JP5556940B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者の操作に応答して継合、切断されるクラッチを介して変速機が連結される内燃機関(エンジンともいう)の制御装置に関する。
従来から、自動車等の車両では、減速時に例えば過濃混合気とならないようにするとともに、燃料消費量を低減するため、例えば運転者のアクセルオフ操作に応答して、燃料噴射弁による燃料噴射を停止すること(フューエルカット)が知られている。
このフューエルカットを行うと内燃機関の回転速度が低下するので、内燃機関が停止(エンジンストール)することを回避するために、内燃機関の回転速度が適宜に設定される判定値(回転速度)未満に低下すると、内燃機関の停止を回避するための燃料噴射を行うようにしている。
ところで、例えば変速機がクラッチを介して連結される内燃機関の回転速度が前記閾値以上である場合において、アクセルオフ操作されたときに、即座にフューエルカットするようにしていると、例えば極端なトルク抜けが発生して、運転者に対し過剰な引き込み感を与えるといったフューエルカットショックが発生するおそれがある。
そこで、前記内燃機関の回転速度が前記閾値以上である場合において、アクセルオフ操作されたとき、即座にフューエルカットせずに、所定時間遅延させてからフューエルカットすることが考えられている(例えば特許文献1参照。)。
この特許文献1では、前記のようなフューエルカットの形態をカットインディレイによるフューエルカットと呼んでいる。このカットインディレイによるフューエルカットであれば、適宜のディレイ時間を設けることによりアクセルオフ操作された後でも前記ディレイ時間、燃料噴射が継続されるから、内燃機関の回転速度の低下が緩慢になって、前記フューエルカットショックの発生が抑制されることになる。
さらに、特許文献1には、フューエルカット条件の成立後にクラッチが開放(切断)されていることを検出した場合において、このクラッチ開放が、アップシフトのためである場合には第1ディレイ時間を設定し、また、ダウンシフトのためである場合には前記第1ディレイ時間と長さが異なる第2ディレイ時間を設定している。この第1ディレイ時間は、第2ディレイ時間より短く設定される。
特開2005−163760号公報
上記特許文献1に係る従来例では、フューエルカットを行うにあたってクラッチが開放されたときに、アップシフトかダウンシフトかによってフューエルカットをディレイする時間を変えるようにしているが、あくまでもディレイ時間を設けているので、ディレイ時間が経過するまでは燃料噴射が継続されている。このような燃料噴射分が積み重なると、内燃機関の燃費低下につながる。ここに改良の余地がある。
このような事情に鑑み、本発明は、運転者の操作に応答して継合、切断されるクラッチを介して変速機が連結される内燃機関の制御装置において、無駄な燃料噴射を可及的に削減することを可能とし、内燃機関の燃費向上を図ることを目的としている。
本発明は、運転者の操作に応答して継合、切断されるクラッチを介して変速機が連結される内燃機関の制御装置であって、フューエルカット条件を満たし、かつクラッチが継合している状態の場合に、燃料噴射量を徐々にゼロにするなましフューエルカットを行い、また、前記クラッチが切断状態から継合状態へ切り替えられる過程で、フューエルカット条件を満たした場合、前記なましフューエルカットに比べて燃料噴射量の逓減度合いを大きくするフューエルカットを行うものであり、フューエルカット中にフューエルカットを停止して機関停止回避用の燃料噴射を行った後、クラッチが継合している状態でフューエルカット復帰条件を満たした場合には燃料噴射量を徐々にゼロにするなましフューエルカットを行い、また、クラッチが切断状態から継合状態へ切り替えられる過程でフューエルカット復帰条件を満たした場合に、前記なましフューエルカットに比べて燃料噴射量の逓減度合いを大きくするフューエルカットを行う、ことを特徴としている。
なお、前記なましフューエルカットでの逓減度合いを「なまし量」と言う。このなまし量を大きくするほど、なましフューエルカットにおける総燃料噴射量が少なくなり、その反対に、前記なまし量を小さくするほど、なましフューエルカットにおける総燃料噴射量が多くなる。また、燃料噴射量の逓減度合い(なまし量)を極限にまで大きくした場合、燃料噴射量を即座にゼロにすることが可能になるので、前記した燃料噴射量の逓減度合い(なまし量)を大きくするという記載に関しては、燃料噴射量を即座にゼロにするという意味も含んでいる。
そして、前記構成では、フューエルカット条件を満たしてもクラッチが継合状態であれば、燃料噴射量を徐々にゼロにするなましフューエルカットを行うようにしているから、極端なトルク抜けを抑制して運転者に引き込み感つまりフューエルカットショックを与えることを抑制または防止することが可能になる。
しかし、フューエルカット条件を満たし、かつ、クラッチが切断状態から継合状態へ切り替えられる過程である場合には、燃料噴射量の逓減度合いを可及的に大きく設定するようにしているから、内燃機関への無駄な燃料噴射を削減することが可能になる。これにより、前記削減分の積み重ねに伴い内燃機関の燃費向上に貢献できるようになる。なお、燃料噴射量を即座にゼロにする場合には、内燃機関への無駄な燃料噴射を一層削減することが可能になる。しかも、クラッチが切断状態から継合状態へ切り替えられる過程では、そもそも、極端なトルク抜けが起こらないから、前記のようになまし量の大きいフューエルカットを行っても、運転者に過剰なフューエルカットショックを与えることがない。
一般的に、例えば車両走行中において、例えば減速のためにダウンシフトを行う場合や、ダウンシフトしなくてもエンジンブレーキを効かせながらエンジンストールを避けたい場合には、運転者はアクセルペダルをオフ操作してから、クラッチを切断するような操作を行い、さらにクラッチを継合させるような操作を連続的に行うことがある。このような状況において、本発明では無駄な燃料噴射を削減できるようになると言える。
さらに、前記構成では、例えば車両減速走行に伴うフューエルカット中において機関停止回避用の燃料噴射を行った後、クラッチが継合している状態でフューエルカット復帰条件を満たした場合に、なましフューエルカットを行うようにしているから、フューエルカットショックを抑制することが可能になり、また、クラッチの切り替え過程(半継合状態)でフューエルカット復帰条件を満たした場合には、即フューエルカットを行うようにしているから、無駄な燃料噴射を無くすことが可能になって、内燃機関の燃費向上に貢献できるようになる。
このように、フューエルカット中に機関停止回避用の燃料噴射を行った後でフューエルカットを復帰させるにあたっては、クラッチの状態に応じて、車両の挙動を安定化させるようにしたり、燃費を改善させるようにしたりと適切に対処することが可能になる。
好ましくは、前記フューエルカット復帰条件を満たす場合とは、内燃機関の回転速度がフューエルカット開始用の判定値以上になった場合とされ、前記切り替え過程でのフューエルカット復帰条件とされる判定値は、前記クラッチ継合状態でのフューエルカット復帰条件とされる判定値より小さく設定される。
ここでは、フューエルカット復帰条件を特定することにより、発明の実施構成を明確にしている。つまり、前記しているように、そもそも、クラッチが切断状態から継合状態へ切り替えられる過程においては、そもそも、極端なトルク抜けが起こらないから、速やかにフューエルカットしてもフューエルカットショックが発生しにくいことを考慮し、前記切り替え過程でのフューエルカット復帰条件とされる判定値を、前記クラッチ継合状態でのフューエルカット復帰条件とされる判定値より小さく設定していれば、前記切り替え過程において少しでも早くフューエルカットを復帰させることが可能になって無駄な燃料噴射を避けるうえで有利となる。
本発明では、運転者の操作に応答して継合、切断されるクラッチを介して変速機が連結される内燃機関の制御装置において、無駄な燃料噴射を可及的に削減することを可能とし、内燃機関の燃費向上を図ることが可能になる。
本発明に係る内燃機関の制御装置の適用対象となる車両のパワートレーンの一実施形態を示す構成図である。 図1の内燃機関の概略構成を示すスケルトン図である。 図1の制御装置の入出力系を示す図である。 図3の制御装置によるフューエルカット制御を説明するためのフローチャートである。 クラッチ継合状態でのフューエルカット復帰パターンを説明するためのタイムチャートである。 クラッチ半継合状態でのフューエルカット復帰パターンを説明するためのタイムチャートである。 図3の制御装置による他例のフューエルカット制御を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図6に、本発明の一実施形態を示している。図1から図3を参照して、本発明の前提構成について説明する。
図中、1は内燃機関、2は変速機、3はクラッチ、4は制御装置である。図1に示すパワートレーンは、フロントエンジン・リアドライブ(FR)形式の車両に搭載されるタイプとされている。このパワートレーンでは、内燃機関1で発生する回転動力がクラッチ3を介して変速機2に入力され、この変速機2で適宜の変速比に変速されて、プロペラシャフト5およびデファレンシャル6を介して左右の後輪7,7に伝達されるようになっている。
変速機2は、公知のマニュアルトランスミッションと基本的に同様の構成であるので詳細な図示や説明を割愛するが、主として、同期噛み合い式の平行歯車機構、要求される変速段を選択して成立させるためのシフト機構およびセレクト機構等を含んだ構成になっている。
クラッチ3は、公知の摩擦クラッチと基本的に同様であるので詳細な図示や説明を割愛するが、主として、クラッチディスク、プレッシャープレート、ダイアフラムスプリング等を含んだ構成になっている。このクラッチ3は、変速機2の入力軸2aに外装されるレリーズベアリングを直線的に往復変位させることにより、プレッシャープレートを押動して内燃機関1のクランクシャフト1aと変速機2の入力軸2aとを接続した継合状態または動力伝達不可能に切断した切断状態あるいは滑りを伴って接続した半継合状態(いわゆる半クラッチ)にする構成である。
なお、前記レリーズベアリングを駆動するための構成としては、機械式動力伝達機構や、油圧作動式あるいは電動式のアクチュエータが用いられる。機械式動力伝達機構とは、車両運転席に設置されるクラッチペダル9とレリーズフォークとをワイヤー等で連結した構成であり、クラッチペダル9の操作に応答してレリーズフォークを傾動させてレリーズベアリングを動かすような構成になっている。
また、前記アクチュエータは、前記ワイヤーの代わりにレリーズフォークを傾動させる形態、あるいは前記レリーズフォークを用いずに前記レリーズベアリングを直接スライドさせる形態で用いられる。前記油圧作動式のアクチュエータとしては、直動式シリンダや、いわゆるコンセントリックスレーブシリンダ等が挙げられる。このアクチュエータに対する作動油圧の供給量を制御するための油圧回路には、例えば励磁コイルへの通電により弁体を動作させるソレノイドバルブ等が用いられる。このソレノイドバルブは、励磁コイルへの通電を遮断した場合に、前記アクチュエータから作動油圧が回収されてクラッチ3が継合状態になり、また、励磁コイルへ通電した場合に、前記アクチュエータに高圧の作動油圧が供給されてクラッチ3が切断状態になる。
図2を参照して、内燃機関1の吸気系や燃料供給系の概略構成を説明する。内燃機関1の燃焼室10には、吸気ポートおよび排気ポート(共に符号省略)が連通され、吸気ポートには吸気バルブ11が、また排気ポートには排気バルブ12が設けられる。吸気バルブ11および排気バルブ12は、クランクシャフト1aの回転動力によって回転駆動される吸気カムシャフトおよび排気カムシャフト(共に図示省略)の各回転によって直線的に往復変位される。
吸気ポートに連結される吸気通路14には、電子制御式のスロットルバルブ15が設けられている。このスロットルバルブ15は、基本的にアクセルペダル8の操作に応答して駆動されるスロットルモータ16でもって開閉され、スロットルバルブ15の開度に応じて吸気通路14へ導入される吸入空気量が調整される。
また、吸気ポートの近傍には、燃焼室10へ燃料を供給するための燃料噴射弁17が取り付けられている。この燃料噴射弁17には、図示していないが、デリバリパイプから燃料が所定の圧力をもって供給される。このデリバリパイプには、図示していないが、燃料タンクから燃料ポンプで吸い上げられる燃料が供給される。
内燃機関1の燃焼室10には、点火プラグ18が配置されている。この点火プラグ18は、燃焼室10に導入される混合気(燃料+空気)を燃焼、爆発させるもので、その点火タイミングは、イグナイタ19によって調整される。スロットルモータ16、燃料噴射弁17ならびにイグナイタ19は、制御装置4によって制御される。
内燃機関1の運転動作を簡単に説明すると、内燃機関1の吸入行程において、吸気通路14に導入される空気が吸気ポートを通じて燃焼室10に取り込まれるとともに、燃料噴射弁17から噴射される燃料が燃焼室10に供給されるので、燃焼室10内で混合された混合気が、圧縮行程において圧縮された後、点火プラグ18によって着火されて燃焼、爆発される。
これにより、ピストン21が往復運動されるとともに、コネクティングロッド22を経てクランクシャフト1aが回転駆動される。燃焼室10内の排気ガスは、排気行程において排気バルブ12を開弁させることによって排気ポートから排気通路を経て大気放出される。
このような内燃機関1の運転動作は、制御装置4により制御される。この制御装置4の概略構成について、図3を参照して説明する。
制御装置4は、内燃機関1における種々の制御(例えば空燃比制御、燃料噴射制御、点火制御、スロットル制御、フューエルカット制御等)を統括して実行するもので、公知の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)とされる。
ECUは、図3に符号を省略して示すように、CPU(中央処理装置)、ROM(プログラムメモリ)、RAM(データメモリ)、ならびにバックアップRAM(不揮発性メモリ)等を含んだ構成とされる。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、内燃機関1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
図3を参照して、制御装置4の入出力系を説明する。ここでの入出力系は、本発明の特徴に関連するもののみとし、本発明の特徴に直接的に関連しない要素についての記載や説明は割愛している。制御装置4の入力インタフェース(符号省略)には、アクセル開度センサ31、アイドルスイッチ32、エアフローメータ33、スロットルポジションセンサ34、クランクポジションセンサ35、シフトポジションセンサ36、クラッチスイッチ37、車速センサ38等が接続されている。
また、制御装置4の出力インタフェース(符号省略)には、燃料噴射弁17、スロットルバルブ15のスロットルモータ16、点火プラグ18のイグナイタ19等が接続されている。
参考までに、アクセル開度センサ31は、運転者により操作されるアクセルペダル8の開度に対応する信号を出力する。アイドルスイッチ32は、アクセルペダル8が完全に離された位置、つまり踏み込み量がゼロになったときにオンとなるものである。つまりアクセルオフ操作時にオンとなり、アクセルオン操作時にオフとなる。このアイドルスイッチ32のオン時には、通常、スロットルバルブ15の開度を全閉とせずに、アイドル開度とするようになっている。
エアフローメータ33は、吸入空気量を検出し、その吸入空気量信号を出力する。スロットルポジションセンサ34は、スロットルバルブ15の開度に対応する信号を制御装置4に出力する。
クランクポジションセンサ35は、例えば電磁ピックアップとされ、クランクシャフト1aに一体回転可能に付設されるシグナルロータ23の外周の多数の突起24の対向通過に対応する信号(出力パルス)を出力する。この出力に基づいてクランクシャフト1aの回転角(クランク角)や機関回転速度が検出される。シフトポジションセンサ36は、変速機2において選択されたシフト位置を検出するものである。
クラッチスイッチ37は、ノーマリーオフスイッチとされており、クラッチペダル9が踏み込み方向でクラッチ3を完全に切断する点を越えたときにオンになる。このクラッチスイッチ37は、変速機2がクラッチ3を介して連結される内燃機関1の始動を許可または禁止するための制御処理に用いるために一般的に備えられるもので、例えばインヒビタスイッチと呼ばれる。ちなみに、内燃機関1を始動する際、クラッチスイッチ37がオフであるときには始動を禁止するように対処される。
車速センサ38は、車輪速度を検出するものであり、この検出出力に基づいて制御装置4が車速、つまり車両走行速度を算出する。
ここで、制御装置4により行う各制御の概要を説明する。
空燃比制御は、例えば内燃機関1の排気ポートに接続される排気通路(図示省略)に設置される空燃比センサ(図示省略)および酸素センサ(図示省略)の各出力に基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出し、その算出した酸素濃度から得られる実際の空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致させるように、燃料噴射弁17による燃料噴射量を制御する。
燃料噴射制御としては、例えば内燃機関負荷や機関回転速度等に基づいて目標空燃比を算出し、エアフローメータ33によって検出された吸入空気量に基づき、目標空燃比が得られるように燃料噴射量の制御(燃料噴射弁17の開弁時間の制御)が行われる。
点火制御としては、クランクポジションセンサ35からの出力に基づいて点火プラグ18の点火タイミングを制御する。
スロットル制御としては、例えば運転者により操作されるアクセルペダル8の開度等に基づき、要求された内燃機関1の出力を得るための吸入空気量となるスロットルバルブ15の開度が得られるようにスロットルモータ16の駆動量が制御される。
この実施形態では、アクセルペダル8が完全オフ操作されたときに、スロットルバルブ15の開度が全閉状態とされずに、内燃機関1の回転速度Neをアイドル回転速度Ne0にするためのアイドル開度とされる。また、スロットルバルブ15の開度は、車両運転状況に応じてアクセルペダル8の開度と無関係に調整される場合もある。
フューエルカット制御は、燃料噴射弁17の燃料噴射動作を停止する処理と、点火プラグ18の点火動作を停止する処理とを行う。
このフューエルカット制御中において内燃機関1の回転速度Neが、ストール(機関停止)することを回避するために設定されるフューエルカット停止用の判定値(機関回転速度)Ne1にまで低下すると、燃料噴射弁17による燃料噴射制御と点火プラグ18の点火制御とを復帰させる。
なお、前記フューエルカット停止用の判定値Ne1は、アイドル回転速度Ne0に近い側でアイドル回転速度Ne0よりも大きい値に設定される。また、フューエルカット制御中にアクセルペダル8が踏み込まれた場合(加速要求行為)にも、フューエルカットを中止して燃料噴射弁17による燃料噴射制御と点火プラグ18の点火制御とを復帰させる。
次に、図4から図6を参照して、制御装置4によるフューエルカット制御の形態を詳細に説明する。
この実施形態では、車両走行中において、フューエルカット条件を満たした場合に、クラッチ3が継合している状態だと、「なましフューエルカット」を行うようにする。
なお、なましフューエルカットとは、燃料噴射量を徐々にゼロにするパターンのフューエルカットのことである。また、フューエルカット条件を満たす場合とは、アクセルペダル8がオフ操作されることによりアイドルスイッチ32がオンになった場合で、かつ、機関回転速度Neがフューエルカット開始用の判定値Ne2以上である場合とされる。
このフューエルカット開始用の判定値Ne2とは、フューエルカットしても内燃機関1の回転が停止しない下限側回転速度として適宜に設定されるが、フューエルカット停止用の判定値Ne1に近い側で当該判定値Ne1よりも適宜大きい値に設定される。このようにフューエルカット停止用の判定値Ne1とフューエルカット開始用の判定値Ne2とに差を付けることによりヒステリシスを持たせるようにしていれば、フューエルカットの停止と開始(あるいは復帰)とを短時間で繰り返すハンチング現象の発生を避けることが可能になる。
このように、クラッチ3が継合している状態だと、なましフューエルカットを行うようにしているから、トルク抜けを緩慢にさせることが可能になり、運転者にフューエルカットショックを与えずに済むようになる。
さらに、この実施形態では、前記フューエルカットを一旦停止して機関停止回避用の燃料噴射を行った後、フューエルカット復帰条件を満たした場合に、下記(1)、(2)で説明するように、クラッチ3の状態に応じて異なるパターンのフューエルカットを復帰させるようにしている。
なお、フューエルカット中に機関停止回避用の燃料噴射の実行条件を満たす場合とは、フューエルカットの実行に伴い機関回転速度Neが低下して前記フューエルカット停止用の判定値Ne1未満になった場合とされる。また、機関停止回避用の燃料噴射後にフューエルカット復帰条件を満たすとは、前記燃料噴射に伴い機関回転速度Neが上昇して前記判定値Ne1またはNe2以上になった場合とされる。
(1)機関停止回避用の燃料噴射後において、クラッチ3が完全に継合している状態でフューエルカット復帰条件(機関回転速度Neが前記フューエルカット開始用の判定値Ne2以上)を満たすと、なましフューエルカットを行うようにしている。
この場合には、フューエルカット復帰時にトルク抜けを緩慢にさせることが可能になるから、運転者に過剰なフューエルカットショックを与えずに済むようになる。
(2)機関停止回避用の燃料噴射後において、クラッチ3が切断状態から継合状態へ切り替えられる過程(半継合状態)でフューエルカット復帰条件(機関回転速度Neが前記フューエルカット停止用の判定値Ne1以上)を満たすと、即フューエルカットを行うようにしている。この即フューエルカットとは、燃料噴射量を即座にゼロにするパターンのフューエルカットのことである。
この場合には、無駄な燃料消費を無くすことができる。しかも、前記切り替え過程(半継合状態)では、極端なトルク抜けが起きないので、即フューエルカットを行っても、運転者に過剰な引き込み感つまりフューエルカットショックを与えずに済む。
具体的に、まず、図4に示すフローチャートを参照して、制御装置4によるフューエルカット制御を詳しく説明する。図4に示すフローチャートは、車両走行中において一定周期(例えば数msec〜数十ミリsec程度)毎に実行される。
ステップS1において、アクセルペダル8のオフ操作が有ったか否かを判定する。ここでは、アイドルスイッチ32から入力される信号がオンかオフかを調べ、オンの場合にアクセルオフ操作が有ったと判定するようにしている。
ここで、アイドルスイッチ32がオフである場合つまりアクセルオフ操作が無い場合には、前記ステップS1で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、アイドルスイッチ32がオンである場合つまりアクセルオフ操作が有った場合には、前記ステップS1で肯定判定し、続くステップS2に移行する。
このステップS2では、現在の機関回転速度Neが前記フューエルカット開始用の判定値Ne2以上であるか否かを判定する。なお、内燃機関1の回転速度Neは、クランクポジションセンサ35から入力される信号に基づき認識される。このステップS2での判定値については、例えばフューエルカット停止用の判定値Ne1に設定することも可能である。
ここで、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2未満である場合には前記ステップS2で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2以上である場合には前記ステップS2で肯定判定し、続くステップS3に移行する。つまり、前記ステップS1,S2でフューエルカットの実行条件を満たしているか否かを調べているのである。
このステップS3では、なましフューエルカットを行い、その後、ステップS4に移行する。このステップS4では、クラッチスイッチ37からの出力に基づいてクラッチ3が切断操作されたか否かを判定する。ここでは、クラッチスイッチ37から入力される信号がオンであるか否かを調べている。
ここで、クラッチスイッチ37がオンである場合つまりクラッチ3が切断操作されていない場合には、前記ステップS4で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、クラッチスイッチ37がオフである場合つまりクラッチ3が切断操作された場合には、前記ステップS4で肯定判定し、続くステップS5に移行する。
このステップS5では、前記のようにクラッチ3が切断操作されたことに伴い現在の内燃機関1の回転速度Neが、前記フューエルカット停止用の判定値Ne1以下にまで低下したか否かを判定する。
ここで、現在の機関回転速度Neが前記判定値Ne1よりも大きい場合には前記ステップS5で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、機関回転速度Neが前記判定値Ne1以下である場合には前記ステップS5で肯定判定し、続くステップS6に移行する。
このステップS6では、機関停止回避用の燃料噴射を行う。その後、続くステップS7、S8においてクラッチ3が完全に継合している状態であるのか、あるいはクラッチ3が切断状態から継合状態へ切り替えられる過程(半継合状態とも言う)になっているのかを調べる。
すなわち、まず、ステップS7では、クラッチスイッチ37からの出力に基づいてクラッチ3が継合操作されたか否かを判定する。ここでは、クラッチスイッチ37から入力される信号がオフであるか否かを調べている。
ここで、クラッチスイッチ37がオンである場合つまりクラッチ3が継合操作されていない場合には、前記ステップS7で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、クラッチスイッチ37がオフである場合つまりクラッチ3が継合操作された場合には、前記ステップS7で肯定判定し、続くステップS8に移行する。
なお、クラッチスイッチ37が前記ステップS4で一旦オンになった後、前記ステップS7でオフになった場合には、オフになった時点でクラッチ3が完全な継合状態になっているとは限らず切り替え過程(半継合状態)になっていることもある。これを確かめるために、続くステップS8を行うのである。
このステップS8では、車速Vが減速中で、かつ現在の機関回転速度Neの上昇勾配が閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、車両の挙動や内燃機関1の状態によってクラッチ3が完全な継合状態になっているのか、あるいは半継合状態であるのかを推定するようにしている。なお、前記ステップS6で機関停止回避用の燃料噴射を行ったことにより機関回転速度Neはわずかに上昇するが、その後、クラッチ3が完全な継合状態であれば駆動系の負荷が内燃機関1へ直接的に作用するために機関回転速度Neが上昇しにくくなり、結果的に機関回転速度Neの上昇勾配が小さいか、あるいは下降することになる。また、クラッチ3が半継合状態であれば駆動系の負荷が内燃機関1へ徐々に作用するために機関回転速度Neが上昇しやすくなり、結果的に機関回転速度Neの上昇勾配が大きくなる。
ここで、前記条件を満たしていない場合には、クラッチ3が完全な継合状態であると言えるので、前記ステップS8で否定判定して下記ステップS9へ移行する。しかし、前記条件を満たしている場合には、クラッチ3が半継合状態であると言えるので、前記ステップS8で肯定判定して下記ステップS10へ移行する。
まず、前記ステップS9では、現在の機関回転速度Neがフューエルカット開始用の判定値Ne2以上であるか否かを判定する。ここでは、クラッチ3が完全継合状態でフューエルカット復帰条件を満たしたか否かを調べている。
ここで、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2未満である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たしていない場合には、前記ステップS9で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。
しかし、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2以上である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たしている場合には、前記ステップS9で肯定判定し、続くステップS11において、なましフューエルカットを行う。その後、このフローチャートの処理を終了する。
また、前記ステップS10では、現在の内燃機関1の回転速度Neが、前記フューエルカット停止用の判定値Ne1以上であるか否かを判定する。ここでは、クラッチ3が半継合状態でフューエルカット復帰条件を満たしているか否かを調べている。
ここで、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne1未満である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たしていない場合には、前記ステップS10で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。
しかし、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne1以上である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たした場合には、前記ステップS10で肯定判定し、続くステップS12において、即フューエルカットを行うことにより、現在実行中の燃料噴射量を即座にゼロにする。その後、このフローチャートの処理を終了する。
次に、図5および図6のタイムチャートを参照して、フューエルカットを一旦停止してからの復帰するまでにおけるフューエルカットパターンについて説明する。
まず、例えば車両走行中に減速することによりフューエルカット条件を満たした場合(図4のステップS1で肯定判定、かつステップS2で肯定判定)、なましフューエルカットを実行する(図4のステップS3実行)。これにより、機関回転速度Neが徐々に低下することになる。
この後、クラッチ3の切断操作が無ければ(図4のステップS4で否定判定)、前記なましフューエルカットを継続する。
しかし、前記なましフューエルカットを実行開始してから、図5(c)に示すように、時刻t1においてクラッチスイッチ37がオンになった場合(図4のステップS4で肯定判定)には、機関回転速度Neがさらに低下することになる。
これに伴い、図5(b)に示すように、時刻t2において機関回転速度Neが判定値Ne1未満になる(図4のステップS5で肯定判定)と、前記なましフューエルカットを一旦停止して機関停止回避用の燃料噴射を行う(図4のステップS6実行)ことにより、機関回転速度Neを上昇させる。
ここで、図5(c)に示すように、時刻t3でクラッチスイッチ37がオフして(図4のステップS7で肯定判定)、図5(d)に示すように、時刻t4でクラッチ3が完全に継合した場合(図4のステップS8で否定判定)で、所定時間経過後の時刻t5にフューエルカット復帰条件(機関回転速度Neが判定値Ne2以上)を満たすと(図4のステップS9で肯定判定)、図5(a)に示すAパターンのなましフューエルカットを行う。このようにクラッチ3の完全継合状態においてフューエルカットを復帰させるときになましフューエルカットを行うようにしていれば、過剰なトルク抜けによるフューエルカットショックの発生を抑制することが可能になる。
しかし、図6(c)に示すように、時刻t3aでクラッチスイッチ37がオフして(図4のステップS7で肯定判定)、クラッチ3が切断状態から継合状態に切り替えられる過程つまり半継合状態(図4のステップS8で肯定判定)で、時刻t5aにフューエルカット復帰条件(機関回転速度Neが判定値Ne1以上)を満たすと(図4のステップS10で肯定判定)、図6(a)に示すBパターンの即フューエルカットを行う(図4のステップS12実行)。このようにクラッチ3の半継合状態においてフューエルカットを復帰させるときに即フューエルカットを行うようにしていれば、前記クラッチ3の完全継合状態でのなましフューエルカットを行う場合に比べると、図6(a)の二点鎖線で示すようにハッチングを付した領域における燃料噴射分が不要になると言える。しかも、クラッチ3が半継合状態において、前記即フューエルカットを行っても、フューエルカットショックが起きずに済む。
以上説明したように、本発明の特徴を適用した実施形態によれば、車両の減速走行でのフューエルカット中にクラッチ3の切断操作に伴い機関停止回避用の燃料噴射を行った後、クラッチ3の完全継合状態でフューエルカット復帰条件を満たした場合には、なましフューエルカットを行うようにしているから、運転者に過剰なフューエルカットショックを抑制または防止することが可能になり、また、クラッチ3の切り替え過程(半継合状態)でフューエルカット復帰条件を満たした場合には、トルク抜けが起こらないことを考慮して、即フューエルカットを行うようにしているから、無駄な燃料噴射を無くすことが可能になって、内燃機関1の燃費向上に貢献できるようになる。
このように、フューエルカット中に機関停止回避用の燃料噴射を行った後でフューエルカットを復帰させるにあたっては、クラッチ3の状態に応じて、車両の挙動を安定化させるようにしたり、燃費を改善させるようにしたりと適切なフューエルカットを行うようにすることが可能になる。
特に、この実施形態では、クラッチ3の状態を判定するにあたって、切断状態と継合状態とを識別するだけの安価なクラッチスイッチ37を用い、クラッチ3が切断状態から継合状態へ切り替えられる過程(半継合状態)を制御装置(図4のステップS8)で推定するようにしている。これにより、設備コストの上昇を抑制しながら、十分な推定精度を確保することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記実施形態では、フロントエンジン・リアドライブ(FR)形式のパワートレーンを有する車両に本発明を適用した例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばフロントエンジン・フロントドライブ(FF)形式や、その他の形式のパワートレーンを有する車両に適用できる。
(2)上記実施形態では、燃料噴射弁17で燃料を筒内に直接噴射する筒内直接噴射タイプの内燃機関1を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料噴射弁17で燃料をシリンダヘッドの吸気経路に噴射するポート噴射タイプとする内燃機関や、前記両方の形態を併用した内燃機関にも本発明を適用することが可能である。
(3)上記実施形態では、図4のステップS10についてフューエルカット復帰条件の判定値をフューエルカット停止用の判定値Ne1に設定した例を挙げているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば前記フューエルカット復帰条件の判定値をフューエルカット開始用の判定値Ne2に設定することも可能である。
この場合には、図4のステップS12で即フューエルカットを行う時期が上記実施形態に比べて若干遅れることになるので、上記実施形態に比べると燃料噴射量を削減する効果が若干薄れると考えられるが、例えばクラッチ3の状態に関係なく常になましフューエルカットを行わせる場合に比べると、当然ながら燃料噴射量を削減する効果が高くなる。
(4)上記実施形態で例示した図4のステップS12では、燃料噴射量を即座にゼロにする即フューエルカットを行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図4のステップS12において、図4のステップS3で行うなましフューエルカットのなまし量に比べて、なまし量を大きく設定したなましフューエルカットを行うようにすることも可能である。
(5)上記実施形態では、クラッチスイッチ37を用いるようにした例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、クラッチスイッチ37の代わりに、図示していないが、クラッチ3が完全に継合したときにオンとなるアッパースイッチと、クラッチ3が完全切断したときにオンとなるロアスイッチとを用いることが可能である。
その場合、図4のステップS8の処理として、例えばアッパースイッチがオフでかつロアスイッチがオフであるかどうかを判定する処理に変更することにより、クラッチ切り替え過程(半継合状態)であるかどうかを調べることが可能になる。そして、前記処理で肯定判定したときに、クラッチ3が切り替え過程(半継合状態)であると判定することができる。
(6)上記実施形態では、クラッチスイッチ37を用いるようにした例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、クラッチスイッチ37の代わりに、クラッチストロークセンサ(符号省略)を用いることが可能である。
このクラッチストロークセンサとは、クラッチペダル9の踏み込み量つまり踏み込みストロークに対応する信号を制御装置4に出力するものである。この場合、制御装置4は、クラッチストロークセンサからの出力に基づいて、クラッチペダル9の踏み込み方向においてクラッチ3の完全切断点と、完全継合点と、半継合領域(前記切断点から継合点までの範囲)とを推定する処理を行うようにする。
このクラッチストロークセンサを用いる場合についての制御装置4によるフューエルカット制御を、図7を参照して詳しく説明する。図7に示すフローチャートにおいて、図4に示すフローチャートとの違いは、主として、図4中のステップS7,S8を、図7中のステップS27に置き換えていることである。
具体的に、図7に示すフローチャートは、車両走行中において一定周期(例えば数msec〜数十ミリsec程度)毎に実行される。
ステップS21において、アクセルペダル8のオフ操作が有ったか否かを判定する。ここでは、アイドルスイッチ32から入力される信号がオンかオフかを調べ、オンの場合にアクセルオフ操作が有ったと判定するようにしている。
ここで、アイドルスイッチ32がオフである場合つまりアクセルオフ操作が無い場合には、前記ステップS21で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、アイドルスイッチ32がオンである場合つまりアクセルオフ操作が有った場合には、前記ステップS21で肯定判定し、続くステップS22に移行する。
このステップS22では、現在の機関回転速度Neが前記フューエルカット開始用の判定値Ne2以上であるか否かを判定する。なお、内燃機関1の回転速度Neは、クランクポジションセンサ35から入力される信号に基づき認識される。このステップS22での判定値については、例えばフューエルカット停止用の判定値Ne1に設定することも可能である。
ここで、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2未満である場合には前記ステップS22で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2以上である場合には前記ステップS22で肯定判定し、続くステップS23に移行する。つまり、前記ステップS21,S22でフューエルカットの実行条件を満たしているか否かを調べているのである。
このステップS23では、なましフューエルカットを行い、その後、ステップS24に移行する。このステップS24では、クラッチスイッチ37からの出力に基づいてクラッチ3が切断操作されたか否かを判定する。ここでは、クラッチスイッチ37から入力される信号がオンであるか否かを調べている。
ここで、クラッチスイッチ37がオンである場合つまりクラッチ3が切断操作されていない場合には、前記ステップS24で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、クラッチスイッチ37がオフである場合つまりクラッチ3が切断操作された場合には、前記ステップS24で肯定判定し、続くステップS25に移行する。
このステップS25では、前記のようにクラッチ3が切断操作されたことに伴い現在の内燃機関1の回転速度Neが、前記フューエルカット停止用の判定値Ne1以下にまで低下したか否かを判定する。
ここで、現在の機関回転速度Neが前記判定値Ne1よりも大きい場合には前記ステップS25で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。一方、機関回転速度Neが前記判定値Ne1以下である場合には前記ステップS25で肯定判定し、続くステップS26に移行する。
このステップS26では、機関停止回避用の燃料噴射を行う。その後、続くステップS27に移行する。
このステップS27では、クラッチ3が切断状態から継合状態に切り替えられる過程(半継合状態)であるか否かを判定する。ここでは、前記クラッチストロークセンサからの出力を、予め記憶している基準値に照合することによりクラッチ3が切断状態、継合状態あるいは切り替え過程のいずれであるかを推定するようにしている。なお、前記基準値は、予め実験により統計をとり、経験的に設定されて、例えば制御装置4に備える適宜の記憶装置(ROM等)に格納されている。
ここで、クラッチ3が切り替え過程でない場合には、前記ステップS27で否定判定して、下記ステップS28に移行し、また、クラッチ3が切り替え過程である場合には、前記ステップS27で肯定判定して、下記ステップS29に移行する。
まず、前記ステップS28では、現在の機関回転速度Neがフューエルカット開始用の判定値Ne2以上であるか否かを判定する。ここでは、クラッチ3が完全継合状態でフューエルカット復帰条件を満たしたか否かを調べている。
ここで、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2未満である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たしていない場合には、前記ステップS28で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。
しかし、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne2以上である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たしている場合には、前記ステップS28で肯定判定し、続くステップS30において、なましフューエルカットを行う。その後、このフローチャートの処理を終了する。
また、前記ステップS29では、現在の内燃機関1の回転速度Neが、前記フューエルカット停止用の判定値Ne1以上であるか否かを判定する。ここでは、クラッチ3が半継合状態でフューエルカット復帰条件を満たしているか否かを調べている。
ここで、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne1未満である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たしていない場合には、前記ステップS29で否定判定し、このフローチャートの処理を終了する。
しかし、内燃機関1の回転速度Neが前記判定値Ne1以上である場合つまりフューエルカット復帰条件を満たした場合には、前記ステップS29で肯定判定し、続くステップS31において、即フューエルカットを行うことにより、現在実行中の燃料噴射量を即座にゼロにする。その後、このフローチャートの処理を終了する。
以上説明したように、クラッチストロークセンサを用いる実施形態の場合には、制御装置4によるクラッチ状態の推定処理として比較的簡単なデータ照合とすることが可能になるから、制御装置4の制御プログラムを比較的簡単に設計することが可能になる。
1 内燃機関
2 変速機
3 クラッチ
4 制御装置
8 アクセルペダル
9 クラッチペダル
15 スロットルバルブ
16 スロットルモータ
17 燃料噴射弁
19 イグナイタ
31 アクセル開度センサ
32 アイドルスイッチ
34 スロットルポジションセンサ
35 クランクポジションセンサ
37 クラッチスイッチ

Claims (2)

  1. 運転者の操作に応答して継合、切断されるクラッチを介して変速機が連結される内燃機関の制御装置であって、
    フューエルカット条件を満たし、かつクラッチが継合している状態の場合に、燃料噴射量を徐々にゼロにするなましフューエルカットを行い、
    前記クラッチが切断状態から継合状態へ切り替えられる過程で、フューエルカット条件を満たした場合、前記なましフューエルカットに比べて燃料噴射量の逓減度合いを大きくするフューエルカットを行うものであり、
    フューエルカット中にフューエルカットを停止して機関停止回避用の燃料噴射を行った後、クラッチが継合している状態でフューエルカット復帰条件を満たした場合には燃料噴射量を徐々にゼロにするなましフューエルカットを行い、また、クラッチが切断状態から継合状態へ切り替えられる過程でフューエルカット復帰条件を満たした場合に、前記なましフューエルカットに比べて燃料噴射量の逓減度合いを大きくするフューエルカットを行う、ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記フューエルカット復帰条件を満たす場合とは、内燃機関の回転速度がフューエルカット開始用の判定値以上になった場合とされ、
    前記切り替え過程でのフューエルカット復帰条件とされる判定値は、前記クラッチ継合状態でのフューエルカット復帰条件とされる判定値より小さく設定される、ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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