(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
次に、図1〜図3を参照して、遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の遊技機1の正面図であり、図2は本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球200を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向に遊技球200が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球200は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3の内部に設けられているタッチセンサ3aが、操作ハンドル3と遊技者とが接触していることを検知して、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。また、操作ハンドル3の回動とともに、操作ハンドル3に直結している可変抵抗器からなる発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bが発射制御基板160に供給する電圧を可変させる。
発射制御基板160(図4参照)は、発射ボリューム3bにより可変された電圧に基づいて、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド4aを通電する。発射用ソレノイド4aが通電されると、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転し、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する第2普通図柄ゲート14と、遊技球が入球可能な大入賞口16とが設けられている。
この第2普通図柄ゲート14には、遊技球の通過を検出する第2ゲート検出スイッチ14aが設けられており、この第2ゲート検出スイッチ14aが遊技球の通過を検出すると、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。このことは、第1普通図柄ゲート13についても同様である。
大入賞口16は、通常は大入賞口開閉扉16bによって閉鎖状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉16bが作動して、この大入賞口開閉扉16bが遊技球を大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口16に入球可能となる。大入賞口16には大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
本実施形態では、大入賞口16、大入賞口開閉扉16b及び大入賞口開閉ソレノイド16cが特別可変入賞装置を構成する。
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する第1普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な始動領域を構成する始動口15とが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、第1普通図柄ゲート13または始動口15に、遊技球が通過または入賞しないように構成されている。このため、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この第1普通図柄ゲート13にも、第2普通図柄ゲート14と同様に、遊技球の通過を検出する第1ゲート検出スイッチ13aが設けられており、この第1ゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、「普通図柄の抽選」が行われる。
本実施形態では、第1ゲート検出スイッチ13aおよび第2ゲート検出スイッチ14aが普通領域検出手段を構成する。
この始動口15は、後述する大入賞口開閉扉16bよりも横幅が短いものの、大入賞口開閉扉16bと略同一形状をした扉状の可動片15bを有しており、この可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、可動片15bが当該始動口15の開口部を覆い、始動口15への遊技球の受入れを不可能としている。一方で、始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、可動片15bが受け皿として機能し、始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
本実施形態では、始動口15、可動片15b及び始動口開閉ソレノイド15cが補助可変入賞装置を構成する。
ここで、始動口15には遊技球の入球を検出する始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定個数の賞球が払い出される。
本実施形態では、始動口検出スイッチ15aが始動領域検出手段を構成する。
さらには、遊技領域6の最下部であって上記遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、始動口15および大入賞口16のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる演出表示装置31が設けられており、この演出表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。なお、本実施形態においては、演出表示装置31を液晶表示器として用いているが、円環状の構造物からなるリールや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置を用いてもよい。
この演出表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、この演出図柄36の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、演出ボタン35は、例えば、上記演出表示装置31に当該演出ボタン35を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
遊技領域6の右下方には、特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22が設けられている。
上記特別図柄表示装置21は、始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この特別図柄表示装置21に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、始動口検出スイッチ15aにより遊技球が検出されたとき(始動口15に遊技球が入球したとき)に、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が大当たりのものであるかどうかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、特別図柄表示装置21において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
本実施形態では、特別図柄表示装置21が特別図柄表示手段を構成する。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。この「大当たり遊技」においては、大入賞口16が開放されるラウンド遊技を合計2回行う。各ラウンド遊技における大入賞口16の最大開放時間は0.052秒に設定されており、この間に大入賞口16に規定個数の遊技球(例えば10個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、大入賞口16に遊技球を入球させる遊技である。
なお、本実施形態では、1回の大当たりの抽選が開始され、その大当たりの抽選結果による作動(大当たり遊技)が終了するまでに、始動口検出スイッチ15aにより遊技球が検出されても、特別図柄判定用乱数値等を取得しないように構成されている。
すなわち、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中のときに、始動口15に遊技球が入球しても、次回の大当たりの抽選の権利は無効になるように構成され、いわゆる大当たりの抽選における保留記憶は存在しないように構成されている。
このことは、後述する「普通図柄の抽選」についても同様である。すなわち、いわゆる普通図柄の抽選における保留記憶も存在しないように構成されている。
また、普通図柄表示装置22は、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
本実施形態では、普通図柄表示装置22が普通図柄表示手段を構成する。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、第1ゲート検出スイッチ13aまたは第2ゲート検出スイッチ14aにより遊技球が検出されたとき(第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14に遊技球が通過したとき)に、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、始動口検出スイッチ15a等の各種検出信号を入力して、特別図柄表示装置21や大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、第1普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知する第1ゲート検出スイッチ13a、第2普通図柄ゲート14に遊技球が入球したことを検知する第2ゲート検出スイッチ14a、始動口15に遊技球が入球したことを検知する始動口検出スイッチ15a、大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する大入賞口検出スイッチ16aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、始動口15の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、大入賞口開閉扉16bを動作させる大入賞口開閉ソレノイド16c、特別図柄を表示する特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル(図5参照)、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル(図5参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図6参照)、遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル(図7参照)、大入賞口開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図8参照)、大入賞口の開放態様テーブル(図9参照)、始動口の開放態様テーブル(図10参照)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図11参照)、普通図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図12参照)等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普図判定記憶領域、特図判定記憶領域、特図乱数取得許可フラグ、普図乱数取得許可フラグ、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)、リミッタ回数記憶領域、高確率決定規制フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短回数(J)記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、普通図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ131を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記演出表示装置31の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板150は、上記演出制御基板120に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置31および音声出力装置32を接続している。
上記画像ROMには、演出表示装置31に表示される演出図柄36や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、演出表示装置31における表示制御をする。なお、画像CPUは、演出表示装置31に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、演出表示装置31の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
また、上記音声ROMには、音声出力装置32から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160(図4参照)に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。
発射ボリューム3bは、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する。
発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
次に、図5〜図12を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(大当たり判定テーブル)
図5(a)は、特別図柄表示装置21における「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、大当り判定テーブルは、確率遊技状態と特別図柄判定用乱数値とに基づいて、「大当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(a)に示す大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「0」〜「253」の254個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「0」〜「254」の255個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜255であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は254/256となり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は255/256となり、高確率遊技状態のときには低確率遊技状態と比べ大当たりの確率が向上する。
(当たり判定テーブル)
図5(b)は、普通図柄表示装置22における「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、遊技状態と普通図柄判定用乱数値とに基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「254」の255個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜255であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/256となり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は255/256となり、時短遊技状態のときには非時短遊技状態と比べ当たりの確率が向上する。
(図柄決定テーブル)
図6は、大当たりのときに特別図柄の停止図柄を決定するための図柄決定テーブルを示す図である。
具体的には、図柄決定テーブルによれば、始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。例えば、大当たり図柄用乱数値が「80」であれば、停止図柄データとして「02」(特定用特別図柄2)を決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、ハズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0)を決定し、演出図柄指定コマンドとして「E0H00H」が生成されることになる。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり態様(図9参照)決定されることから、特別図柄の種類が大当たり終了後の遊技状態と大当たり態様を決定するものといえる。
(大当たり終了時設定データテーブル)
図7は、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブルである。図7に示す大当たり終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された当選時の遊技状態とに基づき、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定が行われる。
ここで、「遊技状態バッファ」には、大当たり当選時の遊技状態を示すデータが記憶されている。そして、遊技状態は、リミッタ機能の有無、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。
また、「リミッタ機能」とは、高確率遊技状態が所定の規定回数(例えば10回)まで連続して決定されたときに、高確率遊技状態の決定を規制して低確率遊技状態を決定させる機能である。詳しくは後述するが、高確率遊技状態が所定の規定回数まで連続して決定されると、高確率決定規制フラグがオンとなる。
そして、大当たり当選時には、現在の遊技状態に基づいて「遊技状態バッファ」に所定のデータを記憶させる。
具体的には、リミッタ機能が作動しておらず、非時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「00H」をセットし、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「01H」をセットする。また、リミッタ機能が作動しておらず、時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「02H」をセットし、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「03H」をセットする。一方、リミッタ機能が作動して、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「04H」をセットし、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「05H」をセットする。
なお、高確率遊技状態でなければ、リミッタ機能が作動しない(高確率決定規制フラグはオンにならない)ので、リミッタ機能が作動している場合には低確率遊技状態であることは存在しない。
図7のテーブルの第1の特徴としては、遊技状態バッファに記憶された大当り当選時の遊技状態に基づいて時短遊技フラグの設定や時短回数を異ならせている。
具体的には、同じ特別図柄の種別であっても、遊技状態バッファにリミッタ機能が作動していない遊技状態の情報(01H〜03H)が記憶されていれば、時短遊技フラグのセットは行わず、時短回数(J)も0回にセットする。一方、遊技状態バッファにリミッタ機能が作動している遊技状態の情報(04H、05H)が記憶されていれば、時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)も100回にセットする。
これにより、遊技状態によって、時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態が何であるかの楽しみを遊技者に付与することができる。
図7のテーブルの第2の特徴としては、リミッタ機能が作動している遊技状態バッファ(「04H」または「05H」)のときには、高確率遊技状態に移行されないように構成されている。これにより、いわゆるリミッタ機能により、高確率遊技状態への移行を規制することができる。
(特別電動役物作動態様決定テーブル)
図8は、大入賞口開閉扉16bの開閉条件を決定するための大入賞口16の開放態様テーブルを決定するためのテーブルである。図8のテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファとに基づいて、複数の開放態様テーブルの中から1つの開放態様テーブル(短当たり1TBLまたは短当たり2TBL)を決定する。
ここで、本実施形態における図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルの特徴としては、同じ停止図柄データであっても、遊技状態バッファに記憶された遊技状態(リミッタ機能の作動の有無)に基づいて、異なる開放態様テーブル(短当たり1TBLまたは短当たり2TBL)を決定するように構成されている。
このため、遊技状態(リミッタ機能の作動の有無)によって、大入賞口16の開放態様が異なるようになっている。
(大入賞口の開放態様テーブル)
図9は、図8で決定された大入賞口16の開放態様テーブル(短当たり1TBLまたは短当たり2TBL)の構成を示す図である。
具体的には、各開放態様テーブルには、大当りの開始から最初のラウンド遊技を実行するまでの開始インターバル時間と、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放回数(K)、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放時間、1つのラウンド遊技から次のラウンド遊技を実行するまでの大入賞口16の閉鎖インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
例えば、短当たり1TBLは、開始インターバル時間が3.0秒に設定され、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放回数(K)は1回に設定され、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放時間は0.052秒に設定され、閉鎖インターバル時間は2.0秒に設定され、終了インターバル時間は4.0秒に設定されている。
従って、大当り遊技が開始されてから大当り遊技が終了するまでの大当たりの合計時間は11.104秒に設定されていることになる。
これに対して、短当たり2TBLは、開始インターバル時間が0.004秒に設定され、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放回数(K)は1回に設定され、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放時間は0.052秒に設定され、閉鎖インターバル時間は1.5秒に設定され、終了インターバル時間は0.004秒に設定されている。
従って、大当り遊技が開始されてから大当り遊技が終了するまでの大当たりの合計時間は3.060秒に設定されていることになる。
また、図9に示す短当たり1TBLと短当たり2TBLとを比較すると、短当たり2TBLは、短当たり1TBLと比べて大当り遊技の消化時間が短く設定されている。
すなわち、図8ではリミッタ機能が作動していないと短当たり1TBLが決定され、リミッタ機能が作動していると短当たり2TBLが決定されることから、リミッタ機能が作動すると、大当り遊技の消化時間が短くなることになる。
また、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放時間(0.052秒)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(約0.600秒)よりも短いため、大入賞口開閉扉16bが作動したとしても、大入賞口16に遊技球が入賞することが極めて困難である。
従って、本実施形態における大当たり遊技では、大入賞口16への遊技球の入賞によって遊技球を獲得することが、ほとんど期待できないことになる。
なお、図示は省略するが、1つのラウンド遊技における大入賞口16への遊技球の規定個数は、10個に設定されている。すなわち、大入賞口16の開放時間(0.052秒)が経過する前に10個の遊技球が入球すると、大入賞口16の開放時間の経過を待たずに、1回のラウンド遊技が終了する。
しかしながら、本実施形態における0.052秒という大入賞口16の開放時間では、大入賞口16の開放時間が経過する前に10個の遊技球が入球するということは事実上あり得ないことになる。このため、1つのラウンド遊技は、必ず大入賞口16の開放時間の経過とともに終了することになる。
なお、本実施形態では、短当たり1TBLと短当たり2TBLとでは、開始インターバル時間、閉鎖インターバル時間、終了インターバル時間との3種類の時間をそれぞれ異ならせたが、3種類の時間のうちで、1種類の時間のみを異ならせてもよいし、2種類の時間を異ならせてもよい。さらには、各ラウンド遊技における大入賞口16の開放時間を異ならせてもよい。
(始動口の開放態様テーブル)
図10は、始動口15に設けられた可動片15bに対する始動口の開放態様テーブルの詳細を示す図である。
具体的には、「普通図柄の抽選」の1回の当たりに対する始動口15に入賞可能な遊技球の最大個数を示す「規定個数」、普通図柄の停止表示から始動口15を開放させるまでの「開放待機時間」、1回の当たりにおける始動口15の「開放回数(K)」、始動口15の「開放時間」がそれぞれ対応付けられて記憶されている。
本実施形態の始動口の開放態様テーブルでは、非時短遊技状態であれば、始動口15を最大1秒まで開放させることができる。ただし、開放時間が1秒を経過するまでに、規定個数(10個)の遊技球が始動口15に入賞すると、始動口15の開放が終了することになる。
また、始動口15に対しては15個の賞球が設定され、始動口15に遊技球が入賞する毎に、15個の遊技球が払い出されることになる。これにより、時短遊技状態であれば、始動口15の1回の開放につき、最大150個(10個×15賞球)の遊技球が獲得できることになる。
特に、図10に示す始動口の開放態様テーブルでは、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも開放時間が長く、有利な開放態様となっている。このため、「普通図柄の抽選」に当選していれば、時短遊技状態のときには始動口15を有利な開放態様で開放させ、所定個数の遊技球を獲得できるという新たな遊技性を付与することができる。
なお、図10に示す始動口の開放態様テーブルでは、時短遊技状態の方が非時短遊技状態よりも有利な開放態様となっているが、時短遊技状態の方が非時短遊技状態より不利な開放態様にならなければよく、非時短遊技状態と時短遊技状態とで同一の開放態様であってもよい。
(特別図柄の変動パターン決定テーブル)
図11は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図11に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、特別図柄の変動開始時の遊技状態および大当たりの抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。従って、「特別図柄の変動パターン」は、少なくとも大当たりの抽選結果と特別図柄の変動時間との情報を定めたものといえる。
この図11に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、時短遊技状態の場合には、非時短遊技状態の場合よりも短い特別図柄の変動時間(1秒)を決定するように構成している。このため、時短遊技状態の場合には大当たりの抽選結果が素早く実行されることになる。
(普通図柄の変動パターン決定テーブル)
図12は、後述するように普通図柄の変動パターンを決定する普通図柄の変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図12に示す普通図柄の変動パターン決定テーブルによって、時短遊技状態の有無、普通図柄の抽選結果および普図変動用乱数値に基づいて、普通図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に普通図柄の情報を送信する普通図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。従って、「普通図柄の変動パターン」とは、少なくとも普通図柄の抽選結果及び普通図柄の変動時間を定めるものといえる。なお、普図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
また、この図12に示す普通図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、時短遊技状態の場合には、非時短遊技状態の場合よりも短い普通図柄の変動時間(0.6秒)を決定するように構成している。このため、時短遊技状態の場合には普通図柄の抽選結果が素早く実行されることになる。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、「低確率遊技状態」「高確率遊技状態」「時短遊技状態」「非時短遊技状態」のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。ただし、遊技の進行中において、遊技状態が「低確率遊技状態」または「高確率遊技状態」である場合には、必ず「時短遊技状態」または「非時短遊技状態」となっている。つまり、(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とが存在することとなる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が254/256に設定された遊技状態をいう。
これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が255/256に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/256に設定され、かつ、当たりに当選した際の始動口15の開放時間が1秒と短く設定された遊技状態をいう(図5および図10参照)。
これに対して「時短遊技状態」というのは、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、当たりに当選する確率が、非時短遊技状態よりも向上し255/256に設定され、かつ、当たりに当選した際の始動口15の開放時間が6秒と長く設定された遊技状態をいう(図5および図10参照)。また、「時短遊技状態」においては、当たりに当選した際の普通図柄の変動時間を0.6秒と短く設定し、普通図柄の抽選結果を素早く実行するように構成している(図12参照)。
本実施形態では、時短遊技状態が特定遊技状態を構成し、非時短遊技状態が非特定遊技状態を構成する。
また、始動口15が遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
そして、主制御基板110においては、メインRAM110cの遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にフラグを記憶することによって、現在の遊技状態が上記のいずれの遊技状態であるのかを把握するようにしている。
また、遊技状態がある遊技状態から他の遊技状態に変更するのは、上記大当たりの抽選の結果、大当たりに当選し、大当たり遊技を終了した後である。本実施形態においては、そして、大当たり終了後に大当たり図柄の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する(図7参照)。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図13を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU110aは、普通図柄の変動態様(変動時間)を決定するための普図変動用乱数値の更新を行う普図変動用乱数更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値をそれぞれ+1加算して更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図14を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を加算して更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この入力制御処理は、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、大入賞口検出スイッチ16a、始動口検出スイッチ15a、第1ゲート検出スイッチ13a、第2ゲート検出スイッチ14aの各種スイッチからの各種検出信号を入力したか否か判定し、各種のデータをセットする入力処理を行う。詳しくは、図15を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図16を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。詳しくは、図23を用いて後述する。
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理は、メインCPU110aは、一般入賞口12、始動口15、大入賞口16に遊技球が入賞したか否かの判定を行い、入賞があった場合には、それぞれの入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板103に送信する。
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
(主制御基板の入力制御処理)
図15を用いて、主制御基板110の入力制御処理を説明する。
まず、ステップS210において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口12に入賞したか否かを判定する。メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
ステップS220において、メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ16aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口16に入賞したか否かを判定する。メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ16aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口16に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタに+1を加算して更新する。
ステップS230において、メインCPU110aは、始動口検出スイッチ15aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が始動口15に入賞したか否かを判定する。メインCPU110aは、始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる始動口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。そして、特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値を取得して、取得した特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値を特図判定記憶領域に記憶する。
ただし、特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値を取得するのは、後述する特図乱数取得許可フラグ=00であるときのみである。すなわち、前回の「大当たりの抽選」に関する処理(特別図柄の変動表示および大当り遊技)が終了しているときのみである。
ステップS250において、メインCPU110aは、第1ゲート検出スイッチ13aまたは第2ゲート検出スイッチ14aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14を通過したか否かを判定する。メインCPU110aは、第1ゲート検出スイッチ13aまたは第2ゲート検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値を普図判定記憶領域に記憶する。
ただし、普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値を取得するのは、後述する普図乱数取得許可フラグ=00であるときのみである。すなわち、前回の「普通図柄の抽選」に関する処理(普通図柄の変動表示および始動口15の開閉制御)が終了しているときのみである。
(主制御基板の特図特電制御処理)
図16を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。詳しくは、図17〜図22を用いて後述する。
(主制御基板の特別図柄記憶判定処理)
図17を用いて、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS310−1において、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU110aは、特別図柄の変動中ではない場合には、特図判定記憶領域に特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値が記憶されているか否かを判定する。
メインCPU110aは、特図判定記憶領域に特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値が記憶されていると判定した場合にはステップS310−3に処理を移し、特図判定記憶領域に特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値が記憶されていない場合にはステップS319−1に処理を移す。
ステップS310−3において、メインCPU110aは、特図乱数取得許可フラグ=01をセットし、始動口15に遊技球が入賞したときに特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値を取得することを規制する。
ステップS311において、メインCPU110aは、特図判定記憶領域に記憶されたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。詳しくは、図18を用いて、後述する。
ステップS312においては、メインCPU110aは、変動パターン決定処理を行う。
変動パターン決定処理は、図11に示す変動パターン決定テーブルを参照して、時短遊技状態の有無および大当たりの抽選結果に基づいて、変動パターンを決定する。
ステップS313において、メインCPU110aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS314において、メインCPU110aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS315において、メインCPU110aは、特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
ステップS316において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに上記ステップS312において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS317において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに00Hをセットし、デモ判定フラグをクリアする。
ステップS318において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1をセットし、図19に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS319−1において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
ステップS319−2において、メインCPU110aは、後述するステップS319−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
ステップS319−3において、メインCPU110aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
(主制御基板の大当り判定処理)
図18を用いて、主制御基板110の大当り判定処理を説明する。
ステップS311−1において、メインCPU110aは、図5(a)の特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、確率遊技状態に基づいて、特図判定記憶領域に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」の乱数値であるか否かを判定する。
その判定結果として、大当りと判定された場合にはステップS311−2に処理を移し、大当りと判定されなかった場合にはステップS311−5に処理を移す。
ステップS311−2において、メインCPU110aは、図6の大当たりにおける図柄決定テーブルを参照し、特図判定記憶領域に記憶された大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする大当たり図柄決定処理を行う。
なお、決定された特別図柄は、後述するように図20の特別図柄停止処理において「大当たり」か「ハズレ」かを判定するのに用いられるとともに、図21の大当たり遊技処理や、図22の大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するためにも用いられる。
ステップS311−3において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS311−4において、メインCPU110aは、高確率決定規制フラグを参照し、遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にセットされた情報から大当たり当選時の遊技状態を判定し、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態情報を遊技状態バッファにセットする。
具体的には、高確率決定規制フラグがオフである場合において、非時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「00H」をセットし、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「01H」をセットし、時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「02H」をセットし、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「03H」をセットする。また、高確率決定規制フラグがオンである場合において、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「04H」をセットし、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば遊技状態バッファに「05H」をセットする。
このように遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)とは別に、遊技状態バッファに大当たり当選時の遊技状態をセットすることとしたのは、大当たり遊技中には遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にある高確率遊技フラグや時短遊技フラグがリセットされてしまうため、大当たり終了後に大当たりの当選時の遊技状態に基づいて、新たに大当たり終了時の遊技状態を決定する場合には、遊技状態記憶領域を参照することができないからである。このように、遊技状態記憶領域とは別に、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技情報を記憶するための遊技状態バッファを設けることにより、大当たり終了後に遊技状態バッファにある遊技情報を参照することで、大当たり当選時の遊技状態に基づいて新たに大当たり終了後の遊技状態(時短遊技状態や時短回数など)を設定できる。
ステップS311−5において、メインCPU110aは、大当たりの抽選結果がハズレであったことから、停止図柄データとして「00」(特別図柄0)を決定し、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS311−6において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドとして「E0H00H」を生成し、演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。
本実施形態では、大当たり判定処理を行うメインCPU110aが特別遊技判定手段を構成する。
(主制御基板の特別図柄変動処理)
図19を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
ステップS320−1において、メインCPU110aは、ステップS316においてセットされた変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS320−2において、メインCPU110aは、セットされた時間を経過したと判定した場合には、上記ステップS315でセットされた変動表示データをクリアして、上記ステップS311−2、S311−5でセットされた特別図柄を特別図柄表示装置21に停止表示させるための、停止図柄データを所定の処理領域にセットする。これにより、特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
ステップS320−3において、メインCPU110aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS320−4において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(0.5秒=125カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に1を減算して更新されていく。
ステップS320−5において、メインCPU110aは、特図特電処理データに2をセットし、図20に示す特別図柄停止処理に処理を移して、特別図柄変動処理を終了する。
本実施形態では、特別図柄記憶判定処理および特別図柄変動処理を行うメインCPU110aが特別図柄表示制御手段を構成する。
(主制御基板の特別図柄停止処理)
図20を用いて、特別図柄停止処理を説明する。
ステップS330−1において、メインCPU110aは、ステップS320−4においてセットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS330−2において、メインCPU110aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされているか否かを判定し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされている場合には、時短回数(J)記憶領域に記憶されている時短回数(J)から1を減算して更新し、新たな残り時短回数(J)が「0」か否かを判定する。その結果、残り時短回数(J)が「0」である場合には、時短遊技フラグ記憶領域にセットされているフラグをクリアし、残り時短回数(J)が「0」でない場合には、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをセットしたまま、ステップS330−3に処理を移す。
一方、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされていない場合には、そのままステップS330−3に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU110aは、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされているか否かを判定し、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされている場合には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている高確率遊技回数(X)から1を減算して更新し、新たな残り高確率遊技回数(X)が「0」か否かを判定する。その結果、残り高確率遊技回数(X)が「0」である場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをクリアし、残り高確率遊技回数(X)が「0」でない場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをセットしたまま、ステップS330−4に処理を移す。
一方、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされていない場合には、そのままステップS330−4に処理を移す。
ステップS330−4において、メインCPU110aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−5において、メインCPU110aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜03?)のものであるか否かを判定する。ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−9に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−6において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図17に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
ステップS330−7において、メインCPU110aは、特図判定記憶領域に記憶された特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値をクリアする。
ステップS330−8において、メインCPU110aは、特図乱数取得許可フラグ=00をセットし、始動口15に遊技球が入賞したときに特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値を取得することを許可する。
ステップS330−9において、メインCPU110aは、特図特電処理データに3をセットし、図21に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS330−10において、メインCPU110aは、遊技状態や時短回数をリセットする。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
ステップS330−11において、メインCPU110aは、大当たり遊技が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−12において、メインCPU110aは、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、停止図柄データ記憶領域にセットされている停止図柄データに基づいて、大入賞口16の開放態様テーブルを決定する開放態様決定処理を行う。
ステップS330−13において、メインCPU110aは、上記ステップS330−12で決定された大入賞口16の開放態様テーブル(短当たり1TBLまたは短当たり2TBL)に基づいて、開始インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理を終了したら、特別図柄停止処理を終了する。
(主制御基板の大当たり遊技処理)
図21を用いて、大当たり遊技処理を説明する。
まず、ステップS340−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。具体的には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「0」が記憶されていれば、現在オープニング中であるので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域を参照し、現在オープニング中であるか判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S340−6に処理を移す。
ステップS340−2において、メインCPU110aは、予め設定された開始インターバル時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、開始インターバル時間を経過したと判定する。その結果、開始インターバル時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、開始インターバル時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
ステップS340−3において、メインCPU110aは、大当たり開始設定処理を行う。
大当たり開始設定処理は、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「1」を加算して記憶する。なお、本ステップS340−3においては、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」が記憶されることとなる。
ステップS340−4において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して更新する。また、大入賞口開閉扉16bを開放するために、大入賞口開閉ソレノイド16cを通電させる通電データをセットするとともに、上記ステップS330−12において決定された開放態様決定テーブル(図9参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、大入賞口16の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−5において、メインCPU110aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板120にラウンド回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じて大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、大当たりの1ラウンド目の開始においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」にセットされ、K=1となっているので、大入賞口開放1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
ステップS340−6において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS340−18に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS340−7に処理が移される。
ステップS340−7において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、大入賞口開閉ソレノイド16cを通電させる通電データ(開放中のデータ)がセットされている否かが判定される。その結果、大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS340−8に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS340−9に処理を移す。
ステップS340−8において、メインCPU110aは、後述するステップS340−10において設定された閉鎖インターバル時間が経過したか判定される。なお、閉鎖インターバル時間は、後述するステップS340−10において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖インターバル時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖インターバル時間を経過している場合にはステップS340−4に処理を移す。
ステップS340−9において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(10個)に達したこと、または開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340−10に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−10において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、大入賞口開閉扉16bを閉鎖するために、大入賞口開閉ソレノイド16cを通電させる通電データを停止(クリア)するとともに、上記ステップS330−12において決定された開放態様決定テーブル(図9参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、大入賞口16の閉鎖インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
ステップS340−11において、メインCPU110aは、1つのラウンド遊技が終了したか否かを判定する。具体的には、1つのラウンド遊技は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(10個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、1つのラウンド遊技が終了したと判定した場合にはステップS340−12に処理を移し、1つのラウンド遊技が終了していないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−12において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットする。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS340−13において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS340−15に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS340−14に処理を移す。
ステップS340−14において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
ステップS340−15において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
ステップS340−16において、メインCPU110aは、停止図柄データに応じて、大当たりの種別に応じたエンディングコマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS340−17において、メインCPU110aは、上記ステップS330−12において決定された開放態様決定テーブル(図9参照)を参照して、終了インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−18において、メインCPU110aは、終了インターバル時間を経過したか否かを判定し、終了インターバル時間を経過したと判定した場合にはステップS340−19において、メインCPU110aは、特図特電処理データに4をセットし、図22に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。一方、終了インターバル時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
(主制御基板の大当たり遊技終了処理)
図22を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。
ステップS360−1において、メインCPU101aは、停止図柄データ記憶領域にセットされた停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報をロードする。
ステップS360−2において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、大当り終了時に高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止図柄データ=01であって、遊技状態バッファが「00H」であると、高確率遊技状態に移行させることを決定し、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットする。
なお、上述した通り、高確率決定規制フラグがオンであるとき(遊技状態バッファ=04H、05Hのとき)には、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグがセットされないようになっており、高確率決定規制フラグにより高確率遊技状態への移行が規制されている。
ステップS360−3において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、高確率遊技回数(X)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データ=01であって、遊技状態バッファが「00H」であると、高確率遊技回数(X)記憶領域に10000をセットする。
ステップS360−4において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止図柄データ=01であって、遊技状態バッファが「00H」であると、時短遊技状態に移行させることを決定し、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットする。
ステップS360−5において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データ=01であって、遊技状態バッファが「00H」であると、時短回数(J)記憶領域に100をセットする。
ステップS360−6において、メインCPU101aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットされているか否かの判定を行う。
高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットされていると判定した場合には、ステップS360−7に処理を移し、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットされていないと判定した場合には、ステップS360−10に処理を移す。
ステップS360−7において、メインCPU101aは、リミッタ回数記憶領域にあるリミッタ回数に1加算して更新する。
ステップS360−8において、メインCPU101aは、リミッタ回数記憶領域にあるリミッタ回数が規定回数(10回)であるか否かを判定する。
リミッタ回数記憶領域にあるリミッタ回数が規定回数(10回)であると判定した場合には、ステップS360−9に処理を移し、リミッタ回数記憶領域にあるリミッタ回数が規定回数(10回)でないと判定した場合には、ステップS360−12に処理を移す。
ステップS360−9において、メインCPU101aは、高確率決定規制フラグをセットする(高確率決定規制フラグをオンにする)。これにより、次回の高確率遊技状態への移行を規制することができる。
ステップS360−10において、メインCPU101aは、リミッタ回数記憶領域にあるリミッタ回数をクリアする。すなわち、リミッタ回数記憶領域にあるリミッタ回数に0をセットする。
ステップS360−11において、メインCPU101aは、高確率決定規制フラグをクリアする(高確率決定規制フラグをオンにする)。
ステップS360−12において、メインCPU101aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS360−13において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図15に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
ステップS360−14において、メインCPU101aは、特図乱数取得許可フラグ=00をセットし、始動口15に遊技球が入賞したときに特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値を取得することを許可する。本処理を終了すると、大当たり遊技終了処理を終了する。
(主制御基板の普図普電制御処理)
図23を用いて、普図普電制御処理を説明する。
まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば普通図柄変動処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データタ=1であれば普通電動役物制御処理(ステップS420)に処理を移す。詳しくは、図24、図25を用いて後述する。
(主制御基板の普通図柄変動処理)
図24を用いて、普通図柄変動処理を説明する。
ステップS410−1において、メインCPU110aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定する。普通図柄の変動表示中であればステップS410−8に処理を移し、普通図柄の変動表示中でなければステップS410−2に処理を移す。
ステップS410−2において、メインCPU110aは、普通図柄の変動中ではない場合には、普図判定記憶領域に普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値が記憶されているか否かを判定する。
メインCPU110aは、普図判定記憶領域に普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値が記憶されていると判定した場合にはステップS410−3に処理を移し、普図判定記憶領域に普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値が記憶されていない場合には、今回の普通図柄変動処理を終了する。
ステップS410−3において、メインCPU110aは、普図乱数取得許可フラグ=01をセットし、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14に遊技球が通過したときに普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値を取得することを規制する。
ステップS410−4において、メインCPU110aは、普図判定記憶領域に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」ものであるかの判定を行う。
具体的には、図5(b)に示す当たり判定テーブルを参照し、取得した普通図柄判定用乱数値に基づいて、当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、非時短遊技状態であれば「0」〜「255」の普通図柄判定用乱数値のうち「0」の1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定され、時短遊技状態であれば「0」〜「255」の当たり乱数のうち「0」〜「254」の255個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定され、その他の乱数値はハズレと判定される。
ステップS410−5において、メインCPU110aは、上記ステップS410−4の当たり判定処理の判定の結果を参照して、普通図柄決定処理を行う。
この普通図柄決定処理は、当たり判定処理において当たりと判定された場合には「当たりの普通図柄」を決定し、ハズレと判定された場合には「ハズレの普通図柄」を決定し、決定した普通図柄のデータを普通図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS410−6において、メインCPU110aは、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータを参照して、普通図柄の変動時間決定処理を行う。
この普通図柄の変動時間決定処理は、図12に示す普通図柄の変動パターン決定テーブルを参照し、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータと上記ステップS410−4の当たり判定処理の判定の結果と取得した普図変動用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動時間を決定する。
具体的には、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされている場合(時短遊技状態の場合)には0.6秒を決定し、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされていない場合(非時短遊技状態の場合)には、10秒〜30秒の変動時間を決定する。その後、決定した変動時間に対応するカウンタを普通図柄時間カウンタにセットする。なお、普通図柄時間カウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS410−7において、メインCPU110aは、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示というのは、普通図柄表示装置22においてLEDを所定の間隔で点滅させるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS410−6において設定された時間だけ継続して行われることとなる。本処理を終了すると、普通図柄変動処理が終了する。
ステップS410−8において、メインCPU110aは、上記ステップS410−1において普通図柄の変動表示中であると判定した場合、設定された変動時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普通図柄時間カウンタ=0であるか否かを判定する。その結果、設定された変動時間を経過していないと判定した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
ステップS420−10において、メインCPU110aは、設定された変動時間を経過したと判定した場合には、普通図柄表示装置22には、ステップS410−5において普通図柄データ記憶領域にセットされた普通図柄のデータに対応する普通図柄(当たり図柄またはハズレ図柄)を停止表示させる停止表示データをセットする。これにより、普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
また、前回のルーチンの処理において停止表示データがセットされておらず、今回のルーチンの処理において初めて停止表示データをセットするとき(停止表示データのオンエッジのとき)には、普通図柄の停止表示をさせるための普通図柄の停止時間(0.5秒)を普通図柄時間カウンタにセットする。
ステップS410−10において、メインCPU110aは、普通図柄の停止時間が経過したか否か、すなわち普通図柄時間カウンタ=0であるか否かを判定する。
メインCPU110aは、普通図柄の停止時間が経過したと判定した場合にはステップS410−11に処理を移し、普通図柄の停止時間が経過していないと判定した場合には普通図柄変動処理を終了する。
ステップS410−11において、メインCPU110aは、設定されていた普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定し、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS410−12に処理を移し、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、普通図柄変動処理を終了する。
ステップS410−12において、メインCPU110aは、普図普電処理データ=1をセットし、普通電動役物制御処理に処理を移す。
ステップS410−13において、メインCPU110aは、始動口15を開放させるまでの開放待機時間を設定する開放待機間設定処理を行う。
この開放待機間設定処理は、図10に示す始動口の開放態様テーブルを参照し、普電待機時間カウンタに図10に示す開放待機時間(0.5秒)に対応するカウンタをセットする。
ステップS410−14において、メインCPU110aは、普図判定記憶領域に記憶された普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値をクリアする。
ステップS410−15において、メインCPU110aは、普図乱数取得許可フラグ=00をセットし、普通図柄変動処理を終了する。
これにより、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14に遊技球が通過したときに普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値を取得することが許可される。
(主制御基板の普通電動役物制御処理)
図25を用いて、普通電動役物制御処理を説明する。
ステップS420−1において、メインCPU110aは、開放待機時間が経過したか否かを判定する。すなわち、普電待機時間カウンタ=0であるか否かを判定する。
メインCPU110aは、開放待機時間が経過したと判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、開放待機時間が経過していないと判定した場合には普通図柄変動処理を終了する。
ステップS420−2において、メインCPU110aは、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータを参照して、始動口15の開放時間を設定する開放時間設定処理を行う。
この開放時間設定処理は、図10に示す始動口の開放態様テーブルを参照し、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされている場合(時短遊技状態の場合)には、普電開放時間カウンタに6秒に対応するカウンタをセットし、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされていない場合(非時短遊技状態の場合)には、普電開放時間カウンタに1秒に対応するカウンタをセットする。
ステップS420−3において、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド15cに通電を開始する。これにより、始動口15が開放して第2の態様に制御されることとなる。
ステップS420−4において、メインCPU110aは、演出制御基板120に始動口15が開放した情報を送信するため、普電開放指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS420−5において、メインCPU110aは、設定された普電開放時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普電開放時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、セットされた普電開放時間カウンタ=0となったか否かを判定する。
メインCPU110aは、設定された普電開放時間を経過したと判定した場合にはステップS420−6に処理を移し、設定された普電開放時間を経過していないと判定した場合には普通図柄変動処理を終了する。
ステップS420−6において、メインCPU110aは、設定された普電開放時間を経過したと判定されている場合には、始動口開閉ソレノイド15cの通電を停止する。これにより、始動口15は第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となり、実行されていた補助遊技が終了することとなる。
ステップS420−7において、メインCPU110aは、演出制御基板120に始動口15が閉鎖した情報を送信するため、普電閉鎖指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS420−8において、メインCPU110aは、普図普電処理データ=0をセットして図24の普通図柄変動処理に処理を移す。
ステップS420−9において、メインCPU110aは、普図判定記憶領域に記憶された普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値をクリアする。
ステップS420−10において、メインCPU110aは、普図乱数取得許可フラグ=00をセットし、普通電動役物制御処理を終了する。
これにより、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14に遊技球が通過したときに普通図柄判定用乱数値および普図変動用乱数値を取得することが許可される。
(コマンドの説明)
上述の主制御基板110におけるフローチャートでは一部説明を省略した主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの詳細について、図26を用いて説明する。
主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や高確率遊技状態を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。
「デモ指定コマンド」は、特別図柄表示装置21が作動していないことを示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。このデモ指定コマンドは、特別図柄表示装置21の変動表示が行われていないときに、演出制御基板120に送信される。
「特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。この特別図柄用変動パターン指定コマンドは、特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
「普通図柄用変動パターン指定コマンド」は、普通図柄表示装置22における普通図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。この普通図柄用変動パターン指定コマンドは、普通図柄表示装置22の普通図柄の変動表示が開始されるときに、決定された普通図柄の変動パターンに対応する普通図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数を示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、大当たりのラウンド数に合わせてDATAの情報が設定されている。この大入賞口開放指定コマンドは、大当りラウンドが開始されるときに、開始されたラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
「普電開放指定コマンド」は、始動口15が開放されていることを示すものであり、「MODE」が「E8H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。この普電開放指定コマンドは、始動口15が開放されているときに演出制御基板120に送信される。
「普電閉鎖指定コマンド」は、始動口15が閉鎖されていることを示すものであり、「MODE」が「E9H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。この普電閉鎖指定コマンドは、始動口15が閉鎖されているときに演出制御基板120に送信される。
「遊技状態指定コマンド」は、遊技状態を示すものであり、「MODE」が「EEH」で設定されており、高確率決定規制フラグ(リミッタ機能の作動の有無)、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)に基づいて、遊技状態指定コマンドの「DATA」が設定されている。具体的には、高確率決定規制フラグがオフである場合(リミッタ機能が作動していない場合)において、非時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「DATA」が「01H」に設定され、時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば「DATA」が「02H」に設定され、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「DATA」が「03H」に設定されている。また、高確率決定規制フラグがオンである場合(リミッタ機能が作動している場合)において、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「DATA」が「04H」に設定され、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「DATA」が「05H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動終了時、大当り遊技の開始時および大当りの終了時に、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
(演出制御基板のメイン処理)
図27を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値、演出図柄決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図28を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1400において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図29および図30を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種データをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信する。
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
(副制御基板のコマンド解析処理)
図29および図30を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図30のコマンド解析処理2は、図29のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1601において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1610に処理を移す。
ステップS1610において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1620に処理を移す。
ステップS1611において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1620において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1621に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1630に処理を移す。
ステップS1621において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、演出表示装置31に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す情報をサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1630において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1631に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1640に処理を移す。
ステップS1631において、サブCPU120aは、変動演出パターン決定処理を行う。
この変動演出パターン決定処理は、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値と受信した変動パターン指定コマンドとに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する。その後、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
その後、かかる演出パターンに基づいて、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。
ステップS1632において、サブCPU120aは、受信した変動パターン指定コマンドが、大当りの変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、大当りの変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドであると判定したときには、ステップS1633に処理を移し、大当りの変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドであると判定しなかったときには、コマンド解析処理を終了する。
ステップS1633において、サブCPU120aは、上乗せ報知フラグがオンになっているか否かを判定する。
サブCPU120aは、上乗せ報知フラグがオンになっていると判定したときには、ステップS1634に処理を移し、上乗せ報知フラグがオンになっていると判定しなかったときには、コマンド解析処理を終了する。
ここで、「上乗せ報知フラグ」とは、後述するように、リミッタ機能の作動が終了したときに、始動口15が未だ残存して開放状態となっているときにオンとなるフラグであり、次のステップS1634の上乗せ報知処理を行うための条件の1つである。
ステップS1634において、サブCPU120aは、リミッタ機能の作動が終了したものの、新たに大当り遊技が開始することを報知する上乗せ報知処理を行う。
この上乗せ報知処理は、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33および演出用照明装置34の少なくともいずれか1つの演出報知手段に、新たに大当り遊技が開始されたことを報知する「上乗せ報知」を実行させるために、「特定の報知データ」をサブRAM120cの送信バッファにセットする。
これにより、「特定の報知データ」を受信した画像制御基板150またはランプ制御基板140によって、演出表示装置31、音声出力装置32および演出用照明装置34の少なくともいずれか1つの演出報知手段において「上乗せ報知」が行われることになる。例えば、演出表示装置31において「大当り継続!」の文字を表示させたり、音声出力装置32において「キュイーン」というような特定の音を出力させたり、演出用照明装置34において特定のLEDを特定の発光態様で発光させたりする。
ステップS1640において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1641に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
ステップS1641において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、上記ステップS1631で決定された演出図柄データに基づくデータと、演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
ステップS1650において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普電開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが普電開放指定コマンドであれば、ステップS1651に処理を移し、普電開放指定コマンドでなければステップS1652に処理を移す。
ステップS1651において、サブCPU120aは、始動口15が開放した情報を保存するために、始動口開放フラグをオンにする。
ステップS1652において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普電閉鎖指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが普電閉鎖指定コマンドであれば、ステップS1653に処理を移し、普電閉鎖指定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
ステップS1653において、サブCPU120aは、始動口15が閉鎖した情報を保存するために、始動口開放フラグをオフにする。
ステップS1654において、サブCPU120aは、上乗せ報知を行わないように上乗せ報知フラグをオフにする。
ステップS1660において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1661に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1670に処理を移す。
ステップS1661において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態の情報を、サブRAM120cの遊技状態記憶領域にセットする。
具体的には、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、リミッタ機能が作動していないときに、非時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば「00H」、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「01H」、時短遊技状態かつ低確率遊技状態であれば「02H」、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「03H」をそれぞれサブRAM120cの遊技状態記憶領域にセットする。また、リミッタ機能が作動しているときに、非時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「04H」、時短遊技状態かつ高確率遊技状態であれば「05H」をそれぞれサブRAM120cの遊技状態記憶領域にセットする。
なお、サブRAM120cの遊技状態記憶領域に記憶された遊技状態の情報とメインRAM110cの遊技状態記憶領域に記憶された遊技状態の情報とは、基本的に同じ内容を示すものの、サブRAM120cの遊技状態記憶領域に記憶された遊技状態の情報は、大当り遊技中にも保持されるものの、メインRAM110cの遊技状態記憶領域に記憶された遊技状態の情報は、大当り遊技中にはクリアされる点で相違している。
ステップS1662において、サブCPU120aは、サブRAM120cの遊技状態記憶領域にセットされた情報を参照し、リミッタ機能が作動している遊技状態(04H、05H)であれば、サブRAM120cにあるリミッタ作動フラグをオンにし、リミッタ機能が作動していない遊技状態(00H〜03H)であれば、サブRAM120cにあるリミッタ機能作動フラグをオフにする。
ステップS1663において、サブCPU120aは、サブRAM120cにあるリミッタ作動フラグがオンからオフに設定されたか否かを判定する。
サブCPU120aは、リミッタ作動フラグがオフに設定されたと判定したときには、ステップS1664に処理を移し、リミッタ作動フラグがオフに設定されたと判定しなかったときには、コマンド解析処理を終了する。
ステップS1664において、サブCPU120aは、始動口開放フラグがオンになっているか否かを判定する。
サブCPU120aは、始動口開放フラグがオンになっていると判定したときには、ステップS1665に処理を移し、始動口開放フラグがオンになっていると判定しなかったときには、コマンド解析処理を終了する。
ステップS1665において、サブCPU120aは、上乗せ報知を行うための条件である上乗せ報知フラグをオンにする。
ステップS1670において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1671に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1680に処理を移す。
ステップS1671において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1680において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1681に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1690に処理を移す。
ステップS1681において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1690において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1691に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1691において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、受信したエンディングコマンドとサブRAM120cの遊技状態記憶領域に記憶された遊技状態の情報とに基づいて、当たり終了演出パターンを決定する。
特に、同じ大当りを示すエンディングコマンドであっても、大当り当選時の遊技状態によって時短遊技状態への移行が異なる場合には、異なる当たり終了演出パターンを決定するように構成されている。すなわち、大当り当選時の遊技状態としてリミッタ機能が作動していない遊技状態(00H〜03H)のときには、大当り終了後に時短遊技状態に移行するので当たり終了演出パターン1を決定する。一方、大当り当選時の遊技状態としてリミッタ機能が作動している遊技状態(04H、05H)であれば、大当り終了後に時短遊技状態に移行しないので当たり終了演出パターン2を決定する。これにより、時短遊技状態への移行の有無にあわせた当たり終了演出を実行することができる。
そして、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
次に、画像制御基板150とランプ制御基板140について簡単に概略を説明する。
画像制御基板150において、演出表示装置31を制御する際には、受信したデータに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御する。また、演出制御基板120から画像制御基板150にデータが送信されると、画像CPUが画像ROMからプログラムを読み出して、受信した演出用のコマンドに基づいて演出表示装置31における画像表示を制御する。
ランプ制御基板140においては、受信したデータに基づいて演出役物装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のデータに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34を制御する。
(タイムチャート)
次に、図31のタイムチャートを用いて、普通図柄表示装置22、始動口開閉ソレノイド15c、時短遊技フラグ(時短遊技状態)、高確率遊技フラグ(高確率遊技状態)、高確率決定規制フラグ(リミッタ機能)、特別図柄表示装置21、大当り遊技(大当り遊技処理の実行)、大入賞口開閉ソレノイド16cおよび上乗せ報知の関係について説明する。
なお、特別図柄の停止表示および普通図柄の停止表示には、それぞれ停止表示時間が設けてあるが、極めて短い時間であり、説明の簡素化のため、本タイムチャートでは省略することにする。
まず、図31の(ア)においては、リミッタ機能が作動しておらず、時短遊技状態かつ高確率遊技状態である場合に、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14に遊技球が通過し、普通図柄の抽選の結果として、普通図柄表示装置22には「当たり」に対応する普通図柄が停止表示されている。
その結果として、始動口開閉ソレノイド15cが作動して、始動口15がT1まで開放される。このとき時短遊技状態であるから、始動口15の開放時間(T1)として6秒が決定される(図10参照)。
図31の(イ)においては、開放した始動口15に遊技球に遊技球が入賞し、「大当たりの抽選」が行われ、特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示を開始する。
このとき時短遊技状態であるから、特別図柄の変動表示は1秒間しか行われない(図11参照)。
なお、ここでの大当たりの抽選では、「大当たり」と判定されたものとする。
図31の(ウ)においては、大当たりの抽選の結果として、特別図柄表示装置21には「大当たり」に対応する特別図柄が停止表示されている。
その結果として、大入賞口開閉ソレノイド16cが作動して、大入賞口16が開放される大当たり遊技がT2まで実行される。
このときリミッタ機能が作動していない時短遊技状態であるから、大当たり遊技の時間(T2)は11.104秒となる(図9参照)。
なお、この大当たり遊技中には、時短遊技フラグおよび高確率遊技フラグはオフになり、大当たり遊技中には非時短遊技状態かつ低確率遊技状態となる。
図31の(エ)においては、大当たり遊技が終了して、時短遊技フラグおよび高確率遊技フラグをオンにしている。すなわち、大当たり遊技終了後に、時短遊技状態かつ高確率遊技状態に移行している。
この高確率遊技状態が決定されたときには、リミッタ回数が10回となり、高確率決定規制フラグをオンにしている。これにより、リミッタ機能が作動し、次回の高確率遊技状態への移行が規制される。
図31の(オ)においては、リミッタ機能が作動して、時短遊技状態かつ高確率遊技状態である場合に、第1普通図柄ゲート13または第2普通図柄ゲート14に遊技球が通過し、普通図柄の抽選の結果として、普通図柄表示装置22には「当たり」に対応する普通図柄が停止表示されている。
その結果として、図31の(ア)と同様に、始動口15が最大6秒まで開放される(図10参照)。
図31の(カ)においては、開放した始動口15に遊技球に遊技球が入賞し、「大当たりの抽選」が行われ、特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示を開始する。
このときも時短遊技状態であるから、図31の(イ)と同様に、特別図柄の変動表示は1秒間しか行われない(図11参照)。
なお、ここでの大当たりの抽選でも、「大当たり」と判定されたものとする。
図31の(キ)においては、大当たりの抽選の結果として、特別図柄表示装置21には「大当たり」に対応する特別図柄が停止表示されている。
その結果として、大入賞口開閉ソレノイド16cが作動して、大入賞口16が開放される大当たり遊技がT3まで実行される。
このときリミッタ機能が作動している時短遊技状態であるから、大当たり遊技の時間(T3)は、始動口15の開放時間(6秒)よりも短い3.06秒に設定される(図9参照)。
図31の(ク)においては、大当たり遊技が終了して、リミッタ機能により高確率遊技フラグがオフになり、時短遊技フラグもオフにしている。すなわち、大当たり遊技終了後に、リミッタ機能により、遊技者にとって有利な状態が終了してしまったことになる。
しかしながら、図31の(キ)において上述した通り、大当たり遊技の時間(T3)は、始動口15の開放時間(T1)よりも短いことから、その大当たり遊技の終了後には、未だ始動口15が開放状態となっていることがある。図31の斜線部は、大当たり遊技の終了後に始動口15が未だ開放状態となっていることを示している。
これにより、リミッタ機能により高確率遊技状態への移行が規制されているときに大当たり遊技が行われても、大当たり遊技の終了後に未だ開放状態となっている始動口15に遊技球を入賞させて、再び大当たり遊技に移行させることに期待を持たせることができる。
図31の(ケ)においては、残存して開放している始動口15に遊技球が入賞し、「大当たりの抽選」により「大当たり」と判定されて、その結果として「上乗せ報知」が作動している。
これにより、再度大当たりが継続するということを認識でき、遊技者により大きな喜びを与え、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、残存して開放している始動口15に遊技球が入賞し、大当たりであるとすぐさま「上乗せ報知」を作動させるように構成したが、所定のタイミングを待って「上乗せ報知」を作動させてもよい。例えば、大入賞口16の開放とともに「上乗せ報知」を作動させてもよいし、再度の大当たり遊技の終了後に「上乗せ報知」を作動させてもよい。