JP5570104B2 - 建物の仕切り構造 - Google Patents

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Description

本発明は、壁や屋根等、建物において屋内外を仕切る建物の仕切り構造に関する。
近年、住宅等の建物においては、居室の快適性や冷暖房エネルギの効率を向上させるために高断熱性が求められるようになってきている。そこで、建物において屋内外を仕切る壁や屋根等の構造体に関して、高断熱性を実現するための様々な断熱構造が検討されている。具体的には、グラスウールや樹脂発砲体等の断熱材を用いて断熱性を改善したものや、熱反射性能に優れた(赤外線放射率の小さい)アルミニウム等により形成された熱反射層と熱伝導率の低い空気層とを有して構成されるもの(例えば、特許文献1)等が、高断熱構造として提案されている。この特許文献1の技術によれば、空気層により熱伝導を低減させることができ、熱反射層により熱輻射を低減させることができるため優れた断熱効果を得ることが期待できる。
特開平8−284276号公報
ところで、建物における壁や天井等の構造体(主に外装材)には、日中の間日射熱が吸収され蓄積される。特に日射量の多い夏場はかかる構造体に蓄積される日射熱の熱量が多い。上記特許文献1の技術は、前述したように高断熱性を実現することができるものの、その反面、空気層に吸収・蓄積された日射熱が外部に放出されにくい性質を有する。すなわち特許文献1の技術では、空気層に蓄積された日射熱が時間遅れを伴ってゆっくり屋内側へ放出されるため構造体から屋内への放熱が深夜まで継続し、夜間における屋内への熱こもりが助長されるおそれがある。そのため、夏場には居住者は夜間においてより一層不快に感じることが想定される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、夜間における屋内への熱こもりを緩和することのできる建物の仕切り構造を提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明は、建物の屋内外を仕切る建物の仕切り構造であって、屋外側に配置された外装部と、前記外装部よりも屋内側に配置された内装部と、前記外装部と前記内装部との間に形成された通気層と、前記外装部と前記内装部との間に配置された熱反射層と、前記通気層を屋外と連通させる通気口と、前記通気口を通じた前記通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止を選択的に実行する排出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、屋外側に配置された外装部と、外装部よりも屋内側に配置された内装部との間には熱伝導率が低い通気層(空気層)が形成されているため、外装部から屋内側への通気層を介しての熱の伝達を抑制することができる。また、外装部と内装部との間には熱反射層が配置されているため熱反射層により外装部裏面(屋内側面)から屋内側へ輻射される熱を反射することができ、その結果外装部から屋内側への輻射による熱の伝達を抑制することができる。これらにより、外装部から屋内側への熱流を低減させることができるため優れた断熱効果を得ることができる。
また、通気層を屋外と連通させる通気口を通じて通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止が選択的に実行されるようにした。したがって、通気層内の空気を、通気口を介して屋外に排出することにより通気層内にこもる熱を屋外へ排出することができる。すなわち、外装部(裏面)から通気層に放出される熱を通気層に滞留させることなく屋外へ排出することができる。その結果、外装部から屋内へ伝達される熱の量を低減することができるため、夜間における屋内への熱こもりを緩和することができる。そして、通気層内の空気の屋外への排出を停止することにより通気層内に空気を滞留させ通気層を低熱伝導層として機能させれば、前述したように優れた断熱効果を得ることができる。以上より、夜間における屋内への熱こもりを緩和するとともに、優れた断熱効果を実現することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記排出手段は、前記通気口に設けられ当該通気口を開閉する開閉手段を備えていることを特徴とする。本発明によれば、開閉手段により通気口を閉鎖することにより屋外と通気層との連通を遮断すれば、通気層内の空気が屋外へ漏れるのをより確実に防止することができる。これにより、冬場においては日射熱により暖められた空気を通気層内に長期に渡り滞留させることができるためより一層優れた断熱効果を得ることが期待できる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記排出手段は、前記通気口に設けられ前記通気層内の空気を屋外に排出するファン装置を備えていることを特徴とする。本発明によれば、通気口に設けられたファン装置を駆動することにより通気層内の空気を積極的に屋外に排出することができるため、より一層効果的に通気層内の熱を屋外に排出することができる。また、通気層内に強制対流を生じさせることができるため外装部から通気層への放熱を促進させることができ、ひいては通気層を介しての屋外への放熱を促進させることができる。したがって、夜間における屋内への熱こもりをより一層緩和することができる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、季節を判断する季節判断手段と、その判断された季節に基づいて前記通気口を通じた前記通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止のいずれかを選択し実行するように前記排出手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、季節判断手段により判断された季節に基づいて通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止のいずれかを実行することができる。したがって、例えば夏期において通気層内の空気を屋外へ排出し冬期において通気層内の空気の排出を停止するようにすれば、夏期においては夜間における屋内への熱こもりを緩和することができるとともに冬期においては優れた断熱効果を実現することができる。そのため季節に応じて適切な処理(すなわち通気層内の空気の排出処理又はその排出の停止処理)を行うことができる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、外気温を検出する外気温検出手段と、前記通気層内の温度を検出する層内温検出手段と、前記通気層内の温度が前記外気温よりも高い場合に前記通気層内の空気を屋外へ排出するように前記排出手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、層内温検出手段により検出された通気層内の温度が外気温検出手段により検出された外気温よりも高い場合に通気層内の空気を屋外へ排出することができるため、通気層に熱気が滞留した場合にその熱気を屋外に排出することができる。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記通気層内の温度を検出する層内温検出手段と、前記通気層内の温度が所定の値まで低下した場合に前記通気層内の空気の屋外への排出を停止するように前記排出手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、層内温検出手段により検出された通気層内の温度が所定の値まで低下した場合に通気層内の空気の屋外への排出を停止することができる。したがって、所定の値を例えば1日における通気層内の温度の最低値付近に設定すれば、冷えた空気を通気層内に滞留させることが可能となる。これにより、通気層内の温度上昇を抑制することができ、ひいては仕切り構造全体に蓄熱される熱量の増加を抑制することができる。その結果、仕切り構造から屋内側へ放出される熱量を低減させることができるため夜間における屋内への熱こもりをより一層緩和することができる。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、現在の時刻情報を取得する取得手段と、その取得された時刻情報に基づいて前記通気口を通じた前記通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止を実行するように前記排出手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、取得手段により取得された現在の時刻情報に基づいて通気口を通じた通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止が実行される。したがって、例えば通気層内の空気の屋外への排出の停止を開始する時刻を1日のうちで通気層内の温度が最も低下する時刻(通常は朝方の時間帯)に設定すれば、冷えた空気を通気層内に滞留させることが可能となる。これにより、第6の発明と同様、夜間における屋内への熱こもりをより一層緩和する効果を得ることができる。また、通気層内の空気の屋外への排出を開始する時刻を通気層内の温度が外気温よりも高くなる時刻に設定すれば、第5の発明と同様の効果を得ることができる。
〔第1の実施形態〕
以下に、第1の実施形態について図1〜図6を参照しつつ説明する。図1に示すように、住宅等の建物10は、基礎11上に設置された建物本体12と、建物本体12の上方に形成された屋根13とを備えている。建物本体12は、周囲が外壁構造体20により構成されており、外壁構造体20により囲まれた空間は居室等の屋内空間15となっている。
外壁構造体20の内部には、上下方向に延びる壁内空間21が形成されている。外壁構造体20の下端側には壁内空間21と屋外とを連通する通気口22が形成されており、外壁構造体20の上端部には壁内空間21と屋外とを連通する換気通路28が設けられている。換気通路28は、例えば四角筒状に形成された金属製の通路であり、外壁構造体20(詳細には図2に示す外壁板31)の上端部に形成された貫通孔(図示略)を介して外壁構造体20に設けられている。これにより、通気口22及び換気通路28を介して壁内空間21と屋外との間で通気(空気の出入り)が可能となっている。
換気通路28の屋外側端部(すなわち換気通路28の開口部)には、開閉体25が設けられている。開閉体25は、換気通路28の開口幅とほぼ同一寸法の長さを有する板状部材からなる開閉板26が複数上下方向に隣接した状態で、かつ換気通路28の開口高さ全域に渡って並べられることにより構成されている。各開閉板26は回動可能に軸支されており、開閉板26が回動することにより各開閉板26間が開閉されるようになっている。したがって、各開閉板26間が開放され開閉体25が開状態とされると壁内空間21と屋外とが連通され、各開閉板26間が閉鎖され開閉体25が閉状態とされると壁内空間21と屋外との連通が遮断される。
換気通路28には、各開閉板26を回動させる駆動装置27が設けられている。駆動装置27は、例えば電動モータ等の電動式の駆動機構であり、各開閉板26を正逆いずれの方向にも回動させることが可能となっている。駆動装置27が正逆いずれかの方向に回転すると各開閉板26は開方向に回動され開閉体25は開状態(図1(a)参照)となる一方、駆動装置27がそれとは異なる方向に回転すると各開閉板26は閉方向に回動され開閉体25は閉状態(図1(b)参照)となる。
換気通路28には換気手段としての排気ファン24が配設されている。開閉体25が開状態にある場合に排気ファン24を駆動させると壁内空間21に上向きの空気の流れ(上昇気流)が生じ、その結果通気口22より外気が壁内空間21に取り込まれるとともに、換気通路28より壁内空間21の空気が屋外に排出される。これにより、通気口22及び換気通路28を介して壁内空間21と屋外との間で積極的に通気(すなわち壁内空間21の換気)が行われるようになっている。なお、換気通路28(排気ファン24を含む)は、各外壁構造体20に対して1つだけ設けてもよいし、複数設けてもよい。
次に、外壁構造体20及び基礎11周辺の構成について説明すると、図2に示すように、基礎11の上方には、床梁17が設けられている。床梁17上には床根太18が設けられているとともに、床根太18の上面には屋内空間15の床面を形成する床材19が敷設されている。
外壁構造体20は、屋外側に配置される外壁パネル30と、それよりも屋内側に配置される断熱材36や内壁板37等の内装材とを備えて構成されている。外壁パネル30は、屋外面を形成する外壁板31と、その裏面側(屋内側)に固定されたフレーム32とを備えて構成されている。外壁板31は、例えば耐候性に優れたコンクリートやセラミック等の素材で形成されている。
外壁板31の裏面には、熱反射層としてのアルミニウム塗料層33が形成されている。アルミニウム塗料層33は、熱反射性能に優れたアルミニウムの粉を含有した塗料を外壁板31の裏面に塗布することにより形成されており、その厚さは例えば約1mmに設定されている。
フレーム32は、例えばスチール等の高剛性金属からなり、略コ字状断面を有する長尺状のフレーム材34,35を矩形枠状に連結することにより形成されている。具体的には、フレーム32は、外壁板31の幅方向両端部において上下方向に延びる縦フレーム材34と、外壁板31の上下方向両端部及びそれらの中間位置において左右方向(外壁板31の幅方向)に延びるとともに各縦フレーム材34に連結される横フレーム材35とを含んで構成されている。そして、横フレーム材35のうち外壁板31の下端部に配置された横フレーム材35(以下、下端フレーム材35aという)は、コ字状開口部を下側に向けて床梁17に対しボルト等により固定されている。これにより、外壁パネル30は床梁17に対して固定されている。
図3に示すように、縦フレーム材34等の屋内側のフランジ面にはスペーサ39が取り付けられている。スペーサ39は、例えば木製のブロック材により構成されている。スペーサ39の屋内側鉛直面には、石膏ボード等からなる内壁板37がタッピングネジ(図示略)等により取り付けられている。
内壁板37とフレーム32(詳細には横フレーム材35)との間には、グラスウール等のガラス繊維からなる断熱材36が介在されている。断熱材36は、両部材37,32の間に挟まれることにより固定されている。
外壁板31と断熱材36との間には、図1における壁内空間21が形成されている。壁内空間21には当該空間21を上下に仕切るように横フレーム材35が配設されているが、横フレーム材35には、図3に示すように上下方向に貫通する通気孔41が複数形成されている。したがって、壁内空間21には横フレーム材35が配設されているにもかかわらず、壁内空間21は通気孔41を介して上下方向に連通されている。なお、壁内空間21を上下方向に連通させる構成としては、横フレーム材35と縦フレーム材34との間に隙間を形成するようにして両部材34,35を連結し、その隙間を介して壁内空間21を上下方向に連通させる等、他の構成を採用してもよい。
下端フレーム材35aの屋外側の鉛直板部は、外壁板31の下端部よりも下方に一部がはみ出しており、そのはみ出し部分の屋外側鉛直面に水切材42が取り付けられている。水切材42は、外壁板31の下端部から垂れ下がった状態で、かつ基礎11から離間した状態で取り付けられている。これにより、基礎11と水切材42との間は、図1における通気口22となっており、その通気口22を介して壁内空間21と屋外とが連通されている。
次に、壁内空間21の換気制御を行う制御システムの電気的構成について、図4に基づいて説明する。
建物10には、壁内空間21の換気制御を行うコントローラ50が設けられている。コントローラ50は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されている。コントローラ50は、メモリ50aと、リアルタイムの日時をカウントするタイマ50bとを備えている。メモリ50aは、コントローラ50によって実行される制御処理のプログラムや制御の基準となる情報等をあらかじめ記憶している。また、メモリ50aには、タイマ50bから一定周期毎に入力される日時情報が記憶されるようになっている。これにより、メモリ50aでは日時情報が一定周期毎に書き換えられ更新される。そして、日時情報が更新される都度、コントローラ50はメモリ50aから最新の日時情報、すなわち現在の日時を取得する。
コントローラ50の出力側には、排気ファン24及び駆動装置27が接続されている。コントローラ50は、メモリ50aから取得した日時情報に基づいて排気ファン24及び駆動装置27に対し駆動信号を出力し、壁内空間21の換気制御を実行する。
次に、コントローラ50によって実行される壁内空間21の換気制御処理について図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS11では、タイマ50bから現在の日時情報がメモリ50aに入力され記憶される。すなわち、メモリ50aの有する日時情報が最新のものに書き換えられ更新される。
続くステップS12では、ステップS11において更新された日時情報をメモリ50aから取得し、その取得した日時情報に基づいて今現在が夏期(例えば5月〜10月)であるか否かを判定する。現在が夏期である場合にはステップS13に進む。ステップS13では、駆動装置27に対して開放信号を出力し開閉体25を開動作させるとともに、排気ファン24に対して駆動信号を出力し排気ファン24を駆動させる。このとき、既に排気ファン24が駆動している場合にはそのまま駆動状態を継続し、開閉体25が開状態にある場合にはそのまま開状態を維持する。これにより、通気口22より外気が壁内空間21に取り込まれるとともに換気通路28より壁内空間21の空気が屋外に排出される。そして、本処理の後、ステップS11に戻る。
それに対して、今現在が夏期でない場合(ステップS12にてNO判定の場合)にはステップS14に進む。ステップS14では、排気ファン24に対する駆動信号の出力を停止して排気ファン24の駆動を停止させるとともに、駆動装置27に対して閉鎖信号を出力し開閉体25を閉動作させる。このとき、既に排気ファン24が停止している場合にはそのまま停止状態を維持し、開閉体25が閉状態にある場合にはそのまま閉状態を維持する。これにより、壁内空間21と屋外との連通が開閉体25により遮断され、壁内空間21の換気が停止される。そして、本処理の後、ステップS11に戻る。
次に、夏期における屋内空間15の温度(以下、室温という)の経時変化について従来例等と比較しつつ、図6に基づいて説明する。図6は、夏期における室温の経時変化を示す図である。なお、図6では横軸が時間(h)を示しているが、開始時となる0(h)が午前0時に対応している(したがって24(h)は午前0時に対応)。
図6において二点鎖線で示すように、グラスウール等を有しているだけの従来の外壁構造体(以下、従来構造という)は、断熱性能が低いため夏期における室温のピーク値(1日のうちの最高値)が約45℃まで上昇する。この場合、室温のピーク値が外気温(図6の一点鎖線参照)のピーク値(約40℃)よりも高くなり、居住者は温熱的に著しく不快を感じることが想定される。また、冷房により室温を快適な温度まで下げるにしても多大な冷房エネルギを消費する必要があり、エネルギ効率の観点から好ましくない。
それに対して、破線で示すように空気層と熱反射層とを備え断熱性を高めた外壁構造体(以下、高断熱構造という)の場合(例えば、上述した特許文献1の断熱構造体や本実施形態における外壁構造体20(但し壁内空間21の換気は常時停止状態)等)、室温のピーク値が約40℃となり、従来構造よりも約5℃低い値となる。これは、熱伝導率の低い空気層により屋内側への熱伝導を低減させることができ、熱反射率の高い熱反射層により屋内側への熱輻射を低減させることができるからである。これにより、居住者の熱的不快感を和らげたり、冷房エネルギの消費を抑制したりする効果が期待できる。
しかしながら、高断熱構造の場合、室温がピークに到達する時刻が従来構造と比べ約30分(図6のt1参照)遅れる。そして、このピークの遅れが深夜(詳細には24時半頃)になって室温が従来構造の場合よりも高くなる結果となって現れる。すなわち、高断熱構造の場合、夜間において室温の低下が妨げられており、屋内空間15への熱こもりが従来構造よりも助長される傾向にある。これは、高断熱構造が優れた断熱性能を有する反面、構造体(主に外装材)に蓄積された日射熱が空気層にゆっくりと蓄えられ、時間遅れを伴いながら屋内側へ放出されその放出が深夜まで継続するからである。
その点、本実施形態では、図6において実線(太線)で示すように室温がピークに到達する時間を高断熱構造と比べ約1時間(図6のt2参照)早めることができた(なお、従来構造と比べると約30分早めることができた。)。そして、この室温のピーク値が早められた結果、夜間において室温を高断熱構造の場合よりも低下させることができた。詳細には、本実施形態では、夜間から早朝にかけての時間帯(例えば図6における22〜28(h))において高断熱構造の場合と同時刻で比較すると室温を約2〜3℃低下させることができた。
これは、本実施形態では、空気層としての壁内空間21を夏期において常時換気するようにしたため、外壁板31の裏面(屋内空間15側の面)から壁内空間21に放出される日射熱を壁内空間21に滞留させることなく屋外に排出することができるからである。また、本実施形態の場合、壁内空間21の通気により外壁板31の裏面からの放熱を促進させることができるため、外壁板31に蓄えられた熱の熱量低減を早めることができるのもその要因のひとつと考えられる。よって、本実施形態では、閉塞された空気層を有する高断熱構造の場合と比べ夜間における屋内空間15への熱こもりを緩和することができる。また、図6において室温のピーク値を見ると本実施形態における室温のピーク値は高断熱構造の場合と同様約40℃であり、外壁構造体20が高断熱構造と同様の断熱性能を有していることが想定される。以上より、本実施形態では、優れた断熱効果を実現することができるとともに、夜間における屋内空間15への熱こもりを緩和することができる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
外壁板31と内壁板37との間には、熱伝導率の低い通気層としての壁内空間21が形成されているため外壁板31から屋内空間15側への壁内空間21を介しての熱の伝達を抑制することができる。また、外壁板31の裏面には熱反射層としてのアルミニウム塗料層33が形成されているためこのアルミニウム塗料層33により外壁板31裏面から屋内空間15側へ輻射される熱を反射することができ、その結果外壁板31から屋内空間15側への輻射による熱の伝達を抑制することができる。これらにより、外壁板31から屋内空間15側への熱流を低減させることができるため、優れた断熱効果を得ることができる。
また、通気口22及び換気通路28を介して壁内空間21の換気を行ったりその換気を停止したりできるようにした。したがって、壁内空間21を換気することにより外壁板31から壁内空間21に放出される日射熱を壁内空間21に滞留させることなく屋外へ排出することができる。その結果、外壁板31から屋内空間15へ伝達される熱の量を低減させることができるため夜間における屋内空間15への熱こもりを緩和することができる。そして、壁内空間21の換気を停止すれば壁内空間21に空気を滞留させることができるため外壁構造体20を断熱性に優れた構造体とすることができる。以上より、夜間における屋内空間15への熱こもりを緩和するとともに、優れた断熱効果を実現することができる。
現在が夏期である場合には壁内空間21の換気を実行し、現在が夏期でない場合には壁内空間21の換気を停止するように制御した。これにより、夏期においては壁内空間21の空気を積極的に屋外に排出することで壁内空間21の熱を屋外に排出することができ、その結果夜間における壁内空間21への熱こもりを緩和することができる。一方、夏期でない場合には壁内空間21に空気を滞留させることができるため、例えば冬期においては日射熱により暖められた空気を壁内空間21に滞留させることで優れた断熱効果を実現することができる。したがって、季節に応じて適切な処理(壁内空間21の換気又は換気の停止)を行うことができる。
換気通路28には排気ファン24を設けた。これにより、壁内空間21を積極的に換気することができるため効果的に壁内空間21に滞留した熱を屋外に排出することができる。また、排気ファン24を駆動させることにより壁内空間21に強制対流を生じさせることができるため外壁板31から壁内空間21への放熱を促進させることができ、ひいては壁内空間21を介しての屋外への放熱を促進させることができる。したがって、夜間における屋内空間15への熱こもりをより一層緩和することができる。
換気通路28の開口部には、開閉体25を設けた。これにより、開閉体25を閉状態とすることにより壁内空間21と屋外との連通を遮断することができるため、換気通路28を介して壁内空間21の空気が屋外へ漏れるのを防止することができる。したがって、冬場においては日射熱により暖められた空気を壁内空間21に長期に渡り滞留させることが可能となるため、より一層優れた断熱効果を得ることが期待できる。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、夏期において壁内空間21を常時換気するように制御したが、本実施形態では、夏期において時間帯に応じて壁内空間21を換気するように制御する。以下に、本実施形態の構成を図7に基づいて第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、図7では第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態におけるコントローラ52は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されており、メモリ52aと、リアルタイムの日時をカウントするタイマ52bとを備えている。メモリ52aは、コントローラ52によって実行される制御処理のプログラムや制御の基準となる情報等をあらかじめ記憶している。また、メモリ52aには、タイマ52bから一定周期毎に入力される日時情報が記憶されるようになっている。これにより、メモリ52aでは日時情報が一定周期毎に書き換えられ更新される。そして、日時情報が更新される都度、コントローラ52はメモリ52aから最新の日時情報(すなわち現在の日時)を取得する。
コントローラ52の入力側には、壁内空間21の換気開始時刻及び換気停止時刻を入力するための入力装置53が接続されている。入力装置53は、例えばコントローラ52に一体に設けられている。入力装置53に対して換気開始時刻及び換気停止時刻の入力操作が行われると、その時刻情報がコントローラ52に入力されメモリ52aに記憶される。これにより、壁内空間21の換気開始時刻及び換気停止時刻の設定が行われる。
一方、コントローラ52の出力側には、排気ファン24及び駆動装置27が接続されている。コントローラ52は、メモリ52aから取得した日時情報に基づいて排気ファン24及び駆動装置27に対し駆動信号を出力し、壁内空間21の換気制御を実行する。
次に、コントローラ52によって実行される壁内空間21の換気制御処理について図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS21では、タイマ52bから現在の日時情報がメモリ52aに入力され記憶される。これにより、メモリ52aの有する日時情報が最新のものに書き換えられ更新される。続くステップS22では、ステップS21において更新された日時情報をメモリ52aから取得し、その取得した日時情報に基づいて今現在が夏期(例えば5月〜10月)であるか否かを判定する。現在が夏期である場合には後続のステップS23に進む。一方、現在が夏期でない場合にはステップS25に進み、壁内空間21の換気処理を停止する。本ステップにおける処理は、第1の実施形態におけるステップS14と同一の処理であるためここでは説明を省略する。そして、本処理の後、ステップS21に戻る。
ステップS23では、ステップS22において取得した日時情報に基づいて現在の時刻が換気時間であるか否かを判定する。ここで、換気時間とは、換気開始時刻から換気停止時刻までの間の時間をいう。本実施形態では、例えば換気時間が11:00(開始時刻)〜6:00(停止時刻)に設定されている。現在の時刻が換気時間である場合にはステップS24に進み、壁内空間21の換気処理を実行する。本ステップにおける処理は、第1の実施形態におけるステップS13と同一の処理であるためここでは説明を省略する。一方、現在の時刻が換気時間でない場合にはステップS25に進み、壁内空間21の換気処理を停止する。そして、ステップS24,S25における処理の後、ステップS21に戻る。
以上のとおり、本実施形態では、夏期において壁内空間21の換気制御を時間帯に応じて行うようにした。前述した図6における外気温の経時変化を参照すると、夏場において1日のうちで最も涼しい時間帯は朝方である。そうすると、壁内空間21の換気を常時行っている場合には、壁内空間21の温度が最も低下するのも朝方であることが想定される。したがって、換気停止時刻を朝方の時間帯に設定すれば、朝方の冷え込んだ空気を壁内空間21に取り込んだ状態で壁内空間21の換気を停止することができるため、壁内空間21に冷たい空気(詳細には他の時間帯の空気よりも冷たい空気)を滞留させることができる。また、図6を参照すると早朝の6時を過ぎた直後から外気温が急激に上昇しているが、朝方の時間帯(例えば午前5時)に壁内空間21の換気を停止しておけば屋外の熱気を壁内空間21に取り込むのを防止できるため壁内空間21の急激な温度上昇を回避することができる。以上より、壁内空間21の温度上昇を抑制することができ、ひいては外壁構造体20に蓄熱される熱量の増加を抑制することができる。その結果、外壁構造体20(主に外壁板31)から屋内空間15側へ放出される熱の量を低減させることができ、ひいては夜間における屋内空間15への熱こもりをより一層緩和することが期待できる。
また、朝方の冷えこんだ空気を壁内空間21に取り込み滞留させた直後は、その後上昇する外気温よりも壁内空間21の温度が低くなっていることが想定される。しかしながら、その後日射を受けて蓄熱される外壁板31からは時間の経過とともに壁内空間21へ日射熱が放出され、やがて壁内空間21の温度が外気温よりも高くなる。そうなると、その後は壁内空間21を換気した方が外壁構造体20の蓄熱量低減の面から、すなわち熱こもりの緩和の面からは効果が上がる。したがって、壁内空間21の換気開始時刻は、壁内空間21の温度が外気温よりも高くなる前の時刻に設定するのが好ましく、例えば換気停止時刻から長時間経過する前の午前中の時刻(例.午前10時)に設定するのがよい。
〔第3の実施形態〕
本実施形態では、夏期において壁内空間21の温度と外気温とに基づいて壁内空間21の換気制御を行うようにする。以下に、本実施形態の構成を図9に基づいて第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、図9では第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態におけるコントローラ55は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されており、メモリ55aと、リアルタイムの日時をカウントするタイマ55bとを備えている。メモリ55aは、コントローラ55によって実行される制御処理のプログラムや制御の基準となる情報等をあらかじめ記憶している。また、メモリ55aには、タイマ55bから一定周期毎に入力される日時情報が記憶されるようになっている。これにより、メモリ55aでは日時情報が一定周期毎に書き換えられ更新される。そして、日時情報が更新される都度、コントローラ55はメモリ55aから最新の日時情報(すなわち現在の日時)を取得する。
コントローラ55の入力側には、外気温センサ56が接続されている。外気温センサ56は、外気温を検出するセンサである。外気温センサ56は、比較的日射の強い建物10の南面に設けられており、例えば外壁構造体20の屋外面に設けられている。コントローラ55の入力側には、壁内温センサ57が接続されている。壁内温センサ57は、壁内空間21の温度を検出するセンサである。壁内温センサ57は、比較的日射を強く受けやすい南面に配置された外壁構造体20の壁内空間21に設けられており、例えばその壁内空間21において高温になることが想定される上端位置に設けられている。そして、コントローラ55には、これらのセンサ56,57から検知信号が逐次入力されるようになっている。
一方、コントローラ55の出力側には、排気ファン24及び駆動装置27が接続されている。コントローラ55は、上記センサ56,57からの検出信号やメモリ55aから取得した日時情報に基づいて排気ファン24及び駆動装置27に対し駆動信号を出力し、壁内空間21の換気制御を実行する。
次に、コントローラ55によって実行される壁内空間21の換気制御処理について図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS31では、タイマ55bから現在の日時情報がメモリ55aに入力され記憶される。これにより、メモリ55aの有する日時情報が最新のものに書き換えられ更新される。続くステップS32では、ステップS31において更新された日時情報をメモリ55aから取得し、その取得した日時情報に基づいて今現在が夏期(例えば5月〜10月)であるか否かを判定する。現在が夏期でない場合にはステップS37に進み、壁内空間21の換気処理を停止する。本ステップにおける処理は、第1の実施形態におけるステップS14と同一の処理であるためここでは説明を省略する。そして、本処理の後、後続のステップS38において所定時間だけ待機する遅延処理を行った後、ステップS31に戻る。一方、現在が夏期である場合にはステップS33に進む。
ステップS33では、壁内空間21が換気中(換気状態)であるか否かを判定する。これは、コントローラ55が排気ファン24及び駆動装置27に対し駆動信号を出力しているか否かに基づいて判定する。壁内空間21が換気中である場合にはステップS34に進み、今現在が朝時間帯(例えば午前3時〜6時)であるか否かを判定する。現在が朝時間帯でない場合には、ステップS31に戻る。一方、現在が朝時間帯である場合には、ステップS35に進む。
ステップS35では、壁内温センサ57からの検出信号に基づいて壁内空間21の温度(以下、壁内温という)が換気停止温度(所定の値)以下であるか否かを判定する。ここで、換気停止温度は、居住者により図示しない入力装置により設定することが可能となっており、例えば1日における壁内温の最低値付近の値に設定されている。詳細には、居住者は壁内温センサ57によりあらかじめ数日間の温度変化を測定しておき、その温度変化に基づいて壁内温の最低値を推測する等して換気停止温度を決定することとなる。壁内温が換気停止温度以下である場合にはステップS37に進み、壁内空間21の換気処理を停止する。これにより、1日のうちで最も冷えた空気を壁内空間21に滞留させることができる。一方、壁内温が換気停止温度よりも高い場合にはステップS36に進む。
ステップS36では、今現在が朝時間帯であるか否かを判定する。現在が朝時間帯でない場合にはステップS37に進み、壁内空間21の換気処理を停止する。一方、現在が朝時間帯である場合には、壁内温が換気停止温度以下となるまで又は現在が朝時間帯でなくなるまで上記ステップS35,S36を繰り返す。ステップS37において換気処理を停止した後、続くステップS38では所定時間(例えば1時間)だけ待機する遅延処理を行う。そして、本処理の後、ステップS31に戻る。
一方、前述したステップS33において、壁内空間21の換気が停止中である場合にはステップS39に進む。ステップS39では、外気温センサ56及び壁内温センサ57からの検出信号に基づいて壁内温が外気温よりも高いか否かを判定する。壁内温が外気温よりも高い場合にはステップS40に進み、壁内空間21の換気処理を実行する。なお、本処理は、第1の実施形態におけるステップS13と同一の処理であるためここでは説明を省略する。そして、本処理の後、ステップS31に戻る。それに対し、ステップS39において壁内温が外気温以下である場合には、ステップS31に戻る。
以上のとおり、本実施形態では、夏期において壁内温が換気停止温度以下になった場合に壁内空間21の換気処理を停止するように制御した。これにより、換気停止温度を1日における壁内温の最低値付近の値に設定すれば、壁内空間21の温度が下がりきったタイミングで壁内空間21の換気を停止することができるため壁内空間21に冷えた空気を滞留させることができる。また、その後日射により暖められ温度上昇する外気を壁内空間21に取り込むのを防止することができる。よって、以上より、壁内空間21の温度上昇を抑制することができ、ひいては外壁構造体20に蓄熱される熱量の増加を抑制することができる。その結果、外壁構造体20(主に外壁板31)から屋内空間15側へ放出される熱の量を低減させることができ、ひいては夜間における屋内空間15への熱こもりをより一層緩和することが期待できる。
また、壁内温が外気温よりも高くなった場合に、壁内空間21の換気処理を実行するようにした。これにより、壁内空間21に熱が滞留した場合に、壁内空間21の熱気を換気通路28より屋外に排出することができるとともに壁内温よりも低温である外気を通気口22より壁内空間21に取り込むことができる。
〔他の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)建物10の屋根構造に対して適用してもよい。例えば図11に示すように、建物60は、基礎61上に設置された建物本体62と、建物本体62の上方に形成された屋根構造体63とを備えている。建物本体62は、周囲が外壁部64によりにより囲まれた屋内空間65と、その屋内空間65の天井面を形成する天井材66及び屋根構造体63により囲まれた小屋裏空間67とを有している。屋根構造体63は、下地材としての野地板71と、その野地板71上に葺かれた仕上材としての屋根材72とを備えて構成されている。野地板71は、垂れ木に対してビス等により取り付けられている。これにより、屋根構造体63は建物本体62に対して取り付けられている。また、野地板71の裏面には、熱反射層としてのアルミニウム塗料層73が形成されている。アルミニウム塗料層73は上記実施形態と同様、熱反射性能に優れたアルミニウムの粉を含有した塗料を野地板71の裏面に塗布することにより形成されている。天井材66の裏面(小屋裏空間67側の面)には、断熱材74が設けられている。断熱材74は、例えば発砲樹脂やグラスウール等により構成されている。
屋根構造体63において外壁部64よりも屋外側に突出するように形成されている軒79の下面には、軒天板75が設けられている。軒天板75は、図示しない野縁等を介して屋根構造体63に取り付けられており、屋外と小屋裏空間67とを区画している。軒天板75には、屋外と小屋裏空間67とを連通する通気口76が形成されている。通気口76は、建物本体62を挟んだ両側の軒天板75(例えば建物60の北面と南面に設けられた軒天板75)にそれぞれ形成されている。そして、各通気口76にはそれぞれ吸気手段としての吸気ファン77と排気手段としての排気ファン78とが配設されている。
これにより、各ファン77,78が駆動すると、吸気側(吸気ファン77が配設された側)の通気口76より小屋裏空間67に外気が取り込まれるとともに排気側(排気ファン78が配設された側)の通気口76より小屋裏空間67の空気が屋外に排出される。したがって、野地板71や屋根材72から小屋裏空間67に放出される熱を屋外に排出することができるため小屋裏空間67に熱が滞留するのを防止することができ、その結果夜間における屋内空間65への熱こもりを緩和することができる。また、通気層としての小屋裏空間67により野地板71及び屋根材72から屋内空間65への熱の伝達を抑制することができ、熱反射層としてのアルミニウム塗料層73により野地板71及び屋根材72から屋内空間65への熱輻射を抑制することができるため屋根構造体63の断熱性を高めることができる。以上より、屋根構造体63は、夜間における屋内空間65への熱こもりを緩和することができるとともに優れた断熱効果を実現することができる。
(2)壁内空間21の換気を排気ファン24により行うのではなく空気の自然対流により行うようにしてもよい。但し、壁内空間21に滞留した熱気を効率良く屋外に排出することを考慮すると、排気ファン24により積極的に壁内空間21を換気するのが望ましい。
(3)熱反射層は、アルミニウム製の金属箔を外壁板31の裏面に貼り付けることにより形成してもよい。また、熱反射層として用いられる金属は、必ずしもアルミニウムに限定されるものではなく、金、銀、銅又はそれらの合金等を用いてもよい。また、熱反射層として用いられる材料は金属に限定されるものではなく、ガラスやプラスチックに金属又は金属化合物の薄膜層を設けた薄板又はフィルムを用いることもできる。
(4)熱反射層を壁内空間21において外壁板31から離間させて設けてもよい。また、熱反射層を外壁板31の裏面にのみ設けたが、さらに1又は複数の熱反射層を別個に設けてもよい。そうすれば、外壁板31から屋内空間15側への熱輻射をより一層抑止することができる。
(5)コントローラ50の入力側に居住者によって操作される操作装置を接続し、壁内空間21の換気を、操作装置を操作することにより行えるようにしてもよい。
(6)屋外と壁内空間21との連通を遮断及び許可する開閉体25は、排気側の換気通路28ではなく吸気側の通気口22に設けてもよいし、換気通路28と通気口22との双方に設けてもよい。また、壁内空間21の換気を行うファン24を排気側の換気通路28ではなく吸気側の通気口22に設けてもよい。
(7)上記第3の実施形態では、建物10の南面に外気温センサ56及び壁内温センサ57を設けたが、センサ56,57を建物10の各方面(東西南北各面)にそれぞれ設け、各方面における温度に基づいて壁内空間21の換気を制御するようにしてもよい。
本実施形態における建物の概略を示し、(a)は壁内空間の換気状態における建物全体を示す縦断面図、(b)は壁内空間の換気停止状態における建物の一部を示す縦断面図。 外壁構造体及び基礎周辺の構成を示す縦断面図。 外壁構造体の構成を示す横断面図。 制御システムを示すブロック図。 換気制御処理を示すフローチャート。 夏期における室温の経時変化を示す図。 第2の実施形態における制御システムを示すブロック図。 第2の実施形態における換気制御処理を示すフローチャート。 第3の実施形態における制御システムを示すブロック図。 第3の実施形態における換気制御処理を示すフローチャート。 別例における建物全体の構成を示す縦断面図。
符号の説明
10…建物、20…外壁構造体、21…通気層としての壁内空間、24…排出手段及びファン装置としての排気ファン、25…排出手段及び開閉手段としての開閉体、28…通気口としての換気通路、30…外装部としての外壁パネル、33…熱反射層としてのアルミニウム塗料層、37…内装部としての内壁板、50…制御手段としてのコントローラ、50b…季節検出手段としてのタイマ、52b…取得手段としてのタイマ、56…外気温検出手段としての外気温センサ、57…層内温検出手段としての壁内温センサ、63…屋根構造体。

Claims (3)

  1. 建物の屋内外を仕切る建物の仕切り構造であって、
    屋外側に配置された外装部と、
    前記外装部よりも屋内側に配置された内装部と、
    前記外装部と前記内装部との間に形成された通気層と、
    前記外装部と前記内装部との間に配置された熱反射層と、
    前記通気層を屋外と連通させる通気口と、
    前記通気口を通じた前記通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止を選択的に実行する排出手段と、
    を備え、
    前記外装部は、外壁板と、その屋内側に固定されたフレームとを備え、
    前記フレームは、前記外壁板の幅方向両端部において上下方向に延びる縦フレーム材と、前記外壁板の上下方向両端部及びそれらの中間位置において当該外壁板の幅方向に延びる横フレーム材とを有し、前記縦フレーム材と前記横フレーム材とが互いに連結されることにより構成されており、
    前記フレームと前記内装部との間には断熱材が介在されており、
    前記横フレーム材が建物構造体からなる梁材に固定されることで前記外壁板が支持されているとともに、前記フレームにより前記外壁板と前記断熱材とが隔てられることで前記外壁板と前記断熱材との間に前記通気層が形成されており、
    前記横フレーム材は、前記通気層を上下に仕切るように配設されており、
    前記横フレーム材には、当該横フレーム材を上下に貫通する通気孔が当該横フレーム材の長手方向に所定の間隔で複数形成されており、
    現在の時刻情報を取得する取得手段と、
    その取得された時刻情報に基づいて前記通気口を通じた前記通気層内の空気の屋外への排出及びその排出の停止を実行するように前記排出手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記取得された現在の時刻が一日のうちで最も気温の低下する朝方の時刻として設定された所定の停止時刻となった場合に、前記通気層内の空気の屋外への排出を停止し、前記取得された現在の時刻が前記通気層内の温度が外気温よりも高くなる前の時刻として設定された所定の開始時刻となった場合に、前記通気層内の空気の屋外への排出を開始するよう前記排出手段を制御することを特徴とする建物の仕切り構造。
  2. 前記排出手段は、前記通気口に設けられ当該通気口を開閉する開閉手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の建物の仕切り構造。
  3. 前記排出手段は、前記通気口に設けられ前記通気層内の空気を屋外に排出するファン装置を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の仕切り構造。
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