しかしながら、上記特許文献1による情報処理装置(電子書籍リーダ機能を有する携帯機器)では、ユーザが表示部に表示されている書籍の全体表示が小さく、表示部に表示されている書籍(文字および画像の両方)を拡大させる場合に、ユーザは、表示部に表示されている文字を選択した後に文字の拡大操作を行い、さらに、画像を選択した後に画像の拡大操作を行う必要があるため、表示部に表示されている書籍(文字および画像の両方)を拡大する場合における操作が煩雑になるという不都合がある。その結果、表示部に表示されている文字および画像の両方をそれぞれ所望の大きさに拡大する場合におけるユーザの操作負担が大きくなるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表示部に表示されている文字および画像の両方をそれぞれ所望の大きさに拡大する場合におけるユーザの操作負担を軽減することが可能な電子書籍リーダ機能を有する携帯機器を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の一の局面による電子書籍リーダ機能を有する携帯機器は、互いに独立したデータからなる文字データおよび画像データを含む書籍データに基づいて文字および画像を表示可能な表示部と、表示部に表示された文字および画像を操作するための文字画像操作部と、文字および画像を所定のレイアウトで表示部に表示させる制御部と、文字画像操作部とは別個に、表示部以外の部分に設けられ、文字のスクロール機能と画像のスクロール機能とを切り替えるスクロール機能切替操作部とを備え、制御部は、文字画像操作部に対して所定の拡大操作が行われた場合に、所定のレイアウトで表示部に表示されている文字および画像をそれぞれ予め設定された文字データ用の第1の大きさと画像データ用の第2の大きさとに同時に拡大する制御を行うとともに、スクロール機能切替操作部に対する切替操作に応じて、同時に拡大された文字および画像に対して、個別にスクロールする制御を行うように構成されている。
この一の局面による電子書籍リーダ機能を有する携帯機器では、上記のように、操作部に対して所定の拡大操作が行われた場合に、所定のレイアウトで表示部に表示されている文字および画像をそれぞれ予め設定された文字データ用の第1の大きさと画像データ用の第2の大きさとに同時に拡大することによって、文字と画像とを個別に選択するとともに選択した文字と画像とを個別に拡大する操作を行う場合と比べて、文字および画像が予め設定された大きさに同時に拡大される分、拡大操作時の操作の手間を減少させることができる。また、文字および画像をそれぞれ予め設定された文字データ用の第1の大きさと画像データ用の第2の大きさとに同時に拡大することによって、文字および画像の各々をユーザの所望する大きさに拡大することができる。これらの結果、表示部に表示されている文字および画像の両方をそれぞれ所望の大きさに拡大する場合におけるユーザの操作負担を軽減することができる。また、制御部は、表示部に拡大表示されている文字および画像を個別にスクロール操作することが可能なように構成されている。これにより、ユーザがスクロールしたい文字および画像のいずれか一方のみをスクロールすることができるので、ユーザがスクロール操作を行った場合に文字および画像の両方がスクロールされる場合と比べて、スクロール操作性を向上することができる。
上記一の局面による電子書籍リーダ機能を有する携帯機器において、好ましくは、制御部は、文字および画像を拡大する際の大きさを文字および画像の少なくともいずれか一方についてユーザにより予め設定可能に構成されている。このように構成すれば、拡大する際の大きさをユーザにより予め設定可能とすることにより、表示部に表示されている文字および画像を拡大する際においてユーザが文字および画像を所望の大きさに調整する操作を行うことなく、少ない手順で所望の大きさに文字および画像の少なくとも一方を拡大することができる。これによっても、ユーザの操作負担を軽減することができる。
上記一の局面による電子書籍リーダ機能を有する携帯機器において、好ましくは、制御部は、表示部に所定のレイアウトで表示された文字および画像をそれぞれ第1の大きさおよび第2の大きさに拡大する場合に、第1の大きさに拡大された文字の列を表示部の大きさに合わせて折り返して表示するように構成されている。このように構成すれば、文字の大きさが拡大されることにより文字の列の全体を表示部に表示することができなくなった場合にも、文字の列が延びる方向に表示部から文字の列がはみ出すのを防止することができる。これにより、文字の列が延びる方向にスクロール操作を行う必要がないので、拡大表示された文字(文字の列)をユーザが読みやすい状態で表示部に表示させることができる。
上記表示部に表示されている文字および画像を個別にスクロール操作する構成において、好ましくは、文字画像操作部は、スクロール操作部を含み、制御部は、スクロール操作部がユーザにより操作されることにより、表示部に拡大表示されている文字および画像を個別にスクロール操作することが可能なように構成されている。このように構成すれば、スクロール操作部により、容易に、表示部に拡大表示されている文字および画像を個別にスクロール操作することができる。
この場合において、好ましくは、制御部は、スクロール操作部に対して所定の操作が行われた場合に、文字および画像のいずれか一方をスクロールするとともに、スクロール機能切替操作部およびスクロール操作部の両方に対して所定の操作が行われた場合に、文字および画像のいずれか他方をスクロールするように構成されている。このように構成すれば、スクロール機能切替操作部を操作することにより、1つの共通のスクロール操作部を用いて文字および画像のいずれかのスクロール操作を個別に行うことができる。
上記一の局面による電子書籍リーダ機能を有する携帯機器において、好ましくは、制御部は、文字および画像をそれぞれ第1の大きさおよび第2の大きさに拡大した後に、文字画像操作部に対して所定の拡大操作が行われた場合に、表示部に表示されている文字の大きさをそのまま維持した状態で画像を拡大する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、拡大された後の表示部に表示された画像の大きさがユーザの所望する大きさに達しておらず、画像のみをさらに拡大したい場合に、文字が大きくなりすぎて読みにくくなるのを抑制しながら画像のみをさらに拡大することができる。
上記一の局面による電子書籍リーダ機能を有する携帯機器において、好ましくは、文字および画像を拡大する際の大きさを文字および画像の少なくともいずれか一方についてユーザにより予め設定可能に構成されており、文字および画像を拡大する際の大きさが文字および画像の少なくともいずれか一方についてユーザにより予め設定されている場合に、制御部は、設定された大きさのサンプル文字およびサンプル画像の少なくともいずれか一方を表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは表示部に表示されたサンプル文字およびサンプル画像の少なくともいずれか一方の大きさを確認することができるので、ユーザは、サンプル文字およびサンプル画像の少なくともいずれか一方の大きさを参照することにより、容易に文字および画像を拡大する際の大きさを設定することができる。
上記一の局面による電子書籍リーダ機能を有する携帯機器において、好ましくは、制御部は、文字および画像をそれぞれ第1の大きさおよび第2の大きさに拡大した後に、文字画像操作部に対して所定の縮小操作が行われた場合に、拡大された文字および画像を同時に所定のレイアウトに戻す制御を行うように構成されている。このように構成すれば、文字と画像とを個別に選択するとともに選択した文字と画像とを個別に所定のレイアウトに戻す操作を行う場合と比べて、文字および画像が予め設定された所定のレイアウトに戻される(縮小される)分、縮小操作時の操作の手間を減少させることができる。この結果、表示部に表示されている文字および画像の両方をそれぞれ書籍データが有する所定のレイアウトに戻す(縮小する)場合におけるユーザの操作負担を軽減することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による電子書籍リーダ1の構成について説明する。なお、電子書籍リーダ1は、本発明の「電子書籍リーダ機能を有する携帯機器」の一例である。
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態による電子書籍リーダ1は、人の手に把持された状態で使用可能な大きさを有する携帯型の電子書籍リーダ1である。この電子書籍リーダ1は、互いに独立したデータからなる文字データおよび画像データを含む書籍データに基づいて文字および画像を表示可能な液晶パネル10と、液晶パネル10が表面に設けられるフレーム20(図2参照)と、フレーム20の正面に設けられた4つの十字キーからなるスクロールキー31〜34と、4つの十字キーからなるスクロールキー31〜34の中心に配置された拡大縮小キー35と、フレーム20の側面に設けられたファンクションキー36とを備えている。なお、液晶パネル10は、本発明の「表示部」の一例であり、4つのスクロールキー31〜34は、本発明の「操作部」および「スクロール操作部」の一例である。また、拡大縮小キー35は、本発明の「操作部」の一例であり、ファンクションキー36は、本発明の「操作部」および「機能切替操作部」の一例である。
また、電子書籍リーダ1は、さらに、図1に示すように、電子書籍リーダ1の制御を司る制御部(CPU)40と、書籍データなどを格納するメモリ41と、書籍データをダウンロードすることが可能な通信部42と、制御部40に電力を供給する電源部43とを備えている。
4つのスクロールキー31〜34、拡大縮小キー35およびファンクションキー36は、それぞれ、液晶パネル10に表示された書籍データに基づく文字および画像を操作するために設けられている。具体的には、スクロールキー31は、図2に示すように、押下された場合に、液晶パネル10に表示されている文字および画像を上方向(矢印Y1方向)にスクロールさせるとともに、スクロールキー32は、押下された場合に、液晶パネル10に表示されている文字および画像を下方向(矢印Y2方向)にスクロールさせるために設けられている。また、スクロールキー33は、押下された場合に、液晶パネル10に表示されている文字および画像を右方向(矢印X1方向)にスクロールさせるとともに、スクロールキー34は、押下された場合に、液晶パネル10に表示されている文字および画像を左方向(矢印X2方向)にスクロールさせるために設けられている。
また、拡大縮小キー35は、液晶パネル10に表示されている文字および画像が後述するデフォルトのレイアウトの状態(図2の状態)の場合において押下(拡大操作)された場合に、液晶パネル10に表示されている文字および画像を拡大させるように構成されている。また、拡大縮小キー35は、液晶パネル10に表示されている文字および画像が後述する拡大レイアウトの状態(図3〜図5の状態)の場合において押下された場合に、液晶パネル10に表示されている文字および画像を縮小させるように構成されている。
また、ファンクションキー36は、4つのスクロールキー31〜34によりスクロール操作をする際に、液晶パネル10に表示されている文字のスクロール機能と画像のスクロール機能とを切り替えるキーである。また、ファンクションキー36は、拡大縮小キー35を操作した場合の機能を変更する場合にも操作されるように構成されている。
ここで、本実施形態では、ユーザがメモリ41に格納されている書籍データを呼び出す操作を行った場合に、制御部40は、メモリ41から書籍データを読み込むとともに、読み込まれた書籍データに基づいて文字および画像をデフォルトのレイアウト(図2のレイアウト)で液晶パネル10に表示させるように構成されている。また、制御部40は、書籍データがデフォルトのレイアウトで複数ページに渡るデータである場合において、初めてその書籍データを開く場合には、最初のページp1を表示するとともに、前回その書籍データを開いていた場合において、その書籍データを開く場合には、その書籍データが閉じられたページp(prev)を表示するように構成されている。なお、デフォルトのレイアウトは、本発明の「所定のレイアウト」の一例である。
また、制御部40は、書籍データを開く場合に、液晶パネル10に表示されるページpとは別個に、表示されるページpの前後のページを何ページ分かも読み出すように構成されている。このように現在表示されているページpの前後のページを予め読み出すことによって、ページがスクロールされた場合に、即時にスクロールされたページを液晶パネル10に表示することが可能となる。
また、本実施形態では、図3に示すように、制御部40は、デフォルトのレイアウトで液晶パネル10に表示されている文字および画像が互いに独立する文字データおよび画像データから構成されている場合において、拡大縮小キー35が押下された場合に、文字および画像を予め設定された文字データ用の大きさと画像データ用の大きさとに同時に拡大するように構成されている。この場合、書籍データに基づいて表示されているの文字および画像を互いに異なる拡大率で拡大可能である。具体的には、制御部40は、文字および画像を拡大する際の大きさを文字について予めカスタマイズ設定可能に構成されている。また、制御部40は、文字および画像を拡大する際の大きさを画像についても予め設定可能に構成されている。これにより、文字の拡大率の設定と画像の拡大率の設定とを互いに異なる拡大率に設定することにより、拡大縮小キー35が押下された場合に、文字および画像を互いに異なる拡大率で拡大表示させることが可能となる。
また、制御部40は、図3〜図5に示すように、液晶パネル10にデフォルトのレイアウトで表示された文字および画像をそれぞれ文字データ用の大きさと画像データ用の大きさとに拡大する場合に、デフォルトのレイアウトから拡大表示に適した拡大レイアウトに変更することにより、文字および画像を液晶パネル10に拡大表示する制御を行うように構成されている。この拡大レイアウトは、液晶パネル10の矢印Y1方向および矢印Y2方向(長手方向)の矢印Y1方向側(一方側)に文字がレイアウトされるとともに、液晶パネル10の矢印Y1方向および矢印Y2方向(長手方向)の矢印Y2方向側(他方側)に画像がレイアウトされるレイアウトである。なお、ユーザの設定により、拡大レイアウトにおける文字の表示範囲と画像の表示範囲との割合を変更することが可能である。
また、本実施形態では、制御部40は、液晶パネル10にデフォルトのレイアウトで表示された文字および画像をそれぞれ文字データ用の大きさと画像データ用の大きさとに拡大する場合に、図3に示すように、文字データ用の大きさに拡大された文字の列を液晶パネル10の幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の大きさに合わせて折り返して表示するように構成されている。また、制御部40は、画像を拡大レイアウトでレイアウトする場合に、所定の表示範囲Aを超えない範囲で画像を表示するように構成されている。この場合において、画像が所定の表示範囲Aよりも大きい表示範囲を必要とする大きさに拡大されている場合には、制御部40は、画像の一部を液晶パネル10に表示するように構成されている。
また、本実施形態では、制御部40は、文字および画像を拡大レイアウトで表示している場合において、4つのスクロールキー31〜34のみが押下された場合には、押下されたスクロールキー31〜34のいずれかの方向に文字のみをスクロールするように構成されている。たとえば、制御部40は、文字(文書)の下側が途中で途切れた図3の状態で文字が液晶パネル10に表示されている場合に、スクロールキー32が押下された場合には、文字のみを下方にスクロールするように構成されている。これにより、文字(文書)の下側が途中で途切れた図3の状態であっても、図4に示すように、文字(文書)の下側を液晶パネル10に表示させることが可能となる。
また、制御部40は、文字および画像をデフォルトのレイアウトで表示している場合において、スクロールキー31が押下された場合には、現在表示されているページpの前のページ(p−1)を液晶パネル10に表示させるように構成されている。また、制御部40は、文字および画像をデフォルトのレイアウトで表示している場合において、スクロールキー32が押下された場合には、現在表示されているページpの次のページ(p+1)を液晶パネル10に表示させるように構成されている。
また、本実施形態では、制御部40は、ファンクションキー36が押下されながら4つのスクロールキー31〜34のいずれかが押下された場合には、押下されたスクロールキー31〜34のいずれかの方向に画像のみをスクロールするように構成されている。たとえば、制御部40は、画像の右側(矢印X1方向側)が途中で途切れた図3および図4の状態で画像が液晶パネル10に表示されている場合に、ファンクションキー36が押下されながらスクロールキー34が押下された場合には、画像のみを左方(矢印X2方向)にスクロールするように構成されている。これにより、画像の右側が途中で途切れた図3および図4の状態であっても、図5に示すように、画像の右側を液晶パネル10に表示させることが可能となる。このように、本実施形態では、制御部40は、4つのスクロールキー31〜34のみを押下する場合と、ファンクションキー36を押下しながら4つのスクロールキー31〜34のいずれかを押下する場合とで、液晶パネル10に表示されている文字および画像を個別に操作することが可能なように構成されている。
また、制御部40は、書籍データに基づく文字および画像が拡大レイアウトでレイアウトされている場合において、拡大縮小キー35が押下された場合には、文字および画像をデフォルトのレイアウトに縮小するように構成されている。また、制御部40は、書籍データに基づく文字および画像が拡大レイアウトでレイアウトされている場合において、ファンクションキー36が押下されながら拡大縮小キー35が押下された場合には、液晶パネル10に表示されている文字の大きさをそのまま維持した状態で画像をさらに拡大するように構成されている。
次に、図1および図6を参照して、本実施形態による電子書籍リーダ1が操作される際の処理フローについて説明する。
まず、図6に示すように、ステップS1において、制御部40(図1参照)により、文字および画像を拡大する際の大きさを決定するカスタマイズ設定のコマンドが選択されたか否かが判断される。そして、ステップS1において、カスタマイズ設定のコマンドが選択された場合には、ステップS2に進み、後述するカスタマイズ設定処理が終了した後に、ステップS3に進む。また、ステップS1において、カスタマイズ設定のコマンドが選択されていない場合には、ステップS3に進む。
その後、ステップS3において、制御部40により、ユーザの操作に基づいて所定の書籍データが選択されたか否かが判断される。そして、ステップS3において、所定の書籍データが選択されたと判断された場合には、ステップS4に進み、後述する書籍データ読込処理が終了した後に、ステップS5に進む。なお、ステップS3において、所定の書籍データが選択されるまで、上記判断は繰り返される。
その後、ステップS5において、ステップS4において読み込まれた書籍データの所定のページpの文字および画像がデフォルトのレイアウトで表示され、ステップS6に進む。そして、ステップS6において、制御部40により、スクロールキー31または32が押下されることによるページスクロール操作がされたか否かが判断される。そして、ステップS6において、ページスクロール操作がされたと判断された場合には、ステップS7に進む。そして、ステップS7において、スクロールキー31が押下されている場合には、現在液晶パネル10に表示されているページpを前のページ(p−1)に変更し、ステップS5に戻る。また、ステップS7において、スクロールキー32が押下されている場合には、現在液晶パネル10に表示されているページpを次のページ(p+1)に変更し、ステップS5に戻る。
また、ステップS6において、スクロールキー31または32が押下されることによるページスクロール操作がされていないと判断された場合には、ステップS8に進む。そして、ステップS8において、制御部40により、拡大縮小キー35が押下されることによる液晶パネル10に表示されている文字および画像の拡大操作がされたか否かが判断される。そして、ステップS8において、文字および画像の拡大操作がされていないと判断された場合には、ステップS6に戻る。また、ステップS8において、文字および画像の拡大操作が行われたと判断された場合には、ステップS9に進む。
その後、ステップS9において、後述するカスタマイズ設定された文字サイズで文字が拡大表示されるとともに、所定の大きさに画像が拡大表示される。この場合、画像は予め定められた大きさに拡大表示される。その後、ステップS10において、制御部40により、スクロールキー31または32が押下されることによる文字スクロール操作がされたか否かが判断される。そして、ステップS10において、文字スクロール操作がされたと判断された場合には、ステップS11に進む。その後、ステップS11において、スクロールキー31が押下されている場合には、現在液晶パネル10に表示されている文字を上方にスクロールし、ステップS10に戻る。また、ステップS11において、スクロールキー32が押下されている場合には、現在液晶パネル10に表示されている文字を下方にスクロールし、ステップS10に戻る。
また、ステップS10において、スクロールキー31または32が押下されることによる文字スクロール操作がされていないと判断された場合には、ステップS12に進む。その後、ステップS12において、制御部40により、ファンクションキー36とスクロールキー31〜34のいずれかとが押下されることによる画像スクロール操作がされたか否かが判断される。そして、ステップS12において、画像スクロール操作がされたと判断された場合には、ステップS13に進む。その後、ステップS13において、スクロールキー31〜34が押下された方向に現在液晶パネル10に表示されている画像をスクロールし、ステップS12に戻る。
また、ステップS12において、画像スクロール操作がされていないと判断された場合には、ステップS14に進む。そして、ステップS14において、制御部40により、拡大縮小キー35が押下されることによる拡大表示の解除操作がされたか否かが判断される。そして、ステップS14において、拡大表示の解除操作がされていないと判断された場合には、ステップS10に戻り、ステップS10〜ステップS14の処理を繰り返す。また、ステップS14において、拡大表示の解除操作がされたと判断された場合には、ステップS5に戻り、ステップS5〜ステップS14の処理を繰り返す。
次に、図7を参照して、本実施形態による電子書籍リーダ1の文字および画像の表示終了処理について説明する。
図7に示すように、ステップS21において、現在液晶パネル10に表示されているページのページ番号がメモリ41に記憶され、その後、文字および画像の表示が終了される。
次に、図1および図8を参照して、本実施形態による電子書籍リーダ1のカスタマイズ設定時の処理について説明する。
まず、図8に示すように、ステップS31において、制御部40(図1参照)により、現在設定されている文字の大きさ(文字サイズ)でサンプル文書が液晶パネル10に表示される。その後、ステップS32において、制御部40により、ユーザにより文字サイズの変更の入力が行われたか否かが判断される。そして、ステップS32において、文字サイズの変更の入力が行われたと判断された場合には、ステップS33に進む。そして、ステップS33において、変更の入力が行われた文字サイズに変更され、ステップS31に戻る。また、ステップS32において、文字サイズの変更の入力が行われていないと判断された場合には、ステップS34に進む。
その後、ステップS34において、制御部40により、ユーザの操作に基づいて現在液晶パネル10に表示されているサンプル文書の文字サイズが決定されたか否かが判断される。そして、ステップS34において、現在液晶パネル10に表示されているサンプル文書の文字サイズが決定されていないと判断された場合には、ステップS31に戻る。また、ステップS34において、現在液晶パネル10に表示されているサンプル文書の文字サイズが決定されたと判断された場合には、ステップS35に進む。そして、ステップS35において、現在表示されているサンプル文書の文字サイズが設定される。
その後、ステップS36において、書籍データを開く際において、液晶パネル10に表示されるページpとは別個に、表示されるページpの前後ページを何ページ分読み出すかの設定を行うための設定画面が液晶パネル10に表示される。そして、ステップS37において、制御部40により、ユーザにより表示されるページpの前後ページを何ページ分読み出すかの設定が行われたか否かが判断される。そして、ステップS37において、ユーザにより表示されるページpの前後ページを何ページ分読み出すかの設定が行われたと判断された場合には、ステップS38に進む。そして、ステップS38において、何ページ分読み出すかの設定について変更された設定に変更され、電子書籍リーダ1のカスタマイズ設定の操作処理が終了する。また、ステップS37において、ユーザにより表示されるページpの前後ページを何ページ分読み出すかの設定が行われていないと判断された場合には、表示されるページpの前後ページを何ページ分読み出すかの設定をそのままにして、電子書籍リーダ1のカスタマイズ設定の操作処理が終了する。
次に、図1および図9を参照して、本実施形態による電子書籍リーダ1の書籍データ読込処理について説明する。
まず、図9に示すように、ステップS41において、制御部40(図1参照)により、読み込まれた書籍データが以前開かれた書籍データで、かつ、その書籍データの書籍(文字および画像)の表示終了処理時に記憶されたページp(prev)が記憶されているか否かが判断される。そして、ステップS41において、書籍(文字および画像)の表示終了処理時に記憶されたページp(prev)が記憶されていると判断された場合には、後述するステップS44に進む。また、ステップS41において、書籍(文字および画像)の表示終了処理時に記憶されたページp(prev)が記憶されていないと判断された場合には、ステップS42に進む。
その後、ステップS42において、制御部40により、読み込まれた書籍データに書籍固有の初期ページ番号が設定されているか否かが判断される。すなわち、読み込まれた書籍データに、その書籍データが初めて読み込まれる際に開かれるべきページの設定が組み込まれているか否かが判断される。そして、ステップS42において、読み込まれた書籍データに書籍固有の初期ページ番号が設定されていると判断された場合には、後述するステップS44に進む。また、ステップS42において、読み込まれた書籍データに書籍固有の初期ページ番号が設定されていないと判断された場合には、ステップS43に進む。そして、ステップS43において、制御部40により、ステップS41およびステップS42の結果より読み込まれた書籍データに予め組み込まれたページ表示の設定がされていないことが認識される。
その後、ステップS44において、制御部40により、読み込まれた書籍データに予め組み込まれたページ表示の設定がされている場合には、設定されたページpとその前後のページ何ページ分とが読み出され、電子書籍リーダ1の書籍データ読込処理が終了する。また、ステップS44において、読み込まれた書籍データに予め組み込まれたページ表示の設定がされていない場合には、書籍データの1ページ目p1とその後のページ何ページ分とが読み出され、電子書籍リーダ1の書籍データ読込処理が終了する。
本実施形態では、上記のように、拡大縮小キー35を押下した場合に、デフォルトのレイアウトで液晶パネル10に表示されている文字および画像をそれぞれ予め設定された文字データ用の大きさと画像データ用の大きさとに同時に拡大することによって、文字と画像とを個別に選択するとともに選択した文字と画像とを個別に拡大する操作を行う場合と比べて、文字および画像が予め設定された大きさに同時に拡大される分、拡大操作時の操作の手間を減少させることができる。また、文字および画像をそれぞれ予め設定された文字データ用の大きさと画像データ用の大きさとに同時に拡大することによって、文字および画像の各々をユーザの所望する大きさに拡大することができる。これらの結果、液晶パネル10に表示されている文字および画像の両方をそれぞれ所望の大きさに拡大する場合におけるユーザの操作負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、文字および画像を拡大する際の大きさをユーザにより予め設定可能に構成することによって、拡大する際の大きさをユーザにより予め設定可能とすることにより、液晶パネル10に表示されている文字および画像を拡大する際においてユーザが文字および画像を所望する大きさに調整する操作を行うことなく、少ない手順で所望の大きさに文字および画像を拡大することができる。これによっても、ユーザの操作負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、液晶パネル10にデフォルトのレイアウトで表示された文字および画像を拡大する場合に、拡大された文字の列を液晶パネル10の大きさに合わせて折り返して表示することによって、文字の大きさが拡大されることにより文字の列の全体を液晶パネル10に表示することができなくなった場合にも、文字の列が延びる方向(矢印X1方向)に液晶パネル10から文字の列がはみ出すのを防止することができる。これにより、文字の列が延びる方向(矢印X1方向)にスクロール操作を行う必要がないので、拡大表示された文字(文字の列)をユーザが読みやすい状態で液晶パネル10に表示させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、液晶パネル10に表示されている文字および画像を個別にスクロール操作することが可能なように構成することによって、ユーザがスクロールしたい文字および画像のいずれか一方のみをスクロールすることができるので、ユーザがスクロール操作を行った場合に文字および画像の両方がスクロールされる場合と比べて、スクロール操作性を向上することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スクロールキー31〜34を押下した場合に、文字をスクロールするとともに、ファンクションキー36を押下しながらスクロールキー31〜34を押下した場合に、画像をスクロールすることによって、ファンクションキー36を操作することにより、1つのスクロールキー31〜34のいずれかを用いて文字および画像のいずれかのスクロール操作を個別に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、文字および画像を拡大した後に、ファンクションキー36を押下しながら拡大縮小キー35を押下した場合に、液晶パネル10に拡大表示されている文字の大きさをそのまま維持した状態で画像をさらに拡大することによって、拡大された後の液晶パネル10に表示された画像の大きさがユーザの所望する大きさに達しておらず、画像のみをさらに拡大したい場合に、文字が大きくなりすぎて読みにくくなるのを抑制しながら画像のみをさらに拡大することができる。
また、本実施形態では、上記のように、文字および画像を拡大する際の大きさが文字についてユーザにより予め設定されている場合に、設定された大きさのサンプル文字を液晶パネル10に表示させることによって、ユーザは液晶パネル10に表示されたサンプル文字の大きさを確認することができるので、ユーザは、サンプル文字の大きさを参照することにより、容易に文字および画像を拡大する際の大きさを設定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、文字および画像を拡大した後に、拡大縮小キー35を押下する縮小操作が行われた場合に、拡大された文字および画像を同時にデフォルトのレイアウトに戻すことによって、文字と画像とを個別に選択するとともに選択した文字と画像とを個別に所定のレイアウトに戻す操作を行う場合と比べて、文字および画像が予め設定されたデフォルトのレイアウトに戻される(縮小される)分、縮小操作時の操作の手間を減少させることができる。この結果、液晶パネル10に表示されている文字および画像の両方をそれぞれ書籍データが有するデフォルトのレイアウトに戻す(縮小する)場合におけるユーザの操作負担を軽減することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明を電子書籍リーダに適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。電子書籍リーダ機能を有する携帯電話機や、携帯端末機器など、電子書籍リーダ機能を有していれば、電子書籍リーダ専用機以外の携帯機器に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、長手方向が上下方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)と一致する液晶パネルに横方向(矢印X1方向および矢印X2方向)に延びる文字の列および画像を表示した例について示したが、本発明はこれに限られない。長手方向が上下方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)と一致する液晶パネルに縦方向に延びる文字の列および画像を表示してもよいし、長手方向が左右方向と一致する液晶パネルに横方向または縦方向に延びる文字の列および画像を表示してもよい。
また、上記実施形態では、すべての文字を一律に同じ拡大倍率で拡大するようにカスタマイズ設定するようにした例について示したが、本発明はこれに限られない。言語により拡大倍率を変更可能なようにしてもよい。たとえば、日本語の文字と英語や中国語の文字とで個別に拡大倍率を設定可能なように構成してもよい。
また、上記実施形態では、スクロールキーにより文字および画像の両方をスクロールする例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、文字をスクロールするための文字スクロールキーと画像をスクロールするための画像スクロールキーとの2つのスクロールキーを設けてもよい。
また、上記実施形態では、スクロールキーを十字方向に対応する4つの独立したボタンにより構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スクロールキーを上下左右方向を指向する方向性スイッチにより構成してもよいし、トラックボールやジョイスティックにより構成してもよい。
また、上記実施形態では、ダウンロードすることにより書籍データ取得する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電子書籍リーダにメモリーカードやUSBメモリなどの可搬型記憶媒体のインターフェースを設けるとともに、可搬型記憶媒体に記憶された書籍データを取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、スクロールキーのみを操作した場合に、文字をスクロールするとともに、ファンクションキーを操作しながらスクロールキーを操作した場合に、画像をスクロールする例について示したが、本発明はこれに限られない。スクロールキーのみを操作した場合に、画像をスクロールするとともに、ファンクションキーを操作しながらスクロールキーを操作した場合に、文字をスクロールするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、文字を拡大する際の文字の大きさを設定する際にサンプル文字を表示する例について示したが、本発明はこれに限られない。画像を拡大する際の画像の大きさを設定する際にサンプル画像を表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、画像を拡大する際の画像の大きさを設定する例について示したが、本発明はこれに限られない。画像のデータサイズ(構成している画素数)に応じて画像を拡大する大きさを自動的に変更するようにしてもよい。