JP5555028B2 - スケール検出方法及びスケール検出装置 - Google Patents
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Description
また、内視鏡は、金属管の内部の画像を取得するため、CCDセンサ等の比較的高価な電子部品が用いられており、コスト面での問題があった。
炭酸カルシウムを含むスケールが付着する金属管の内面にて前記スケールを検出するスケール検出方法であって、
前記金属管の内部において、光源からの光を、第1偏光素子を透過させて直線偏光とし、前記直線偏光のうち、前記金属管の内面にて反射された光を、前記第1偏光素子の透過軸の方向と異なる方向で、且つ前記直線偏光が前記スケールを透過した後の光を優先的に透過する方向に、透過軸を沿わせた単一の第2偏光素子を透過させて、単一の受光部にて受光すると共に、
前記金属管の管軸方向に延びる一対の案内部材の離間部位に前記受光部を配設すると共に、前記一対の案内部材の間のうち、前記光源から光が照射される前記金属管の内面に対向する部位に、前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子を設ける状態で実行する点にある。
上記特徴構成によれば、光源からの光が、第1偏光素子を介して直線偏光とされ、スケールに付着する金属管の内面に照射される。金属管の内面にスケールが付着している場合、金属管の内面から反射された光には、スケールを透過した光と、スケールを透過していない光とが含まれる。スケールを透過していない光は、金属管の内面に照射された直線偏光と同じ偏光方向を有しているので、第1偏光素子の透過軸の軸方向と異なる方向に透過軸を沿わせた第2偏光素子を、ほとんど透過することができず、受光部にて受光されない。一方、スケールを透過した光は、直線偏光がスケールを透過した後の光を優先的に透過する方向に、透過軸を沿わせた第2偏向素子を、良好に透過して、受光部にて受光される。即ち、本発明によれば、金属管の内部にスケールが存在する場合にのみ、受光部にて特定の偏向方向を有する光が受光されることになり、適切にスケールを検出することができる。
また、本発明のスケール検出方法では、光源、第1偏光素子、第2偏光素子、及び受光部からなる単純でコンパクト化可能な構成によりスケールを検出しているため、比較的小径の金属管に対しても適用できる。さらに、本発明によれば、高価な内視鏡等を用いる必要がないため、比較的低コストなスケール検出方法を実現できる。さらに、装置としてもシンプル且つ安価であり、信頼性の高い装置となる。
前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子が、平面形状の偏光フィルタであり、
前記第1偏光素子としての偏光フィルタと前記第2偏光素子としての偏光フィルタとを同一平面に配置した状態で、
前記光源からの光を、前記平面の一方側から前記金属管の内面へ向けて照射するとともに、前記金属管の内面にて反射された光を、前記平面の一方側にて前記受光部により受光する点にある。
前記受光部において、前記金属管の内面に向けて前記光源から照射された光で、前記金属管の内面から鏡面反射または拡散反射してくる光を受光する点にある。
前記光源からの光を、前記金属管の内面に対して、60度未満の入射角度で入射させるとともに、前記受光部が、前記金属管の内面にて、60度未満の反射角度で反射された光を受光する点にある。ここで角度は、金属管の内面に沿った方向を角度0度とし、金属管の法線方向を90度とする。
炭酸カルシウムを含むスケールが付着する金属管の内面にて前記スケールを検出するスケール検出装置であって、
前記金属管の内部において、光源から前記金属管の内面に向けて照射された光を直線偏光とする第1偏光素子と、
前記第1偏光素子の透過軸の方向と異なる方向で、且つ前記直線偏光で前記スケールを透過した後の光を優先的に透過する方向に、透過軸を沿わせた単一の第2偏光素子と、
前記第1偏光素子を透過して、前記金属管の内面にて反射され、前記第2偏光素子を透過した後の光を受光する単一の受光部とを備え、
前記金属管の管軸方向に延びる一対の案内部材を離間させて備え、当該一対の案内部材の離間部位に前記受光部を配設すると共に、前記一対の案内部材の間のうち、前記光源から光が照射される前記金属管の内面に対向する部位に、前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子を設けた点にある。
即ち、上記特徴構成によれば、第1偏光素子により直線偏光にされた光で、金属管の内面にて反射された光のうち、スケールを透過していない光は、第2偏光素子にて適切に遮断し、スケールを透過した光は、第2偏光素子を透過させて、受光部にて受光する形態で、金属管内のスケールを適切に検出できる。
また、本発明のスケール検出装置は、光源、第1偏光素子、第2偏光素子、及び受光部という比較的単純でコンパクト化可能な構成によりスケールを検出しているため、比較的小径の金属管の内部にも簡単に挿入できる。この結果、スケール検出装置を、比較的小径の金属管へ容易に挿入でき、その内部において、容易にスケールを検出することができる。また、本発明のスケール検出装置によれば、比較的高価な内視鏡等を用いる必要がないため、低コスト化を実現できる。さらに、装置としてもシンプル且つ安価であり、信頼性の高い装置となる。
前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子が、平面形状の偏光フィルタであり、
前記第1偏光素子としての偏光フィルタと前記第2偏光素子としての偏光フィルタとを同一平面に配置し、
前記光源及び前記受光部を、前記平面の一方側に設け、
前記光源が、前記平面の一方側から前記金属管の内面へ向けて光を照射すると共に、前記受光部が、前記金属管の内面にて反射された光を、前記平面の一方側にて受光する点にある。
即ち、第1偏光素子及び第2偏光素子を平面形状の偏光フィルタにより構成するとともに、それらを同一平面に配置し、且つ、その平面の一方側に、光源及び受光部の双方を配置しているので、平面に直交する方向において、コンパクト化を図ることができる。
前記受光部が、前記金属管の内面に向けて前記光源から照射された光で、前記金属管の内面から鏡面反射または拡散反射してくる光を受光する点にある。
前記光源が、60度未満の入射角度で前記金属管の内面へ、光を入射させると共に、
前記受光部が、60度未満の反射角度で前記金属管の内面にて反射された光を受光する点にある。
前記光源が、前記金属管の内部へ挿入可能なLEDであり、前記受光部が、前記金属管の内部へ挿入可能なフォトダイオードである点にある。
スケール2に含まれる炭酸カルシウムは、複屈折光学特性を有している。複屈折光学特性を有する炭酸カルシウムを直線偏光が透過した場合、透過後の光は、直線偏光の偏光方向と異なる偏光方向を有する光となる。本発明は、スケール2がこの複屈折光学特性を有する炭酸カルシウムを含む点に着目してなされたものである。
銅管1の内部にてスケール2を検出するスケール検出装置は、外部から電力が導かれ銅管1の内部にて発光するLED3(光源の一例)と、当該LED3から銅管1の内面5に向けて照射された光を直線偏光L1とする第1偏光素子4と、その直線偏光L1のうち、銅管1の内面5にて反射された光L2の一部を透過する第2偏光素子6と、第2偏光素子6を透過した光を受光するフォトダイオード7とから構成されており、第2偏光素子6は、その透過軸が、第1偏光素子4の透過軸の方向(直線偏光L1の偏光方向、図1(b)に45度偏向の場合を例示的に示した。同図では、光の進行方向を紙面表面側としている)と異なる方向で、且つ第1偏光素子4を透過した後の直線偏光L1がスケール2を透過した後の光L2を優先的に透過する方向(直線偏光L1がスケール2を透過した後の偏光方向、図1(b)に直線偏光がさらに45度偏向された場合を例示的に示した。同図では、光の進行方向を紙面表面側としている)に沿う状態で、配置されている。
また、本発明のスケール検出装置には、フォトダイオード7にて光が受光された場合、フォトダイオード7から送信される検出信号を受信して処理する制御装置8が設けられている。制御装置8は、受信した検出信号にAD変換及び増幅処理等の適切な処理をして、検出状態を判定可能に構成されている。尚、フォトダイオード7と制御装置8の間は、ノイズを低減すべく、同軸ケーブルにて電気的に接続されている。
ここで銅管1の内面5にスケール2が存在する場合、銅管1の内面5にて反射された直線偏光L1でスケール2を透過した光は、その光を優先的に透過する方向に透過軸を添わせている第2偏光素子6を透過し、フォトダイオード7にて受光される。一方、銅管1の内面5にて反射された光L2でスケール2を透過しなかった光は、第1偏光素子4の透過軸の方向と異なる方向に透過軸を添わせている第2偏光素子6を透過できず、フォトダイオード7にて受光されない。
即ち、本発明のスケール検出装置によれば、LED3により銅管1の内面5に照射された光のうち、スケール2を透過した光のみが、フォトダイオード7に導かれる。これにより、フォトダイオード7は、銅管1の内面5にスケール2が付着する場合にのみ、光を受光して、検出信号を制御装置8に送信し、制御装置8が、その受信信号に基づいて、スケール2の検出状態を判定することにより、銅管1の内面5にて、スケール2の存在を適切に判断することができる。
LED3は、その発光部3aの直径が3mm程度で比較的小型の砲弾型のものを好適に用いることができる。具体的に採用したLED3は、日亜化学工業製(品番:NSPB300B)のものであり、ピーク波長465nmの青色LEDであり、そのスペクトルバンド幅は50nm程度であり、その光度は、8.2cdである。尚、LED3には、どのような波長の光を発生するものでも適用することができる。例えば、白色光を発生するものも適用可能であるし、所定のピーク波長の光を発生するものも適用可能である。
フォトダイオード7は、比較的小型でありつつも、受光面積(活性領域)が広いものを適用した。具体的に採用したフォトダイオード7は、OSRAM製(品番SFH206K)のものであり、受光する光の波長範囲は、400nm〜1100nmであり、受光面積(活性領域)は7mm2で、光の受入角度は120°である。
第1偏光素子4、及び第2偏光素子6は、コンパクト化の目的から、図1(b)に示すように、一般的に用いられる平面形状の偏光フィルタにより構成している。
即ち、スケール検出装置は、図1(a)(b)に示す様に、銅管1の管軸方向(図1(b)で矢印Y方向)に延びる一対の案内部材9と、一対の案内部材9を連結する連結部材10とを有している。LED3は、一対の案内部材9の間から銅管1の内面5に向けて光を照射する状態で、一対の案内部材9を連結する連結部材10に固定される支持台11により、一対の案内部材9の上方側(図1(b)の矢印Z方向で上方側)で支持されている。フォトダイオード7は、その受光面7aが銅管1の内面5に向けた状態で、一対の案内部材9の間に挟持される状態で配置されている。
さらに、第1偏光素子4としての偏光フィルタ及び第2偏光素子6としての偏光フィルタは、図1(b)に示すように、銅管1の管軸方向(図1(b)で矢印Y方向)の平面Sに添う状態で、一対の案内部材9の下方側(図1(b)の矢印Z方向で下方側)に接して設けられている。
上述の配置により、第1偏光素子4及び第2偏光素子6としての偏光フィルタの配置される平面Sに対し、一方側に、LED3及びフォトダイオード7の双方が配置される構成とすることができる。即ち、平面Sの他方側に部品を配置しない構成としているので、平面Sに直交する方向(図1(b)で矢印Z方向)において、スケール検出装置のコンパクト化を図ることができる。この結果、スケール検出装置は、比較的小径の銅管1に対して、挿入してその内部にて移動させ易くなっている。
ここで、フォトダイオード7は、金属管1の内面5に向けてLED3から照射された光で、金属管1の内面5から鏡面反射してくる光L2と、拡散反射してくる光L2の双方を、受光することができる。
具体的には、LED3が発生した光は、銅管1の内面5に対して、入射角αが60°未満で入射されると共に、フォトダイオード7には、銅管1の内面5での反射角αが60°未満で反射された光L2が受光されることが好ましい。このようにすることで、装置の径方向幅を抑えることができる。
尚、フォトダイオード7にて適切に光を受光するためには、LED3が発生した光は、銅管1の内面5に対して、入射角αが45°程度で入射すると共に、フォトダイオード7に受光される光は、銅管1の内面5での反射角αも45°程度で反射されたものであることが好ましい。
図2にその検証結果を示す。図2の上方側には、炭酸カルシウム(スケール2に相当)が載置された銅箔テープの画像であり、図2の下方側には、当該銅箔テープの上方で、スケール検出装置の移動方向での、各位置におけるフォトダイオード7の出力値を示したものである。
図2から、銅箔テープ上に炭酸カルシウム(スケール2に相当)が存在する位置(図2で矢印aで示す領域)では、フォトダイオード7の出力値が高く、銅箔テープ上に炭酸カルシウム(スケール2に相当)が存在しない位置(図2で矢印bで示す領域)では、フォトダイオード7の出力値が低い。これにより、本発明のスケール検出装置及びスケール検出方法により、炭酸カルシウム(スケール2に相当)を検出できていると言える。
図3にその検証結果を示す。図3は、銅箔テープ上に、炭酸カルシウムのみを載置した場合、水及び炭酸カルシウムを載置した場合、水のみを載置した場合において、銅箔テープの上方で、スケール検出装置の移動方向での、各位置におけるフォトダイオード7の出力値を示したものである。
図3から、水及び炭酸カルシウムを載置した場合のフォトダイオード7の出力値は、炭酸カルシウムのみを銅箔テープ上に載置した場合のフォトダイオード7の出力値と、ほぼ同様の傾向を示すものとなっている。即ち、何れの場合であっても、銅箔テープ上に炭酸カルシウム(スケール2に相当)が存在する位置(図3で矢印aで示す領域)では、フォトダイオード7の出力値が高く、銅箔テープ上に炭酸カルシウム(スケール2に相当)が存在しない位置(図3で矢印bで示す領域)では、フォトダイオード7の出力値が低くなっている。尚、銅箔テープ上に、水のみを載置した場合には、フォトダイオード7の出力値が十分に低くなっており、水自体が、本発明のスケール検出装置による炭酸カルシウム(スケール2に相当)の検出に影響を及ぼすことはないといえる。
以上より、本発明のスケール検出装置及びスケール検出方法では、水中の炭酸カルシウムをも、適切に検出できていると言える。
2 :スケール
3 :LED(光源の一例)
4 :第1偏光素子
5 :銅管の内面
6 :第2偏光素子
7 :フォトダイオード(受光部の一例)
7a :受光面
8 :制御装置
9 :案内部材
10 :連結部材
11 :支持台
L1 :第1偏光素子を透過後の直線偏光
L2 :銅管の内面にて反射された光
X1 :第1偏光素子の透過軸の方向
X2 :第2偏光素子の透過軸の方向(スケールを透過した後の光の偏光方向)
S :偏光フィルタが配置される平面
Claims (9)
- 炭酸カルシウムを含むスケールが付着する金属管の内面にて前記スケールを検出するスケール検出方法であって、
前記金属管の内部において、光源からの光を、第1偏光素子を透過させて直線偏光とし、前記直線偏光のうち、前記金属管の内面にて反射された光を、前記第1偏光素子の透過軸の方向と異なる方向で、且つ前記直線偏光が前記スケールを透過した後の光を優先的に透過する方向に、透過軸を沿わせた単一の第2偏光素子を透過させて、単一の受光部にて受光すると共に、
前記金属管の管軸方向に延びる一対の案内部材の離間部位に前記受光部を配設すると共に、前記一対の案内部材の間のうち、前記光源から光が照射される前記金属管の内面に対向する部位に、前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子を設ける状態で実行するスケール検出方法。 - 前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子が、平面形状の偏光フィルタであり、
前記第1偏光素子としての偏光フィルタと前記第2偏光素子としての偏光フィルタとを同一平面に配置した状態で、
前記光源からの光を、前記平面の一方側から前記金属管の内面へ向けて照射するとともに、前記金属管の内面にて反射された光を、前記平面の一方側にて前記受光部により受光する請求項1に記載のスケール検出方法。 - 前記受光部において、前記金属管の内面に向けて前記光源から照射された光で、前記金属管の内面から鏡面反射または拡散反射してくる光を受光する請求項1又は2に記載のスケール検出方法。
- 前記光源からの光を、前記金属管の内面に対して、60度未満の入射角度で入射させるとともに、前記受光部が、前記金属管の内面にて、60度未満の反射角度で反射された光を受光する請求項1乃至3の何れか一項に記載のスケール検出方法。
- 炭酸カルシウムを含むスケールが付着する金属管の内面にて前記スケールを検出するスケール検出装置であって、
前記金属管の内部において、光源から前記金属管の内面に向けて照射された光を直線偏光とする第1偏光素子と、
前記第1偏光素子の透過軸の方向と異なる方向で、且つ前記直線偏光で前記スケールを透過した後の光を優先的に透過する方向に、透過軸を沿わせた単一の第2偏光素子と、
前記第1偏光素子を透過して、前記金属管の内面にて反射され、前記第2偏光素子を透過した後の光を受光する単一の受光部とを備え、
前記金属管の管軸方向に延びる一対の案内部材を離間させて備え、当該一対の案内部材の離間部位に前記受光部を配設すると共に、前記一対の案内部材の間のうち、前記光源から光が照射される前記金属管の内面に対向する部位に、前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子を設けたスケール検出装置。 - 前記第1偏光素子及び前記第2偏光素子が、平面形状の偏光フィルタであり、
前記第1偏光素子としての偏光フィルタと前記第2偏光素子としての偏光フィルタとを同一平面に配置し、
前記光源及び前記受光部を、前記平面の一方側に設け、
前記光源が、前記平面の一方側から前記金属管の内面へ向けて光を照射すると共に、前記受光部が、前記金属管の内面にて反射された光を、前記平面の一方側にて受光する請求項5に記載のスケール検出装置。 - 前記受光部が、前記金属管の内面に向けて前記光源から照射された光で、前記金属管の内面から鏡面反射または拡散反射してくる光を受光する請求項5又は6に記載のスケール検出装置。
- 前記光源が、60度未満の入射角度で前記金属管の内面へ、光を入射させると共に、
前記受光部が、60度未満の反射角度で前記金属管の内面にて反射された光を受光する請求項5乃至7の何れか一項に記載のスケール検出装置。 - 前記光源が、前記金属管の内部へ挿入可能なLEDであり、前記受光部が、前記金属管の内部へ挿入可能なフォトダイオードである請求項5乃至8の何れか一項に記載のスケール検出装置。
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