JP5559069B2 - 射出成形機の温度設定支援方法及び装置 - Google Patents

射出成形機の温度設定支援方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、加熱筒に配した複数の加熱部によりスクリュの軸方向に所定の温度分布が生じるように加熱する目標温度を設定する際に用いて好適な射出成形機の温度設定支援方法及び装置に関する。
一般に、射出成形機では、加熱筒の外周面軸方向に沿って複数の加熱部を配設するとともに、スクリュの軸方向に所定の温度分布が生じるように、各加熱部の加熱温度に対する目標温度を設定し、温度のフィードバック制御を行っている。
従来、このような目標温度を設定する方法としては、特許文献1で開示される射出成形機の温度設定方法が知られている。同文献1に開示される温度設定方法は、温度分布特性の各制御領域における目標温度を正確(最適)かつ容易に設定できるようにするとともに、設定作業における作業工数を大幅に低減することを目的としたものであり、その設定方法は、射出ノズル及び加熱筒を所定の温度分布特性となるように温度制御する温度制御系における樹脂の種類等に対応した目標温度を設定するに際し、予め、傾向の異なる複数の特性パターンを設定し、目標温度の設定時に、特性パターンを選択するとともに、異なる二位置の目標温度を入力することにより、選択した特性パターンと入力した目標温度に基づいて、他の位置の目標温度を演算し、射出ノズル及び加熱筒における全目標温度を設定するようにしたものである。
特開2002−361706号公報
しかし、上述した従来における射出成形機の温度設定方法は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、従来の方法は、スクリュに係わる情報を含めていないため、最適な温度設定を行う観点からは更なる改善の余地があった。即ち、ホッパから加熱筒の後部に供給される成形材料は、フィードゾーン,コンプレッションゾーン,メータリングゾーンを経て前部まで送られるため、通常、スクリュもこのような各ゾーンに適した設計が成されている。しかし、従来の方法は、目標温度を設定するに際して、樹脂の種類(溶融温度)及び温度分布(特性パターン)に基づいて設定し、スクリュの情報が考慮されないため、例えば、成形不良は免れるとしても、樹脂の溶融時間が過度に長くなったり、或いは溶融が最適な状態に達していないなど、樹脂の溶融状態が必ずしも最良レベルにあるとは言えないとともに、成形不良も発生しやすい。
第二に、スクリュに係わる情報を含めた温度分布(特性パターン)を設計することも可能であるが、実際には、様々なタイプのスクリュが存在したり、成形材料とスクリュ間の相性の存在など、スクリュの情報を含めた温度分布の設計は容易でなく、コスト面及び実用面において限界があるとともに、成形動作時には、様々な外乱が付加されるため、目標温度(温度分布)が最終的に最良レベルに設定されているか否かは確認することができない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の温度設定支援方法及び装置の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機Mの温度設定支援方法は、上述した課題を解決するため、加熱筒2の軸方向Waに沿って配設した複数の加熱部3a,3b,3c…により、スクリュ4の軸方向Waに所定の温度分布(Bs)が生じるように、各加熱部3a…に対する目標温度Ta,Tb,Tc…を設定するに際し、成形条件を設定する成形機コントローラ5に付属するディスプレイ6に、X軸がスクリュ位置XとなりY軸が温度となるグラフ表示部7を表示し、このグラフ表示部7に、スクリュ位置Xに対応した目標温度Ta…による温度分布をグラフBsにより表示するとともに、このグラフBsと一緒に、固形の成形材料が溶融するまでの溶融移行領域Amを、成形材料の溶融温度Tmとスクリュ4の圧縮部開始位置Xf及び圧縮部終了位置Xsを用いてグラフィック表示することを特徴とする。
一方、本発明に係る射出成形機Mの温度設定支援装置1は、上述した課題を解決するため、加熱筒2の軸方向Waに沿って配設した複数の加熱部3a…により、スクリュ4の軸方向Waに所定の温度分布(Bs)が生じるように、各加熱部3a…に対する目標温度Ta…を設定するための温度設定支援装置を構成するに際して、成形条件を設定する成形機コントローラ5に付属するディスプレイ6に、X軸がスクリュ位置XとなりY軸が温度となるグラフ表示部7を表示するグラフ表示部表示手段Fdと、グラフ表示部7に、スクリュ位置Xに対応した目標温度Ta…による温度分布をグラフBsにより表示する目標温度表示手段Ftと、グラフBsと一緒に、固形の成形材料が溶融するまでの溶融移行領域Amを、成形材料の溶融温度Tmとスクリュ4の圧縮部開始位置Xf及び圧縮部終了位置Xsを用いてグラフィック表示する溶融移行領域表示手段Fmとを備えてなることを特徴とする。
また、本発明は、好適な実施の態様により、溶融移行領域Amのグラフィック表示は所定太さのラインLmにより表示することができる。他方、グラフ表示部7には、目標温度Ta,Tb,Tc…に対する上限温度Tuを、成形材料の熱分解開始温度に基づいてライン表示することができるとともに、スクリュ4の圧縮部終了位置Xsよりもスクリュ4の先端側であって、上限温度Tuと溶融温度Tmにより区画される溶融完了領域Aoを、溶融移行領域Amに区別してグラフィック表示することができる。
このような本発明に係る射出成形機の温度設定支援方法及び装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 成形材料の溶融温度Tmとスクリュ位置Xに基づく、固形の成形材料が溶融するまでの溶融移行領域Amを、目標温度Ta…による温度分布を表示したグラフBsと一緒にグラフィック表示するようにしたため、スクリュ4に係わる情報を含めた目標温度Ta…(温度分布)を容易に設定できる。したがって、樹脂の溶融時間が過度に長くなったり、或いは溶融が最適な状態に達していないなどの不具合を回避し、最良レベルとなる樹脂の溶融状態を容易に得ることができるとともに、成形不良の低減にも寄与できる。
(2) 実施に際しては、ディスプレイ6のグラフ表示部7に、目標温度Ta…による温度分布を表示したグラフBsに加えて、成形材料の溶融温度Tmとスクリュ位置Xを用いた溶融移行領域Amをグラフィック表示すれば足りるため、追加部品が不要となり、低コストに実施できる。
(3) ディスプレイ6のグラフ表示部7に、目標温度Ta…による温度分布を表示したグラフBsに加えて、成形材料の溶融温度Tmとスクリュ位置Xを用いた溶融移行領域Amをグラフィック表示したため、溶融状態と目標温度(温度分布)の関係等を目視により容易に確認できるなど、手軽に利用でき、実用性にも優れる。
(4) 好適な態様により、溶融移行領域Amのスクリュ位置Xとして、スクリュ4の圧縮部開始位置Xfと圧縮部終了位置Xsを用いれば、通常、スクリュ4のディメンションとなる既知の情報を利用できるため、容易に実施できる。
(5) 好適な態様により、溶融移行領域Amのグラフィック表示を、所定太さのラインLmにより表示するようにすれば、比較的簡易なソフトウェア(プログラム)により実施できるため、更なる実施の容易化及び低コスト化に寄与できるとともに、溶融移行領域Amの変更や修正等も容易に行うことができる。
(6) 好適な態様により、グラフ表示部7に、目標温度Ta,Tb,Tc…に対する上限温度Tuを、成形材料の熱分解開始温度に基づいてライン表示すれば、目標温度Ta…を設定するに際して、成形材料の熱分解開始温度を考慮できるため、目標温度Ta…の設定をより適正に行うことができる。
(7) 好適な態様により、スクリュ4の圧縮部終了位置Xsよりもスクリュ4の先端側であって、上限温度Tuと溶融温度Tmにより区画される溶融完了領域Aoを、溶融移行領域Amに区別してグラフィック表示するようにすれば、溶融完了領域Aoと溶融移行領域Amを一緒に利用できるため、目標温度Ta…の設定をより容易かつ適正に行うことができるとともに、設定状態をより容易に確認することができる。
本発明の好適実施形態に係る温度設定支援装置におけるディスプレイ及びグラフ表示部の表示態様図、 同温度設定支援装置のブロック構成図、 本発明の好適実施形態に係る温度設定支援方法による温度の設定手順を示すフローチャート、 同温度設定支援方法に基づく温度の設定手順を使用しない場合或いは不適切に設定された場合の例を示すグラフ表示部の表示態様図、 本発明の変更実施形態に係る温度設定支援装置におけるグラフ表示部の表示態様図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る温度設定支援装置1を備える射出成形機Mの構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1中、仮想線で示すMは射出成形機であり、機台Mbと、この機台Mb上に設置された射出装置Mi及び型締装置Mcを備える。射出装置Miは、加熱筒2を備え、この加熱筒2は、図2に示すように、前端に射出ノズル2nを有するとともに、加熱筒2の後部には内部に成形材料を供給するホッパ21(図1)を備える。また、射出ノズル2nを含む加熱筒2の外周面には軸方向Waに沿ってバンドヒータ等を用いた複数の加熱部3n,3a,3b,3c,3d…を配設するとともに、各加熱部3n,3a,3b,3c,3d…による加熱温度を検出する温度センサ22n,22a,22b,22c,22d…をそれぞれ付設する。例示の場合、射出ノズル2nを含めて六つの加熱部3n,3a,3b,3c…を備えている。他方、型締装置Mcには可動型と固定型からなる金型23を備える。そして、機台Mb上には側面パネル24を起設し、この側面パネル24にカラー液晶ディスプレイ等を用いたディスプレイ6を配設する。
一方、射出成形機Mは、図2に示す成形機コントローラ5を搭載する。成形機コントローラ5はコンピュータ機能を有するコントローラ本体31を備え、上述したディスプレイ6が付属するとともに、各加熱部3a…の加熱温度に対する温度制御を行う温度制御部32が付属する。なお、図2に示す成形機コントローラ5は、本実施形態に係る温度設定支援装置1に関連する部分を抽出して示している。コントローラ本体31は、CPU33を備え、このCPU33には内部バス34を介してチップセット35を接続する。このチップセット35には、バスライン36を介してRAM,ROM等の各種メモリ類を総括する内部メモリ37を接続する。また、チップセット35には、バスライン36を介して表示インタフェース38を接続し、この表示インタフェース38には、上述したディスプレイ6及びタッチパネル6tを接続することにより、HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)制御系を構成する。
他方、チップセット35には、バスライン40を介して入出力インターフェイス41を接続し、この入出力インターフェイス41には、上述した温度制御部32を接続する。この温度制御部32には、各加熱部3n,3a,3b,3c,3d…を接続するとともに、各温度センサ22n,22a,22b,22c,22d…を接続する。温度制御部32は、コントローラ本体31から目標温度Ta…が付与されれば、加熱部3a…による加熱温度が目標温度Ta…となるようにフィードバック制御する機能を有する。入出力インターフェイス41は、その他、各種センサから得る検出信号を、アナログ−ディジタル変換してCPU33に付与し、かつCPU33から得る制御指令データをディジタル−アナログ変換して得た制御信号を対応するアクチュエータに付与する機能を備え、これにより、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)制御系を構成する。
したがって、前述した内部メモリ37には、PLCプログラムとHMIプログラムが格納されるとともに、各種処理プログラムが格納される。なお、PLCプログラムは、射出成形機Mにおける各種工程のシーケンス動作や射出成形機Mの監視等を実現するためのソフトウェアであり、また、HMIプログラムは、射出成形機Mの動作パラメータの設定及び表示,射出成形機Mの動作監視データの表示等を実現するためのソフトウェアである。これらのソフトウェアは、成形機コントローラ5を搭載する射出成形機Mの固有アーキテクチャとして構築され、特に、本実施形態に係る温度設定支援装置1を機能させるとともに、温度設定支援方法に係わる処理を実行する。
次に、本実施形態に係る温度設定支援装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
上述した成形機コントローラ5は、射出成形機Mの全体の制御を司る機能を備えるとともに、各種成形条件を設定する機能を有する。したがって、成形条件の一つとなる目標温度Ta…に対する設定機能を有するとともに、本実施形態に係る温度設定支援装置1としても機能する。
成形機コントローラ5に付属するディスプレイ6には、図1に示す温度設定画面Vtを表示できるとともに、この温度設定画面Vtを使用して、射出ノズル2nを含む加熱筒2を加熱する際の目標温度Tn…を設定できる。例示の射出成形機Mは、前述したように、六つの加熱部3n,3a,3b,3c…を備えるため、温度設定画面Vtには、図1に示すように、六つの目標温度Tn,Ta,Tb,Tc…を設定及び表示可能な六つの目標温度設定部11n,11a,11b,11c,11d,11eを有する。この場合、目標温度設定部11nは射出ノズル2n、目標温度設定部11aは加熱筒2の前部、目標温度設定部11bは加熱筒2の中部前側、目標温度設定部11cは加熱筒2の中部後側、目標温度設定部11dは加熱筒2の後部前側、目標温度設定部11eは加熱筒2の後部後側に、それぞれ対応している。したがって、例えば、目標温度Tbを設定する場合には、目標温度設定部11bを指でタッチし、テンキーウィンドウを表示させた後、目標温度の数値を入力すれば、当該数値が目標温度Tbとして設定され、目標温度設定部11bにその数値が表示される。なお、11fは落下口温度表示部を示す。
その他、温度設定画面Vtにおいて、12は現在温度表示部であり、各温度センサ22n,22a,22b,22c…により検出された加熱温度がそれぞれ各目標温度Tn,Ta,Tb,Tc…に対応して表示される。13は各加熱部3n,3a,3b,3c…に対応した制御出力をそれぞれパーセンテイジにより表示される制御出力表示部であり、また、14は各加熱部3n,3a,3b,3c…に対応した保温温度がそれぞれ設定及び表示される保温温度設定部を示す。
一方、温度設定支援装置1は、コントローラ本体31及びディスプレイ6を用いたグラフ表示部表示手段Fdを備えており、このグラフ表示部表示手段Fdは、図1に示すように、温度設定画面Vtの一部、具体的には、温度設定画面Vtの下半部のエリアに、グラフ表示部7を表示する機能を有する。このグラフ表示部7は、X軸がスクリュ位置X〔mm〕となり、Y軸が温度〔℃〕となる。また、温度設定支援装置1は、コントローラ本体31及びディスプレイ6を用いた目標温度表示手段Ftを備え、この目標温度表示手段Ftは、図1に示すように、グラフ表示部7に、スクリュ位置Xに対応した目標温度Ta…による温度分布を、グラフBsにより表示させる機能を有する。この場合、設定される目標温度Ta,Tb,Tc,Td,Teが、グラフ表示部7におけるX軸のスクリュ位置Xに対応して表示される。各目標温度Ta…に対応するスクリュ位置X…は予め設定することができる。なお、射出ノズル2nの加熱部2nにおける目標温度Tnは、グラフ表示部7とは異なる温度表示部15により別途表示される。
さらに、温度設定支援装置1は、コントローラ本体31及びディスプレイ6を用いた溶融移行領域表示手段Fmを備えており、この溶融移行領域表示手段Fmは、図1に示すように、固形の成形材料が溶融するまでの溶融移行領域Amを、上述したグラフBsと一緒にグラフィック表示する機能を有する。この溶融移行領域Amは、成形材料の溶融温度Tmとスクリュ位置Xを用いて表示でき、このスクリュ位置Xには、スクリュ4の圧縮部開始位置Xfと圧縮部終了位置Xsを用いる。この圧縮部開始位置Xfと圧縮部終了位置Xsは、通常、スクリュ4のディメンションとして既知であるため、既知情報を利用することにより、容易に設定できる。なお、図1に例示する溶融温度Tmは245〔℃〕、圧縮部開始位置Xfは235〔mm〕、圧縮部終了位置Xsは135〔mm〕である。また、溶融移行領域Amのグラフィック表示は、例えば、所定の色(例えば、青色)を用いた所定太さのラインLmにより表示する。このように、所定太さのラインLmにより表示すれば、比較的簡易なソフトウェア(プログラム)により実施できるため、実施の容易化及び低コスト化に寄与できるとともに、溶融移行領域Amの変更や修正等も容易に行うことができる。
他方、図1のグラフ表示部7では、以上の表示に加えて、目標温度Ta,Tb,Tc…に対する上限温度Tuをライン表示した。この上限温度Tuは、成形材料の熱分解開始温度に基づいて設定できる。これにより、目標温度Ta…を設定するに際して、成形材料の熱分解開始温度を考慮できるため、目標温度Ta…の設定をより適正に行える利点がある。なお、図1に例示する上限温度Tuは290〔℃〕である。また、この際、図1に示すように、スクリュ4の圧縮部終了位置Xsよりもスクリュ4の先端側であって、上限温度Tuと溶融温度Tmにより区画される溶融完了領域Aoは、溶融移行領域Amとは異なるグラフィック表示、例えば、異なる着色(例示は、黄色)によりグラフィック表示する。これにより、溶融完了領域Aoと溶融移行領域Amを一緒に利用できるため、目標温度Ta…の設定をより容易かつ適正に行うことができるとともに、設定状態をより容易に確認することができる。しかも、溶融完了領域Aoと溶融移行領域Amは異なる色彩により識別可能となるため、目標温度Ta…の設定を容易に行う観点及び設定状態を容易に確認する観点から最も望ましい態様として実施できる。
次に、このような構成を有する温度設定支援装置1の動作を含む本実施形態に係る温度設定支援方法について、図1〜図4を参照して説明する。
図3に、本実施形態に係る温度設定支援方法による目標温度の設定手順をフローチャートで示す。最初に、温度設定支援方法に係わる必要な設定を行う。設定に際しては、ディスプレイ6に、図1に示す温度設定画面Vtを表示し、所定の指定キーを選択する。これにより、図1に示す温度設定画面Vt上にグラフ設定ウィンドウVwが表示される(ステップS1)。このグラフ設定ウィンドウVwが表示されたら、表示される各設定項目に従って対応する数値を入力すればよく、前述した目標温度設定部11a…の場合と同様に設定できる。まず、樹脂の溶融温度Tm(例示は、245〔℃〕)を入力するとともに、目標温度Ta…に対する上限温度Tu(例示は、290〔℃〕)を入力する(ステップS2,S3)。この場合、溶融温度Tmは、成形材料の特性として既知である。上限温度Tuは、樹脂の熱分解開始温度を考慮して設定できる。したがって、上限温度Tuには、熱分解開始温度をそのまま用いてもよい。
また、スクリュ4の全長(例示は、500〔mm〕)を入力するとともに、溶融移行領域Amに対するスクリュ位置Xとしてスクリュ4の圧縮部開始位置Xfと圧縮部終了位置Xsを入力する(ステップS4,S5,S6)。スクリュ4の全長は、スクリュ4のディメンションとして既知であり、溶融移行領域Amは、スクリュ4のコンプレッションゾーンを区画するディメンションとして既知である。さらに、射出ノズル2nを除く加熱筒2の加熱部3a,3b,3c,3d,3eに対応するスクリュ位置Xを入力する(ステップS7)。例示は、先端側から、65〔mm〕,215〔mm〕,270〔mm〕,360〔mm〕,455〔mm〕の場合を示す。
そして、以上の入力が終了すれば、図1に示すように、溶融移行領域Am及び溶融完了領域Aoがグラフィック表示される(ステップS8,S9)。この場合、前述したように、溶融温度Tmの位置であって、圧縮部開始位置Xfと圧縮部終了位置Xs間に、所定太さの青色のラインLmにより溶融移行領域Amが表示されるとともに、圧縮部終了位置Xsよりもスクリュ4の先端側であって、上限温度Tuと溶融温度Tmにより区画される範囲が溶融完了領域Aoとして黄色で表示される。
以上の設定が終了したなら、目標温度Ta…の設定処理を行う(ステップS10)。目標温度Ta…の初期設定は、既知の各種手法により設定することができ、例えば、前述した特許文献1の温度設定方法を利用してもよいし、前述した各目標温度設定部11a…を利用して個々に入力して設定してもよい。これにより、図1に示すように、グラフ表示部7に、スクリュ位置X…に対応した目標温度Ta,Tb,Tc…による温度分布がグラフBsにより表示される。
ところで、この際、図1に示すように、温度分布を示すグラフBsが溶融移行領域Amと交差すれば、スクリュ4における正規の溶融移行領域Amの温度が本来の溶融温度Tmになっていると想定できる。しかし、図4に点線で示すグラフBsx,Bsyのように、溶融移行領域Amを外れている場合には不適切な状態にあることが考えられる。即ち、グラフBsxの場合、溶融移行領域Amの温度が本来の溶融温度Tmに達していないため、溶融が不十分になる虞れがあり、他方、グラフBsyの場合、溶融移行領域Amの手前で溶融温度Tmに達しているため、樹脂の溶融時間が過度に長くなってしまう。なお、グラフBsxの場合、溶融移行領域Amを過ぎた後に溶融温度Tmに達するとともに、グラフBsyの場合、溶融移行領域Amを過ぎた後も上限温度Tuには達しないため、射出ノズル2nから射出される樹脂は、成形可能な溶融状態にあり、必ずしも成形不良になるわけではない。しかし、樹脂の溶融状態が高い品質レベルとなる最良の状態にあるとは言えない。
そこで、目標温度Ta…の初期設定において、グラフBsx,Bsyのような温度分布になった場合には、溶融移行領域Amを参考にして各目標温度Ta…を再設定し、温度分布を変更すればよい。これにより、図1に示すように、グラフBsを溶融移行領域Amと交差させることができる。このように、各目標温度Ta…の再設定により、各目標温度Ta…に対する最適化処理を行うことができる。そして、最適化処理により最良の目標温度Ta…を設定したなら、目標温度Ta…の設定を終了させる(ステップS11)。なお、本実施形態に係る温度設定支援方法は、溶融移行領域Amを参考にしてオペレータがグラフBsを最適化できることにあり、溶融移行領域AmとグラフBsを交差させること自体が目的ではない。
このように、本実施形態に係る温度設定支援方法及び装置1によれば、成形材料の溶融温度Tmとスクリュ位置Xに基づく、固形の成形材料が溶融するまでの溶融移行領域Amを、目標温度Ta…による温度分布を表示したグラフBsと一緒にグラフィック表示するようにしたため、スクリュ4に係わる情報を含めた目標温度Ta…(温度分布)を容易に設定できる。したがって、樹脂の溶融時間が過度に長くなったり、或いは溶融が最適な状態に達していないなどの不具合を回避し、最良レベルとなる樹脂の溶融状態を容易に得ることができるとともに、成形不良の低減にも寄与できる。また、実施に際しては、ディスプレイ6のグラフ表示部7に、目標温度Ta…による温度分布を表示したグラフBsに加えて、成形材料の溶融温度Tmとスクリュ位置Xを用いた溶融移行領域Amをグラフィック表示すれば足りるため、追加部品が不要となり、低コストに実施できるとともに、溶融状態と目標温度(温度分布)の関係等を目視により容易に確認できるなど、手軽に利用でき、実用性にも優れる。
他方、図5には、本発明の変更実施形態に係る温度設定支援装置1におけるグラフ表示部7の表示態様を示す。図5は、グラフ表示部7に表示する溶融移行領域Amを、図1に示した溶融移行領域Amに対して、計量値による補正を加えたものであり、図5の場合、計量値分が90〔mm〕のため、圧縮部開始位置Xfを、図1に示した235〔mm〕から325〔mm〕の位置(Xfs)まで延ばした例を示す。したがって、グラフ設定ウィンドウVwを用いて圧縮部開始位置Xfを入力する際に、このような補正した位置を入力すればよい。このように、圧縮部開始位置Xf及び圧縮部終了位置Xsは、スクリュ4のディメンションをそのまま設定してもよいし、必要な補正を付加して設定してもよい。この補正には、オペレータがノウハウ等に基づく任意の補正も含まれる。なお、補正部分は、色を変えて表示してもよい。
また、図5は、目標温度Ta…による温度分布を表示したグラフBsに加えて、現在温度表示部12に表示される各温度センサ22a,22b,22c…により検出された加熱温度による温度分布をグラフCsにより表示した例を示す。これにより、実際の加熱温度も考慮して目標温度Ta…の設定及び再設定(最適化処理)を行うことができる。
さらに、図5は、溶融温度Tmよりも低い予備加熱下限温度Tsを設定し、この予備加熱下限温度Tsを、グラフBsに加えて、スクリュ4の圧縮部開始位置Xf(Xfs)よりもスクリュ後端側にライン表示した例を示す。これにより、圧縮部開始位置Xf(Xfs)よりもスクリュ後端側の予備加熱領域における温度が適正か否か(不足しているか)を目視により容易に判別できる。なお、前述した溶融完了領域Aoと同様に、圧縮部開始位置Xf(Xfs)よりもスクリュ後端側における溶融温度Tmと予備加熱下限温度Tsにより区画される領域を、溶融移行領域Am及び溶融完了領域Aoとは異なるグラフィック表示、例えば、異なる着色(例示は、橙色)によりグラフィック表示してもよい。
以上、好適実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、目標温度Ta…による温度分布をグラフBsにより表示するに際し、射出ノズル2nの目標温度Tnを含めない場合を例示したが、目標温度Tnを含めてもよい。また、X軸,Y軸は、それぞれ水平,垂直(鉛直)を意味するものではなく、直角関係を意味する。したがって、竪型射出成形機の場合には、X軸は垂直(鉛直)になる。さらに、溶融移行領域Amのみを示したが、この前後の領域を溶融移行領域Amに付加し、異なる色により表示してもよい。
本発明は、スクリュの軸方向に所定の温度分布が生じるように加熱筒を加熱する複数の加熱部を備える各種タイプの射出成形機に利用することができる。
1:温度設定支援装置,2:加熱筒,3a(3b,3c…):加熱部,4:スクリュ,5:成形機コントローラ,6:ディスプレイ,7:グラフ表示部,Am:溶融移行領域,Ao:溶融完了領域,Bs:グラフ,Fd:グラフ表示部表示手段,Ft:目標温度表示手段,Fm:溶融移行領域表示手段,Lm:所定太さのライン,M:射出成形機,Ta(Tb,Tc…):目標温度,Tm:溶融温度,Tu:上限温度,Xf:圧縮部開始位置,Xs:圧縮部終了位置,Wa:軸方向

Claims (5)

  1. 加熱筒の軸方向に沿って配設した複数の加熱部により、スクリュの軸方向に所定の温度分布が生じるように、各加熱部に対する目標温度を設定する際の射出成形機の温度設定支援方法であって、成形条件を設定する成形機コントローラに付属するディスプレイに、X軸がスクリュ位置となりY軸が温度となるグラフ表示部を表示し、このグラフ表示部に、スクリュ位置に対応した前記目標温度による温度分布をグラフにより表示するとともに、このグラフと一緒に、固形の成形材料が溶融するまでの溶融移行領域を、成形材料の溶融温度とスクリュの圧縮部開始位置及び圧縮部終了位置を用いてグラフィック表示することを特徴とする射出成形機の温度設定支援方法。
  2. 前記溶融移行領域のグラフィック表示は所定太さのラインにより表示することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の温度設定支援方法。
  3. 前記グラフ表示部には、前記目標温度に対する上限温度を、前記成形材料の熱分解開始温度に基づいてライン表示することを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形機の温度設定支援方法。
  4. 前記スクリュの圧縮部終了位置よりも前記スクリュの先端側であって、前記上限温度と前記溶融温度により区画される溶融完了領域を、前記溶融移行領域に区別してグラフィック表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形機の温度設定支援方法。
  5. 加熱筒の軸方向に沿って配設した複数の加熱部により、スクリュの軸方向に所定の温度分布が生じるように、各加熱部に対する目標温度を設定するための射出成形機の温度設定支援装置であって、成形条件を設定する成形機コントローラに付属するディスプレイに、X軸がスクリュ位置となりY軸が温度となるグラフ表示部を表示するグラフ表示部表示手段と、前記グラフ表示部に、スクリュ位置に対応した前記目標温度による温度分布をグラフにより表示する目標温度表示手段と、前記グラフと一緒に、固形の成形材料が溶融するまでの溶融移行領域を、成形材料の溶融温度とスクリュの圧縮部開始位置及び圧縮部終了位置を用いてグラフィック表示する溶融移行領域表示手段とを備えることを特徴とする射出成形機の温度設定支援装置。
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