JP5556125B2 - スクリーン装置、及びスクリーンの錘部材の引き上がり防止機構 - Google Patents
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Description
ここで、耐火スクリーン13の下方への繰り出しは、例えば、耐火スクリーン13の下端縁に一体に設けられた金属製の座板15を錘部材として、その自重により行われる。そして、最後には座板15が室内Sの床面5に着地(着床)し、当該着床後は、この座板15が、耐火スクリーン13の揺動等を防止してその姿勢を安定状態に保持する。
支持部材から下方の室内へと垂下供給されて該室内を二つの空間に区画するスクリーンと、
前記二つの空間の気圧差によって前記スクリーンが前記二つの空間のうちの気圧の低い方の空間へと膨れる際に、該スクリーンの下端縁の錘部材が引き上げられてしまうのを防止する引き上がり防止機構と、を有するスクリーン装置であって、
前記引き上がり防止機構は、前記気圧差が生じた場合に、前記室内への前記スクリーンの供給長を増加し、
前記支持部材は、巻き取り状態の前記スクリーンを前記錘部材の自重によって繰り出す巻き取りシャフトであり、
前記スクリーンは、前記室と前記巻き取りシャフトとの間に設定された所定の供給位置を介して前記室に垂下供給され、
前記引き上がり防止機構は、前記供給位置と前記巻き取りシャフトとの間に前記スクリーンのループを形成するためのガイドローラーと、前記ループの大きさを変更すべく前記ガイドローラーを所定方向に往復移動可能に案内するガイド部材と、前記ループの大きさが大きくなる方向の付勢力を前記ガイドローラーに付与する弾性部材と、を有し、
前記巻き取りシャフトが前記スクリーンの繰り出し長を維持した状態で、前記気圧差に基づいて前記スクリーンに作用する力を駆動力として、前記ガイドローラーが前記付勢力に抗しつつ前記ループが小さくなる方向に移動することにより、前記室内への前記スクリーンの前記供給長を増加することを特徴とする。
また、この構成によれば、室内の床面に座板を機械的に連結する装置を設けずに済むので、当該装置の存在による室内の意匠性の悪化や、室内の通行人が当該装置につまずくなどの事故、並びに、連結状態でスクリーンの巻き取り操作を行った場合の破損事故等を有効に防ぐことができる。
また、巻き取りシャフトに、ガイドローラー、ガイド部材、及び弾性部材を追設するという極簡単な構成により、室内へのスクリーンの供給長を、気圧差の増加に連動させて自動的に増加させることができる。よって、当該引き上がり防止機構を備えたスクリーン装置を安価に製造可能となる。
前記引き上がり防止機構は、前記室内への前記スクリーンの供給長を、前記気圧差の増加に連動させて増加することを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、室内へのスクリーンの供給長を、気圧差の増加に連動させて増加する。よって、気圧差が生じた後においても、スクリーンの錘部材を引き上げない範囲で、スクリーンのたるみを極力抑えた状態にすることができて、その結果、気圧差の発生下においても、スクリーンの見栄え等の向上を図れる。
支持部材から下方の室内へと垂下供給されて該室内を二つの空間に区画するスクリーンが、前記二つの空間の気圧差によって前記二つの空間のうちの気圧の低い方の空間へ膨れる際に、前記スクリーンの下端縁の錘部材が引き上げられてしまうのを防止する引き上がり防止機構であって、
前記気圧差が生じた場合に、前記室内への前記スクリーンの供給長を増加し、
前記支持部材は、巻き取り状態の前記スクリーンを前記錘部材の自重によって繰り出す巻き取りシャフトであり、
前記スクリーンは、前記室と前記巻き取りシャフトとの間に設定された所定の供給位置を介して前記室に垂下供給され、
前記引き上がり防止機構は、前記供給位置と前記巻き取りシャフトとの間に前記スクリーンのループを形成するためのガイドローラーと、前記ループの大きさを変更すべく前記ガイドローラーを所定方向に往復移動可能に案内するガイド部材と、前記ループの大きさが大きくなる方向の付勢力を前記ガイドローラーに付与する弾性部材と、を有し、
前記巻き取りシャフトが前記スクリーンの繰り出し長を維持した状態で、前記気圧差に基づいて前記スクリーンに作用する力を駆動力として、前記ガイドローラーが前記付勢力に抗しつつ前記ループが小さくなる方向に移動することにより、前記室内への前記スクリーンの前記供給長を増加することを特徴とする。
図2は、第1実施形態の耐火スクリーン装置10の前提構成の説明図であり、側面視で示している。
図6A乃至図6Cは、第2実施形態の概略側面図である。図6Aには、耐火スクリーン装置10の全体を模式的に示し、図6B及び図6Cには、引き上がり防止機構40が設けられる巻き取りシャフト11の周辺部位を拡大して示している。
図7A及び図7Bは、第3実施形態の概略側面図である。図7Aには、耐火スクリーン装置10の全体を模式的に示し、図7Bには、引き上がり防止機構50が設けられる巻き取りシャフト11の周辺部位を拡大して示している。
上述の第1乃至第3実施形態では、座板15の引き上がりの防止策として、気圧差の増加に連動して室内Sへの耐火スクリーン13の供給長を増加していたが、これは、供給長の増加によって、耐火スクリーン13のたわみ量δの増加を通して、耐火スクリーン13が座板15を引き上げる引き上げ力を小さくするという考え方に基づいている。
ΔP:耐火スクリーン13により区画された二つの空間Sf,Snの気圧差(Pa)
H:耐火スクリーン13の開口高さ〔天井高さ〕(m)
R:耐火スクリーン13の膨れを円弧とした場合の円弧の曲率半径(m)
θ:耐火スクリーン13の下端における膨れの接線と鉛直方向とのなす角度(rad)
δ:開口高さHの半分の高さ位置における水平方向のたわみ量(m)
M:耐火スクリーン13の幅方向に単位長さ当たりの座板15の質量(kg/m)
Fh:気圧差により水平方向に作用する耐火スクリーン単位幅当たりの力(N/m)
Ft:気圧差により耐火スクリーン13の下端に作用する同単位幅当たりの張力(N/m)
Fr:気圧差により耐火スクリーン13の下端に作用する同単位幅当たりの鉛直方向分力(N/m)
k:開口高さHに対するたわみ量δの比例定数(無次元)
g:重力加速度(m/sec2)
また、上述の鉛直方向分力Fr、つまり、耐火スクリーン13の下端において座板15を上に引き上げる引き上げ力Fr(N/m)は、下式2で表される。
更には、tanθは下式3で表される。
これを、曲率半径Rについて整理すると、下式5を得る。
ここで、たわみ量δの天井高さHに対する比例定数をkとすると、下式6のように表せる。
この上式6を上式5に代入すると、下式7を得る。
最後に式2に、式3と式7を代入して整理すると、Fr(N/m)は下式8で表される。
また、耐火スクリーン13の幅方向に単位長さ当たりの座板15の質量をM(kg/m)とした場合には、火災時に想定される気圧差の範囲内において常に下式9を満足するように前記質量Mを設定すれば、座板15の引き上がりを確実に防止可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
3 天井裏スペース、5 床面、
10 耐火スクリーン装置(スクリーン装置)、
11 巻き取りシャフト(支持部材)、
13 耐火スクリーン(スクリーン)、13L ループ
15 座板(錘部材)、
20 引き上がり防止機構、
21 ガイド部材、22 ガイドロッド、24 ガイドプレート、24h 貫通孔、
25 コイルばね(弾性部材)、
30 引き上がり防止機構、31 方向転換ロール、
32 ガイド部材、33 ガイドロッド、34 ガイドプレート、34h 貫通孔、
35 コイルばね(弾性部材)、
40 引き上がり防止機構、41 ガイドローラー、
42 ガイド部材、43 ガイドロッド、44 ガイドブロック、44h 貫通孔、
45 コイルばね(弾性部材)、
50 引き上がり防止機構、
Sf 火災空間(空間)、Sn 非火災空間(空間)、G 隙間、S 室(室内)
Claims (3)
- 支持部材から下方の室内へと垂下供給されて該室内を二つの空間に区画するスクリーンと、
前記二つの空間の気圧差によって前記スクリーンが前記二つの空間のうちの気圧の低い方の空間へと膨れる際に、該スクリーンの下端縁の錘部材が引き上げられてしまうのを防止する引き上がり防止機構と、を有するスクリーン装置であって、
前記引き上がり防止機構は、前記気圧差が生じた場合に、前記室内への前記スクリーンの供給長を増加し、
前記支持部材は、巻き取り状態の前記スクリーンを前記錘部材の自重によって繰り出す巻き取りシャフトであり、
前記スクリーンは、前記室と前記巻き取りシャフトとの間に設定された所定の供給位置を介して前記室に垂下供給され、
前記引き上がり防止機構は、前記供給位置と前記巻き取りシャフトとの間に前記スクリーンのループを形成するためのガイドローラーと、前記ループの大きさを変更すべく前記ガイドローラーを所定方向に往復移動可能に案内するガイド部材と、前記ループの大きさが大きくなる方向の付勢力を前記ガイドローラーに付与する弾性部材と、を有し、
前記巻き取りシャフトが前記スクリーンの繰り出し長を維持した状態で、前記気圧差に基づいて前記スクリーンに作用する力を駆動力として、前記ガイドローラーが前記付勢力に抗しつつ前記ループが小さくなる方向に移動することにより、前記室内への前記スクリーンの前記供給長を増加することを特徴とするスクリーン装置。 - 請求項1に記載のスクリーン装置であって、
前記引き上がり防止機構は、前記室内への前記スクリーンの供給長を、前記気圧差の増加に連動させて増加することを特徴とするスクリーン装置。 - 支持部材から下方の室内へと垂下供給されて該室内を二つの空間に区画するスクリーンが、前記二つの空間の気圧差によって前記二つの空間のうちの気圧の低い方の空間へ膨れる際に、前記スクリーンの下端縁の錘部材が引き上げられてしまうのを防止する引き上がり防止機構であって、
前記気圧差が生じた場合に、前記室内への前記スクリーンの供給長を増加し、
前記支持部材は、巻き取り状態の前記スクリーンを前記錘部材の自重によって繰り出す巻き取りシャフトであり、
前記スクリーンは、前記室と前記巻き取りシャフトとの間に設定された所定の供給位置を介して前記室に垂下供給され、
前記引き上がり防止機構は、前記供給位置と前記巻き取りシャフトとの間に前記スクリーンのループを形成するためのガイドローラーと、前記ループの大きさを変更すべく前記ガイドローラーを所定方向に往復移動可能に案内するガイド部材と、前記ループの大きさが大きくなる方向の付勢力を前記ガイドローラーに付与する弾性部材と、を有し、
前記巻き取りシャフトが前記スクリーンの繰り出し長を維持した状態で、前記気圧差に基づいて前記スクリーンに作用する力を駆動力として、前記ガイドローラーが前記付勢力に抗しつつ前記ループが小さくなる方向に移動することにより、前記室内への前記スクリーンの前記供給長を増加することを特徴とするスクリーンの錘部材の引き上がり防止機構。
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