JP7408204B1 - ゼロエネルギー省エネ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】年間を通して効果的な省エネ効果を生み出すことができる省エネ構造を提供する。【解決手段】ゼロエネルギー省エネ構造1は、外側部材2と、外側部材2の内側に設けられた内側部材3と、外側部材2と内側部材3との間に形成された通気層4と、を有する二重の外装構造を有する建物におけるものであって、通気層4の上部又は下部或いは途中に、通気層4を流れる空気の通気量を調整する開閉装置5が設けられている。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 令和5年7月26日から28日に、第9回東京猛暑対策展2023にて発表
本発明は、屋根や壁が二重構造であり、外装材と内装材との間に通気層を設けた建物で、通気量を調整する開閉装置を設ける事により年間を通して室内冷暖房費を最小限にするゼロエネルギー省エネ構造に関する。
一般住宅等では、建物の外壁内や小屋裏等を通気する構造が種々施工されている(例えば、特許文献1)。建物の外装材を二重構造とし、その間にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を設け、更にその室内側を通気するシステムもある。
特開2021-147851号公報
一般住宅では、屋外から室内に侵入する熱及び室内の湿気を排出する目的で従来から外装材の間を通気する構造が施工されている。建物を移動する熱は、夏場は屋外から室内に向けて、冬場は室内から屋外に向けて季節により変化する。夏、屋外から外壁に吸収された熱は、壁内を流れる空気に伝達され対流熱となって屋外に放出される。この壁内を流れる空気は、気温の上昇につれて熱膨張、ドラフト効果も相まって流速は益々早くなる。この時、屋外からの熱の多くは排出されるが、同時に流速が早いと室内側に熱を供給する事になり省エネ効果は小さくなる。一方、冬場は、室内からの熱が通気層を通って、屋外に排出されるので、室内の熱効率は非常に悪くなる。あるハウスメーカーによれば、冬場の暖房費の15%から50%の熱が排出されると言うデーターが報告されている。住宅等では、この様な構造を基本としているが、その目的は概ね冬場室内に発生した湿気をこの通気層を通って屋外に排出する断熱材の結露対策である。
建物の外装材を二重構造とし、その間にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を設け、更にその室内側を通気するシステムもある。この工法は、遮熱材の低放射性能を利用したものである。放射量は、絶対温度の4乗に比例するので、建物にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を使用したからと言って効果が出るとは限らない。
しかし、この工法はアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の放射側に通気層を設けているので、そのような心配はない。しかしながら、単に通気をしただけでは、夏場は非常に効果的であるものの、冬場は逆にマイナス効果になる事になる。
従って、この状態だけでは年間を通して効果的な省エネ効果は生み出せない。
本発明は、上記の問題を解決する為になされたものであり、年間を通して効果的な省エネ効果を生み出すことができる省エネ構造を提供することを目的とする。
本発明に係る省エネ構造は、外側部材と、外側部材の内側に設けられた内側部材と、外側部材と内側部材との間に形成された通気層とを有する二重の外装構造を有する建物における省エネ構造であって、通気層の上部又は下部或いは途中に、通気層を流れる空気の通気量を調整する開閉装置が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る省エネ構造は、外側部材と内側部材との間に、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が設けられ、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の室内側に通気層が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る省エネ構造は、開閉装置は、貫通孔を有する基材と、基材の貫通孔の形成方向に移動可能な開閉部材と、開閉部材に接続され、形状記憶合金で構成される変位部材と、を有する自動温度開閉型であり、所定の温度に昇温していない状態では、開閉部材が貫通孔を閉状態とし、所定の温度まで昇温した状態では、変位部材が変位することで開閉部材が移動し、貫通孔を開状態とすることを特徴とする。
本発明に係る省エネ構造は、通気量を調整する開閉装置が、電気や空気で駆動する回転羽根式開閉装置であることを特徴とする。
本発明に係る省エネ構造は、通気層内に、空気の流れ方向と平行に、仕切り板が設けられたことを特徴とする。
従来の通気構造では、夏の暑さ対策には効果的であるが、冬の寒さはマイナス効果となっていた。その為、寒冷地の利用は非常に難しかった。
本発明に係る省エネ構造は、通気層を流れる空気の通気量を調整する開閉装置が設けられているため、暑さも寒さも調整されるため、全国どこでも効率的に使用する事が出来る。
また、これ迄、種々の工法で建物の省エネに取り組んできたが概ね30%位が限度で有った。本発明に係る省エネ構造では、冷暖両面の温度調節が可能となり、屋根だけでも省エネ60%を達成できる事は非常に画期的な事である。
本発明に係る省エネ構造では、開閉装置に形状記憶合金を使用するため、エネルギーゼロで省エネ効果を発揮できる。
本発明の実施形態に係るゼロエネルギー省エネ構造を二重屋根構造に形成した際の棟部の断面図である。 本発明の実施形態に係るゼロエネルギー省エネ構造を建物に形成した際の建物の断面図である。 本発明の実施形態に係るゼロエネルギー省エネ構造において、仕切り板を二重構造である建物の壁面に仕切り板を設けた際の説明図である。 本発明の実施形態に係るゼロエネルギー省エネ構造を凹凸屋根構造に形成した際の断面図である。 本発明の実施形態に係るゼロエネルギー省エネ構造の開閉装置の形状記憶合金で構成される開閉部を示す図である。 本発明の実施形態に係るゼロエネルギー省エネ構造の開閉装置の開閉を説明するための図である。(a)は閉状態を示し、(b)は開状態を示している。 本発明の実施形態に係るゼロエネルギー省エネ構造の開閉装置が設けられた例を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図7を参照して、説明する。
地球温暖化が急速に進み冷房効果を高めた建物を作る事、また電気料金の値上げもあり省エネは非常に重要性な課題である。そこで、建物の断熱性を高めるために断熱材を厚くする事も考えられるが、断熱材は蓄熱材で高温度に対して大きな効果を得る事は難しい。
太陽からの輻射熱を阻止しやすい遮熱材を、屋根や外装材の間に使用する工法が利用されている。遮熱材は、輻射熱を反射する事で知られていて、反射率の高いものでは98%をも阻止する事が出来る。しかしながら、遮熱材の放射側が狭小空間である場合は、放射率が大幅に低下する事がある。理由は、放射量は絶対温度の四乗に比例するので、少量の放射量であっても狭小空間では大きな熱量となり放射率が上昇するためである。放射率が上昇するという事は、反射率が低下する事になり、結果的に断熱性が低下する事になる。
これを解決する為、遮熱材の放射側に通気層を設け通気する事により、放射側の環境が一定となり非常に断熱性の高い屋根や壁の構造が出来る。しかしながら、夏場の性能が高いが故に冬場はマイナス効果となり、年間を通しては十分な省エネ効果を提供すことは難しい。そこで、寒い時は通気を止めて保温性能を高めたり、或いは暑い時は通気量を増やして排熱量を増やしたりする必要性がある。
更に、建物の屋根や壁全体を通気する場合、建物の向き、屋根の形状、大きさ、建物の高さ、屋根や壁の材料、通気層の大きさ、通気速度、地形等によって各部位の熱量が変わる。例えば、南向きの建物なら、南側の日射量は多いが北側は少なく、南北同様の通気をすると効果が落ちるのは当然のことである。又、太陽は時間と共に移動するので建物に供給される熱もそれにつれて変動する。従って、通気をすれば省エネになるかと言えばそうではない。
本発明のゼロエネルギー省エネ構造(省エネ構造)1は、図1及び図2に示すように、外装材(外側部材)2と、外装材2の内側に設けられた内装材(内側部材)3と、外装材2と内装材3との間に形成された通気層4と、を有する二重の外装構造を有する建物において、通気層4の上部又は下部或いは途中に、通気層4を流れる空気の通気量を調整する開閉装置5が設けられている。また、外側部材2と内側部材3との間に、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材6(以下、高反射率素材とも記す。)が設けられ、高反射率素材6の室内側に通気層4が形成されている。高反射率素材6には、例えば、遮熱材を使用する。図1において、開閉装置5は、高反射率素材6を内側に設けた棟板金7と外装材2との間に設けられている。
なお、通気層4の上部、下部、途中とは、通気層4に流れ込む空気の吸気口や通気層4から排出される空気の排気口の位置を意味している。
ゼロエネルギー省エネ構造1(システム)では、建物の屋根や壁の全ての面を夫々二重構造とし、その間に高反射率素材6を設けている。更に、高反射率素材6の室内側(放射側)には通気層4が設けられ、通気層4の上部又は下部或いは途中には通気量を調整する開閉装置5が設けられている。なお、二重構造とは、住宅の様に石膏ボードと外装材でも、工場等の様に内装材が無い建物では既存の外装材の外側に新たに新規の外装材を設けてもどちらでも問題はない。要は、相対する二つの壁で構成されている事が重要である。ただ、この空間は空気が流れるので、極力障害物がない事が好ましい。
高反射率素材6は、前述の二重構造の中に取りつけられている。外装材2の室内側(通気層4側)にのみ直接貼り付けすることが好ましいが、間に挟み込んだものでも問題はない。ただ、高反射率素材6の放射側を通気する事は絶対条件である。本発明では、高反射率素材6の低放射性能を利用しているが、真空断熱の様に高断熱性のもの或いは放射率の低いもので有れば使用可能である。
本発明では、通気層4の上部或いは下部或いは途中には、通気層4内を流れる通気量をコントロールする開閉装置5が設けられている。例えば、屋根に開閉装置5を取り付ける場合、メンテナンスがし易い様に棟付近に取りつけるのが好ましい。若し、軒に取りつけると、全面に足場が必要とか、高所作業者が入れるスペースが必要とか種々の問題がある。片流れの屋根は、棟に取りつけるのが一般的である。寄棟の様に四隅に棟がある場合、その棟に沿って斜めに取り付ける事でも良い。屋根に、ベンチレーター等が付いている場合はその下側に設置、更に棟設置の併用が好ましい。又、棟から軒迄が非常に長く、しかも勾配の少ない屋根は途中に開閉装置5を設ける事も出来る。この場合は、通気層4内を流れる空気の速度が遅く、棟にいくまでには空気の温度が上がってしまう問題がある。従って、メンテナンスというよりはむしろ熱の排出の為である。
一方、壁面の場合、開閉装置5は建物全周に取り付ける必要性がある事、壁面が高い事、周囲にメンテナンス用の空間が無い場所も多い事、屋根の形状によって水平に取り付けられない事など種々の問題が多い。そこで、一般的には基礎部分に取りつける事が多い。
高反射率素材6は、一般的には純度99.5%以上のアルミ箔が使用される。重要なのは放射率で、一般的には2%から10%位のものを使用する。高反射率素材6は、アルミホイルを使用することがほとんどで、厚みは数ミクロンから10ミクロン程度のものが一般的である。ただ、アルミホイルが長期間風に晒されると摩耗するので、本発明で使用しているアルミホイルは、風と接する内側部分は30ミクロンを使用している。更に、空気中には酸性やアルカリ成分も含まれているので、これらに対応する為、アルミホイルの表面に5ミクロン位の樹脂の薄膜が施されている。
本発明のゼロエネルギー省エネ構造1では、通気量を調整する開閉装置5が形状記憶合金を使用した自動温度開閉装置である。
外装材2を二重構造にして壁内に通気層4を設けても、季節により或いは昼夜で気温が変わり、暑い時は効果的だが寒い時は逆に室内の熱を排出する事になり省エネ効果が大きく低下する事になる。そこで、形状記憶合金を使用した自動温度開閉装置である開閉装置5を設ける事により、排出する空気の温度により通気量を調整する事ができる。壁面等の通気工法は、夏場は良いが冬場はマイナス効果となる、この開閉装置5により、温暖な地域から寒冷地迄、全国どこでも最小の省エネが実現できる。
本発明のゼロエネルギー省エネ構造1では、形状記憶合金を使用した開閉装置5を通気層4の上部或いは下部或いは途中に取り付け、最適な通気量とするものである。
開閉装置5の使い方は様々であるが、本実施形態の開閉装置5は、図5に示すように、複数の貫通孔11を有する基材10と、この基材10と重ねて設けられ、貫通孔11の形成方向に移動可能なスライド部材(開閉部材)12と、スライド部材12に接続されたスプリング13とを有している。
スプリング13は、形状記憶合金から構成され、変位部材として機能する。形状記憶合金は、チタンとニッケルの合金であり、変態点以上の温度では変形しても元の状態に戻る性質を有する。具体的には、図6(a)に示すように、冷えるとスプリング13が伸び、左右方向Xの右方にスライド部材12が移動し、貫通孔11はスライド部材12によって閉じられ、閉状態となる。一方、図6(b)に示すように、所定の温度まで温まるとスプリング13が縮むため、左右方向Xの左方にスライド部材12が移動し、貫通孔11が開き、開状態となる。この性質を利用し、貫通孔11を開閉し、空気の出入りが調整される。
通気層4の入り口部又は出口部或いは中間部等の空気の温度を感知し、開閉装置5の開度が調整される。従って、通気層4内の温度は比較的安定する。
なお、回転板を回転させる方法等その方法には拘らない。
屋根が長い場合や勾配の小さい屋根は空気の流れが緩やかで、通気層4の入り口(吸気口)と出口(排気口)の温度差が大きくなる、そこで、外側の外装材2の凸部の天端に孔を開け、そこから一部の熱を排出する事が効果的な省エネ構造である。
図3に示すように、形状記憶合金を使用した中間自動温度開閉装置8は、概ね30mm×50mmの断面で、長さは300mm位のものである。外側の外装材2の凸部の両側に上部に沿うように取り付け、外装材2の上部から板金のカバーを取り付けて固定する。空気は、外側の外装材2の凸部天端に30mm位の穴を複数個開けここから排気する。なお、開閉装置5の周囲は雨や風の侵入が無いよう処置する事が重要である。形状記憶合金の最大の特徴は、動力を使用しないで作動する事、しかも故障をする事も少ない事で非常に使い易いことである。
また、図7に示すように、前後に通気孔22が形成された金具21をボルト23で固定し、後ろ側の通気孔22の後ろ側に開閉装置5を取り付けることができる。開閉装置5が開状態となったときに、通気層4を通過した空気が、通気孔22を通過し、外部に排出される。
本発明のゼロエネルギー省エネ構造1において、通気量を調整する開閉装置5は、電気や空気で駆動する回転羽根式開閉装置とすることもできる。
形状記憶合金は、あくまでも金属が温度を記憶することにより変形するものであるので、反応は若干遅れる場合がある。しかも、屋根や外壁の長さが長い所では、室内の必要とする温度にするには、通気層の入り口或いは出口を何度に設定するかは極めて難しい。
そこで、通気層4内の温度変化を短時間に確実に室内温度に反映させるには、通気層4内の温度を検出し瞬時に開閉装置5を稼働させる事が好ましい。本発明は、通気量を調整する開閉装置5に電気や空気で稼働する回転羽根式開閉装置等を使用する。
回転羽根式開閉装置は、通気層4内の温度を検知し、必要な温度になったら開閉するもので開閉度合いは100%又は0%である。この瞬時に開閉できる事により、目的の室内温度達成が早く出来る事がメリットである。駆動はエアーシリンダーを使用しているが、油圧シリンダーでもモーターでも良い。
本発明のゼロエネルギー省エネ構造は、屋根及び壁に形成されている通気層4に、空気の流れ方向と平行に複数の仕切り板20を設けている。
建物に最も大きな熱影響を与えるのは、太陽からの輻射熱である。輻射熱は、照射される部所や角度によってその受ける熱量は大きく変わってくる。例えば、夏場南向きの建物では、南面は多くの熱を受けているが、北側からは逆に放射されていることが多い。この様に、季節によっても、たった一日でも、僅か一時間でも受ける熱量は変わる。勿論、風や雨や雪等自然環境からも大きな影響を受けている。
この結果、二重構造の外装材内に設けられた通気層内の空気も、上下に移動するだけではなく、熱は熱い方から冷たい方に移動の法則に則り左右にも移動する事になる。その結果、高温の熱を利用としても、隣接エリアから低温の空気が侵入し、結果的には十分な温度が利用できない事もある。従って、効率的な省エネを行うには、上下方向だけで熱移動する方法でコントロールする事が好ましい。
そこで、ゼロエネルギー省エネ構造1では、図4に示すように、通気層4内に、上下の空気の流れと平行に複数の仕切り板20を設けている。即ち、このゼロエネルギー省エネ構造1では、粗下から上にしか空気が移動できない構造である。これによって、隣接する通気層4内は異なる温度となる。各通気層4の上部或いは下部には通気量を調整する開閉装置5が設けられているので、通気層4毎に開閉装置5の開閉度合いが異なる事になる。例えば、高温のエリアの通気層4に設けられている開閉装置5は開状態で放熱し、逆に低温エリアの通気層4は閉状態になる。
仕切り板20の素材は、金属でも樹脂製品でも外装材2の最高温度である85℃位に耐得るものであれば問題ない。仕切り板20の間隔は、南向きの建物など外装材2に照射される熱が全体にゆっくり移動の面はある程度広く例えば5m間隔でも良い。又、東北と南西等太陽に対して斜めの位置に建設されている建物は、太陽が少し移動すると忽ち日蔭が出来る事がある。この様な建物は、1m毎と短い間隔に仕切り板20を設ける事が好ましい。
次に、本発明に係るゼロエネルギー省エネ構造について詳しく説明する。
本発明は自然界の空気を利用し、建物を如何に効率的に冷暖しようとするものである。利用する物は空気であるから、特段エネルギーを必要としないのが最大の特徴である。しかし、空気の温度は条件によって大きく変わるのでこれをコントロールする事が難しい。
第一に、建物に最も熱影響を与える輻射熱を阻止する事が重要である。その為、建物の外装材を外側外装材(外側部材)と内側外装材(内側部材)との二重構造とし、その間にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材(高反射率素材)を設け、輻射熱を阻止している。これ迄、高反射率素材は輻射熱を反射するので輻射熱阻止には重要であることは知られている。しかしながら、建物の外装材と内装材から構成された二重構造の間に使用すると、高反射率素材の放射側が狭小空間となり、この空間が昇温する事になる。これは、放射量は絶対温度の4乗に比例するという法則通り放射熱が急増する。その結果、放射率が増加、結果反射率が低下し断熱効果は低下する。
本発明では、高反射率素材の放射側を通気する事により、放射側の温度が上昇しない様に構成されている。放射側の熱量はそもそも小さいので、それを排出する空気量も少なくて済む事になる。即ち、反射率95%の高反射率素材で有れば、たった5%の熱を排出すれば良い事になる。
第二に、幾ら外装材に高反射率素材を使用したからと言って、夏場と冬場は、又昼と夜も同様に空気の温度が変わる。即ち、高反射率素材を使用し、通気した場合でも、外気温が室温より高い場合は大きな効果となるが、室温の方が低い場合は逆にマイナス効果となる。従って、外気温によって通気量を調整する事が大切である。
本発明では、通気層の入り口又は出口或いは途中に開閉装置を設けて、これに対応している。特に、本発明では形状記憶合金を利用した自動温度開閉装置が設けられている。形状記憶合金は、通気層の入り口部又は出口部或いは中間部等の空気の温度を感知し、開閉装置の開度を調整してくれる。従って、通気層内の温度は比較的安定している。しかも、温度に関知して作動するので、動力も不要で故障も非常に少ないと言える。
即ち、無料の空気を使い、動力のいらない形状記憶合金を使用した開閉装置で省エネ効果を発揮する事が出来るのが大きな特徴である。
第三に、より厳しく室内温度コントロールするには、目的の室内温度の近隣の通気層内の温度を検出、エアーシリンダー等で稼働する開閉装置を使用する事により通気量をコントロールするシステムを利用する事である。
第四は、通気層内を空気の流れ方向に仕切り板により複数に分割するものである。
建物に熱影響を与える要因は多く、それらをコントロールするのは非常に困難である。
例えば、最も大きいな熱影響を与えるのが輻射熱であるが、日蔭と日向では非常に大きな温度差となる。又、建物の向きによっても大きく異なる。又、風が吹けば直接当たる所は温度が低下しやすい。その他にも、建物の大きさ、高さ、地形、向き、雪等多くのファクターがある。この様に、二重構造にしたからと言って外装材の各部の受ける熱は異なるので、通気層内の空気は横の方向に移動する事が非常に多い。
そこで、本発明では通気層内に上下方向に仕切り板を設け、通気層内を流れる空気は絶えず下から上に層流で流れる様に工夫している。通気層を流れる空気の温度が変われば、形状記憶合金が部位毎に自動的に関知し開閉を行うので、各部の室内に与える熱の効果は非常に大きくなる。更に、通気層のエリアをより細かくし、AI等を利用し、どこのエリアをどの位開放したら最大の省エネ効果が生み出せる可能性がある。
[試験1]
年間を通して室温20℃で稼働している精密機械工場の省エネについて、種々の工法で施工した場合の熱量をシュミレーションした。
二重とは、二重構造の折板の間に断熱材を施工、密封したものである。
裏遮熱とは、二重構造の外側外装材の室内側にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を直貼り施工、密封したものである。
裏遮熱開放とは、二重構造の外側外装材の室内側にアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を直貼り施工、内部を通気するものである。
[結果1]
結果は、表1に示した。
[表1]
[考察1]
二重(ダブルパック)及び裏遮熱工法(遮熱材挿入のみ)は、冷房効果は余り得られない事が解る。また、裏遮熱開放は、夏場の冷房効果は60%近くにもなり、通気の効果が非常に大きい事が解る。暖房効果は、二重、裏遮熱、裏遮熱開放とも現在の概ね50%も減少する事が解る。ただ、この3者ともそれ程大きな差はないといえる。結果的には、夏場の冷房効果が大きい裏遮熱開放が圧倒的に効果的である。
[試験2]
この試験は、外壁温度が上昇した時、日蔭と日向ではどの位の温度差が出来るかの調査が目的である。
ガルバリウム鋼板(登録商標)で六角形の断面を持つ通気用試験体(幅35mm、長さ30mm、高さ200mm)を3個作製した。この通気用試験体を、幅方向が1KWの遠赤外線ヒーターに面する様、全面300mmの位置に3つとも並べた。即ち、3つの試験体は下部から空気が侵入し上部から排気されるよう中は何れも空洞になっている。
各試験体の概要は以下の通りである。
A試験体:遮熱未施工
B試験体:空洞部ヒーター側に遮熱THB-FX直貼り施工
C試験体:空洞部ヒーター側に遮熱THB-FX直貼り施工、更に当該試験体の外側20mmのヒーター側に木製の衝立を設置し日蔭を作る。
これらの試験体の温度を測定する為、各試験体にサーモレコーダーを取り付けた。その測定位置及び目的は以下の通りである。この時の室温は、概ね27~29℃であった。
(1)サーモレコーダー:A試験体のヒーター側の外側の金属に直貼りし金属板の外側温度測定
(2)サーモレコーダー:A試験体の空洞部の中央(上部から20mmの位置)で空気の温度測定
(3)サーモレコーダー:B試験体の空洞部の中央(上部から20mmの位置)で空気の温度測定
(4)サーモレコーダー:C試験体の空洞部の中央(上部から20mmの位置)で空気の温度測定
(5)サーモレコーダー:室温
[結果2]
結果は、表2及び表3に示した。
[表2]
[表3]
Figure 0007408204000004
[考察2]
ヒーター側折板表面温度(1)が62.1℃の時、遮熱未施工の内部の空気温度(2)は37.5℃で通気による効果は24.0℃にもなる事が解る。この時、ヒーター側に遮熱施工した空気温度(3)は33,5℃で、遮熱の効果は更に4.0℃ある事がわかる。又、ヒーター側に遮熱しても日陰を作った空気温度(4)は28.5℃で、日蔭と日向では5.0℃違う事がわかる。また、ヒーター側折板表面温度(1)が82.7℃の時、遮熱未施工の内部の空気温度(2)は47.7℃で通気による効果は35.0℃にもなる事が解る。この時、ヒーター側に遮熱施工した空気温度(3)は40,8℃で、遮熱の効果は更に6.9℃ある事がわかる。又、ヒーター側に遮熱しても日陰を作った空気温度(4)は29.3℃で、日蔭と日向では11.0℃も違う事が分かる。この実験では、外装材の通気の効果は非常に大きい事が解る。日蔭と日向では、同様の方法で遮熱し更に通気しても空気の温度差は非常に大きい事が解る。
以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1 ゼロエネルギー省エネ構造(省エネ構造)
2 外装材(外側部材)
3 内装材(内側部材)
4 通気層
5 開閉装置
6 アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材(高反射率素材)
7 棟板金
8 中間自動温度開閉装置
10 基材
11 貫通孔
12 スライド部材(開閉部材)
13 スプリング
20 仕切り板
21 金具
22 貫通孔
23 ボルト

Claims (5)

  1. 外側部材と、前記外側部材の内側に設けられた内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間に形成された通気層と、を有する二重の外装構造を有する建物における省エネ構造であって、
    前記外側部材の内側に直接設けられたアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、
    前記通気層の吸気口又は排気口に設けられた開閉装置と、を有し、
    前記通気層が前記アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の放射側に形成され、前記通気層を前記吸気口から流入した空気が流れ、
    前記開閉装置によって、前記通気層を流れる空気の通気量が調整され、
    前記通気層の空気が前記排気口から前記外側部材の外部に排出されることで、前記アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材に発生する放射熱が排出され、前記建物の温度が調整される、
    ことを特徴とする省エネ構造。
  2. 前記アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、前記外側部材の内側にのみ設けられた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の省エネ構造。
  3. 前記開閉装置は、貫通孔を有する基材と、前記基材の前記貫通孔の形成方向に移動可能な開閉部材と、前記開閉部材に接続され、形状記憶合金で構成される変位部材と、を有する自動温度開閉型であり、
    所定の温度に昇温していない状態では、前記開閉部材が前記貫通孔を閉状態とし、前記所定の温度まで昇温した状態では、前記変位部材が変位することで前記開閉部材が移動し、前記貫通孔を開状態とする、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の省エネ構造。
  4. 前記通気量を調整する前記開閉装置が、電気や空気で駆動する回転羽根式開閉装置である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の省エネ構造。
  5. 前記通気層内に、空気の流れ方向と平行に、仕切り板が複数設けられた、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の省エネ構造。
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