環状エステル化合物のみの組み合わせを用いる場合、該分散媒におけるグリコール系化合物の割合を好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%とし、環状エステル化合物の割合を好ましくは30〜70重量%重量%、更に好ましくは40〜60重量%とする。グリコール系化合物と環状エステル化合物の使用割合をこの範囲内に設定することによって、連続印刷時及び間欠印刷時の双方においてノズルの目詰まりが起こりにくくなる。また、本発明の粒子分散液を用いた印刷の位置精度を一層高めることができる。分散媒が、グリコール系化合物及び環状エステル化合物を含み、更に他の有機溶媒を含む場合には、該分散媒におけるグリコール系化合物及び環状エステル化合物の合計量に対するグリコール系化合物の割合や環状エステル化合物の割合が、前記の範囲内となるようにすることが好ましい。
本発明においては、分散液の分散媒として、上述の有機溶媒を用いることに加えて、分散液の粘度及び表面張力のコントロールが、印刷の位置精度を高める観点から重要である。つまり、上述の有機溶媒を用いただけでは印刷の位置精度を高めることは容易ではなく、また分散液の粘度及び表面張力を、後述の範囲に設定しただけでは、連続印刷時及び間欠印刷時の双方におけるノズルの目詰まりを防止することは容易ではない。要するに、特定の有機溶媒を用い、かつ分散液の粘度及び表面張力を特定の範囲に設定することで、初めて所望の位置精度とノズルの目詰まり防止を達成できる。
分散液の粘度に関しては、25℃における該分散液の粘度は5〜18mPa・sであることが必要であり、好ましくは7〜13mPa・sである。分散液の表面張力に関しては、25℃における該分散液の表面張力は40〜45mN/mであることが必要であり、好ましくは41〜44mN/mである。インクジェット印刷やマイクロディスペンサ印刷における印刷の位置精度を低くする要因としては、例えば飛行曲がりやサテライトと呼ばれる現象が知られている。飛行曲がりとは吐出された液滴が直進して着弾しない現象のことである。サテライトとは吐出された一つの液滴が、飛行の途中に分割されて多数の微小な液滴となった状態で複数箇所に着弾する現象のことである。本発明者らがこれらの現象の発生防止について鋭意検討した結果、上述の分散媒を用いることを条件として、インクジェット印刷やマイクロディスペンサ印刷を行うことのできる粘度及び表面張力の範囲において、特に高粘度及び高表面張力の領域を採用することで、飛行中における液滴の直進性が向上し、かつ液滴の分割が効果的に防止されて、目的の位置へ液滴を着弾させることが可能になることが判明した。分散液の粘度や表面張力が前記の上限値を超えると、インクジェット印刷やマイクロディスペンサ印刷を首尾良く行うことが容易でなくなる。逆に分散液の粘度や表面張力が前記の下限値を下回ると、飛行中における液滴の直進性が低下したり、液滴が分割したりする傾向にある。
分散液の粘度は、粘弾性測定装置(HAAKE社製のRS−1)を用い、ずり速度1000s-1の条件で測定される。表面張力は、エー・アンド・ディー製のDCA−100Wを用い、輪環法によって測定される。いずれの測定も25℃の環境下で行われる。
分散液の粘度及び表面張力を前記の範囲内に設定するためには、分散媒として上述の有機溶媒の組み合わせを用い、それらの使用割合を調整すればよい。
本発明において用いられる粒子は亜酸化銅粒子である。亜酸化銅粒子を用いると、上述した分散媒との相乗作用によって、印刷の位置精度を一層高めることが可能になる。
上述した分散媒と、亜酸化銅粒子との混合割合は、分散液の粘度及び表面張力が上述の範囲内になることを条件として、広い範囲で設定可能である。具体的には、本発明の粒子分散液は、亜酸化銅粒子を好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10〜40重量%含むことができる。
本発明で用いる亜酸化銅粒子の粒径に特に制限はなく、広い範囲から選択が可能である。尤も、印刷の位置精度を高める観点からは、20〜300nm、特に50〜150nmの微粒の亜酸化銅粒子を用いることが好ましい。ここで言う亜酸化銅粒子の粒径とは、該粒子の一次粒径のことであり、走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影された亜酸化銅粒子の写真に基づき、個々の亜酸化銅粒子のうち横断長が最も長い部分の長さを測定し、その平均値を算出することで求める。測定に用いられるサンプル数はN=30以上とする。
亜酸化銅粒子としては、市販品を用いてもよく、あるいは分散液の調製に先立ち製造したものを用いてもよい。本発明に用いる亜酸化銅粒子は、例えば、銅含有化合物を原料として生成させたものを用いることができる。亜酸化銅粒子を生成させるには、例えば酢酸銅とメタノールと水とを混合・撹拌し、そこにヒドラジン等の還元剤を添加して酢酸銅を還元し、亜酸化銅粒子を生成させる方法を用いることができる。あるいはアセチルアセトナト銅錯体を、200℃程度のポリオール溶媒中で加熱する方法(例えばアンゲバンデケミインターナショナルエディション、40号、2巻、P359、2001を参照のこと。)を用いることもできる。
亜酸化銅粒子の形状は、一般的に言って、吐出された液滴の直進性に影響を及ぼす。詳細には、粒子が異方性の小さい形状、例えば球形であると液滴の直進性は良好になる傾向にある。その意味で、本発明においても、球状の亜酸化銅粒子を用いることが好ましい。尤も、本発明においては、分散液の粘度及び表面張力を上述の範囲にコントロールしているので、球状以外の形状の亜酸化銅粒子を用いても、高い直進性を確保することができ、印刷の位置精度を高めることができる。
亜酸化銅粒子の形状と同様に、亜酸化銅粒子の分散性も、一般的に言って、吐出された液滴の直進性に影響を及ぼす。詳細には、亜酸化銅粒子が単分散であるほど液滴の直進性は良好になる傾向にある。その意味で、本発明においても、単分散性の亜酸化銅粒子を用いることが好ましい。尤も、本発明においては、分散液の粘度及び表面張力を上述の範囲にコントロールしているので、凝集粒子を用いても、高い直進性を確保することができ、印刷の位置精度を高めることができる。したがって本発明によれば、分散液中の亜酸化銅粒子が、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子となっていても、印刷の位置精度の低下を防止することができる。このことは、表面活性が高く、長期保存中に凝集が起こりやすい粒子を用いる場合に特に有利である。
次に、本発明の粒子分散液の好適な製造方法について説明する。本製造方法においては、例えば上述の方法を用い、酢酸銅の還元によって亜酸化銅粒子を生成させる。生成した亜酸化銅粒子は、メタノール及び水に分散した状態になっているので、プロピレングリコール等のグリコール系化合物を用いた溶媒置換によって、グリコール系化合物を分散媒とする分散液となす。この場合、溶媒置換を複数回繰り返すことで、水を実質的に含有せず、かつグリコール系化合物のみを分散媒とする分散液を得ることができる。完全に溶媒置換が完了したら、メディアミル等の分散装置を用いた分散処理を行い、また必要に応じ粗大粒子を濾過によって除去する。その後、分散液の粘度及び表面張力の調整の目的並びに粒子の濃度調整の目的で、所定量のγ−ブチロラクトン等の環状エステル化合物を添加する。これによって、グリコール系化合物と環状エステル化合物との重量比が所望の値となった分散液となすことができる。
このようにして得られた本発明の粒子分散液は、例えばインクジェット印刷用インク、マイクロディスペンサ印刷用インクとして好適に用いられる。本発明の分散液をこれらの印刷に用いると、目的とする位置に精度良く印刷を行うことができる。しかも、例えば30分〜3時間という長時間にわたって連続して印刷を行っても、ノズルの目詰まりが起こりにくい。同様に、印刷と停止を交互に繰り返す間欠印刷を行っても、ノズルの目詰まりも起こりにくい。
本発明の粒子分散液からなるインクは、例えば基板上に印刷されることで塗膜となり、該塗膜を熱処理することで、導電性を有する薄膜となる。本発明の粒子分散液に含まれる亜酸化銅粒子が微粒である場合には、微細なパターンの導電性薄膜を形成することができる。塗膜の厚みは、目的とする導電性薄膜の具体的な用途に応じて好ましくは0.1〜100μm、更に好ましくは1〜30μmの範囲で適切に調整できる。
塗膜の形成後には、該塗膜を十分な温度で熱処理することが好ましい。熱処理は例えば非酸化性雰囲気下で行うことができる。非酸化性雰囲気は、水素や一酸化炭素等の還元雰囲気、及びアルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性雰囲気を包含する。特に還元雰囲気下で行うことが有利である。還元雰囲気及び不活性雰囲気のいずれの場合であっても、加熱に先立ち加熱炉内を一旦真空吸引して酸素を除去した後に、還元雰囲気又は不活性雰囲気とすることが好ましい。また不活性雰囲気下で一旦熱処理した後に、還元雰囲気下で熱処理すると、得られる薄膜が一層緻密になるので好ましい。
熱処理の温度は、150〜400℃、特に180〜250℃とすることが好ましい。熱処理においては、この温度範囲を10分〜3時間、特に30分〜1時間保持することが好ましい。
塗布の対象となる基板としては、無機物及び有機物のいずれを用いてもよい。無機物の基板としては、例えばガラス、シリコンやゲルマニウム等の半導体、ガリウム−ヒ素やインジウム−アンチモン等の化合物半導体などからなる基板が挙げられる。有機物の基板としては、ポリイミド、ポリエステル、アラミド、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などからなる基板が挙げられる。これらの基板における被塗布面には、予めコロナ放電処理等の表面活性化処理を施しておいてもよい。あるいは、被塗布面に各種のカップリング剤を塗布しておいてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
2000mlビーカーに純水432g、酢酸銅一水和物(日本化学産業株式会社製)204g、メタノール(和光純薬工業株式会社製)185gを加え、スクリュー翼を用いて十分に攪拌した。次にヒドラジン一水和物(和光純薬工業株式会社製)19gを添加し、更に攪拌することで一次粒子径約100nmの亜酸化銅微粒子のスラリーを得た。この粒子を水で十分に洗浄した後、プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社製)へ溶媒置換し、亜酸化銅スラリーを得た。該スラリー中の亜酸化銅粒子の濃度は45%であった。次に該スラリーを、メディア式分散機を用いて湿式分散処理した後、抜き出し回収した。回収されたスラリー中に含有される1μm以上の粒子を、カートリッジ式フィルター(アドバンテック東洋株式会社製MCP−JX−E10S、平均孔径1μm)に通液濾過することで除去した。通液濾過処理後、該亜酸化銅スラリー20gにγ−ブチロラクトン16g(和光純薬工業株式会社製)を加え、攪拌、混合することで濃度25%の亜酸化銅粒子分散液を得た。この分散液における分散媒はプロピレングリコール及びγ−ブチロラクトンのみであり、水は実質的に含まれていなかった。分散媒におけるプロピレングリコールの割合は41%、γ−ブチロラクトンの割合は59%であった。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして得られた亜酸化銅スラリー20gに、プロピレングリコールを3.85g、γ−ブチロラクトンを12.15g加えた以外は実施例1と同様にして濃度25%の亜酸化銅粒子分散液を得た。この分散液における分散媒はプロピレングリコール及びγ−ブチロラクトンのみであり、水は実質的に含まれていなかった。分散媒におけるプロピレングリコールの割合は55%、γ−ブチロラクトンの割合は45%であった。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして得られた亜酸化銅スラリー20gに、プロピレングリコールを6.82g、γ−ブチロラクトンを9.18g加えた以外は実施例1と同様にして濃度25%の亜酸化銅粒子分散液を得た。この分散液における分散媒はプロピレングリコール及びγ−ブチロラクトンのみであり、水は実質的に含まれていなかった。分散媒におけるプロピレングリコールの割合は66%、γ−ブチロラクトンの割合は34%であった。
〔比較例1〕
実施例1の溶媒置換において、プロピレングリコールに代えてエチレングリコールを用い、エチレングリコールを分散媒とするスラリーを得た。このスラリー中に含有される1μm以上の粒子を、カートリッジ式フィルター(アドバンテック東洋株式会社製MCP−JX−E10S、平均孔径1μm)に通液濾過することで除去した。通液濾過処理後、該スラリー20gに、エチレングリコール16gを加えて希釈し、攪拌、混合することで濃度25%の亜酸化銅粒子分散体を得た。この分散体における分散媒はエチレングリコールのみであり、水は実質的に含まれていなかった。
実施例及び比較例で得られた亜酸化銅粒子分散液について、上述の方法で25℃における粘度及び表面張力を測定した。更に、以下の方法でインクジェット印刷を行い、位置ずれの発生の有無及びサテライトの発生の有無並びに連続印刷時及び間欠印刷時における目詰まりの発生の有無を評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
印刷は、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いて行った。60dpiの解像度にて直線パターンの印刷を行い、印刷後の状態を顕微鏡で観察し、位置ずれの発生の有無を評価した。実施例1で印刷した直線の光学顕微鏡像を図1(a)に示す。また、比較例1で印刷した直線の光学顕微鏡像を図1(b)に示す。更に、この直線パターンを、図1(a)及び(b)よりも高倍率で観察し、各印刷ドットの周囲における微小なドットの存在の有無を確認することにより、サテライトの発生の有無を評価した。
連続印刷時及び間欠印刷時におけるノズルの目詰まりは次の方法により評価した。すなわち、連続印刷時のノズル目詰まりは、前述のインクジェットヘッドを用いて印刷を30分間連続で行った後のノズルをCCDカメラで観察することにより評価した。また、間欠印刷時のノズルの目詰まりは、印刷を5分間行った後、3分間印刷を停止し、その後再度30分間印刷を行った後のノズルをCCDカメラで観察することにより評価した。評価基準を以下に示す。
◎:インクジェットヘッドのすべてのノズルで目詰まりが観察されなかった。
○:インクジェットヘッドのノズルのうちの20%以下のノズルで目詰まりが観察された。
△:インクジェットヘッドのノズルのうちの20%超50%以下のノズルで目詰まりが観察された。
×:インクジェットヘッドのノズルのうちの50%超のノズルで目詰まりが観察された。
表1及び図1(a)に示す結果から明らかなように、実施例1で得られた分散液を用いてインクジェット印刷を行うと、位置ずれ及びサテライトの発生が観察されず、かつ連続印刷時においてノズル目詰まりを起こさずに印刷を行えることが判る。なお、図には示していないが、実施例2及び実施例3で得られた分散液を用いてインクジェット印刷を行っても、位置ずれの及びサテライトの発生は観察されなかった。間欠印刷時においては、実施例3では、わずかなノズルで目詰まりが観察されたが、実施例1及び2ではノズル目詰まりを起こさずに印刷を行えることが判る。これに対して比較例1では、連続印刷時及び間欠印刷時の双方において大部分のノズルで目詰まりが観察され、かつ位置ずれ及びサテライトの発生も観察された。

Claims (3)

  1. 有機溶媒を分散媒とする亜酸化銅粒子の粒子分散液であって、
    前記分散媒として、プロピレングリコールとγ−ブチロラクトンのみの組み合わせを用い、該分散媒におけるプロピレングリコールの割合を30〜70重量%とし、γ−ブチロラクトンの割合を30〜70重量%とし、
    前記分散媒中に水が含まれておらず、
    前記分散液は、25℃において、粘度が5〜18mPa・sであり、かつ表面張力が40〜45mN/mであり、
    インクジェット印刷又はマイクロディスペンサ印刷に用いられることを特徴とする粒子分散液。
  2. 前記亜酸化銅粒子として、粒径20〜300nmのものを用いる請求項1に記載の粒子分散液。
  3. 前記亜酸化銅粒子を5〜50重量%含む請求項1又は2に記載の粒子分散液。
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