JP5562200B2 - 防災管理システム - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された発明は、ネットワークを介して気象庁から提供される緊急地震速報等を受信する緊急地震速報システム受信部と、地震波到達の前後に際して、撮影された映像に関する通報条件についてネットワークを介して被通報者から携帯端末装置によって設定入力を受け付けて保存する通報条件設定部と、ビデオカメラの映像を保存するデジタル・レコーダと、デジタル・レコーダから所定の映像を抽出する通報先別映像抽出処理部と、抽出された映像を携帯端末装置に送出する通報映像送出部とを備えている。
このような構造の地震時映像自動通報装置においては、被災地の映像が被通報者にネットワークを介して自動的に通報されるため、被通報者は遠隔地にいながら、適切な善後策を講じることができる。
特許文献2に開示された発明は、過去の地震災害時に発生した事象の映像を記憶する第1の記憶手段と、この第1の記憶手段に記憶された映像を時系列的に連結するための情報を記憶する第2の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶された映像と第2の記憶手段に記憶された情報とを組み合わせて地震災害時に発生する事象を模擬的に再現する再現手段を備えるものである。
このような構造によれば、地震災害の模擬体験の臨場感が高まるため、地震災害に対する被験者の対応力を向上させることができる。
特許文献3に開示された発明は、ビルの主要設備に対して、擬似的に故障や異常状態を発生させたり、特定の操作等を行ったりすることにより、それらの設備がどのように変化するかをシミュレートするデータベース蓄積手段と、ビルの主要設備やビル周辺等の映像や音声を取り込んで記録する記録手段と、この記録された情報に異常発生部位等の情報を付加整理する編集機能を有し、緊急時の対応を教示するマルチメディア事例データベース構築手段とを備えた構成となっている。
このように構成された「ビル管理システム」によれば、災害・異常状況を擬似的に再現できるため、非常時におけるビルの管理員の対処能力と技術力向上を図ることが可能である。
このように構成された防災管理システムにおいては、撮像手段によって撮影された映像に示される人の動作や周辺の状況が、リアルタイム震度と関連付けて表示されるという作用を有する。また、時間的に変化する3軸方向それぞれに対する揺れの大きさと、上記映像の各コマとの対応関係が明確になるという作用を有する。
このように構成された防災管理システムにおいては、デジタルフィルタを使用する場合に比べて計測可能な震度の範囲が狭まるものの、請求項1に記載の発明よりもハードウェアにかかる負担が小さいという作用を有する。
このように構成された防災管理システムでは、映像が撮影された場所と、リアルタイム震度を算出するための観測データが取得された場所が異なる場合でも、請求項1又は請求項2に記載された発明の作用が同様に発揮される。
このように構成された防災管理システムでは、請求項3に記載された発明の作用に加えて、リアルタイム震度との比較により、緊急地震速報における震度の予測精度が明確になるという作用を有する。
リアルタイム震度計2によって検出されたリアルタイム震度を示す震度信号2aは、ビデオカメラ3とマイクロフォン4によってそれぞれ取り込まれた映像信号3a及び音信号4aと、計時部5から得られる時刻信号5aとともに、制御部10に送られる。また、外部端子27からは、震度信号2a、映像信号3a、音信号4a及び時刻信号5aの他、地震波形を示す波形信号29aや気象庁から提供される緊急地震速報(以下、EEWという。)を表す地震速報信号28aが入力可能となっている。なお、震度信号2a、映像信号3a、音信号4a及び地震速報信号28aは、時刻信号5aによって互いに関連付けられた状態でメモリ部6に保存される。
デジタルフィルタ13aは無限インパルス応答(Infinite Impulse Response)関数を持つフィルタ回路(IIRフィルタ)であり、図3(a)に示す周波数特性を有している。このデジタルフィルタ13aによってデジタル信号20a〜20cは所定の周波数に対して図3(a)に示すような重み付けをされた後、デジタル信号21a〜21cとして出力される。そして、ベクトル合成器14はデジタル信号21a〜21cに対してベクトル合成処理を行い、合成デジタル信号22aとして出力する。なお、本実施例の防災管理システム1では、デジタル信号21a〜21c及び合成デジタル信号22aがリアルタイム震度データ2aとしてリアルタイム震度計2から制御部10に送られる。
図3(b)において、波形Dは震度中間値Iを表し、波形E及び波形Fはリアルタイム震度Jを表している。ただし、波形Eは1秒震度(m=100(1秒)、n=30(0.3秒))であり、波形Fは2秒震度(m=200(2秒)、n=30(0.3秒))である。
図3(b)に示すように、時刻T1における1秒震度を求めるには、時刻T1の「○」から遡って水平に1秒分の破線Pを想定し、この破線Pよりも上側に存在する震度中間値I(波形D)の占める時間の合計が0.3秒になるまで破線Pの高さを調整する。そして、破線Pが上述の条件を満足したときの震度を1秒震度とする。また、時刻T2において1秒震度を求める場合も、時刻T2の「○」から遡る1秒分の破線Qを想定して、この破線Qを超える震度中間値I(波形D)の占める時間の合計が0.3秒となるように破線Qの高さを調整し、そのときの震度を1秒震度とする。さらに、時刻T3において2秒震度を求めるには、時刻T3の「○」から遡る2秒分の破線Rを想定し、この破線Rを超える震度中間値I(波形D)の占める時間の合計が0.3秒となるように破線Rの高さを調整し、そのときの震度を2秒震度とする。
図4は中越地震(2004年10月23日発生、マグニチュード:M6.8、震源の深さ:13km)において震源距離が15〜32km、20〜42km及び42〜120km及び96〜214kmの地点での観測データに基づいて算出されたリアルタイム震度波形(1秒震度)を示している。すなわち、図4は各観測点の直下又は近傍におけるリアルタイム震度波形を示した図である。なお、NIG017等は観測点コードであり、各震度波形がそれぞれ異なる地点で観測されたことを表している。また、横軸は震度1が記録された時からの経過時間(s)を表しており、縦軸はリアルタイム震度を表している。さらに、(1)〜(5)で示す破線は警報判定基準であり、リアルタイム震度計2の判定部16では、震度波形が0.5秒以内に破線(1)−(2)(震度2)を超えた場合に直下地震と判定し、5秒以内に破線(3)−(4)(震度3.3)を超えた場合に近地地震と判定し、5秒以後に破線(5)−(6)(震度4.5)を超えた場合に遠地地震と判定して地震防災用信号23を出力するように構成されている。
図5に示すように、リアルタイム震度計24は、リアルタイム震度計2においてデジタルフィルタ13aの代わりにアナログフィルタ13bを備えている。すなわち、加速度検出手段11から出力されたアナログ信号19a〜19cは、アナログフィルタ13bに入力され、所定の周波数に対して図3(a)に示すように重み付けされた後、アナログ信号25a〜25cとして出力される。そして、このアナログ信号25a〜25cは、A/D変換器12によってデジタル信号26a〜26cにそれぞれ変換された後、ベクトル合成器14によってベクトル合成されて合成デジタル信号22bとして出力される。この場合、デジタル信号26a〜26c及び合成デジタル信号22bがリアルタイム震度データ2aとしてリアルタイム震度計24から制御部10に送られる。
このような構成のリアルタイム震度計24においては、デジタルフィルタ13aを使用する場合に比べると、計測可能な震度の範囲が狭まるものの、リアルタイム震度計2よりもハードウェアにかかる負担が小さく、かつ、フィルタ処理に要する負荷が軽減されるという作用を有する。従って、リアルタイム震度計2よりも廉価なものとすることができる。
P波の到達から2秒経過すると、図11に示すように、警報部17がPA音を発し、画面左端の「地震ランプ」に加えて「PAランプ」が点灯する。このとき、リアルタイム震度は2.5に達し(図12(a))、南北、東西、上下の全ての方向に対して揺れが発生している(図12(b))。また、気象庁からは予測震度を4.0とするEEW(第1報)が配信される。従って、このスーパーマーケットがリアルタイム震度計2を設置しているか、あるいはEEWを利用できる環境にあれば、この時点で店内の人々は避難を開始することができる。なお、リアルタイム震度と比較すると、EEWの予測震度の誤差は±2程度と考えられる。従って、地震発生時に設備機器を緊急停止させたり、警報を鳴らしたりするための閾値をEEWの予測震度に基づいて決定すると、無駄に設備を緊急停止させたり、不要な警報を鳴らしたり、強い地震を見逃したりするおそれがある。
P波の到達から4秒経過すると、3軸方向に対する揺れはさらに大きくなり(図16(b))、リアルタイム震度は3.5に達する(図16(a))。また、気象庁からは予測震度を4.5とするEEW(第4報)が配信される。そして、図15には、男女が同時によろけている様子(画面2)や商品が崩れ始めた様子(画面3)及び映像全体が右に動いている様子(画面1,3,4)が示されている。この時点でも、まだ十分に避難行動を開始することができる。
P波の到達から6秒経過すると、図19に示すように、警報部17のPA音がアラーム音に切り替わり、画面左端の「地震ランプ」及び「PAランプ」に加えて「近傍ランプ」が点灯する。このとき、水平方向の揺れは上下方向に比べて顕著であり(図20(b))、リアルタイム震度は4.3となっている(図20(a))。そして、図19の画面2には、商品が部分的に崩落する様子や男性が脱出を開始する様子が示されている。このように、リアルタイム震度計2やEEWに頼らなくとも、この時点になれば、店内の人々は地震が発生したことに気付いて自発的に避難を開始する可能性が高い。しかしながら、既に地震の揺れはピークに近づいており、崩落した商品等によって店内からの脱出が阻まれるおそれがある。なお、このスーパーマーケットがリアルタイム震度計2を設置していれば、この時点で店内の人々は地震の種別が「近地地震」であると認識することができる。
図23及び図24はP波の到達から8秒経過した状態を示している。3軸方向に対する揺れは依然として大きく(図24(b)、リアルタイム震度は5.5のままである(図24(a))。図23には、商品が大きく崩落する様子(画面1)や男性が立ち往生する様子(画面2)が示されており、店内からの脱出が依然として困難であることがわかる。
図25及び図26はP波の到達から9秒経過した状態であり、3軸方向に対する揺れやリアルタイム震度にはあまり変化がない(図26)。なお、図25には、強い揺れに耐えられるように男性が棚につかまっている様子(画面2)が示されている。
また、本実施例の防災管理システム1においては、リアルタイム震度の時間波形上にEEWの予測震度が同期をとって表示されるため、EEWの震度の予測精度が明確になる。これにより、EEWの有効範囲を検証することができる。さらに、映像やリアルタイム震度を表すデータを外部端子から取り込むことができるため、映像が撮影された場所と、リアルタイム震度を算出するための観測データが取得された場所が異なる場合でも、上述の作用及び効果は同様に発揮される。従って、防犯等の目的で常時設置されている監視用ビデオカメラによって撮影された映像であっても地震防災対策用のデータとして有効に活用することができる。
Claims (4)
- 地震に伴って互いに直交する3軸方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出する加速度検出手段と、
この加速度検出手段から出力されるアナログ信号を第1のデジタル信号に変換するA/D変換器と、
このA/D変換器から出力される前記第1のデジタル信号に,所定の周波数に対する重み付けを行って第2のデジタル信号に変換するデジタルIIRフィルタと、
このデジタルIIRフィルタから出力される3種類の前記第2のデジタル信号をベクトル合成して第3のデジタル信号に変換するとともに,この第3のデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算する演算部とを有し,
前記リアルタイム震度を表す震度信号を生成する第1のリアルタイム震度計と、
地震発生時に撮影された映像を表す映像信号を生成する撮像手段と、
前記映像信号や前記震度信号が取得された時刻を表す時刻信号を生成する計時部と、
前記震度信号と前記映像信号が前記時刻信号により互いに関連付けられた状態で読み取り可能に保存されるメモリ部と、
前記震度信号及び前記映像信号によってそれぞれ表されるデータが同期をとって表示されるモニターと、
このモニターと前記メモリ部の動作を制御する制御部と、を備え、
地震動を示す変位成分,速度成分及び加速度成分のうちの少なくともいずれか1つの時間波形と、前記震度信号によって表される前記リアルタイム震度の時間波形が、地震観測点とは異なる地点で撮影された前記映像から、被写体の揺れや画面の振動等を詳細に観察することによって抽出される、P波到達時のコマ及び時刻に基づいて時間軸を調整された状態で前記映像とともに、前記モニターに表示されることを特徴とする防災管理システム。 - 前記第1のリアルタイム震度計に代えて、
地震に伴って互いに直交する3軸方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出する加速度検出手段と、
この加速度検出手段から出力される第1のアナログ信号に,所定の周波数に対する重み付けを行って第2のアナログ信号に変換するアナログフィルタと、
この第2のアナログ信号を第1のデジタル信号に変換するA/D変換器と、
このA/D変換器から出力される3種類の前記第1のデジタル信号をベクトル合成して第2のデジタル信号に変換するとともにこの第2のデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算する演算部とを有し,
前記リアルタイム震度を示す震度信号を生成する第2のリアルタイム震度計を備えたことを特徴とする請求項1記載の防災管理システム。 - 前記震度信号、前記波形信号、前記映像信号及び前記時刻信号を外部信号として入力可能に設置される外部端子を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防災管理システム。
- 気象庁から配信される緊急地震速報の予測震度が、前記外部端子から入力される地震速報信号に基づいて、前記震度信号によって表されるデータに対して同期をとって前記モニターに表示されることを特徴とする請求項3に記載の防災管理システム。
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