JP5568188B1 - 撮影用スライディング装置 - Google Patents

Abstract

【課題】直線的なスライドがより安定的であり、しかもスライドの調整がより容易でもある撮影用スライディング装置を提供すること。
【解決手段】平坦状の第１走行面４と、第１走行面に対して傾斜して配置された、平坦状の第２走行面５とを有する長尺なレール部材２と、第１走行面上を走行可能に回転自在に支持された第１ベアリング６と、第２走行面上を走行可能に回転自在に支持された第２ベアリングと、第２ベアリングを第２走行面に対して進退させ、第２ベアリングの第２走行面への接触圧を調整する初期設定機構７とを有するスライダー３とを備えている
【選択図】図１

Description

本発明は、ビデオカメラなどの撮影機器を直線的にスライドさせる撮影用スライディング装置に関する。

ビデオカメラを水平方向などに直線的にスライドさせて撮影する際に使用される撮影機材として、カメラスライダーなどと称される撮影用スライディング装置が知られている。この撮影用スライディング装置は、下記特許文献１に記載されたものが一般的である。特許文献１に記載されたステレオ画像撮影装置は、１台のＩＴＶカメラ、記憶装置、仰角調整用ステージ、方位調整用ステージ、スライダー、台座、水準器および電源からなっている。これらの構成要素の内、スライダー、台座および水準器が撮影用スライディング装置を構成する。撮影時には、三脚などの台に台座を、水準器を用いて水平に固定し、ビデオカメラをスライダーに固定し、スライダーを撮影対象に向けて水平方向に移動させ、撮影する。

撮影用スライディング装置は、スライダーの台座上でのスライドによって、移動する撮影対象をその移動方向に追いかけてビデオカメラで撮影したり、また、撮影対象を変更しながらビデオカメラで撮影したりすることなどができ、多様な映像表現を可能にする。また、ぶれのない安定な映像が得られるという利点がある。

特開２００５−２４４４２号公報

このような撮影用スライディング装置については、直線的なスライドのより安定化とその調整のより容易化が要求される。

本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、直線的なスライドがより安定的であり、しかもスライドの調整がより容易でもある撮影用スライディング装置を提供することを課題としている。

上記の課題を解決するために、本発明の撮影用スライディング装置は、平坦状の第１走行面と、この第１走行面に対して傾斜して配置された、平坦状の第２走行面とを有する長尺なレール部材と、第１走行面上を走行可能に回転自在に支持された第１ベアリングと、第２走行面上を走行可能に回転自在に支持された第２ベアリングと、この第２ベアリングを第２走行面に対して進退させ、第２ベアリングの第２走行面への接触圧を調整する初期設定機構とを有するスライダーとを備えている撮影用スライディング装置であって、スライダーは、互いに対向して配置され、その間に第１ベアリングを回転自在に支持する一対の支持面部と、この支持面部から対向する支持面部とは反対側に斜めに延び、第２ベアリングが回転自在に取り付けられたスカート部とを有し、初期設定機構は、調整ボルトと、固定ボルトと、スカート部の裏面が配置可能とされた表面を有し、固定ボルトが螺合可能な螺合部を有する固定部と、この固定部に設けられ、調整ボルトが螺合可能な、第２ベアリングの接触圧調整部とを備え、初期設定機構は、一方のスカート部に組み込まれ、調整ボルトが接触圧調整部に螺合することにより、スカート部の固定部に対する配置位置が変更され、第２ベアリングが第２走行面に対して進退し、第２ベアリングの第２走行面への接触圧が変更され、固定ボルトが螺合部に螺合することにより、スカート部が固定部に固定され、第２ベアリングが、調整された接触圧で第２走行面上を走行可能となることを特徴とする。

この撮影用スライディング装置においては、レール部材に三脚へ取り付けるためのアダプターが設けられ、アダプターのレール部材との第１接触面は平坦面であり、三脚との第２接触面は湾曲面を有し、第２接触面における三脚の取り付け側の中央に取り付け用の雌ねじが埋設されていることが好ましい。

本発明の撮影用スライディング装置によれば、スライダーの直線的なスライドがより安定的となり、しかもスライダーのスライドの調整がより容易となる。

本発明の撮影用スライディング装置の一実施形態を示した斜視図である。 図１に示した撮影用スライディング装置のレール部材における本体を示した要部断面図である。 図１に示した撮影用スライディング装置のスライダーを示した側面図である。 （ａ）（ｂ）（ｃ）は、それぞれ、図３に示したスライダーのＡ−Ａ矢視断面図、Ｂ−Ｂ矢視断面図、Ｃ−Ｃ矢視断面図である。 図３に示したスライダーを一方の支持面部側から示した分解斜視図である。 図３に示したスライダーを他方の支持面部側から示した分解斜視図である。 図１に示した撮影用スライディング装置を三脚に取り付けて形成された三脚装置を示した斜視図である。 図１に示した撮影用スライディング装置を三脚に取り付けるための締め付けハンドルを示した斜視図である。 図１に示した撮影用スライディング装置の三脚への取付方法を示した要部分解断面図である。 図１に示した撮影用スライディング装置を三脚に取り付け、さらに雲台を撮影用スライディング装置に取り付けて形成された三脚装置を示した斜視図である。

図１は、本発明の撮影用スライディング装置の一実施形態を示した斜視図である。

撮影用スライディング装置１は、長尺なレール部材２とスライダー３を備えている。レール部材２は、平坦状の第１走行面４と、第１走行面４に対して傾斜して配置された、平坦状の第２走行面５とを有している。スライダー３は、第１走行面４上を走行可能に回転自在に支持された第１ベアリング６と、第２走行面５上を走行可能に回転自在に支持された第２ベアリング（図３図中に図示）とを有している。また、スライダー３は、第２ベアリングを第２走行面５に対して進退させ、第２ベアリングの第２走行面５への接触圧を調整する初期設定機構７を有してもいる。

具体的には、レール部材２は、第１走行面４と第２走行面５を有する本体８と、本体８の長手方向の両端部に取り付けられたベース９とを備えている。

図２は、図１に示した撮影用スライディング装置のレール部材における本体を示した要部断面図である。

本体８は、中空で、断面が矩形形状を有する躯体部１０と、躯体部１０の幅方向の両端部のそれぞれから躯体部１０の外側に斜めに立ち上がり、立ち上がった先端から真っ直ぐに延びるレール部１１ａ、１１ｂとから形成されている。レール部１１ａ、１１ｂも躯体部１０と同様に中空であり、躯体部１０の幅方向の中央に関し対称に配置されている。第１走行面４は、レール部１１ａ、１１ｂの先端部に凹状に窪んで形成されている。レール部１１ａ、１１ｂに形成された第１走行面４は同一平面上に配置されている。第２走行面５は、レール部１１ａ、１１ｂにおける躯体部１０から斜めに立ち上がった部分の外面である。第２走行面５は、第１走行面４に対して傾斜して配置されており、傾斜角度は４５°となっている。第２走行面５の第１走行面４に対する傾斜角度は、図１に示したスライダー３のレール部材２に沿った走行性が安定となる限り、４５°に限定されることはなく、０°より大きく９０°未満の鋭角であればよい。

図１に示したように、ベース９は、本体８の幅方向の外側に向かって下り傾斜で延びる脚１２を２本有している。２本の脚１２の開脚度は調整可能とされている。脚１２の先端部には、撮影用スライディング装置１の水平な設置を調整するアジャスター１３が設けられており、アジャスター１３は、ボルト部１４を有し、ボルト部１４は、脚１２の先端部において出入り可能となっている。脚１２の先端部にはロックナット１５が設けられ、アジャスター１３のボルト部１４はロックナット１５に対し回転自在であり、アジャスター１３の回転によって脚１２の先端部からの突出長さの変更が可能になっている。ロックナット１５は、締め付けによってアジャスター１３の回転を不能とするものである。ロックナット１５を緩めるとアジャスター１３の回転が可能となる。

スライダー３は、本体１６を備えている。本体１６は、ビデオカメラまたは雲台を取り付ける平坦状の取付面部１７と、取付面部１７の幅方向の両端縁から延びる一対の支持面部１８ａ、１８ｂとから形成されている。支持面部１８ａ、１８ｂは互いに対向して配置されている。取付面部１７の中央には、ビデオカメラまたは雲台の底面部に形成された取り付け用の雌ねじと螺合する雄ねじ１９が突設されている。支持面部１８ａ、１８ｂの先端部には、対向する支持面部１８ａ、１８ｂとは反対側に、すなわち、本体１６の幅方向の外側に向かって斜めに延びるスカート部２０ａ、２０ｂが設けられている。初期設定機構７は、支持面部１８ａのスカート部２０ａに組み込まれている。

図３は、図１に示した撮影用スライディング装置のスライダーを示した側面図である。図４（ａ）（ｂ）（ｃ）は、それぞれ、図３に示したスライダーのＡ−Ａ矢視断面図、Ｂ−Ｂ矢視断面図、Ｃ−Ｃ矢視断面図である。

第１ベアリング６は、支持面部１８ａ、１８ｂの間で取付面部１７から延び、支持面部１８ａ、１８ｂと平行に配置されたリブにシャフト２１によって回転自在に取り付けられて、支持面部１８ａ、１８ｂ間に支持されている。第１ベアリング６は、本体１６の長さ方向の両端部に２つずつ配置されている。したがって、スライダー３は、計４つの第１ベアリング６を備えている。第１ベアリング６は、レール部材２の第１走行面４上に載置され、第１走行面４上の走行が可能とされる。

第２ベアリング２２は、支持面部１８ａ、１８ｂのスカート部２０ａ、２０ｂにシャフト２３によって回転自在に取り付けられ、第２ベアリング２２は、本体１６の内側に配置されている。第２ベアリング２２も、第１ベアリング６と同様に、本体１６の長さ方向の両端部に２つずつ配置され、スライダー３は、計４つの第２ベアリング２２を備えている。

初期設定機構７は、スライダー３のスカート部２０ａに組み込まれている。初期設定機構７は、調整ボルト２４および固定ボルト２５を備えている。調整ボルト２４は、ねじ込むことによって第２ベアリング２２を第２走行面５に接触させ、その接触圧を高めることができる。一方、調整ボルト２４を緩めると、第２ベアリング２２の第２走行面５への接触圧を低くすることができる。調整ボルト２４による第２ベアリング２２の第２走行面５への接触圧は、第２ベアリング２２がスムーズに第２走行面４上を走行することができる程度に調整する。固定ボルト２５は、調整ボルト２４による第２ベアリング２２の第２走行面５への接触圧を調整した後にねじ込まれる。走行に適した接触圧に調整された状態が固定ボルト２５によって維持される。調整ボルト２４は、スカート部２０ａの幅方向に平行に配置され、かつスカート部２０ａの長さ方向の中央に配置されている。固定ボルト２５は、調整ボルト２４を中心としてスカート部２０ａの長さ方向に一定間隔を隔てて配置されている。したがって、固定ボルト２５は、計２本が初期設定機構７に設けられている。

図５は、図３に示したスライダーを一方の支持面部側から示した分解斜視図である。図６は、図３に示したスライダーを他方の支持面部側から示した分解斜視図である。

初期設定機構７は、上記のとおり、スライダー３のスカート部２０ａに組み込まれている。スカート部２０ａは、支持面部１８ａの長さ方向の中央部において、取付面部１７と反対側に延び、取付面部１７に対し斜めに配置されるように折れ曲がった固定部６０を有している。固定部６０の表面は平坦面６１となっている。固定部６０には、その長さ方向の中央部に切欠部６２が形成され、切欠部６２において雌ねじ状の接触圧調整部６３が設けられている。接触圧調整部６３は、調整ボルト２４による第２ベアリング２２の接触圧調整用のものである。また、固定部６０には、切欠部６２を挟んで固定部６０の長さ方向の両側に雌ねじ状の螺合部６４が設けられている。

スカート部２０ａは、また、第２ベアリング２２が取り付けられる本体６５と、本体６５の中央部において第２ベアリング２２が取り付けられる側に突出する突出部６６とを有している。本体６５では、その長さ方向の両端部の幅が拡大され、両端部のそれぞれにシャフト２３によって第２ベアリング２２が回転自在に取り付けられている。また、本体６５には、第２ベアリング２２が取り付けられた部分の内側に、本体６５の幅方向に長い長穴６７が形成され、２つの長穴６７は、固定部６０の螺合部６４への重合が可能とされている。突出部６６の幅、すなわち、本体６５の長さ方向の長さは、固定部６０の切欠部６２の長さ以内であり、突出部６６には、固定部６０の接触圧調整部６３と重合可能なボルト挿入穴６８が、突出部６６の表裏を貫通して形成されている。

スカート部２０ａは、２つの第２ベアリング２２が、それぞれ、固定部６０の長さ方向の外側に配置されるように、平坦面状とされた裏面を本体部６５の表面に重合させて配置される。このとき、本体６５の２つの長穴６７が固定部６０の２つの螺合部６４にそれぞれ重合し、また、突出部６６が、固定部６０の切欠部６２の内部に配置され、ボルト挿入穴６８が、接触圧調整部６３に重合する。この状態において、調整ボルト２４を突出部６６の表面より外側からボルト挿入穴６８の内部に挿入され、接触圧調整部６３にねじ込まれる。調整ボルト２４のねじ込み程度を変化させることによって、すなわち、締め付けたり緩めたりすることによって、スカート部２０ａの本体６５が、固定部６０に対して、図５図中に示した矢印方向に移動する。その結果、スカート部２０ａの固定部６０に対する配置位置が変更され、第２ベアリング２２が第２走行面５に対して進退し、図４（ｃ）に示したように、第２ベアリング２２の第２走行面５への接触圧を調整することができる。接触圧の調整後、図４（ａ）（ｂ）に示したように、２本の固定ボルト６５が、スカート部２０ａの本体６５の表面より外側から２つの長穴６７の内部にそれぞれ挿入され、螺合部６４にねじ込まれる。固定ボルト２５の螺合部６４への螺合によって、スカート部２０ａの本体部６５が固定部６０に固定され、第２ベアリング２２の走行に適した接触圧に調整された状態が維持される。第２ベアリング２２は、調整された接触圧で第２走行面５上を走行可能となる

また、スライダー３では、支持面部１８ａの長さ方向の中央に、ブレーキツマミ２６が回動自在に設けられている。図４（ｃ）に示したように、ブレーキツマミ２６はブレーキシャフト２７を有し、ブレーキシャフト２７の表面部には雄ねじ２８が切られている。支持面部１８ａには、ブレーキシャフト２７が進退可能な雌ねじ２９が表裏を貫通して形成されており、ブレーキシャフト２７の雄ねじ２８は雌ねじ２９と螺合している。ブレーキツマミ２６を回動させてブレーキシャフト２７の先端部が、レール部材２のレール部１１ａの長手方向の外面に接触し、押圧することによって、スライダー３は、レール部材２に沿ったスライドが不能となる。一方、ブレーキツマミ２６を逆方向に回動させ、ブレーキシャフト２７による押圧を解除すると、スライダー３はスライドが可能となる。

支持面部１８ａに対向して配置された支持面部１８ｂの長さ方向の中央には、図４（ｃ）に示したように、フリクションツマミ３０が回転自在に設けられている。フリクションツマミ３０は、第１フリクションシャフト３１を有し、第１フリクションシャフト３１の表面部には雄ねじ２８が切られている。支持面部１８ｂには、第１フリクションシャフト３１が進退可能な雌ねじ２９が表裏を貫通して形成されており、第１フリクションシャフト３１の雄ねじ２８は雌ねじ２９と螺合している。また、第１フリクションシャフト３１の先端部には、第１フリクションシャフト３１の長さ方向に進退可能な第２フリクションシャフト３２が設けられている。第２フリクションシャフト３２は、先端部を除く部分は第１フリクションシャフト３１の内部に形成された中空部３３に収納されている。中空部３３は、第２フリクションシャフト３２の先端部からフリクションツマミ３０にかけて形成されている。中空部３３にはコイルスプリング３４が内蔵され、コイルスプリング３４は、フリクションツマミ２８と第２フリクションシャフト３２の間で伸縮自在となっている。

フリクションツマミ３０を回転させ、第１フリクションシャフト３１をレール部材２のレール部１１ｂに向けてねじ込むと、第２フリクションシャフト３２の先端部が、レール部１１ｂの長さ方向の外面に接触する。このとき、中空部３３に内蔵されたコイルスプリング３４が収縮し、弾性力が発生する。発生した弾性力は第２フリクションシャフト３２の先端部を介してレール部１１ｂの外面を押圧し、フリクションが発生する。フリクションの大きさは、フリクションツマミ３０の回転にともなう第１フリクションシャフト３１のねじ込み具合によって調整することができる。たとえば、スライダー３のスライディングスピードを速くする場合には、フリクションを小さくし、遅くする場合には大きくすることができる。また、フリクションの発生は、初期設定機構７に備えた調整ボルト２４による第２ベアリング２２の第２走行面５への接触圧の調整の際に有効に機能し、接触圧の調整を容易にする。

また、支持面部１８ｂには、フリクションツマミ３０に隣接して水準器３５が設けられている。水準器３５は、支持板部１８ｂの外側に向かって突出している。

このような撮影用スライディング装置１は、台上に設置する場合には、レール部材２を、その長手方向の両端部に設けられたベース９の２本の脚を適当な開脚度で開き、脚１２の先端部に位置するアジャスター１３を台の表面に当接させて配置する。このとき、スライダー３は、第１ベアリング６を第１走行面４に載せ、かつフリクションツマミ３０の回転によってある程度のフリクションを発生させた状態において、ブレーキツマミ２６を回動させ、スライダー３をスライド不能にしておく。次いで、水準器３５を用いてレール部材２が水平に配置されるようにアジャスター１３を回転させ、その長さを調整した後にロックナット１５によって固定し、レール部材２の設置を完了する。

この後に、ブレーキツマミ２６を逆に回動させ、スライダー３をフリーにし、次いで、初期設定機構７に備えた調整ボルト２４によって、第２ベアリング２２を第２走行面５に向けて移動させ、接触させ、その接触圧の調整を行う。スライダー３のレール部材２に沿ったスライド具合を確認した後、初期設定機構７に備えた固定ボルト２５をねじ込み、調整した接触圧を維持する。このような第２ベアリング２２の第２走行面５との接触圧の調整および維持は、取付面部１７にビデオカメラまたは雲台を取り付ける以前または取り付けた後のいずれでも行うことができる。

上記のとおり、撮影用スライディング装置１は、第１走行面４と、第１走行面４に対して傾斜して配置された第２走行面５とを有するレール部材２、および第１走行面４上を走行可能な第１ベアリング６と、第２走行面５を走行可能な第２ベアリング２２とを有するスライダー３を備えている。このため、レール部材２に沿ったスライダー３の直線的なスライドは、より安定的なものとなる。直線的なスライドの安定性は、計４つずつ設けられた第１ベアリング６および第２ベアリング２２によって顕在化する。また、撮影用スライディング装置１は、スライダー３が、第２ベアリング２２を第２走行面５に対して進退させ、第２ベアリング２２の第２走行面５への接触圧を調整する初期設定機構７を有しているので、スライダーのスライドの調整がより容易となる。

また、撮影用スライディング装置１では、図１に示したように、レール部材２の躯体部１０の中央に、三脚（図７図中の符号４２）に取り付けるためのアダプター３６が設けられている。アダプター３６は、レール部材２の躯体部１０と接触可能な第１接触面３７と、三脚の頂部（図７図中の符号４８）に設けられた取付部（図９図中の符号４９）に接触可能な第２接触面３８とを有している。第１接触面３７は平坦面３９であり、第２接触面３８は湾曲面４０を有している。また、第２接触面３８は、第１接触面３７に対向して配置される部分に平坦面４１を有している。第２接触面３８における三脚の取り付け側の中央には、取り付け用の雌ねじ（図９図中の符号５２）が埋設されている。アダプター３６は、図１に示したように、比較的厚みの薄い部材であり、厚さが脚１２の高さ以内に抑えられており、しかも第２接触面３８から突出する部材を持たないので、撮影用スライディング装置１の台上への設置に何ら支障をきたさない。

なお、アダプター３６の取り付けのために、撮影用スライディング装置１では、レール部材２の躯体１０の中央および長さ方向の両端の計３箇所に雌ねじ（図示なし）が切られている。また、アダプター３６の第１接触面３７の中央には第１接触面３７から起立する雄ねじ（図９図中の符号５３）が設けられている。この雄ねじと雌ねじの螺合によって、アダプター３６のレール部材２への取り付けが着脱自在となっており、また、躯体１０に形成された雌ねじを選択することによって、アダプター３６のレール部材２への取付位置を変更することができる。

図７は、図１に示した撮影用スライディング装置を三脚に取り付けて形成された三脚装置を示した斜視図である。図８は、図１に示した撮影用スライディング装置を三脚に取り付けるための締め付けハンドルを示した斜視図である。図９は、図１に示した撮影用スライディング装置の三脚への取付方法を示した要部分解断面図である。

図７に示したように、撮影用スライディング装置１は、三脚４２に取り付けが可能であり、撮影用スライディング装置１が三脚４２に取り付けられた三脚装置７０を形成することができる。図９に示したように、三脚４２の頂部４８に設けられた取付部４９にアダプター３６が配置され、取付部４９の外側からアダプター３６に対して締め付けハンドル４４を締め付け、アダプター３６が取付部４９に圧接することによって撮影用スライディング装置１が三脚４２に取り付けられ、固定される。

具体的には、締め付けハンドル４４では、握り４５の一端から雄ねじ４６が突出し、雄ねじ４６が握り４５から突出する部分の外周に、三脚４２の頂部４８に設けられた椀状に窪んだ取付部４９の外側の湾曲面５０と接触可能な湾曲する受け皿状の支持部４７が設けられている。三脚４２の頂部４８の取付部４９には、三脚４２の長さ方向に貫通する開口５１が形成されている。三脚装置７０を形成する際には、三脚４２の頂部４８の取付部４９の内側の湾曲面５４上にアダプター３６の第２接触面３８の湾曲面４０を載置する。次いで、三脚４２の頂部４８の取付部４９の湾曲面５０の外側から締め付けハンドル４５の雄ねじ４６を、取付部４９に形成された開口５１を通じてアダプター３６に埋設された雌ねじ５２に螺合させ、締め付ける。締め付けハンドル４５の締め付けにつれて、アダプター３６の第２接触面３８の湾曲面４０と、三脚４２の頂部４８の取付部４９の外側の湾曲面５０とが面接触し、互いに圧接する。この圧接によって、アダプター３６が三脚４２の頂部４８の取付部４９に固定され、撮影用スライディング装置１が三脚４２に固定され、三脚装置７０が形成される。このように、撮影用スライディング装置１は三脚４２への取り付けが容易であるので、三脚装置７０の形成は容易である。また、締め付けハンドル４４の支持部４７が三脚４２の頂部４８に設けられた取付部４９の湾曲面５０と接触することによって、撮影用スライディング装置１と三脚４２の固定状態は安定に保持される。

図１０は、図１に示した撮影用スライディング装置を三脚に取り付け、さらに雲台を撮影用スライディング装置に取り付けて形成された三脚装置を示した斜視図である。

三脚装置７１では、図７に示した三脚装置７０の撮影用スライディング装置１に雲台４３が取り付けられている。雲台４３は、その底面部に、スライダー３の本体１６の取付面部１７に設けられた雄ねじ１９に螺合する雌ねじ（図示なし）が設けられており、この雌ねじに雄ねじ１９を螺合させることによって、雲台４はスライダー３に取り付けられ、固定される。三脚装置７１は、雲台４３が組み合わされているので、ビデオカメラのスライドばかりでなく、チルトおよびパンも可能であり、撮影対象の移動や狙いどおりの画像に見合った多様な撮影が可能となる。

なお、図８に示した締め付けハンドル４４は、雲台４３を、撮影用スライディング装置１を取り付けずに三脚４２に直接取り付ける際に使用するものと共用可能となっている。

また、三脚装置７０、７１では、撮影用スライディング装置１に設けられたアダプター３６の第２接触面３８が湾曲面４０を有しているので、撮影用スライディング装置１は、水平に配置されるばかりでなく、所望の方向に傾斜させて配置することもできる。

本発明の撮影用スライディング装置は、以上の実施形態に限定されることはない。レール部材やスライダーの形状および構造には様々な態様が可能である。

１ 撮影用スライディング装置
２ レール部材
３ スライダー
４ 第１走行面
５ 第２走行面
６ 第１ベアリング
７ 初期設定機構
１８ａ、１８ｂ 支持面部
２０ａ スカート部
２２ 第２ベアリング
２４ 調整ボルト
２５ 固定ボルト
３６ アダプター
３７ 第１接触面
３８ 平坦面
３９ 第２接触面
４０ 湾曲面
４２ 三脚
５２ 雌ねじ
６０ 固定部
６３ 接触圧調整部

Claims (2)

1. 平坦状の第１走行面と、この第１走行面に対して傾斜して配置された、平坦状の第２走行面とを有する長尺なレール部材と、
   前記第１走行面上を走行可能に回転自在に支持された第１ベアリングと、前記第２走行面上を走行可能に回転自在に支持された第２ベアリングと、この第２ベアリングを前記第２走行面に対して進退させ、前記第２ベアリングの前記第２走行面への接触圧を調整する初期設定機構とを有するスライダーと、
   を備えている撮影用スライディング装置であって、
   前記スライダーは、互いに対向して配置され、その間に前記第１ベアリングを回転自在に支持する一対の支持面部と、この支持面部から対向する支持面部とは反対側に斜めに延び、前記第２ベアリングが回転自在に取り付けられたスカート部とを有し、
   前記初期設定機構は、調整ボルトと、固定ボルトと、前記スカート部の裏面が配置可能とされた表面を有し、前記固定ボルトが螺合可能な螺合部を有する固定部と、この固定部に設けられ、前記調整ボルトが螺合可能な、第２ベアリングの接触圧調整部とを備え、前記初期設定機構は、一方の前記スカート部に組み込まれ、
   前記調整ボルトが前記接触圧調整部に螺合することにより、前記スカート部の前記固定部に対する配置位置が変更され、前記第２ベアリングが前記第２走行面に対して進退し、前記第２ベアリングの前記第２走行面への接触圧が変更され、前記固定ボルトが前記螺合部に螺合することにより、前記スカート部が前記固定部に固定され、前記第２ベアリングが、調整された接触圧で第２走行面上を走行可能となる
   ことを特徴とする撮影用スライディング装置。
2. 前記レール部材に三脚へ取り付けるためのアダプターが設けられ、このアダプターの前記レール部材との第１接触面は平坦面であり、前記三脚との第２接触面は湾曲面を有し、この第２接触面における前記三脚の取り付け側の中央に取り付け用の雌ねじが埋設されていることを特徴とする請求項１に記載の撮影用スライディング装置。