JP5561606B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
第2現像剤担持体の受渡磁極が発生させる受渡磁力は、第2現像剤担持体回転軸方向中央部では安定しているものの、第2現像剤担持体回転軸方向両端部では局所的に大きくなる。そのため、第2現像剤担持体表面上の回転軸方向両端側の領域(端部大磁力領域)では、この局所的に大きな受渡磁力部分(端部磁力部分)の作用を受けることになり、これよりも小さい磁力が作用する中央領域よりも、第1現像剤担持体表面から受け取る単位面積当りの現像剤量が局所的に多くなる。その結果、第2現像剤担持体表面上の回転軸方向両端側の端部大磁力領域に担持される現像剤の嵩が増す。嵩が増した当該現像剤部分は、第2現像領域に搬送されることで潜像担持体の表面により押しつぶされ、これにより第2現像剤担持体表面上の回転軸方向両端部領域において現像剤の固着が発生するのである。
この現像装置では、第1現像剤担持体の表面との間で規制ギャップを形成する現像剤規制部材の第1現像剤担持体回転軸方向端部をその中央部(規制ギャップを形成する部分)よりも第1現像剤担持体表面に近付けて狭小ギャップを形成している。そして、この現像装置においては、局所的に大きな受渡磁力部分(端部磁力部分)が作用する第2現像剤担持体表面上の回転軸方向両端側の端部大磁力領域に対向する第1現像剤担持体表面上の大磁力対向領域と対向するように、上記狭小ギャップが配置されている。狭小ギャップを通過する現像剤の量は、規制ギャップを通過する現像剤の量よりも少ないので、上記特許文献3によれば、第1現像剤担持体表面上の当該大磁力対向領域に担持される現像剤量を少なく抑えることができるとしている。よって、上記特許文献3に記載の現像装置によれば、第2現像剤担持体表面上の端部大磁力領域に受け渡される現像剤量を少なく抑えることができる。したがって、上記特許文献3に記載の現像装置によれば、第2現像剤担持体表面上の当該端部大磁力領域に担持される現像剤の嵩を減らすことができるので、潜像担持体の表面から受ける圧縮力を低減でき、現像剤の固着発生が抑制されるということになる。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記第2現像剤担持体の表面には、上記第2粗面部よりも表面粗さの低い第2滑面部が上記第2現像領域の第2現像剤担持体回転軸方向外側に対向するように設けられており、上記第1粗面部における上記少なくとも一方の端部位置に対応する上記第2粗面部の第2現像剤担持体回転軸方向端部位置は、該第1粗面部の該端部位置と同じ位置か、若しくは、該第1粗面部の該端部位置よりも第2現像剤担持体回転軸方向外側に位置することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像装置において、上記現像剤規制部材の少なくとも一部は、少なくとも上記規制ギャップを通過する二成分現像剤に対して作用する磁力を生じさせる磁性部材で形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、上記第1現像剤担持体の表面との間に上記狭小ギャップを形成する上記現像剤規制部材の第1現像剤担持体回転軸方向端部は、磁性部材で形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、上記第1現像剤担持体の表面に隣接して配置され、二成分現像剤を該第1現像剤担持体の表面上に供給しながら第1現像剤搬送部材により第1現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送するための現像剤供給搬送路と、上記第2現像剤担持体の表面に隣接して配置され、上記第2現像剤担持体の表面から離脱した二成分現像剤を回収しながら第2現像剤搬送部材により第2現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送するための現像剤回収搬送路とを備えており、上記第1粗面部における上記少なくとも一方の端部位置は、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向上流側に対応する端部位置を含むことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、潜像担持体と該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置とを一体的に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジにおいて、上記現像装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、トナー及びキャリアを含む二成分現像剤により該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置とを有し、該現像装置により該潜像担持体上に形成されたトナー像を最終的に記録材へ転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係るプリンタ全体の概略構成を示す説明図である。
書込み部2A〜2Dは、画像情報に基づいて帯電工程後の潜像担持体である4つの感光体ドラム21にそれぞれ静電潜像を書き込むための装置である。書込み部2A〜2Dは、ポリゴンミラー3A〜3Dや光学素子4A〜4D等を用いた光走査装置である。なお、書込み部として、光走査装置の代わりにLEDアレイを用いることもできる。
給紙部61は、記録紙、OHP等の記録材Pを格納して、画像形成時には記録材Pを記録材搬送部材としての転写ベルト30に向けて給送する。転写ベルト30は、記録材Pをその表面に静電的に吸着させて搬送して各感光体ドラム21上に形成されたトナー像を記録材P上に転写するための無端状ベルトであって、その外周面上に吸着ローラ64とベルトクリーナ65とを設けている。転写ベルト30を介して各感光体ドラム21に対向する4つの転写ローラ24は、芯金と芯金を被覆する導電性弾性層とを有する。転写ローラ24の導電性弾性層は、ポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を中抵抗に調整した弾性体である。
定着部66は、加熱ローラ68および加圧ローラ67を有し、記録材P上のトナー像を圧力と熱とによって記録材Pに定着させる。
図2は、プリンタ本体1に設置されたプロセスカートリッジ20及び剤カートリッジ28を示す拡大図である。
なお、各プロセスカートリッジ20Y,20C,20M,20BKはほぼ同一構造であって、各剤カートリッジ28Y,28C,28M,28BKもほぼ同一構造であるために、以下の説明では、色分け符号であるY、C、M、BKを適宜省略する。
本実施形態における現像装置50は、第1現像剤担持体としての第1現像ローラ51Aと、第2現像剤担持体としての第2現像ローラ51Bという2つの現像剤担持体が設けられたいわゆる多段現像方式の現像装置である。各現像ローラ51A,51Bは、それぞれ感光体ドラム21の表面に近接するように対向配置されていて、その対向位置が現像領域となる。現像領域では、各現像ローラ51A,51Bの表面に穂立ちした現像剤からなる磁気ブラシが感光体ドラム21の表面に接触する。現像装置50の内部には、トナーTと磁性キャリアCとを含む現像剤G(二成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置50は、感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像してトナー像化する現像処理を行う。
感光体ドラム21が反時計方向に回転駆動されると、まず、帯電部22の位置で感光体ドラム21の表面が一様に帯電される。その後、帯電された感光体ドラム21の表面部分は、露光光Lの照射位置に達して書込み部2による露光工程が行われる。すなわち、露光光Lの照射によって感光体ドラム21上を画像情報に応じて選択的に除電することで、照射されなかった非画像部の電位との差(電位コントラスト)を発生させて静電潜像を形成する。なお、この露光工程は、感光体ドラム21の感光層中で電荷発生物質が光を受けて電荷を発生して、このうち正孔が感光体ドラム21表面の帯電電荷と打ち消しあうものである。
図4は、現像装置50における循環経路を図3に示す矢印X方向から長手方向にみた断面図である。
図5は、現像装置50における循環経路の図4中Y1−Y1断面を示す断面図である。
図6は、現像装置50における循環経路の図4中Y2−Y2断面を示す断面図である。
図7は、第1現像ローラ及び第2現像ローラ上に形成される磁力の分布図である。
図8は、第1現像ローラ及び第2現像ローラ上の粗面部と第2現像ローラの受渡磁極の磁力分布との現像ローラ回転軸方向の関係を示す概略図である。
第2現像ローラ51Bのマグネット51B2は、感光体ドラム21との対向位置に形成される主磁極H21、第1現像ローラ51A(第1受渡磁極H15)との対向位置に形成される第2受渡磁極H22、キャリア捕集ローラ54との対向位置に形成される搬送磁極H24、現像剤回収搬送路B2との対向位置に形成される剤離れ磁極H23を備えている。
現像剤の循環経路では、高低差の大きな波状の偏りが生じる場合がある。このような波状の偏りは、現像装置50の稼動を開始した直後(再起動直後)に顕著にあらわれる。そして、このような波状の偏りが生じた場合には、従来は、排出口57の下部よりも高い位置にある現像剤(図9中の高さZ2の現像剤)のすべてが排出口57から排出されてしまっていた。このようにして排出されてしまう現像剤は本来的に排出を予定していないものであるため、このような現象が繰り返し生じると現像装置50内の現像剤量が不足してしまい、現像剤の劣化状態が不安定になったりトナーの帯電量が低下したりして、出力画像上に画像濃度低下等の不具合が生じてしまうことになる。
また、本実施形態において用いられるキャリアCは、粒径が55μm、飽和磁化が96emu/g、程度のものである。さらに、本実施形態において用いられるトナーTは、粒径が6.8μm程度のものである。
第1現像ローラ51A及び第2現像ローラ51Bの表面には、それぞれL1、L2の長手方向幅をもつ凹凸表面処理がなされた粗面部51A3,51B3が設けられている。また、ドクターブレード52の長手方向両端部には、第1現像ローラ51Aの表面とのギャップがその長手方向中央部における規制ギャップN1よりも狭い狭小ギャップN2を形成するための突出部52aが形成されている。本実施形態では、突出部52aによる狭小ギャップN2は、0.32±0.03mmに設定され、突出部52a以外の長手方向中央部における規制ギャップN1は、0.42±0.03mmに設定されている。また、本実施形態では、第1現像ローラ51Aと感光体ドラム21との現像ギャップは0.25mm程度に設定され、第2現像ローラ51Bと感光体ドラム21との現像ギャップも0.25mm程度に設定されている。
また、第1現像ローラ51Aの粗面部51A3の範囲L1は、第2現像ローラ51Bにおけるマグネット51B2の第2受渡磁極H22の磁力が安定している範囲W1(安定領域)内に含まれるように配置されている。言い換えると、第1現像ローラ51Aの粗面部51A3の範囲L1は、第2現像ローラ51Bにおけるマグネット51B2の第2受渡磁極H22の受渡磁力が局所的に大きくなる範囲W2(端部大磁力領域)を含まないように配置されている。よって、本実施形態では、長手方向において、粗面部51A3の端部位置(範囲L1の端部位置)は、第2受渡磁極H22による受渡磁力における長手方向端部部分の局所的に大きい磁力部分(端部磁力部分)が作用する端部大磁力領域よりも内側に位置する。
図10(b)は、従来の現像装置において、第1現像ローラ51A及び第2現像ローラ51B上に担持される現像剤の状態を説明するための説明図である。
図10(b)に示すように、従来の現像装置において、第1現像ローラ51Aの粗面部51A3の長手方向両端部に担持される現像剤は、ドクターブレード52の突出部52aによって形成される狭小ギャップを通過する際に規制されて、規制ギャップを通過する長手方向中央部に担持された現像剤よりも少ない剤量となる。ところが、図10(b)に示すように、第1現像ローラ51Aの粗面部51A3には、マグネット51A2の着磁範囲(マグネット51A2と対向する箇所)だけでなく、これよりも外側の箇所でも現像剤が搬送されて狭小ギャップを通過する。そのため、マグネット51A2の着磁範囲外の現像剤も第2現像ローラ51Bと対向する現像剤受渡領域へと搬送される。一方、現像剤受渡領域において、第2現像ローラ51Bの第2受渡磁極H22による受渡磁力は、長手方向両端部(端部大磁力領域)で局所的に大きな磁力を示す。そのため、この第2受渡磁極H22と対向している第1現像ローラ51A上の現像剤はもとより、これよりも外側に位置する第1現像ローラ51A上の現像剤も第2現像ローラ51Bの表面上における当該端部大磁力領域に引き寄せられ、担持される。図10(b)に示す従来の現像装置では、第2受渡磁極H22と対向する範囲よりも外側で対向する第1現像ローラ51Aの表面部分も、粗面部51A3の作用によって現像剤が搬送される。そのため、第2現像ローラ51Bの表面上の当該端部大磁力領域には、図10(b)中破線Eで囲んだ部分のように、安定領域W1に担持される現像剤量(剤高さ)よりも多い量の現像剤が担持されることになる。そして、このように第2現像ローラ51B上に担持される現像剤量が多い部位は、その部位が感光体ドラム21との対向位置を通過すると、その通過時に感光体ドラム21の表面から大きな圧縮力を受け、やがて第2現像ローラ51B上に固着(フィルミング)してしまうことになる。このような現象は、特に、現像剤供給搬送路B1の現像剤搬送方向上流側(図4中右側)に対応する端部側で顕著になる。これは、先に説明したように、現像剤供給搬送路B1の現像剤量は、現像剤搬送方向下流側に比べて上流側の方が多いため、現像剤供給搬送路B1の現像剤搬送方向上流側の端部で受け渡される現像剤の量が下流側の端部で受け渡される現像剤の量よりも多くなる傾向を示すためである。
次に、上記実施形態における現像装置の一変形例について説明する。
図11は、本変形例における現像装置の一部を示す概略構成図である。
図12は、本変形例におけるドクターブレード152の長手方向端部を拡大した図である。
本変形例における現像装置は、現像剤規制部材としてのドクターブレードが非磁性部材と磁性部材とから構成されている点が、上記実施形態のものとは相違し、残りの構成については上記実施形態の構成と同様である。したがって、以下の説明では、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
また、上記実施形態では、第3搬送スクリュー53Cを長手方向に対して斜めに配設したが、第3搬送スクリュー53Cを長手方向に沿って配設するレイアウトとしてもよい。
また、上記実施形態では、排出口57を現像剤供給搬送路B1の壁部に設けたが、排出口57をその他の現像剤搬送路B2,B3の壁部に設けることもできる。
また、上記実施形態では、剤カートリッジ28から現像装置50に向けて現像剤G(トナーT及びキャリアC)を供給するプレミックス現像方式を例に挙げて説明したが、カートリッジからキャリアCのみを現像装置50に向けて供給することもできる。その場合、トナーのみが収容されたトナーカートリッジを剤カートリッジ(キャリアカートリッジ)とは別に設置して、磁気センサ26の検知結果に基づいてトナーカートリッジに収容されたトナーを現像装置50に向けて適宜に補給することになる。さらに、キャリアの補給を行わずにカートリッジからトナーのみを供給する一般的な現像装置に対しても本発明を適用することができる。そして、これらのような場合であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態は、作像部の一部がプロセスカートリッジ20で構成される画像形成装置に対して本発明を適用した例であるが、本発明の適用はこれに限定されることなく、作像部がプロセスカートリッジ化されていない画像形成装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。具体的に、現像装置50が単体で画像形成プリンタ本体に着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、現像ローラ51A,51Bが2つ設置された多段現像方式の現像装置50に対して本発明を適用した場合について説明したが、現像ローラが3つ以上設置された多段現像方式の現像装置に対しても当然に本発明を適用することができる。その場合にも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、上下方向に搬送スクリュー53A,53Bが設置された多段現像方式の現像装置に対して本発明を適用したが、複数の搬送スクリューが水平方向に並べて設置された多段現像方式の現像装置や、現像剤を短手方向に搬送するパドル状の現像剤搬送部材を備えた多段現像方式の現像装置等に対しても本発明を適用することができる。その場合も、上記実施形態と同様に構成された現像ローラ51A,51Bを用いることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本発明が上記実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記実施形態の中で示唆した以外にも、上記実施形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
また、本実施形態において、第2現像ローラ51Bの表面には、第2粗面部51B3よりも表面粗さの低い第2滑面部51B4が第2現像領域の長手方向外側に対向するように設けられており、第1粗面部51A3における上記少なくとも一方の端部位置に対応する第2粗面部51B3の長手方向端部位置は、第1粗面部51A3の端部位置と同じ位置か、若しくは、第1粗面部51A3の端部位置よりも長手方向外側に位置している。これにより、第1現像ローラ51Aの粗面部51A3で搬送されてきた現像剤のすべてを第2現像ローラ51Bの粗面部51B3で受け取ることが可能となる。よって、第2現像ローラ51Bの滑面部51B4上に現像剤が受け渡されることによって生じる第2現像ローラ51Bからの現像剤の落下が発生するのを抑制でき、機内汚染等の不具合の発生が抑制される。
また、本実施形態においては、ドクターブレード52,152が、長手方向の少なくとも一方の端部に規制ギャップN1よりも狭い狭小ギャップN2を第1現像ローラ51Aの表面との間に形成するものであり、第1粗面部51A3における上記少なくとも一方の端部位置は狭小ギャップN2と対向するように構成されている。これにより、このような狭小ギャップを設けない場合よりも、第1粗面部51A3の端部で搬送される現像剤の量を少なくできるので、現像剤受渡領域において第2現像ローラ51Bの表面上の端部大磁力領域W2に引き寄せられる現像剤の量を少なくできる。よって、第2現像ローラ51B上に現像剤が固着(フィルミング)してしまう不具合を更に抑制できる。
また、上記変形例ように、ドクターブレード152の少なくとも一部が、少なくとも規制ギャップN1を通過する現像剤Gに対して作用する磁力を生じさせる磁性部材としての磁性板152Bで形成すれば、規制ギャップN1を通過する現像剤に強い磁力を作用させて穂立ち状態にすることができる。よって、現像剤の劣化や環境変動により現像剤の流動性が変化しても、規制ギャップN1の現像剤通過量を安定させることができる。また、穂立ち状態の現像剤は現像剤密度が低い状態であるため、穂立ちしていない状態と比較すると、同じ現像剤量を通過させようとする場合にそのギャップを広げることができる。よって、規制ギャップを広げて、現像剤の凝集物等のような異物が詰まる事態の発生を低減できる。
また、上記変形例においては、第1現像ローラ51Aの表面との間に狭小ギャップN2を形成するドクターブレード152の長手方向端部の突出部152aは、磁性板152Bで形成されているので、狭小ギャップN2を通過する現像剤をより強い磁力で穂立ちさせることができる。その結果、狭小ギャップN2を通過する現像剤量をより少ないものとすることができ、第2現像ローラ51Bの長手方向端部の端部大磁力領域に現像剤が固着する事態を更に抑制できる。あるいは、狭小ギャップN2を広げることが可能となることで、現像剤の凝集物等のような異物が狭小ギャップに詰まって不具合を生じさせる可能性を低くすることもできる。
また、上記実施形態の現像装置50,150は、第1現像ローラ51Aの表面に隣接して配置され、現像剤Gを第1現像ローラ51Aの表面上に供給しながら第1現像剤搬送部材としての第1搬送スクリュー53Aにより長手方向に沿って搬送するための現像剤供給搬送路B1と、第2現像ローラ51Bの表面に隣接して配置され、第2現像ローラ51Bの表面から離脱した現像剤Gを回収しながら第2現像剤搬送部材としての第2搬送スクリュー53Bにより長手方向に沿って搬送するための現像剤回収搬送路B2とを備えた供給回収分離方式の現像装置である。そして、第1粗面部51A3における上記少なくとも一方の端部位置は、現像剤供給搬送路B1の現像剤搬送方向上流側に対応する端部位置を含んでいる。現像剤供給搬送路B1の現像剤搬送方向上流側は、下流側と比較して現像剤量が多いので、現像剤供給搬送路B1の現像剤搬送方向上流側に対応する端部で第1現像ローラ51Aから第2現像ローラ51Bへ受け渡される現像剤の量は下流側に対応する端部よりも多くなる傾向がある。そのため、現像剤供給搬送路B1の現像剤搬送方向上流側に対応する端部では、下流側に対応する端部よりも、現像剤の固着が発生しやすい。上記実施形態では、少なくとも現像剤の固着が発生しやすい端部側について、第1粗面部51A3における長手方向端部位置が端部大磁力領域W2よりも長手方向内側に設けてあるので、現像剤の固着による不具合をより効果的に抑制できる。
21 感光体ドラム
22 帯電部
24 転写ローラ
25 クリーニング部
28 剤カートリッジ
30 転写ベルト
50,150 現像装置
51A,51B 現像ローラ
51A1,51B1 スリーブ
51A2,51B2 マグネット
51A3,51B3 粗面部
51A4,51B4 滑面部
52,152 ドクターブレード
52a,152a 突出部
53A,53B,53C 搬送スクリュー
54 キャリア捕集ローラ
55 スクレーパ
56 排出スクリュー
57 排出口
58 開口
61 給紙部
66 定着部
70 剤貯留容器
80 シャッタ機構
152A 非磁性板
152B 磁性板
B1 現像剤供給搬送路
B2 現像剤回収搬送路
B3 現像剤攪拌搬送路
H22 受渡磁極
N1 規制ギャップ
N2 狭小ギャップ
W2 端部大磁力領域
Claims (7)
- トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を表面上に担持して回転することにより、潜像担持体の表面と対向する第1現像領域へ二成分現像剤を搬送する第1現像剤担持体と、
上記第1現像領域を通過した後の上記第1現像剤担持体の表面上の二成分現像剤の一部又は全部を受け取って表面に担持し回転することにより、上記潜像担持体の表面と対向する第2現像領域へ二成分現像剤を搬送する第2現像剤担持体と、
上記第1現像剤担持体の表面上に担持された二成分現像剤が通過することで上記第1現像領域へ搬送される二成分現像剤の量を規制するための規制ギャップを該第1現像剤担持体の表面との間に形成する現像剤規制部材と、
上記第2現像剤担持体の内部に配置され、上記第1現像剤担持体と該第2現像剤担持体とが対向する現像剤受渡領域に、該第1現像剤担持体の表面上の二成分現像剤を該第2現像剤担持体の表面へ移動させる受渡磁力を、少なくとも上記第2現像領域の第2現像剤担持体回転軸方向全域にわたって発生させる受渡磁力発生手段とを備え、
上記潜像担持体の表面に形成された潜像に対し、上記第1現像領域及び上記第2現像領域にて、上記第1現像剤担持体の表面に担持された二成分現像剤と上記第2現像剤担持体の表面に担持された二成分現像剤とによって重複して現像処理を行う現像装置において、
上記第1現像剤担持体の表面には、表面粗さの高い第1粗面部が少なくとも上記第1現像領域の第1現像剤担持体回転軸方向全域にわたって対向するように設けられ、かつ、該第1粗面部よりも表面粗さの低い第1滑面部が該第1現像領域の第1現像剤担持体回転軸方向外側に対向するように設けられており、
上記第2現像剤担持体の表面には、表面粗さの高い第2粗面部が少なくとも上記第2現像領域の第2現像剤担持体回転軸方向全域にわたって対向するように設けられており、
上記第1粗面部における第1現像剤担持体回転軸方向の少なくとも一方の端部位置は、上記受渡磁力発生手段が発生させる受渡磁力のうち第2現像剤担持体回転軸方向中央部で生じる中央磁力部分よりも大きな第2現像剤担持体回転軸方向端部で生じる端部磁力部分が作用する端部大磁力領域よりも、第1現像剤担持体回転軸方向内側に設定されており、
上記現像剤規制部材は、第1現像剤担持体回転軸方向の少なくとも一方の端部に上記規制ギャップよりも狭い狭小ギャップを上記第1現像剤担持体の表面との間に形成するものであり、
上記第1粗面部における上記少なくとも一方の端部位置は、上記狭小ギャップと対向するように構成されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記第2現像剤担持体の表面には、上記第2粗面部よりも表面粗さの低い第2滑面部が上記第2現像領域の第2現像剤担持体回転軸方向外側に対向するように設けられており、
上記第1粗面部における上記少なくとも一方の端部位置に対応する上記第2粗面部の第2現像剤担持体回転軸方向端部位置は、該第1粗面部の該端部位置と同じ位置か、若しくは、該第1粗面部の該端部位置よりも第2現像剤担持体回転軸方向外側に位置することを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は2の現像装置において、
上記現像剤規制部材の少なくとも一部は、少なくとも上記規制ギャップを通過する二成分現像剤に対して作用する磁力を生じさせる磁性部材で形成されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記第1現像剤担持体の表面との間に上記狭小ギャップを形成する上記現像剤規制部材の第1現像剤担持体回転軸方向端部は、磁性部材で形成されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、
上記第1現像剤担持体の表面に隣接して配置され、二成分現像剤を該第1現像剤担持体の表面上に供給しながら第1現像剤搬送部材により第1現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送するための現像剤供給搬送路と、
上記第2現像剤担持体の表面に隣接して配置され、上記第2現像剤担持体の表面から離脱した二成分現像剤を回収しながら第2現像剤搬送部材により第2現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送するための現像剤回収搬送路とを備えており、
上記第1粗面部における上記少なくとも一方の端部位置は、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向上流側に対応する端部位置を含むことを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体と該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置とを一体的に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
上記現像装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、トナー及びキャリアを含む二成分現像剤により該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置とを有し、該現像装置により該潜像担持体上に形成されたトナー像を最終的に記録材へ転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記現像装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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