次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では利用者に提示する情報の一例としてヘルプ情報を例に説明するが、他の情報であってもよい。ヘルプ情報は、主画面の一例としての業務画面に対する操作方法、業務のノウハウなどを、利用者の操作を助けるために表示する副情報の一例である。また、本実施例ではコンピュータ上で閲覧するヘルプ機能のことをオンデマンドヘルプ機能と呼んでいるが、オンラインヘルプ機能等、他の呼び方であってもよい。
(システム構成)
図1はオンデマンドヘルプシステムの一例の構成図である。図1のオンデマンドヘルプシステムは、サーバ1、クライアント2A〜2Nが、インターネットやLAN等のネットワーク3を介してデータ通信可能に接続されている。以下の説明では、クライアント2A〜2Nの何れでもよい場合はクライアント2と呼ぶ。また、図1はネットワークを利用する例を示しているが、ネットワークを利用せず、一台のコンピュータで実現してもよい。
サーバ1は業務画面及びオンデマンドヘルプ表示画面を作成し、クライアント2の表示装置に表示させる。クライアント2は利用者により操作される。利用者はクライアント2の表示装置に表示された業務画面を操作することにより業務に関する機能を実現できると共に、オンデマンドヘルプ表示画面上で業務画面及びスキルレベルに応じたヘルプ情報を閲覧できる。オンデマンドヘルプ表示画面は副画面の一例である。
(サーバ1のハードウェア構成)
表示情報選択プログラムがインストールされているサーバ1(コンピュータ)は表示情報選択装置の一例である。ここでは、表示情報選択プログラムがインストールされているコンピュータのハードウェア構成を説明する。
コンピュータは表示情報選択装置と同様の機能を有する表示情報選択プログラムを実行する。図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。コンピュータ10は入力装置21、表示装置22、コンピュータ本体23を有する。コンピュータ本体23はバス37で相互に接続されている主記憶装置31、演算処理装置32、インターフェース装置33、記録媒体読取装置34及び補助記憶装置35を有する。また、バス37には入力装置21及び表示装置22が接続されている。
バス37で相互に接続されている入力装置21、表示装置22、主記憶装置31、演算処理装置32、インターフェース装置33、記録媒体読取装置34及び補助記憶装置35は、演算処理装置32による管理下で相互にデータの送受を行うことができる。演算処理装置32は、コンピュータ10全体の動作制御を司る中央処理装置である。
インターフェース装置33は他のコンピュータからのデータを受信し、そのデータの内容を演算処理装置32に渡す。さらに、インターフェース装置33は演算処理装置32からの指示に応じて他のコンピュータにデータを送信する。
補助記憶装置35には、表示情報選択装置と同様の機能をコンピュータ10に発揮させるプログラムの一部として、少なくとも表示情報選択装置における表示情報選択処理をコンピュータ10に実行させる表示情報選択プログラムが記憶されている。
そして、コンピュータ10は、演算処理装置32が表示情報選択プログラムを補助記憶装置35から読み出して実行することで、表示情報選択装置として機能する。表示情報選択プログラムは演算処理装置32とアクセス可能な主記憶装置31に格納されていても良い。入力装置21は演算処理装置32の管理下でデータの入力を受付ける。表示情報選択プログラムはコンピュータ10が読み取り可能な記録媒体36に記録しておくことができる。
コンピュータ10で読み取り可能な記録媒体36には、磁気記録媒体、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録媒体には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)などがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc − Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。また、光磁気記録媒体には、MO(Magneto − Optical disk)などがある。表示情報選択プログラムを流通させる場合には、例えば表示情報選択プログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型の記録媒体36を販売することが考えられる。
そして、表示情報選択プログラムを実行するコンピュータ10は、例えば記録媒体読取装置34が表示情報選択プログラムを記録した記録媒体36から、表示情報選択プログラムを読み出す。演算処理装置32は、読み出された表示情報選択プログラムを主記憶装置31若しくは補助記憶装置35に格納する。
そして、コンピュータ10は、自己の記憶装置である主記憶装置31若しくは補助記憶装置35から表示情報選択プログラムを読み取り、表示情報選択プログラムに従った処理を実行する。
(ブロック構成)
図3は本実施例の表示情報選択装置の一例のブロック図である。表示情報選択装置40は業務システム部41、オンデマンドヘルプシステム部42、情報(ヘルプ)入出力処理部43を有する。
業務システム部41は業務処理部51を有する。オンデマンドヘルプシステム部42は業務システム状態管理部61、利用者スキルレベル算出部62、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63、機能別利用履歴DB64、利用者スキル基本情報DB65、対象機能別利用者スキル情報DB66、ヘルプ情報DB67、重要度管理情報DB68、鮮度管理情報DB69を有する。情報入出力処理部43は情報入力部71、情報入力管理部72、情報表示管理部73、情報表示部74を有する。
業務システム部41はヘルプ情報を表示する対象のシステムの一例である。業務システム部41の業務処理部51は業務画面を作成し、その業務画面をクライアント2の表示装置に表示させる。クライアント2からの利用者による操作により、業務処理部51は業務に関する機能を利用者に提供する。
オンデマンドヘルプシステム部42は業務画面及びスキルレベルに応じたオンデマンドヘルプ表示画面を情報入出力処理部43に作成させ、そのオンデマンドヘルプ表示画面をクライアント2の表示装置に表示させる。オンデマンドヘルプシステム部42は、大別すると、各利用者の機能(画面又は業務ごと)のスキルレベルを算出する機能と、ヘルプ情報ごとの重要度及び鮮度を算出する機能と、利用者のスキルレベルに応じて機能ごとに用意されたヘルプ情報から適切なものを判定する機能とを有する。ここで言うヘルプ情報には、機能や業務の情報が含まれる。
オンデマンドヘルプシステム部42の業務システム状態管理部61は利用者が業務システム部41を利用した際、利用した利用者及び機能別に、利用回数と、機能ごとに設けられたヘルプ情報の参照回数(情報参照回数)と、業務システム部41の利用時のエラー発生回数(エラー発生回数)とをカウントして、機能別利用履歴DB64に格納する。
利用者スキルレベル算出部62は機能別利用履歴DB64を参照し、利用者及び機能ごとの利用回数、情報参照回数、エラー発生回数について、全利用者の値と比較した偏差値を算出する。利用者スキルレベル算出部62は、あらかじめ偏差値に応じて設定したスキルレベルを利用者スキル基本情報DB65から取得し、利用者及び機能ごとのスキルレベルを算出する。利用者スキルレベル算出部62は利用者及び機能ごとのスキルレベルを対象機能別利用者スキル情報DB66に格納する。基本的に、利用者スキルレベル算出部62は利用回数が多いほどスキルレベルが高く、情報参照回数及びエラー発生回数が少ないほどスキルレベルが高いものとしてスキルレベルを算出する。
ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はヘルプ情報に対する利用者の評価点数と参照回数と登録日又は更新日を、機能別利用履歴DB64と重要度管理情報DB68と鮮度管理情報DB69から取得し、スキルレベルごとにヘルプ情報の重要度及び鮮度を算出する。
ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はヘルプ情報のスキルレベルごとの重要度を重要度管理情報DB68に格納すると共に、ヘルプ情報のスキルレベルごとの鮮度を鮮度管理情報DB69に格納する。また、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はヘルプ情報のスキルレベルごとの重要度及び鮮度に応じて、重要度及び鮮度の高いヘルプ情報がオンデマンドヘルプ表示画面に表示されるように、ヘルプ情報の表示/非表示をスキルレベルごとにヘルプ情報DB67に設定する。
情報入出力処理部43はヘルプ情報の入出力処理を行う。情報入力部71は利用者の操作するクライアント2からヘルプ情報の登録、更新要求を受け付け、又は、オンデマンドヘルプ表示画面の表示要求を受け付ける。情報入力管理部72は受け付けたヘルプ情報の登録、更新要求に応じて、ヘルプ情報DB67にヘルプ情報の登録、更新を行う。
また、情報表示管理部73は情報入力部71がオンデマンドヘルプ表示画面の表示要求を受け付けると、対象機能別利用者スキル情報DB66、ヘルプ情報DB67を参照することにより、ヘルプ情報のうち利用者のスキルレベルに対応する重要度及び鮮度の高いヘルプ情報を選択する。そして、情報表示部74は利用者のスキルレベルに対応する重要度及び鮮度の高いヘルプ情報をオンデマンドヘルプ表示画面に表示させる。
業務システム部41、オンデマンドヘルプシステム部42、情報入出力処理部43は演算処理装置32がプログラムを実行することにより実現される。なお、機能別利用履歴DB64、利用者スキル基本情報DB65、対象機能別利用者スキル情報DB66、ヘルプ情報DB67、重要度管理情報DB68、鮮度管理情報DB69の一部又は全部はデータベースサーバ等で別途管理するようにしてもよい。
機能別利用履歴DB64は業務システム部41を利用した利用者及び機能別に、利用回数と、機能ごとに設けられたヘルプ情報の参照回数(情報参照回数)と、業務システム部41の利用時のエラー発生回数(エラー発生数)とを格納する。利用者スキル基本情報DB65は、あらかじめ偏差値に応じてスキルレベルを設定している。対象機能別利用者スキル情報DB66は利用者及び機能ごとのスキルレベルを格納する。
ヘルプ情報DB67はヘルプ情報と、スキルレベルごとに設定されているヘルプ情報の表示/非表示の情報とを格納している。重要度管理情報DB68はヘルプ情報のスキルレベルごとの重要度を格納する。鮮度管理情報DB69はヘルプ情報のスキルレベルごとの鮮度を格納する。
図4は機能別利用履歴DBの一例の構成図である。機能別利用履歴DB64は情報項目として、対象者、対象機能ID、利用履歴を含む。利用履歴には、最終利用日、累積の利用履歴、短期の利用履歴、中期の利用履歴、長期の利用履歴が含まれる。また、累積の利用履歴、短期の利用履歴、中期の利用履歴、長期の利用履歴には、利用回数、情報参照回数、エラー発生数を含む。
対象者は、機能利用者の識別番号である。対象機能IDは、対象となる機能の識別番号である。最終利用日は、該当する機能を利用した最後の日付である。累積の利用履歴の利用回数は、これまでの利用回数の累計である。累積の利用履歴の情報参照回数は、これまでの情報参照回数の累計である。累積の利用履歴のエラー発生数は、これまでのエラー発生数の累計である。
短期の利用履歴の利用回数は、短期(例えば1ヶ月)の利用回数の累計である。短期の利用履歴の情報参照回数は短期の情報参照回数の累計である。短期の利用履歴のエラー発生数は短期のエラー発生数の累計である。中期の利用履歴の利用回数は、中期(例えば2ヶ月)の利用回数累計である。中期の利用履歴の情報参照回数は中期の情報参照回数累計である。中期の利用履歴のエラー発生数は中期のエラー発生数の累計である。
長期の利用履歴の利用回数は、長期(例えば6ヶ月)の利用回数の累計である。長期の利用履歴の情報参照回数は長期の情報参照回数の累計である。長期の利用履歴のエラー発生数は長期のエラー発生数の累計である。
図5は、利用者スキル基本情報DBの一例の構成図である。利用者スキル基本情報DB65は情報項目として、対象者、基礎情報を含む。基礎情報には、権限レベル、設定スキル、所属部門、所属ラインが含まれる。対象者は、機能利用者の識別番号である。権限レベルは、機能利用者の権限レベルである。権限レベルには、例えばシステム管理者、管理職、チームリーダ、メンバ、ゲストが設定される。
設定スキルは、機能利用者の基本的な設定スキルである。設定スキルには、例えばシステム管理者、熟練者、利用者、初心者、ゲストが設定される。所属部門は、機能利用者の所属部門の部門コードである。また、所属ラインは機能利用者の所属するラインリーダの識別番号である。
図6は、対象機能別利用者スキル情報DBの一例の構成図である。対象機能別利用者スキル情報DB66は情報項目として、対象者、対象機能ID、スキル情報を含む。スキル情報には、現在スキル、前回スキル、前回スキル更新日が含まれる。対象者は、機能利用者の識別番号である。対象機能IDは、対象となる機能の識別番号である。
現在スキルは現在のスキルレベルである。現在スキルには、例えばシステム管理者、管理職、熟練者、利用者、初心者、ゲストが設定される。現在スキルのうちシステム管理者及びゲストは固定で変動しない。また、現在スキルのうち管理者、熟練者、利用者、初心者は変動する。
前回スキルは前回のスキルレベルである。前回スキルは現在スキル変更時に、更新前の現在スキルのスキルレベルを保存したものである。前回スキル更新日は前回スキルの更新日である。
図7はヘルプ情報DBの一例の構成図である。ヘルプ情報DB67は情報項目として情報ID、制御情報、情報本文を含む。情報IDには対象機能ID、連番が含まれる。制御情報には、ステータス、情報範囲、掲載期間が含まれる。情報本文には、情報種別、見出し、詳細が含まれる。情報範囲には、範囲種別、対象範囲が含まれる。掲載期間には、期間種別、開始期間、終了期間が含まれる。見出し及び詳細には、表示方法、表示位置、情報本文が含まれる。
対象機能IDはヘルプ情報を登録する機能の識別番号である。言い換えれば対象機能IDは画面を識別する識別番号である。連番は同一の識別番号内で登録されたヘルプ情報の連番である。画面に対して登録される複数のヘルプ情報は連番管理される。ステータスには例えばヘルプ情報の表示/非表示/強制表示が設定される。表示とは、表示対象として以降の条件分岐に従って表示の判断を行うステータスである。非表示とは、表示対象外のステータスである。強制表示とは、条件分岐による表示判断を行わず、強制的に表示するステータスである。
範囲種別はヘルプ情報を閲覧させる対象者の種別である。範囲種別には例えば全体、特定スキルユーザ、特定権限者、特定部門、特定ライン、特定利用者が設定される。対象範囲はヘルプ情報を閲覧させる対象者の範囲である。
対象範囲には例えば特定スキルユーザ(スキルレベル)、特定権限者(権限レベル)、特定部門(部門コード)、特定ライン(ラインリーダID)、特定利用者(利用者ID)が設定される。
例えば、ラインリーダIDで特定される製造ラインなどの各種区画毎に対象範囲を制御したい場合は、範囲種別の項目に特定ラインを設定し、対象範囲の項目に対象とするラインを特定するためのラインリーダIDを設定する。
期間種別はヘルプ情報の掲載期間である。期間種別には、例えば無期限、期間限定、時間定期、曜日定期、月度定期、年度定期が設定される。開始期間はヘルプ情報の掲載を開始する時期である。開始期間には例えば期間限定(開始月日)、時間定期(開始時間)、曜日定期(指定曜日1)、月度定期(開始日)、年度定期(開始月日)が設定される。
終了期間は、ヘルプ情報の掲載を終了する時期である。終了期間には、例えば期間限定(終了月日)、時間定期(終了時間)、曜日定期(指定曜日2)、月度定期(終了日)、年度定期(終了月日)が設定される。
情報種別はヘルプ情報の種別である。情報種別には、例えば情報、連絡、覚書が設定される。見出しの表示方法には、ポップアップ、通常表示などが選択されている。見出しの表示位置には、例えば表示座標、固定表示位置などが設定される。見出しの情報本文には見出しとして1行程度の文章が設定される。
詳細の表示方法には、ポップアップ、通常表示などが選択されている。詳細の表示位置には、例えば表示座標、固定表示位置などが設定される。詳細の情報本文には詳細な文章情報(テキスト/画像/動画/HTML等)が設定される。
図8は重要度管理情報DBの一例の構成図である。重要度管理情報DB68は情報項目として情報ID、重要度管理情報を含む。情報IDは、ヘルプ情報DB67の情報IDと同様である。重要度管理情報には、重要度基本値、スキルレベル別重要度情報が含まれている。
重要度基本値はヘルプ情報の作成者が設定する重要度の基本値である。未設定の場合は例えば中間値(50)となる。スキルレベル別重要度情報には重要度、参照数、評価がスキルレベル毎に設定されている。重要度は算出したヘルプ情報のスキルレベル毎の重要度である。参照数はシステム日付(本日)から1ヶ月以内のスキルレベル毎の情報参照回数の累計である。評価はスキルレベル毎の利用者の評価の累計である。
図9は鮮度管理情報DBの一例の構成図である。鮮度管理情報DB69は情報項目として情報ID、鮮度管理情報を含む。情報IDは、ヘルプ情報DB67の情報IDと同様である。また、鮮度管理情報には、鮮度基本値、初回登録情報、最終更新情報、ランク別鮮度情報、スキルレベル別最終アクセス情報が含まれている。
鮮度基本値はヘルプ情報の作成者が設定する鮮度の基本値である。未設定の場合は例えば中間値(例えば50)となる。初回登録情報には登録者ID、登録日が設定される。登録者IDはヘルプ情報の登録者の識別番号である。登録日はヘルプ情報を登録した日時である。
最終更新情報には更新者ID、更新日が設定される。更新者IDはヘルプ情報の更新者の識別番号である。更新日はヘルプ情報を更新した日時である。ランク別鮮度情報はスキルレベル毎に算出されたヘルプ情報の鮮度が設定されている。スキルレベル別最終アクセス情報は、利用者が最後にアクセスした日時、利用者がシステム日付(本日)から1ヶ月以内に利用した累計件数を、スキルレベル毎に設定している。図9の例では、レベル1からレベル5までの5段階のレベルに対して、ランク別鮮度情報及びスキル別最終アクセス情報が設定されている。
(処理フロー)
本実施例の表示情報選択装置40は、例えば図10に示すように処理を行う。図10は本実施例の表示情報選択装置が行う処理の一例のフローチャートである。ステップS1では利用者により業務システム部41が利用される。ステップS2に進み、業務システム状態管理部61は利用者・対象システムの情報を取得する。なお、ステップS2の処理の詳細は後述する。ステップS3に進み、利用者スキルレベル算出部62は利用者のスキルレベルを機能別に算出する。なお、ステップS3の処理の詳細は後述する。
ステップS4に進み、情報入力管理部72は情報入力部71が利用者の操作するクライアント2からヘルプ情報の登録、更新要求を受け付けたか否かを判定する。ヘルプ情報の登録、更新要求を受け付けていなければ、ステップS5に進み、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はヘルプ情報の重要度/鮮度をスキルレベルごとに算出する。なお、ステップS5の処理の詳細は後述する。ステップS6に進み、情報表示管理部73は情報入力部71がオンデマンドヘルプ表示画面の表示要求を受け付けると、ヘルプ情報のうち利用者のスキルレベルに対応する重要度及び鮮度の高いヘルプ情報を選択する。情報表示部74は利用者のスキルレベルに対応する重要度及び鮮度の高いヘルプ情報をオンデマンドヘルプ表示画面に表示させる。なお、ステップS6の処理の詳細は後述する。
情報入力部71が利用者の操作するクライアント2からヘルプ情報の登録、更新要求を受け付けると、情報入力管理部72はステップS7に進み、ヘルプ情報DB67にヘルプ情報の登録、更新を行う。なお、ステップS7の処理の詳細は後述する。
図11はステップS2の処理の一例のフローチャートである。業務システム状態管理部61はステップS11に進み、業務システム部41の業務処理部51から機能利用者の識別番号としての利用者IDを取得する。
業務システム状態管理部61は、業務画面の画面遷移があるか否かを判定する(S12)。業務画面の画面遷移があれば、業務システム状態管理部61はステップS13に進み、現在の業務画面の画面ID(対象機能ID)を、対象となる機能の識別番号として業務処理部51から取得する。ステップS13に続いてステップS24に進み、業務システム状態管理部61は取得した対象となる機能の識別番号で機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報を検索する。
業務システム状態管理部61は、業務画面内フォーカス移動があるか否かを判定する(S14)。業務画面内フォーカス移動があれば、業務システム状態管理部61はステップS15に進み、業務画面内フォーカス移動先の項目を業務処理部51から取得する。ステップS15に続いてステップS24に進み、業務システム状態管理部61は取得した業務画面内フォーカス移動先の項目に基づき、機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報に含まれる利用回数を更新する。
業務システム状態管理部61は、業務画面内の項目の更新があるか否かを判定する(S16)。業務画面内の項目の更新があれば、業務システム状態管理部61はステップS17に進み、業務画面内の項目の更新情報を業務処理部51から取得する。
ステップS17に続いてステップS24に進み、業務システム状態管理部61は取得した業務画面内の項目の更新情報に基づき、機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報に含まれる利用回数を更新する。
業務システム状態管理部61は、業務画面のステータスの更新があるか否かを判定する(S18)。業務画面のステータスの更新があれば、業務システム状態管理部61はステップS19に進み、業務画面のステータスを業務処理部51から取得する。
ステップS19に続いてステップS24に進み、業務システム状態管理部61は取得した業務画面のステータスに基づき、機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報に含まれる利用回数を更新する。
業務システム状態管理部61は、ヘルプ情報の参照があるか否かを判定する(S20)。ヘルプ情報の参照があれば、業務システム状態管理部61はステップS21に進み、ヘルプ参照情報を取得する。
ステップS21に続いてステップS24に進み、業務システム状態管理部61は取得したヘルプ参照情報に基づき、機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報に含まれる情報参照回数を更新する。
業務システム状態管理部61は、業務システム部41の利用時のエラー(操作エラー)が発生しているか否かを判定する(S22)。操作エラーが発生していれば、業務システム状態管理部61はステップS23に進み、業務処理部51からエラー情報を取得する。
ステップS23に続いてステップS24に進み、業務システム状態管理部61は取得したエラー情報に基づき、機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報に含まれるエラー発生回数を更新する。
以上の処理のあと、業務システム状態管理部61はステップS25に進み、利用者からログアウトの指示を受けたか否かを判定する。ログアウトの指示を受けていなければ、業務システム状態管理部61はステップS12に戻り、図11に示す処理を続ける。図11に示すS12、S14、S16、S18、S20、S22の各判断処理の順序はこれに限定する意図ではなく、適宜入れ替えてもよい。
なお、ログアウトの指示を受けていれば、業務システム状態管理部61はステップS11に戻り、業務システム部41の業務処理部51から機能利用者の識別番号としての利用者IDを取得するまで待機する。
図12は、ステップS3の処理の一例のフローチャートである。利用者スキルレベル算出部62は、ステップS31に進み、スキルレベルの更新タイミングであるか否かを判定する。スキルレベルの更新タイミングは機能別利用履歴DB64が更新されたとき、前回スキルの更新日から所定期間が経過したとき、などである。
スキルレベルの更新タイミングであると判定すると、利用者スキルレベル算出部62はステップS32に進み、機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報が終わりか否かを判定する。機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報が終わりでなければ、利用者スキルレベル算出部62はステップS33に進み、機能別利用履歴DB64から機能別利用履歴情報を読み出す。
ステップS34に進み、利用者スキルレベル算出部62は読み出した機能別利用履歴情報を参照し、利用者及び機能ごとの利用回数、情報参照回数、エラー発生回数を、全利用者の値と比較した偏差値を算出し、点数化する。ステップS35に進み、利用者スキルレベル算出部62は、あらかじめ点数化した偏差値に応じて設定したスキルレベルを利用者スキル基本情報DB65から取得し、利用者及び機能ごとのスキルレベルを算定する。
ステップS36に進み、利用者スキルレベル算出部62は、対象機能別利用者スキル情報DB66を参照し、ステップS35で算定した利用者及び機能ごとのスキルレベルについて、利用者及び機能ごとの前回のスキルレベルから変更があるかを判定する。
ステップS35で算定した利用者及び機能ごとのスキルレベルに変更があれば、利用者スキルレベル算出部62はステップS37に進み、算定した利用者及び機能ごとのスキルレベルに基づき、対象機能別利用者スキル情報DB66のスキル情報を更新し、ステップS32に戻る。なお、ステップS36において、算定した利用者及び機能ごとのスキルレベルに変更がなければ、利用者スキルレベル算出部62はS37をスキップしてステップS32に戻ることができる。
ステップS31においてスキルレベルの更新タイミングでないと判定するか、又は、ステップS32において機能別利用履歴DB64の機能別利用履歴情報が終わりであると判定すると、利用者スキルレベル算出部62は図12に示す処理を終了する。
図13はステップS5の処理の一例のフローチャートである。ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はステップS51に進み、重要度/鮮度の更新タイミングであるか否かを判定する。重要度/鮮度の更新タイミングは機能別利用履歴DB64が更新されたとき、ヘルプ情報の登録日又は更新日から所定期間が経過したとき、などである。
重要度/鮮度の更新タイミングであると判定すると(S51でYES)、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はステップS52に進み、重要度管理情報DB68の重要度管理情報及び鮮度管理情報DB69の鮮度管理情報が終わりか否かを判定する。
重要度管理情報DB68の重要度管理情報及び鮮度管理情報DB69の鮮度管理情報が終わりでなければ(S52でNO)、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はステップS53に進み、重要度管理情報DB68から重要度管理情報を読み出す。ステップS54に進み、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は読み出した重要度管理情報を参照し、機能及びスキルレベルごとの参照数、評価を全スキルレベルの値と比較した偏差値を算出し、点数化する。ステップS55に進み、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は、あらかじめ点数化した偏差値に応じて機能及びスキルレベルごとの重要度を算定する。
ステップS56に進み、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は鮮度管理情報DB69から鮮度管理情報を読み出す。ステップS57に進み、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は読み出した鮮度管理情報を参照し、機能及びスキルレベルごとにヘルプ情報の新しさを示す値とヘルプ情報の有用性を示す値を全スキルレベルの値と比較した偏差値を算出して点数化する。
ヘルプ情報の新しさを示す値は、システム日付(本日)からヘルプ情報の登録日又は更新日までの期間である。ヘルプ情報の有用性を示す値は、所定期間の間に参照や更新が行われている回数(アクセス数)である。
ステップS58に進み、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は、あらかじめ点数化した偏差値に応じて機能及びスキルレベルごとの鮮度を算定する。ステップS59に進み、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は算定した機能及びスキルレベルごとの重要度及び鮮度に基づき、重要度管理情報DB68及び鮮度管理情報DB69の重要度管理情報及び鮮度管理情報を更新し、ステップS52に戻る。
ステップS51において重要度/鮮度の更新タイミングでないと判定(S51でNO)するか、又は、ステップS52において重要度管理情報DB68の重要度管理情報及び鮮度管理情報DB69の鮮度管理情報が終わりであると判定(S52でYES)すると、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は図13に示す処理を終了する。
図14はステップS6の処理の一例のフローチャートである。情報表示管理部73はステップS61に進み、業務システム部41から利用者のスキルレベル及び機能の識別情報としての対象機能IDを取得する。
ステップS62に進み、情報表示管理部73はヘルプ情報DB67からヘルプ情報を読み出し、対象機能IDに合致するレコードを全て抽出する。ステップS63に進み、情報表示管理部73はステップS62で抽出したレコードのうち、ヘルプ情報に含まれる情報範囲に該当し、且つ、掲載期間内であるレコードを抽出する。
ステップS64に進み、情報表示管理部73はステップS63で抽出したレコードを利用者のスキルレベルに応じて、スキルレベルごとに設定されている重要度・鮮度の高い順に並び替える。なお、スキルレベルごとに設定されている重要度・鮮度の高い順に並び替えるとは、重要度と鮮度の値を合算するなどの方法で総合的に評価して高い順に並び替えてもよいし、重要度と鮮度の値について、何れか一方を優先的に評価して高い順に並び替えてもよい。
ステップS65に進み、情報表示部74はステップS64で並び替えたレコードをオンデマンドヘルプ表示画面に表示させる。つまり、情報表示部74は利用者のスキルレベルに対応する重要度及び鮮度の高いヘルプ情報から順番にオンデマンドヘルプ表示画面に表示させる。
図15はステップS7の処理の一例のフローチャートである。情報入力部71は利用者の操作するクライアント2からヘルプ情報の登録、更新要求を受け付ける。情報入力部71がヘルプ情報の登録、更新要求を受け付けると、情報入力管理部72はステップS71に進み、ヘルプ情報の新規登録か否かを判定する。
ヘルプ情報の新規登録でなければ(S71でNO)、情報入力管理部72はステップS72に進み、更新するヘルプ情報を引用したあと、ステップS74に進む。一方、ヘルプ情報の新規登録であれば(S71でYES)、情報入力管理部72はステップS73に進み、登録するヘルプ情報/業務システム部41の状態(言い換えれば対象機能ID)を取得し、ステップS74に進む。
ステップS74では情報入力管理部72が、ヘルプ情報の新規登録か否かを判定する。ヘルプ情報の新規登録でなければ(S74でNO)、ステップS75に進み、情報入力管理部72は鮮度管理情報の最終更新情報を更新したあと、ステップS77に進む。一方、ヘルプ情報の新規登録であれば(S74でYES)、情報入力管理部72はステップS76に進み、初回登録情報、スキルレベルなどを取得し、重要度及び鮮度の初期値を設定してステップS77に進む。そして、ステップS77では、情報入力管理部72がヘルプ情報をヘルプ情報DB67に格納して図15の処理を終了する。
図16は表示情報選択装置がクライアントの表示装置に表示させる画面の一例を表したイメージ図である。図16の画面は業務画面100とオンデマンドヘルプ表示画面101とを含む。オンデマンドヘルプ表示画面101は図16のように画面枠の一部に表示してもよいし、業務画面100に重ねて表示してもよいし、必要に応じてポップアップで表示してもよい。オンデマンドヘルプ表示画面101は業務の邪魔ならず、ヘルプ情報が効果的に目に入るように表示されればよい。
図17は業務画面とオンデマンドヘルプ表示画面との一例の関係図である。ヘルプ情報登録時は図17(A)に示すように、オンデマンドコントロール基本部分102が業務画面100の画面情報(対象機能ID)及び状態情報(利用する利用者のスキルレベル)とオンデマンドヘルプ表示画面101のヘルプ情報との両方の情報を保持する。
ヘルプ情報引用時は図17(B)に示すように、オンデマンドコントロール基本部分102が業務画面100の画面情報(対象機能ID)及び状態情報(利用する利用者のスキルレベル)で検索を行い、ヒットしたヘルプ情報をオンデマンドヘルプ表示画面101として表示する。
以下では本実施例の表示情報選択装置40の処理を具体的に説明する。図18は業務画面及びオンデマンドヘルプ表示画面の一例のイメージ図である。オンデマンドヘルプ表示画面101は業務画面100に対する操作の方法、業務のノウハウなどのヘルプ情報の見出しを、重要度・鮮度の優先順位で表示している。
例えばオンデマンドヘルプ表示画面101のヘルプ情報の見出し102がクリックされると、利用者の操作するクライアント2の表示画面には図19に示すように、クリックされた見出し102に対応するヘルプ情報の詳細を含むオンデマンドヘルプ表示画面110が表示される。
図19は、ヘルプ情報の詳細を含むオンデマンドヘルプ表示画面の一例のイメージ図である。図19のオンデマンドヘルプ表示画面110はヘルプ情報の見出し111、ヘルプ情報の詳細112、ヘルプ情報に対する評価点数を入力する為の評価入力欄113を有している。
例えば利用者のスキルレベルが「3」の場合は、利用者がオンデマンドヘルプ表示画面110を表示し、評価入力欄113から評価点数を入力すると、スキルレベル「3」の評価及びアクセス数などを加算する。図19の評価入力欄113では、例えば「非常に役に立った」「役に立った」「どちらとも言えない」「役に立たなかった」「要らない」が選択されたときの評価点数が、それぞれ「+2」「+1」「0」「−1」「−2」となる。
(利用者のスキルレベルの算出)
スキルレベルの設定には様々な設定手法があるが、標準偏差を用いた分布状況で設定する例を説明する。図20は利用者スキル基本情報DBの一例の構成図である。図20の利用者スキル基本情報DB65は図5に示した利用者スキル基本情報DB65の具体例を示している。
図21は機能別利用履歴DBの一例の構成図である。機能別利用履歴DB64は利用者及び機能(画面)ごとに、機能(画面)の利用回数、ヘルプ情報の参照回数、エラー発生数を集計する。利用者スキルレベル算出部62は、機能別利用履歴DB64の集計値について更に全利用者の集計値と比較し、利用者及び機能ごとにそれぞれ偏差値を算出することで利用者及び機能ごとのスキルレベルを以下のように算出する。
まず、利用者スキルレベル算出部62は利用回数の偏差値(利用偏差値)を例えば以下の式(1)で算出する。
利用偏差値=((利用者の利用回数)−(全利用者の利用回数の平均))×10÷(全利用者の利用回数の標準偏差)+50…(1)
利用者スキルレベル算出部62は情報参照回数の偏差値(情報参照偏差値)を例えば以下の式(2)で算出する。
情報参照偏差値=50−((利用者の情報参照回数)−全利用者の情報参照回数の平均))×10÷(全利用者の情報参照回数の標準偏差)…(2)
利用者スキルレベル算出部62はエラー発生数の偏差値(エラー発生偏差値)を例えば以下の式(3)で算出する。
エラー発生偏差値=50−((利用者のエラー発生数)−(全利用者のエラー発生数の平均))×10÷(全利用者のエラー発生数の標準偏差)…(3)
例えば図21の機能別利用履歴DB64における「ID30001」の利用者の「SE001」の機能(画面)の利用回数は「1210」である。全利用者の利用回数の平均は(1210+641+130+1210+641+130)÷6である。全利用者の利用回数の標準偏差は(1210、641、130、1210、641、130)の標準偏差値である。
したがって、式(1)により「ID30001」の利用者の「SE001」の機能の利用偏差値は「61.38」となる。同様にして、図21の機能別利用履歴DB64における「ID30001」の利用者の「SE001」の機能の情報参照偏差値、エラー発生偏差値を計算すると「62.44」「44.97」となる。
図21の機能別利用履歴DB64における全集計値について、利用者及び機能ごとに偏差値を算出すると図22に示すようになる。図22は機能別利用履歴DBにおける全集計値について、利用者及び機能ごとに偏差値を算出した結果を示す図である。
利用者スキルレベル算出部62は図22に示す利用者及び機能ごとに算出した偏差値を例えば図23に示すように点数化する。図23は機能別利用履歴DBにおける全集計値について、利用者及び機能ごとに算出した偏差値を点数化した結果を示す図である。
図23の例では、偏差値≦40を0、40<偏差値≦45を1、45<偏差値≦50を2、50<偏差値≦55を3、55<偏差値≦60を4、60<偏差値を5として偏差値を点数化している。また、図23の例では利用者及び機能ごとに算出した偏差値を点数化したあと、合計点数を算出している。
利用者スキルレベル算出部62は利用者及び機能ごとに算出した合計点数と、図24に示す表とに基づき、利用者及び機能ごとのスキルレベルを算定する。図24はスキルレベルと達成度との関係を表した一例の図である。達成度は以下の式(4)により算出することができる。
達成度=(短期偏差の合計点数)÷(合計点数の最大値)…(4)
図24の例では達成度が80%以上であれば熟練者、達成度が50%以上80%未満であれば利用者、達成度が50%未満であれば初心者となるように、利用者及び機能ごとのスキルレベルを算定する。
利用者スキルレベル算出部62は算定した利用者及び機能ごとのスキルレベルにより例えば図25に示すように対象機能別利用者スキル情報DB66を更新する。利用者スキルレベル算出部62は算定した利用者及び機能ごとのスキルレベルについて、利用者及び機能ごとの前回のスキルレベルから変更があれば、現在スキルを前回スキルに設定し、算定したスキルレベルを現在スキルに設定し、前回スキル更新日をシステム日付で更新する。
(ヘルプ情報の重要度/鮮度の算出)
重要度/鮮度の設定には様々な設定手法があるが、標準偏差を用いた分布状況で設定する例を説明する。図26はヘルプ情報DBの一例の構成図である。図26のヘルプ情報DB67は図7に示したヘルプ情報DB67の具体例を示す。ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63はヘルプ情報DB67に格納されている各ヘルプ情報について、ヘルプ情報の重要度及び鮮度を後述のように算出する。
図27は重要度管理情報DBの一例の構成図である。図27に示すように重要度管理情報DB68は、各ヘルプ情報を参照した利用者が、その内容の有用性や分かりやすさなどを評価した評価点数をスキルレベルごとに集計して格納している。
ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は、重要度管理情報DB68のヘルプ情報ごとの集計値について評価偏差値を計算し、参照回数に掛け合わせて参照評価点数を計算し、参照評価点数の偏差値から重要度を以下のように算出する。
まず、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は評価偏差値を例えば以下の式(5)で算出する。
評価偏差値=(((ヘルプ情報の評価点数)−(全ヘルプ情報の評価点数の平均))×10÷(全ヘルプ情報の評価点数の標準偏差)+50)×3+(重要度基本値)÷4…(5)
ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は、参照評価点数を例えば以下の式(6)で算出する。
参照評価点数=(評価偏差値)×(参照回数)…(6)
ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は、重要度(参照評価点数の偏差値)を例えば以下の式(7)で算出する。
重要度=((参照評価点数)−(全参照評価点数の平均))×10÷(全参照評価点数の標準偏差)+50…(7)
例えば図27の重要度管理情報DB68における「SE001」の機能の「スキルレベル1」のヘルプ情報の評価点数は「390」である。全ヘルプ情報の評価点数の平均は評価点数群201〜205の平均である。全ヘルプ情報の評価点数の標準偏差は評価点数群201〜205の標準偏差値である。式(5)により「SE001」の機能の「スキルレベル1」のヘルプ情報の評価偏差値は「60.12」となる。
また、図27の重要度管理情報DB68における「SE001」の機能の「スキルレベル1」の参照回数は「1043」である。したがって、式(6)により「SE001」の機能の「スキルレベル1」のヘルプ情報の参照評価点数は「62709.90」となる。
図27の重要度管理情報DB68における全ヘルプ情報ごとの集計値について、全ヘルプ情報ごとの評価偏差値、参照評価点数を算出すると図28に示すようになる。この段階では図28の重要度が算出されていない。図28は重要度管理情報DBにおける全集計値について、ヘルプ情報及びスキルレベルごとに重要度を算出した結果を示す図である。
例えば図28における「SE001」の機能の「スキルレベル1」の評価偏差値は「60.12」となる。「SE001」の機能の「スキルレベル1」の参照評価点数は「62709.90」となる。全参照評価点数の平均は参照評価点数群211〜215の平均である。全参照評価点数の標準偏差は参照評価点数群211〜215の標準偏差値である。
したがって、式(7)により「SE001」の機能の「スキルレベル1」の参照評価点数の偏差値である重要度は「51」となる。そして、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は算出した機能及びスキルレベルごとのヘルプ情報の重要度を重要度管理情報DB68に格納する。
図29は鮮度管理情報DBの一例の構成図である。図29の鮮度管理情報DB69は図9に示した鮮度管理情報DB69の具体例を示す。ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は鮮度管理情報DB69のヘルプ情報ごとの参照偏差値を計算し、アクセス日の考慮を掛け合わせてアクセス評価数を計算し、アクセス評価数の偏差値から鮮度を以下のように算出する。
まず、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は各ヘルプ情報にアクセスしてきた利用者のスキルレベルを判定し、そのヘルプ情報及びスキルレベルに対応する鮮度管理情報DB69のアクセス日及びアクセス数を更新する。ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は参照偏差値を例えば以下の式(8)で算出する。
参照偏差値=(((ヘルプ情報の短期アクセス数)−(全ヘルプ情報の平均参照数))×10÷(全ヘルプ情報の参照数の標準偏差)+50)×3+(鮮度基本値)÷4…(8)
ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は、アクセス評価数を例えば以下の式(9)で算出する。
アクセス評価数=(参照偏差値)×((システム稼働日数)+((アクセス日)−(本日日付))+((登録日)−(本日日付))÷2)…(9)
ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は、鮮度(アクセス評価数の偏差値)を例えば以下の式(10)で算出する。
鮮度=((アクセス評価数)−(全アクセス評価数の平均))×10÷(全アクセス評価数の標準偏差)+50…(10)
例えば図29の鮮度管理情報DB69における「SE001」の機能の「001」の連番のヘルプ情報の短期アクセス数は「0」である。全ヘルプ情報の平均参照数は短期アクセス数群221〜225の平均である。全ヘルプ情報の参照数の標準偏差は短期アクセス数群221〜225の標準偏差値である。式(8)により「SE001」の機能の「001」の連番のヘルプ情報の参照偏差値は「46.3」となる。
また、本日日付を「2009/10/1」とし、システム稼働日数を「1050日」とする。図29の鮮度管理情報DB69における「SE001」の機能の「001」の連番のアクセス日は「2009/7/1」である。登録日は「2009/3/28」となる。式(9)により「SE001」の機能の「001」の連番のヘルプ情報のアクセス評価数は「42828」となる。
図29の鮮度管理情報DB69における全ヘルプ情報ごとの集計値について、全ヘルプ情報ごとの参照偏差値、アクセス評価数を算出すると図30に示すようになる。図30は鮮度管理情報DBにおける全集計値について、ヘルプ情報及びスキルレベルごとに鮮度を算出した結果を示す図である。
例えば図30における「SE001」の機能の「001」の連番のヘルプ情報のアクセス評価数は「42828」となる。また、全アクセス評価数の平均はアクセス評価数群231〜235の平均である。全アクセス評価数の標準偏差はアクセス評価数群231〜235の標準偏差値である。式(10)により「SE001」の機能の「001」の連番のヘルプ情報の鮮度は「41」となる。そして、ヘルプ情報重要度・鮮度算出部63は算出した機能及びスキルレベルごとのヘルプ情報の鮮度を鮮度管理情報DB69に格納する。
(ヘルプ情報の表示)
情報入力部71がオンデマンドヘルプ表示画面の表示要求を受け付けると、情報表示管理部73は図25の対象機能別利用者スキル情報DB66を参照し、利用者の現在スキルを取得する。また、情報表示管理部73は業務システム部41から対象機能IDを取得する。
情報表示管理部73はヘルプ情報DB67からヘルプ情報を読み出し、対象機能IDに合致するレコードのうち、ヘルプ情報に含まれる情報範囲に該当し、且つ、掲載期間内であるレコードを抽出する。また、情報表示管理部73は利用者のスキルレベルに応じて図27の重要度管理情報DB68から重要度を読み出し、図29の鮮度管理情報DB69から鮮度を読み出す。
情報表示管理部73は抽出したレコードを重要度・鮮度の高い順に並び替え、並び替えたレコードをオンデマンドヘルプ表示画面に表示させる。つまり、情報表示部74は利用者のスキルレベルに対応する重要度及び鮮度の高いヘルプ情報から順番にオンデマンドヘルプ表示画面に表示させる。
なお、情報表示管理部73は表示するヘルプ情報の数に上限を設けてもよいし、ヘルプ情報を表示する重要度及び鮮度の下限を設けるようにしてもよい。本実施例の表示情報選択装置40は重要度及び鮮度を両方使用する例を説明したが、どちらか一方を使用するようにしてもよい。
(まとめ)
本実施例の表示情報選択装置40はヘルプ情報を画一的に表示するオンデマンドヘルプ表示画面101と異なり、ヘルプ情報を雑多に表示するのではなく、ヘルプ情報の重要度や鮮度と利用者のスキルレベルに応じた表示が可能である。利用者のスキルレベルに応じて表示する理由は初心者が必要とするヘルプ情報と熟練者が必要とするヘルプ情報とが通常一致しないと考えられる為である。
従って、本実施例の表示情報選択装置40は利用者が必要とするヘルプ情報を、より適切に表示できる効果が期待できる。さらに、本実施例の表示情報選択装置40はヘルプ情報の重要度及び鮮度と利用者のスキルレベルとを定期的に再評価・調整することで、現状に即したヘルプ情報を表示できる効果が期待できる。
本実施例における表示情報選択プログラムは、パッケージソフトの他、WEBサービス等によっても提供可能である。
本発明は、以下に記載する付記のような構成が考えられる。
(付記1)
利用者に提示する情報を選択する表示情報選択装置であって、
前記利用者の利用履歴に基づいて前記利用者の習熟度を算出する習熟度算出手段と、
複数の利用者による前記情報の参照回数及び評価を前記利用者の習熟度で分類して管理する管理手段と、
前記情報を提示する前記利用者の習熟度に対応する前記参照回数及び評価に応じて前記利用者に提示する前記情報を選択する選択手段と
を有する表示情報選択装置。
(付記2)
前記管理手段は、更に、前記情報の更新情報を管理すると共に、前記複数の利用者による前記情報に対するアクセス情報を前記利用者の習熟度で分類して管理し、
前記選択手段は、前記情報を提示する前記利用者の習熟度に対応する前記参照回数、評価及びアクセス情報と、前記情報の更新情報とに応じて前記利用者に提示する前記情報を選択する
ことを特徴とする付記1記載の表示情報選択装置。
(付記3)
前記管理手段は、
前記複数の利用者による前記情報の参照回数及び評価を前記利用者の習熟度で分類して蓄積する第1蓄積手段と、
前記複数の利用者による前記情報の評価偏差値を計算し、該評価偏差値を前記情報の参照回数に掛け合わせて参照評価点数を計算し、該参照評価点数の偏差値から前記情報の重要度を算出する重要度算出手段と
を有する付記1又は2記載の表示情報選択装置。
(付記4)
前記管理手段は、
前記複数の利用者による前記情報の参照回数及び評価を前記利用者の習熟度で分類して蓄積する第1蓄積手段と、
前記複数の利用者による前記情報の評価偏差値を計算し、該評価偏差値を前記情報の参照回数に掛け合わせて参照評価点数を計算し、該参照評価点数の偏差値から前記情報の重要度を算出する重要度算出手段と、
前記情報の更新情報を蓄積すると共に、前記複数の利用者による前記情報に対するアクセス情報を前記利用者の習熟度で分類して蓄積する第2蓄積手段と、
前記情報ごとの参照偏差値を計算し、該参照評価値に前記アクセス情報を掛け合わせてアクセス評価数を計算し、該アクセス評価数の偏差値から前記情報の鮮度を算出する鮮度算出手段と
を有する付記2記載の表示情報選択装置。
(付記5)
前記情報は主画面に対する操作を助けるための副情報であり、
前記習熟度算出手段は、前記主画面の機能毎に、前記利用者の利用回数、エラー発生回数及び前記副情報の参照回数に基づいて、前記利用者の習熟度を算出することを特徴とする付記1乃至4何れか一項記載の表示情報選択装置。
(付記6)
前記利用者に前記情報を提示するとき、前記利用者から前記情報の評価を取得する評価取得手段を更に有する付記1乃至5何れか一項記載の表示情報選択装置。
(付記7)
コンピュータを、
前記利用者の利用履歴に基づいて前記利用者の習熟度を算出する習熟度算出手段と、
複数の利用者による前記情報の参照回数及び評価を前記利用者の習熟度で分類して管理する管理手段と、
前記情報を提示する前記利用者の習熟度に対応する前記参照回数及び評価に応じて前記利用者に提示する前記情報を選択する選択手段と
して機能させるための表示情報選択プログラム。
なお、特許請求の範囲に記載した習熟度算出手段は利用者スキルレベル算出部62に相当し、管理手段はヘルプ情報重要度・鮮度算出部63と重要度管理情報DB68と鮮度管理情報DB69に相当し、選択手段は情報表示管理部73に相当する。また、第1蓄積手段は重要度管理情報DB68に相当し、重要度算出手段はヘルプ情報重要度・鮮度算出部63に相当し、第2蓄積手段は鮮度管理情報DB69に相当し、鮮度算出手段はヘルプ情報重要度・鮮度算出部63に相当する。評価取得手段は情報入力管理部72と評価入力欄113に相当する。