JP5571149B2 - 自動両面調理面グリル及び方法 - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、食品を調理する装置に関する。特に、本発明は、食品の両面調理に適した両面調理面グリル装置又はクラムシェルグリル装置に関する。
[0002] 当該技術分野において、種々のタイプの調理装置が周知である。具体的には、種々のタイプのグリルが知られている。あるタイプのグリルでは、食品をグリル面に置き、グリル面に接する食品側を焼く。片方の食品側を調理後に、食品を手操作で回すか、又は裏返して反対側を調理する。食品の2番目の面を調理した後、さらに調理の準備をするために、及び/又は料理を出すために、食品をグリルから取り出す。
[0003] その他のタイプのグリルでは、両面の調理を同時に行う。このようなグリルは、一般にクラムシェルグリルとして周知であり、同時に食品の2つの面に接触するように水平に対向して、同時に両面を調理する上部調理プラテンと下部調理プラテンとを有する。
[0004] 適切な作業のためには、2つの各グリル面が相互に平行で各面が均一に接触して、各プラテンの調理面に接触する食品の対応する面を調理するようにすべきである。
[0005] プラテンが調理位置にある時に、平行又はほぼ平行な向きであるか否かを判断するための装置及び方法が必要である。さらに、食品の種類を識別することができる自動クラムシェル型グリルが必要である。
[0006] 本発明によれば、両面グリルを使用して食品を調理する方法が提供される。該グリルは、普通は上部調理プラテンと下部調理プラテンとを有するタイプである。該方法は、調理サイクルの開始の前に、上部調理プラテンと下部調理プラテンとが調理位置にある時に互いにほぼ平行であるか否かを自動的に判断することを含む。上部プラテンと下部プラテンとが互いにほぼ平行である場合、食品を上部プラテン及び下部プラテンと接触させて、食品を調理する。上部プラテンと下部プラテンとが互いにほぼ平行でない場合には、上部プラテン及び下部プラテンの少なくとも一方を調節して、上部プラテンと下部プラテンとが調理位置にある時に少なくとも互いにほぼ平行であるようにする。調節後、必要であれば、食品を上部プラテン及び下部プラテンに接触させて、それによって食品を調理する。
[0007] 該方法の別の態様によれば、両プラテンが互いにほぼ平行であるか否かを自動的に判断することは、両プラテン間の所定の距離(0であっても、又は両プラテンが接触する距離としてもよい)に達するまで両プラテンを相互の向きに前進させることを含み、両プラテン間の距離は複数の位置で判断される。これは、適切なセンサを使用して行うことができる。典型的には、両プラテン間の距離は、少なくとも異なる2箇所の位置で判断され、例えば、少なくとも異なる3箇所の位置、又は4箇所以上の位置で判断されるようにしてもよい。このために、センサは各位置に設置してもよい。そして、接触型センサ、圧力センサ、光センサ又はその他の種類のセンサを使用することができる。
[0008] プラテンが平行又はほぼ平行でない時のプラテンの調節は、任意の適切な方法で行ってもよい。例えば、この調節は、手動で又は自動的に行ってもよい。通常、この調節作用のステップは、距離が検知される各位置で、両プラテン間の距離をほぼ同じにして、結果として互いにほぼ平行になるように調節することを含む。この調節するステップは、各位置における両プラテン間の距離がほぼ同じになるように、各位置でプラテンを調節することを含んでもよい。調理サイクルの開始前に、上部調理プラテンと下部プラテンとが調理位置にある時に互いにほぼ平行であるか否かを自動的に判断するステップで、両プラテンが互いにほぼ平行でないことが見つかったときは、両プラテンを少なくともほぼ平行になるように調節してもよい。
[0009] 本発明のその他の態様によれば、食品アイテムの種類を識別する方法が提供される。該方法は、上部調理プラテンと下部調理プラテンとを有する両面グリルを使用することを包含する。同方法は、上下プラテン型グリルの下部プラテン上に、或る特徴的な高さを有する少なくとも1つの食品アイテムを戴置し、上部プラテンを下部プラテンに向かって移動させることと、上部プラテンが食品アイテムに接触する時点を検知することと、上部プラテンが食品に接触する時の両プラテン間の距離を判断することとを含む。この距離が、食品アイテムの種類の該特徴的高さの指標になり、下部プラテンに配置される食品アイテムと同じ食品アイテム又は異なる食品アイテムである少なくとも1つの食品アイテムの特徴高さと比較した距離に基づいて、食品アイテムを識別することができる。
[0010] 該方法の別の態様によれば、各異なる食品アイテムに各特徴的高さが対応した複数の食品アイテムの特徴的高さが、両面調理装置と連結したコンピュータアクセス可能なメモリ内に記憶される。
[0011] 本発明の別の態様によれば、該方法はさらに、判断された距離を複数の記憶された特徴高さと比較して、食品アイテムを識別することを含んでもよい。
[0012] 本発明の別の態様によれば、下部調理プラテン上に配置される識別済みの種類の食品アイテムの数を判断するための1つの方法が提供される。下部プラテン上の食品アイテムの数を判断する方法は、下部プラテンに配置した状態で食品アイテムを重さ計量することを含む。任意の適切な計量装置、例えば、秤、ロードセル、又はその他の望ましい重さ計量装置を本発明によれば使用することができる。
[0013] 下部プラテン上の食品アイテムの数を判断する方法はさらに、下部プラテン上の食品アイテムの重量を複数の食品アイテムの特徴的な重量の整数倍と比較して、それにより調理プラテン上に配置される食品アイテムの数と等しい整数を判断することを含んでもよい。
[0014] 本発明の別の態様によれば、下部プラテン上に配置される食品アイテムの数を判断する方法は、カメラを包含することもできる、マシンビジョン装置(machine vision device)を用いて食品アイテムの数を識別することを含む。
[0015] 本発明の別の態様によれば、両面グリルが提供されている。該グリルは、支持構造を含み、下部調理プラテン及び上部調理プラテンはこの支持構造に取付けられる。上部プラテンは調理配向位置と非調理位置との間で移動するように取付けられ、両プラテンは、適切に調節された場合は、調理配向位置にある時に少なくとも互いにほぼ平行である。
[0016] プラテンが調理配向位置に配置される時の両プラテン間の距離を検知する構成が提供され、また上部プラテンが下部プラテン上に戴置された食品アイテムに接触する時点を判断する構成を提供する。さらに、上部プラテンが下部プラテン上の食品アイテムに接触する時に上部プラテンと下部プラテンとの間の距離を自動的に判断する構成が提供される。このために、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラに入力を供与する、単数又は複数の適切なセンサを使用することができる。
[0017] 本発明の別の態様によれば、該グリルはさらに、複数の食品アイテムの特徴的高さを記憶するコンピュータアクセス可能なメモリを含み、各高さは、例えば、1/10ポンド(約45.4グラム)(10:1パティ)のハンバーガー及び1/4ポンド(約113.4グラム)(4:1パティ)のハンバーガーなどの異なる食品に対応する。
[0018] 本発明の別の態様によれば、判断された高さを複数の特徴的高さと比較して、下部プラテン上に置かれた製品の種類を判断するコンピュータプロセッサは、グリルの一部である。そのようなグリルはさらに、下部プラテン上にある食品アイテムの数を判断する構成を含んでもよい。食品アイテムの数を判断する構成は、下部プラテンに連結された重さの計量装置を含んでもよい。ロードセル又はその他任意の秤又は計量装置を含む、任意の適切なタイプの重さの計量装置を使用することができる。
[0019] さらに、下部プラテン上に配置された食品アイテムの数を判断する構成は、マシンビジョン装置を含んでもよい。
[0020] 該グリルはまた、種々異なる食品アイテムの調理データに対応する調理データを包含したコンピュータアクセス可能なメモリを含んでもよい。該グリルはさらに、下部プラテン上に配置されていると判断された食品アイテム種の調理データにしたがって、該グリルを作動させるマイクロプロセッサコントローラを含んでもよい。
[0021] 本発明の別の態様によれば、該グリルは、上部プラテンが下部プラテン上の食品アイテムに接触する時点を判断する構成を含んでもよい。この動作を行うために、圧力検知装置を含む、任意の適切な装置を使用してもよい。
[0022] 本発明の別の態様によれば、食品を調理する両面グリルが提供される。該グリルは、上部調理プラテン及び下部調理プラテンが調理配向又は調理位置にある時、互いに比較的平行であるか否かを自動的に判断する構成を含む。該グリルは支持構造を含み、上部調理プラテンと下部調理プラテンとが支持構造に取付けられ、上部調理プラテンは調理配向又は調理位置と非調理配向又は非調理位置との間で移動するように取付けられる。両プラテンは、適正な調理配向にある時に、少なくとも互いにほぼ平行であるようにする。調理配向にある時の両プラテン間の距離を検出する構成が提供され、又、上部プラテン及び下部プラテンが調理配向にある時、両プラテンが互いに比較的ほぼ平行であるか否かを自動的に判断する構成が提供される。このような構成は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラに入力を供与する適切なセンサを備えてもよい。
[0023] 本発明の本態様による装置は、更に、調理配向状態にある時に両プラテンを比較的平行関係に配設できるように、少なくとも一方のプラテンを他方のプラテンに対して調節する構成を含んでもよい。両プラテンの相対的配向を調節する構成は、両プラテンのそれぞれの一部分の相対的配向を互いに変化させる複数の手動調節可能な装置を備えてもよい。
[0024] グリル装置の本実施形態の別の態様によれば、上部プラテンが下部プラテン上の食品アイテムに接触する時点を判断する構成が提供され、また、上部プラテンが下部プラテン上の食品アイテムに接触する時の上部プラテンと下部プラテンとの間の距離を判断する構成が提供される。さらに、該グリルは、各異なる食品アイテムに各特徴的高さが対応した複数の特徴的高さを記憶するコンピュータアクセス可能なメモリを含んでもよい。さらに、異なる高さを複数の特徴的高さと比較して、下部調理プラテン上にある製品の種類を判断するために、コンピュータプロセッサを包含されていてもよい。
[0025] 本発明の該グリルの実施形態の別の態様によれば、下部プラテン上にある食品アイテムの数を判断する構成が提供される。下部プラテン上の食品アイテムの数を判断する構成は、前述したように構成することができ、下部プラテンに連結された重さ計量装置、マシンビジョン装置又はその他の装置としてもよい。
[0026] 本発明の本実施形態の別の態様によれば、該グリル装置はさらに、種々異なる食品アイテムに対応した調理データと、下部プラテン上に配置されていると判断された食品アイテムの種類の調理データにしたがって該グリルを動作させるマイクロプロセッサコントローラとを含む。
[0027] 本発明の別の態様によれば、上部プラテンが下部プラテン上に配置された食品アイテムに接触する時点を判断する構成は、1つの圧力検出装置又は複数のそのような装置を含む。
[0028] 本発明によるクラムシェルグリルの側面図である。 [0029] 図1のグリルの背面図である。 [0030] 全開位置と調理配向との間の上部プラテンの移動を示す、図1のグリルの側面図である。 [0031] 図1のグリルの一部の斜視図である。 [0032] 本発明によるクラムシェルグリルの正面概略図である。 [0033] 図5のクラムシェルグリルの上面概略図である。 [0034] 本発明による別のクラムシェルグリルの正面概略図である。 [0035] 本発明によるクラムシェルグリルの概略ブロック図である。 [0036] グリルの視覚系の概略図である。
[0037] 図面を全般的に、そして特に図1を参照すると、本発明によるクラムシェルグリル10が示されている。一般的に、基本のクラムシェルグリルは当該技術分野では周知であり、したがって、本明細書では各部品の具体的な説明はしない。例えば、クラムシェルグリルは、米国特許出願公開公報第2005/0000957号(Jones et al.)、米国特許第6,079,321号(Harter et al.)、及び米国特許第6,614,007号(Reay)に開示されており、この開示されたもの全体は、参照用として本明細書に明確に組み込まれるものとする。
[0038] 図1〜4を参照すると、本発明で使用されるクラムシェルグリル10の例示的な構成が示されている。クラムシェル10は、下部調理プラテン14が水平に取付けられる支持構造12を含む。下部プラテン14は、その上部はほぼ滑らかで平坦な調理面18を有する。下部プラテン14は、1つ又は複数の加熱装置20により調理温度まで加熱される。加熱装置はガスでも電気でもよい。例として、3つの加熱装置20が示されている。この実施形態では、下部プラテン14は、一度にたくさんの数の食品アイテムを置けるように、例えば2フィート×3フィート(60.96cm×91.44cm)又は所望の大きさの大きな寸法である。
[0039] 上部プラテン組立部22は、上部プラテン位置決め機構24により支持構造12の後部に可動に取付けられる。上部プラテン組立部22は、ケーシング内に組み込まれた加熱要素20aにより調理温度まで加熱される上部調理プラテン28を備える。上部調理プラテン28は、下部調理プラテン14と同じサイズとしてもよい。図示した実施形態では、全て下部調理プラテン14のサイズに近い3つの上部調理プラテン22a,22a'、22a"を備える。各上部プラテン28は平坦な調理面26を有し、別々に加熱してもよい。1つの下部プラテン14に3つの上部プラテン組立部22を取付けることにより、上部プラテン調理面26と下部プラテン調理面18との間に3つの独立した調理ゾーンが形成され、調理する人や操作者に、より柔軟性を持たせることができる。例えば、上部プラテン組立部22を使用して、1つの食品製品を調理してもよいが、隣接する上部プラテン組立部22a'、22a"で他の食品製品を同時に調理してもよい。他に、1回分の食品製品、例えば、ハンバーガーのパティを、調理サイクルの途中で、隣接する上部プラテン組立部22で調理してもよい。さらにお客様の追加の注文を受けた場合、追加のパティの調理は上部プラテン組立部22a'、22a"で始めるが、上部プラテン組立部22での1回目のパティの調理は継続することができる。
[0040] 当該技術分野で周知のように、位置決め機構24を使用して、最上位の位置から調理位置までの上部プラテン組立部22による2つの異なる運動を容易にすることができる。1つの運動は、例えば、水平方向に対して54°の角度で上方向に開いた位置から、下部プラテン14に平行な下方向の水平な調理位置まで上部プラテン組立部22を回転させる回転運動である。他方の運動は、水平に定位した上部プラテン組立部22を下部プラテン14に対して離間させる直線上下運動である。上下移動をして、上部プラテン組立部の調理面18に対する高さを変更するために、線形アクチュエータ32は、アクチュエータクロスバーリンケージ38により2本の上下往復軸34に連結される。アクチュエータクロスバーリンケージ38は、上下往復軸34に固定され、上下往復軸34は直線運動ベアリング40を貫通する。上部プラテン組立部22の回転移動は、ハンドル42を使用して手動で行ってもよい。あるいは、グリル10は、上部プラテン組立部22を開いた上方の位置と水平な定位との間で自動的に回転させる当技術分野で既知の手段を含んでもよい。
[0041] 線形アクチュエータ組立部は、駆動モータ44、線形アクチュエータ32、2本のほぼ上下往復する軸34及び位置センサスイッチ48を備える。線形アクチュエータ32は、駆動時に、上部プラテン組立部22及び上部プラテン28を上下に動かす。当技術分野で既知のように、グリル10はさらに、線形アクチュエータ32の上下移動を上部プラテン組立部22の回転移動に変える回転供給機構を含んでもよい。回転供給機構は、線形アクチュエータ32がその上方ストロークを完了した時に、図3に示された水平定位から開いた位置まで上部プラテン組立部22を上方に回転させる。同じように、線形アクチュエータ32がその下方ストロークを開始した時に、回転供給機構は上部プラテン組立部22をもとの水平定位、又は閉じた定位まで回転させる。
[0042] グリル10は、図8で詳細に示されたユーザインタフェース52を含む。インタフェース52は、調理サイクルを開始するために押圧される調理サイクル駆動又は開始ボタン50を含む。その時点で、ユーザインタフェース52は、モータ位置制御装置54とデータ通信するマイクロプロセッサ62に情報を送信する。この情報はモータ位置制御装置54により使用されて、線形駆動モータ44を駆動する。一実施形態において、線形駆動モータ44の回転運動の作用が、位置決めパルスエンコーダ58により生成される電気パルスをもたらす。位置決めパルスエンコーダ58により生成されたパルスは、モータ位置制御装置54により受信される。この情報及び下部の位置センサスイッチ48の駆動により、モータ制御装置54は、所定の上部プラテン組立部22の調理位置に駆動システム全体を正確に位置決めすることが可能になる。
[0043] この実施形態において、マイクロプロセッサ62などのコンピュータ制御は、グリル10の前面表示部60に配置された1つのユーザフレンドリーなインタフェース52内に収容されたアクセスプレートの裏に取付けられる。インタフェース52は、英数字デジタル表示パネル57を含むコントロールパネル56、操作スイッチ及びボタン59、ならびにLEDインジケータライト(図示せず)を備える。図8に示すように、マイクロプロセッサ62は、ユーザインタフェース52、コンピュータメモリ81、及び操作装置を含むグリル10に接続される。
[0044] 操作者が駆動ボタン61を押圧して、上部プラテン組立部22の調理位置への移動を開始する。典型的に、第2の駆動ボタン(図示せず)は駆動ボタン61から離間され、駆動ボタン61と同時に押圧されて、上部プラテン組立部22の移動を開始しなければならない。したがって、グリル10が駆動される時に、操作者の両手は安全な位置にある。典型的には、その他のボタンは、「プラテン上昇」ボタン63、「キャンセル」ボタン65、「すぐに測定」ボタン67、「下部プラテン」ボタン69、「カバーを閉める」ボタン71、種々の食品製品調理サイクル選択ボタンなどを含む。コントロールパネル56は、保護するためにポリエステルカバーの裏に密着されている。データはコンピューティング装置、典型的にはマイクロプロセッサ62により受け取られ、本実施形態においては、さらに適切なコンピュータメモリ装置81を含む。コンピュータメモリ装置81は、コントロールパネル56、温度センサ、位置センサスイッチ48及びタイマー回路(図示せず)からの関連する操作パラメータ又は調理パラメータで事前にプログラムされたEPROM(図示せず)としてもよい。EPROMは、さまざまなプログラムを記憶することが可能である。例えば、メニューアイテム、個々の食品が使用できるメニューアイテムであるか、使用できないメニューアイテムであるか、調理機能、温度設定、ギャップ設定、調理時間、調理サイクル手順の終了などである。EPROMは、コントロールボード上のパネルの裏で容易に利用できる。このことにより、望ましいプログラミングをする際に欠陥や変更がある場合に、容易に入れ替えができる。
[0045] 例として、通常の調理サイクルを概説する。グリル装置は、上部プラテン組立部22が全開状態で持ち上げられた位置のアクティブでない状態で始まる。上部プラテン組立部22は、水平方向から一定の角度、例えば54°にある。操作者は、コントロールパネル56のメニューから関連する製品、例えば1/4ポンド(約113.4グラム)のハンバーガーの設定を選択し、次に、冷凍のハンバーガーパティの1層の厚さを下部プラテン14の表面領域全体に置き、1つ又は複数の上部プラテン22a、22a'、22a"が下げられた時に、これらの上部プラテンで蓋をする。この領域は、見やすいように下部プラテン14上に印を付けてもよい。置く作業が完了した時に、操作者は同時に「駆動」ボタン61及び「スタンバイ」ボタン(図示せず)(これらのボタンは物理的に互いにオフセットである)を押圧し、調理サイクルを開始する。
[0046] この時点で、いくつかの状態が生じる。下部プラテン(14)及び上部プラテン(28)内に配置された温度を検知する熱電対プローブ(図示せず)は、データをマイクロプロセッサ62に送信し、両プラテンの温度を検知している。マイクロプロセッサ62は、下部プラテン14内の加熱要素20、上部プラテン22内の同様の加熱要素20aを適切な時点で駆動する。同時に、上部プラテン組立部22は、調理位置まで2段階の降下を始める。すなわち、回転移動をしてその後直線移動をする。もちろん、上述したように、回転移動は代替として手動の手段で行ってもよい。マイクロプロセッサ62は、位置決めパルスエンコーダ58と、上下往復軸34の相対的な高さを表示する下部センサスイッチ48からデータを受信する。位置決めパルスエンコーダ58はさらに、2つの位置決めスイッチ48の場所の間のオフセット距離に関する連続データを送る。位置決めパルスエンコーダ58により受信されたパルスは監視されて、上部プラテン組立部22が適切な水平レベルでとどまるように一定に保たれなければならない。マイクロプロセッサ62は、線形アクチュエータ32を駆動するアクチュエータ駆動モータ44を駆動して、プラテン組立部22を下げ始める。
[0047] 上部プラテン組立部22は平行位置まで回転されて、下部プラテン14及びハンバーガーパティの上方で止まった状態から、上部プラテン組立部22は、線形アクチュエータ32により下部プラテン14に向かって下方へ降下することができる。線形駆動モータ44により駆動され、モータ位置制御装置54により制御された線形アクチュエータ32は、上部プラテン組立部22を下部プラテン14上の所定の位置まで下げ続ける。この位置は、調理される特定の製品ごとにユーザインタフェース52及びマイクロプロセッサ62にプログラムされた位置である。位置決めパルスエンコーダ58は、測定された高さデータをマイクロプロセッサ62に送信する。どんな不整合データの場合でも、インタフェース52上にエラー又はメッセージの表示がなされ、また警報音を発することになる。高さデータは、下部プラテン14までの、及び調理される特定の食品アイテムまでの上部プラテン組立部22の高さを特定することになる。例えば、製品識別又は認識機能を使用して、自動的にグリル上の製品を識別し、食品のその種類に対するプログラムされた調理パラメータのセットにしたがって、グリル上の食品を調理する作動を自動的に行うことができる。
[0048] マイクロプロセッサ62は、調理サイクルを開始するために、プログラミングで示された正確な時点で、線形駆動モータ44を停止する。高さ指標は、適切な調理時の接触及び圧力にするために、標準的なメニューアイテムで事前に検査したデータから導かれたものである。マイクロプロセッサ62は、例えば、(+/−)0.0015インチずつ漸減して、かなり精密な程度までギャップ設定を制御することができる。調理サイクルは、キャンセルボタン65でキャンセルすることができる。これにより、操作者はメニュー選択又はその他の操作パラメータを変更することが可能になる。
[0049] マイクロプロセッサ62は、調理のタイミング順序が終わる5分前に音響信号を発し、操作者に調理工程が終了したことを警告し、完成した食品製品を取り出す工程を始める準備をする。マイクロプロセッサ62が予め設定した調理サイクルが終了したことを判断する時に、マイクロプロセッサ62は、線形アクチュエータに上部プラテン組立部22に上方の力を加えさせる駆動モータ44を反対方向に自動的に再始動させる。上部プラテン組立部22が下部プラテン14からの十分な距離まで持ち上げられると、上部プラテン組立部22は手動で、又は自動的に開いた位置まで回転することができる。開いた状態で下部調理プラテン14から調理した食品製品を取り出すことができる。
[0050] 最適な調理の結果が得られるように、マイクロプロセッサ62は、以下のステップに従うようにプログラムすることができる。食品アイテムに的確に圧力を加えて食品の下面を焼く:上部プラテン28を持ち上げて、食品から閉じ込められた蒸気を逃がす:再びプラテン28を的確に下げて、食品に圧力を加え、食品の上面を焼く。その後、この圧力は調理工程の残りの工程全体にわたり的確に制御される。この工程は、優れた外観と味を持った完成食品を作ることができる。
[0051] 前述の説明から、上部プラテン組立部22の開閉を繰り返した後、上部プラテン組立部22は位置がずれ、このために調理サイクルの間に下部プラテン調理面18と平行にならなくなる場合があることは理解されたい。時間とともに、上部プラテン28も上部プラテン組立部22内での位置がずれて、下部プラテン14に対して上部プラテン28の定位が平行でなくなることもある。平行でない状態を引き起こすその他の原因は、プラテン14、28のうちの一方が、調理サイクルを繰り返した後に反ってしまう時に生じる。調理サイクルの間に、プラテン14、28は加熱時に膨張し、冷却時に収縮するからである。さらに、位置ずれは、装置の物理的な傷により生じる場合がある。例えば、その傷は、固いもの、例えばヘラなどを不注意に下部プラテン14に残したまま上部プラテン組立部22を閉めることでできる恐れがある。
[0052] さらに、上部プラテン28と下部プラテン14との間の平行関係の小さな位置ずれも、グリル10により調理された食品製品の品質に悪い結果を引き起こす可能性があることは理解されたい。例えば、傾いた上部プラテンの片側にあるハンバーガーパティは、上部プラテン28から浮いて、パティの間に断熱の空隙ができる場合がある。傾いた上部プラテン28のその他の面にあるパティはそのような空隙はなく、したがってより速く調理できてしまう。さらに、慎重に考えられた、パティを焼くためにパティに圧力を加える調理サイクルは、平行でない配置により乱れることにもなる。これにより、調理された食品製品に受け入れらない、望ましくない品質のばらつきが生じる可能性がある。
[0053] 本発明の1つの態様において、グリル10は、例えば、プラテン14、28が所定の距離に離間されるまで上部プラテン28が下部プラテン14に向けて下げられた時に、調理位置に配置されたプラテン14、28の間に非平行関係が生じた時点を検出する構成を含む。図5、6では、グリル10は、マイクロプロセッサ62にデータを通信する複数のギャップ又は高さ検出装置70を含む。ギャップ検出装置70は、下部プラテン14と上部プラテン28との間のギャップを測定して、ギャップが一様でないか、及び所定の公差を超えるか否かを判断する。ギャップ検出装置70は、光装置、赤外線センサ、近接スイッチ、タッチセンサ、ソナーセンサなどの、プラテン14、28間のギャップを測定又は判断する任意の適切な装置としてもよい。プラテン14、28の定位が公差から外れている、すなわち、非平行状態であると検出された場合、例えば、ユーザインタフェース52上にエラーメッセージを表示することにより、又は警告音を発することにより、非平行状態であることを操作者に知らせる。この時、マイクロプロセッサ62は、任意で食品の調理サイクルの開始を禁止するように、又はすでに調理サイクルが開始されている場合には中断するようにプログラムしてもよい。したがって、高さ検出装置70は、調理サイクルの開始前に、またその他の時点でプラテン14、28間のギャップ量を検出してもよい。後で詳述するように、位置ずれが検知されたら、上部プラテン28及び下部プラテン14を調節して、目的とする平行関係に戻すステップがとられる。非平行状態が反ったプラテンにより引き起こされた場合には、反ったプラテンを交換する。
[0054] プラテン14、28の1つ又は両方を平行関係になるように調節するために、グリル10は、プラテン14、28を適切な配置に移動させるためのギャップ又は高さ調節装置80を有する。例示的な実施形態において、高さ調節装置80は、上部プラテン28の四隅82の各々に近接して配置される。高さ調節装置80は、下部プラテン14の四隅84に配設してもよい。高さ調節装置80は、例えば、ステッピングモータ、ウオームギアモータ、又は油圧もしくは空気圧シリンダ、機械装置、電気機械装置及びその他の装置などの任意の適切なタイプの装置としてもよい。
[0055] 高さ調節装置80の底面88は、上部プラテン28の上面90に近接して位置付けられる。高さ調節装置80の上面92は、上部プラテン組立部22の取付け面94に近接して位置付けられる。高さ調節装置80を操作することにより、取付け面94と上部プラテン28の上面90との間の距離を広くしたり、狭くしたりできる。したがって、上部プラテン28が下部プラテン14と平行関係になるまで、上部プラテン28を高さ調節装置80によりさまざまな方向に傾けることができる。その他の方法では、高さ調節装置80は、上部プラテン調理面26を下部プラテン調理面18と平行関係にする。ほぼ平行な関係では、センサ70により検出され、高さ調節装置80により調節された位置において、プラテン14、28間のギャップはほぼ同じである。
[0056] 同様にして、下部プラテン14は任意で、下部プラテン14と上部プラテン28との間のギャップを調節するための高さ調節装置80を備えてもよい。例えば、高さ調節装置80の底面88は、グリル支持構造12の下部プラテン取付け面100に近接して位置付けられる。高さ調節装置80の上面92は、下部プラテン14の底部104の下部プラテン支持面102に近接して位置付けられる。高さ調節装置80は、下部プラテン14に近接した複数の位置、例えば、下部プラテン14の各隅に位置付けられる。したがって、高さ調節装置80を操作して、下部プラテン14を上部プラテン28と平行関係に配置するように、下部プラテン14をさまざまな方向に傾けることもできる。
[0057] 高さ調節装置80による上部プラテン28の移動は、高さ調節装置80による下部プラテン14の移動とは別々に行ってもよい。また、上部プラテン28と下部プラテン14の移動を同時に行ってもよい。時には、最初に高さ調節装置80を操作して、下部プラテン14を水平にするのが有利である場合がある。その後、上部プラテン28に近接した高さ調節装置80が操作されて、下部プラテン14と上部プラテン28とを平行定位にしてもよい。その他に、上部プラテン28を下げて、下部プラテン14上に置き、その後、全ての高さ調節装置80付近のギャップが0になるまで、プラテン14、28の1つ又は両方を調節するのが有利である場合がある。もちろん、実際には、ほとんどの場合、プラテン14、28を平行関係にするのは、特定の食品製品用の調理サイクルの開始時点の典型的な望ましいギャップでプラテン14、28が離間される時に行われる。
[0058] 一実施形態において、高さ調節装置80による調節はサービス技術員が手動で行ってもよい。本発明のその他の実施形態では、プラテン14、28の位置ずれがセンサ70により検出され、マイクロプロセッサ62に通信される時に、上部プラテン28を下部プラテン14と平行関係に戻す調節が自動的に行われる。この実施形態では、上部プラテン28の位置ずれの箇所及び範囲に関するデータが、センサ70により検出され、マイクロプロセッサ62に送信される。受信された情報に基づいて、次にマイクロプロセッサ62は1つ又は複数の高さ調節装置80に信号を送信して、選択した高さ調節装置80を自動的に操作し、プラテン14、28の一方又は両方を移動させて、プラテン14、28間のギャップを調節する。プラテン14と28との間の距離が所定の公差内になるまで、すなわち、プラテン14、28の平行姿勢が許容程度になるまで、調節は継続する。マイクロプロセッサ62がプラテンの配置を公差内に調節できない場合、例えば、1つ又は複数のプラテンが反った場合、エラーメッセージ及び/又は警報が操作者に、さらにサービスが必要であることを警告する。マイクロプロセッサ62は、自動ギャップ調節の前に食品調理サイクルが開始されないように、又はすでに調理サイクルが開始されている場合には中断するようにプログラムしてもよいことに留意されたい。マイクロプロセッサ62はさらに、プリセット時にプラテン14、28間のギャップを測定するようにプログラムしてもよい。このプリセット時とは、グリル10が毎日最初に作動された時点を含んでもよい。この時点は、毎日、最初に特定の調理サイクルが選択された時点を含んでもよい。この測定は、毎回調理サイクルが行われるごとに、各調理サイクルの初めに行われるようにプログラムされてもよい。ユーザはさらに、「すぐに測定」ボタン67を押圧することにより、いつでも測定の手順を開始するオプションを有する。
[0059] さらに、上部プラテン28と下部プラテン14との間の平行関係を自動的に調節するには、下部プラテン14に近接して位置付けられた高さ調節装置80を使用してもよい。マイクロプロセッサ62は、高さ調節装置80と通信して、平行な配置になるまで下部プラテン14を移動させる。高さ調節装置80を手動で調節するのと同様に、下部プラテン14を自動的に調節するのは、上部プラテン28の調節とは別々に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
[0060] 本発明の別の実施形態では、ギャップセンサ70が、調理サイクルの初めを含む調理サイクルの間に、プラテン14、28間のギャップの高さを検出する。例えば、操作者は、インタフェース52を使用して、グリル10が1/4ポンド(約113.4グラム)のハンバーガーのパティを調理することを選択してもよい。グリル10は、上部プラテン28と食品アイテムとの間で最初に接触が生じた時点を検出する少なくとも1つの検出装置110を含む。位置決め機構24が上部プラテン28を調理位置まで下げる時に、センサ110が上部プラテン28により食品アイテムと最初に接触がなされる時点を検出する。上部プラテン28が最初に食品アイテムの上面に接触した時に、同時にセンサ70がプラテン14、28間のギャップ量を検出する。ギャップの高さがマクロプロセッサ62に通信される。最初の接触時点のギャップ量が、調理される食品製品の種類に対してマイクロプロセッサ62に予めプログラムされたギャップ量以外である場合、エラーメッセージ及び/又は警報音が操作者にこの相違を警告する。次に、操作者は、間違った調理サイクルが選択されたか否か、又は間違ったサイズのパティ又は間違った食品の種類、すなわち鶏の胸肉がグリル10に配置されたか否かを判断するために検査してもよい。そのようなエラーの場合、正しくない調理をする前及び食品製品の損傷が生じる前に適切な処置を行ってもよい。そのようなエラーの場合、マイクロプロセッサ62はさらに、加熱要素20、20aをオフにして、上部プラテン組立部22を持ち上げることにより調理サイクルを中断するようにプログラムしてもよい。
[0061] 本発明の別の実施形態では、装置は、高さ検出装置70によりマイクロプロセッサ62に通信された情報に基づいて、自動的に所定の調理サイクルを選択する。上部プラテン28が食品製品と接触される時に、センサ110は最初の接触が行われたことを検出し、この事実をマイクロプロセッサ62に通信する。したがって、マイクロプロセッサ62は、食品製品と最初に接触した時点の上部プラテン28の高さ、したがって食品製品の高さを判断することができる。マイクロプロセッサ62は次にグリル上の製品の種類を識別することができる。これは、種々の食品製品、すなわち、1/4ポンド(約113.4グラム)のハンバーガーパティ、標準サイズのハンバーガーパティ(10:1、1ポンド(約453.6グラム)に対して10枚のハンバーガーパティ)などの高さが規格化され、マイクロプロセッサ62のデータベースにプログラムされているからである。次に、識別された食品製品の種類に基づいて、マクロプロセッサ62を使用して、予めプログラムされた適切な調理サイクルを自動的に選択することができる。
[0062] したがって、この操作方法では、操作順序は以下の通りである。(1)操作者が複数の同じ種類のハンバーガーパティを下部プラテン14上に置く。パティを別のパティの表面に置かないように、すなわちパティ同士が重ならず、互いに積み重ねないように、パティが配置される。(2)操作者が上部プラテン組立部22を開いた位置から水平位置まで、手動で又は自動手段を使用して回転させる。(3)操作者がユーザインタフェース52上の「調理」ボタン73を押す。(4)マクロプロセッサ62が信号を上部プラテン位置決め機構24に送信し、上部プラテン組立部22を下部プラテン14に向かって下方に下げる。(5)上部プラテン28がハンバーガーパティの上面に接触する。(6)センサ110が、上部プラテン28が最初にパティに接触したことを検出し、この情報をマイクロプロセッサ62に通信する。同時に、上部プラテン28がハンバーガーパティに接触したことをセンサ110が最初に示した時点のプラテン14、28間の距離又はギャップを判断するために、高さ検出装置70がマイクロプロセッサ62にセンサ70により検出された情報を通信する。(7)マイクロプロセッサ62は、パティの上面に最初に接触した時点のプラテン14、28間の距離又はギャップを判断する。(8)マイクロプロセッサ62は、異なる食品製品の種類の高さに関する記憶された情報を含むコンピュータメモリ81と通信し、下部プラテン14上の食品製品の種類を識別する。(9)マイクロプロセッサ62は、コンピュータメモリ81と通信して、下部プラテン14にあると識別された食品製品の種類に対応する食品調理サイクルを選択し、選択した食品調理サイクルにしたがって、食品製品を調理する。
[0063] 任意で、予めプログラムされた上部プラテン28の高さの位置決めは、センサ70、110から受信された読み込みデータに基づいて、調理サイクル中に監視されてもよい。さらに、加熱サイクルは、センサ70、110により受信された情報に基づいて、調理サイクル中にマイクロプロセッサ62により変更又は制御されてもよい。例えば、下部プラテン14に対する上部プラテン28の高さは、調理する時に上部プラテン28が食品製品に加える圧力量に関する読み込みデータなどの検出装置110により得られた読み込みデータに基づいて、変化させてもよい。上部プラテン28の高さのそのような調節には、高さ調節装置80を使用しても、線形アクチュエータ32を使用してもよく、又はその両方を使用してもよい。
[0064] この操作方法では製品識別が自動的に検出されるので、調理サイクルの選択における人的ミスが解消される。これは、人が入力して調理サイクルを選択する必要がないからである。また製品識別は、その他の手段を使用して自動的に行ってもよい。例えば、下部プラテン14の重量がロードセル112により測定され、この重量がマイクロプロセッサ62に送信される。マイクロプロセッサ62は、下部プラテン14の載置重量をその非載置重量と比較し、食品製品の重量を計算する。食品製品の重量の公差及びその整数の倍数に基づいて、マイクロプロセッサ62は下部プラテン14上に配置された食品製品の種類、すなわち、1/4ポンド(約113.4グラム)のハンバーガーパティであるか標準サイズのパティであるかを判断することができる。マイクロプロセッサ62が食品製品の種類を識別すると、適切な調理サイクルがマイクロプロセッサ62により駆動される。
[0065] ロードセル112を使用して、食品製品の種類だけでなく、それぞれの食品製品の数、すなわちパティの数も判断できることに留意されたい。さらに、この情報をマイクロプロセッサ62が利用して、特定の載置量に対する固有の調理サイクル間に必要となる加熱要件が予想できる。したがって、もしグリルが3個の1/4ポンド(約113.4グラム)のハンバーガーパティを調理するという情報をマイクロプロセッサ62が受けると、6個の1/4ポンド(約113.4グラム)のハンバーガーパティとは異なり、例えば、マイクロプロセッサ62は加熱装置20、20aに送られた電力又は燃料をそれぞれ調節し、プラテン14、28の温度を調節することができる。また、マイクロプロセッサ62は、プラテン14、28における調理サイクルの時間の長さを調節することもできる。
[0066] 図9は、グリル10上の食品製品の数を判断するための代替の光学系又は視覚系120を示す。視覚系120は、グリル10に配設される。視覚系120は、カメラ124、カメラソフトウェア、必要であれば、補助照明(図示せず)を含む。カメラ124は、邪魔にならない所にあるが、グリル表面全体をはっきりと写せるように、グリル10の上の壁に取付けるのが好ましい。カメラ124は、支持体122などによりその他の場所に取付けてもよい。カメラ124は、煙、熱、油から保護するために、透明パネルの筐体126内に入れてもよい。最適な視覚系は、Banner Engineering社(ミネソタ州、ミネアポリス)から入手できる。この視覚系は、組込みプロセッサ、イーサネット(Ethernet)接続及びテレビモニタを接続するための出力を備えた、内蔵型のカメラシステムである。このカメラは、Banner社のPresencePLUSソフトウェアを使用して動作する。このカメラシステムの点検時間は、約1秒である。基本的な用途では、標準的な階調のカメラを使用してもよい。しかし、同じサイズ、同じ形状、同じ外見のさまざまな食品アイテムを出すレストランでは、色により食品アイテムの異なる種類を見分けるのが容易になるため、カラーカメラが好ましい。
[0067] カメラ124は、煙や油を避けるためにグリル10の片側から少し外れて位置付けてもよい。カメラ124の視角は、グリルのサイズよりわずかに大きいのが好ましい。使用されるカメラや台所の周辺光に応じて、視覚系の均一な動作を保証するために、補助照明が必要である場合がある。例えば、標準的な蛍光照明で十分である場合もあるが、いくつかのカメラと共に、蛍光灯を駆動するのに使用される安定器は、標準的な磁気安定器ではなく、高周波安定器でなければならない場合がある。
[0068] 視覚系ソフトウェアは、カメラにより捕捉された画像からの情報を使用して、サイズ、形状、総数の測定値を作成する解析ツールを含む。これらのツールは、いわゆる「ブロブ(blob)」処理を使用して、異なるサイズのさまざまな食品アイテムを識別し、次に同じサイズの食品アイテムを分ける。ブロブ解析は、カメラにより捕捉された画像の二次元形状に関する情報を生成する一連の処理動作及び分析機能から成る。これは、空間的特徴が特定の基準を満たし、食品アイテムのサイズや数を求める「ブロブ」を見つけるのに役に立つ。同様に、これは、既知の形状やサイズの食品アイテムを識別し、その数を数えるのに非常に適している。「ブロブツリー」は、ソフトウェア内で定義されるもので、視覚系で使用するさまざまな種類の食品アイテムのブロブの全てを含む。「円形」パラメータが四角いパティを丸いパティから分ける。マイクロプロセッサ62と情報を通信する視覚系120を使用して、グリル10で調理しようとする食品の数を確定することができ、マイクロプロセッサ62はこの情報を利用して、上述したように、加熱装置20に加えられる調理電力又は燃料を調節することができる。
[0069] 図7を参照して、再びグリル10のギャップ調節機能に話を戻すが、高さ調節装置80は、多数の異なる装置のうちいずれか1つであることに留意されたい。例えば、上述したように、ステッピングモータ、ウオームギアモータ、又は油圧もしくは空気圧シリンダ、機械装置、電気機械装置及びその他の装置を、プラテン14、28の高さを調節するのに使用することができる。図7は、上部プラテン204と下部プラテン208との間のギャップを調節するのに空気シリンダ200を使用した実施形態を示す。それぞれ上面223を有する複数のハンバーガーパティ221が下部プラテン208上に位置付けられて示されている。この実施形態では、上部プラテン組立部210は、グリル10の支持構造12に固定された支持体又は取付け面212を含む。空気シリンダ200は、支持体212で上部プラテン204に取付けられる。空気シリンダ200は調節可能に、2箇所、3箇所又はそれ以上の位置で上部プラテン204を支持体212に取付けてもよい。空気シリンダ200は、ボルト220などにより支持体212の下面218に固定された基端部214を有する。空気シリンダ200のピストン端部222を、さらに上部プラテン組立部210に接続された別の取付け面224に固定して、ボルト220によりその場所で固定してもよい。取付け面224は、シリンダピストン230が貫通して延長する穴228を有する。ピストン230の端部232は、端部232に固定された取付けフランジ234を有する。フランジ234は、ボルト240により上部プラテン204の上面238に固定される。
[0070] 空気圧縮機242は、支持体212に取付けることにより上部プラテン組立部210内などのグリル10内に位置付けられる。圧縮空気供給ライン244は、連結管1227を介して、一端部で空気圧縮機242の出口241に接続され、他方の端部でシリンダ空気入口248に接続される。同様にして、下部プラテン208は、2本、3本又はそれ以上の空気シリンダ200で支持される。支持体250、252は、支持構造12に固定される。上述した方法で、シリンダ基部214は支持体250に取付けられ、空気シリンダ200のピストン端部222は支持体252に取付けられる。ピストン230の端部232は、下部プラテン208の底面254に取付けられる。
[0071] ピストン230は、空気圧縮機242からの圧縮空気の使用により、シリンダハウジング258に対して往復移動可能である。このため、ピストン230の移動により、ピストン230を取付けたプラトンの位置で、プラトン204、208が移動することになる。例として、シリンダ200aのピストン230が下方に延長する時、上部プラテン204は支持面212から離れて下方に移動される。つまり、シリンダ200aのピストン230が延長すると、上部プラテン204の左側260が上部プラテン204の右側262に対して下方に傾けられる。反対に、ピストン230が上方に移動した時、上部プラテン204の左側260が上方に移動されて、左側260が右側262に対して上方に傾く。上部プラテン204が移動した時、ギャップ検出装置70が連続してギャップ202の高さを測定し、この情報をマイクロプロセッサ62に通信していることに留意されたい。したがって、空気シリンダ200により上部プラテン204の傾きの制御を実行し、一方で各シリンダ200に近接するギャップ202の高さを測定する高さセンサ70からの読み込みデータを受信するマイクロプロセッサ62を使用して、位置がずれたプラテン204を下部プラテン208と平行関係になるように、受け入れられる公差内にまで戻すことができる。上部プラテンと下部プラテンとの平行からの公差は、プラテンの隅から対角部まで、平行からわずか約0.020インチ以下、又はその他の望ましい形であるのが好ましい。
[0072] マイクロプロセッサ62が特定のピストン230を移動させるのを選択する順序は、マイクロプロセッサ62に予めプログラムしてもよい。多数の異なる一連の動作を使用して、上部プラテン204を水平方向に、又は下部プラテン208と平行関係になるようにうまく再位置付けすることができる。一例として、マイクロプロセッサ62は最初に、上部プラテン204のどの位置が識別した食品製品の望ましいギャップに最も近いかを検出する。その後、マイクロプロセッサ62は、その位置に近接したシリンダ200を、識別した食品製品の調理サイクルに必要な正確なギャップ高さまで移動させるようにプログラムされる。次に、マイクロプロセッサ62は、望ましいギャップ高さから最も離れていると検出される上部プラテン204の位置に近接したピストン230を移動させ、その位置で、上部プラテン204を位置付ける空気シリンダ200を必要なギャップ量まで移動させる。これが終わると、マイクロプロセッサ62は、その時に望ましいギャップ高さから最も離れたどのシリンダも望ましいギャップ高さまで移動させることになる。この一連の動作は、上部プラテン204が下部プラテン208と平行関係にされて、望ましい予めプログラムされたギャップ高さに位置付けられるまで継続してもよい。一定の時間経過後、これが完了した場合、マイクロプロセッサ62は、上部プラテン204の位置付けを中止し、下部プラテン208に対して、上述した時点まで同様の一連の動作を行ってもよい。さらに調節が必要であると示される場合、マイクロプロセッサ62は再び、上部プラテン204を移動させる新たな一連の動作に戻ることができる。マイクロプロセッサ62がギャップ202を公差まで調節できない場合、マイクロプロセッサ62は、警報を鳴らして、サービスが必要であるエラーメッセージを出すようにプログラムしてもよい。
[0073] 本発明を幾つかの好ましい実施形態について説明してきたが、当業者には理解できるように、本発明は多数の変更、修正、再構成が可能であり、そのような変更、修正、再構成は、添付の各請求項の適用範囲内にあることは理解されたい。

Claims (15)

  1. 支持構造と、
    前記支持構造に取付けられた下部調理プラテンと、
    調理配向位置と非調理位置との間で移動するように前記支持構造に取付けられた上部調理プラテンであって、前記調理配向位置にある時に前記両調理プラテンは少なくとも互いにほぼ平行である、上部調理プラテンと、
    前記調理配向位置にある時の前記両調理プラテン間の距離を検知する手段と、
    前記両調理プラテンが前記調理配向位置にある時、前記上部調理プラテンと前記下部調理プラテンとが互いに相対的に平行であるか否かを自動的に判断する手段と、を備える両面グリル装置。
  2. 前記調理配向位置にある時に前記両調理プラテンを相対的な平行関係に配置できるように、前記両調理プラテンのうち少なくとも一方を相互に対して調節する手段をさらに備える、請求項1に記載の両面グリル装置。
  3. 前記調節する手段は、前記両調理プラテンの相対的な配向位置を相互に対して変更するための複数の手動調節可能な装置を備える、請求項2の両面グリル装置。
  4. 前記上部調理プラテンが前記下部調理プラテン上に配置された食品アイテムに接触する時点を判断する手段と、
    前記上部調理プラテンが前記下部調理プラテン上の食品アイテムに接触する時の前記上部調理プラテンと前記下部調理プラテンとの間の距離を判断する手段と、をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面グリル装置。
  5. 各異なる食品アイテムに各特徴的高さが対応した複数個の特徴的高さを記憶するコンピュータアクセス可能なメモリと、
    前記判断された距離を前記複数個の特徴的高さと比較して、前記下部調理プラテン上にある製品の種類を判断するためのコンピュータプロセッサと、をさらに備える、請求項に記載の両面グリル装置。
  6. 前記下部調理プラテン上にある食品アイテムの数を判断する手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面グリル装置。
  7. 前記調節する手段は、前記両調理プラテンの相対的な配向位置を相互に対して変更するための複数の自動調節可能な装置を備える、請求項の両面グリル装置。
  8. 上部調理プラテン及び下部調理プラテンの両面グリルを使用して食品を調理する方法であって、
    調理サイクルの開始前に、上部調理プラテンと下部調理プラテンとが調理位置にある時に互いにほぼ平行であるか否かを自動的に判断するステップと、
    前記上部調理プラテンと前記下部調理プラテンとが互いにほぼ平行である場合、食品を調理するために前記上部調理プラテン及び前記下部調理プラテンを前記食品に接触させるステップと、
    前記上部調理プラテンと前記下部調理プラテンとが互いにほぼ平行でない場合、調理位置にある時に前記上部調理プラテンと前記下部調理プラテンとが互いにほぼ平行になるように前記上部調理プラテン及び前記下部調理プラテンのうちの少なくとも一方を調節し、その後、食品を調理するために前記上部調理プラテン及び前記下部調理プラテンを食品に接触させるステップと、を含む、上部調理プラテン及び下部調理プラテンの両面グリルを使用して食品を調理する方法。
  9. 前記自動的に判断するステップは、
    前記両調理プラテン間が所定の距離に到達するまで前記両調理プラテンを相互に向かって前進させるステップと、
    複数の位置で前記両調理プラテン間の距離を判断するステップと、を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記両調理プラテン間の距離を判断するステップは、少なくとも2箇所の異なる位置で前記両調理プラテン間の距離を判断するステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記両調理プラテン間の距離を判断するステップは、少なくとも3箇所の異なる位置で前記両調理プラテン間の距離を判断するステップを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記調節するステップは手動で行われる、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記調節するステップは自動的に行われる、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記調節するステップは、各位置で前記両調理プラテン間の距離がほぼ等しくなるように、前記両調理プラテンを調節するステップを含む、請求項10又は11に記載の方法。
  15. 前記自動的に判断するステップで前記両調理プラテンがほぼ平行でないことが明らかになった場合、前記両調理プラテンは少なくともほぼ平行になるように自動的に調節される、請求項8〜11、13及び14のいずれか1項に記載の方法。
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