JP5560644B2 - インクジェット塗布装置 - Google Patents
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Description
一般的に、インクジェット塗布装置の液体吐出ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧室、(インク流路、加圧液室、圧力室、吐出室、液室等とも称される)と、加圧室内のインクを加圧する圧電素子などの電気機械変換素子、或いはヒータなどの電気熱変換素子、若しくはインク流路の壁面を形成する振動板とこれに対向する電極からなるエネルギー発生手段とを備えている。
そして、エネルギー発生手段で発生したエネルギーにより加圧室内のインクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させる。
産業用のインクジェット塗布装置には生産性を考慮して多数のヘッドが搭載されている場合が多いが、多数のヘッドをクリーニングするためにクリーニング機構は複雑な構造となる場合が多い。一般的には、1ヘッドにひとつのヘッドクリーニング機構を有し、同時あるいは選択されたヘッドがクリーニングされる。
なお、クリーニングの際は、ヘッドのノズル面に付着した液体はゴム製のワイパーで掻き取るか、布を当ててふき取る場合が多い。
さらに、図7は、従来のインクジェット塗布装置におけるヘッドクリーニング装置を示す図である。
図7(a)は、従来のヘッドクリーニング装置を示す概略正面図、(b)は、概略側面図である。
図7に示すヘッドクリーニング装置は、インクジェットヘッド101の液体噴出口103が形成された一端面102に対して、完全非接触で縦方向に移動可能な洗浄移動ユニット104が、真空ノズル105に加え、空気や窒素等の気体をインクジェットヘッド101の一端面102に噴射供給するための気体噴射ノズル109を有している。かかる構成によれば、インクジェットヘッド101の一端面102に付着している膜材料の固化物やゴミ等の異物が、洗浄移動ユニット104の気体噴射ノズル109から噴射される気体によって、それらの異物等の剥離が促進されつつ、真空ノズル105から作用する負圧によって、それらの異物等が真空ノズル105内に吸引される。そして、この洗浄移動ユニット104が、このような動作を行ないつつ、矢印X方向に移動していくことにより、インクジェットヘッドの一端面(ノズル面)102の全域又は略全域の洗浄が行うことが出来る。
そこで、本発明は、従来の既存のクリーニングユニットの構成に大きな変更を加えずに、微粒子や固形分を含むインクを用いるインクジェットヘッドのノズル面のクリーニングを可能にすることで、低コストを実現したインクジェット塗布装置を提供することを目的とする。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のインクジェット塗布装置において、前記洗浄用ノズル列は、前記除去部材が前記ノズル面をワイピングする際に、最初にワイピングされるノズル列であるインクジェット塗布装置を特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1に記載のインクジェット塗布装置において、前記インク吐出用ノズル列と前記洗浄用ノズル列とが交互に配置されているインクジェット塗布装置を特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット塗布装置を説明する図である。
図1に示すインクジェット式塗布装置1は、架台11上に、液滴を塗布する対象となる基板13を載置したステージ14を図中Y軸方向に駆動するためのY軸駆動手段12が設けられている。
ステージ14には真空、静電気などによって基板13を固定するための吸着手段(不図示)が付随している。
また、架台11上に設けられたX軸支持部材15には、X軸駆動手段16が設けられ、これにZ軸駆動手段18を介して、インクジェットヘッド10が搭載されたヘッドベース19が取り付けられている。
Z軸駆動手段18は、ヘッドベース19を図中Z方向に駆動し、X軸駆動手段16は、ヘッドベース19を図中X方向に駆動する。
かかる構成により、ヘッドベース19は、図中X方向、Z方向に自在に移動可能であり、さらに基板13を載置したステージ14が、Y方向が移動することで、インクジェットヘッド10は、基板13上の所望の箇所に自在に液滴を塗布することが可能となる。
インクジェットヘッド10には図示されていないインクタンクからインク供給用パイプ20によりインクが供給される。
そのため、インクジェット塗布装置1は、ノズル面をクリーニングするためのクリーニングユニット21を有している。
クリーニングユニット21によるノズル面のクリーニングは、ヘッドの休止中のキャップもかねて、原点位置で行われる。印刷中にクリーニングを行う場合は、インクジェットヘッド10は、クリーニング終了後にクリーニングユニット21から再度ステージ14に戻り基板13に対する印刷を再開する。
図2は、本発明のインクジェットプリントヘッドのノズル列に対し平行に見たときの断面を示した図である。
図2に示すように、インクジェットヘッド10は、複数の圧力室33が形成された圧力室基板32、各圧力室33に対応したノズル31を有するノズル板30、圧力室基板の、ノズル31と対向する側の面に積層された振動板34、振動板34上の各圧力室に対応した箇所に設けられた電気−機械変換素子36から主に構成される。
図示されていないインク供給路より圧力室33に供給されたインクは、振動板34の圧力室33に対峙した位置に密着層35を介して取り付けられた電気−機械変換素子36が伸縮して振動板34が圧力室33側に撓むことにより発生する圧力により、ノズル31から吐出される。
図3は本発明のインクジェットヘッドのノズル面を示した図である。
本発明の印ジェット塗布装置の特徴は、インクを吐出するためのノズル列に加えて、ノズル面を洗浄するための洗浄液を吐出するためのノズル列を設けたことにある。
従って、洗浄液を吐出するためのノズルに対応した圧力室には、別途設けられた図示しない洗浄液が、格納されたタンクから供給、充填されることになる
本実施例ではノズル列が2列と4列の例を示しているが、ノズル列及びノズル列が有するノズル数は制約をうけない。
ノズル列が2列の場合、塗布インクが充填されているノズル列31−1と、洗浄液が充填されているノズル列31−2とが隣接して設けられている。
図3(b)(c)は、ノズル列が4列の場合を示す図である。
図3(b)の場合、洗浄液が充填されるノズル列31−2が、塗布インクが充填される3列のノズル列31−1に隣接して設けられており、図3(c)の場合、洗浄液が充填されるノズル列と塗布インクが充填されるノズル列が交互に設けられている。
印刷時には洗浄液が充填されているノズル列は負圧に保たれていて、液体がノズルから漏れ出すことはないが、クリーニング時に洗浄液を加圧することによりノズル列31−2からノズル面に一定量を滲ませて、図で示す矢印方向にワイパーでワイピングすることによりノズル面に付着したインクや固形物を洗浄液と共に除去することが可能である。
このように本発明のクリーニング方法では、インクの種類によって洗浄液を充填するノズル列数と位置を任意に選択でき、場合によってはすべてのノズル列にインクを充填して印刷することももちろん可能である。
洗浄液が充填されたノズル列31−2に100kPaの圧力を加えることによりノズルより洗浄液が滲み出して、インクや固形物などの付着物51の付着したノズル面37に皮膜50が形成されている。また、クリーニングユニット21に設けられたワイパー(除去部材)40がノズル面37の端部に押し当てられている。
ノズル列31−2から滲み出した洗浄液の一部はノズル面から落下するが、クリーニングの際、インクジェットヘッド10は、クリーニングユニット21の上に移動しているため、下部に設けられたクリーニングユニット21から吸引チューブ42を通して排出される。ここではゴム製のワイパーを用いた例を記載したが、不織布などの塵の発生しないシート状のワイパーを使用しても同様の効果が得られる。
従来のクリーニングユニットで固形分の含有するインクや乾燥性の高いインクのクリーニングを実施する場合は、図7に示したようにクリーニングユニットから洗浄液を供給する機構が必要となり、構造が複雑となり高価なクリーニングユニットとなる。
このゾルゲル液は水分と反応して固形分を析出し固着するために、ノズル面に付着したゾルゲル液は固着する前にクリーニングする必要がある。印刷中はノズル面の雰囲気はゾルゲル液で満たされているため、すぐにはノズル面での固着は発生しないが、印刷が終了しヘッドの待機位置に移動する場合は、速やかに洗浄する必要がある。
本実施例のインクジェットヘッドによる印刷が終了し印刷領域からインクジェットヘッドが離れたタイミングで洗浄液が充填されているノズル列に加圧を実施し、ノズル面に速やかに洗浄液の皮膜を形成し、クリーニングユニットに移動後にワイピングすることにより、ノズル面でのゾルゲル溶液の固形分析出による固着を防ぐことができた。
また洗浄液を滲ませるための加圧の手段としてはインクに圧力を加える方法もあるが、本実施例ではインクを吐出させるための波形を変えて洗浄液を滲ませた。このようにすることにより、特別な手段を準備せずに洗浄液を滲ませることが可能である。
ここでは通常の吐出で用いる吐出波形60の駆動電圧V1に対して、滲ませ波形61として電圧を1/2にすることにより洗浄液はノズルから吐出することなく、ノズル表面に滲み出る。
なお本実施例の洗浄液は、粘度・表面張力ならびに乾燥速度調整のために下記の有機溶剤を使用した。
・エチレングリコール
粘度:17.13mPa・s、表面張力:47.99mN/m
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:
粘度:1.00mPa・s、表面張力:29.17mN/m
・エタノールアミン
粘度:19.33mPa・s、表面張力:48.16mN/m
・ジエチルケトン
粘度:0.44mPa・s、表面張力:25.09mN/m
・アセチルアセトン
粘度:0.69mPa・s
・メトキシエタノール
粘度:1.57mPa・s、表面張力:30.84mN/m
印刷開始の信号により印刷が開始されると(ステップS101)、インクジェットヘッド10は、印刷領域に移動してインクの吐出を開始する(ステップS102)。
規定時間あるいは規定の吐出回数の動作を行うと(ステップS103)、ヘッド10はノズル面37の清掃のために、印刷途中にクリーニングユニット21に移動を開始する(ステップS104)。
移動中に印刷領域からヘッド10が出た時点で(ステップS105でYes)、洗浄液が充填されたノズル列の洗浄液をノズル面に滲ませる目的で、対応する圧力室33が加圧されて、ノズル面37に洗浄液を滲ませる(ステップS106)。
ここで印刷領域を出てから洗浄液を滲ませるのは、洗浄液が印刷物に垂れるのを防ぐためである。
この状態で、ヘッド10がクリーニングユニットに到達した時点で(ステップS107でYes)、ヘッド10における圧力室への加圧を終了する(ステップ108)。
この時点で印刷がすべて終了していれば(ステップS112でYes)、ヘッド10はそのままキャッピングされて保管される。
印刷途中の場合には(ステップS112でNo)、ヘッド10は再度印刷領域に移動して、規定時間あるいは規定の吐出回数の動作を行う。そして、この印刷とクリーニング動作を印刷終了まで繰り返す。
Claims (5)
- 複数のノズルからなるノズル列を複数設けられたノズル面と、各ノズルに連通し、液体を充填された状態で電気−機械変換素子により圧力を加えられることで前記ノズルから液体を噴射又は滲ませる複数の圧力室と、を備えた噴射ヘッドと、前記ノズル面に付着した液体を拭き取り除去する除去部材と、を備え、
前記ノズル列は、液体としてインクを吐出するためのインク吐出用ノズル列に加えて、前記インクとは異なる組成の、前記ノズル面を洗浄するための洗浄液を前記ノズル面に供給するための洗浄用ノズル列が、前記インク吐出用ノズル列に隣接して設けられており、
前記洗浄用ノズル列に連通する圧力室には前記洗浄液を充填し、前記除去部材により前記ノズル面を洗浄する際に、前記洗浄用ノズル列の前記ノズルから前記洗浄液を滲ませて前記ノズル面上の全てのノズル列を覆うように前記洗浄液の皮膜を形成し、
前記洗浄用ノズル列の前記洗浄液を充填した圧力室に与える圧力を、前記インク吐出用ノズル列からインクを噴射する際に加える圧力よりも小さい圧力とすることにより、前記洗浄用ノズル列の前記洗浄液を充填した圧力室に対応する前記ノズルから洗浄液を滲ませ、
前記インク吐出用ノズル列の前記ノズル間のピッチと、前記洗浄用ノズル列のノズル間のピッチとは同一のピッチであることを特徴とするインクジェット塗布装置。 - 請求項1に記載のインクジェット塗布装置において、
前記ノズル面に付着した液体の拭き取り除去は、前記噴射ヘッドが、前記記録媒体に対する液体の噴射を終了し、前記記録媒体上の領域外に移動した時に行うことを特徴とするインクジェット塗布装置。 - 請求項1に記載のインクジェット塗布装置において、
前記洗浄用ノズル列は、前記除去部材が前記ノズル面をワイピングする際に、最初にワイピングされるノズル列であることを特徴とするインクジェット塗布装置。 - 請求項1に記載のインクジェット塗布装置において、
前記洗浄液がジオール系、アミン系、ケトン系、ジケトン系のうちの少なくとも一つの有機溶剤であることを特徴とするインクジェット塗布装置。 - 請求項1に記載のインクジェット塗布装置において、
前記インク吐出用ノズル列と前記洗浄用ノズル列とが交互に配置されていることを特徴とするインクジェット塗布装置。
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