JP5573340B2 - ガス検知装置およびガス検知方法 - Google Patents

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本発明は、ガス検知装置およびガス検知方法に関する。
特許文献1には、第1および第2の赤外線カメラと第1および第2の赤外線フィルタとを用いて、検知対象ガスであるCOガスを検知するシステムが記載されている。
特許文献1に記載のシステムでは、第1の赤外線カメラの前段に、COガスに吸収される波長域の赤外線を透過する第1の赤外線フィルタが設けられている。また、第2の赤外線カメラの前段に、COガスに吸収されない波長域の赤外線を透過する第2の赤外線フィルタが設けられている。
このため、第1の赤外線カメラで得られた画像データに応じた画像は、COガス濃度の高い部分が暗くなる。一方、第2の赤外線カメラで得られた画像データに応じた画像は、COガス濃度によっては明るさが変化しない。
なお、赤外線カメラが出力する画像データは、画素ごとに測定された赤外線スペクトルの積分値によって表される。
特許文献1に記載のシステムは、第2の赤外線カメラで得られた画像データから第1の赤外線カメラで得られた画像データを減算することによって、COガスを表す画像データを生成し、COガスを表す画像データに応じた画像をモニタテレビに映し出す。
特開2007−263829号公報
図7は、温度の変化に応じた黒体放射のスペクトル形状の変化を示す図である。図7に示したように、温度変化に伴う黒体放射のエネルギー(強度)の増減量は、波長ごとに異なる。
特許文献1に記載のシステムでは、第1のフィルタと第2のフィルタとは、透過波長帯域が互いに異なる。このため、第1および第2の赤外線カメラにて撮影される測定領域の背景温度が変動すると、COガスの濃度が変化しなくても、第1フィルタを透過する光の強さと第2フィルタを透過する光の強さとの差は変動する。
つまり、第1の赤外線カメラからの画像データと第2の赤外線カメラの画像データとの差の大きさは、COガスの濃度だけではなく、背景温度にも依存する。したがって、特許文献1に記載のシステムでは、背景温度の変化によって、COガスを誤検知してしまう可能性がある。
なお、特許文献1に記載のシステムにおいて、背景温度の変化によって誤検知が生じるという問題は、検知対象ガスがCOガスである場合に限られるものではない。例えば、特許文献1に記載のシステムにおいて、第1の赤外線フィルタが、検知対象ガスに吸収される波長域の赤外線を透過し、第2の赤外線フィルタが、検知対象ガスに吸収されない波長域の赤外線を透過する場合にも、背景温度の変化によって誤検知が生じるという問題は生じる。
本発明の目的は、上述した課題を解決するガス検知装置およびガス検知方法を提供することにある。
本発明のガス検知装置は、測定領域からの赤外光のうち、赤外域の波長のうちの検知対象ガスが吸収する第1波長域の光の強度を測定する第1測定手段と、前記測定領域からの赤外光のうち、前記第1波長域とは異なる波長域と前記第1波長域とからなる第2波長域の光の強度を測定する第2測定手段と、前記第1測定手段の測定結果と前記第2測定手段の測定結果との差と、前記第1測定手段の測定結果と、の比を計算する計算手段と、前記差に基づいて、閾値を設定する設定手段と、前記比と前記閾値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検知対象ガスの有無を判定する判定手段と、を含む。
本発明のガス検知方法は、ガス検知装置でのガス検知方法であって、測定領域からの赤外光のうち、赤外域の波長のうちの検知対象ガスが吸収する第1波長域の光の強度を測定する第1測定ステップと、前記測定領域からの赤外光のうち、前記第1波長域とは異なる波長域と前記第1波長域とからなる第2波長域の光の強度を測定する第2測定ステップと、前記第1測定ステップでの測定結果と前記第2測定ステップでの測定結果との差と、前記第1測定ステップでの測定結果と、の比を計算する計算ステップと、前記差に基づいて、閾値を設定する設定ステップと、前記比と前記閾値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検知対象ガスの有無を判定する判定ステップと、を含む。
本発明によれば、ガス検知装置において背景温度の変化による誤検知を少なくすることが可能になる。
本発明の一実施形態のガス検知装置を示したブロック図である。 赤外線カメラ14と赤外線カメラ16とが取得する波長帯域の一例を示した図である。 ガス検知装置100の動作を説明するための図である。 ガス検知装置100の動作を説明するための図である。 計算部21による比率の計算結果を説明するための図である。 図5に示した図の元になるデータを示した図である。 温度の変化に応じた黒体放射のスペクトル形状の変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態のガス検知装置を示したブロック図である。
図1において、ガス検知装置100は、赤外線画像取得装置1と、リアルタイムでデータ処理を行う処理装置2と、を含む。
赤外線画像取得装置1は、バンドパスフィルタ11と、レンズ12と、温度センサ13と、赤外線カメラ14と、温度センサ15と、赤外線カメラ16と、を含む。
バンドパスフィルタ11は、赤外域の波長域のうち検知対象ガスが吸収する波長域(第1波長域)W1を透過帯域とするフィルタである。
温度センサ13は、赤外線カメラ14の温度を測定する。温度センサ13は、赤外線カメラ14の温度を表す温度データを、赤外線カメラ14に出力する。
赤外線カメラ14は、一般的に第3測定手段または第1の赤外線カメラと呼ぶことができる。
赤外線カメラ14は、複数の画素を有し、測定領域からの赤外光のうちバンドパスフィルタ11を透過した透過光の強度を画素ごとに測定する。
なお、バンドパスフィルタ11は、赤外域の波長域のうち検知対象ガスが吸収する波長域W1を透過帯域とするため、測定領域内の検知対象ガスの濃度が高くなるほど、赤外線カメラ14の画素にて測定される強度は低くなる。
赤外線カメラ14内の各画素での測定結果には、赤外線カメラ14の内部の温度変動に起因する変動分が含まれる。赤外線カメラ14は、赤外線カメラ14の内部の温度変動に起因する変動分を、温度センサ13からの温度データに従って補正する。なお、赤外線カメラ14が行う温度に応じた測定結果の補正処理は、公知技術であるので、その詳細な説明は割愛する。
赤外線カメラ14は、補正処理が施された各画素での測定結果をそれぞれ画像データD1として処理装置2に出力する。
なお、バンドパスフィルタ11と赤外線カメラ14とで第1測定手段(測定部)が構成される。第1測定手段である測定部は、測定領域からの赤外光のうち、波長域W1の光の強度を測定する。
温度センサ15は、赤外線カメラ16の温度を測定する。温度センサ15は、赤外線カメラ16の温度を表す温度データを、赤外線カメラ16に出力する。
赤外線カメラ16は、一般的に第2測定手段または第2の赤外線カメラと呼ぶことができる。
赤外線カメラ16は、複数の画素を有し、レンズ12を通じて測定領域からの光を受光し、測定領域からの赤外光の強度を画素ごとに測定する。本実施形態では、赤外線カメラ16は、測定領域からの赤外光のうち、波長域W1とは異なる波長域と波長域W1とからなる波長域(第2波長域)W2の光の強度を画素ごとに測定する。
なお、赤外線カメラ16の測定領域と赤外線カメラ14の測定領域は同一である。このため、赤外線カメラ14の各画素と、赤外線カメラ16の各画素と、の中で、測定領域内の同一箇所を示す画素の組(以下「組画素」と称する)が存在する。本実施形態では、組画素は、予め設定されている。
赤外線カメラ16内の各画素での測定結果には、赤外線カメラ16の内部の温度変動に起因する変動分が含まれる。赤外線カメラ16は、赤外線カメラ16の内部の温度変動に起因する変動分を、温度センサ15からの温度データに従って補正する。なお、赤外線カメラ16が行う温度に応じた測定結果の補正処理は、公知技術であるので、その詳細な説明は割愛する。
赤外線カメラ16は、補正処理が施された各画素での測定結果をそれぞれ画像データD2として処理装置2に出力する。
なお、赤外線カメラ14、16がそれぞれ出力する画像データは、画素ごとに測定された赤外線スペクトルの積分値によって表される。
図2は、赤外線カメラ14と赤外線カメラ16とが取得する波長帯域の一例を示した図である。
図2において、波長域W1は、バンドパスフィルタ11の透過帯域、つまり、赤外線カメラ14が取得する波長域を示す。さらに言えば、波長域W1は、赤外域の波長域のうち、検知対象ガスが吸収する波長域である。図2では、検知対象ガスとして、エチレンガスが用いられている。なお、検知対象ガスはエチレンガスに限らず適宜変更可能である。また、波長域W1の大きさは、検知対象ガスが吸収する波長域を含んでいれば、ガス検知装置100の検知精度に応じて適宜変更可能である。
波長域W2は、赤外線カメラ16が取得する波長域を示す。なお、波長域W2は、波長域W1を含み波長域W1よりも広い波長域であれば、図2に示した例に限らず適宜変更可能である。図2で示した例では、波長域W2として、赤外線カメラ16が検知可能な赤外域の波長が用いられる。
図1に示した処理装置2は、計算部21と、設定部22と、判定部23と、を含む。計算部21と、設定部22と、判定部23とは、例えば、組画素の関係を示した組画素データを保持している。
計算部21は、一般的に計算手段と呼ぶことができる。
計算部21は、画像データD1と画像データD2との差と、画像データD1と、の比を計算する。
本実施形態では、計算部21は、組画素ごとに、その組画素の一方の画素の画像データD2からその組画素の他方の画素の画像データD1を引いた差(D2−D1)を計算する。また、計算部21は、組画素ごとに、その組画素の他方の画素の画像データD1を、その組画素の差(D2−D1)で割った値である比率(D1/(D2−D1))を計算する。
なお、検知対象ガスの濃度が一定である状況下での背景温度の上昇に伴う比率(D1/(D2−D1))の値の変動は、波長域W1での背景温度の上昇に応じた光の強さの増加量xと、波長域W2から波長域W1を除いた波長域での背景温度の上昇に応じた光の強さの増加量yと、の差に応じて変わる。例えば、増加量xが増加量yよりも小さい場合、背景温度が高くなるほど、比率(D1/(D2−D1))の値は小さくなる。
設定部22は、一般的に設定手段と呼ぶことができる。
設定部22は、画像データD1と画像データD2との差に基づいて閾値を設定する。
本実施形態では、設定部22は、組画素ごとに、その組画素の一方の画素の画像データD2からその組画素の他方の画素の画像データD1を引いた差の絶対値(|D2−D1|)を計算する。
設定部22は、組画素ごとに、絶対値(|D2−D1|)から、測定領域の背景温度を推定する。絶対値(|D2−D1|)は、検知対象ガスの有無に依存しない値であり、測定領域の背景温度が高くなるほど、値が大きくなる。本実施形態では、設定部22は、絶対値(|D2−D1|)と背景温度とを互いに関連づけたテーブルを有し、計算された絶対値(|D2−D1|)にテーブル内で関連づけられた背景温度を、測定領域の背景温度として推定する。
設定部22は、測定領域の背景温度の組画素ごとの推定結果に基づいて、組画素ごとに、比率(D1/(D2−D1))用の閾値を設定する。
検知対象ガスの濃度が一定である状況下での背景温度の上昇に伴う比率(D1/(D2−D1))の値の変動は、上述したように、増加量xと増加量yとの差に応じて変わる。このため、設定部22は、検知対象ガスの濃度が一定である状況下で背景温度が高くなるほど比率(D1/(D2−D1))の値が小さくなる場合には、背景温度が高くなるほど、閾値を小さくする。また、設定部22は、検知対象ガスの濃度が一定である状況下で背景温度が高くなるほど比率(D1/(D2−D1))の値が大きくなる場合には、背景温度が高くなるほど、閾値を大きくする。なお、背景温度と比率(D1/(D2−D1))の値との関係は、波長域W1と波長域W2にて決定される。
本実施形態では、測定領域の背景温度と閾値とを対応づけたテーブルが、設定部22に記憶されている。設定部22は、測定領域の背景温度に対して、そのテーブル内で対応づけられている閾値を、比率(D1/(D2−D1))用の閾値として設定する。
判定部23は、一般的に判定手段と呼ぶことができる。
判定部23は、計算部21が計算した比率(D1/(D2−D1))と、設定部22が設定した閾値と、を比較し、その比較の結果に基づいて検知対象ガスの有無を判定する。
本実施形態では、判定部23は、組画素ごとに、組画素での比率(D1/(D2−D1))と、組画素での閾値と、を比較する。
判定部23は、比率(D1/(D2−D1))が閾値よりも低い組画素については、その組画素にて特定される箇所で、検知対象ガスによる赤外線の吸収が発生したと判断して、その組画素にて特定される箇所に検知対象ガスが存在すると判定する。
判定部23は、検知対象ガスが存在する箇所に対応する画素の画像データとして、その画素についての画像データD2と、ガス検知を示す画像(例えば、ガス検知を表す特定の色または特定の明るさの画像)を示すカス検知画像データと、を重ねた画像を示す検知画像データを、表示装置200に出力する。
一方、判定部23は、比率(D1/(D2−D1))が閾値以上である組画素については、その組画素にて特定される箇所で、検知対象ガスによる赤外線の吸収が発生していなと判断して、その組画素にて特定される箇所に検知対象ガスが存在しないと判定する。
判定部23は、検知対象ガスが存在しない箇所に対応する画素の画像データとして、その画素についての画像データD2を、表示装置200に出力する。
表示装置200は、判定部23からの画像データに応じた画像を表示する。表示装置200にて表示される画像のうち検知対象ガスが存在する箇所では、検知画像データに応じた画像(例えば、色または明るさによって、他の箇所よりも強調表示された画像)が表示される。また、表示装置200にて表示される画像のうち検知対象ガスが存在しない箇所では、赤外線カメラ16からの画像データに応じた画像が表示される。
次に、動作の一例を説明する。なお、図3および図4は、ガス検知装置100の動作を説明するための図である。
処理1)赤外線カメラ14は、測定領域からの赤外光のうち、検知対象ガスが吸収する波長域W1の赤外光の強度を画素ごとに測定する。また、赤外線カメラ16は、測定領域からの赤外光のうち、測定領域からの赤外光のうち、波長域W2、例えば、波長域W1を含み波長域W1よりも広い波長域の光の強度を画素ごとに測定する。
処理2)赤外線カメラ14は、赤外線カメラ14内の各画素での測定結果に含まれる、赤外線カメラ14の内部の温度変動に起因する変動分を、温度センサ13からの温度データに従って補正する。赤外線カメラ14は、補正が施された各画素での測定結果をそれぞれ画像データD1として処理装置2に出力する。また、赤外線カメラ16は、赤外線カメラ16内の各画素での測定結果に含まれる、赤外線カメラ16の内部の温度変動に起因する変動分を、温度センサ15からの温度データに従って補正する。赤外線カメラ16は、補正が施された各画素での測定結果をそれぞれ画像データD2として処理装置2に出力する。
処理3)処理装置2内の設定部22は、組画素ごとに、絶対値(|D2−D1|)を計算し、組画素ごとに、絶対値(|D2−D1|)から測定領域の背景温度を推定する。設定部22は、測定領域の背景温度の組画素ごとの推定結果に基づいて、組画素ごとに、比率(D1/(D2−D1))用の閾値を設定する。
処理4)処理装置2内の計算部21は、組画素ごとに比率(D1/(D2−D1))を計算し、判定部23は、組画素ごとに、組画素での比率(D1/(D2−D1))と、組画素での閾値と、を比較する。
判定部23は、比率(D1/(D2−D1))が閾値よりも低い組画素については、その組画素にて特定される箇所に検知対象ガスが存在すると判定する。判定部23は、検知対象ガスが存在する箇所に対応する画素の画像データとして検知画像データを表示装置200に出力する。
また、判定部23は、比率(D1/(D2−D1))が閾値以上である組画素については、その組画素にて特定される箇所に検知対象ガスが存在しないと判定する。判定部23は、検知対象ガスが存在しない箇所に対応する画素の画像データとして、その画素についての画像データD2を表示装置200に出力する。
処理5)表示装置200は、判定部23からの画像データに応じた画像を表示する。表示装置200にて表示される画像のうち、検知対象ガスが存在する箇所では、検知画像データに応じた画像が表示され、検知対象ガスが存在しない箇所では、赤外線カメラ16からの画像データに応じた画像が表示される。
ガス検知装置100は、処理1)〜5)を繰り返すことで、リアルタイム監視を実現できる。
ここで、背景温度を推定し、推定された背景温度に応じて閾値を変更することによる効果について説明する。
図5は、検知対象ガスとしてエチレンガス(100度C)を用い、ガス吸収帯(波長域)W1を10.5〜10.6μm、ガス吸収帯を除く帯域を9.0〜9.1μmとした場合でのガス有G2とガス無G1時の比率を示した図である。なお、この場合、波長域W2は、10.5〜10.6μmと9.0〜9.1μmとからなり、赤外線カメラ16の前段に、10.5〜10.6μmの波長の光と9.0〜9.1μmの波長の光とを透過するフィルタが設けられる。この場合、このフィルタと赤外線カメラ16とで、第2測定手段が構成される。
背景温度の推定が行われない場合、ガス有(0度C)のときの比率とガス無(40度C)のときの比率は、0.781付近でほぼ同等となる。
このため、閾値として0.781が用いられていると、背景温度が40度Cの場合、ガスが無いにもかかわらずガスが存在する旨の誤検知が発生する。
そこで、ガス検知装置100は、ガス吸収帯以外の帯域の光の強度から背景温度を推定し、その推定された背景温度に応じて閾値を設定する。
図5に示した例では、9.0〜9.1μmの波長の光の強度が151付近ならば、検知対象ガスの有無にかかわらず、背景温度が0度Cであると推定できる(図6参照)。そして、ガス検知装置100は、背景温度0度Cに対して0.78付近の適切な値を閾値として自動設定することで、誤検知を防止することができる。もしも、9.0〜9.1μmの波長の光の強度が319付近であれば、ガス検知装置100は、背景温度が40度Cであると推定でき、0.71付近の値を閾値として自動設定するようにすればよい。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態のガス検知装置100は、通常のレンズ12を備えた赤外線カメラ16と、検知対象ガスの吸収帯の波長の赤外光のみを透過するバンドパスフィルタ11が装着された赤外線カメラ14と、の2台のカメラを有し、それぞれのカメラで同一箇所(測定領域)の画像データを取得する。
処理装置2は、赤外線カメラ16からの画像データD2と赤外線カメラ14からの画像データD1との差と、赤外線カメラ14からの画像データD1と、の比率と、閾値と、の比較結果により、検知対象ガスの有無を判定する。
なお、上記比率は、検知対象ガスの濃度に応じて変化すると共に、背景温度に応じて変化してしまう。
一方、検知対象ガスの吸収帯以外の帯域の光の積分値のレベルは、検知対象ガスの有無に係わらず、測定領域の背景温度に依存する。このため、検知対象ガスの吸収帯以外の帯域の光の積分値のレベルに基づいて、背景温度を推定することが可能になる。
処理装置2は、検知対象ガスの有無を判定するために使用する閾値を、検知対象ガスの吸収帯以外の帯域の光の積分値のレベル(背景温度)に従って自動設定することによって、背景温度の変化に起因する赤外放射のスペクトル形状のピーク値の変化および赤外線カメラの積分値レベルの変化に係わらず、安定したガス検知を行うことが可能になる。
また、本実施形態によれば、赤外線カメラとバンドパスフィルタといった簡易で有り、かつ、比較的安価な構成で、特定のガスを安定して検知できる。本実施形態は、特に、検知対象ガスの種類が決まっている場面において効果を発揮する。
なお、上記実施形態は、以下のように変形されてもよい。
他の波長域(他の検知対象ガスの吸収帯)を透過するバンドパスフィルタと赤外線カメラの組み合わせを上記実施形態に追加することで、複数種類のガスの検知が可能となる。新たに追加した赤外線カメラの取得画像データをD3とすると、処理装置2は、D2とD3についての処理を追加すればよい。なお、D2とD3についての処理は、D2とD1についての処理と同様である。
また、赤外域に複数の吸収帯域を持つガスを検知する場合、より大きな吸収帯域を透過するようにバンドパスフィルタ11を設定すればよいが、複数のフィルタと複数の赤外線カメラを用意することで、より正確な検出が可能となる。この場合、上記と違い同種のガスを検出するので、処理装置2は、ガス吸収帯域の積分値データを(D1+D3)、ガス吸収帯域以外の積分値データを(D2‐(D1+D3))として算出し、処理をすればよい。
なお、上記実施形態および上記各変形例は、他に高出力な光源を設置せずに背景温度の変動に影響されることなく、特定の赤外線吸収波長帯を持つガスを検知し、リアルタイムでガス検知箇所を画像表示装置に出力することができる。
また、上記実施形態および上記各変形例は、例えば、リアルタイムにガス検知画像を確認する必要がある分野に使用可能である。一例としては、特定の種類のガス漏れを監視し、そのガスの赤外線吸収の帯域が既知である場合に、上記実施形態および上記各変形例は使用可能である。例えば、エチレンガス(吸収帯:10〜11μm)のパイプラインの監視に、上記実施形態および上記各変形例は使用可能である。
100 ガス検知装置
1 赤外線画像取得装置
11 バンドパスフィルタ
12 レンズ
13、15 温度センサ
14、16 赤外線カメラ
2 処理装置
21 計算部
22 設定部
23 判定部
200 表示装置

Claims (4)

  1. 知対象ガスが吸収する第1波長域の光の強度を測定する第1測定手段と、
    記第1波長域とは異なる波長域である第2波長域の光の強度と前記第1波長域の光の強度とを測定する第2測定手段と、
    前記第1測定手段の測定結果と前記第2測定手段の測定結果との差と、前記第1測定手段の測定結果の比を計算する計算手段と、
    前記差に基づいて背景温度を取得し、取得した前記背景温度に対応する閾値を設定する設定手段と、
    前記比と前記閾値とに基づいて前記検知対象ガスの有無を判定する判定手段
    含むことを特徴とするガス検知装置。
  2. 前記第1測定手段は、前記第1波長域を透過帯域とするフィルタと、前記フィルタを透過した透過光の強度を測定する第3測定手段
    含むことを特徴とする請求項1記載のガス検知装置。
  3. 前記第2測定手段および前記第3測定手段は赤外線カメラであ
    ことを特徴とする請求項2記載のガス検知装置。
  4. ガス検知装置でのガス検知方法であって、
    知対象ガスが吸収する第1波長域の光の強度を測定する第1測定ステップと、
    前記第1波長域とは異なる波長域である第2波長域の光の強度と前記第1波長域の光の強度とを測定する第2測定ステップと、
    前記第1測定ステップでの測定結果と前記第2測定ステップでの測定結果との差と、前記第1測定ステップでの測定結果と、の比を計算するステップと、
    前記差に基づいて背景温度を取得し、取得した前記背景温度に対応する閾値を設定するステップと、
    前記比と前記閾値とに基づいて前記検知対象ガスの有無を判定するステップ
    含むことを特徴とするガス検知方法。
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