以下に、図面を参照して本発明による現金自動取引装置の実施例について説明する。
図1において、1は現金自動取引装置としての現金自動預払機であり、銀行や日本郵政株式会社のゆうちょ銀行等の金融機関の支店や郵便局、コンビニエンスストア等の店舗に設置され、顧客との間での取引処理を自動で行う。
2は金融機関のセンタに設置された上位装置としてのホストコンピュータであり、店舗に設置されている現金自動預払機1と専用回線や電話回線等の通信回線3を介して接続しており、口座開設者である顧客を個別に識別するための顧客IDに対応させて顧客の口座の口座番号等の口座情報やその暗証番号、口座残高等の顧客情報を保有して顧客の口座を管理する。
4は現金自動預払機1の主制御部であり、通信回線3を介してホストコンピュータ2と接続しており、現金自動預払機1内の各部を制御して取引処理や紙幣処理等を実行する機能を有する他、データ通信等を制御する機能等を有している。
5は記憶部であり、主制御部4が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータ、主制御部4による処理結果等が格納される。
6は操作表示部であり、現金自動預払機1の前面に設けられ、LCD等の表示画面とタッチパネル等の入力手段との組合せで構成されており、表示画面に取引選択画面や各種の入力画面、顧客の処置を促す画面等を表示する他、入力手段により顧客からの入力を受付ける機能等を有している。
7はカード取扱部であり、挿入された顧客のキャッシュカードやクレジットカード等の取引カードの磁気ストライプやICチップ等に記録されている顧客IDや口座情報等のカード情報を読み書きする機能を有すると共に明細票等に取引内容等を印刷する機能等を有している。
8は通帳取扱部であり、顧客の通帳の磁気ストライプやICチップ等に記録されている通帳情報を読み書きする機能を有すると共に取引内容等を顧客の通帳に記帳する機能を有している。
9は媒体入出金部としての硬貨入出金部であり、入金取引時等に顧客が投入した媒体としての硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納カセットへ収納し、出金取引時等に収納カセットから顧客に支払う硬貨を繰出し、これを計数して顧客に払出す機能を有している。
10は媒体入出金部としての紙幣入出金部であり、入金取引時等に顧客が投入した媒体としての紙幣を受入れ、これを鑑別および計数して収納カセットへ収納し、出金取引時等に収納カセットから顧客に支払う紙幣を繰出し、これを計数して顧客に払出す機能を有しており、以下に示す構成を有している。
図2、図3において、11は紙幣の入出金部であり、紙幣入出金部10の前面に設けられ、紙幣の投入時および紙幣の払出時に開閉する図示しないシャッタや、顧客が投入した紙幣を1枚毎に分離して繰出す分離繰出機構、顧客に返却する紙幣や顧客に支払う紙幣を集積する集積機構等を備えており、顧客が投入した紙幣を受入れると共に顧客に支払う紙幣を払出す機能を有している。
12は鑑別部であり、搬送された紙幣に対する各種の鑑別、つまり紙幣の真偽や正損、金種等を識別する機能、および重送、連鎖、斜行等の搬送異常を検出する機能、これらの鑑別結果を主制御部4へ出力する機能等を有している。
13は一時保留部であり、入金処理において入出金部11に投入された紙幣で、鑑別部12により真券と鑑別され、取込処理可能と判定された正常紙幣を集積して一時保留する集積部であって、入出金部11側の上部に搬送された紙幣を集積する集積機構を備えた搬入口、その側の下部に紙幣を1枚毎に分離して繰出す分離繰出機構を備えた繰出口が設けられており、一時保留部13内に存在する紙幣を検出する図示しない残留検出センサ等を備えている。
14は収納カセットであり、設定された設定金種の紙幣を金種別に収納するカセットであって、その上部の一端には紙幣を1枚毎に分離して繰出すと共に搬送された紙幣を1枚ずつ送り込んで集積する分離集積機構、分離集積機構から放出された紙幣を集積する昇降機構が設けられたステージ等を備えており、紙幣入出金部10に着脱可能に装着されている。
本実施例の設定金種としては、確定された入金紙幣を出金に再使用する循環使用に用いる紙幣の金種(循環金種という。)が設定され、紙幣入出金部10に設けられた複数の収納カセット14a〜14cには、図4に示すように、収納カセット14a、14bは循環金種の紙幣である1万円紙幣(万券という。)を、収納カセット14cは循環金種の紙幣である千円紙幣(千券という。)を収納するように設定されている。
15は汎用カセットとしてのリジェクトカセットであり、収納カセット14に収納されない紙幣を金種に関らずに収納するカセットであって、搬送された紙幣を集積する集積機構が設けられ、紙幣入出金部10に着脱可能に装着されており、出金には用いない紙幣(非出金紙幣という。)等が収納される。
本実施例の非出金紙幣としては、入金は受付けるが出金には用いない紙幣として、循環使用に用いない紙幣に設定された非循環金種の紙幣(本実施例では、5千円紙幣(5千券という。)と2千円紙幣(2千券という。)の2金種)が該当し、出金に用いることができない紙幣として、入金処理時の収納処理において過度の汚損等により金種不明と鑑別された金種不明紙幣、出金処理時に収納カセット14から繰出された紙幣の中で、過度の汚損等により金種不明と鑑別された金種不明紙幣、入金処理時の収納処理において重送等により搬送異常と鑑別された搬送異常紙幣、出金処理時に収納カセット14から繰出された紙幣の中で、重送等により搬送異常と鑑別された搬送異常紙幣等のリジェクト紙幣や、出金処理時に繰出元の収納カセット14に設定された循環金種と異なる金種と鑑別された異金種紙幣が該当する。
なお、収納カセット14が、設定された循環金種の紙幣によってフル状態になった場合において、その後に入金された循環金種の紙幣は、収納カセット14がフル状態であるために収納することができない過剰となった紙幣(過剰紙幣という。)として、リジェクトカセット15へ収納される。
16は収納状態検出センサであり、収納カセット14a〜14cおよびリジェクトカセット15(これらを総称する場合は、カセット14、15という。)にそれぞれ設けられた光学式等のセンサであって、各カセット14、15の紙幣の収納状態がフル状態(1回の取引で許容される最大枚数(例えば100枚)の紙幣を収納することができなくなった状態をいう。)になったことを検出する機能を有しており、収納カセット14aには収納状態検出センサ16aが、収納カセット14bには収納状態検出センサ16bが、収納カセット14cには収納状態検出センサ16cが、リジェクトカセット15には収納状態検出センサ16dが、それぞれ設けられている。
17は搬送路であり、図3に示すように、上記した各部の間を接続して紙幣を搬送するために複数(17a〜17n)設けられ、紙幣を搬送するためのベルト対および/もしくはローラ対等で構成され、それらの分岐部にはブレード等により搬送方向を切替える図示しない切替機構が設けられている。
上記の現金自動預払機1の記憶部5には、顧客が選択した取引の入力を受付け、これを基にホストコンピュータ2と交信して顧客との取引処理を自動で行う機能等を有する通常の取引処理プログラム、入金取引や出金取引等の紙幣の入出金を伴う取引(紙幣取扱取引という。)において紙幣入出金部10を制御して紙幣の入金処理や出金処理等の紙幣処理を実行する機能を有する紙幣処理プログラム、およびリジェクトカセット15がフル状態になったときに、収納枚数が最も少ない最少収納枚数の収納カセット14を、リジェクトカセット15に収納すべき非出金紙幣等を収納する仮のリジェクトカセット(仮汎用カセットとしての仮リジェクトカセット18という。)に設定して非出金紙幣等の搬送先を変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、初期画面としての取引選択画面を表示した状態で取引選択が行われなかった場合に、リジェクトカセット15の収納状態を確認するための所定の待機時間である収納状態確認時間が予め設定されて格納されている。
更に、記憶部5には、通常運用時に収納すべき金種として予め設定された設定金種を収納カセット14別に記憶する設定金種記憶エリア5a、仮リジェクトカセット18が設定されたときに、仮リジェクトカセット18に設定された収納カセット14の記録エリアに元の設定金種を書込んで、仮リジェクトカセット18が設定された旨を収納カセット14別に記録するための設定金種変更記録エリア5b、各収納カセット14へ収納されている紙幣の収納枚数を収納カセット14別に計数すると共にリジェクトカセット15に紙幣を収納した回数を計数するための収納枚数カウントエリア5c、一時保留部13に集積した紙幣を金種別に計数するための取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種記憶エリア5aの設定金種は、収納カセット14a、14bは万券に、収納カセット14cは千券に設定され(図4参照)、設定金種変更記録エリア5bの各収納カセット14の記録エリアの初期値は「0」に設定される。
なお、リジェクトカセット15へは、収納カセット14に収納されない紙幣、つまり上記した非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)、異金種紙幣、過剰紙幣が収納される。
以下に、図4ないし図6を用いて、本実施例の紙幣入出金部10による通常の紙幣処理における入金処理の取込動作と収納動作、および出金処理の出金動作について説明する。
入金処理における取込動作は、顧客が紙幣を入出金部11に投入すると、主制御部4は、図4に示すように、投入された紙幣を入出金部11の分離繰出機構により搬送路17aへ繰出し、搬送路17bを経由して鑑別部12へ搬送し、その鑑別結果を基に、真券と鑑別され取込可能と判定された正常紙幣は搬送路17c、17dを経由して一時保留部13へ搬送して集積し(図4に示す太い実線参照)、真券以外の異常紙幣、つまり外国紙幣や過度の汚損、搬送異常等により取込不可能と鑑別された紙幣は搬送路17c、17fを経由して入出金部11に搬送して集積し顧客に返却する(図4に示す太い破線参照)。
入金金額の確定後の入金紙幣の収納動作においては、主制御部4は、図5に示すように、一時保留部13に集積した入金紙幣を、その分離繰出機構により搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、その鑑別結果を基に、循環金種である万券と鑑別された紙幣は搬送路17b、17g、17hを経由して、搬送路17iまたは17jにより収納カセット14aまたは14bへ搬送して収納し、循環金種である千券と鑑別された紙幣は搬送路17b、17g、17hを経由して、搬送路17kにより収納カセット14cへ搬送して収納し(図5に示す太い実線参照)、非出金紙幣である非循環金種の5千券、2千券および収納時のリジェクト紙幣、並びに過剰紙幣は、搬送路17b、17g、17hを経由して、搬送路17mによりリジェクトカセット15へ搬送して収納する(図5に示す太い破線参照)。
出金処理における出金動作は、出金金額が入力されると、主制御部4は、図6に示すように、出金金額に相当する紙幣を収納カセット14a、14bまたは14cから分離集積機構により搬送路17i、17jまたは17kに繰出し、搬送路17h、17g、17bを経由して鑑別部12へ搬送し、その鑑別結果を基に、金種が鑑別された出金紙幣は搬送路17c、17fを経由して入出金部11に搬送して集積し(図6に示す太い実線参照)、出金金額に相当する出金紙幣を集積した後に顧客に払出し、非出金紙幣である出金時のリジェクト紙幣、および異金種紙幣は、搬送路17c、17n、17mを経由してリジェクトカセット15へ搬送して収納する(図6に示す太い破線参照)。
以下に、図7ないし図9に示すフローチャートを用い、図7にS1で、図8にSA1で、図9にSB1で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、およびリジェクトカセット15がフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理について説明する。
金融機関の店舗の係員が、始業時等に現金自動預払機1へ電源を投入すると、現金自動預払機1の記憶部5に格納されている業務処理実行プログラムが自動的に起動される。
業務処理実行プログラムが起動すると、現金自動預払機1の主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの各収納カセット14の記録エリアを「0」にクリアして、設定金種変更記録エリア5bを初期化する。
S1−1、現金自動預払機1の主制御部4は、その操作表示部6の表示画面に取引選択画面を表示し、その時計機能により取引選択画面を表示したとき、または収納状態確認時間の経過後にリジェクトカセット15の収納状態を確認(ステップS1−8参照)した後に本ステップへ戻ったときからの経過時間の計測を開始すると共に、ステップS1−2〜S1−4による待機を開始する。
取引選択画面には、出金取引を選択するための「お引き出し」ボタン、入金取引を選択するための「お預け入れ」ボタン、振込取引を選択するための「お振り込み」ボタン、口座残高を照会する残高照会取引を選択するための「残高照会」ボタン、通帳に未記入の取引データを記帳する通帳記帳取引を選択するための「通帳記帳」ボタン等の各種の取引選択ボタンが表示される。
S1−2、主制御部4は、取引選択画面を表示した状態で、その時計機能により現在時刻を認識しながら稼動終了時刻の到来を待って待機しており、現在時刻が稼動終了時刻以前の場合はステップS1−3へ移行する。現在時刻が稼動終了時刻になった場合は、業務処理実行プログラムを終了させて現金自動預払機1の運用を停止する。
S1−3、主制御部4は、取引選択画面を表示した状態で、上記ステップS1−1で開始した経過時間を計測しながら、記憶部5に格納されている収納状態確認時間の経過を待って待機しており、取引選択ボタンによる取引選択が行われずに収納状態確認時間の経過を認識した場合はステップS1−8へ移行する。計測した経過時間が収納状態確認時間未満の場合はステップS1−4へ移行する。
S1−4、主制御部4は、取引選択画面を表示した状態で、顧客による取引選択ボタンの押下を待って待機しており、操作表示部6の入力手段によって取引選択ボタンが押下されたことを認識した場合は、ステップS1−5へ移行して取引処理を開始する。取引選択ボタンの押下を認識しない場合は、ステップS1−2へ戻り、ステップS1−2〜S1−4による待機を継続する。
S1−5、取引選択ボタンの押下を認識した主制御部4は、押下された取引選択ボタンが入金取引を選択したものである場合は、接続子A1を介して図8のステップSA1−1へ移行する。他の取引選択ボタンが押下された場合はステップS1−6へ移行する。
S1−6、取引選択ボタンの押下を認識した主制御部4は、押下された取引選択ボタンが出金取引を選択したものである場合は、接続子B1を介して図9のステップSB1−1へ移行する。他の取引選択ボタンが押下された場合はステップS1−7へ移行する。
S1−7、入金取引および出金取引以外の取引が選択されたことを認識した主制御部4は、認識した取引の取引処理を通常通りに実行し、その取引処理の終了後にステップS1−8へ移行する。
なお、紙幣取扱取引である、振込取引における現金振込が選択された場合の作動については後述する。
S1−8、取引処理の実行を終えた(後述する入金取引または出金取引の取引処理の終了後に接続子Eを介して移行した場合を含む。)または上記ステップS1−3において収納状態確認時間の経過を認識した主制御部4は、各収納状態検出センサ16a〜16dの出力信号によって、各カセット14、15の収納状態を確認する。
S1−9、各カセット14、15の収納状態を確認した主制御部4は、リジェクトカセット15がフル状態でない場合、つまりリジェクトカセット15に空きスペースがあり収納余裕が存在する場合はステップS1−17へ移行する。リジェクトカセット15がフル状態である場合は、非出金紙幣等の搬送先変更処理が必要と判定してステップS1−10へ移行する。
S1−10、非出金紙幣等の搬送先変更処理が必要と判定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bから各収納カセット14の記録内容を読出し、それぞれの記録内容が初期値の場合は、仮リジェクトカセット18(ステップS1−14参照)が設定されていないことを判定してステップS1−11へ移行する。
各記録内容のいずれかに当該収納カセット14の設定金種が記録されている場合(ステップS1−15参照)は、仮リジェクトカセット18が既に設定されていることを判定し、ステップS1−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、紙幣取扱取引の運用形態を現状のままとした取引選択画面を表示して待機する。
S1−11、仮リジェクトカセット18が設定されていないことを判定した主制御部4は、収納状態を確認した収納カセット14の全てがフル状態の場合はステップS1−12へ移行する。いずれかの収納カセット14に収納余裕が存在する場合はステップS1−14へ移行する。
S1−12、リジェクトカセット15および全ての収納カセット14がフル状態であることを判定した主制御部4は、入金取引や出金取引等の紙幣取扱取引を中止に設定する。
S1−13、紙幣取扱取引を中止に設定した主制御部4は、各カセット14、15がフル状態である旨を記した通知を図示しない店舗の管理端末へ送信して管理端末の担当者または保守担当者等の係員に通知し、ステップS1−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、紙幣取扱取引が中止されている旨の文言、および入金取引や出金取引等の紙幣取扱取引の選択ボタンを非表示とした運用形態を変更した取引選択画面を表示して待機する。
一方、通知を受けた係員は、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換すると共にフル状態の各収納カセット14を設定金種の紙幣を適正な枚数装填した収納カセット14に交換して、紙幣取扱取引の通常運用を可能な状態にする。
S1−14、リジェクトカセット15がフル状態であるが、収納カセット14に収納余裕が存在することを判定した主制御部4は、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cの収納カセット14別の収納枚数を読出し、全収納カセット14の中で、収納枚数が最も少ない最少収納枚数の収納カセット14(本実施例では、循環金種の千券に設定されている収納カセット14cとする。)を仮リジェクトカセット18cに設定し、仮リジェクトカセット18cからの紙幣の繰出を停止する。このため、以後の作動においては、仮リジェクトカセット18cの設定が解除されるまで、千券の出金が停止されることになる。
S1−15、仮リジェクトカセット18cを設定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの収納カセット14cの記録エリアに当該収納カセット14cの現在の設定金種を記録して、仮リジェクトカセット18cが設定された旨を記録し、収納カセット14cを他の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14a、14b)に収納されない紙幣を収納する仮リジェクトカセット18cとして機能させる。
S1−16、仮リジェクトカセット18cが設定された旨を記録した主制御部4は、リジェクトカセット15がフル状態である旨および収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cとして設定した旨を記した通知を図示しない店舗の管理端末へ送信して係員に通知し、ステップS1−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、千券による出金が中止されている旨の文言を表示した運用形態を変更した取引選択画面を表示して待機する。
なお、上記ステップS1−14において、最少収納枚数の収納カセット14が、同一金種である万券に設定されている収納カセット14a、14bのいずれか一方、例えば収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bに設定した場合は、仮リジェクトカセット18bからの繰出は停止されるが、収納カセット14aからの繰出は停止されないので、万券および千券の出金が可能になり、運用形態は変更されない。
一方、通知を受けた係員は、顧客が当該現金自動預払機1を利用していないとき等に、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換すると共に仮リジェクトカセット18cとして設定された収納カセット14cから設定後に収納された紙幣を抜取って、紙幣取扱取引の通常運用を可能な状態にする。
この場合に、仮リジェクトカセット18cを設定金種の紙幣(千券)を適正な枚数装填した収納カセット14cに交換するようにしてもよい。
S1−17、上記ステップS1−9において、リジェクトカセット15に収納余裕が存在することを判定した主制御部4は、通常運用による紙幣取扱取引を可能に設定する。
S1−18、通常運用による紙幣取扱取引を可能に設定した主制御部4は、上記ステップS1−10と同様にして、仮リジェクトカセット18cが設定されていないことを判定した場合、つまり通常通りの運用をしている場合は、ステップS1−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、通常の取引選択画面を表示して待機する。仮リジェクトカセット18cが設定されていたことを判定した場合は、ステップS1−19へ移行する。
S1−19、仮リジェクトカセット18cが設定されていたことを判定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの各収納カセット14の記録エリアを「0」にクリアし、仮リジェクトカセット18cの設定を解除して収納カセット14cの設定金種を元の設定金種に再設定し、ステップS1−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、通常の取引選択画面を表示して待機する。
これにより、係員によるリジェクトカセット15の交換等によって、紙幣取扱取引の通常運用が可能な状態にされた場合に、紙幣取扱取引の運用を自動的に通常通りに戻すことが可能になる。
このようにして、本実施例の非出金紙幣等の搬送先変更処理が実行される。
以下に、図8に示すフローチャートを用い、SA1で示すステップに従って、本実施例の現金自動預払機1による入金取引処理について説明する。
SA1−1、上記ステップS1−5において、入金取引の選択を認識し、接続子A1を介して移行した主制御部4は、操作表示部6の表示画面に取引カードの挿入を促す旨の文言等を表示した取引カード挿入画面を表示し、顧客はこれに従って取引カードをカード取扱部7に挿入する。
取引カードの挿入を認識した主制御部4は、カード取扱部7によって取引カードに記録されている顧客ID、顧客の口座番号等のカード情報を読取り、読取ったカード情報を記憶部5に一時保存する。
SA1−2、カード情報を読取った主制御部4は、操作表示部6の表示画面に現金の投入を促す旨の文言を表示した現金投入画面を表示し、紙幣入出金部10の入出金部11のシャッタ、および硬貨入出金部9の図示しない入出金部のシャッタをそれぞれ開放し、顧客は、解放された入出金部11に紙幣を投入する。
なお、以下の説明においては、顧客は紙幣のみを入出金部11に投入した場合について説明する。
SA1−3、主制御部4は、入出金部11に設けられた図示しない投入検知センサが、投入された紙幣を検知した後に、その時計機能により所定の時間の経過を認識したときは、紙幣の投入を判定して入出金部11のシャッタを閉鎖し、紙幣入出金部10による入金処理における投入紙幣の取込処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、図4を用いて説明した取込動作と同様にして、入出金部11に投入された紙幣を鑑別部12で鑑別し、その鑑別結果を基に、真券と鑑別された正常紙幣は、記憶部5の取込紙幣カウントエリア5dでその金種別の枚数を計数しながら一時保留部13へ搬送して集積し、真券以外の異常紙幣は入出金部11に搬送して顧客に返却し、入出金部11に投入された全ての紙幣の取込処理を終えたときにステップSA1−4へ移行する。
SA1−4、投入紙幣の取込処理を終えた主制御部4は、取込紙幣カウントエリア5dで計数した取込紙幣の金種別の枚数を基に、一時保留部13に集積した取込紙幣の合計金額を算出し、操作表示部6の表示画面に、算出した合計金額等および入金金額の確認を指示するため確認ボタン等を表示した入金金額確認画面を表示し、顧客は表示された入金金額を確認して確認ボタンを押下する。
SA1−5、確認ボタンを押下により、入金金額が確定されたことを判定した主制御部4は、入金取引の交信処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、記憶部5に一時保存した取引カードのカード情報に確定された入金金額を添付した入金取引電文を作成し、これを通信回線3を介してホストコンピュータ2へ送信し、入金取引電文を受信したホストコンピュータ2は、添付されたカード情報を基に顧客の顧客情報を特定し、特定した顧客の口座に入金金額を入金して口座残高を更新すると共に口座の更新が終了した旨を電文にして取引終了電文を作成する。
そして、ホストコンピュータ2は取引終了電文を送信元の現金自動預払機1へ通信回線3を介して送信し、これを受信した主制御部4は、入金取引の交信処理を終了させてステップSA1−6へ移行する。
SA1−6、入金取引の交信処理を終えた主制御部4は、一時保留部13に集積されている確定された入金紙幣の収納処理を実行するために、一時保留部13に集積した入金紙幣を、その分離繰出機構により搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した入金紙幣の金種等を鑑別する。
SA1−7、鑑別された入金紙幣の金種等を鑑別した主制御部4は、鑑別された紙幣が循環金種の紙幣(万券または千券)の場合はステップSA1−8へ移行する。鑑別された紙幣が循環金種の紙幣でない場合、つまり非出金紙幣である5千券、2千券と鑑別された非循環金種の入金紙幣、またはリジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)の場合はステップSA1−14へ移行する。
SA1−8、鑑別された入金紙幣が循環金種の紙幣であることを判定した主制御部4は、収納状態検出センサ16a〜16cからの出力信号によって、各収納カセット14の収納状態を確認する。
SA1−9、各収納カセット14の収納状態を確認した主制御部4は、記憶部5の設定金種記憶エリア5aから各収納カセット14の設定金種を、収納枚数カウントエリア5cから各収納カセット14別の収納枚数を読出してステップSA1−10へ移行する。
SA1−10、各収納カセット14別の収納枚数およびそれらの設定金種を読出した主制御部4は、読出した各収納カセット14の設定金種を参照して、鑑別された循環金種に該当する設定金種が設定された収納カセット14が複数存在する場合は(本実施例では、鑑別された循環金種が万券である場合の収納カセット14a、14bが該当する。)、ステップSA1−11へ移行する。
鑑別された循環金種に該当する設定金種が設定された収納カセット14が一つの場合はステップSA1−12へ移行する。
SA1−11、鑑別された循環金種に設定された収納カセット14が複数存在することを判定した主制御部4は、設定金種が同一の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14a、14b)に収納されている収納枚数を比較し、収納枚数が少ない収納カセット14(本実施例では、収納カセット14aとする。)を搬送先に決定してステップSA1−13へ移行する。
SA1−12、鑑別された循環金種に該当する収納カセット14が一つであることを判定した主制御部4は、鑑別された循環金種に該当する収納カセット14(本実施例では、鑑別された循環金種が千券である場合における収納カセット14c)を、鑑別された循環金種の紙幣の搬送先に決定してステップSA1−13へ移行する。
SA1−13、循環金種の紙幣の搬送先を決定した主制御部4は、搬送先に決定した収納カセット14(仮リジェクトカセット18cを含む。)の収納状態を確認し、当該収納カセット14がフル状態の場合、つまり当該循環金種の紙幣を過剰紙幣と判定した場合はステップSA1−14へ移行する。当該収納カセット14に収納余裕が存在する場合はステップSA1−17へ移行する。
SA1−14、搬送した入金紙幣が非出金紙幣(5千券、2千券と鑑別された非循環金種の入金紙幣、またはリジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣))であることを判定した、または循環金種の紙幣を過剰紙幣と判定した主制御部4は、上記ステップS1−10と同様にして、仮リジェクトカセット18cが設定されていないことを判定した場合、つまり通常通りの運用をしている場合はステップSA1−15へ移行する。仮リジェクトカセット18cが設定されていることを判定した場合はステップSA1−16へ移行する。
SA1−15、通常通りの運用がされていることを判定した主制御部4は、非出金紙幣または過剰紙幣の搬送先を、リジェクトカセット15に決定してステップSA1−17へ移行する。
SA1−16、仮リジェクトカセット18が設定されていることを判定した主制御部4は、非出金紙幣または過剰紙幣の搬送先を、仮リジェクトカセット18cに決定してステップSA1−17へ移行する。
SA1−17、鑑別された入金紙幣の搬送先を決定した主制御部4は、決定された搬送先へ当該紙幣を搬送して収納する。
すなわち、主制御部4は、仮リジェクトカセット18cが設定されていない場合は、万券と鑑別された入金紙幣は、搬送路17b、17g、17iにより収納カセット14aへ搬送して収納し、千券と鑑別された入金紙幣は、搬送路17b、17g、17h、17kにより収納カセット14cへ搬送して収納し(図5に示す太い実線参照)、5千券、2千券またはリジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)と鑑別された非出金紙幣または過剰紙幣は、搬送路17b、17g、17h、17mによりリジェクトカセット15へ搬送して収納する(図5に示す太い破線参照)。
また、主制御部4は、仮リジェクトカセット18が設定されていた場合は、図10に示すように、万券と鑑別された入金紙幣は、前記と同様にして収納カセット14aへ搬送して収納し(図10に示す太い実線参照)、千券と鑑別された入金紙幣は、搬送路17b、17g、17h、17kにより仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)へ搬送して収納し、非出金紙幣(5千券、2千券またはリジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣))と鑑別された入金紙幣または過剰紙幣は、搬送路17b、17g、17h、17kにより仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納する(図10に示す太い破線参照)。
この場合に主制御部4は、収納カセット14に入金紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14の収納枚数に収納した枚数を加算して計数し、リジェクトカセット15または仮リジェクトカセット18cに入金紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15または仮リジェクトカセット18cのカウント数に収納した回数を加算して計数する。
SA1−18、一時保留部13から繰出した1枚の入金紙幣の収納を終えた主制御部4は、一時保留部13の図示しない残留検出センサからの出力信号を確認し、一時保留部13に入金紙幣が残留している場合はステップSA1−6へ戻って次の入金紙幣の収納処理を実行する。
一時保留部13に入金紙幣が残留していない場合、つまり全入金紙幣の収納を終えた場合は、入金取引の取引処理の終了を判定し、接続子Eを介して図7のステップS1−8へ移行する。
このようにして、本実施例の現金自動預払機1による入金取引処理が実行される。
以下に、図9に示すフローチャートを用い、SB1で示すステップに従って、本実施例の現金自動預払機1による出金取引処理について説明する。
SB1−1、上記ステップS1−6において、出金取引の選択を認識し、接続子B1を介して移行した主制御部4は、上記ステップSA1−1と同様にして、取引カード挿入画面を表示し、挿入された取引カードのカード情報を読取り、読取ったカード情報を記憶部5に一時保存する。
SB1−2、カード情報を読取った主制御部4は、操作表示部6の表示画面に暗証番号の入力を促す旨の文言等を表示した暗証番号入力画面を表示し、顧客は暗証番号を入力する。
SB1−3、入力された暗証番号を認識した主制御部4は、操作表示部6の表示画面に出金金額の入力を促す旨の文言等を表示した出金金額入力画面を表示し、顧客は出金金額を入力する。
SB1−4、出金金額が入力されたことを認識した主制御部4は、操作表示部6の表示画面に、入力された出金金額、出金金額を確認したことを指示するための「確認」ボタン等を表示した出金金額確認画面を表示し、顧客は表示された出金金額を確認して「確認」ボタンを押下する。
SB1−5、確認ボタンの押下により出金金額を認識した主制御部4は、出金取引の交信処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、記憶部5に一時保存した取引カードのカード情報に入力された暗証番号や出金金額等を添付した出金取引電文を作成し、これを通信回線3を介してホストコンピュータ2へ送信し、出金取引電文を受信したホストコンピュータ2は、添付されたカード情報を基に顧客の顧客情報を特定し、特定した顧客情報の暗証番号と送信された暗証番号とを照合し、暗証番号が一致した場合は顧客を認証し、特定した顧客の口座から出金金額を出金して口座残高を更新すると共に口座の更新が終了した旨を電文にして取引終了電文を作成する。
そして、ホストコンピュータ2は取引終了電文を送信元の現金自動預払機1へ通信回線3を介して送信し、これを受信した主制御部4は、出金取引の交信処理を終了させて、ステップSB1−6へ移行する。
SB1−6、出金取引の交信処理を終えた主制御部4は、顧客に払出す出金紙幣の出金処理を実行するために、出金金額を構成する金種の紙幣を、当該収納カセット14の分離集積機構により搬送路17へ繰出して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した紙幣の金種等を鑑別する(図6に示す太い破線参照)。
この場合に主制御部4は、収納カセット14から紙幣を繰出したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14の収納枚数から繰出した枚数を減算して計数する。
SB1−7、搬送した紙幣の金種等を鑑別した主制御部4は、鑑別された紙幣が循環金種の紙幣、つまり繰出元の収納カセット14の設定金種(循環金種)に該当する場合は、ステップSB1−8へ移行する。鑑別された紙幣が循環金種の紙幣でない場合、つまり非出金紙幣である非循環金種の紙幣(装填時のミス等により混入した2千券、5千券)もしくはリジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)、または繰出元の収納カセット14の設定金種に該当しない異金種紙幣の場合はステップSB1−9へ移行する。
SB1−8、鑑別された紙幣を出金金額を構成する出金紙幣と判定した主制御部4は、図6を用いて説明した出金動作と同様にして、当該出金紙幣を入出金部11へ搬送して集積し(図11に示す太い実線参照)、ステップS1−12へ移行する。
SB1−9、鑑別された紙幣を非出金紙幣等と判定した主制御部4は、上記ステップS1−10と同様にして、仮リジェクトカセット18cが設定されていないことを判定した場合、つまり通常通りの運用をしている場合は、ステップSB1−10へ移行する。仮リジェクトカセット18cが設定されていることを判定した場合は、ステップSB1−11へ移行する。
SB1−10、通常通りの運用がされていることを判定した主制御部4は、当該非出金紙幣または異金種紙幣を、搬送路17c、17n、17mを経由してリジェクトカセット15へ搬送して収納し(図6に示す太い破線参照)、ステップSB1−12へ移行する。
この場合に主制御部4は、リジェクトカセット15に紙幣を収納したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15のカウント数に収納した回数を加算して計数する。
SB1−11、仮リジェクトカセット18cが設定されていることを判定した主制御部4は、当該非出金紙幣または異金種紙幣を、搬送路17c、17dを経由して一時保留部13へ搬送して集積し(図11に示す太い破線参照)、ステップSB1−12へ移行する。
SB1−12、収納カセット14から繰出した1枚の出金紙幣の集積を終えた主制御部4は、入出金部11へ集積した紙幣の金額を確認し、集積した紙幣の金額が入力された出金金額未満の場合は、ステップSB1−6へ戻って次の出金紙幣の出金処理を実行する。
入出金部11へ集積した紙幣の金額が出金金額と一致した場合、つまり全出金紙幣の入出金部11への集積を終えた場合はステップSB1−13へ移行する。
SB1−13、出金紙幣の入出金部11への集積を終えた主制御部4は、取引内容等を基に印刷データを作成し、これをカード取扱部7へ送って明細票を印刷し、操作表示部6の表示画面に、現金や取引カード、明細票の受取りを促す旨の文言等を表示した現金等受取画面を表示し、入出金部11のシャッタを開放して顧客に払出すと共に取引カードや明細票をカード取扱部7から排出する。
そして、主制御部4は、顧客がこれらを受取ったことを確認して入出金部11のシャッタを閉鎖し、ステップSB1−14へ移行する。
SB1−14、顧客が出金紙幣等を受取ったことを確認した主制御部4は、一時保留部13の図示しない残留検出センサからの出力信号を確認し、一時保留部13に紙幣が存在している場合はステップSB1−15へ移行する。
一時保留部13に紙幣が残留していない場合は、出金取引の取引処理の終了を判定し、接続子Eを介して図7のステップS1−8へ移行する。
SB1−15、上記ステップSB1−11において、仮リジェクトカセット18cが設定されていたために一時保留部13に集積された紙幣が存在していることを認識した主制御部4は、一時保留部13の出金処理時の非出金紙幣等の移動処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、一時保留部13に集積した紙幣(装填時のミス等により混入した非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)、異金種紙幣)を、その分離繰出機構により順次に搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12での鑑別結果に関らず、搬送路17b、17g、17h、17kにより仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納する(図12に示す太い実線参照)。
この場合に主制御部4は、仮リジェクトカセット18cに紙幣を収納したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって仮リジェクトカセット18cのカウント数に収納した回数を加算して計数する。
そして、一時保留部13に集積した紙幣の仮リジェクトカセット18cへの収納を終えた主制御部4は、出金取引の取引処理の終了を判定し、接続子Eを介して図7のステップS1−8へ移行する。
このようにして、本実施例の現金自動預払機1による出金取引処理が実行される。
なお、本実施例の現金自動預払機1による紙幣取扱処理として、振込取引における現金振込が選択された場合は、現金振込のための紙幣が入出金部11に投入されると、図8に示した入金処理の取込処理および収納処理と同様にして、投入された紙幣を収納カセット14またはリジェクトカセット15、仮リジェクトカセット18cが設定されている場合は仮リジェクトカセット18cへ収納し、釣銭が必要な場合は、図9に示した出金処理や移動処理と同様にして、釣銭紙幣を入出金部11へ集積して顧客に払出し、非出金紙幣等はリジェクトカセット15、仮リジェクトカセット18cが設定されている場合は仮リジェクトカセット18cへ収納するようにする。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による紙幣処理においては、リジェクトカセット15がフル状態になったときに、最少収納枚数の収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cに設定し、入金処理における収納処理においては、非出金紙幣等の搬送先をリジェクトカセット15固定ではなく、非出金紙幣等の搬送先として設定された仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納し、出金処理においては、リジェクト紙幣等の非出金紙幣を、一旦一時保留部13に集積し、出金処理の終了時に、移動処理によって、非出金紙幣等の搬送先として設定された仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納するので、リジェクトカセット15がフル状態になった時点で、収納カセット14に収納余裕がある場合には、リジェクトカセット15の交換またはリジェクトカセット15からの紙幣の抜取りが行われなくても、紙幣取扱取引を中止する必要がなく、現金自動預払機1による取引を自動的に継続することが可能となり、現金自動預払機1の稼動効率を向上させることができる。
また、リジェクトカセット15がフル状態になったときに、仮リジェクトカセット18を設定して取引を自動的に継続したことを係員に通知するので、現金自動預払機1の利用状況および係員の空き状況を考慮して、現金自動預払機1の顧客に迷惑をかけない状況でのリジェクトカセット15等の交換が可能になる。
更に、設定金種変更記録エリアを設けて、仮リジェクトカセット18cの設定の旨を記録し、リジェクトカセット15のフル状態の解消時に、仮リジェクトカセット18cに設定された収納カセット14cの設定金種を自動的に元の設定金種に再設定するようにしたので、リジェクトカセット15の交換、および仮リジェクトカセット18cの交換または設定後に収納された紙幣の抜取りを行うだけで、リジェクトカセット15がフル状態になる前の通常の運用状態に戻すことができる。
以上説明したように、本実施例では、入出金部に投入され正常紙幣と鑑別された紙幣を集積する一時保留部と、循環金種を設定金種として当該紙幣を収納する複数の収納カセットと、収納カセットに収納されない紙幣を収納するリジェクトカセットとを有する紙幣入出金部を備えた現金自動取引装置において、リジェクトカセットの収納状態を確認したときに、リジェクトカセットの収納状態がフル状態である場合は、各収納カセットの中で最少収納枚数の収納カセットを仮リジェクトカセットに設定し、入金処理における収納処理時に、仮リジェクトカセットが設定されている場合は、一時保留部に集積された正常紙幣の中で、非出金紙幣および過剰紙幣と鑑別された紙幣を仮リジェクトカセットへ収納し、 出金処理時に、仮リジェクトカセットが設定されている場合は、非出金紙幣および異金種紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部へ一旦集積し、出金処理の終了時に、一時保留部に集積した紙幣を仮リジェクトカセットへ収納するようにしたことによって、入金取引や出金取引等の紙幣取扱取引において、リジェクトカセットがフル状態になったとしても、紙幣取扱取引を中止することなく、紙幣の入出金を伴う紙幣取扱取引を自動的に継続して現金自動預払機による取引を継続させることができ、現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
また、初期画面を表示した待機時間が所定の時間経過したときに、リジェクトカセットの収納状態を確認し、確認したリジェクトカセットの収納状態がフル状態でなく、かつ仮リジェクトカセットが設定されていた場合は、仮リジェクトカセット設定した収納カセットの設定金種を元の設定金種に再設定するようにしたことによって、係員が、リジェクトカセット交換、および仮リジェクトカセットの交換または設定後に収納した紙幣の抜取りを行うだけで、リジェクトカセットがフル状態になる前の通常の運用状態に戻すことができる。
更に、リジェクトカセットの収納状態がフル状態であることを確認して、仮リジェクトカセットを設定したときに、仮リジェクトカセットを設定した旨の通知を送信するようにしたことによって、現金自動預払機の利用状況および係員の空き状況を考慮して、現金自動預払機の顧客に迷惑をかけない状況でリジェクトカセット等の交換を容易に行うことができる。
以下に、図13を用いて本実施例の現金自動預払機について説明する。なお上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部5には、上記実施例1と同様の取引処理プログラム、紙幣処理プログラム、およびリジェクトカセット15がフル状態になったときに、同一金種の中で最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定して非出金紙幣等の搬送先を変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、上記実施例1と同様の収納状態確認時間が予め設定されて格納され、上記実施例1と同様の設定金種記憶エリア5a、設定金種変更記録エリア5b、収納枚数カウントエリア5c、取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種は、上記実施例1と同様に設定されている(図4参照)。
以下に、図13に示すフローチャートを用い、図13にS2で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、およびリジェクトカセット15がフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理について説明する。
本実施例のステップS2−1からS2−13の作動は、上記実施例1のステップS1−1からS1−13の作動と同様であるので、その説明を省略する。
S2−14、リジェクトカセット15がフル状態であるが、収納カセット14に収納余裕が存在することを判定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの各収納カセット14の設定金種、および収納枚数カウントエリア5cの収納カセット14別の収納枚数を読出し、同一金種に設定された収納カセット14が存在する場合はステップS2−16へ移行する。同一金種に設定された収納カセット14が存在しない場合、つまり各収納カセット14の設定金種が異なる場合はステップS2−15へ移行する。
S2−15、各収納カセット14の設定金種が異なることを判定した主制御部4は、上記実施例1のステップS1−14と同様に、全収納カセット14の中で最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定し、当該仮リジェクトカセット18からの紙幣の繰出を停止してステップS2−17へ移行する。
S2−16、同一金種に設定された収納カセット14が存在することを判定した主制御部4は、同一金種の収納カセット14(本実施例では、万券に設定された収納カセット14a、14b)の中で、最少収納枚数の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14bとする。)を仮リジェクトカセット18bに設定し、仮リジェクトカセット18bからの紙幣の繰出を停止してステップS2−17へ移行する。このため、以後の作動においては、収納カセット14aからの万券および収納カセット14cからの千券の出金が可能になる。
S2−17、仮リジェクトカセット18bを設定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの収納カセット14bの記録エリアに当該収納カセット14bの現在の設定金種を記録して、仮リジェクトカセット18bが設定された旨を記録し、収納カセット14bを他の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14a、14c)に収納されない紙幣を収納する仮リジェクトカセット18bとして機能させる。
S2−18、仮リジェクトカセット18bが設定された旨を記録した主制御部4は、リジェクトカセット15がフル状態である旨および収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bとして設定した旨を記した通知を図示しない店舗の管理端末へ送信して係員に通知し、ステップS2−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、通常の取引選択画面を表示して待機する。この場合に、本実施例では万券および千券の出金が可能であるので、現金自動預払機1の運用形態は変更されない。
なお、上記ステップS2−15において、全収納カセット14の中で最少収納枚数の収納カセット14、例えば収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cに設定した場合は、仮リジェクトカセット18cからの繰出が停止されるので、操作表示部6の表示画面には、千券による出金が中止されている旨の文言を表示した運用形態を変更した取引選択画面が表示される。
一方、通知を受けた係員は、顧客が当該現金自動預払機1を利用していないとき等に、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換すると共に、仮リジェクトカセット18bとして設定された収納カセット14bから設定後に収納された紙幣を抜取って、紙幣取扱取引の通常運用を可能な状態にする。
この場合に、仮リジェクトカセット18bを設定金種の紙幣(万券)を適正な枚数装填した収納カセット14bに交換するようにしてもよい。
その後のステップS2−19からS2−21の作動は、上記実施例1のステップS1−17からS1−19の作動と同様であるので、その説明を省略する。
本実施例の入金取引処理および出金取引処理の作動は、上記実施例1の入金取引処理(図8)および出金取引処理(図9)の作動と同様であるので、その説明を省略する。
この場合に、入金処理の収納処理においては、鑑別された金種(万券)に設定された収納カセット14が複数存在することを判定した主制御部4は、収納カセット14bが仮リジェクトカセット18bに設定されているので、収納カセット14aを搬送先に決定する(ステップSA1−11参照)。
また、仮リジェクトカセット18が設定されていることを判定した主制御部4は、仮リジェクトカセット18bを搬送先に決定する(ステップSA1−16参照)。
更に、出金処理の移動処理においては、主制御部4は、一時保留部13に集積した紙幣を、鑑別部12での鑑別結果に関らず、搬送路17b、17g、17h、17jにより仮リジェクトカセット18bへ搬送して収納する(ステップSB1−15参照)。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による紙幣処理においては、上記実施例1に対して、リジェクトカセット15がフル状態になったときに、同一金種に設定された収納カセット14が存在するときは、同一金種の中で最少収納枚数の収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bに設定するので、リジェクトカセット15がフル状態になった時点で、紙幣取扱取引の出金にかかる取引の金種を制限することなく、2金種の出金取引が可能な状態の運用形態での紙幣取扱取引を自動的に継続することができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、リジェクトカセットがフル状態になったときに、同一金種に設定された収納カセットが存在するときは、同一金種の中で最少収納枚数の収納カセットを仮リジェクトカセットに設定するようにしたことによって、紙幣取扱取引において、リジェクトカセットがフル状態になったとしても、通常の運用形態での紙幣取扱取引を自動的に継続することができる。
以下に、図14を用いて本実施例の現金自動預払機について説明する。なお上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部5には、上記実施例1と同様の取引処理プログラム、紙幣処理プログラム、およびリジェクトカセット15がフル状態になったときに、収納金額が最も少ない最少収納金額の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定して非出金紙幣等の搬送先を変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、上記実施例1と同様の収納状態確認時間が予め設定されて格納され、上記実施例1と同様の設定金種記憶エリア5a、設定金種変更記録エリア5b、収納枚数カウントエリア5c、取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種は、上記実施例1と同様に設定されている(図4参照)。
以下に、図14に示すフローチャートを用い、図14にS3で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、およびリジェクトカセット15がフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理について説明する。
なお、本実施例の説明においては、設定金種が万券に設定された収納カセット14aには1000枚(1000万円)、14bには100枚(100万円)、設定金種が千券に設定された収納カセット14cには500枚(50万円)の紙幣が収納されているものとして説明する。
本実施例のステップS3−1からS3−13の作動は、上記実施例1のステップS1−1からS1−13の作動と同様であるので、その説明を省略する。
S3−14、リジェクトカセット15がフル状態であるが、収納カセット14に収納余裕が存在することを判定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの各収納カセット14の設定金種、および収納枚数カウントエリア5cの収納カセット14別の収納枚数を読出し、各収納カセット14の収納枚数にそれぞれの設定金種の金額を乗じて、各収納カセット14の収納金額を算出する。
S3−15、各収納カセット14の収納金額を算出した主制御部4は、全収納カセット14の中で収納金額が最も少ない最少収納金額の収納カセット14(本実施例では、収納金額が50万円である収納カセット14cとする。)を仮リジェクトカセット18cに設定し、仮リジェクトカセット18cからの紙幣の繰出を停止してステップS3−17へ移行する。このため、以後の作動においては、仮リジェクトカセット18cの設定が解除されるまで、千券の出金が停止されることになる。
S3−16、仮リジェクトカセット18cを設定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの収納カセット14cの記録エリアに当該収納カセット14cの現在の設定金種を記録して、仮リジェクトカセット18cが設定された旨を記録し、収納カセット14cを他の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14a、14b)に収納されない紙幣を収納する仮リジェクトカセット18cとして機能させる。
S3−17、仮リジェクトカセット18cが設定された旨を記録した主制御部4は、リジェクトカセット15がフル状態である旨および収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cとして設定した旨を記した通知を図示しない店舗の管理端末へ送信して係員に通知し、ステップS1−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、千券による出金が中止されている旨の文言を表示した運用形態を変更した取引選択画面を表示して待機する。
なお、上記ステップS3−15において、最少収納金額の収納カセット14が、同一金種である万券に設定されている収納カセット14a、14bのいずれか一方、例えば収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bに設定した場合は、仮リジェクトカセット18bからの繰出は停止されるが、収納カセット14aからの繰出は停止されないので、万券および千券の出金が可能になり、運用形態は変更されない。
一方、通知を受けた係員は、顧客が当該現金自動預払機1を利用していないとき等に、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換すると共に、仮リジェクトカセット18cとして設定された収納カセット14cから設定後に収納された紙幣を抜取って、紙幣取扱取引の通常運用を可能な状態にする。
この場合に、仮リジェクトカセット18cを設定金種の紙幣(千券)を適正な枚数装填した収納カセット14cに交換するようにしてもよい。
その後のステップS3−18からS3−20の作動は、上記実施例1のステップS1−17からS1−19の作動と同様であるので、その説明を省略する。
本実施例の入金取引処理および出金取引処理の作動は、上記実施例1の入金取引処理(図8)および出金取引処理(図9)の作動と同様であるので、その説明を省略する。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による紙幣処理においては、上記実施例1に対して、リジェクトカセット15がフル状態になったときに、全収納カセット14の中で最少収納金額の収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cに設定するので、リジェクトカセット15がフル状態になった時点で、紙幣取扱取引を中止する必要がなく、出金可能金額を最大とした状態で、現金自動預払機1による取引を自動的に継続することが可能となり、現金自動預払機1の稼動効率を向上させることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、リジェクトカセットがフル状態になったときに、最少収納金額の収納カセットを仮リジェクトカセットに設定するようにしたことによって、紙幣取扱取引において、リジェクトカセットがフル状態になったとしても、出金可能金額を最大とした状態で、紙幣取扱取引を自動的に継続することができる。
以下に、図15ないし図17を用いて本実施例の現金自動預払機について説明する。なお上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部5には、上記実施例1と同様の取引処理プログラム、紙幣処理プログラム、およびリジェクトカセット15がフル状態になったときに、上記実施例1と同様に、全収納カセット14の中で、最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定して非出金紙幣等の搬送先を変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム、および出金処理時に一時保留部13に集積した紙幣を、所定の収納カセット14、または仮リジェクトカセット18へ収納する非出金紙幣等の分別収納処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、上記実施例1と同様の収納状態確認時間が予め設定されて格納され、上記実施例1と同様の設定金種記憶エリア5a、設定金種変更記録エリア5b、収納枚数カウントエリア5c、取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種は、上記実施例1と同様に設定されている(図4参照)。
以下に、図15に示すフローチャートを用い、S4で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、リジェクトカセット15がフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理、および出金処理時の非出金紙幣等の分別収納処理について説明する。
本実施例のステップS4−1からS4−19の作動は、上記実施例1のステップS1−1からS1−19の作動と同様であるので、その説明を省略する。
この場合に、ステップS4−6において、取引選択ボタンの押下を認識した主制御部4は、押下された取引選択ボタンが出金取引を選択したものである場合は、接続子B4を介して図16のステップSB4−1へ移行する。他の取引選択ボタンが押下された場合はステップS4−7へ移行する。
本実施例の入金取引処理の作動は、上記実施例1の入金取引処理(図8)の作動と同様であるので、その説明を省略する。
以下に、図16に示すフローチャートを用い、SB4で示すステップに従って、本実施例の現金自動預払機1による出金取引処理について説明する。
SB4−1、上記ステップS4−6において、出金取引の選択を認識し、接続子B4を介して移行した主制御部4は、上記実施例1のステップSA1−1と同様にして、取引カード挿入画面を表示し、挿入された取引カードのカード情報を読取り、読取ったカード情報を記憶部5に一時保存する。
その後のステップSB4−2からSB4−14の作動は、上記実施例1のステップSB1−2からSB1−14の作動と同様であるので、その説明を省略する。
SB4−15、上記ステップSB4−11において、仮リジェクトカセット18cが設定されていたために一時保留部13に集積された紙幣が存在していることを認識した主制御部4は、一時保留部13の出金処理時の非出金紙幣等の分別収納処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、一時保留部13に集積した紙幣(装填時のミス等により混入した非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)、異金種紙幣)を、その分離繰出機構により、一時保留部13の図示しない残留検出センサが紙幣の残留を検出しなくなるまで順次に搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した紙幣の金種等を鑑別し、鑑別された紙幣が循環金種の紙幣(ステップSB4−6における紙幣の鑑別時に、搬送異常紙幣と鑑別され一時保留部13に集積された紙幣が、一時保留部13で正常に分離され、鑑別部12での再鑑別において正常に金種鑑別がなされた紙幣、金種不明紙幣と鑑別され一時保留部13に集積された紙幣が、鑑別部12での再鑑別において正常に金種鑑別がなされた紙幣、および異金種紙幣。本実施例では万券とする。)の場合は、その万券は上記実施例1のステップSA1−8からSA1−11と同様にして、収納枚数が少ない収納カセット14(収納カセット14aとする。)を搬送先に決定し、当該収納カセット14aに収納余裕が存在する場合は、搬送路17b、17g、17iにより収納カセット14aへ搬送して収納し(図17に示す太い実線参照)、鑑別部12での再鑑別結果が、非出金紙幣(混入した非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣))および循環金種の千券と鑑別された紙幣の場合は、搬送路17b、17g、17h、17kにより仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納する(図17に示す太い破線参照)。
この場合に主制御部4は、収納カセット14に紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14の収納枚数に収納した枚数を加算して計数し、仮リジェクトカセット18cに非出金紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって仮リジェクトカセット18cのカウント数に収納した回数を加算して計数する。
そして、一時保留部13に集積した紙幣の収納カセット14または仮リジェクトカセット18cへの収納を終えた主制御部4は、出金取引の取引処理の終了を判定し、接続子Eを介して図15のステップS4−8へ移行する。
このようにして、本実施例の現金自動預払機1による出金取引処理が実行される。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による出金処理の移動処理においては、上記実施例1に対して、一時保留部13に一旦集積した紙幣を再鑑別して、循環金種の紙幣と鑑別された場合は、その金種が設定された収納カセット14へ搬送して収納するので、循環金種の紙幣が死蔵紙幣になってしまうことを抑制して、リジェクトカセット15がフル状態になった後における循環金種の紙幣の収納枚数の減少を抑制しながら紙幣取扱取引を自動的に継続することができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、リジェクトカセットがフル状態になった後の出金処理において、一時保留部13に一旦集積した紙幣が、鑑別部による再鑑別により循環金種と鑑別された紙幣を、当該金種が設定金種として設定された収納カセットへ搬送して収納するようにしたことによって、リジェクトカセットがフル状態になったとしても、循環金種の紙幣の収納枚数の減少を抑制しながら紙幣取扱取引を自動的に継続することができる。
以下に、図18ないし図20を用いて本実施例の現金自動預払機について説明する。なお上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部5には、上記実施例1と同様の取引処理プログラム、紙幣処理プログラム、およびリジェクトカセット15がフル状態になったときに、同一金種の中で収納枚数が最も少ない最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定し、その収納紙幣を同一金種の他の収納カセット14へ移し替えて、非出金紙幣等の搬送先を変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、上記実施例1と同様の収納状態確認時間が予め設定されて格納され、上記実施例1と同様の設定金種記憶エリア5a、設定金種変更記録エリア5b、収納枚数カウントエリア5c、取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種は、上記実施例1と同様に設定されている(図4参照)。
以下に、図18に示すフローチャートを用い、S5で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、およびリジェクトカセット15がフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理について説明する。
本実施例のステップS5−1からS5−14の作動は、上記実施例2のステップS2−1からS2−14の作動と同様であるので、その説明を省略する。
S5−15、同一金種に設定された収納カセット14が存在することを判定した主制御部4は、同一金種の収納カセット14(本実施例では、万券に設定された収納カセット14a、14b)の中で、収納枚数が最少の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14bとする。)の収納枚数と、同一金種の他の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14a)の収納余裕に収納可能な紙幣の枚数である収納可能枚数とを比較し、収納カセット14bの収納枚数が、収納カセット14bの収納可能枚数未満の場合は、移し替え可能と判定してステップS5−17へ移行する。
収納カセット14bの収納枚数が、収納カセット14bの収納可能枚数以上の場合は、移し替え不可能と判定してステップS5−16へ移行する。
S5−16、各収納カセット14の設定金種が異なることを判定した、または移し替え不可能と判定した主制御部4は、上記実施例1のステップS1−14と同様に、全収納カセット14の中で最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定し、当該仮リジェクトカセット18からの紙幣の繰出を停止してステップS5−19へ移行する。
S5−17、収納カセット14bの収納紙幣を、同一金種に設定された他の収納カセット14aへ移し替えることが可能と判定した主制御部4は、同一金種の収納カセット14の中で最少収納枚数の収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bに設定し、仮リジェクトカセット18bからの紙幣の繰出を停止してステップS5−18へ移行する。このため、以後の作動においては、収納カセット14aからの万券および収納カセット14cからの千券の出金が可能になる。
S5−18、最少収納枚数の収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bに設定した主制御部4は、仮リジェクトカセット18bに収納されている循環金種の紙幣(万券)を、同一金種に設定された他の収納カセット14aへ移し替える収納紙幣の移し替え処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、仮リジェクトカセット18b(収納カセット14b)の分離集積機構により収納紙幣を順次に搬送路17jへ繰出し、搬送路17h、17g、17bを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12での鑑別結果に関らず、搬送路17c、17dにより一時保留部13へ搬送して集積し(図19に示す太い実線参照)、仮リジェクトカセット18bの収納紙幣の全てを一時保留部13に集積した後に、一時保留部13に集積した紙幣を、その分離繰出機構により順次に搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12での鑑別結果に関らず、搬送路17b、17g、17iにより収納カセット14aへ搬送して収納し(図20に示す太い実線参照)、一時保留部13へ一旦集積した紙幣の全てを収納カセット14aへ収納した後に、ステップS5−19へ移行する。
この場合に主制御部4は、仮リジェクトカセット18bから収納紙幣を繰出したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって仮リジェクトカセット18b(収納カセット14b)の収納枚数から繰出した枚数を減算して計数し、仮リジェクトカセット18bの収納枚数が「0」になったことを確認する。
また、収納カセット14aへ循環金種の紙幣(万券)を収納したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14aの収納枚数に収納した枚数を加算して計数する。
S5−19、仮リジェクトカセット18bを設定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの収納カセット14bの記録エリアに当該収納カセット14bの現在の設定金種を記録して、仮リジェクトカセット18bが設定された旨を記録し、収納カセット14bを他の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14a、14c)に収納されない紙幣を収納する仮リジェクトカセット18bとして機能させる。
S5−20、仮リジェクトカセット18bが設定された旨を記録した主制御部4は、リジェクトカセット15がフル状態である旨および収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bとして設定した旨を記した通知を図示しない店舗の管理端末へ送信して係員に通知し、ステップS5−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、通常の取引選択画面を表示して待機する。このため現金自動預払機1の運用形態は変更されない。
なお、上記ステップS5−16において、全収納カセット14の中で最少収納枚数の収納カセット14、例えば収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cに設定した場合は、仮リジェクトカセット18cからの繰出が停止されるので、操作表示部6の表示画面には、千券による出金が中止されている旨の文言を表示した運用形態を変更した取引選択画面が表示される。
一方、通知を受けた係員は、顧客が当該現金自動預払機1を利用していないとき等に、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換すると共に、仮リジェクトカセット18bとして設定された収納カセット14bから設定後に収納された紙幣を抜取って、紙幣取扱取引の通常運用を可能な状態にする。
その後のステップS5−21からS5−23の作動は、上記実施例1のステップS1−17からS1−19の作動と同様であるので、その説明を省略する。
本実施例の入金取引処理および出金取引処理の作動は、上記実施例2の入金取引処理(図8参照)および出金取引処理(図9参照)の作動と同様であるので、その説明を省略する。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による紙幣処理においては、上記実施例1に対して、リジェクトカセット15がフル状態になったときに、同一金種に設定された収納カセット14が存在するときは、同一金種の中で最少収納枚数の収納カセット14bの収納枚数が、他の同一金種の収納カセット14aの収納可能枚数より少ない場合は、当該収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bに設定し、その収納枚数の紙幣の全てを、一旦一時保留部13に集積した後に、他の同一金種の収納カセット14aへ移し替えて仮リジェクトカセット18bを空にするので、リジェクトカセット15がフル状態になった時点で、紙幣取扱取引の出金にかかる取引の金種を制限することなく、通常の運用形態での紙幣取扱取引を自動的に継続することができると共に、死蔵紙幣の発生を大幅に抑制することができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例2と同様の効果に加えて、リジェクトカセットがフル状態になったときに、同一金種に設定された収納カセットが存在し、それらの中で収納枚数が最少の収納カセットの収納枚数が、同一金種の他の収納カセットの収納可能枚数未満の場合は、最少収納枚数の収納カセットを仮リジェクトカセットに設定し、その収納紙幣を、同一金種の他の収納カセットへ移し替えるようにしたことによって、リジェクトカセットがフル状態になったとしても、死蔵紙幣の発生を大幅に抑制しながら、通常の運用形態での紙幣取扱取引を自動的に継続することができる。
以下に、図21および図22を用いて本実施例の現金自動預払機について説明する。なお上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部5には、上記実施例1と同様の取引処理プログラム、紙幣処理プログラム、およびリジェクトカセット15がフル状態になったときに、上記実施例1と同様に、全収納カセット14の中で最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定して非出金紙幣等の搬送先を変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム、およびリジェクトカセット15の収納状態の確認時に、フル状態でない空のリジェクトカセット15が装着されていた場合に、仮リジェクトカセット18に設定後に収納された紙幣を新たに装着された空のリジェクトカセット15へ移し替える設定後収納紙幣の移し替え処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、上記実施例1と同様の収納状態確認時間が予め設定されて格納され、上記実施例1と同様の設定金種記憶エリア5a、設定金種変更記録エリア5b、収納枚数カウントエリア5c、取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種は、上記実施例1と同様に設定されている(図4参照)。
以下に、図21に示すフローチャートを用い、S6で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、リジェクトカセット15がフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理および設定後収納紙幣の移し替え処理について説明する。
本実施例のステップS6−1からS6−18の作動は、上記実施例1のステップS1−1からS1−18の作動と同様であるので、その説明を省略する。
この場合に、ステップS6−14において、最少収納枚数の収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cに設定したときに、主制御部4は記憶部5の収納枚数カウントエリア5cに記憶されている当該収納カセット14cの収納枚数を読出し、これを仮リジェクトカセット18cの設定時の収納枚数として記憶部5に一時保存する。
なお、以下の説明においては、ステップS6−16において、通知を受けた係員は、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換し、仮リジェクトカセット18cとして設定された収納カセット14cは、そのままの状態、つまり設定後に収納された紙幣は抜取られていない状態になっているものとする。
S6−19、仮リジェクトカセット18cが設定されていたことを判定した主制御部4は、上記ステップS6−14で一時保存した収納カセット14c(仮リジェクトカセット18c)の設定時の収納枚数を読出し、仮リジェクトカセット18cの設定後収納紙幣を、空のリジェクトカセット15へ移し替える設定後収納紙幣の移し替え処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)に収納されている紙幣を、その分離集積機構により順次に搬送路17kへ繰出し、搬送路17h、17g、17bを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12での鑑別結果に関らず、搬送路17c、17n、17mにより空のリジェクトカセット15へ搬送して収納し(図22に示す太い実線参照)、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15への収納回数を計数する。
この場合に、主制御部4は、仮リジェクトカセット18cから紙幣を繰出したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)のカウント数から繰出した枚数を減算して仮リジェクトカセット18cの収納枚数を計数し、そのカウント数が読出した収納枚数になったときに、設定後収納紙幣の移し替え処理を終了させてステップS6−20へ移行する。
S6−20、設定後収納紙幣の移し替え処理を終えた主制御部4は、上記実施例1のステップS1−19と同様にして、仮リジェクトカセット18cの設定を解除して収納カセット14cの設定金種を元の設定金種に再設定し、ステップS6−1へ戻って通常の取引選択画面を表示して待機する。
本実施例の入金取引処理および出金取引処理の作動は、上記実施例1の入金取引処理(図8)および出金取引処理(図9)の作動と同様であるので、その説明を省略する。
この場合に、上記ステップS6−20において、収納カセット14cの設定金種は、予め設定された設定金種である千券に書替えられているので、仮リジェクトカセット18cへの収納時の収納回数のカウント数と実際の収納枚数との相違により収納カセット14cに搬送異常による万券や非循環金種の紙幣等が残留していたとしても、本実施例の出金処理においては、繰出元の収納カセット14の設定金種と異なる異金種紙幣や非循環金種の紙幣等は、リジェクトカセット15へ収納されるため(ステップSB1−7、9、10参照)、出金取引において混乱が生ずることはない。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による設定後収納紙幣の移し替え処理においては、上記実施例1に対して、リジェクトカセット15がフル状態になった後のリジェクトカセット15の交換時に、仮リジェクトカセット18cの設定後収納紙幣を、仮リジェクトカセット18cから交換されたリジェクトカセット15へ移し替えるので、フル状態のリジェクトカセット15を、空のリジェクトカセット15に交換すれば、仮リジェクトカセット18cに設定されていた収納カセット14cをリジェクトカセット15がフル状態になったときの状態に自動的に戻すことが可能になり、設定前に当該収納カセット14cに収納されていた循環金種の紙幣(千券)を、死蔵紙幣とすることなく、使用可能とすることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、リジェクトカセットの収納状態を確認したときに、確認したリジェクトカセットの収納状態がフル状態でなく、かつ仮リジェクトカセットが設定されていた場合は、仮リジェクトカセットの設定後収納紙幣を、フル状態でないことを確認した交換されたリジェクトカセットへ移し替え、その後に、仮リジェクトカセットに設定された収納カセットの設定金種を、元の設定金種に再設定するようにしたことによって、フル状態のリジェクトカセットを交換するだけで、仮リジェクトカセットに設定されていた収納カセットを、リジェクトカセットがフル状態になったときの状態に自動的に戻すことが可能になり、設定前に当該収納カセットに収納されていた循環金種の紙幣を使用可能とすることができる。
以下に、図23ないし図25を用いて本実施例の現金自動預払機について説明する。なお上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部5には、上記実施例1と同様の取引処理プログラム、紙幣処理プログラム、およびリジェクトカセット15がフル状態になったときに、上記実施例1と同様に、全収納カセット14の中で最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定して非出金紙幣等の搬送先を変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム、およびリジェクトカセット15の収納状態の確認時に、フル状態でない空のリジェクトカセット15が装着されていた場合に、仮リジェクトカセット18に設定後に収納された紙幣を、所定の収納カセット14、および新たに装着された空のリジェクトカセット15へ収納する設定後収納紙幣の分別収納処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、上記実施例1と同様の収納状態確認時間が予め設定されて格納され、上記実施例1と同様の設定金種記憶エリア5a、設定金種変更記録エリア5b、収納枚数カウントエリア5c、取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種は、上記実施例1と同様に設定されている(図4参照)。
以下に、図23に示すフローチャートを用い、S7で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、リジェクトカセット15がフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理および設定後収納紙幣の分別収納処理について説明する。
本実施例のステップS7−1からS7−18の作動は、上記実施例1のステップS1−1からS1−18の作動と同様であるので、その説明を省略する。
この場合に、ステップS7−14において、最少収納枚数の収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cに設定したときに、主制御部4は記憶部5の収納枚数カウントエリア5cに記憶されている当該収納カセット14cの収納枚数を読出し、これを仮リジェクトカセット18cの設定時の収納枚数として記憶部5に一時保存する。
なお、以下の説明においては、ステップS7−16において、通知を受けた係員は、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換し、仮リジェクトカセット18cとして設定された収納カセット14cは、そのままの状態、つまり設定後に収納された紙幣は抜取られていない状態になっているものとする。
S7−19、仮リジェクトカセット18cが設定されていたことを判定した主制御部4は、上記ステップS7−14で一時保存した収納カセット14c(仮リジェクトカセット18c)の設定時の収納枚数を読出し、設定後収納紙幣の分別収納処理を実行するために、仮リジェクトカセット18cの設定後収納紙幣を、一時保留部13へ一旦集積すると共に、その過程で非出金紙幣と鑑別された紙幣を空のリジェクトカセット15へ収納する。
すなわち、主制御部4は、仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)に収納されている紙幣(非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)、過剰紙幣、異金種紙幣、および仮リジェクトカセット18cの設定後に収納された千券)を、その分離集積機構により順次に搬送路17kへ繰出し、搬送路17h、17g、17bを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した紙幣の金種等を鑑別し、鑑別された紙幣が循環金種の紙幣(収納処理や出金処理の鑑別時に、搬送異常紙幣と鑑別され仮リジェクトカセット18cに収納された紙幣が、仮リジェクトカセット18cで正常に分離され、本ステップの鑑別において正常に金種鑑別がなされた紙幣、金種不明紙幣と鑑別され仮リジェクトカセット18cに収納された紙幣が、本ステップの鑑別において正常に金種鑑別がなされた紙幣、仮リジェクトカセット18cの設定後に収納された千券および過剰紙幣、異金種紙幣)の場合は、搬送路17c、17dにより一時保留部13へ搬送して集積し(図24に示す太い実線参照)、鑑別された紙幣が非出金紙幣(非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣))の場合は、搬送路17c、17n、17mにより空のリジェクトカセット15へ搬送して収納し(図24に示す太い破線参照)、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15への収納回数を計数する。
この場合に、主制御部4は、仮リジェクトカセット18cから紙幣を繰出したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)のカウント数から繰出した枚数を減算して仮リジェクトカセット18cの収納枚数を計数し、そのカウント数が読出した収納枚数になったときに、紙幣の繰出を終了させてステップS7−20へ移行する。
S7−20、仮リジェクトカセット18cからの紙幣の繰出および一時保留部13への集積等を終えた主制御部4は、上記実施例1のステップS1−19と同様にして、仮リジェクトカセット18cの設定を解除して収納カセット14cの設定金種を元の設定金種に再設定する。
S7−21、収納カセット14cを元の設定金種を再設定した主制御部4は、一時保留部13に集積した紙幣を、その分離繰出機構により順次に搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した紙幣の金種等を鑑別し、鑑別された紙幣が循環金種の万券の場合は、上記実施例1のステップSA1−8からSA1−11と同様にして、収納枚数が少ない収納カセット14(例えば収納カセット14a)を搬送先に決定し、当該収納カセット14aに収納余裕が存在する場合は、搬送路17b、17g、17iにより収納カセット14aへ搬送して収納し、鑑別された紙幣が循環金種の千券の場合は、搬送路17b、17g、17h、17kにより収納カセット14cへ搬送して収納し(図25に示す太い実線参照)、鑑別部12での鑑別結果が非出金紙幣の場合(リジェクト紙幣である搬送異常紙幣、金種不明紙幣が該当する。)は、搬送路17b、17g、17h、17mにより空のリジェクトカセット15へ搬送して収納する(図25に示す太い破線参照)。
この場合に主制御部4は、収納カセット14に紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14の収納枚数に収納した枚数を加算して計数し、リジェクトカセット15に非出金紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15のカウント数に収納した回数を加算して計数する。
そして、主制御部4は、一時保留部13の図示しない残留検出センサが紙幣の残留を検出しなくなったときに、分別収納処理を終了させ、ステップS7−1へ戻って通常の取引選択画面を表示して待機する。
本実施例の入金取引処理および出金取引処理の作動は、上記実施例1の入金取引処理(図8)および出金取引処理(図9)の作動と同様であるので、その説明を省略する。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による設定後収納紙幣の分別収納処理においては、上記実施例1に対して、リジェクトカセット15がフル状態になった後のリジェクトカセット15の交換時に、仮リジェクトカセット18cの設定後収納紙幣を、仮リジェクトカセット18cから一旦一時保留部13に集積した後、循環金種の紙幣は所定の収納カセット14へ、非出金紙幣は交換されたリジェクトカセット15へ収納するので、フル状態のリジェクトカセット15を、空のリジェクトカセット15に交換すれば、仮リジェクトカセット18cに設定されていた収納カセット14cをリジェクトカセット15がフル状態になったときの状態に自動的に戻すことが可能になり、設定前に当該収納カセット14cに収納されていた循環金種の紙幣(千券)を、死蔵紙幣とすることなく、使用可能とすることができると共に、仮リジェクトカセット18cに設置後に収納された紙幣に含まれていた過剰紙幣、異金種紙幣、元の設定金種の紙幣(千券)等の循環金種の紙幣を、死蔵紙幣とすることなく有効に活用することができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、リジェクトカセットの収納状態を確認したときに、確認したリジェクトカセットの収納状態がフル状態でなく、かつ仮リジェクトカセットが設定されていた場合は、仮リジェクトカセットの設定後収納紙幣の中で、循環金種の紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部へ集積し、非出金紙幣と鑑別された紙幣をフル状態でないことを確認した交換されたリジェクトカセットへ収納し、仮リジェクトカセットに設定された収納カセットの設定金種を、元の設定金種に再設定した後に、一時保留部へ集積した紙幣の中で、非出金紙幣と鑑別された紙幣をフル状態でないことを確認した交換されたリジェクトカセットへ、循環金種と鑑別された紙幣をその金種に設定された収納カセットへ収納するようにしたことによって、フル状態のリジェクトカセットを交換するだけで、仮リジェクトカセットに設定されていた収納カセットを、リジェクトカセットがフル状態になったときの状態に自動的に戻すことが可能になり、設定前および設定後に当該収納カセットに収納されていた循環金種の紙幣を使用可能として、循環金種の紙幣の有効利用を図ることができる。
以下に、図26ないし図30を用いて本実施例の現金自動預払機について説明する。なお上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の収納状態検出センサ16には、各カセット14、15の紙幣の収納状態がニアフル状態(数回の取引で取扱う紙幣を収納することができなくなった状態をいう。)になったことを検出する機能が追加されている。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部5には、上記実施例1と同様の取引処理プログラム、紙幣処理プログラム、リジェクトカセット15がニアフル状態になったときに、最少収納枚数の収納カセット14を仮リジェクトカセット18に設定し、ニアフル状態のリジェクトカセット15を搬送異常紙幣の搬送先に設定し、搬送異常を除く非出金紙幣等の搬送先を仮リジェクトカセット18に変更する非出金紙幣等の搬送先変更処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム、およびリジェクトカセット15の収納状態の確認時に、ニアフル状態でない空のリジェクトカセット15が装着されていた場合に、仮リジェクトカセット18に設定後に収納された紙幣を、所定の収納カセット14、および新たに装着された空のリジェクトカセット15へ収納する設定後収納紙幣の分別収納処理を実行する機能を有するアプリケーションプログラム等からなる業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部4が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1の各機能手段が形成される。
また、記憶部5には、上記実施例1と同様の収納状態確認時間が予め設定されて格納され、上記実施例1と同様の設定金種記憶エリア5a、設定金種変更記録エリア5b、収納枚数カウントエリア5c、取込紙幣カウントエリア5dが予め確保されている。
本実施例の設定金種は、上記実施例1と同様に設定されている(図4参照)。
以下に、図26ないし図28に示すフローチャートを用い、図26にS8で、図27にSA8で、図28にSB8で示すステップに従って、本実施例の紙幣取扱取引の取引処理、リジェクトカセット15がニアフル状態になった場合の非出金紙幣等の搬送先変更処理および設定後収納紙幣の分別収納処理について説明する。
本実施例のステップS8−1からS8−8の作動は、上記実施例1のステップS1−1からS1−8の作動と同様であるので、その説明を省略する。
この場合に、ステップS8−5において、取引選択ボタンの押下を認識した主制御部4は、押下された取引選択ボタンが入金取引を選択したものである場合は、接続子A8を介して図27のステップSA8−1へ移行する。他の取引選択ボタンが押下された場合はステップS8−6へ移行する。
また、ステップS8−6において、取引選択ボタンの押下を認識した主制御部4は、押下された取引選択ボタンが出金取引を選択したものである場合は、接続子B8を介して図28のステップSB8−1へ移行する。他の取引選択ボタンが押下された場合はステップS8−7へ移行する。
S8−9、各カセット14、15の収納状態を確認した主制御部4は、リジェクトカセット15がフル状態でない場合は、ステップS8−12へ移行する。リジェクトカセット15がフル状態である場合はステップS8−10へ移行する。
S8−10、リジェクトカセット15がフル状態であることを判定した主制御部4は、入金取引や出金取引等の紙幣取扱取引を中止に設定する。
S8−11、紙幣取扱取引を中止した主制御部4は、リジェクトカセット15がフル状態である旨を記した通知を図示しない店舗の管理端末へ送信して係員に通知し、ステップS8−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、紙幣取扱取引が中止されている旨の文言、および入金取引や出金取引等の紙幣取扱取引の選択ボタンを非表示とした運用形態を変更した取引選択画面を表示して待機する。
一方、通知を受けた係員は、フル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換して、紙幣取扱取引の通常運用を可能な状態にする。
S8−12、リジェクトカセット15がフル状態でないことを確認した主制御部4は、リジェクトカセット15がニアフル状態でない場合は、ステップS8−20へ移行する。リジェクトカセット15がニアフル状態である場合は、非出金紙幣等の搬送先変更処理が必要と判定してステップS8−13へ移行する。
その後のステップS8−13からS8−16の作動は、上記実施例1のステップS1−10からS1−13の作動と同様であるので、その説明を省略する。
S8−17、リジェクトカセット15がニアフル状態であるが、収納カセット14に収納余裕が存在することを判定した主制御部4は、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cの収納カセット14別の収納枚数を読出し、全収納カセット14の中で、収納枚数が最も少ない最少収納枚数の収納カセット14(本実施例では、循環金種の千券に設定されている収納カセット14cとする。)を仮リジェクトカセット18cに設定し、仮リジェクトカセット18cからの紙幣の繰出を停止すると共に、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cに記憶されている当該収納カセット14cの収納枚数を読出し、これを仮リジェクトカセット18cの設定時の収納枚数として記憶部5に一時保存する。このため、以後の作動においては、仮リジェクトカセット18cの設定が解除されるまで、千券の出金が停止されることになる。
S8−18、仮リジェクトカセット18cを設定した主制御部4は、記憶部5の設定金種変更記録エリア5bの収納カセット14cの記録エリアに当該収納カセット14cの現在の設定金種を記録して、仮リジェクトカセット18cが設定された旨を記録し、収納カセット14cを他の収納カセット14(本実施例では、収納カセット14a、14b)に収納されない紙幣を収納する仮リジェクトカセット18cとして機能させる。
S8−19、設定金種の設定を書替えた主制御部4は、リジェクトカセット15がニアフル状態である旨および収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cとして設定した旨を記した通知を図示しない店舗の管理端末へ送信して係員に通知し、ステップS8−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、千券による出金が中止されている旨の文言を表示した運用形態を変更した取引選択画面を表示して待機する。
なお、上記ステップS8−18において、最少収納枚数の収納カセット14が、同一金種である万券に設定されている収納カセット14a、14bのいずれか一方、例えば収納カセット14bを仮リジェクトカセット18bに設定した場合は、仮リジェクトカセット18bからの繰出は停止されるが、収納カセット14aからの繰出は停止されないので、万券および千券の出金が可能になり、運用形態は変更されない。
一方、通知を受けた係員は、顧客が当該現金自動預払機1を利用していないとき等に、ニアフル状態のリジェクトカセット15を空のリジェクトカセット15に交換する。
このとき、仮リジェクトカセット18cとして設定された収納カセット14cに、設定後に収納された紙幣は抜取られていないものとする。
S8−20、リジェクトカセット15がニアフル状態でないこと、つまりリジェクトカセット15に収納余裕が存在することを判定した主制御部4は、通常運用による紙幣取扱取引を可能に設定する。
S8−21、通常運用による紙幣取扱取引を可能に設定した主制御部4は、上記ステップS1−10と同様にして、仮リジェクトカセット18cが設定されていないことを判定した場合、つまり通常通りの運用をしている場合は、ステップS8−1へ戻って操作表示部6の表示画面に、通常の取引選択画面を表示して待機する。仮リジェクトカセット18cが設定されていたことを判定した場合は、ステップS8−22へ移行する。
S8−22、仮リジェクトカセット18cが設定されていたことを判定した主制御部4は、上記ステップS8−17で一時保存した収納カセット14c(仮リジェクトカセット18c)の設定時の収納枚数を読出し、設定後収納紙幣の分別収納処理を実行するために、仮リジェクトカセット18cの設定後収納紙幣を、一時保留部13へ一旦集積すると共に、その過程で搬送異常紙幣と鑑別された紙幣を空のリジェクトカセット15へ収納する。
すなわち、主制御部4は、仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)に収納されている紙幣(非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣)、過剰紙幣、異金種紙幣、および仮リジェクトカセット18cの設定後に収納された千券)を、その分離集積機構により順次に搬送路17kへ繰出し、搬送路17h、17g、17bを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した紙幣の金種等を鑑別し、鑑別された紙幣が搬送異常を除く紙幣の場合は、搬送路17c、17dにより一時保留部13へ搬送して集積し(図24に示す太い実線参照)、鑑別された紙幣が搬送異常の場合は、その搬送異常紙幣を搬送路17c、17n、17mにより空のリジェクトカセット15へ搬送して収納し(図24に示す太い破線参照)、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15への収納回数を計数する。
この場合に、主制御部4は、仮リジェクトカセット18cから紙幣を繰出したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)のカウント数から繰出した枚数を減算して仮リジェクトカセット18cの収納枚数を計数し、そのカウント数が読出した収納枚数になったときに、紙幣の繰出を終了させてステップS8−23へ移行する。
S8−23、仮リジェクトカセット18cからの紙幣の繰出および一時保留部13への集積等を終えた主制御部4は、上記実施例1のステップS1−19と同様にして、設定金種変更記録エリア5bの収納カセット14の書替えられた設定金種を予め設定された設定金種に書替える。
S8−24、収納カセット14cを元の設定金種を再設定した主制御部4は、一時保留部13に集積した紙幣(設定後収納紙幣の中で、搬送異常以外と鑑別された紙幣)を、その分離繰出機構により順次に搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した紙幣の金種等を鑑別し、鑑別された紙幣が循環金種の紙幣(設定後収納紙幣の鑑別時に、金種不明紙幣と鑑別され一旦一時保留部13に集積された紙幣が、本ステップの鑑別において正常に金種鑑別がなされた紙幣、仮リジェクトカセット18cの設定後に収納された千券および過剰紙幣、異金種紙幣)の場合は、その循環金種の万券は上記実施例1のステップSA1−8からSA1−11と同様にして、収納枚数が少ない収納カセット14(例えば収納カセット14a)を搬送先に決定し、当該収納カセット14aに収納余裕が存在する場合は、搬送路17b、17g、17iにより収納カセット14aへ搬送して収納し、循環金種の千券は、搬送路17b、17g、17h、17kにより収納カセット14cへ搬送して収納し(図25に示す太い実線参照)、鑑別部12での鑑別結果が搬送異常を含む非出金紙幣の場合(非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣))は、搬送路17b、17g、17h、17mにより空のリジェクトカセット15へ搬送して収納する(図25に示す太い破線参照)。
この場合に主制御部4は、収納カセット14に紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14の収納枚数に収納した枚数を加算して計数し、リジェクトカセット15に非出金紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15のカウント数に収納した回数を加算して計数する。
そして、主制御部4は、一時保留部13の図示しない残留検出センサが紙幣の残留を検出しなくなったときに、分別収納処理を終了させ、ステップS8−1へ戻って通常の取引選択画面を表示して待機する。
このようにして、本実施例の非出金紙幣等の搬送先変更処理が実行される。
以下に、図27に示すフローチャートを用い、SA8で示すステップに従って、本実施例の現金自動預払機1による入金取引処理について説明する。
SA8−1、上記ステップS8−5において、入金取引の選択を認識し、接続子A8を介して移行した主制御部4は、上記実施例1のステップSA1−1と同様にして、取引カード挿入画面を表示し、挿入された取引カードのカード情報を読取り、読取ったカード情報を記憶部5に一時保存する。
その後のステップSA8−2からSA8−13の作動は、上記実施例1のステップSA1−2からSA1−13の作動と同様であるので、その説明を省略する。
SA8−14、搬送した入金紙幣が非出金紙幣(5千券、2千券と鑑別された非循環金種の入金紙幣、またはリジェクト紙幣(金種不明紙幣、搬送異常紙幣))であることを判定した、または循環金種の紙幣を過剰紙幣と判定した主制御部4は、上記ステップS1−10と同様にして、仮リジェクトカセット18cが設定されていないことを判定した場合、つまり通常通りの運用をしている場合はステップSA8−15へ移行する。仮リジェクトカセット18cが設定されていることを判定した場合はステップSA8−16へ移行する。
SA8−15、通常通りの運用がされていることを判定した主制御部4は、非出金紙幣または過剰紙幣の搬送先を、リジェクトカセット15に決定してステップSA8−19へ移行する。
SA8−16、仮リジェクトカセット18が設定されていることを判定した主制御部4は、搬送した入金紙幣の鑑別結果が搬送異常であるか否かを判定し、鑑別結果が搬送異常の場合は、ステップSA8−18へ移行する。鑑別結果が搬送異常以外の場合、つまり搬送異常を除く非出金紙幣(非循環金種の入金紙幣、または金種不明紙幣)の場合はステップSA8−17へ移行する。
SA8−17、鑑別した入金紙幣の鑑別結果が搬送異常を除く非出金紙幣と判定した主制御部4は、搬送異常を除く非出金紙幣または過剰紙幣の搬送先を、仮リジェクトカセット18cに決定してステップSA8−19へ移行する。
SA8−18、鑑別した入金紙幣の鑑別結果が搬送異常であることを判定した主制御部4は、搬送異常と鑑別された入金紙幣の搬送先を、ニアフル状態ではあるが、収納余裕が存在するリジェクトカセット15に決定してステップSA8−19へ移行する。
SA8−19、鑑別された入金紙幣の搬送先を決定した主制御部4は、決定された搬送先へ当該紙幣を搬送して収納する。
すなわち、主制御部4は、仮リジェクトカセット18cが設定されていない場合は、上記実施例1のステップSA1−17と同様にして、鑑別された紙幣の金種に応じて決定された搬送先の各カセット14、15へ搬送路17により入金紙幣を搬送して収納する。
また、主制御部4は、仮リジェクトカセット18が設定されていた場合は、図29に示すように、万券と鑑別された入金紙幣は、搬送路17b、17g、17iにより収納カセット14aへ搬送して収納し(図29に示す太い実線参照)、千券と鑑別された入金紙幣は、搬送路17b、17g、17h、17kにより仮リジェクトカセット18c(収納カセット14c)へ搬送して収納し、非出金紙幣(5千券、2千券またはリジェクト紙幣(金種不明紙幣))と鑑別された入金紙幣または過剰紙幣は、搬送路17b、17g、17h、17kにより仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納し(図29に示す太い破線参照)、搬送異常と鑑別された入金紙幣は、搬送路17b、17g、17h、17mにより、ニアフル状態のリジェクトカセット15へ搬送して収納する(図29に示す太い一点差線参照)。
この場合に主制御部4は、収納カセット14に入金紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14の収納枚数に収納した枚数を加算して計数し、リジェクトカセット15または仮リジェクトカセット18cに入金紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15または仮リジェクトカセット18cのカウント数に収納した回数を加算して計数する。
このように、仮リジェクトカセット18cが設定されていたとしても、搬送異常紙幣をニアフル状態のリジェクトカセット15へ収納するのは、仮リジェクトカセット18cからの紙幣の再繰出時におけるジャム等の搬送障害発生の可能性を排除するためである。
その後のステップSA8−20の作動は、上記実施例1のステップSA1−18の作動と同様であるので、その説明を省略する。
このようにして、本実施例の現金自動預払機1による入金取引処理が実行される。
以下に、図28に示すフローチャートを用い、SB8で示すステップに従って、本実施例の現金自動預払機1による出金取引処理について説明する。
SB8−1、上記ステップS8−6において、出金取引の選択を認識し、接続子B8を介して移行した主制御部4は、上記実施例1のステップSA1−1と同様にして、取引カード挿入画面を表示し、挿入された取引カードのカード情報を読取り、読取ったカード情報を記憶部5に一時保存する。
その後のステップSB8−2からSB8−10の作動は、上記実施例1のステップSB1−2からSB1−10の作動と同様であるので、その説明を省略する。
SB8−11、仮リジェクトカセット18cが設定されていることを判定した主制御部4は、出金処理時の紙幣の鑑別結果が搬送異常であるか否かを判定し、鑑別結果が搬送異常の場合は、ステップSB8−13へ移行する。鑑別結果が搬送異常以外の場合、つまり搬送異常を除く非出金紙幣(装填時のミス等により混入した2千券、5千券、リジェクト紙幣(金種不明紙幣)または異金種紙幣の場合はステップSB8−12へ移行する。
SB8−12、鑑別された紙幣が搬送異常を除く非出金紙幣または異金種紙幣であることを判定した主制御部4は、これらの紙幣を、搬送路17c、17dを経由して一時保留部13へ搬送して集積し(図30に示す太い破線参照)、ステップSB8−14へ移行する。
SB8−13、鑑別された紙幣が搬送異常であることを判定した主制御部4は、その搬送異常紙幣を、搬送路17c、17n、17mを経由して、ニアフル状態のリジェクトカセット15へ搬送して収納し(図30に示す太い一点差線参照)、ステップSB8−14へ移行する。
この場合に主制御部4は、ニアフル状態のリジェクトカセット15に紙幣を収納したときに、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによってリジェクトカセット15のカウント数に収納した回数を加算して計数する。
このように、仮リジェクトカセット18cが設定されていたとしても、搬送異常紙幣をニアフル状態のリジェクトカセット15へ収納するのは、一時保留部13からの紙幣の再繰出時におけるジャム等の搬送障害発生の可能性を排除するためである。
その後のステップSB8−14からSB8−16の作動は、上記実施例4のステップSB4−12からSB4−14の作動と同様であるので、その説明を省略する。
SB8−17、上記ステップSB8−12において、仮リジェクトカセット18cが設定されていたために一時保留部13に集積された紙幣が存在していることを認識した主制御部4は、一時保留部13の出金処理時の非出金紙幣等の分別収納処理を実行する。
すなわち、主制御部4は、一時保留部13に集積した紙幣(装填時のミス等により混入した非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣)、異金種紙幣)を、その分離繰出機構により、一時保留部13の図示しない残留検出センサが紙幣の残留を検出しなくなるまで順次に搬送路17eへ繰出し、搬送路17cを経由して鑑別部12へ搬送し、鑑別部12によって搬送した紙幣の金種等を鑑別し、鑑別された紙幣が循環金種の紙幣(ステップSB8−6における紙幣の鑑別時に、金種不明紙幣と鑑別され一旦一時保留部13に集積された紙幣が、本ステップの鑑別において正常に金種鑑別がなされた紙幣、異金種紙幣。本実施例では万券とする。)の場合は、その万券は上記実施例1のステップSA1−8からSA1−11と同様にして、収納枚数が少ない収納カセット14(例えば収納カセット14a)を搬送先に決定し、当該収納カセット14aに収納余裕が存在する場合は、搬送路17b、17g、17iにより収納カセット14aへ搬送して収納し、鑑別部12での再鑑別結果が、搬送異常を除く非出金紙幣(混入した非循環金種の紙幣、リジェクト紙幣(金種不明紙幣))および循環金種の千券と鑑別された紙幣の場合は、搬送路17b、17g、17h、17kにより仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納し、鑑別部12での再鑑別結果が搬送異常である場合は、搬送路17b、17g、17h、17mによりニアフル状態のリジェクトカセット15へ搬送して収納する。
この場合に主制御部4は、収納カセット14に紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって当該収納カセット14の収納枚数に収納した枚数を加算して計数し、仮リジェクトカセット18cまたはニアフル状態のリジェクトカセット15に紙幣を収納したときは、記憶部5の収納枚数カウントエリア5cによって仮リジェクトカセット18cまたはリジェクトカセット15のカウント数に収納した回数を加算して計数する。
このように、仮リジェクトカセット18cが設定されていたとしても、搬送異常紙幣をニアフル状態のリジェクトカセット15へ収納するのは、仮リジェクトカセット18cからの紙幣の再繰出時におけるジャム等の搬送障害発生の可能性を排除するためである。
そして、一時保留部13に集積した紙幣の収納カセット14、仮リジェクトカセット18cまたはニアフル状態のリジェクトカセット15への収納を終えた主制御部4は、出金取引の取引処理の終了を判定し、接続子Eを介して図26のステップS8−8へ移行する。
このようにして、本実施例の現金自動預払機1による出金取引処理が実行される。
上記のように、本実施例の現金自動預払機1の主制御部4による紙幣処理においては、リジェクトカセット15がニアフル状態になったときに、最少収納枚数の収納カセット14cを仮リジェクトカセット18cに設定し、入金処理における収納処理、出金処理およびその分別収納処理において、搬送異常紙幣と鑑別された紙幣をニアフル状態のリジェクトカセット15へ搬送して収納し、他の非出金紙幣等を仮リジェクトカセット18cへ搬送して収納するので、入金処理における収納処理や出金処理において、搬送異常と鑑別された搬送異常紙幣をニアフル状態のリジェクトカセット15へ収納することが可能になり、非出金紙幣等の分別収納処理や設定後収納紙幣の分別収納処理において、一旦搬送異常紙幣と鑑別された紙幣を再分離することがなくなり、搬送障害の発生の可能性を低減することができる。
また、リジェクトカセット15がニアフル状態になったときに、仮リジェクトカセット18を設定して取引を自動的に継続したことを係員に通知するので、現金自動預払機1の利用状況および係員の空き状況を考慮して、現金自動預払機1の顧客に迷惑をかけない状況でのリジェクトカセット15等の交換が可能になる。
以上説明したように、本実施例では、入出金部に投入され正常紙幣と鑑別された紙幣を集積する一時保留部と、循環金種を設定金種として当該紙幣を収納する複数の収納カセットと、収納カセットに収納されない紙幣を収納するリジェクトカセットとを有する紙幣入出金部を備えた現金自動取引装置において、リジェクトカセットの収納状態を確認したときに、リジェクトカセットの収納状態がフル状態である場合は、各収納カセットの中で最少収納枚数の収納カセットを仮リジェクトカセットに設定し、入金処理における収納処理時に、仮リジェクトカセットが設定されている場合は、一時保留部に集積された正常紙幣の中で、搬送異常を除く非出金紙幣と鑑別された紙幣を仮リジェクトカセットへ、搬送異常と鑑別された紙幣をニアフル状態のリジェクトカセットへ収納し、出金処理時に、仮リジェクトカセットが設定されている場合は、搬送異常を除く非出金紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部へ集積し、搬送異常と鑑別された紙幣をニアフル状態のリジェクトカセットへ収納し、出金処理の終了時に、一時保留部に集積した紙幣の中で、搬送異常と鑑別された紙幣をニアフル状態のリジェクトカセットへ、搬送異常を除く非出金紙幣と鑑別された紙幣を仮リジェクトカセットへ収納するようにしたことによって、上記実施例1と同様の効果に加えて、入金処理における収納処理や出金処理において、搬送異常と鑑別された搬送異常紙幣をニアフル状態のリジェクトカセットへ収納することが可能になり、非出金紙幣等の分別収納処理や設定後収納紙幣の分別収納処理において、一旦搬送異常紙幣と鑑別された紙幣を再分離することがなくなり、搬送障害の発生の可能性を低減することができる。
なお、上記各実施例においては、初期画面は取引選択画面であるとして説明したが、初期画面は前記に限らず、省電力画面等であってもよい。
また、上記各実施例においては、現金自動預払機の主制御部が紙幣入出金部を制御して上記した各処理を実行するとして説明したが、紙幣入出金部に制御部および記憶部を設け、主制御部からの各処理の処理指令を制御部が受信し、制御部によって紙幣入出金部の各部を制御しながら、紙幣処理における各処理を実行するようにしてもよい。
この場合に、現金自動預払機の記憶部に設けた収納枚数カウントエリア、取込枚数カウントエリアは紙幣入出金部の記憶部に設けるようにし、仮リジェクトカセットを設定したときは主制御部から非出金紙幣等の搬送先を制御部へ指示し、出金処理時の移動処理や移し替え処理、分別収納処理は、主制御部からの搬送先を指示した指令により制御部が上記した各処理を実行するようにするとよい。
更に、上記各実施例においては、収納カセットは3つであるとして説明したが、2つまたは4つ以上であっても同様である。
更に、上記各実施例においては、媒体として紙幣を取扱う場合を例に説明したが、媒体としての硬貨を取扱う硬貨入出金部に適用することも可能である。