JP5570648B1 - 壁紙塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のゼオライトを用いた壁紙に比して、ゼオライトの使用量を減らして、十分な調湿効果、臭い物質の除去効果を得ることを課題とする。
【解決手段】平均粒子径が1〜10μmであり、陽イオン交換容量が250cmol/kg以上の低温焼成ゼオライト、アクリル樹脂、及び水を含む、噴霧用の壁紙塗料を用いて、これを裏打紙に噴霧し、乾燥することにより壁紙を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁紙塗料、及びこれを用いた壁紙、並びに該壁紙の製造方法に関する。特に、本発明は、防臭性、調湿性を有する壁紙を製造するための壁紙塗料、及び製造方法に関する。
従来、建物の内装用材料として用いられる壁紙としては、漆喰、土、木材、紙等の年々材料を用いたものや塩化ビニル樹脂を用いたものが一般的である。
近年、室内の湿度調整、臭い物質の除去などの観点から、機能を有する壁紙が注目されている。
例えば、特許文献1には、ゼオライト等の無機粒子を含む壁紙が開示されている
特開2004−67981号公報
特許文献1に記載されるような従来のゼオライト壁紙は、その調湿効果、臭い物質の除去効果を十分に得ようとすると、相当量のゼオライトを塗布する必要があり、壁紙が重くなるという問題があった。
本発明は、上述した問題を解決しようとするものであり、従来のゼオライトを用いた壁紙に比して、ゼオライトの使用量を減らして、十分な調湿効果、臭い物質の除去効果を得ることを課題とする。
本発明者らは、平均粒子径が1〜10μmであり、陽イオン交換容量が250cmol/kg以上の低温焼成ゼオライト、アクリル樹脂、及び水を含む、噴霧用の壁紙塗料を用いて、これを裏打紙に噴霧することにより壁紙を製造することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
上記課題を解決する本発明は、平均粒子径が1〜10μmであり、陽イオン交換容量が250cmol/kg以上の低温焼成ゼオライト、アクリル樹脂、及び水を含む、噴霧用の壁紙塗料である。
本発明において、低温焼成ゼオライトは、200℃以下、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜100℃の低温で焼成したゼオライトを意味する。
本発明の噴霧用の壁紙塗料は、従来に比して少ないゼオライトの使用量で、十分な調湿効果、臭い物質の除去効果を得ることを可能にするものである。
本発明の好ましい形態では、前記低温焼成ゼオライトが、以下の組成を有することを特徴とする。
二酸化ケイ素55〜70質量%、酸化アルミニウム7〜13質量%、酸化カルシウム1〜3質量%、酸化マグネシウム0.5〜1.5質量%、酸化第二鉄0.8〜1.8質量%、酸化カリウム1.0〜2.0質量%、酸化ナトリウム0.1〜0.8質量%、強熱減量10〜25質量%
このような組成の低温焼成ゼオライトは、調湿効果、臭い物質の除去効果に極めて優れるものである。
本発明の好ましい形態では、前記低温焼成ゼオライトが、天然ゼオライトを、減圧下で焼成して得られたものであることを特徴とする。特に、10−5〜10−7Torrの減圧下で、70〜100℃で焼成して得られたものであることが好ましい。
このような組成の低温焼成ゼオライトは、調湿効果、臭い物質の除去効果に極めて優れるものである。
本発明の好ましい形態では、前記壁紙塗料は、さらに平均粒子径が50〜500μmの炭酸カルシウム粒を含む。
上記炭酸カルシウム粒を含むことにより、壁紙表面に凹凸が形成されることにより、外気に接するゼオライトの表面積が大きくなり、塗料内の前記低温焼成ゼオライトの調湿効果、臭い物質の除去効果を存分に発揮することが可能となる。
また、炭酸カルシウム粒の平均粒子径が、低温焼成ゼオライトの平均粒子径の5〜10倍である場合に、上記効果が十分に得られる。
本発明の好ましい形態では、低温焼成ゼオライトとアクリル樹脂の配合質量比は、低温焼成ゼオライト1に対し、アクリル樹脂0.3〜2.0である。
このような配合比とすることにより、噴霧における取扱い性及び噴霧の均一性が増し、少ないゼオライトの使用量で、十分な調湿効果、臭い物質の除去効果を得ることができる。
また、本発明は、上述した本発明の噴霧用壁紙塗料を、裏打紙に噴霧した後、乾燥することを含む壁紙の製造方法であって、前記低温焼成ゼオライトを15〜50g/m2付着させることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、従来に比して少ないゼオライトの使用量で、十分な調湿効果、臭い物質の除去効果を有する壁紙を製造することができる。
本発明によれば、従来に比して少ないゼオライトの使用量で、十分な調湿効果、臭い物質の除去効果を有する壁紙を提供することができる。
本発明の壁紙の製造方法を示す概略工程図である。 本発明の壁紙塗料を塗布した壁紙の断面方向の模式図である。
<1>本発明の壁紙塗料
本発明の壁紙塗料は、平均粒子径が1〜10μmであり、陽イオン交換容量が250cmol/kg以上の低温焼成ゼオライト、アクリル樹脂、及び水を含む。
以下、本発明の壁紙塗料に含まれる各成分について説明する。
<低温焼成ゼオライト>
本発明の壁紙塗料に含まれる低温焼成ゼオライトは、天然ゼオライトを粉砕、及び焼成して得られるものである。
本発明に用いられる低温焼成ゼオライトは、平均粒子径が1〜10μmである。好ましくは3〜10μm、さらに好ましくは5〜10μmである。本発明において、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い、体積基準の粒度累積線図に基づいて、粒度累積率50%における粒子径を測定することにより算出する。
このような平均粒子径の低温焼成ゼオライトを用いることで、後述するアクリル系樹脂に均一に分散し、裏打紙に噴霧した場合に、極めて均一な低温焼成ゼオライトの分散性を発揮させることができ、少量で、調湿効果、臭い物質の吸着効果を十分に得ることができる。
また、前記低温焼成ゼオライトは、陽イオン交換容量が250cmol/kg以上、好ましくは270cmol/kg以上、特に好ましくは270〜300cmol/kgである。本発明において、陽イオン交換容量は、JIS Z0000(2005) 人工ゼオライトの陽イオン交換容量測定方法により測定される値である。
本発明の壁紙塗料において、低温焼成ゼオライトの含有量は、水等の溶媒を除く固形分全量に対して、好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜30質量%、より好ましくは20〜30質量%である。
また、前記低温焼成ゼオライトは、以下の組成を有することが好ましい。
好ましくは、二酸化ケイ素45〜70質量%、酸化アルミニウム5〜15質量%、酸化カルシウム0.5〜5質量%、酸化マグネシウム0.5〜2.0質量%、酸化第二鉄0.5〜2.0質量%、酸化カリウム1.0〜2.0質量%、酸化ナトリウム0.1〜0.8質量%、強熱減量10〜25質量%
より好ましくは、二酸化ケイ素50〜65質量%、酸化アルミニウム7〜13質量%、酸化カルシウム1〜4質量%、酸化マグネシウム0.7〜1.5質量%、酸化第二鉄0.7〜1.5質量%、酸化カリウム1.3〜2.0質量%、酸化ナトリウム0.1〜0.7質量%、強熱減量10〜25質量%
さらに好ましくは、二酸化ケイ素55〜60質量%、酸化アルミニウム8〜12質量%、酸化カルシウム2〜3質量%、酸化マグネシウム0.8〜1.4質量%、酸化第二鉄0.8〜1.4質量%、酸化カリウム1.4〜1.8質量%、酸化ナトリウム0.2〜0.6質量%、強熱減量13〜22質量%
また、本発明の低温焼成ゼオライトは、天然ゼオライトを減圧下で焼成して得られたものであることを特徴とする。特に、10−5〜10−7Torrの減圧下、好ましくは10−6Torrの減圧下で、好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは70〜100℃、より好ましくは80〜90℃で焼成して得られたものであることが好ましい。
このような方法で焼成ゼオライトを製造することにより、陽イオン交換容量が大きい焼成ゼオライトを、品質のばらつきがない状態で得ることが可能となる。
<アクリル樹脂>
本発明の壁紙塗料に含まれるアクリル樹脂は、通常のバインダーとして用いられているものを特に制限なく用いることができる。本発明においては、アクリル樹脂としては、これを主体とした共重合体などを用いても良い。
本発明の壁紙塗料において、アクリル樹脂の含有量は、水等の溶媒を除く固形分全量に対して、好ましくは10〜30質量%、さらに好ましくは12〜28質量%、より好ましくは15〜22質量%である。
また、アクリル樹脂の含有質量としては、好ましくは低温焼成ゼオライト1に対し、アクリル樹脂0.3〜2.0である。このような比率とすることにより、低温焼成ゼオライトを均一に分散させ、その効果を存分に発揮させることが可能となる。
<水>
本発明の壁紙塗料において、水の含有量は、40〜80質量%程度を目安にすればよい。
<炭酸カルシウム>
本発明の壁紙塗料は、さらに炭酸カルシウム粒を含むことが好ましい。
上記炭酸カルシウム粒を含むことにより、壁紙表面に凹凸が形成されることにより、外気に接するゼオライトの表面積が大きくなり、塗料内の前記低温焼成ゼオライトの調湿効果、臭い物質の除去効果を存分に発揮することが可能となる。
炭酸カルシウム粒の平均粒子径は、好ましくは50〜500μm、さらに好ましくは100〜300μmである。平均粒子径の定義は上述した通りである。
ここで、炭酸カルシウム粒を上記低温焼成ゼオライトの粒子径より大きくすることが好ましい。これにより、低温焼成ゼオライトの上記効果を存分に発揮させることが可能となる。
特に、炭酸カルシウム粒の平均粒子径が、低温焼成ゼオライトの平均粒子径の5〜10倍である場合に、上記効果が十分に得られる。
また、炭酸カルシウム粒の含有質量は、好ましくはゼオライト1に対して0.5〜5倍、さらに好ましくは1〜3倍である。
<その他の成分>
本発明の壁紙塗料は、さらに以下のものを含むこともできる。
低温焼成ゼオライト、炭酸カルシウム以外の他の骨材として、木粉、ガラス、等が好ましく挙げられる。また、顔料を任意に含有することもできる。
また、低温焼成ゼオライトの分散性を高めるために、鉱物油とアニオン性の界面活性剤、好ましくはポリカルボン酸型界面活性剤を組み合わせることが好ましい。また、取扱いの容易性、骨材の分散安定性を高めるために、アクリル系ポリマー等の増粘剤を加えることも好ましい。
本発明の壁紙塗料は、上記各成分を撹拌することにより製造することができる。
<壁紙の製造方法>
上述した本発明の噴霧用壁紙塗料は、裏打紙に噴霧した後、乾燥することで、壁紙の製造に用いることができる(図1)。
裏打紙としては木材パルプ紙などのパルプ紙が好ましく用いられる。これは、上記本発明の壁紙塗料が特に当該原料と良好な付着性を有するためである。本発明において、塗料の噴霧量は、単位面積当たりの低温焼成ゼオライトの付着量として、好ましくは15〜50g/m2、さらに好ましくは20〜40g/m2である。
塗布した際の厚みとしては、炭酸カルシウム粒を含まない場合には、好ましくは0.1〜0.5mm、さらに好ましくは0.1〜0.3mmである。また、炭酸カルシウム粒を含む場合には、好ましくは0.3〜0.8mm、さらに好ましくは0.3〜0.6mmである。
噴霧は、スプレーガンで行うことができる。また、乾燥は、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは90〜130℃で、好ましくは1〜10分、さらに好ましくは2.5〜3分行う。
本発明の製造方法によれば、従来に比して少ないゼオライトの使用量で、十分な調湿効果、臭い物質の除去効果を有する壁紙を製造することができる。
例えば、低温焼成ゼオライトと炭酸カルシウム粒を含む本発明の壁紙塗料を用い、上記のようにして製造された壁紙は、図2に示すような構造となる。すなわち、粒径の比較的小さいゼオライトがアクリル樹脂中に均一に分散し、裏打紙上に層を形成する。比較的粒径の大きい炭酸カルシウム粒は、上記層に凹凸を形成し、低温焼成ゼオライトの大気への接触面の増大を助ける。
以下の割合となるように、壁紙用塗料を製造した。なお、溶媒としての水の量は、塗料全体に対して40〜70質量%の範囲で調整した。なお、以下の配合において、数値表示は水を除いた成分に対する質量%で示す。なお、用いた炭酸カルシウムは、平均粒子径80μm程度であった。
以下の実施例で用いた低温焼成ゼオライトの性質は以下のとおりである。この低温焼成ゼオライト(商品名:イケライト(登録商標) 池田工業株式会社製)は、天然ゼオライトを、10−6Torrの減圧下で、80〜90℃で焼成し、粉砕して得られたものである。粉砕して得られた低温焼成ゼオライトの平均粒子径(測定方法は上述したとおり。)は、8μmであった。
Figure 0005570648
(1)実施例1(低温焼成ゼオライト20g/m2
アクリル樹脂 7.7
低温焼成ゼオライト 17.5
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 4.7
パルプ紙 70.1
(2)実施例2(低温焼成ゼオライト40g/m2
アクリル樹脂 6.6
低温焼成ゼオライト 29.8
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 4.0
パルプ紙 59.6
(3)実施例3(低温焼成ゼオライト20g/m2
アクリル樹脂 11.9
低温焼成ゼオライト 7.1
炭酸カルシウム 28.5
木粉 10.8
顔料 2.8
難燃剤1.6
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 1.6
木材パルプ紙 35.7
(4)実施例4(低温焼成ゼオライト40g/m2
アクリル樹脂 11.9
低温焼成ゼオライト 14.3
炭酸カルシウム 21.3
木粉 10.8
顔料 2.8
難燃剤1.6
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 1.6
木材パルプ紙 35.7
(5)実施例5(低温焼成ゼオライト20g/m2
アクリル樹脂 10.7
低温焼成ゼオライト 11
炭酸カルシウム 8.5
ガラス 19.5
アクリルニトリル系中空体2.9
顔料 2.9
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 0.4
木材パルプ紙 41.1
(6)実施例6(低温焼成ゼオライト40g/m2
アクリル樹脂 10.7
低温焼成ゼオライト 16.8
炭酸カルシウム 4.8
ガラス 19.5
アクリルニトリル系中空体0.8
顔料 5.9
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 0.4
木材パルプ紙 41.1
(7)実施例7(低温焼成ゼオライト20g/m2
アクリル樹脂 11.2
低温焼成ゼオライト 17.1
炭酸カルシウム 43.8
顔料 3.6
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 0.8
木材パルプ紙 23.5
(8)実施例8(低温焼成ゼオライト40g/m2
アクリル樹脂 10.3
低温焼成ゼオライト 22.1
炭酸カルシウム 40.1
顔料 3.3
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 0.7
木材パルプ紙 23.5
(9)実施例9(低温焼成ゼオライト20g/m2
アクリル樹脂 8.9
低温焼成ゼオライト 20.3
炭酸カルシウム 45.3
顔料 2.0
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 0.6
木材パルプ紙 22.9
(10)実施例10(低温焼成ゼオライト40g/m2
アクリル樹脂 8.9
低温焼成ゼオライト 26
炭酸カルシウム 39.6
顔料 2.0
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 0.6
木材パルプ紙 22.9
(11)実施例11(低温焼成ゼオライト20g/m2
アクリル樹脂 13.2
低温焼成ゼオライト 7.1
炭酸カルシウム 32.4
木粉 12.0
顔料 3.1
難燃剤 1.8
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 1.8
木材パルプ紙 28.6
(12)実施例12(低温焼成ゼオライト40g/m2
アクリル樹脂 13.2
低温焼成ゼオライト 14.3
炭酸カルシウム 25.2
木粉 12.0
顔料 3.1
難燃剤 1.8
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 1.8
木材パルプ紙 28.6
(13)実施例13(低温焼成ゼオライト20g/m2
アクリル樹脂 13.3
低温焼成ゼオライト 7.1
炭酸カルシウム 31.8
木粉 12.0
顔料 3.5
難燃剤 1.8
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 1.9
木材パルプ紙 28.6
(14)実施例14(低温焼成ゼオライト40g/m2
アクリル樹脂 13.1
低温焼成ゼオライト 14.3
炭酸カルシウム 25.1
木粉 11.9
顔料 3.3
難燃剤 1.8
助剤(鉱物油、増粘剤、ポリカルボン酸型界面活性剤) 1.9
木材パルプ紙 28.6
実施例7、8に記載された壁紙用塗料(水含有量50質量%)をスプレーガンで均一に塗布し、乾燥して、壁紙を製造した。また、比較例として、木材パルプ紙を用いて試験を行った。
以下、製造した壁紙について、各種試験を行った。
(1)水分吸着脱離特性試験
分析装置:水分吸脱着測定装置 IGA sorp(Hiden Isochema)
前処理・測定条件:上記実施例及び比較例の壁紙片をSUSメッシュホルダーにいれ、装置内にて30℃、Dryで8時間乾燥したものを測定試料とした。
温湿度環境制御化の質量を連続測定した。
温度:30℃一定
相対湿度:Dry(8)→90(24)%RH
括弧内は保持時間(h)
ベース雰囲気:N
表1中質量変化の基準は乾燥処理後の質量とした。各条件にて保持時間経過後の質量を表2にまとめた。試料間で比較すると実施例と比較例では、吸湿量は大きく異なっていた。
Figure 0005570648
(2)二酸化炭素吸着試験
前処理方法:120℃で8時間、真空脱気を行った。
測定方法:定容法を用いて、二酸化炭素による吸着脱離等温線を測定(N=1)した。
吸着温度:298.15K
吸着質:CO
飽和蒸気圧:6444.8kPa
平衡待ち時間:500sec(吸着平衡状態に達してからの待ち時間)
測定装置:BELSORP−18(日本ベル株式会社製)
前処理装置:BELSORP−18(日本ベル株式会社製)
圧力値(P)が10kPa、50kPa、100kPaの時のCO吸着量を表3に示した。試料間で比較すると実施例と比較例では、CO吸着量は大きく異なっていた。
Figure 0005570648
(3)アンモニアの減衰効果測定試験
[1]原ガス調製方法
5L容のサンプリングバッグ内に28%アンモニア水(特級:和光)を約167μL添加し、40℃にて中の試薬が蒸発するまで加温し、ガスを発生させたものを原ガスとした。
[2]消臭能力試験
20L容のサンプリングバッグの一部を切り取り、内部に試料1枚(10cm×10cm=100cm)を入れて密封した。活性炭で処理した空気を約20L封入し、上記[1]にて調製した原ガスを660mL加えた。なお、空試験として20L容のサンプリングバッグに上記と同様に原ガスを添加したものを準備した。検知管を用いた各臭気成分の濃度測定は、それぞれのサンプリングバッグについて、原ガスを入れた直後(0時間)、0.5時間、2時間、6時間、24時間の5点で行った。
各経過時間における濃度の測定結果及び臭気減少率を表4に示す。臭気減少率は、以下の式により算出した。
臭気減少率(%)=(Sbn−Smn)/Sbn×100
Sbn:各経過時間の空試験の測定値
Smn:各経過時間の試料の測定値
n:各経過時間(0時間、0.5時間、2時間、6時間、24時間)
比較例は、経過時間0.5時間から6時間まで90ppmを示し、24時間後では75ppmであった。実施例7と実施例8は経過時間6時間まで減少傾向に多少の差が確認できたが、24時間後はいずれも60ppmであった。
経過時間24時間後の臭気減少率は比較例で25%、実施例で40%となり、比較例よりも実施例の方が消臭効果が大きいことが確認できた。
Figure 0005570648
本発明は機能性壁紙に利用できる。
1 炭酸カルシウム粒
2 アクリル樹脂、低温焼成ゼオライト
3 裏打紙

Claims (5)

  1. 平均粒子径が1〜10μmであり、陽イオン交換容量が250cmol/kg以上の低温焼成ゼオライト、アクリル樹脂、及び水を含む、噴霧用の壁紙塗料であって、
    前記低温焼成ゼオライトが、天然ゼオライトを、10 −5 〜10 −7 Torrの減圧下で、70〜100℃で焼成して得られたものであって、
    かつ以下の組成を有することを特徴とする、噴霧用の壁紙塗料;
    二酸化ケイ素55〜70質量%、酸化アルミニウム7〜13質量%、酸化カルシウム1〜3質量%、酸化マグネシウム0.5〜1.5質量%、酸化第二鉄0.8〜1.8質量%、酸化カリウム1.0〜2.0質量%、酸化ナトリウム0.1〜0.8質量%、強熱減量10〜25質量%。
  2. さらに平均粒子径が50〜500μmの炭酸カルシウム粒を含む、請求項1に記載の噴霧用の壁紙塗料。
  3. 炭酸カルシウム粒の平均粒子径が、低温焼成ゼオライトの平均粒子径の5〜10倍である、請求項に記載の噴霧用の壁紙塗料。
  4. 低温焼成ゼオライトとアクリル樹脂の配合質量比が、低温焼成ゼオライト1に対し、アクリル樹脂0.3〜2.0であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の噴霧用の壁紙塗料。
  5. 請求項1〜の何れかに記載の噴霧用壁紙塗料を、裏打紙に噴霧した後、乾燥することを含む壁紙の製造方法であって、前記低温焼成ゼオライトを15〜50g/m2付着させることを特徴とする、壁紙の製造方法。
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