以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
(第1の実施形態)
本実施形態では、ユーザは、自身の運転免許証(以下、単に「免許証」という。)を携帯して車両に乗車する。免許証は、車載器により読み取られ、その情報は、暗証番号発行サーバに送信される。暗証番号発行サーバは、免許証情報管理サーバに問い合わせることにより免許証の有効性を確認した後に、一時的な暗証番号を生成して車載器に送信すると共に、ユーザの携帯端末にも送信する。ユーザは、自身の携帯端末を用いて暗証番号発行サーバから受信した暗証番号を確認すると共に、その暗証番号を車載器に入力する。車載器は、入力された暗証番号が暗証番号発行サーバから受信した暗証番号と一致した場合に、エンジンの始動制限を解除する。
図1は、エンジン始動制限解除システム1の概略構成の一例を示す図である。
エンジン始動制限解除システム1は、免許証2と、車載器3と、暗証番号発行サーバ6と、免許証情報管理サーバ7と、携帯端末12とを有する。車載器3と、暗証番号発行サーバ6と、免許証情報管理サーバ7と、携帯端末12とは、公衆通信回線、無線通信回線等の通信ネットワークを介して相互に接続される。例えば、車載器3と暗証番号発行サーバ6とは、路側機4、不図示の路側機サーバ、及びインターネット5を介して相互に接続され、また、暗証番号発行サーバ6と免許証情報管理サーバ7とは、インターネット5を介して相互に接続され、さらに、暗証番号発行サーバ6と携帯端末12とは、インターネット5、ゲートウェイ8、携帯電話網9、及び基地局11を介して相互に接続される。
免許証2は、非接触型ICチップを有し、免許証情報(免許証番号、氏名、本籍、住所、生年月日、有効期限等)を記憶する。免許証2は、後述する免許証読取部35により駆動電力を供給された場合に、記憶している免許証情報を、免許証読取部35に無線で送信する。
図2は、車載器3の概略構成の一例を示す図である。
車載器3は、免許証2を読み取り、その情報を暗証番号発行サーバ6に送信する。また、車載器3は、暗証番号発行サーバ6から暗証番号を受信する。さらに、車載器3は、ユーザにより入力された暗証番号が暗証番号発行サーバ6から受信した暗証番号と一致するか否かを判定し、一致した場合に、エンジンの始動制限を解除する。そのために、車載器3は、車載器通信部31と、車載器記憶部32と、車載器操作部33と、車載器表示部34と、免許証読取部35と、車載器処理部36とを有する。
車載器通信部31は、5.8GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、車載器3を無線通信ネットワークに接続する。車載器通信部31は、路側機4との間でDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式等による無線信号回線を確立し、路側機4との間で通信を行う。そして、車載器通信部31は、他の路側機4、暗証番号発行サーバ6等から受信したデータを、車載器処理部36に与える。また、車載器通信部31は、車載器処理部36から与えられたデータを、他の路側機4、暗証番号発行サーバ6等に送信する。
車載器記憶部32は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを有する。車載器記憶部32は、車載器処理部36での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、車載器記憶部32は、ドライバプログラムとして、車載器操作部33を制御する入力デバイスドライバプログラム、車載器表示部34を制御する出力デバイスドライバプログラム、免許証読取部35を制御する入力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、車載器記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、暗証番号の照合処理を行うアプリケーションプログラム、エンジンの始動制限の解除処理を行うアプリケーションプログラム等を記憶する。また、車載器記憶部32は、データとして、免許証2から受信した免許証情報、暗証番号発行サーバ6から受信した暗証番号、地図データ、文字変換用の辞書データ、映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、車載器記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
車載器操作部33は、車載器3の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、テンキー等である。ユーザは、車載器操作部33を用いて、指示、文字、数字等を入力することができる。車載器操作部33は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザからの指示として、車載器処理部36に与えられる。
車載器表示部34は、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。車載器表示部34は、車載器処理部36から与えられた映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。
免許証読取部35は、免許証2に電磁波を送信して駆動電力を供給する。また、免許証読取部35は、免許証2から免許証情報を無線で受信する。受信した免許証情報は、車載器処理部36に与えられる。
車載器処理部36は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。車載器処理部36は、車載器3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。車載器処理部36は、車載器3の各種の処理が車載器記憶部32に記憶されているプログラム、車載器操作部33の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、車載器通信部31、車載器表示部34、免許証読取部35等の動作を制御する。車載器処理部36は、車載器記憶部32に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、車載器処理部36は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
車載器処理部36は、免許証番号送信部361と、暗証番号照合部362と、エンジン始動制限解除部363とを有する。これらの各部は、車載器処理部36が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして、車載器3に実装されてもよい。
免許証2から免許証読取部35を介して、免許証情報を受信した場合に、免許証番号送信部361は、受信した免許証情報を、車載器記憶部32に格納する。また、免許証番号送信部361は、受信した免許証情報内の免許証番号をパラメータとして、暗証番号の発行要求を、車載器通信部31を介して暗証番号発行サーバ6に送信する。
暗証番号発行サーバ6から車載器通信部31を介して、暗証番号を受信した場合に、暗証番号照合部362は、受信した暗証番号を車載器記憶部32に格納する。また、ユーザにより車載器操作部33を介して、暗証番号が入力された場合に、暗証番号照合部362は、入力された暗証番号が車載器記憶部32に記憶されている暗証番号と一致するか否かを判定する。
暗証番号同士が一致した場合に、エンジン始動制限解除部363は、不図示のエンジン始動制限部に、エンジンの始動制限の解除を指示する。なお、エンジン始動制限部は、エンジンの始動を制限するものであり、本実施形態においては、イモビライザにより構成されるとする。しかしながら、イグニッションスイッチのロック/アンロック機構により構成されることも可能である。一方、暗証番号同士が一致しなかった場合に、エンジン始動制限解除部363は、車載器表示部34に、暗証番号が一致しない旨のエラーメッセージを表示する。
図3(a)は、暗証番号発行サーバ6の概略構成の一例を示す図である。
暗証番号発行サーバ6は、各ユーザの免許証番号、電話番号(ショートメッセージの宛先)等を管理する。また、暗証番号発行サーバ6は、車載器3からの要求に応じて、免許証2の有効性を判定し、免許証2が有効である場合に、一時的な暗証番号を生成して車載器3に送信すると共に、携帯端末12にも送信する。そのために、暗証番号発行サーバ6は、サーバ通信部61と、サーバ記憶部62と、サーバ処理部63とを有する。
サーバ通信部61は、暗証番号発行サーバ6をインターネット5に接続するための通信インターフェース回路を有し、インターネット5との間で通信を行う。そして、サーバ通信部61は、車載器3等から受信したデータを、サーバ処理部63に与える。また、サーバ通信部61は、サーバ処理部63から与えられたデータを、車載器3等に送信する。
サーバ記憶部62は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを有する。サーバ記憶部62は、サーバ処理部63での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部62は、アプリケーションプログラムとして、電話番号の登録処理を行うアプリケーションプログラム、暗証番号の生成処理を行うアプリケーションプログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部62は、データとして、電話番号管理テーブル(図3(b))等を記憶する。さらに、サーバ記憶部62は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
図3(b)は、電話番号管理テーブルの一例を示す。電話番号管理テーブルには、各ユーザの免許証番号、電話番号等が含まれる。
サーバ処理部63は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。サーバ処理部63は、暗証番号発行サーバ6の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。サーバ処理部63は、暗証番号発行サーバ6の各種の処理がサーバ記憶部62に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部61等の動作を制御する。サーバ処理部63は、サーバ記憶部62に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部63は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
サーバ処理部63は、電話番号登録部631と、暗証番号発行部632と、暗証番号送信部633とを有する。これらの各部は、サーバ処理部63が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして、暗証番号発行サーバ6に実装されてもよい。
携帯端末12からサーバ通信部61を介して、免許証番号及び電話番号をパラメータとして、電話番号の登録要求を受信した場合に、電話番号登録部631は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、同じく受信した電話番号を格納する。
車載器3からサーバ通信部61を介して、免許証番号をパラメータとして、暗証番号の発行要求を受信した場合に、暗証番号発行部632は、受信した免許証番号をパラメータとして、免許証2の有効性の判定要求を、サーバ通信部61を介して免許証情報管理サーバ7に送信する。また、免許証情報管理サーバ7からサーバ通信部61を介して、判定結果情報を受信した場合に、暗証番号発行部632は、受信した判定結果情報が免許証2の有効を示すか否かを判定する。そして、受信した判定結果情報が免許証2の有効を示す場合に、暗証番号発行部632は、一時的な暗証番号を生成する。なお、暗証番号の生成は、現在の時刻に所定のハッシュ関数を適用することにより行う。しかしながら、他の方法により行うことも可能である。
暗証番号送信部633は、生成された暗証番号を、サーバ通信部61を介して車載器3に送信する。また、暗証番号送信部633は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、対応する電話番号を抽出する。そして、暗証番号送信部633は、抽出した電話番号を宛先として、生成された暗証番号を含むショートメッセージを、サーバ通信部61及びSMS(Short Message Service)サーバ10を介して携帯端末12に送信する。一方、受信した判定結果情報が免許証2の無効を示す場合に、暗証番号送信部633は、免許証2が無効である旨のエラーメッセージを含むショートメッセージを、サーバ通信部61及びSMSサーバ10を介して携帯端末12に送信する。
図4(a)は、免許証情報管理サーバ7の概略構成の一例を示す図である。
免許証情報管理サーバ7は、各ユーザの免許証情報を管理する。また、免許証情報管理サーバ7は、暗証番号発行サーバ6からの要求に応じて、免許証2の有効性を判定し、その有効/無効を示す判定結果情報を生成して暗証番号発行サーバ6に送信する。そのために、免許証情報管理サーバ7は、サーバ通信部71と、サーバ記憶部72と、サーバ処理部73とを有する。
サーバ通信部71は、免許証情報管理サーバ7をインターネット5に接続するための通信インターフェース回路を有し、インターネット5との間で通信を行う。そして、サーバ通信部71は、暗証番号発行サーバ6等から受信したデータを、サーバ処理部73に与える。また、サーバ通信部71は、サーバ処理部73から与えられたデータを、暗証番号発行サーバ6等に送信する。
サーバ記憶部72は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを有する。サーバ記憶部72は、サーバ処理部73での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部72は、アプリケーションプログラムとして、免許証2の有効性の判定処理を行うアプリケーションプログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部72は、データとして、免許証情報管理テーブル(図4(a))等を記憶する。さらに、サーバ記憶部72は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
図4(b)は、免許証情報管理テーブルの一例を示す。免許証情報管理テーブルには、各ユーザの免許証情報として、免許証番号、氏名、本籍、住所、生年月日、有効期限等が含まれる。
サーバ処理部73は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。サーバ処理部73は、免許証情報管理サーバ7の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。サーバ処理部73は、免許証情報管理サーバ7の各種の処理がサーバ記憶部72に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部71等の動作を制御する。サーバ処理部73は、サーバ記憶部72に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部73は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
サーバ処理部73は、少なくとも免許証有効性判定部731を有する。これらの各部は、サーバ処理部73が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして、免許証情報管理サーバ7に実装されてもよい。
暗証番号発行サーバ6からサーバ通信部71を介して、免許証番号をパラメータとして、免許証2の有効性の判定要求を受信した場合に、免許証有効性判定部731は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部72に記憶されている免許証情報管理テーブルを参照し、対応する免許証2の有効期限を抽出する。また、免許証有効性判定部731は、抽出した有効期限が経過しているか否かを判定する。そして、抽出した有効期限が経過している場合に、免許証有効性判定部731は、免許証2の無効を示す判定結果情報を生成する。一方、抽出した有効期限が経過していない場合に、免許証有効性判定部731は、免許証2の有効を示す判定結果情報を生成する。そして、免許証有効性判定部731は、生成した判定結果情報を、サーバ通信部71を介して暗証番号発行サーバ6に送信する。
図5は、携帯端末12の概略構成の一例を示す図である。
携帯端末12は、ユーザからの指示に応じて、ユーザの電話番号(ショートメッセージの宛先)の登録を暗証番号発行サーバ6に要求する。また、携帯端末12は、暗証番号発行サーバ6、他の携帯端末12等とショートメッセージの送信及び受信を行う。そのために、携帯端末12は、端末通信部121と、端末記憶部122と、端末操作部123と、端末表示部124と、端末処理部125とを有する。
端末通信部121は、2.1GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、携帯端末12を無線通信ネットワークに接続する。端末通信部121は、基地局11により割り当てられるチャネルを介して、基地局11との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局11との間で通信を行う。そして、端末通信部121は、他の携帯端末12、暗証番号発行サーバ6等から受信したデータを、端末処理部125に与える。また、端末通信部121は、端末処理部125から与えられたデータを、他の携帯端末12、暗証番号発行サーバ6等に送信する。さらに、端末通信部121は、テレビ放送を受信するアンテナ、GPS(Global Positioning System)信号を受信するアンテナ等を有してもよい。
端末記憶部122は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを有する。端末記憶部122は、端末処理部125での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部122は、ドライバプログラムとして、端末操作部123を制御する入力デバイスドライバプログラム、端末表示部124を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部122は、アプリケーションプログラムとして、電話番号の登録処理を行うアプリケーションプログラム、ショートメッセージの送信処理及び受信処理を行うアプリケーションプログラム等を記憶する。また、端末記憶部122は、データとして、暗証番号発行サーバ6等から受信したショートメッセージデータ、アドレス帳データ、文字変換用の辞書データ、映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、端末記憶部122は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
端末操作部123は、携帯端末12の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、キーボード等である。ユーザは、端末操作部123を用いて、指示、文字、数字等を入力することができる。端末操作部123は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザからの指示として、端末処理部125に与えられる。
端末表示部124は、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。端末表示部124は、端末処理部125から与えられた映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。
端末処理部125は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。端末処理部125は、携帯端末12の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部125は、携帯端末12の各種の処理が端末記憶部122に記憶されているプログラム、端末操作部123の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部121、端末表示部124等の動作を制御する。端末処理部125は、端末記憶部122に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部125は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
端末処理部125は、電話番号登録要求部1251と、SMS送受信部1252とを有する。これらの各部は、端末処理部125が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして、携帯端末12に実装されてもよい。
ユーザにより端末操作部123を介して、携帯端末12の電話番号の登録が指示された場合に、電話番号登録要求部1251は、不図示のインターフェース部を介して装着された外部記憶部(例えば、SIM(Subscriber Identity Module)カード)等から携帯端末12の電話番号を取得し、同じくユーザにより端末操作部123を介して入力された免許証番号と共にパラメータとして、電話番号の登録要求を、端末通信部121を介して暗証番号発行サーバ6に送信する。
ユーザにより端末操作部123を介して、他の携帯端末12へのショートメッセージの送信が指示された場合に、SMS送受信部1252は、同じくユーザにより端末操作部123を介して入力された他の携帯端末12の電話番号を宛先として、ショートメッセージを、端末通信部121及びSMSサーバ10を介して他の携帯端末12に送信する。一方、暗証番号発行サーバ6、他の携帯端末12等からSMSサーバ10及び端末通信部121を介して、ショートメッセージを受信した場合に、SMS送受信部1252は、受信したショートメッセージを端末記憶部122に格納すると共に、所定の音声を不図示の音声出力部に出力する等により、携帯端末12のユーザにショートメッセージの受信を通知する。そして、ユーザにより端末操作部123を介して、受信したショートメッセージの表示が指示された場合に、SMS送受信部1252は、端末記憶部122に記憶されているショートメッセージを、表示部24に表示する。
図6は、エンジン始動制限解除システム1の動作シーケンスの一例を示す図である。なお、以下に説明する動作シーケンスは、予め車載器記憶部32、サーバ記憶部62、サーバ記憶部72、及び端末記憶部122に記憶されているプログラムに基づいて、主に車載器処理部36、サーバ処理部63、サーバ処理部73、及び端末処理部125により、車載器3、暗証番号発行サーバ6、免許証情報管理サーバ7、及び携帯端末12の各要素と協働して実行される。
ユーザは、端末操作部123を介して携帯端末12に、その電話番号の登録を指示する。電話番号登録要求部1251は、不図示のインターフェース部を介して装着された外部記憶部等から携帯端末12の電話番号を取得し、同じくユーザにより端末操作部123を介して入力された免許証番号と共にパラメータとして、電話番号の登録要求を、端末通信部121を介して暗証番号発行サーバ6に送信する(ステップS600)。
携帯端末12からサーバ通信部61を介して、免許証番号及び電話番号をパラメータとして、電話番号の登録要求を受信した場合に、電話番号登録部631は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、同じく受信した電話番号を格納する(ステップS602)。
ユーザは、免許証読取部35を介して車載器3に、免許証2の読み取りを指示する。免許証番号送信部361は、免許証2から免許証読取部35を介して受信した免許証情報を、車載器記憶部32に格納する(ステップS610)。
免許証番号送信部361は、受信した免許証情報内の免許証番号をパラメータとして、暗証番号の発行要求を、車載器通信部31を介して暗証番号発行サーバ6に送信する(ステップS612)。
車載器3からサーバ通信部61を介して、免許証番号をパラメータとして、暗証番号の発行要求を受信した場合に、暗証番号発行部632は、受信した免許証番号をパラメータとして、免許証2の有効性の判定要求を、サーバ通信部61を介して免許証情報管理サーバ7に送信する(ステップS614)。
暗証番号発行サーバ6からサーバ通信部71を介して、免許証番号をパラメータとして、免許証2の有効性の判定要求を受信した場合に、免許証有効性判定部731は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部72に記憶されている免許証情報管理テーブルを参照し、対応する免許証2の有効期限を抽出する。また、免許証有効性判定部731は、抽出した有効期限が経過しているか否かを判定する(ステップS616)。そして、抽出した有効期限が経過している場合に、免許証有効性判定部731は、免許証2の無効を示す判定結果情報を生成する。一方、抽出した有効期限が経過していない場合に、免許証有効性判定部731は、免許証2の有効を示す判定結果情報を生成する。
免許証有効性判定部731は、生成した判定結果情報を、サーバ通信部71を介して暗証番号発行サーバ6に送信する(ステップS618)。
免許証情報管理サーバ7からサーバ通信部61を介して、判定結果情報を受信した場合に、暗証番号発行部632は、受信した判定結果情報が免許証2の有効を示すか否かを判定する(ステップS620)。
受信した判定結果情報が免許証2の有効を示す場合に(ステップS620−Yes)、暗証番号発行部632は、一時的な暗証番号を生成する(ステップS622)。
暗証番号送信部633は、生成された暗証番号を、サーバ通信部61を介して車載器3に送信する(ステップS624)。
暗証番号発行サーバ6から車載器通信部31を介して、暗証番号を受信した場合に、暗証番号照合部362は、受信した暗証番号を車載器記憶部32に格納する(ステップS626)。
また、暗証番号送信部633は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、対応する電話番号を抽出する。そして、暗証番号送信部633は、抽出した電話番号を宛先として、生成された暗証番号を含むショートメッセージを、サーバ通信部61及びSMSサーバ10を介して携帯端末12に送信する(ステップS628)。
一方、受信した判定結果情報が免許証2の無効を示す場合に(ステップS620−No)、暗証番号送信部633は、免許証2が無効である旨のエラーメッセージを含むショートメッセージを、サーバ通信部61及びSMSサーバ10を介して携帯端末12に送信する(ステップS632)。
暗証番号発行サーバ6からSMSサーバ10及び端末通信部121を介して、ショートメッセージを受信した場合に、SMS送受信部1252は、受信したショートメッセージを端末記憶部122に格納すると共に、所定の音声を不図示の音声出力部に出力する等により、携帯端末12のユーザにショートメッセージの受信を通知する。そして、ユーザにより端末操作部123を介して、受信したショートメッセージの表示が指示された場合に、SMS送受信部1252は、端末記憶部122に記憶されているショートメッセージを、表示部24に表示する(ステップS630、634)。
ユーザにより車載器操作部33を介して、暗証番号が入力された場合に(ステップS636)、暗証番号照合部362は、入力された暗証番号が車載器記憶部32に記憶されている暗証番号と一致するか否かを判定する(ステップS638)。
暗証番号同士が一致した場合に(ステップS638−Yes)、エンジン始動制限解除部363は、不図示のエンジン始動制限部に、エンジンの始動制限の解除を指示する(ステップS640)。
一方、暗証番号同士が一致しなかった場合に(ステップS638−No)、エンジン始動制限解除部363は、車載器表示部34に、暗証番号が一致しない旨のエラーメッセージを表示する(ステップS642)。
以上説明してきたように、免許証2の有効性を判定し、さらに異なる通信経路を介して送信された暗証番号を照合した上でエンジンの始動制限を解除することにより、安全性を向上させることが可能となる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、認証情報として暗証番号を用いるとしたが、パスコード、パスワード、パスフレーズ等を用いてもよい。また、本実施形態では、暗証番号の送信手段としてショートメッセージを用いるとしたが、電子メール等を用いてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、暗証番号発行サーバ6が暗証番号を生成し、車載器3がその照合を行うとした。しかしながら、暗証番号発行サーバ6が暗証番号の照合まで行うことも可能である。図7は、そのようなエンジン始動制限解除システム1’における車載器3’の概略構成の一例を示す図である。
車載器3’は、図2に示される車載器3の機能のうち、ユーザにより入力された暗証番号が暗証番号発行サーバ6から受信した暗証番号と一致するか否かを判定する代わりに、ユーザにより入力された暗証番号を暗証番号発行サーバ6’に送信し、その照合を行わせる。そのために、車載器3’は、車載器通信部31と、車載器記憶部32と、車載器操作部33と、車載器表示部34と、免許証読取部35と、車載器処理部36’とを有する。なお、これらの構成のうち、車載器通信部31と、車載器記憶部32と、車載器操作部33と、車載器表示部34と、免許証読取部35については、図2に示されるものと同一であるので、以下では説明を省略する。
車載器処理部36’は、免許証番号送信部361と、エンジン始動制限解除部363’と、暗証番号送信部364とを有する。なお、これらの構成のうち、免許証番号送信部361については、図2に示されるものと同一であるので、以下では説明を省略する。
ユーザにより車載器操作部33を介して、暗証番号が入力された場合に、暗証番号送信部364は、入力された暗証番号、及び車載器記憶部32に記憶されている免許証情報内の免許証番号をパラメータとして、暗証番号の照合要求を、車載器通信部31を介して暗証番号発行サーバ6’に送信する。
暗証番号発行サーバ6’から車載器通信部31を介して、照合結果情報を受信した場合に、エンジン始動制限解除部363’は、受信した照合結果情報が暗証番号の一致を示すか否かを判定する。そして、受信した照合結果情報が暗証番号の一致を示す場合に、エンジン始動制限解除部363’は、不図示のエンジン始動制限部に、エンジンの始動制限の解除を指示する。一方、受信した照合結果情報が暗証番号の不一致を示す場合に、エンジン始動制限解除部363’は、車載器表示部34に、暗証番号が一致しない旨のエラーメッセージを表示する。
図8は、暗証番号発行サーバ6’の概略構成の一例を示す図である。
暗証番号発行サーバ6’は、図3(a)に示される暗証番号発行サーバ6の機能のうち、生成された暗証番号を、車載器3及び携帯端末12に送信する代わりに、携帯端末12のみに送信する。また、暗証番号発行サーバ6’は、車載器3’から受信した暗証番号が生成された暗証番号と一致するか否かを判定する。そのために、暗証番号発行サーバ6’は、サーバ通信部61と、サーバ記憶部62’と、サーバ処理部63’とを有する。なお、これらの構成のうち、サーバ通信部61については、図3(a)に示されるものと同一であるので、以下では説明を省略する。
サーバ記憶部62’は、図3(a)に示されるサーバ記憶部62に記憶されているものに加えて、電話番号管理テーブル内に、生成された暗証番号を記憶する。
サーバ処理部63’は、電話番号登録部631と、暗証番号発行部632と、暗証番号送信部633’と、暗証番号照合部634とを有する。なお、これらの構成のうち、電話番号登録部631と、暗証番号発行部632については、図3(a)に示されるものと同一であるので、以下では説明を省略する。
受信した判定結果情報が免許証2の有効を示す場合に、暗証番号送信部633’は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62’に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、対応する電話番号を抽出する。そして、暗証番号送信部633’は、抽出した電話番号を宛先として、生成された暗証番号を含むショートメッセージを、サーバ通信部61及びSMSサーバ10を介して携帯端末12に送信する。一方、受信した判定結果情報が免許証2の無効を示す場合に、暗証番号送信部633’は、免許証2が無効である旨のエラーメッセージを含むショートメッセージを、サーバ通信部61及びSMSサーバ10を介して携帯端末12に送信する。
暗証番号照合部634は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62’に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、生成された暗証番号を格納する。また、車載器3’からサーバ通信部61を介して、免許証番号及び暗証番号をパラメータとして、暗証番号の照合要求を受信した場合に、暗証番号照合部634は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62’に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、対応する暗証番号を抽出する。そして、暗証番号照合部634は、同じく受信した暗証番号が抽出した暗証番号と一致するか否かを判定する。暗証番号同士が一致した場合に、暗証番号照合部634は、暗証番号の一致を示す照合結果情報を生成する。一方、暗証番号同士が一致しなかった場合に、暗証番号照合部634は、暗証番号の不一致を示す照合結果情報を生成する。そして、暗証番号照合部634は、生成した照合結果情報を、サーバ通信部61を介して車載器3’に送信する。
図9は、エンジン始動制限解除システム1’の動作シーケンスの一例を示す図である。なお、この動作シーケンスのうち、ステップS600〜622、及び628〜634については、図6に示されるものと同一であるので、以下では説明を省略する。
暗証番号照合部634は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62’に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、生成された暗証番号を格納する(ステップS900)。
ユーザにより車載器操作部33を介して、暗証番号が入力された場合に(ステップS636)、暗証番号送信部364は、入力された暗証番号、及び車載器記憶部32に記憶されている免許証情報内の免許証番号をパラメータとして、暗証番号の照合要求を、車載器通信部31を介して暗証番号発行サーバ6’に送信する(ステップS902)。
車載器3’からサーバ通信部61を介して、免許証番号及び暗証番号をパラメータとして、暗証番号の照合要求を受信した場合に、暗証番号照合部634は、受信した免許証番号をキーとして、サーバ記憶部62’に記憶されている電話番号管理テーブルを参照し、対応する暗証番号を抽出する。また、暗証番号照合部634は、同じく受信した暗証番号が抽出した暗証番号と一致するか否かを判定する(ステップS904)。そして、暗証番号同士が一致した場合に、暗証番号照合部634は、暗証番号の一致を示す照合結果情報を生成する。一方、暗証番号同士が一致しなかった場合に、暗証番号照合部634は、暗証番号の不一致を示す照合結果情報を生成する。
暗証番号照合部634は、生成した照合結果情報を、サーバ通信部61を介して車載器3’に送信する(ステップS906)。
暗証番号発行サーバ6’から車載器通信部31を介して、照合結果情報を受信した場合に、エンジン始動制限解除部363’は、受信した照合結果情報が暗証番号の一致を示すか否かを判定する(ステップS908)。
受信した照合結果情報が暗証番号の一致を示す場合に(ステップS908−Yes)、エンジン始動制限解除部363’は、不図示のエンジン始動制限部に、エンジンの始動制限の解除を指示する(ステップS640)。
一方、受信した照合結果情報が暗証番号の不一致を示す場合に(ステップS908−No)、エンジン始動制限解除部363’は、車載器表示部34に、暗証番号が一致しない旨のエラーメッセージを表示する(ステップS642)。
以上説明してきたように、信頼できる暗証番号発行サーバ6’で暗証番号の照合を行うことにより、安全性をより向上させることが可能となると共に、車載器3’の機能を簡易化することも可能となる。
なお、本発明は、運転免許証及びエンジンの始動制限への適用に限定されるものではなく、他の同様の許可情報及び制限にも適用が可能である。例えば、入館カード及びドアの開錠制限、セキュリティカード及びコンピュータへのログイン制限、キャッシュカード及び現金の引き出し制限、クレジットカード又はデビットカード、及び代金の引き落とし制限、住民基本台帳カード及び証明書の交付制限等にも適用が可能である。
また、車載器処理部36、36’、サーバ処理部63、63’、サーバ処理部73、及び端末処理部125が有する各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。