JP5553708B2 - 照明装置及びそのヒートシンク - Google Patents

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Description

本発明は、照明装置及びそのヒートシンクに関する。
発光ダイオードは、電球、放電管等と比較して、小型化、低消費電力、長寿命である。そのため、近年、車両用前照灯、車両用フォグランプ、家庭用照明等の照明装置の光源は、電球、放電管等から発光ダイオードに代替されてきている。ところが、発光ダイオードに電流が流れると、局部(PN接合部)に熱が集中するので、発光ダイオードの放熱対策が必要となる。
特許文献1には、放熱対策が施されたプロジェクタランプが記載されている。特許文献1の図4に示されているように、発光ダイオード(6)がマウントプレート(7)の上に搭載され、その発光ダイオード(6)が上に向いている。リフレクタ(8)は、発光ダイオード(6)を上から覆うようにしてマウントプレート(7)に取り付けられている。ヒートシンク(12)がマウントプレート(7)から下に垂下するように設けられ、放熱フィン(15)がリフレクタ(8)の上面から上に突き出るように設けられている。発光ダイオード(6)から発した熱がヒートシンク(12)や放熱フィン(15)まで伝熱し、その熱がヒートシンク(12)や放熱フィン(15)から空気中に放出される。その際、ヒートシンク(12)や放熱フィン(15)の熱によって気流が生じる。
特開2008−130232号公報
しかし、ヒートシンク(12)の上側がマウントプレート(7)によって塞がれているから、ヒートシンク(12)の熱によって生じた気流はマウントプレート(7)によって妨げられて小さくなってしまう。また、放熱フィン(15)の下側もリフレクタ(8)によって塞がれているから、放熱フィン(15)の熱によって生じた気流も小さい。そのため、ヒートシンク(12)や放熱フィン(15)からの放熱量も限られたものとなる。
ところで、特許文献1に記載されたプロジェクタランプに限らず、各種の照明装置では、発光ダイオードから発した光がレンズ等の光学系に入射せずに、直射光として外部に漏れてしまうことがある。このような漏れ光は、照明装置の配光に悪影響を与えてしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、気流を利用してフィンの放熱量を高められるようにすることと、発光素子から発した光が直射光として漏れないようにすることである。
以上の課題を解決するために、本発明に係る照明装置のヒートシンクは、前方を向いて、且つ水平面に対して略垂直に立てた状態に設けられた下部フロントプレートと、前記下部フロントプレートの上端から上斜め前方に張り出して、前上がりに傾斜し、その表側の前面に発光素子が取り付けられたフロントベースプレートと、前記フロントベースプレートの上斜め前方に配置され、前後に延びた庇部と、前記下部フロントプレート、前記フロントベースプレート及び前記庇部の裏側の面に対して立てた状態で前記下部フロントプレート、前記フロントベースプレート及び前記庇部の裏側の面に設けられるとともに、上下方向に延び、左右に間隔をおいて配列された複数のフィンと、を備える。
好ましくは、前記ヒートシンクが、前記庇部を上下に貫通するように前記庇部に形成された貫通孔と、前記庇部の前端から上方に延び出るように設けられた前枠と、を更に備える。
好ましくは、前記前枠が前記発光素子の設置面を上斜め前に延長した面よりも上に延び出ている。
好ましくは、前記庇部の表側の面が反射防止加工されている。
好ましくは、前記庇部の表側の面が前記発光素子又はその近傍を焦点とした放物面系反射面であり、前記発光素子から発した光が前記庇部の表側の面で前方へ反射される。
以上の課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、前記ヒートシンクと、前記発光素子と、前記発光素子から発した光を前方に向けて投射して、配光を形成する光学系と、を備える。
好ましくは、前記光学系が導光体であり、前記導光体が、前記フロントベースプレートに対向し、前上がりに傾斜し、前記発光素子から発した光を受け入れる入射面と、前記入射面の前方に配置され、前記入射面に入射した光を下斜め後方に反射させる第1の反射面と、前記フロントベースプレート及び前記入射面の下方であって前記下部フロントプレートの前方に配置され、前記第1の反射面によって反射した光を前方に反射させる第2の反射面と、前記第2の反射面の前方に配置され、前記第2の反射面によって反射した光を前方に出射させる出射面と、を有する。
好ましくは、前記庇部が前記入射面の上縁よりも上に位置し、前記庇部が前記発光素子と前記入射面の上縁とを結ぶ延長面よりも前方に延び出ている。
本発明によれば、隣り合うフィンの隙間の上や下が下部フロントプレート、フロントベースプレート及び庇部によって塞がれていない。そうすると、フィンの熱によって生じる気流が上昇気流となり、その上昇気流が下部フロントプレート、フロントベースプレート及び庇部によって妨げられない。そのため、隣り合うフィンの間を通る上昇気流が強くなり、フィンの放熱量が高まる。
また、フィンが、フロントベースプレートの裏側の面のみならず、下部フロントプレート及び庇部の裏側の面にも設けられているから、発光素子で発した熱が下部フロントプレートや庇部を通じてフィンに伝導する。そのため、発光素子を効率よく冷却することができる。
また、発光素子が取り付けられたフロントベースプレートの上斜め前方に庇部が配置されているから、発光素子から上斜め前方に向かう直射光が庇部によって遮られる。そのため、漏れ光を抑えることができる。
また、庇部がヒートシンクの一部であるから、遮光用部材を別途照明装置に設けなくとも済む上、庇部による放熱効果が向上する。
また、フロントベースプレートが前上がりに傾斜し、フロントベースプレートの前面に取り付けられた発光素子が下斜め前を向いているから、光学系の前後長を短くすることができる。
本発明の第1実施形態における照明装置の前方斜視図である。 同実施形態における照明装置の鉛直断面図である。 同実施形態におけるヒートシンクの前方斜視図である。 同実施形態におけるヒートシンクの平面図、正面図及び側面図である。 図2に示された断面の一部を拡大して示した鉛直断面図である。 本発明の第2実施形態における照明装置の鉛直断面図である。 同実施形態における照明装置の平面図である。 図6に示された断面の一部を拡大して示した鉛直断面図である。 本発明の第3実施形態における照明装置の鉛直断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔第1の実施の形態〕
図1は、照明装置1の前方斜視図である。図2は、照明装置1を横から見て示した鉛直断面図である。
この照明装置1は、自動四輪車、自動二輪車、自転車、鉄道車両その他の車両に用いられる車両用灯具である。また、この照明装置1は、車両の前照灯、フォグランプその他の車両用灯具として用いられるものである。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、それぞれ、照明装置1が装備された車両の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」である。従って、後ろから前に向かって見て(いわゆる運転手の視点で)、左右の向きを定める。
照明装置1の光軸Axは、前方に延びている。照明装置1は、発光素子10、導光体20及びヒートシンク30等を備える。
発光素子10は、基板11上に実装されている。基板11がヒートシンク30の表側の面(前面)に取り付けられ、発光素子10が下斜め前方に向けられている。発光素子10は、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子その他の半導体発光素子である。
光学系としての導光体20は、発光素子10から発した光を前方に投射して、所定の配光を形成するものである。導光体20は、入射面21、第1の反射面22、第2の反射面23及び出射面24を有する。入射面21は、上斜め後方に向けられている。つまり、入射面21は、発光素子10に向けられている。第1の反射面22は、入射面21の前方に形成されている。第2の反射面23は、入射面21の下方に隣接するとともに、第1の反射面22の下斜め後方に形成されている。出射面24は、第1の反射面22の下方に隣接するとともに、第2の反射面23の前方に形成されている。出射面24と第1の反射面22が、連続して、面一に設けられている。なお、出射面24と第1の反射面22が分離して、出射面24と第1の反射面22の境界部が段差又は角となっていてもよい。
入射面21は、発光素子10から発した光を取り込むとともに、その光を屈折させる。第1の反射面22は、入射面21に入射した光を下斜め後方に反射させる。第2の反射面23は、第1の反射面22によって反射した光を前方に反射させる。出射面24は、第2の反射面23によって反射した光を前方に出射させるとともに、その光を屈折させる。入射面21、第1の反射面22、第2の反射面23及び出射面24の形状は、所望の配光を得るために設計されたものである。入射面21、第1の反射面22、第2の反射面23及び出射面24によって焦点F(又は、左右方向に延びた焦線)が設定され、その焦点F(焦線の場合には、焦線の中心点)が発光素子10又はその近傍に位置している。
照明装置1を前照灯又はフォグランプとして用いる場合には、入射面21、第1の反射面22、第2の反射面23及び出射面24の形状によって、出射面24から前方に出射する光が、左又は右から見て、水平面に対して僅かに下に傾いた略平行光となる。一方、入射面21、第1の反射面22、第2の反射面23及び出射面24の形状によって、出射面24から前方に出射する光は、上又は下から見て、放射状に左右へ拡散した光となる。
入射面21に入射した光が反射面22,23によって反射されるから、入射面21から出射面24までの光路の距離を確保しつつ、導光体20の前後長を短くすることができる。
また、より明るい配光を得るべく、入射面21を広くしても、導光体20の前後長が長くならず、導光体20の小型化を図ることができる。これは、発光素子10が下斜め前を向き、入射面21がその発光素子10に対向し、その入射面21が前上がりに傾斜しているためである。
図3は、ヒートシンク30の前方斜視図である。図4(a)は、ヒートシンク30の平面図である。図4(b)は、ヒートシンク30の正面図である。図4(c)は、ヒートシンク30の側面図である。
図3、図4(a)〜図4(c)に示すように、ヒートシンク30は、下部フロントプレート31、フロントベースプレート32、上部フロントプレート33、左右一対のサイドプレート34,34、左右一対のフランジ35,35、複数のフィン36、庇部38及び前枠39を有する。これら下部フロントプレート31、フロントベースプレート32、上部フロントプレート33、サイドプレート34、フランジ35、フィン36、庇部38及び前枠39は、一体成形されている。これら下部フロントプレート31、フロントベースプレート32、上部フロントプレート33、サイドプレート34、フランジ35、フィン36、庇部38及び前枠39は、伝熱材料(アルミニウム、アルミニウム合金、鉄鋼、ステンレス鋼、銅その他の金属)からなる。
下部フロントプレート31が水平面に対して略垂直となるように立っており、下部フロントプレート31の表側の面(前面)が前方を向いている。下部フロントプレート31は、正面から見て、矩形状に成している。フロントベースプレート32は、下部フロントプレート31の上端に繋がっている。フロントベースプレート32は、下部フロントプレート31の上端から上斜め前方に張り出して、前上がりに傾斜している。
フロントベースプレート32は、後寄り部分32aと、前寄り部分32bとからなる。後寄り部分32aは、下部フロントプレート31の上端から上斜め前方に張り出している。前寄り部分32bは、後寄り部分32aの前端から上斜め前方に張り出している。後寄り部分32a及び前寄り部分32bは、前上がりに傾斜している。後寄り部分32aの勾配が前寄り部分32bの勾配よりも緩やかである。後寄り部分32a及び前寄り部分32bは、正面から見て、上底が下底よりも短い等脚台形の形状を成している。
上部フロントプレート33は、フロントベースプレート32の前端(つまり、前寄り部分32bの上底)に繋がっているとともに、フロントベースプレート32の前端から上方に張り出している。上部フロントプレート33が水平面に対して略垂直となるように立っているとともに、上部フロントプレート33の表側の面(前面)が前方を向いている。上部フロントプレート33は、正面から見て、矩形状に成している。
下部フロントプレート31、フロントベースプレート32及び上部フロントプレート33の左右の端部には、サイドプレート34,34がそれぞれ繋がっている。左のサイドプレート34は、下部フロントプレート31、フロントベースプレート32及び上部フロントプレート33の左端から左斜め後方に張り出しており、右のサイドプレート34は、下部フロントプレート31、フロントベースプレート32及び上部フロントプレート33の右端から右斜め後方に張り出している。また、これらサイドプレート34,34が水平面に対して略垂直となるように立っており、左のサイドプレート34の表側の面が左斜め前方を向いており、右のサイドプレート34の表側の面が右斜め前方を向いている。サイドプレート34は、横から見て、その上部がその下部よりも前方に張り出している。
上部フロントプレート33及びサイドプレート34,34の上端には、庇部38が繋がっている。なお、上部フロントプレート33が設けられずに、庇部38がフロントベースプレート32の前端(つまり、前寄り部分32bの上底)に繋がっていてもよい。
庇部38は、上部フロントプレート33の上端から上斜め前方に張り出しているとともに、サイドプレート34,34の上端から左右に張り出している。そして、庇部38は、フロントベースプレート32の上斜め左方からフロントベースプレート32の上斜め前方を経由してフロントベースプレート32の上斜め右方にかけての範囲内に配置されている。
庇部38が前上がりに傾斜し、庇部38の表側の面38aが下斜め前を向いている。水平面に対する庇部38の勾配は、水平面に対するフロントベースプレート32の前寄り部分32bの勾配よりも緩やかである。また、水平面に対する庇部38の勾配は、水平面に対するフロントベースプレート32の後寄り部分32aの勾配よりも緩やかである。なお、庇部38が水平となるよう前方に延出し、庇部38の表側の面38aが鉛直方向に向いていてもよい。また、庇部38が前下がりに傾斜するよう下斜め前方に延出し、庇部38の表側の面38aが下斜め後ろに向いていてもよい。
庇部38の表側の面38aは、黒色加工されている。例えば、庇部38の表側の面38aには、黒アルマイト処理が施されており、その面38aでの反射が防止されている。更に、庇部38の表側の面38aに植毛が施されていたり、その面38aが凸凹(例えば、シボ加工)に設けられていたりすることによって、庇部38の表側の面38aでの反射が更に防止されていてもよい。
前枠39は、庇部38の前端及び左右両端に繋がっているとともに、庇部38の前端及び左右両端から上方に張り出している。前枠39は、庇部38の左から前を経由してを囲うように、上から見てU字形又はコ字形に設けられている。
左のサイドプレート34の後端及び前枠39の左部後端には、左のフランジ35が繋がっている。左のフランジ35は、左のサイドプレート34の後端及び前枠39の左部後端から左方に張り出している。右のサイドプレート34の後端及び前枠39の右部後端には、右のフランジ35が繋がっている。右のフランジ35は、右のサイドプレート34の後端及び前枠39の右部後端から右方に張り出している。これらフランジ35,35は、水平面に対して略垂直となるように立っている。
下部フロントプレート31、フロントベースプレート32、上部フロントプレート33、サイドプレート34,34、フランジ35、庇部38及び前枠39の裏側には、複数枚のフィン36,36,…が設けられている。
これらフィン36,36,…は下部フロントプレート31、フロントベースプレート32、上部フロントプレート33、サイドプレート34,34、フランジ35及び庇部38の裏側の面に対して立てた状態に設けられている。フィン36,36,…は、水平面にほぼ直交している。フィン36,36,…は、下部フロントプレート31、フロントベースプレート32、上部フロントプレート33、サイドプレート34,34、フランジ35、庇部38及び前枠39よりも薄い。
フィン36,36,…は、互いに平行となるように、左右に間隔をおいて配列されている。これらフィン36,36,…の間に隙間37,37,…が形成されている。これら隙間37,37,…の前側が下部フロントプレート31、フロントベースプレート32、上部フロントプレート33、サイドプレート34,34、フランジ35、庇部38及び前枠39によって塞がれているが、これら隙間37,37,…の下側、上側及び後ろ側は塞がれていない。
図2に示すように、フロントベースプレート32の前寄り部分32bの表側の前面には、発光素子10の基板11がネジ等によって取り付けられている。基板11と前寄り部分32bが面接触している。基板11が前寄り部分32bに取り付けられた状態では、発光素子10が下斜め前方に向いている。
導光体20がヒートシンク30の前に配置されている。ここで、図1に示すように、導光体20の左右両側に、それぞれ脚部25が設けられている。脚部25が後方に延出し、脚部25の突端がフランジ35との間にレンズホルダ26を挟持した状態でフランジ35に固定されている。
図2に示すように、導光体20がヒートシンク30に取り付けられた状態では、フロントベースプレート32の前寄り部分32bが導光体20の入射面21の上寄り部分に対向している。入射面21の下寄り部分がフロントベースプレート32の後ろ寄り部分32aの下に配置されている。導光体20の第2の反射面23が、下部フロントプレート31の前に配置されている。
発光素子10は、フロントベースプレート32の前寄り部分32bと導光体20の入射面21の上寄り部分との間の隙間41に配置されている。入射面21の下寄り部分とフロントベースプレート32の後寄り部分32aとの間の隙間42は、フロントベースプレート32の前寄り部分32bと導光体20の入射面21の上寄り部分との間の隙間41よりも大きい。
図2、図5に示すように、庇部38が、導光体20の上端の上から導光体20を覆い被さっている。庇部38は、発光素子10の設置面(基板11の前側の面)を上斜め前に延長した面αよりも前方に延出している。更に、庇部38は、発光素子10と入射面21の上縁とを結ぶ延長面βよりも前方に延出している。庇部38が導光体20の上端から上に離れており、導光体20の上端と庇部38の間には隙間43が形成されている。
発光素子10は、発光すると発熱する。発光素子10で生じた熱はフロントベースプレート32を通じてフィン36に伝導し、フィン36の熱が空気中に放出される。特に、フロントベースプレート32のみならず、下部フロントプレート31、上部フロントプレート33、サイドプレート34、フランジ35、庇部38及び前枠39によっても、発光素子10の熱がフィン36に伝導する。そのため、発光素子10を効率よく冷却することができる。
また、フィン36の熱によって隣り合うフィン36の間の隙間37には、上昇気流が生じる。隙間37の上や下が下部フロントプレート31、上部フロントプレート33、サイドプレート34、フランジ35、庇部38及び前枠39によって塞がれていないから、発生した上昇気流が下部フロントプレート31、上部フロントプレート33、サイドプレート34、フランジ35、庇部38及び前枠39によって妨げられることはない。強い上昇気流によってフィン36の放熱量が高まり、発光素子10を効率よく放熱することができる。
フロントベースプレート32の後寄り部分32aの勾配が前寄り部分32bや入射面21の勾配よりも緩やかなため、入射面21とフロントベースプレート32の後寄り部分32aとの間の隙間42が大きくなっている。そのため、発光素子10から発した熱がその隙間42に籠もりにくい。特に、隙間41〜43が空気の流路となり、熱気が隙間43から前に放出される。従って、発光素子10が高温になりにくい。
下部フロントプレート31が略垂直に立っているから、フィン36の表面積を確保しつつ、上部フロントプレート33からフィン36の後端までの前後長を短くすることができる。
庇部38が上部フロントプレート33の上端から前方に延出しているから、その分だけフィン36の表面積が広くなっている。更に、前枠39が上部フロントプレート33の上端よりも上に位置しているから、その分だけフィン36の表面積が広くなる。そのため、フィン36の放熱量が高まり、発光素子10を効率よく放熱することができる。
庇部38が前方に延出しているから、発光素子10から上斜め前に放射した光が庇部38によって遮蔽される。水平方向よりも上向きの光が遮蔽されるため、照明装置1の前から来る対向車に対してグレアを発生させないようにすることができる。特に、庇部38の表側の面38aが反射防止加工されているので、グレアの発生をより抑えることができる。
〔第2の実施の形態〕
図6は、第2の実施の形態に係る照明装置1Aの鉛直断面図である。図7は、照明装置1Aの平面図である。図8は、鉛直断面の拡大図である。第2実施形態に係る照明装置1Aと第1実施形態に係る照明装置1との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。また、第2実施形態に係るヒートシンク30Aと第1実施形態に係るヒートシンク30との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
図5〜図8に示すように、第2実施形態に係るヒートシンク30Aでは、庇部38には貫通孔38bが形成され、貫通孔38bが庇部38を上下に貫通している。そのため、発光素子10によって生じた熱気が貫通孔38bを通って上昇する。よって、発光素子10を効率よく冷却することができる。
図8に示すように、庇部38が発光素子10と入射面21の上縁とを結ぶ延長面βよりも前方に延出しており、前枠39の下縁がその延長面βよりも下に位置している。前枠39が、発光素子10の設置面を上斜め前に延長した面αよりも上方に延出しており、前枠39の上縁がその面αよりも上に位置している。そのため、発光素子10から発した光が貫通孔38bを通過しても、前枠39によって遮られる。よって、グレアの発生を抑えることができる。
以上に説明したことを除いて、第2実施形態のヒートシンク30Aと第1実施形態のヒートシンク30との間で互いに対応する部分が同様に設けられている。また、第2実施形態の照明装置1Aと第1実施形態の照明装置1との間で互いに対応する部分についても同様である。
〔第3の実施の形態〕
図9は、第3の実施の形態に係る照明装置1Bの鉛直断面図である。第3実施形態に係る照明装置1Bと第1実施形態に係る照明装置1との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。また、第3実施形態に係るヒートシンク30Bと第1実施形態に係るヒートシンク30との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
図9に示すように、第3実施形態に係るヒートシンク30Bでは、庇部38が放物面系リフレクタとなっている。つまり、庇部38の表側の面38aが放物面の形状に形成されており、アルミニウム蒸着等の反射膜がその面38aに施され、その面38aが放物面系反射面となっている。勿論、面38aには、植毛・凸凹・黒色加工等の反射防止処理がされていない。
ここでの放物面とは、発光素子10又はその近傍を焦点とするとともにその焦点から前方に延びる回転対称軸を光軸とした回転放物面、その回転放物面を上下又は左右に扁平させた扁平楕円面又はその回転楕円面又は扁平楕円面を基調とした自由曲面のことをいう。
庇部38の表側の面38aが放物面系反射面となっているから、発光素子10から発した光が面38aによって前方に反射され、隙間43を前へ通過する。その反射光は光軸Axに平行な略平行光である。面38aによって反射した光が上向きの光でないから、グレアの発生を抑えることができる。
また、面38aで反射した光の照射範囲が、導光体20によって前方に投射された光の照射範囲に重なる。そのため、光束の利用効率が向上し、より明るい照明を実現することができる。
なお、庇部38が放物面系リフレクタであっても、庇部38が発光素子10と入射面21の上縁とを結ぶ延長面βよりも前方に延出している。
以上に説明したことを除いて、第3実施形態のヒートシンク30Bと第1実施形態のヒートシンク30との間で互いに対応する部分が同様に設けられている。また、第3実施形態の照明装置1Bと第1実施形態の照明装置1との間で互いに対応する部分についても同様である。
〔変形例〕
本発明を適用可能な実施形態は、上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、幾つかの変形例を挙げる。以下に挙げる変形例は、可能な限り組み合わせてもよい。また、以下に述べる変形例は、上記第1〜第3の実施形態の何れに適用してもよい。
〔変形例1〕
水平面に対するフロントベースプレート32の前寄り部分32bの傾斜角と、水平面に対する前寄り部分32bの傾斜角が等しく、後寄り部分32aと前寄り部分32bが面一となっていてもよい。
〔変形例2〕
導光体20を放物面系リフレクタに代えてもよい。この場合、光学系としての放物面系リフレクタが発光素子10の下斜め後ろから下斜め前にかけて配置されており、放物面系リフレクタの前側内面が放物面系反射面となっており、その放物面系反射面の焦点が発光素子10又はその近傍に設定されている。その放物面系反射面は、発光素子10から発した光を前方に反射させる。その反射光は、左又は右から見て、水平面に対して僅かに下に傾いた略平行光となる。一方、その反射光は、上又は下から見て、放射状に左右へ拡散した光となる。
〔変形例3〕
導光体20を凸レンズに代えてもよい。この場合、光学系としての凸レンズが発光素子10の前方に配置され、凸レンズの焦点又は焦線が凸レンズの後方に設定され、その焦点(焦線の場合には、焦線の中心点)が発光素子10又はその近傍に位置している。凸レンズは、発光素子10から発した光を前方に投射する。凸レンズによって投射された光は、左又は右から見て、水平面に対して僅かに下に傾いた略平行光となる。一方、凸レンズによって投射された光は、上又は下から見て、放射状に左右へ拡散した光となる。
〔変形例4〕
サイドプレート34,34及びフランジ35が無くてもよい。この場合、正面から見て、下部フロントプレート31、フロントベースプレート32(後寄り部分32aと前寄り部分32b)、上部フロントプレート33及び庇部38が左右方向に延びた帯状を成している。例えば、下部フロントプレート31、フロントベースプレート32(後寄り部分32aと前寄り部分32b)、上部フロントプレート33及び庇部38が、図4(b)に示す左のフランジ35の左縁に相当する部分から右のフランジ35の右縁に相当する部分まで帯状に延びている。
〔変形例5〕
上記各実施形態では、本発明に係る照明装置を車両用灯具として用いるものとして説明したが、ウォールライトその他の照明灯として用いてもよい。照明装置の用途に応じて光学系の特性を変更するのは勿論であり、光軸の向きも前向きではなく、下斜め前向きであってもよいし、下向きであってもよいし、その他の向きであってもよい。
1 照明装置
10 発光素子
20 導光体(光学系)
21 入射面
22 第1の反射面
23 第2の反射面
24 出射面
30、30A、30B ヒートシンク
31 下部フロントプレート
32 フロントベースプレート
32a 後寄り部分
32b 前寄り部分
33 上部フロントプレート
38 庇部
38b 貫通孔
39 前枠
36 フィン

Claims (8)

  1. 前方を向いて、且つ水平面に対して略垂直に立てた状態に設けられた下部フロントプレートと、
    前記下部フロントプレートの上端から上斜め前方に張り出して、前上がりに傾斜し、その表側の前面に発光素子が取り付けられたフロントベースプレートと、
    前記フロントベースプレートの上斜め前方に配置され、前後に延びた庇部と、
    前記下部フロントプレート、前記フロントベースプレート及び前記庇部の裏側の面に対して立てた状態で前記下部フロントプレート、前記フロントベースプレート及び前記庇部の裏側の面に設けられるとともに、上下方向に延び、左右に間隔をおいて配列された複数のフィンと、を備えることを特徴とする照明装置のヒートシンク。
  2. 前記庇部を上下に貫通するように前記庇部に形成された貫通孔と、
    前記庇部の前端から上方に延び出るように設けられた前枠と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の照明装置のヒートシンク。
  3. 前記前枠が前記発光素子の設置面を上斜め前に延長した面よりも上に延び出ていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置のヒートシンク。
  4. 前記庇部の表側の面が反射防止加工されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の照明装置のヒートシンク。
  5. 前記庇部の表側の面が前記発光素子又はその近傍を焦点とした放物面系反射面であり、前記発光素子から発した光が前記庇部の表側の面で前方へ反射されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の照明装置のヒートシンク。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載のヒートシンクと、
    前記発光素子と、
    前記発光素子から発した光を前方に向けて投射して、配光を形成する光学系と、を備えることを特徴とする照明装置。
  7. 前記光学系が導光体であり、
    前記導光体が、
    前記フロントベースプレートに対向し、前上がりに傾斜し、前記発光素子から発した光を受け入れる入射面と、
    前記入射面の前方に配置され、前記入射面に入射した光を下斜め後方に反射させる第1の反射面と、
    前記フロントベースプレート及び前記入射面の下方であって前記下部フロントプレートの前方に配置され、前記第1の反射面によって反射した光を前方に反射させる第2の反射面と、
    前記第2の反射面の前方に配置され、前記第2の反射面によって反射した光を前方に出射させる出射面と、を有することを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
  8. 前記庇部が前記入射面の上縁よりも上に位置し、
    前記庇部が前記発光素子と前記入射面の上縁とを結ぶ延長面よりも前方に延び出ていることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
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