JP5563180B2 - 97位と98位との間に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するi−s1及びi−s2サブグループのズブチラーゼ酵素 - Google Patents

97位と98位との間に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するi−s1及びi−s2サブグループのズブチラーゼ酵素 Download PDF

Info

Publication number
JP5563180B2
JP5563180B2 JP2000620064A JP2000620064A JP5563180B2 JP 5563180 B2 JP5563180 B2 JP 5563180B2 JP 2000620064 A JP2000620064 A JP 2000620064A JP 2000620064 A JP2000620064 A JP 2000620064A JP 5563180 B2 JP5563180 B2 JP 5563180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subtilase
enzyme
amino acid
present
subtilisin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000620064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003500048A (ja
Inventor
アンデルセン,キム ビルボウル
エフ. ミッケルセン,フランク
ハンセン,ペーテル カンプ
ネレガールト−マドセン,マズ
アンデルセン,カルステン
Original Assignee
ノボザイムス アクティーゼルスカブ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=8096550&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP5563180(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by ノボザイムス アクティーゼルスカブ filed Critical ノボザイムス アクティーゼルスカブ
Publication of JP2003500048A publication Critical patent/JP2003500048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5563180B2 publication Critical patent/JP5563180B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D3/00Other compounding ingredients of detergent compositions covered in group C11D1/00
    • C11D3/16Organic compounds
    • C11D3/38Products with no well-defined composition, e.g. natural products
    • C11D3/386Preparations containing enzymes, e.g. protease or amylase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/52Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from bacteria or Archaea
    • C12N9/54Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from bacteria or Archaea bacteria being Bacillus

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

技術分野
本発明は95〜103位の活性部位ループ(b)領域の97位において少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するI−S1及びI−S2サブグループの新規のズブチラーゼ酵素に関連する。これらのプロテアーゼは洗剤、クリーニング及び洗浄組成物において使用したときに優れた又は向上した洗浄性能を発揮させるのに有用である。本発明は更に適当な宿主細胞もしくは生物に挿入されたときに当該酵素の発現をコードする遺伝子、並びにそれにより形質転換されて当該酵素変異体を発現できる宿主細胞、及びかかる新規酵素を生産するための方法に関連する。
発明の背景
洗剤産業において、ここ30年以上酵素が洗浄製剤に利用されてきた。かかる製剤に利用されている酵素にはプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、その他の酵素、又はそれらの混合物が含まれる。商業的に最も重要なのはプロテアーゼである。
商業的利用が高まっているプロテアーゼは天然野生型プロテアーゼのタンパク質工学変異体、例えばDURAZYM(登録商標)(Novo Nordisk A/S)、RELASE(登録商標)(Novo Nordisk A/S)、MAXAPEM(登録商標)(Gist-Brocades, N.V. )、PURAFECT(登録商標)(Genecor International, Inc)である。
更なるプロテアーゼ変異体が当業界において、例えばEP 130756(GENENTECH )(US再発行特許第34,606号(GENENCOR));EP 214435(HENKEL);WO 87/04461(AMGEN );WO 87/05050(GENEX );EP 260105(GENENCOR);Thomas, Russell, and Fersht (1985) Nature 318 375-376; Thomas, Russell, and Fersht (1987) J.Mol.Biol. 193 803-813; Russel and Fersht Nature 328 496-500 (1987); WO 88/08028(Genex );WO 88/08033(Amgen );WO 95/27049(SOLVAY S.A. );WO 95/30011(PROCTER & GAMBLE COMPANY);WO 95/30010(PROCTER & GAMBLE COMPANY);WO 95/29979(PROCTER & GAMBLE COMPANY);US 5,543,302(SOLVAY S.A. );EP 251 446(GENENCOR);WO 89/06279(NOVO NORDISK A/S);WO 91/00345(NOVO NORDISK A/S);EP 525 610 A1(SOLVAY);及びWO 94/02618(GIST-BROCADES N.V.)に記載されている。
数多くの有用なプロテアーゼ変異体が発表されているにもかかわらず、様々な産業的用途のために新しい改良プロテアーゼ又はプロテアーゼ変異体のニーズが残っている。
従って、本発明の課題は特に洗剤産業において利用するための改良プロテアーゼ又はタンパク質工学プロテアーゼ変異体の提供にある。
発明の概要
本発明者は活性部位ループの少なくとも一つが現状公知のものより長いズブチリシンが洗浄組成物において向上した洗浄性能特性を発揮することを見い出した。その同定は、親野生型酵素と比べて洗浄組成物において向上した洗浄性能特性を発揮するズブチリシン変異体、特にズブチリシン309の変異体(BLSAVI又はSavinase(登録商標))の構築において行った。これは我々の先の出願DK 1332/97(WO 99/27082として公開)に記載されている。
95〜103位の活性部位ループ(b)領域の97位(又はむしろ97と98位との間)において少なくとも1個の追加アミノ酸残基を有するI−S1(真の「ズブチリシン」)及びI−S2(高アルカリ性ズブチリシン)の所定のズブチラーゼ又はその変異体が、現状公知の且つ前記出願において記載されているものと比較して驚くべきなどに向上した洗浄性能を発揮することが見い出された。WO 99/27082に記載の97位挿入変異体にはG97GASG,G97GAA,G97GAS,G97GAS+A98S+S99G,G97GGG+A98S+S99G,G97GAA+A98S+S99G,G97GASG+A98S+S99G+G100A+S101A及びG97GAA+A98S+S99G+S101Tが挙げられる。このような変異体は本発明の範囲には属しない。
本発明に係る改良プロテアーゼは天然資源からの単離により、又は野生型ズブチラーゼの97位と98位との間の活性部位ループ(b)における少なくとも1個の更なるアミノ酸残基の導入(挿入)により得られうる(活性部位ループ及び位置番号の定義については以下参照のこと)。
この発見はズブチリシン309で行われたものであるが、類似の好都合なズブチラーゼ又はズブチラーゼ変異体の生産又は単離が可能であろうと推定される。
更に、公知の野生型ズブチラーゼ、例えばズブチリシン309における対応の活性部位ループよりも長い活性部位ループ(b)を含んで成る新規の野生型ズブチラーゼを同定するために天然資源を特異的にスクリーニングすることが可能である。そのようなズブチラーゼは97位と98位との間に挿入アミノ酸残基を有し、且つその最も近縁な公知のズブチリシン、例えばズブチリシン309と比較して、洗剤において優れた洗浄性能を発揮するものと考えられうる。
アライメント及び番号付けについては、ズブチリシンBPN’(a)(BASBPN)とズブチリシン309(BLSAVI)(b)とのアライメント、及びズブチリシンBPN’(a)(BASBPN)とズブチリシン・カールスバーグ(Carlsberg)(g)とのアライメントを示している図1,1a,2及び2aを参照されたい。これらのアライメントは残基の番号付けのための参考として本願において利用する。
ここでは7本の活性部位ループ(a)〜(g)(表示の両末端アミノ酸残基を含む)は下記のセグメント内のアミノ酸残基を包含するものと定義する:
(a)アミノ酸残基33と43との間の領域;
(b)アミノ酸残基95と103との間の領域;
(c)アミノ酸残基125と132との間の領域;
(d)アミノ酸残基153と173との間の領域;
(e)アミノ酸残基181と195との間の領域;
(f)アミノ酸残基202と204との間の領域;
(g)アミノ酸残基218と219との間の領域。
従って、第一の態様において、本発明は95位〜103位の活性部位ループ(b)領域の97位において少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するI−S1及びI−S2サブグループの単離された(即ち、純度10%超の)ズブチラーゼ酵素に関連し、ここで当該追加のアミノ酸残基は97位と98位との間の少なくとも1個のアミノ酸残基の挿入に対応し、但し、当該ズブチラーゼ酵素は挿入G97GASG,G97GAA,G97GAS,G97GAS+A98S+S99G,G97GGG+A98S+S99G,G97GAA+A98S+S99G,G97GASG+A98S+S99G+G100A+S101A及びG97GAA+A98S+S99G+S101Tを含まないことを条件とする。
第二の態様において、本発明は本発明のズブチラーゼ変異体をコードする単離されたDNA配列に関連する。
第三の態様において、本発明は本発明のズブチラーゼ変異体をコードする単離されたDNA配列を含んで成る発現ベクターに関連する。
第四の態様において、本発明は第三の態様に従う発現ベクターで形質転換された微生物宿主細胞に関連する。
更なる態様において、本発明は本発明のズブチリシン酵素の生産に関連する。
本発明の酵素は一般に当該酵素が単離される微生物株を培養し、そして実質的に純粋な形態でこの酵素を回収するか、又は本発明の第三の態様に係る発現ベクターを適当な微生物宿主に導入し、この宿主を培養して所望のズブチラーゼ酵素を発現させ、そして酵素生成物を回収することにより生産されうる。
更に、本発明は本発明のズブチラーゼ又はズブチラーゼ変異体を含んで成る組成物に関連する。
なお更に、本発明は本発明の酵素の、様々な産業関連用途、特にクリーニング組成物及び酵素含有クリーニング組成物における利用、特に本発明のズブチリシン酵素を含んで成る洗浄組成物に関連する。
定義
本発明の更に詳細な説明に入る前に、下記の用語及び略語をまず定義する:
アミノ酸の命名
A=Ala=アラニン
V=Val=バリン
L=Leu=ロイシン
I=Ile=イソロイシン
P=Pro=プロリン
F=Phe=フェニルアラニン
W=Trp=トリプトファン
M=Met=メチオニン
G=Gly=グリシン
S=Ser=セリン
T=Thr=スレオニン
C=Cys=システイン
Y=Tyr=チロシン
N=Asn=アスパラギン
Q=Gln=グルタミン
D=Asp=アスパラギン酸
E=Glu=グルタミン酸
K=Lys=リジン
R=Arg=アルギニン
H=His=ヒスチジン
X=Xaa=任意のアミノ酸
核酸の命名
A=アデニン
G=グアニン
C=シトシン
T=チミン(DNAのみ)
U=ウラシル(RNAのみ)
変異体の命名法及び表示のための略語
本発明に従って生産される又は考慮される様々な酵素変異体の説明において、下記の命名及び略語を便宜のために採用した:
文言の骨組はまず単離された又は親の野生型酵素をズブチリシンBPN’(BASBPN)とアライニングさせることによって規定する。
このアライメントはギャップ構築ペナルティー=8及びギャップ伸長ペナルティー=8のパラメーター、並びにそのデフォルト値に保たれたその他のパラメーターを用い変異体を番号付けするGCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンにより得られうる。
他の方法はズブチラーゼ間の既知のアライメント、例えばWO 91/00345に記載のアライメントの利用にある。たいていの場合、差はあまり重要でないであろう。
ズブチリシンBPN’(BASBPN)、ズブチリシン309(BLSAVI)、ズブチリシン・カールスバーグ(BLSCAR)間でのかかるアライメントをそれぞれ図1,1a,2,2aに示す。これにより、BASBPNとの関係で数多くの欠失及び挿入が特定されるであろう。図1おいて、ズブチリシン309はBASBPNと比較して36,58,158,162,163及び164位において6つの欠失を有し、一方図1aでは、ズブチリシン309はBASBPNと比較して36,56,159,164,165及び166において同じ数の欠失を有する。図2では、ズブチリシン カールスバーグはBASBPNと比較して58位において1つの欠失を有し、一方図2aではズブチリシン カールスバーグはBASBPNと比較して56位において1つの欠失を有する。これらの欠失は図1,1a,2,2aにおいて星印(★)で示している。
野生型酵素において施した様々な修飾は下記の3つの要素を利用して一般表示する:
もとのアミノ酸 位置 置換アミノ酸
従って、記号G195Eは195位のグリシンのグルタミン酸による置換を意味する。
位置 置換アミノ酸
もとのアミノ酸残基が任意のアミノ酸であってよい場合、位置と置換アミノ酸だけを表示する短い記号を使用することがある。
かかる記号は相同ズブチラーゼの修飾との関連で特に使用する。
もとのアミノ酸 位置
この記号はある位置の特定のアミノ酸を置換するアミノ酸が重要でないときに使うことがある。
位置
もとのアミノ酸と置換アミノ酸の両者が任意のアミノ酸を含んで成ってよいとき、位置のみを表示する。例えば:170。
もとのアミノ酸の位置置換アミノ酸1、…、置換アミノ酸n
もとのアミノ酸及び/又は置換アミノ酸が複数個の、しかしながら全てではないアミノ酸を含んで成りうるとき、選定のアミノ酸はかっこ{ }の中で表示する。
特定の変異体については3又は1文字コードを使用し、コードXaa及びXは任意のアミノ酸残基を表示する。
置換:
195位でのグリシンのグルタミン酸による置換は以下の通りに表示する:
Gly195Glu又はG195E
あるいは、195位でのグリシンの任意のアミノ酸残基による置換は以下の通りに表示する:
Gly195Xaa又はG195X
あるいは、
Gly195又はG195
170位での任意のアミノ酸残基のセリンによる置換はかくして次のように表示する:
Xaa170Ser又はX170S
あるいは
170Ser又は170S
かかる記号は相同ズブチラーゼ(前掲)の修飾との関連で特に表示する。
従って、170Serは例えばBASBPNにおけるLys170Ser修飾又はBLSAVIにおけるArg170Ser修飾の双方を含むことを意味する。
もとのアミノ酸及び/又は置換アミノ酸が複数個の、しかしながら全てではないアミノ酸を含んで成りうるときの修飾に関し、170位でのアルギニンのグリシン、アラニン、セリン又はスレオニンによる置換は以下のように表示され、
Arg170{Gly,Ala,Ser,Thr}又はR170{G,A,S,T}
変異体R170G,R170A,R170S及びR170T
を表示する。
欠失:
195位でのグリシンの欠失は次のように表示する:
Gly195又はG195
対応して、複数個のアミノ酸残基の欠失、例えば195及び196位でのグリシン及びロイシンの欠失は以下のように表示する:
Gly195+Leu196又はG195+L196
挿入:
追加のアミノ酸残基の挿入、例えばG195の後のロイシンは次のように表示する:
Gly195GlyLys又はG195GK;あるいは
複数個のアミノ酸残基が挿入される場合、例えばG195の後のLys,Ala及びSerは次のように表示する:
Gly195GlyLysAlaSer又はG195GKAS
このような場合、挿入アミノ酸残基はその前のアミノ酸残基の位置番号に小文字を付加することによって番号付けする。上記の例では、配列194〜196は次のようになる:
Figure 0005563180
現存のアミノ酸残基と同一のアミノ酸残基を挿入する場合、命名における縮重が生ずることが明らかである。例えば、上記の例ではグリシンの後にグリシンを挿入したら、それはG195GGと表示される。同じ事実上の変更は
Figure 0005563180
への変更について、A194AGとして表示されるのと同じである。
このような例は当業者に明らかであり、そして表示G195GG及びこの種の挿入の対応の表示にかかる均等な縮重表示を含むことを意味する。
時折り、修飾と挿入との両者を同時に行うことが所望される。この状況も本定義により包含される。かくして、S130TPは130位のセリンがチロシンにより置き換えられ、そしてプロリンが130と131位の間に挿入されていることを示す。かかる変異体を記述する一段とめんどうな方法は次の通りである:
S130SP+S130T
ギャップ埋め:
番号付けのために用いるズブチリシンBPN’配列との参照対比において酵素の中に欠失が存在しているとき、かかる位置における挿入は以下のように表示する:
36Asp又は36D
36位でのアスパラギン酸の挿入。
多重修飾
多数の修飾を含んで成る変異体はプラスで分割される。例えば:
Arg170Tyr+Gly195Glu又はR170Y+G195E
170及び195位のアルギニン及びグリシンのチロシン及びグルタミン酸それぞれによる置換を表わす。
あるいは、Tyr167{Gly,Ala,Ser,Thr}+Arg170{Gly,Ala,Ser,Thr}は次の変異体を表示する。
Figure 0005563180
この命名法は特定の一般的な特性を有するアミノ酸残基、例えば正電荷残基(K,R,H)、負電荷残基(D,E)の置換、交換、挿入もしはく欠失、又は保存性アミノ酸修飾、例えば小型アミノ酸の別の小型アミノ酸による置換を表わす修飾を狙いとする修飾との関係で特に表示する。更なる詳細については、「発明の詳細な説明」の章を参照されたい。
アミノ酸の位置の番号/残基
何らことわりのない場合、ここで用いるアミノ酸の番号付けはズブチラーゼBPN’(BASBPN)配列のそれに対応する。BPN’配列の更なる説明については図1及び2、又はSiezenら、Protein Engng. 4 (1991) 719-737 を参照のこと。
プロテアーゼ
タンパク質基質内のアミド結合を切断する酵素はプロテアーゼ又は(同義で)ペプチダーゼに分類される(Walsh, 1979, Enzymatic Reaction Mechanisms. W.H.Freeman and Company, San Francisco、第3章参照のこと)。
セリンプロテアーゼ
セリンプロテアーゼはペプチド結合の加水分解を触媒し、且つその活性部位において必須セリン残基がある酵素をいう(White, Handler and Smith, 1973“Principles of Biochemistry”第5版、McGraw-Hill Book Company, NY, pp.271-272を参照のこと)。
細菌セリンプロテアーゼは20,000〜45,000ダルトンの範囲の分子量を有する。これらはジイソプロピルフルオロホスフェートにより阻害される。これらは単純な末端エステルを加水分解し、そして真核系キモトリプシン(これもセリンプロテアーゼである)と活性が似ている。サブグループを包括するより狭い用語「アルカリ性プロテアーゼ」はpH9.0〜11.0といった一部のセリンプロテアーゼの高い至適pHを反映する(Priest (1977) Bacteriological Rev. 41 711-753 を参照のこと)。
ズブチラーゼ
暫定的にズブチラーゼと称されているセリンプロテアーゼのサブグループはSiezenら、Protein Engng. 4 (1991) 719-737 及びSiezenら、Protein Science 6 (1997) 501-523 により提示されている。これらは過去にズブチリシン様プロテアーゼと称されていたセリンプロテアーゼの170超のアミノ酸配列の相同分析により規定されている。ズブチリシンは過去に往々にしてグラム陽性菌又は真菌により産生されるセリンプロテアーゼとして定義されていたが、今ではSiezenらに従いズブチラーゼのサブグループである。多種多様なズブチラーゼが同定され、そして数多くのズブチラーゼのアミノ酸配列が決定されている。かかるズブチラーゼ及びそのアミノ酸配列についてのより詳細な説明はSezenら(1997)を参照されたい。
ズブチラーゼの一のサブグループI−S1又は「真」のズブチリシンは「伝統的」なズブチリシン、例えばズブチリシン168(BSS168)、ズブチリシンBPN’、ズブチリシン カールスバーグ(ALCALASE(登録商標)、NOVO NORDISK A/S)及びズブチリシンDY(BSSDY)を含んで成る。
ズブチラーゼの別のサブグループ、I−S2又は高アルカリ性ズブチリシンはSiezenらにより認められたものである。サブグループI−S2プロテアーゼは高アルカリ性ズブチリシンと記述され、そしてズブチリシンPB92(BAALKP)(MAXACAL(登録商標)、Gist-Brocades NV)、ズブチリシン309(SAVINASE(登録商標)、NOVO NORDISK A/S)、ズブチリシン147(BLS147)(ESPERASE(登録商標)、NOVO NORDISK A/S)及びアルカリ性エステラーゼYaB(BSEYAB)の如き酵素を含んで成る。
SAVINASE(登録商標)
SAVINASE(登録商標)はNOVO NORDISK A/Sより販売されている。これはB.レンタス(B.lentus)由来のズブチリシン309であり、そしてBAALKPとは一の位置のみで相違する(図1を参照されたい)。SAVINASE(登録商標)は図1のb)に表示したアミノ酸配列を有する。
親ズブチラーゼ
「親ズブチラーゼ」なる語はSiezenら(1991及び1997)に従って定義されたズブチラーゼをいう。更に詳しくは、前述の「ズブチラーゼ」の説明を参照されたい。親ズブチラーゼは天然資源から単離されたズブチラーゼであってもよく、この場合ズブチラーゼの特性を保たせながら修飾が施される。他に、「親ズブチラーゼ」は「野生型ズブチラーゼ」をいう。
ズブチラーゼ変異体の修飾
本明細書で用いる語「修飾」はズブチラーゼの化学的修飾及びズブチラーゼをコードするDNAの遺伝子操作を含むものと定義する。この修飾はアミノ酸の側鎖の交換、注目のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入であってよい。
ズブチラーゼ変異体
本発明の背景において、ズブチラーゼ変異体又は突然変異ズブチラーゼなる語は、もとの又は親遺伝子を保有し、且つ対応の親酵素を産生する親微生物由来の突然変異遺伝子を発現する生物により産生されるズブチラーゼを意味する。この親遺伝子は適当な宿主の中で発現されたとき当該突然変異ズブチラーゼプロテアーゼが産生される突然変異遺伝子を作り上げるように突然変異されている。
相同ズブチラーゼ配列
特異的な活性部位ループ領域及びズブチラーゼSAVINASE(登録商標)の当該ループ内のアミノ酸挿入が、本発明のズブチラーゼ変異体を得るためにここでいう修飾のために特定された。
しかしながら、本発明はこの特定のズブチラーゼの修飾に限定されず、その他の親(野生型)ズブチラーゼであって、SAVINASE(登録商標)のそれと相同な一次構造を有するものにも及ぶ。2つのアミノ酸配列間の相同性は本明細書では「同一性」といったパラメーターで説明する。
2種類のズブチラーゼ間の同一性の度合いを決定するため、GCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンが上記と同じ設定を利用して適用されうる。このルーチンからのアウトプットはアミノ酸アライメントの他に、2本の配列間の「%同一性」の算出である。
この説明に基づき、適当な相同ズブチラーゼ及び対応の相同活性部位ループ領域(本発明に従って修飾されたものであってよい)を同定することは当業者にとって容易である。
洗浄性能
例えば洗浄又は硬質表面クリーニングの際に洗浄すべき物体の上の様々な天然基質の分解を触媒する酵素の能力は往々にしてその洗浄能力、浄化性又は洗浄性能と称される。本願を通じて、この特性を包含すべき洗浄性能なる用語を使う。
単離されたDNA配列
「単離された」なる語は、DNA配列分子に適用した場合、DNA配列がその天然遺伝環境から取り出され、かくしてその他の外因性又は不要なコード配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質産生系内での利用のために適当な形態にあるものをいう。かかる単離された分子はその自然環境から分離されたものをいい、そしてcDNA及びゲノムクローンが含まれる。本発明の単離されたDNA分子はそれらが通常一緒になっているその他の遺伝子を含まないが、天然の5′及び3′非翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターは含んでよい。一緒になった領域の同定は当業者にとって明白となるであろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774-78, 1985 を参照されたい)。「単離されたDNA配列」は「クローニングされたDNA配列」とも称されうる。
単離されたタンパク質
タンパク質に適用した場合、「単離された」とは、タンパク質がその自然環境から取り出されたことをいう。
好適な態様において、単離されたタンパク質はその他のタンパク質、特にその他の相同タンパク質(即ち、「相同不純物」下記参照)を実質的に含まない。
単離されたタンパク質はSDS−PAGEによる決定に従い、純度10%超、好ましくは純度20%超、より好ましくは純度30%超である。更に、タンパク質を高純度で、即ち、SDS−PAGEによる決定に従い、純度40%超、純度60%超、純度80%超、より好ましくは純度95%超、そして更により好ましくは純度99%超で提供することが好ましい。
「単離されたタンパク質」は「精製されたタンパク質」ということもある。
相同不純物
「相同不純物」とは、本発明のポリペプチドが本来由来する相同細胞を起源とする任意の不純物(例えば、本発明のポリペプチド以外のポリペプチド)をいう。
から得られる
特定の微生物起源との関係で本明細書において用いる「から得られる」とは、ポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドがその特定の起源により産生される、又はその起源に由来する遺伝子の挿入された細胞により産生されることをいう。
基質
プロテアーゼのための基質との関係で用いる語「基質」は、ズブチリシンプロテアーゼによる加水分解を受け易い少なくとも一のペプチド結合を含む化合物を含んで成るものとして最も広義に解釈されるべきである。
生成物
プロテアーゼ酵素反応に由来する生成物との関係で用いる語「生成物」は、本発明との関係では、ズブチラーゼプロテアーゼを包含する加水分解反応の生成物を含むものと解釈されるべきである。生成物はその後の加水分解反応の基質であってよい。
発明の詳細な説明
本発明のズブチラーゼは第一の態様において、95〜103位の活性部位ループ(b)領域の97位において少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するI−S1及びI−S2サブグループの単離された(即ち、純度10%超の)ズブチラーゼ酵素に関連する。ここで、この追加のアミノ酸残基は97位と98位との間での少なくとも1個のアミノ酸残基の挿入に対応する。
換言すれば、本発明のズブチラーゼは9個超のアミノ酸残基の活性部位ループ(b)領域を含んで成り、且つそのアミノ酸残基が親又は公知の野生型ズブチラーゼと比較して97位と98位との間に挿入されている又は挿入されることのできるものであることを特徴とする。
本発明の第一の態様のズブチラーゼは自然から同定且つ単離された親又は野生型ズブチラーゼであってよい。
かかる親野生型ズブチラーゼは当業界公知の標準的な技術により特異的にスクリーニングされうる。
これを行うための一の好適な手法は多種多様な微生物、好ましくは様々なバチルス株由来のズブチラーゼにおける活性部位ループをコードすることのわかっているDNA領域を特異的にPCR増幅することによる。
ズブチラーゼは、そのDNA及びアミノ酸配列が相同である観点で、保存酵素の群である。従って、活性部位ループに隣接する相対的に特異的なプライマーを構築することが可能である。
これを行うための一の手法は様々なズブチラーゼのアライメントの検討による(例えば、Siezenら、Protein Science 6 (1997) 501-523参照のこと)。当業者はこの慣用の作業から、I−S1又はI−S2の任意の群、例えばBLSAVIから95〜103位のアミノ酸残基間の活性部位ループ(b)に対応する活性部位ループに隣接するPCRプライマーを構築できる。様々な微生物、好ましくは様々なバチルス株由来のDNAを増幅するのにかかるPCRプライマーを利用し、しかる後にこの増幅されたPCRフラグメントのDNA配列決定を行うことにより、95〜103位の活性部位ループ領域に相当し、且つ97位と98位との間に存在する挿入が考慮されうる、例えばBLSAVIと比べ長い活性部位領域を含んで成るこのような群のズブチラーゼを産生する株を同定することが可能であろう。このような株及び注目のかかるズブチラーゼの部位DNA配列が同定されたら、本発明のかかるズブチラーゼの完全なクローニング、発現及び精製は当業者にとってルーチンな作業となる。
しかしながら、本発明のズブチラーゼ酵素は主として親ズブチラーゼの変異体であると考えられる。
従って、一の態様において、本発明は本発明の第一の態様に係る単離されたズブチラーゼ酵素であって、97位と98位のアミノ酸残基の間に少なくとも1個のアミノ酸挿入を有することによりその親酵素よりも長い活性部位ループ(b)を有する構築変異体に関する。
本発明のズブチラーゼは洗剤において優れた洗浄性能を発揮し、そしてこの酵素が構築変異体なら、その最も近縁なズブチラーゼ、例えばズブチリシン309と比較して洗剤において洗浄性能を向上させる。
様々なズブチラーゼ生成物は様々なタイプの洗浄組成物において様々な洗浄性能を発揮するであろう。本発明のズブチラーゼはその最も近縁なものと比べ、かかる多種多様な洗浄組成物の大半において改善された洗浄性能を有する。
好ましくは、本発明のズブチラーゼ酵素はその最も近縁なものと比べ、本明細書の実施例3で示す洗浄組成物において改善された洗浄性能を有する。
所定のズブチラーゼアミノ酸配列が本発明の範囲に属するかを決定するため(そのズブチラーゼ配列が親野生型ズブチラーゼ配列又は部位特異的突然変異誘発以外の任意の方法により作られたズブチラーゼ変異体配列であろうと関係なく)、下記の手順が利用されうる:
i)当該ズブチラーゼ配列をズブチリシンBPN’のアミノ酸配列とアライニングさせる;
ii)工程i)において実施したアライメントに基づき、95〜103位のアミノ酸残基間の領域(両末端アミノ酸を含む)を含んで成るズブチリシンBPN’の活性部位ループ(b)領域に対応する当該ズブチラーゼ配列内の活性部位ループ(b)を同定する;
iii) 工程ii)で同定された当該ズブチラーゼ配列内の活性部位ループ(b)がズブチリシンBPN’内の対応の活性部位ループより長いか、及びその伸長が97位と98位との間の少なくとも1個のアミノ酸残基の挿入に対応するかを決定する。
その通りとなれば、検討したズブチラーゼは本発明の範囲に属するズブチラーゼである。
上記工程i)において実施したアライメントはGAPルーチンを利用することによって上述の通りに実施する。
この記述に基づき、ズブチラーゼ内の活性部位ループ(b)を同定すること及び注目のズブチラーゼが本発明の範囲内に属するかを決定することは当業者にとって容易である。変異体が部位特異的突然変異誘発により構築されたら、当然にそのズブチラーゼ変異体は本発明の範囲に属する。
本発明のズブチラーゼ変異体は当業界公知の標準的技術、例えば部位特異的/ランダム突然変異誘発又は様々なズブチラーゼのDNAシャフリングにより構築されうる。より詳しくは、「ズブチラーゼ変異体の生産」及び「材料と方法」の章を参照のこと。
更なる態様において、本発明は
1.前記少なくとも1個の挿入されたアミノ酸残基がT,G,A及びSを含んで成る群から選ばれる本発明に係る単離されたズブチラーゼ酵素;
2.前記少なくとも1個の挿入されたアミノ酸残基がD,E,H,K及びR、より好ましくはD,E,K及びRを含んで成る群から選ばれる本発明に係る単離されたズブチラーゼ酵素;
3.前記少なくとも1個の挿入されたアミノ酸残基がC,N,Q,S及びT、より好ましくはN,Q,S及びTを含んで成る群から選ばれる本発明に係る単離されたズブチラーゼ酵素;
4.前記少なくとも1個の挿入されたアミノ酸残基がA,G及びVを含んで成る群から選ばれる本発明に係る単離されたズブチラーゼ酵素;
5.前記少なくとも1個の挿入されたアミノ酸残基がF,I,L,M,P,W及びY、より好ましくはF,I,L,M及びYを含んで成る群から選ばれる本発明に係る単離されたズブチラーゼ酵素;
に関する。
更なる態様において、本発明は97位と98位との間の前記挿入がズブチリシンBPN’内の対応の活性部位ループと比べ、少なくとも2個のアミノ酸を含んで成る本発明に係る単離されたズブチラーゼ酵素に関する。
更なる態様において、本発明は以下を含んで成る群(BASBPNの番号付け)から選ばれる少なくとも1個の挿入を含んで成る単離されたズブチラーゼ酵素
X97X{T,G,A,S}
X97X{D,E,K,R}
X97X{H,V,C,N,Q}
X97X{F,I,L,M,P,W,Y}
又はより詳しくはズブチリシン309、並びに近縁のズブチラーゼ、例えばBAALKP,BLSUBL及びBSKSMK
G97GA
G97GT
G97GG
G97GS
G97GD
G97GE
G97GK
G97GR
G97GH
G97GV
G97GC
G97GN
G97GQ
G97GF
G97GI
G97GL
G97GM
G97GP
G97GW
G97GY
に関する。
更に、本発明は97位に多重挿入を、又は下記の組合せのいずれかを含んで成るズブチラーゼに関する。
アミノ酸残基の類似のアミノ酸残基へのいわゆる保存置換は酵素の特性にごくわずかな変化しか及ぼさないことがよく知られている。
下記の表III には保存アミノ酸置換のグループを列挙する。
表 III
保存アミノ酸置換
一般特性 アミノ酸
塩基性(正電荷) K=リジン
H=ヒスチジン
酸性(負電荷) E=グルタミン酸
D=アスパラギン酸
極性 Q=グルタミン
N=アスパラギン
疎水性 L=ロイシン
I=イソロイシン
V=バリン
M=メチオニン
芳香族 F=フェニルアラニン
W=トリプトファン
Y=チロシン
小 G=グリシン
A=アラニン
S=セリン
T=スレオニン
この原理に従えば、保存置換を含んで成るズブチラーゼ変異体、例えば、G97A+A98AS+S99G,G97S+A98AT+S99Aは互いと著しく相違しない特性を示すものと予想される。
本明細書において開示する及び/又は例示するズブチラーゼに基づき、似かよった向上した洗浄性能を発揮するその他のズブチラーゼ変異体を獲得するためのこれらの変異体に対する適当な保存修飾の同定は当業者にとってルーチンな作業となる。
本発明に従うと、本発明のズブチラーゼはサブグループI−S1及びI−S2、特にI−S2に属し、双方とも自然から、又は様々な人工構築物から本発明の新規な酵素を単離するため、並びに親ズブチラーゼから変異体をデザイン及び生産するためにある。
サブグループI−S1由来の変異体に関し、BSS168(BSSAS,BSAPRJ,BSAPRN,BMSAMP),BASBPN,BSSDY,BLSCAR(BLKERA,BLSCA1,BLSCA2,BLSCA3),BSSPRC及びBSSPRD又はサブグループI−S1の特性を保持するその機能性変異体を含んで成る群から親ズブチラーゼ変異体を選定するのが好ましい。
サブグループI−S2由来の変異体に関し、BSAPRQ,BLS147(BSAPRM,BAH101),BLSAVI(BSKSMK,BAALKP,BLSUBL),BYSYAB及びBSAPRS又はサブグループI−S2の特性を保持するその機能性変異体を含んで成る群から親ズブチラーゼ変異体を選定するのが好ましい。
詳しくは、当該親ズブチラーゼはBLSAVI(SAVINASE(登録商標)NOVO NORDISK A/S)であり、従って本発明の好適なズブチラーゼ変異体はSAVINASE(登録商標)の変異体である。
本発明は更に、アミノ酸配列に対する任意のその他の修飾が組合された本発明の任意に上記のズブチラーゼをも含んで成る。特に、酵素の特性を改善する当業界周知のその他の修飾との組合せが考慮される。当業界には様々な向上した特性を有する数多くのズブチラーゼ変異体が発表されており、そしてその数多くのものを本明細書の「発明の背景」の章に挙げた(前掲)。これらの参考はズブチラーゼ変異体を同定するための参考としてここで開示し、それらは本発明のズブチラーゼ変異体と有利に組合せることができる。
かかる組合せは221位(酸化安定性の向上)、218位(熱安定性の向上)、酵素を安定化するCa結合部位での置換(例えば76位)、及び従来技術から明らかな数多くのその他の位置を含んで成る。
更なる態様において、本発明のズブチラーゼ変異体は有利には下記の位置のいずれかにおける1又は複数の修飾と組合さってよい:27,36,57,76,87,97,101,104,120,123,167,170,206,218,222,224,235及び274。
特に、以下のBLSAVI,BLSUBL,BSKSMK及びBAALKP変異体が組合せのために適当であると考えられる:K27R,36D,S57P,N76D,S87N,G97N,S101G,S103A,V104A,V104I,V104N,V104Y,H120D,N123S,Y167,R170,Q206E,N218S,M222S,M222A,T224S,K235L及びT274A。
更に、任意の変異体S101G+V104N,S87N+S101G+V104N,K27R+V104Y+N123S+T274A,N76D+S103A+V104IもしくはN76D+V104A又はこれらの突然変異の組合せ(V104N,S101G,K27R,V104Y,N123S,T274A,N76D,V104A)と上記の任意の修飾との組合せを含んで成る変異体が改善された特性を示す。
なおまた、本発明の主たる態様のズブチラーゼ変異体は好ましくは129,131,133及び194位のいずれかでの1又は複数の修飾、好ましくは129K,131H,133P,133D及び194P修飾、そして最も好ましくはP129K,P131H,A133P,A133D及びA194P修飾と組合される。これらの修飾は全て本発明のズブチラーゼ変異体の生産において高い発現レベルを供するものと期待される。
従って、更なる態様において本発明は下記を含んで成る群から前記修飾が選定される本発明に係る変異体に関する:
G97GA
G97GT
G97GG
G97GS
G97GD
G97GE
G97GK
G97GR
G97GH
G97GV
G97GC
G97GN
G97GQ
G97GF
G97GI
G97GL
G97GM
G97GP
G97GW
G97GY
ズブチラーゼ変異体の生産
本発明のズブチラーゼのクローニング及び遺伝子(例えばズブチラーゼ遺伝子)への挿入のための数多くの方法が当業界において周知である。「発明の背景」の章に引用する文献を参照されたい。
遺伝子のクローニング及び当該遺伝子に挿入を導入するための一般的な標準手順が本発明のズブチラーゼ変異体の獲得のために利用されうる。適当な技術の更なる説明については本明細書の実施例及びSambrookら(1989) Molecular cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor lab., Cold Spring Harbor, NY; Ausubel, F.M.ら(eds.)“Current protocols in Molecular Biology”. John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C.R. and Cutting, S.M. (eds.)“Molecular Bio-logical Methods for Bacillus”. John Wiley and Sons, 1990);及びWO 96/34946を参照されたい。
更に、本発明のズブチラーゼ変異体は様々な人工構築体のための標準技術、例えば様々なズブチラーゼ遺伝子のDNAシャフリングによっても構築されうる(WO 95/22625;Stemmer WPC, Nature 370: 389-91 (1994)参照のこと)。例えば、天然において同定された1又は複数の部分ズブチラーゼ配列を有するSavinase(登録商標)をコードする遺伝子の、Savinase(登録商標)の活性部位ループ(b)より長い活性部位ループ(b)を含むようにするシャフリングは、向上した洗浄性能変異体のスクリーニングを経て、本発明にかかるズブチラーゼ変異体を供するであろう。
発現ベクター
本発明の酵素をコードするDNA構築体を含んで成る組換発現ベクターは組換DNA手順に簡単にかけることのできうる任意のベクターであってよい。
選定のベクターはそれを導入すべき宿主細胞に往々して依存するであろう。かくして、このベクターは自己複製ベクター、即ち、染色体外質として存在し、複製が染色体の複製とは独立したベクター、例えばプラスミドであってよい。他に、このベクターは宿主細胞の中に導入されると宿主細胞のゲノムの中にその一部又は全体が組込まれ、そしてそれの組込まれた染色体と一緒に複製されうるものであってよい。
ベクターは好ましくは本発明の酵素をコードするDNA配列がDNAの転写のために必要な他のセグメントに作用可能式に連結された発現ベクターである。一般に、発現ベクターはプラスミドもしくはウィルスDNAに由来するか、又は双方の要素を含むものであってよい。「作用可能式に連結」とは、セグメント同志が意図する目的のため、例えばプロモーターにおいて転写が開始し、そして当該酵素をコードするDNA配列にわたって進むよう協奏して機能するように並んでいることを意味する。
プロモーターは選定の宿主細胞において転写活性を示し、そして宿主細胞にとって相同又は異種のいずれでもよいタンパク質をコードする遺伝子に由来しうる任意のDNA配列であってよい。
細菌宿主細胞において利用するための適当なプロモーターの例にはバチルス・ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)マルトジェニックアミラーゼ遺伝子、バチルス・リシェニホルミス(B.licheniformis)アルファーアミラーゼ遺伝子、バチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)アルファーアミラーゼ遺伝子、バチルス・スブチリス(B.subtilis)アルカリ性プロテアーゼ遺伝子、又はバチルス・プミルス(B.pumilus)キシロシダーゼ遺伝子、又はファージラムダPr もしくはPL プロモーター、又は大腸菌lactrpもしくはtacプロモーターが含まれる。
本発明の酵素をコードするDNA配列は、必要なら、適当なターミネーターに作用可能式に連結されていてもよい。
本発明の組換ベクターは更に注目の宿主細胞内でベクターが複製できるようにするDNA配列を含んで成ってよい。
このベクターは更に選択マーカー、例えば宿主細胞の欠陥を補う生成物を生成する遺伝子、又は例えばカナマイシン、クロラムフェニコール、エリトロマイシン、テトラサイクリン、スペクチノマイシン等の如き抗生物質に対する耐性、又は重金属もしくは除草剤に対する耐性をコードする遺伝子を含んで成ってもよい。
本発明の酵素を宿主細胞の分泌経路へと誘導するため、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られる)を組換ベクターの中に施してよい。この分泌シグナル配列は適正なリーディングフレーム内で当該酵素をコードするDNA配列と連結する。分泌シグナル配列は一般に酵素をコードするDNA配列に対して5′側に配置される。この分泌シグナル配列は当該酵素に通常結合したものであるか、又は別の分泌タンパク質をコードする遺伝子に由来してよい。
本発明の酵素、プロモーター並びに任意的にターミネーター及び/又は分泌シグナル配列のそれぞれをライゲーションするために用いる手順、又は適当なPCR増幅スキームによりこれらの配列を集成し、そして複製もしくは組込みのために必要な情報を含む適当なベクターにそれらを挿入するために用いる手順は当業者に周知である(例えば、Sambrookら、前掲を参照されたい)。
宿主細胞
宿主細胞に導入する本発明の酵素をコードするDNA配列は注目の宿主に対して相同のものでも異種のものでもよい。もし宿主細胞に対して相同なものなら、即ち、天然において宿主細胞により産生されるなら、それは一般に別のプロモーター配列に対して作用可能式に連結され、又は適宜、その天然環境以外の分泌シグナル配列及び/又はターミネーター配列に作用可能式に連結されているであろう。「相同」とは、注目の宿主生物にとって天然の酵素をコードするDNA配列を含むことを意図する。「異種」とは、天然では宿主細胞により発現されないDNA配列を含むことを意図する。かくして、このDNA配列は別の生物に由来するか、又は合成配列であってよい。
本発明のDNA構築体又は組換ベクターが導入される宿主細胞は本発明の酵素を産生できる任意の細胞であってよく、そして細菌、酵母、真菌、及び高等真核系細胞、例えば植物が含まれる。
培養することで本発明の酵素を産生できる細菌宿主細胞の例はグラム陽性菌、例えばバチルス属の株、例えばB.スブチリス、B.リシェニホルミス、B.レンタス、B.ブレビス(B.brevis)、B.ステアロサーモフィルス、B.アルカロフィルス(B.alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.コアギュランス(B.coagulans)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.ロータス(B.lautus)、B.メガテリウム(B.megatherium)又はB.スリンジエンシス(B.thuringiensis)の株、又はストレプトマイセス(Streptomyces)の株、例えばS.リビダンズ(S.lividans)又はS.ミュリヌス(S.murinus)、又はグラム陰性菌、例えば大腸菌である。
細菌の形質転換はプロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、コンジュゲーション、又はコンピテント細胞を用いることにより、周知の要領で行うことができうる(Sambrookら、前掲を参照のこと)。
細菌、例えば大腸菌の中で当該酵素を発現させる場合、この酵素は細胞質内で一般には不溶性顆粒(封入体として知られる)として保持されることがあり、又は細菌分泌配列によりペリプラズマ空間へと誘導されうる。前者の場合、細胞を溶解させ、そして顆粒を回収し変性させ、しかる後にこの酵素を変性剤の希釈によりリフォルディングさせる。後者の場合、酵素は細胞を例えば音波処理又は浸透圧ショックにより破砕してペリプラズマ空間の中耳を放出させ、次いで酵素を回収することによって回収されうる。
酵素をグラム陽性菌、例えばバチルス又はストレプトマイセス属の株の中で発現させる場合、酵素は細胞質内に保持させてよく、又は細菌分泌配列により細胞外培地へと導かれることがある。後者の場合、この酵素は下記のようにして培地から回収されうる。
ズブチラーゼの生産方法
本発明は本発明に係る単離された酵素を生産する方法を提供し、それにおいては当該酵素をコードするDNA配列で形質転換された適当な宿主細胞を当該酵素の産生を可能とする条件下で培養し、そして得られる酵素をこの培養物から回収する。
当該酵素をコードするDNA配列を含んで成る発現ベクターを異種宿主細胞に形質転換する場合、本発明の酵素の異種組換生産が可能となる。
これにより、相同不純物を含まないことを特徴とする高純度ズブチラーゼ組成物を作ることが可能となる。
尚、相同不純物とは本発明の酵素が本来由来する相同細胞を起源とする任意の不純物(例えば、本発明の酵素以外のポリペプチド)を意味する。
形質転換された宿主細胞を培養するのに用いる培地は注目の宿主細胞を増殖するのに適当な任意の慣用の培地であってよい。発現したズブチラーゼは好都合には培養培地の中に分泌されることがあり、そして周知の手順、例えば遠心分離もしくは濾過、硫酸アンモニウムの如き塩により培地のタンパク質性成分を沈殿させることにより培地から細胞を分離し、しかる後にクロマトグラフィー手順、例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を介して回収することができうる。
本発明のズブチラーゼ変異体の利用
本発明のズブチラーゼプロテアーゼ変異体は数多くの産業用途、特に洗剤産業において有用でありうる。
更に、本発明は本発明のズブチラーゼ変異体を含んで成る酵素組成物に関する。
好適な産業用途及び対応の好適な酵素組成物の概要を以下に提供する。
この概要は本発明のズブチラーゼ変異体の適当な用途の完全なリストではない。本発明のズブチラーゼ変異体は、プロテアーゼ、特にズブチラーゼの利用を包含する当業界公知のその他の産業用途においても利用されうる。
突然変異酵素を含んで成る洗浄組成物
本発明はクリーニング及び洗浄組成物における本発明の突然変異酵素の利用、並びに突然変異ズブチリシン酵素を含んで成るかかる組成物を含んで成る。かかるクリーニング及び洗浄組成物は当業界においてよく発表されており、そして適当なクリーニング及び洗浄組成物の更なる説明についてはWO 96/34946;WO 97/07207;WO 95/30011を参照されたい。
更に、下記の実施例はいくつかの本発明のズブチラーゼ変異体の洗浄性能の向上を実証する。
洗浄組成物
本発明の酵素は洗浄組成物に加えられてその成分となることができうる。
本発明の洗浄組成物は例えば染色布帛の前処理のために適当な洗濯添加剤及びリンス添加布帛柔軟剤等の手洗い又は洗濯機用洗浄組成物として、又は一般家庭用硬質表面クリーニング作業において利用するための洗浄組成物として、又は手洗い又は洗濯機用食品洗浄作業のための洗浄組成物として処方されうる。
特定の観点において、本発明は本発明の酵素を含んで成る洗浄添加剤を提供する。この洗浄添加剤並びに洗浄組成物は1又は複数種のその他の酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシナーゼ、例えばラッカーゼ及び/又はペルオキシダーゼを含んで成りうる。
一般に、選定の酵素の特性は選定の洗剤と適合すべきであり(即ち、至適pH、その他の酵素及び非酵素成分との適合性、等)、そして当該酵素は有効な量で存在しているべきである。
プロテアーゼ:適当なプロテアーゼは、動物、植物または微生物起源のものを含む。微生物起源が好ましい。化学的に変性された、またはタンパク質操作された変異体が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼまたはメタロプロテアーゼ、好ましくはアルカリ性微生物プロテアーゼまたはトリプシン様プロテアーゼであり得る。アルカリ性プロテアーゼの例は、ズブチリシン、特にバチルス(Bacillus)から誘導されたもの、例えばズブチリシン ノボ(subtilisin Novo)、ズブチリシン カールスバーグ(subtilisin Carlsberg)、ズブチリシン309、ズブチリシン147およびズブチリシン168(WO 89/06279に記載されている)である。トリプシン様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えば豚または牛起源)および、WO 89/06270およびWO 94/25583に記載されたフサリウム(Fusarium)プロテアーゼである。
有用なプロテアーゼの例は、WO 92/19729,WO 98/20115,WO 98/20116およびWO 98/34946に記載された変異体、特に、以下の位置の1つ以上に置換を有する変異体である:27,36,57,76,87,97,101,104,120,123,167,170,194,206,218,222,224,235および274。
好適な市販の入手可能なプロテアーゼとしては、Alcalase(商標)、Savinase(商標)、Primase(商標)、Duralase(商標)、Esperase(商標)およびKannase(商標)(Novo Nordisk A/S)、Maxatase(商標)、Maxacal(商標)、Maxapem(商標)、Properase(商標)、Purafect(商標)、Purafect OxP(商標)、FN2(商標)およびFN3(商標)(Genencor International Inc. )を包含する。
リパーゼ:適当なリパーゼには細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的に変性された又はタンパク質操作された突然変異体が含まれる。有用なリパーゼの例には、ヒュミコラ(Humicola)(別名サーモマイセス(Thermomyces))、例えばEP 258068及びEP 305216に記載のH.ラヌギノーザ(H.lanuginosa)(T.lanuginosa)、WO 96/13580に記載のH.インソレンス(H.insolens)由来のリパーゼ、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ、例えばP.アルカリジェンス(P.alcaligenes)又はP.シュードアルカリジェンス(P.pseudoalcaligenes)(EP 218272)、P.セパシア(P.cepacia)(EP 331376)、P.スタッシェリ(P.stutzeri)(GB 1,372,034)、P.フルオレセンス(P.fluorescens)、シュードモナス種株SD705(WO 95/06720及びWO 96/27002)、P.ウィスコンシネンシス(P.wisconsinensis)(WO 96/12012)由来のリパーゼ、バチルスリパーゼ、例えばB.スブチリス(Dartois ら、 (1993) Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-260)、B.ステアロサーモフィルス(JP 64/744992)又はB.プミルス(B.pumilus)(WO 91/16422)由来のリパーゼが挙げられる。
その他の例はリパーゼ変異体、例えばWO 92/05249,WO 94/01541,EP 407 225,EP 260 105,WO 95/35381,WO 96/00292,WO 95/30744,WO 94/25578,WO 95/14783,WO 95/22615,WO 97/04079及びWO 97/07202に記載のものである。
好適な商業的に入手可能なリパーゼ酵素にはLipolase(商標)及びLipolase Ultra(商標)(NOVO NORDISK A/S)が挙げられる。
アミラーゼ:適当なアミラーゼ(α及び/又はβ)には細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的に変性された又はタンパク質操作された突然変異体が含まれる。アミラーゼには、例えばバチルス、例えばB.リシェニホルミスの 特殊な株から得られるα−アミラーゼが挙げられる(GB 1,296,839に詳細記載)。
有用なアミラーゼの例はWO 94/02597,WO 94/18314,WO 96/23873及びWO 97/43424、に記載の変異体、特に1又は複数の下記の位置で置換を有する変異体である:15,23,105,106,124,128,133,154,156,181,188,190,197,202,208,209,243,264,304,305,391,408及び444。
商業的に入手可能なアミラーゼはDuramyl(商標)、Termamyl(商標)、Fungamyl(商標)及びBAN(商標)(NOVO NORDISK A/S)、RAPIDASE(商標)及びPurastar(商標)(Genencor International Inc. 由来)である。
セルラーゼ:適当なセルラーゼは、細菌または菌類起源のものを含む。化学的に変性された、またはタンパク質操作された変異体が含まれる。適当なセルラーゼとしては、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ヒュミコラ(Humicola)属、フサリウム(Fusarium)属、チエラビア(Thielavia)属、アクレモニウム(Acremonium)属からのセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号およびWO 89/09259に開示された、ヒュミコラ インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフトラ サーモフィラ(Myceliophthora thermophilla)およびフサリウム オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から生成された菌類セルラーゼを包含する。
特に適当なセルラーゼは、カラー ケア ベネフィット(colour care benefit)を有するアルカリ性または中性セルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、欧州特許第0,495,257号、欧州特許第0,531,372号、WO 96/11262,WO 96/29397,WO 98/08940に記載されたセルラーゼである。他の例は、WO 94/07998、欧州特許第0,531,315号、米国特許第5,457,046号、同第5,686,593号、同第5,763,254号、WO 95/24471,WO 98/12307およびPCT/DK98/00299に記載されたようなセルラーゼ変異体である。
市販の入手可能なセルラーゼとしては、Celluzyme(商標)およびCarezyme(商標)(Novo Nordisk A/S)、Clazinase(商標)およびPuradax HA(Genencor International Inc.)ならびにKAC−500(B)(商標)(Kao Corporation )を包含する。
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:適当なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌または菌類起源のものを含む。化学的に変性された、またはタンパク質操作された変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例としては、コプリナス(Coprinus)、例えばC.シネレウス(cinereus)からのペルオキシダーゼおよび、WO 93/24618,WO 95/10602およびWO 98/15257に記載されたようなその変異体を包含する。
市販の入手可能なペルオキシダーゼとしては、Guardzyme(商標)(Novo Nordisk A/S)を包含する。
洗剤酵素は、1種以上の酵素を含む別々の添加剤を加えることによって、または、これらの酵素をすべて含む、一緒にした添加剤を加えることによって、洗浄組成物中に含まれることができる。本発明の洗浄添加剤(すなわち、独立の添加剤または一緒にした添加剤)は、例えば顆粒、液体、スラリー等として処方されることができる。特定の洗剤添加剤処方物は、顆粒、特に粉塵の出ない(nondusting)顆粒、液体、特に安定化された液体またはスラリーである。
粉塵の出ない(nondusting)顆粒は、例えば米国特許第4,106,991号および同第4,661,452号に開示されたようにして製造することができ、任意的に当技術分野で公知の方法によってコーティングされることができる。蝋質コーティング材料の例は、平均分子量1000〜20000を有するポリ(エチレンオキシド)製品(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50個のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール;エトキシル化脂肪族アルコール(アルコールが12〜20個の炭素原子を有し、かつ15〜80個のエチレンオキシド単位がある);脂肪族アルコール;脂肪酸;ならびに、脂肪酸のモノ−およびジ−およびトリグリセリドである。流動床技術による適用のために適当な膜形成コーティング材料の例は、英国特許第1483591号に与えられている。液体酵素調製物は、例えば、確立された方法に従って、ポリオール、例えばプロピレングリコール、糖もしくは糖アルコール、乳酸またはホウ酸を添加することによって安定化され得る。保護された酵素は、欧州特許第238,216号に開示された方法に従って製造することができる。
本発明の洗浄組成物は任意の慣用の形状、例えば棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト又は液状であってよい。液体洗剤は水性であってよく、典型的には70%までの水及び0〜30%の有機溶媒を含むか、又は無水であってよい。
洗浄組成物は1又は複数種の界面活性剤を含んで成り、これは半極性を含む非イオン性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は双イオン性であってよい。界面活性剤は一般に0.1〜60重量%のレベルで存在する。
適宜、洗剤は通常約1〜40%のアニオン性界面活性剤、例えば線形アルキルベンゼンスルホネート、アルファーオレフィンスルホネート、アルキルスルフェート(脂肪アルコールスルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、第二級アルカンスルホネート、脂肪スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル又はアルケニルコハク酸又は石けんを含むであろう。
適宜、洗剤は通常約0.2〜40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(「グルカミド」)を含むであろう。
洗剤は、0〜65%の洗剤ビルダーまたは錯化剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、トリホスフェート、ホスホネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、アルキル−もしくはアルケニルコハク酸、可溶性シリケートまたは層をなす(layered)シリケート(例えばHoechst からのSKS−6)を含むことができる。
洗剤は、1種以上のポリマーを含むことができる。例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート、例えばポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマーおよびラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
洗剤は、漂白系を含むことができ、これは、H22源、例えばパーボレートまたはパーカーボネートを含むことができ、過酸生成漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミンまたはノナノイルオキシベンゼンスルホネートと組合せることができる。あるいは、漂白系は、アミド、イミドまたはスルホンタイプのペルオキシ酸を含むことができる。
本発明の洗浄組成物の酵素は、慣用の安定化剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコールまたはグリセロール、糖もしくは糖アルコール、乳酸、ホウ酸もしくはホウ酸誘導体、例えば芳香族ホウ酸エステルまたはフェニルボロン酸(boronic acid)誘導体、例えば4−ホルミルフェニルボロン酸(boronic acid)を用いて安定化することができ、組成物は、例えばWO 92/19709およびWO 92/19708に記載されたようにして処方することができる。
洗剤はまた、他の慣用の洗剤成分、例えばクレーを含む布帛用コンディショナー、発泡促進剤、泡立ち抑制剤、腐食防止剤、汚れ懸濁剤(soil−suspending agent)、汚れ再沈積防止剤(anti−soil redeposition agent)、染料、殺菌剤、蛍光漂白剤、屈水性誘発物質、曇り防止剤または香料を含むことができる。
洗浄組成物においては、任意の酵素、特に本発明の変異体が、洗浄液1リットル当たり0.01〜100mgの酵素タンパク質、例えば洗浄液1リットル当たり0.05〜50mgの酵素タンパク質、特に洗浄液1リットル当たり0.1〜1mgの酵素タンパク質に相当する量で添加され得ることが目下予想される。
本発明の変異体は追加的に、WO 97/07202に開示された洗剤処方中に組み込まれ得る。この公報は、参照することによって本明細書に組入れられる。
レザー産業用途
本発明のズブチラーゼはレザー産業、特にスキンの脱毛において有用でありうる。
この用途では、本発明のズブチラーゼ変異体は好ましくは別のプロテアーゼを更に含んで成る酵素組成物に利用する。
その他の適当なプロテアーゼのより詳細な説明については洗浄組成物において利用する適当な酵素に関する章を参照された(前掲)。
ウール産業用途
本発明のズブチラーゼはウール産業、特にウールを含む衣服のクリーニングに有用でありうる。
この用途では、本発明のズブチラーゼ変異体は好ましくは別のプロテアーゼを更に含んで成る酵素組成物に利用する。
その他の適当なプロテアーゼのより詳細な説明については洗浄組成物において利用する適当な酵素に関する章を参照された(前掲)。
本発明を以下の限定ではない実施例で更に説明する。
材料と方法

B.スブチリスDN1885(Diderichsen ら、1990)。
B.レンタス309及び147はバチルス・レンタスの特定の株であり、NCIBに寄託され、そして受託番号NCIB10309及び10147が付され、そして引用することで本明細書に組入れる米国特許第3,723,250号に記載されている。
大腸菌MC1000(M.J.Casadaban and S.N.Cohen (1980); J.Mol.Biol. 138 179-207 )は慣用の方法によりr- ,m+ にされ、そして米国特許出願第039,298号に記載されている。
プラスミド:
pJS3:ズブチラーゼ309をコードする合成遺伝子を含む大腸菌−B.スブチリスシャトルベクター(Jacob Schiodt ら、Protein and Peptide Letters 3: 39-44 (1996) に記載)。
pSX222:B.スブチリス発現ベクター(WO 96/34946に記載)。
一般の分子生物学的方法:
何らかのことわりのない限り、DNAの操作及び形質転換は分子生物学の標準的な方法を利用して実施する(Sambrookら(1989) Molecular cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor lab., Cold Spring Harbor, NY; Ausubel, F.M.ら(eds.)“Current protocols in Molecular Biology”. John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C.R., and Cutting, S.M. (eds.)“Molecular Biological Methods for Bacillus”. John Wiley and Sons, 1990)。
DNA操作のための酵素は供給者の仕様書に従って用いる。
DNA操作のための酵素
何らかのことわりのない限り、DNA操作のための酵素、例えば制限エンドヌクレアーゼ、リガーゼ等は全てNew England Biolabs, Inc. から入手した。
タンパク質分解活性
本発明との関係で、タンパク質分解活性はキロNOVOプロテアーゼ単位(KNPU)で表示する。この活性は酵素標準品(SAVINASE(登録商標))に対して決定し、そしてその決定は標準条件、即ち、50℃、pH8.3、反応時間9分、測定時間3分においてのタンパク質分解酵素によるジメチルカゼイン(DMC)溶液の消化を基準とする。フォルダーAF220/1は注文によりNovo Nordisk A/S, Denmark から入手でき、そのフォルダーは引用することで本明細書に組入れる。
GUはグリシン単位であり、タンパク質分解酵素活性として定義され、それは標準条件下で、40℃での15分のインキュベーションで、基質としてN−アセチルカゼインを用い、1mmole のグリシンに相当する量のNH2 基を生成する。
プロテアーゼ活性は基質としてスクシニル−アラニン−アラニン−プロリン-フェニルアラニン−パラニトロアニリドによるPNAアッセイを利用しても測定できうる。PNAアッセイの原理はRothgeb, T.M., Goodlander, B.D., Garrison, P.H., and Smith, L.A., Journal of the American Oil Chemists' Society, Vol.65 (5) pp.806-810 (1988) に記載されている。
発酵:
ズブチラーゼ酵素の生産のための発酵は30℃で、ロータリーシェーキングテーブル上で(300rpm )、100mlのBPX培地を含む500mlのバッフル付きエーレンマイヤーフラスコの中で5日間実施する。
従って、例えば20リットルの培地を作るには、20本のエーレンマイヤーフラスコを同時に発酵させる。
培地:
BPX培地組成(1リットル当り)
ポテトデンプン 100g
粉砕オオムギ 50g
ダイズ穀粉 20g
Na2HPO4・12H2O 9g
プルロニック 0.1g
カゼイン酸ナトリウム 10g
培地中のデンプンをα−アミラーゼで液化させ、そしてその培地を120℃で45分かけて加熱することにより滅菌する。滅菌の後、NaHCO3 を0.1M添加することにより培地のpHを9に合わせる。
実施例1
酵素変異体の構築及び発現
部位特異的突然変異誘発:
活性部位ループ(b)における97位と98位との間に特異的な挿入を含んで成る本発明のズブチラーゼ309部位特異的変異体を、所望の挿入を含むオリゴのPCRを介しDNAフラグメントの伝統的なクローニング(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor, 1989)により作る。
鋳型プラスミドDNAはpJS3、又はズブチラーゼ309の変異体を含むこの類似体とする。
挿入はG97GX挿入変異体(Xは97位と98位との間に挿入された任意のアミノ酸残基)の構築体にオリゴ特異的突然変異誘発により導入し、G97GXズブチラーゼ309変異体が得られる。
ズブチラーゼ309変異体を大腸菌に形質転換させる。これらの形質転換体の一夜培養物から精製したDNAを制限エンドヌクレアーゼ消化、DNAフラグメントの精製、ライゲーション、B.スブチリスの形質転換を介し、B.スブチリスに形質転換する。B.スブチリスの形質転換はDubnauら、1971, J.Mol.Biol. 56, pp.209-221に記載されている。
局在領域にランダム挿入を施すための局在ランダム突然変異誘発
局在ランダム突然変異誘発を実施するために利用する全体的な戦略は以下の通りである:
挿入を規定するDNA塩基対により分割された挿入部位に隣接するDNA配列に対応する突然変異誘発プライマー(オリゴヌクレオチド)を合成する。
次に、得られる突然変異誘発プライマーを適当な対立プライマーによるPCR反応に用いる。得られるPCRフラグメントを精製し、そしてエンドヌクレアーゼにより消化し、そして大腸菌−B.スブチリスシャトルベクターの中にクローニングする(下記参照)。
他方、且つ必要ならば、得られるPCRを第二PCR反応において、突然変異領域の消化及びシャトルベクターへのクローニングを可能にする第二の適当な対立プライマーと共にプライマーとして用いる。これらのPCR反応は正常な条件下で実施する。
この戦略に従い、局在ランダムライブラリーがSAVINASEの中で構築され、それにおいては挿入が活性部位ループ領域内の97位と98位との間に導入されている。
突然変異を突然変異誘発プライマーにより導入し(下記参照)、全てのアミノ酸が表示されるようにする(N=25%のA,T,C及びG;ここでS=50%のC及びG)。出来上がったPCRフラグメントをサビナーゼのN末端に向い、重複配列と、プライマー5′ CTA AAT ATT CGT GGT GGC GC 3′(センス)及び5′ GAC TTT AAC AGC GTA TAG CTC AGC 3′(アンチセンス)によるPCR増幅によって作られたPCRフラグメントとの組合せによるPCRの別のラウンドにより伸長させる。伸長したDNAフラグメントを修飾プラスミドpJS3(上記参照)のHindIII −及びMluI−部位の中にクローニングし、そして10個のランダムに選別した大腸菌コロニーを配列決定してデザインした突然変異を確認した。
突然変異誘発プライマー(5′ GCT GAG CTA TAC GCT GTT AAA GTC CTA GGG NNS GCG AGC GGT TCA GGT TC 3′(センス))をpJS3内のMluI部位の下流に配置された適当なアンチセンス対立プライマー(例えば5′−CCT TTT AAC CGC ACA GGG TTT −3′(アンチセンス))及び鋳型としてのプラスミドpJS3によるPCR反応に用いる。得られるPCR生成物を制限酵素HindIII 及びMluIを用いることによりpJS3シャトルベクターの中にクローニングした。
ランダムライブラリーは周知の技術により大腸菌に形質転換させた。
調製したライブラリーは約100,000個の独立のクローン/ライブラリーを含んだ。
10個のランダムに選別したコロニーを配列決定し、デザインした突然変異を確認した。
本発明のズブチラーゼ変異体を精製するため、本発明の変異体を含んで成るB.スブチリス pJS3発現プラスミドをコンピテントB.スブチリス株に形質転換させ、そして上記の通りにして10μg/mlのクロラムフェニコール(CAM)を含む培地の中で発酵させた。
実施例2
酵素変異体の精製
この手順はバチルス宿主細胞における本発明のズブチラーゼの生産のための2リットルスケール発酵の精製に関する。
約1.6リットルの発酵ブロスを1リットルのビーカー内で5000rpm で35分遠心分離する。その上清液を10%の酢酸を用いてpH6.5にし、そしてSeitz Supra S100フィルタープレート上で濾過した。
その濾液をAmicon S1Y10 UFカートリッジの付いたAmicon CH2A UFユニットを用いて約400mlに濃縮する。そのUF濃縮物を遠心分離し、濾過し、それからバシトラシンアフィニティーカラムpH7上に室温で吸着させる。プロテアーゼをバシトラシンカラムから室温にて、0.01Mのジメチルグルタル酸、0.1Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含むpH7に調整されたバッファー溶液中の25%の2−プロパノール及び1Mの塩化ナトリウムを用いて溶出させる。
バシトラシン精製工程由来のプロテアーゼ活性を有する画分を組合せ、そして0.01Mのジメチルグルタル酸、0.2Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含むpH6.5に調整されたバッファーで平衡にした750mlのSephadex G25カラム(直径5cm)に載せる。
Sephadex G25カラム由来のタンパク質分解活性を有する画分を組合せ、そして0.01Mのジメチルグルタル酸、0.2Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含むpH6.5に調整されたバッファーで平衡にした150mlのCM Sepharose CL 6B陽イオン交換カラム(直径5cm)に載せる。
プロテアーゼを同一のバッファー2リットルでの0〜0.1Mの塩化ナトリウムの線形勾配(ズブチリシン147の場合0〜0.2Mの塩化ナトリウム)を利用して溶出させる。
最終精製工程で、CM Sepharoseカラム由来のプロテアーゼ含有画分を組合せ、そしてGR81PP膜(Danish Sugar Factories, Inc.由来)の付いたAmicon限外濾過セルで濃縮する。
実施例1の構築及び発酵のための技術、並びに上記の単離手順を利用することにより、下記のズブチリシン309変異体が生成及び単離された:
G97GT
G97GS
G97GD
G97GE
G97GP
G97GG
G97GH
G97GI
G97GA
G97GT+Y167A
G97GP+A98T
これらの変異体は予備アッセイでSavinaseよりも優れた洗浄性能を発揮することがわかった。
実施例3
酵素変異体を含んで成る洗浄組成物の洗浄性能
下記の実施例は表示の条件下で行ったいくつかの洗浄試験曲線の結果である。
Figure 0005563180
洗剤:
使用する洗剤はデンマーク(OMO、データーシートED−9745105)及び米国(Wisk、データーシートED−9711893)でスーパーマーケットからそれぞれ獲得した。使用前に、洗剤の酵素活性をマイクロ波処理で不活化する。
見本:
使用する見本はEMPA Testmaterialen, Movenstrasse 12, CH-9015 St.Gall, Switzerlandから入手したEMPA116及びEMPA117を用いる。
反射率
試験材料での反射率(R)の測定は460nmにて、Macbeth Color Eye 7000光度計を用いて行う。測定は製造者のプロトコールに従って行う。
評価
ズブチラーゼの洗浄性能の評価は検討したズブチラーゼの向上係数又は性能係数のいずれかにより決定する。
向上係数IFDoseresponseは、検討したズブチラーゼを含む洗剤及び対照のズブチラーゼを含む同じ洗剤についての、ズブチラーゼ暫近的濃度が0に至るときの洗浄性能曲線の傾きである。
IFDoseresponse=a/aref
洗浄性能は次式Iに従って計算される:
Figure 0005563180
ここで、
Rは反射単位の洗浄性能;R0 はフィット曲線のy軸での切片(ブラインド);aはc→0でのフィット曲線の傾き;cは酵素濃度;そしてΔRmax はc→∞での理論的最大洗浄効果である。
性能係数Pは式IIに従って計算される
Figure 0005563180
ここで
variant は10nMの変異体で洗浄した試験材料の反射率;Rsavinaseは10nMのSavinaseで洗浄した試験材料の反射率;Rblank は酵素抜きで洗浄した試験材料の反射率である。
Figure 0005563180
本発明のズブチラーゼはSavinase(登録商標)と比べ向上した洗浄性能を発揮することがこのようにして認められる。
上記のGAPルーチンを利用したズブチリシンBPN’(a)とSavinase(登録商標)(b)とのアライメント。 WO 91/00345から引用するズブチリシンBPN’とSavinase(登録商標)とのアライメント。 上記のGAPルーチンを利用したズブチリシンBPN’とズブチリシン カールスバーグとのアライメント。 WO 91/00345から引用するズブチリシンBPN’とズブチリシンカールスバーグとのアライメント。 Savinaseの三次元構造(タンパク質データバンク(PDB)エントリー1SVN)。この図では活性部位ループ(b)を示す。

Claims (21)

  1. スブチリシン309において、G97GA、G97GS、G97GT、G97GG、G97GD、G97GE、G97GP又はG97GIの挿入を含む、ズブチラーゼ酵素。
  2. 前記97位と98位との間の挿入が任意のその他の位置における1又は複数の更なる修飾と組合されている、請求項1に記載のズブチラーゼ酵素。
  3. 前記更なる修飾が27,36,57,76,87,97,101,104,120,123,167,170,206,218,222,224,235及び274位のうちの1又は複数にある、請求項2に記載のズブチラーゼ酵素。
  4. 前記修飾が95,96,97,98,99,100,101,102及び103位のうちの1又は複数における修飾と組合されている、請求項2又は3に記載のズブチラーゼ酵素。
  5. 前記更なる修飾が、K27R,*36D,S57P,N76D,S87N,G97N,S101G,V104A,V104N,V104Y,H120D,N123S,Y167X,R170X,Q206E,N218S,M222S,M222A,T224S,K235L及びT274Aから成る群から選ばれる、請求項2又は3に記載のズブチラーゼ酵素。
  6. 前記更なる修飾がS101G+V104N,S87N+S101G+V104N,K27R+V104Y+N123S+T274A,N76D+S103A+V104IもしくはN76D+V104A、又はこれらの突然変異(V104N,S101G,K27R,V104Y,N123S,T274A,N76D,V104A)の他の組み合わせ、請求項1〜4のいずれか1項に挙げた任意の1もしくは複数の置換、欠失及び/もしくは挿入との組合せにおけるその他の組合せから成る群から選ばれる、請求項2又は3に記載のズブチラーゼ酵素。
  7. 前記更なる修飾がP129K,P131H,A133P,A133D及びA194Pから成る群から選ばれる、請求項に記載のズブチラーゼ酵素。
  8. G97GT+Y167A又はG97GP+A98Tを含んで成る、請求項1〜のいずれか1項に記載のズブチラーゼ酵素。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のズブチラーゼ又はズブチラーゼ変異体をコードする配列からなる単離されたDNA。
  10. 請求項に記載の単離されたDNA含んで成る発現ベクター。
  11. 請求項1に記載の発現ベクターで形質転換された微生物宿主細胞。
  12. 細菌である、請求項1に記載の微生物宿主。
  13. バチルス(Bacillus)である、請求項1に記載の微生物宿主。
  14. B.レンタス(B.lentus)である、請求項1に記載の微生物宿主。
  15. 真菌又は酵母である、請求項1に記載の微生物宿主。
  16. 糸状菌である、請求項15に記載の微生物宿主。
  17. アスペルギルス(Aspergillus)である、請求項16に記載の微生物宿主。
  18. 請求項1〜のいずれか1項記載のズブチラーゼ酵素を生産するための方法であって、請求項11〜17のいずれか1項記載の宿主を前記酵素の発現及び分泌を誘導する条件下で培養し、そして当該酵素を回収する、前記方法。
  19. 請求項1〜のいずれか1項記載のズブチラーゼ酵素を含んで成る洗浄組成物。
  20. セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、オキシドリダクターゼ、その他のプロテアーゼ、又はアミラーゼを更に含んで成る、請求項19記載の洗浄組成物。
  21. 請求項1〜のいずれか1項記載のズブチラーゼ酵素、又は請求項19もしくは20に記載の洗浄組成物の、洗濯及び/又は食器洗浄洗剤への利用。
JP2000620064A 1999-05-20 2000-05-10 97位と98位との間に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するi−s1及びi−s2サブグループのズブチラーゼ酵素 Expired - Fee Related JP5563180B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DKPA199900701 1999-05-20
DKPA199900701 1999-05-20
DK199900701 1999-05-20
PCT/DK2000/000237 WO2000071686A1 (en) 1999-05-20 2000-05-10 Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having at least one additional amino acid residue between positions 97 and 98

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003500048A JP2003500048A (ja) 2003-01-07
JP5563180B2 true JP5563180B2 (ja) 2014-07-30

Family

ID=8096550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000620064A Expired - Fee Related JP5563180B2 (ja) 1999-05-20 2000-05-10 97位と98位との間に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するi−s1及びi−s2サブグループのズブチラーゼ酵素

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP1183338B2 (ja)
JP (1) JP5563180B2 (ja)
KR (1) KR100767710B1 (ja)
CN (1) CN100415880C (ja)
AT (1) ATE408677T1 (ja)
BR (1) BR0010738A (ja)
CA (1) CA2374350C (ja)
DE (1) DE60040283D1 (ja)
MX (1) MXPA01011836A (ja)
WO (1) WO2000071686A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI319007B (en) * 2002-11-06 2010-01-01 Novozymes As Subtilase variants
US7888093B2 (en) 2002-11-06 2011-02-15 Novozymes A/S Subtilase variants
US20110256609A1 (en) * 2008-06-06 2011-10-20 Basler Joshua R Compositions And Methods Comprising Variant Microbial Proteases
CN103396904B (zh) * 2008-11-11 2015-12-23 宝洁公司 包含丝氨酸蛋白酶变体的组合物和方法
RU2560978C2 (ru) 2008-11-11 2015-08-20 ДАНИСКО ЮЭс ИНК. Протеазы, содержащие одну или несколько комбинируемых мутаций
WO2023225459A2 (en) 2022-05-14 2023-11-23 Novozymes A/S Compositions and methods for preventing, treating, supressing and/or eliminating phytopathogenic infestations and infections

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK316989D0 (da) 1989-06-26 1989-06-26 Novo Nordisk As Enzymer
JPH04500385A (ja) * 1989-06-26 1992-01-23 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 酵素洗剤組成物
US6436690B1 (en) 1993-09-15 2002-08-20 The Procter & Gamble Company BPN′ variants having decreased adsorption and increased hydrolysis wherein one or more loop regions are substituted
BR9407833A (pt) * 1993-10-14 1997-05-13 Procter & Gamble Composições alvejantes compreendendo enzimas protease
US6599730B1 (en) * 1994-05-02 2003-07-29 Procter & Gamble Company Subtilisin 309 variants having decreased adsorption and increased hydrolysis
WO1996034935A2 (en) * 1995-05-05 1996-11-07 Unilever N.V. Subtilisin variants
ATE409743T1 (de) 1996-11-04 2008-10-15 Novozymes As Subtilase varianten und verbindungen
CN1272881A (zh) * 1997-08-29 2000-11-08 诺沃挪第克公司 蛋白酶变体及组合物
CA2310454C (en) * 1997-11-21 2012-01-24 Novo Nordisk A/S Protease variants and compositions

Also Published As

Publication number Publication date
CN1351658A (zh) 2002-05-29
KR100767710B1 (ko) 2007-10-17
WO2000071686A1 (en) 2000-11-30
JP2003500048A (ja) 2003-01-07
MXPA01011836A (es) 2002-06-21
ATE408677T1 (de) 2008-10-15
KR20020040665A (ko) 2002-05-30
CA2374350C (en) 2012-10-23
DE60040283D1 (de) 2008-10-30
EP1183338B2 (en) 2012-06-13
CN100415880C (zh) 2008-09-03
BR0010738A (pt) 2002-02-19
EP1183338B1 (en) 2008-09-17
CA2374350A1 (en) 2000-11-30
EP1183338A1 (en) 2002-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2355574C (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
AU771078B2 (en) Subtilase enzymes of the I-S1 and I-S2 sub-groups having an additional amino acid residue in the active site loop region
US6773907B2 (en) Subtilase enzymes
AU772347B2 (en) Subtilase enzymes of the I-S1 and I-S2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
JP5563180B2 (ja) 97位と98位との間に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有するi−s1及びi−s2サブグループのズブチラーゼ酵素
EP1183343A1 (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having at least one additional amino acid residue between positions 125 and 126
AU773063B2 (en) Subtilase enzymes of the I-S1 and I-S2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
CA2355947C (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
CA2355969C (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
JP4611530B2 (ja) 活性部位ループ領域中に追加のアミノ酸残基を有するサブチラーゼ酵素サブグループi−s1及びi−s2
CA2355579C (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
EP1183339A1 (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having at least one additional amino acid residue between positions 129 and 130
EP1183340A1 (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having at least one additional amino acid residue between positions 126 and 127
EP1183341A1 (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having at least one additional amino acid residue between positions 127 and 128
EP1141259A1 (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
MXPA01006234A (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region
AU4392600A (en) Subtilase enzymes of the I-S1 and I-S2 sub-groups having at least one additional amino acid residue between positions 97 and 98
MXPA01006222A (en) Subtilase enzymes of the i-s1 and i-s2 sub-groups having an additional amino acid residue in an active site loop region

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100720

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101020

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110414

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110426

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20110708

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121112

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5563180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees