JP5573559B2 - リチウムイオン二次電池用炭素材料 - Google Patents
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Description
0.01<O/(B+C+O)<0.10、を満たし、かつ炭素材料中の総原子濃度に対するホウ素原子、炭素原子、酸素原子以外の原子の濃度の比が、0.01以下であり、前記ロ)窒素原子と酸素原子を含む炭素材料は、表面が窒素化合物で覆われており、光電子分光法で測定した表面領域での窒素原子濃度N、炭素原子濃度C、酸素原子濃度Oが、0.005<N/(N+C+O)<0.05、および0.01<O/(N+C+O)<0.10、を満たし、かつ炭素材料中の総原子濃度に対する窒素原子、炭素原子、酸素原子以外の原子濃度の比が、0.01以下である、リチウムイオン二次電池用炭素材料である。
具体的なメカニズムは明確ではないが、酸素原子を含有する場合にはリチウムを介した電極間物質(SEI)の安定化に寄与すると思われる。一方、窒素原子またはホウ素原子を含有することで、リチウムの脱溶媒和促進が期待され、低温充電の促進が期待できると思われる。これらの原子を負極材料中に存在させることで、活物質への過剰なLi吸着や溶媒分解を抑制、調整することが可能となり、不可逆容量の抑制が可能となると、本発明者らは考えている。
ェン、ポリスチレンなどの有機合成高分子;セルロース、リグニン、マンナン、ポリガラクトウロン酸、キトサン、サッカロースなどの多糖類もしくは天然高分子;ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシドなどの熱可塑性樹脂;フルフリルアルコール樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
カーボンブラックの場合は、体積平均粒径が通常5nm以上500nm以下のものを用いることができる。好ましくは、体積平均粒径が15nm以上60nm以下のものであって、ジブチルフタレート吸油量が100cm3/g以上200cm3/g以下のものが好ましい。また、カーボンブラックを950℃で7分間加熱した際の揮発(減量)分が1.5%以下であることが好ましい。一般に表面官能基が多いほど、揮発する成分は多くなり、揮発分が1.5%以下のものは導電性に富むので好ましい。
炭素材料に対するホウ素またはホウ素化合物の混合比は、炭素材料100重量部に対しホウ素原子として、好ましくは0.02重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上である。また上限は、好ましくは0.4重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下である。
また、焼成して得られたイ)ホウ素原子および酸素原子を含む炭素材料は、光電子分光法で測定した表面領域でのホウ素原子濃度B、炭素原子濃度C、酸素原子濃度Oが、0.005<B/(B+C+O)<0.05、0.01<O/(B+C+O)<0.10、であることが好ましい。
イ)ホウ素原子と酸素原子を含む炭素材料の表面の原子組成が上記範囲を満たすことで、該炭素材料を、窒素原子と酸素原子を含む炭素材料と混合し、負極活物質として用いた電池の初期不可逆容量が小さくなり好ましい。より好ましくは、0.02<B/(B+C+O)<0.04、0.03<O/(B+C+O)<0.08である。なお、イ)炭素材料中の総原子濃度に対するホウ素原子、炭素原子、酸素原子以外の原子の濃度の比は、0.01以下であることが好ましい。
窒素およびこれら窒素化合物は、市販のものを用いることができる。これらのうち1種を炭素材料に混合し、焼成してもよく、2種以上を組み合わせて混合し、焼成することもできる。なお、原料となる炭素材料と窒素または窒素化合物を混合する際に酸素原子が含まれ、焼成することにより、酸素原子を含む炭素材料となる。
炭素材料に対する窒素または窒素化合物の混合比は、炭素材料100重量部に対し、窒素原子として好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは3.0重量部以上である。ま
た上限は、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは2.0重量部以下である。
また、焼成して得られたロ)窒素原子と酸素原子を含む炭素材料は、光電子分光法で測定した表面領域での窒素原子濃度N、炭素原子濃度C、酸素原子濃度Oが、0.005<N/(N+C+O)<0.05、0.01<O/(N+C+O)<0.10、であることが好ましい。
ロ)窒素原子と酸素原子を含む炭素材料の表面の原子組成が上記範囲を満たすことで、該炭素材料を、ホウ素原子と酸素原子を含む炭素材料と混合し、負極活物質として用いた電池の初期不可逆容量が小さくなり好ましい。より好ましくは、0.02<N/(N+C+O)<0.04、0.03<O/(N+C+O)<0.08である。なお、ロ)炭素材料中の総原子濃度に対する窒素原子、炭素原子、酸素原子以外の原子濃度の比は、0.01以下であることが好ましい。
また、焼成して得られたイ)の炭素材料とロ)の炭素材料を混合した後、更に焼成をしても良い。混合後の焼成は、通常500℃以上2000℃以下の温度で行われ、700℃以上1500℃以下であることが好ましい。なお、混合後焼成の焼成時間は通常最高温度に到達してから0.5時間以上、10時間以下で行われる。
(イ)Ramanスペクトル測定方法
ラマン分光器:「日本分光社製ラマン分光器」。
測定対象粒子を測定セル内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。測定条件は以下のとおり。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm-1
測定範囲 :1100cm-1〜1730cm-1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
1580cm-1付近の最大ピークは、黒鉛結晶質構造に由来するピーク(Gバンド)であり、1358cm-1付近の最大ピークは、構造欠陥により対称性の低下した非晶性炭素原子に由来するピーク(Dバンド)であると言われているが、このピーク強度比、即ちRaman R値は、ID/IGで定義される(F.Tuinstra, J.L.Koenig, J.Chem.Phys,53,1126(1970)参照)。また、ΔGとは、上記Gバンドの半値幅である。
本発明の炭素材料は、Raman R値が0.2以上0.3以下であることが低温充電容量向上の観点から好ましい。より好ましくは0.24以上0.28以下である。また、ΔGが21を超え24未満であることが不可逆容量抑制の観点から好ましい。より好ましくは22以上24未満である。
上記Raman R値は、熱処理温度、非晶質量、ホウ素原子量、窒素原子量、酸素原子量を適宜調整することにより好ましい範囲に調整することができる。また、ΔGは、熱処理温度、非晶質量を適宜調整することにより好ましい範囲に調整することができる。
(イ)測定方法
大倉理研社製比表面積測定装置「AMS8000」を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。具体的には、試料(炭素材料)0.4gをセルに充填し、350℃に加熱して前処理を行った後、液体窒素温度まで冷却して、窒素30%、He70%のガスを飽和吸着させ、その後室温まで加熱して脱着したガス量を計測し、得られた結果から、通常のBET法により比表面積を算出する。
本発明の炭素材料のBET法で測定した比表面積については、1m2/g以上15m2/g以下を満たすことが好ましい。より好ましくは2m2/g以上、更に好ましくは3m2/g以上である。また、より好ましくは10m2/g以下、更に好ましくは6m2/g以下である。比表面積が1m2/gを下回ると、Liが出入りする部位が少なく、高速充放電特性や出力特性に劣る傾向にある。一方、比表面積が15m2/gを上回ると、活物質の電解液に対する活性が過剰になり、初期不可逆容量が大きくなる傾向があり、高容量電池を製造できない可能性がある。
上記比表面積は、原料であるイ)、ロ)の炭素材料の比表面積を調整することにより、所望の比表面積とすることができる。
本発明の炭素材料の特異性を示すものとして、X線構造解析から得られる黒鉛のRhombohedral に対するHexagonalの結晶の存在比(菱面体/六角網面体
)である3R/2Hが挙げられる。
日本電子製のX線回折装置(JDX−3500)で、CuKα線グラファイトモノクロメーターをターゲットとし、出力30kV、200mAで発散スリット1/2°、受光スリット0.2mm、散乱スリット1/2°の条件にて、試料粉末を直接試料版に充填し、2θ=43.4°付近と2θ=44.5°付近にそれぞれ3R(101)と2H(101)の結晶ピークが存在するとして、ピーク積分強度を求め、その比を存在比とした。
本発明の炭素材料では、3R/2Hの値は0.255以上(0.265)以下であることが好ましく、0.260以上0.265以下であることが更に好ましい。上記、3R/2Hの値は、熱処理温度、非晶質量、粉砕処理を適宜調整することにより、所望の範囲とすることができる。
(イ)測定方法
界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例として、ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、本発明の炭素材料0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「HORIBA製LA−920」に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定したものを、本発明におけるd50と定義する。
本発明の炭素材料は、平均粒径については特に制限が無いが、使用される範囲として、d50Aが上限値として50μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは25μm以下である。一方、下限値として5μm以上であることが好ましく、より好ましくは8μm以上、更に好ましくは10μm以上である。平均粒径が50μmを超える場合には極板化した際に、筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向にある。また、平均粒径が5μm以下であると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向にある。
上記平均粒径は、機械的磨砕処理の時間や磨砕に用いる機械の回転数を調整すること、更に複合炭素材料に粉砕や篩操作を施すことにより、所望の範囲とすることができる。
(イ)測定方法
X線光電子分光法(XPS)により、ホウ素、窒素、酸素、および炭素の元素比を次のように求めることができる。X線光電子分光法は、従来公知の方法により測定できる。具体的には、例えば、X線光電子分光器(例えば、アルバック・ファイ社製)を用い、測定対象である粒子粉末が表面に平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線として、マルチプレックス測定によりC1s(280〜300eV)、B1s186〜206eV、N1s394〜414eV、O1s(525〜545eV)のスペクトルを得る。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして耐電補正し、C1s、B1s、N1s、およびO1sのスペクトルピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、C、B、N、およびOの表面原子濃度をそれぞれ算出し、原子濃度比を算出する。
(イ)タップ密度の定義
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器である(株)セイシン企業社製「タップデンサーKYT−4000」を用い、直径1.6cm、体積容量20cm3の円筒状タ
ップセルに、目開き300μmの篩を通して、炭素材料を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(ロ)好ましい範囲
本発明の炭素材料のタップ密度は、下限値は0.75g/cm3以上であることが好ましく、0.85g/cm3以上であることがより好ましい。一方上限値は特に限定されないが、通常1.3g/cm3以下であることが好ましく、1.2g/cm3以下であることがより好ましい。タップ密度が低すぎる場合、高速充放電特性に劣る傾向にあり、タップ密度が高すぎる場合、負極活物質材料の粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠ける傾向にあり、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。上記タップ密度は、平均円形度の高い炭素材料を原料として用いることで、上記好ましい範囲とすることできる。
本発明の炭素材料、およびそれを含む負極を用いて製造された本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、電解液、セパレータ、円筒形、角型、ラミネート、自動車用途や定置型電池用などの大型缶体、または筐体、PTC素子、絶縁板等の電池構成上必要な部材からなるが、その選択については発明の主旨を越えない限り特に制限されない。
本発明のリチウムイオン二次電池は、通常少なくとも、本発明の炭素材料を含む負極、正極及び電解質を有する。
負極は本発明の炭素材料を少なくとも含む負極シートからなる。負極シートを構成する炭素材料の一部に、Liと合金化可能な合金、珪化物、半導体電極を含んでいても良い。具体的には、Si,Al,Sn,SnSb,SnAs,SiO,SnO,SnO2,SiC,及びダイヤモンドにB,N,Pなどの不純物を含ませ半導体としたもの、並びにこれらのものからなる複合合金や不定比酸化物が挙げられる。
負極シートの構成は、本発明炭素材料のほか、極板成形用結着剤、増粘剤、並びに導電材を含有する活物質層を集電体上に形成してなる。活物質層は通常、炭素材料、極板成形用結着剤、増粘剤、及び溶媒から調製されるスラリーを、集電体上に塗布、乾燥、所望の密度まで圧延することにより得られる。
集電体の材質としては、銅、ニッケル又はステンレス等が挙げられる。これらのうち、薄膜に加工しやすいという点及びコストの点から銅箔が好ましい。
種類を選択して使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも非水系溶媒が、環状カーボネートと鎖状カーボネートを含有するものが好ましい。またビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、プロパンスルトン、ジエチルスルホン等の化合物が添加されていても良い。更に、ジフェニルエーテル、シクロヘキシルベンゼン等の過充電防止剤が添加されていても良い。
直径d50 16μm、表面積6.8m2/g、Tap密度0.98g/cm3の天然球状黒鉛100重量%に対しホウ酸10%水溶液を、ホウ酸固形分換算で1重量%になるように、ホモディスパーザーで混合し、10L/minのN2気流下、110℃で乾燥し、45μmの篩で解砕処理を行うことにより粉体を得た。これを10L/minのN2気流下で昇温速度8℃/min.で980℃まで昇温させ、且つ同温度で1時間保持し、更に室温まで降温させる加熱処理を施した。これを45μmの篩処理を行うことにより、炭素材料1を得た。
製造例1と同様の天然球状黒鉛100重量%に対し、ポリアクリロニトリル(PAN)2重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液を、PAN固形分換算で3重量%になるように、ホモディスパーザーで混合し、製造例1と同様の乾燥、解砕処理を行うことにより粉体を得た。これを10L/min.のN2気流下で昇温速度8℃/min.で900℃まで昇温させ、且つ同温度で1時間保持し、更に室温まで降温させた。これをピンミル(ホソカワミクロンコロプレックス)で回転数4000rpmで粉砕し、更に45μmの篩処理を行うことにより、炭素材料2を得た。
上記製造例1および2で調製した炭素材料1および2を、1:1の重量割合で、それぞ
れ1kgずつをVブレンダーで12分混合することで、炭素材料3を得た。
製造例1と同様の天然球形黒鉛100重量%とともに、ホウ酸10%水溶液をホウ酸固形分換算で1重量%、且つPAN2重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液をPAN固形分で3重量%になるように、ペイントシェーカー(レッドデビル製)で15分高速振とうさせ、これを、製造例1と同様の乾燥、解砕処理を行った。これを10L/minのN2気流下で昇温速度8℃/min.で980℃まで昇温させ、且つ同温度で1時間保持し、更に室温まで降温させた。これを45μm目開きの篩処理を行うことにより、炭素材料4を得た。
製造例1と同様の天然球形黒鉛100重量%に対し、ホウ酸10%水溶液をホウ酸固形分換算で1重量%、且つPAN2重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液をPAN固形分で3重量%になるように、ハイスピードミキサー(深江パウテック製)にて混合した。これを、製造例3と同様の乾燥、解砕処理、及び加熱、粉砕、篩処理を行うことで炭素材料5を得た。
炭素材料1乃至5に係る物性を表1に示す。また、X線光電子分光法(XPS)により求められる、炭素材料1乃至5の表面原子濃度をそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
実施例1で得られた炭素材料3を用い、活物質層密度1.7g/cm3である活物質層を有する極板を作製した。具体的には、上記負極炭素材料20gに、1質量%カルボキシメチルセルロースNa塩(セロゲン4H、第一工業製薬社製)水溶液を20g(固形分換算で0.2g)、および重量平均分子量27万のスチレン・ブタジエンゴム水性ディスパージョン(BM400B、日本ゼオン社製)0.4g(固形分換算で0.2g)を、キーエンス製ハイブリッドミキサーで5分間撹拌し、30秒脱泡してスラリーを得た。
前記スラリーを、集電体である厚さ18μmの銅箔上に、負極材料が11.6mg/cm2付着するように、ドクターブレード法で、幅5cmに塗布し、室温で30分間風乾を行った。更に110℃で30分乾燥後、直径22cmの圧延ローラを用いてロールプレスして、活物質層の密度が1.7g/cm3になるよう調整し負極シートを得た。
前記の方法で作製した負極シートの、初期サイクル時の充放電可逆容量、不可逆容量、低温充電容量を下記方法により測定した。その結果を表2に示す。
前記した方法で作製した負極シートを、直径12.5mmの円形に打ち抜き負極とし、厚さ0.5mmの金属Li箔を同サイズに打ち抜きステンレス板に圧着したものを対極とし、2極式セルを作製した。セルの作製は、水分値1ppm以下に調整したドライボックス内で行った。負極と対極との間には、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートの混合溶媒(容量比20:30:30)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させた電解液を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置いた。
通常の充放電は、初回をcc充電で0.05C(0.2mA/cm2)で10mVcutにて350mAh/gまで充電した後に、引き続き2、3回目は、同電流密度でcc−cv充電にて10mV、0.005Ccutにて充電し、放電は、全ての回で0.05C(0.2mA/cm2)で1.5Vまで放電した。初回〜3回目までの充電容量から放電容量を差し引いた容量を不可逆容量とした。また、3回目の放電容量を可逆容量とした。更に、当該評価セルを一端、1.5Vまで0.05Cで放電後、0℃の恒温槽内におき、cc充電で0.2C、及び0.5Cで0Vcutまで充電し、それぞれの低温充電容量とした。
製造例1で用いた天然球状黒鉛をそのまま負極活物質として用いて負極シートを作成し、初期サイクル時の充放電不可逆容量を測定した。その結果を表2に示す。
製造例1で製造した炭素材料1を負極活物質として用いて負極シートを作成し、初期サイクル時の充放電不可逆容量を測定した。その結果を表2に示す。
製造例2で製造した炭素材料2を負極活物質として用いて負極シートを作成し、初期サイクル時の充放電不可逆容量を測定した。その結果を表2に示す。
製造例4で製造した炭素材料3を負極活物質として用いて負極シートを作成し、初期サイクル時の充放電不可逆容量を測定した。その結果を表2に示す。
製造例5で製造した炭素材料4を負極活物質として用いて負極シートを作成し、初期サイクル時の充放電不可逆容量を測定した。その結果を表2に示す。
Claims (4)
- イ)ホウ素原子と酸素原子を含む炭素材料と、ロ)窒素原子と酸素原子を含む炭素材料を混合した混合物からなるリチウムイオン二次電池用炭素材料であって、
前記イ)ホウ素原子と酸素原子を含む炭素材料は、表面がホウ素化合物で覆われており、光電子分光法で測定した表面領域でのホウ素原子濃度B、炭素原子濃度C、酸素原子濃度Oが、
0.005<B/(B+C+O)<0.05、および
0.01<O/(B+C+O)<0.10、
を満たし、かつ炭素材料中の総原子濃度に対するホウ素原子、炭素原子、酸素原子以外の原子の濃度の比が、0.01以下であり、
前記ロ)窒素原子と酸素原子を含む炭素材料は、表面が窒素化合物で覆われており、光電子分光法で測定した表面領域での窒素原子濃度N、炭素原子濃度C、酸素原子濃度Oが、0.005<N/(N+C+O)<0.05、および
0.01<O/(N+C+O)<0.10、
を満たし、かつ炭素材料中の総原子濃度に対する窒素原子、炭素原子、酸素原子以外の原子濃度の比が、0.01以下である、リチウムイオン二次電池用炭素材料。 - 前記イ)ホウ素原子と酸素原子を含む炭素材料及び/又は前記ロ)窒素原子と酸素原子を含む炭素材料は、球形化黒鉛である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用炭素材料。
- 請求項1又は2に記載の炭素材料を負極の活物質として含む負極シート。
- 請求項3に記載の負極シートを含むリチウムイオン二次電池。
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