JP5553447B2 - 敗血症あるいは敗血性ショックを処置するために血管内冷却を使用する治療的低体温システム - Google Patents

敗血症あるいは敗血性ショックを処置するために血管内冷却を使用する治療的低体温システム Download PDF

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Description

本発明は、一般に、医療処置に関し、より詳細には、敗血症、敗血性ショックあるいは他の疾患を処置するために血管内熱交換機器を使用することに関する。
人または動物の被検者の身体の全てまたは一部分を加温または冷却することが望ましいことがある。例えば、発熱のある患者を冷却したり、低体温患者を加温することが望ましいことがある。例えば、疾患の処置目的で、治療的高体温や治療的低体温を誘発することが望ましいこともある。
敗血症は、全身炎症性反応であり、身体の生命維持器官に対して血液および酸素を供給する循環の障害である。敗血症は、微生物感染、ならびに、出血性ショック、免疫介在性臓器損傷、虚血、多発外傷、組織損傷、およびがん化学療法中における炎症性サイトカインの投与などの非感染性要因から生じることがある。「敗血症(septicemia)」という用語は、循環血液中で識別される微生物により生じる敗血症を指す。
敗血症患者は、通常、下記症状のうちの2つ以上を示す。
・発熱または低体温
・頻脈(例えば、心拍数>90拍動/分)
・頻呼吸(例えば、呼吸数>20呼吸/分または32mmHg未満のPaCO
・白血球増加(例えば、WBC>12000/mm)、白血球減少(例えば、WBC<4000/mm)、またはbandemia(例えば、>10パーセントimmature(band)forms)
敗血症患者の多くは、初期輸液チャレンジ後の低血圧や精神状態の錯乱も示す。
米国だけで、敗血症は毎年700000人超の人々の入院をもたらし、その死亡率は約30%と推定されてきた。重篤な場合、敗血症は生命にかかわる敗血性ショックをもたらしうる。敗血症患者の約45%は敗血性ショックまで進行する。敗血性ショックまで進行する敗血症の場合、患者の循環は、腎臓および脳などの生命維持器官に対して十分な血液および酸素を供給することができない。敗血性ショックは米国における重大死亡要因のままである。さらに、敗血症および敗血性ショックの発生率は上昇中である。敗血症および敗血性ショックの発生率のこうした上昇は、高齢者の人口の増加、主要な外科手技数増加の成績、免疫抑制薬および化学療法薬の使用の増加、慢性衰弱症のさらなる蔓延、無侵襲的または埋め込み型医療機器の使用の増加、および、抗生物質耐性微生物の増加によると思われる。
身体のほとんどの箇所で起きる感染は、敗血症やおそらく敗血性ショックを引起す原因となり得る。ほとんどの敗血性ショックが肺、腎臓、または胃腸管で起きた感染から生じる。感染源を特定できない場合もある。
敗血性ショックで死に至ることもある。敗血性ショックから生還した患者であっても、肺、心臓、腎臓、脳、および他の器官に非可逆的損傷を受けることがある。
当技術分野では、ショックや低酸素症や虚血をもたらしうる、敗血症、敗血性ショックあるいは他の炎症や感染疾患のための新しい治療の開発についての、必要性が依然として存在する。
本発明の一態様によれば、敗血症、敗血性ショックあるいは他の全身性炎症を患っている人または動物の被検者、または、発症する可能性があるという診断的または臨床的所見が確立されている人または動物の被検者に対し、その敗血症、敗血性ショックあるいは全身性炎症を処置または抑制する方法が提供される。こうした方法は、一般に、被検者の脈管構造を通して流れる血液に熱交換的に近接して熱交換装置を配置するステップと、被検者の身体の少なくとも一部分を約35℃より低温に冷却するために、熱交換装置を使用するステップとを含む。
さらに、本発明によれば、敗血症、敗血性ショックあるいは他の炎症疾患を処置するシステムが提供され、こうしたシステムは、一般に、a)被検者の脈管構造を流れる血液と熱交換するために、被検者の脈管構造内に挿入されて被検者の身体の温度を上げるかまたは下げる熱交換カテーテルと、b)i)熱交換カテーテルが、被検者の身体の温度を低温に下げるようにさせ、ii)第1期間にわたって前記低温を維持し、(iii)その後、被検者の身体の温度を再加温するように熱交換カテーテルを動作させるようにプログラムされているか、または、そうさせるためのオペレータコマンドを受信するコントローラと、c)さらなる低体温が望まれるかどうかを示す少なくとも1つの変数を、被検者の身体の温度の再加温中に測定または監視する少なくとも1つのセンサとを備え、前記センサは、前記少なくとも1つの変数を表す信号を生成する。センサからの信号はコントローラに送信され、コントローラは、さらに、再加温中にセンサから受信される信号に応答して、改善的処置をとるよう、例えば、再加温し続けるか、被検者の身体の温度を維持するか、または、再冷却するようプログラムされる。
なおさらに、本発明によれば、疾患を処置するために、人または動物の被検者の身体の全てまたは一部分を加温または冷却する一般的な方法が提供され、こうした方法は、(A)熱交換カテーテルを被検者の脈管構造内に挿入するステップと、(B)被検者の身体の全てまたは一部分が加温または冷却されるように、被検者の脈管構造を通して流れる血液を加温または冷却するために熱交換カテーテルを使用するステップと、(C)疾患に関連する少なくとも1つの症状または臨床変数を監視するステップと、(D)監視される症状または臨床変数に応答して、i)被検者の脈管構造を流れる血液の加温速度または冷却速度、および、ii)被検者の身体または身体部分が加温されるかまたは冷却される温度から選択される少なくとも1つの作動変数を制御するステップとを含む。こうした方法は、例えば、疾患に関連するある症状または臨床変数が適切に沈静または減少してしまい、それにより、冷却または加温の治療的効果が達成されたことが示される体温に被検者を選択的に冷却または加温するために使用されてもよい。本発明は、さらに、こうした方法を実行するシステムを含み、システムは、i)被検者の脈管構造内に挿入可能で、かつ、被検者の脈管構造を流れる血液を加温または冷却するために使用可能であり、それにより、被検者の身体の全てまたは一部分を加温または冷却する熱交換カテーテルと、ii)疾患に関連する症状または臨床変数を監視する監視装置(例えば、センサ)と、iii)監視装置から信号を受信するコントローラとを備え、こうした監視装置は、監視される症状または臨床変数に応答して、少なくとも1つの作動変数(例えば、被検者の脈管構造を流れる血液の加温速度または冷却速度、あるいは、被検者の身体または身体部分が加温されるかまたは冷却される温度)を制御するようプログラムされ作動する。
なおさらに、本発明によれば、人または動物の被検者の身体の全てまたは一部分を加温または冷却する方法が提供され、こうした方法は、(A)熱交換カテーテルを被検者の脈管構造内に挿入するステップと、(B)被検者の脈管構造を通して流れる血液を加温または冷却するために熱交換カテーテルを使用するステップであって、それにより、被検者の身体の全てまたは一部分の加温または冷却がもたらされる、使用するステップと、(C)加温速度または冷却速度が速過ぎること、または、身体または身体部分が過剰に加温されるかまたは冷却されたことを示す、好ましくない症状または好ましくない臨床変数の変化の発生を監視するステップと、(D)好ましくない症状または好ましくない臨床変数の変化が観察される場合、加温または冷却の速度または量を変更するステップとを含む。こうした方法は、例えば、治療的低体温または高体温のある期間後に被検者の制御された再加温または再冷却を実施し、あまりにも早期に、あまりにも急速に、あるいは、被検者が最初に処置された疾患の再発あるいは再加温または再冷却プロセスに関連する何らかの他の有害なまたは望まれない作用の発生をもたらすように、再加温することまたは再冷却することを回避するために使用されてもよい。本発明は、さらに、これらの方法を実行するシステムを含み、こうしたシステムは、i)被検者の脈管構造内に挿入可能で、かつ、被検者の脈管構造を流れる血液を加温または冷却するために使用可能であり、それにより、被検者の身体の全てまたは一部分を加温または冷却する熱交換カテーテルと、ii)加温速度または冷却速度が速過ぎること、または、身体または身体部分が過剰に加温されるかまたは冷却されたことを示す、好ましくない症状または好ましくない臨床変数の変化の発生を監視する監視装置(例えば、センサ)と、iii)監視装置から信号を受信し、好ましくない症状または好ましくない臨床変数の変化が起こったことを、監視装置から受信される信号が示す場合、加温または冷却の速度または量を変更するようプログラムされ、作動するコントローラとを備える。こうしたシステムは、疾患を処置するために、治療的低体温のある期間後に被検者を再加温する間、または、治療的高体温のある期間後に被検者を再冷却する間使用されてもよい。こうした場合、監視装置は、治療的低体温または高体温が、さらなる期間間にわたって継続されるべきであることを示す、最初の疾患の症状または臨床変数の変化の再発生を監視してもよい。他の用途では、監視装置は、冷却または加温を現在の速度で継続することが被検者にとって安全でないか有害のおそれがあることを示す症状または臨床変数の変化の発生を監視するのに使用されてもよい。こうした場合、コントローラは、冷却または加温を現在の速度で継続することが安全でないか有害のおそれがあることを症状または臨床変数の変化が示すことを、監視装置から受信される信号が示すことに応答して、さらなる冷却または加温を遅延させるか、または、冷却速度または加温速度を変更するようプログラムされてもよい。
本発明のさらなる態様および詳細は、下記の詳細な説明および例を読むことによって当業者によって理解されるであろう。
本発明による敗血症を処置する一方法のステップを示すフロー図である。 本発明による敗血症を処置するために血管内熱交換カテーテルを下大静脈内に挿入されている人被検者の図である。 血管内熱交換カテーテルが挿入されている、図2に示す人被検者の下大静脈の拡大図である。 本発明の血管内温度制御システムの略図である。 図3の3A−3A線に沿った断面図である。 図3の3B−3B線に沿った断面図である。 図3の3C−3C線に沿った断面図である。
下記の詳細な説明は、本発明の選択された実施形態や例だけを説明することを目的としており、本発明の考えられる全ての実施形態や例の説明を意図したものではない。
A.敗血症、敗血性ショックあるいは他の炎症性・感染性疾患を処置する方法の例
図1は、組織・器官の低酸素症またはショックをもたらす、敗血症、敗血性ショックあるいは他の炎症性または感染性疾患を処置するために低体温を使用する方法の例を示すフロー図である。図14の例の第1ステップでは、組織/器官の低酸素症またはショックをもたらす、実在するまたは差し迫っている敗血症、敗血性ショックあるいは他の炎症性または感染性疾患についての初期診断または臨床所見を入手する。こうした診断または臨床所見は身体的な検査や患者履歴や実験室試験に基づいて入手してもよい。ある患者において、患者が抗生物質耐性微生物に感染しているという(微生物学的培養データを確認した状態でのまたは未確認状態での)臨床所見は、患者が敗血症または敗血性ショックを発症する可能性があるという臨床所見をもたらす可能性がある。
患者が、組織/器官の低酸素症またはショックをもたらす、実在するまたは差し迫っている敗血症、敗血性ショックあるいは他の炎症性または感染性疾患を患っていると判定された後、この方法の第2ステップは、熱交換装置を患者の血液に熱交換的に近接して位置決めすることである。このステップは、本明細書で述べるように、患者の血液と熱交換するための任意の適した体内または体外装置によって実施され得る。例えば、熱交換カテーテルまたは熱交換プローブ等の熱交換装置は、例えば、下大静脈(IVC)等の血管内に位置決めされて、その血管を流れる血液と熱交換を行うことができる。以降で詳細に述べる図1〜3は、本発明で使用可能な血管内熱交換カテーテルシステムの非限定的な一例を示す。しかし、種々の他の血管内熱交換装置が使用されてもよいことが理解されるであろう。一般に、本方法のこのステップで使用可能な熱交換カテーテルおよび関連する機器およびコントローラの例は、PCT国際出願第PCT/US99/18939号ならびに米国特許第5486208号(Ginsburg)、第5149676号(Ginsburg)、第6149673号(Ginsburg)、第5174285号(Fontenot)、第5344436号(Fontenot他)、第5957963号(Dobakl II)、第6096608号(Dobakl II他)、および第6126684号(Gobin他)に記載され、それらの全体の開示は、参照により本明細書に明示的に組込まれる。尚、患者の血液は、体外熱交換機器を通して循環された後、患者の体に戻すこともできる。
さらに図1を参照すると、この例の方法の第3ステップは、組織や器官の炎症の抑制や酸素要求の低下が起こる温度まで患者の血管や身体の温度を冷却するために熱交換装置を使用することができる。通常、このステップは、人の患者の場合、患者が最初に熱がある(>37℃)か正常体温である(37℃)かまたは中程度に低体温である(<36℃)かによらず、患者の中核温が32〜34℃まで下がるまで、患者の血液を冷却することを含むことがある。
敗血症によって誘発される炎症過程は、好中球および内皮細胞の活性化、血管透過性の増加、血小板凝集の増大、ならびに代謝活性に対する直接の作用という一連の流れの引き金となる。その結果、全身性の酸素送出と酸素需要との間の不均衡をもたらす全身性微小循環性異常となり、全体的な組織低体温、ショック、多臓器障害、および死をもたらす。多数の失敗した臨床試験が敗血症の予後に影響を与えた後、最近になって、組換え型ヒト活性化たんぱく質C、強力な抗血栓性介在物質および抗炎症性介在物質による成功が実証されている。最近では、心前負荷、心後負荷、および酸素需要に対して酸素送出を均衡させるための収縮性調整を伴う(集中治療室に到着する前の症状の時点の)早期合目的治療も予後を改善することが示されている。
低体温法に関連するいくつかの見込みのある有益なメカニズムが存在する。中程度の低体温法は、炎症を抑制し、血小板活性および凝集を抑制し、代謝を低下させ、したがって、組織低体温に付随して供給需要の不均衡を改善し、心筋酸素消費を増加させることなく心筋収縮性を増加させることが示された。
患者の体温が目標温度まで冷却された後、本方法の次のステップは、患者の体温を、第1期間にわたって所望範囲内(例えば、32〜34℃)に維持することである。第1期間の長さは、任意に選択されてもよく(例えば、24時間、48時間、36時間など)、あるいは、潜在的な感染または炎症の重篤度、潜在的な感染をもたらしたことがわかっているかまたはそれが推測される特定の病原体、あるいは、潜在的な感染または炎症疾患あるいは循環血行動態が改善したという臨床証拠や臨床検査値などの臨床基準に基づいて選択されてもよい。
さらに図1のフロー図を参照すると、患者の体温が第1期間にわたって目標温度範囲内に維持された後、本方法の次のステップは、低体温の継続を必要とするような、敗血症、敗血性ショックあるいは他の炎症性疾患が依然として存在するという徴候を観察または監視しながら、患者を再加温し始めることである。患者のこの再加温は、少なくともある場合には、以前に患者を冷却するのに使用された同じ熱交換機器を使用して実施されてもよい。低体温の継続を必要とする徴候が観察されない場合、患者の体温は正常体温まで再加温され、低体温の継続がもはや必要とされないかまたは指示されないことを十分な期間にわたって患者が示した後、熱交換機器を取除いてもよい。一方、低体温の継続を必要とする徴候が観察される場合、熱交換機器が使用されて、目標低体温温度(例えば、約35℃より低い)または目標範囲内(例えば、約32℃と約34℃との間)の温度まで患者を再冷却してもよい。患者の体温は、その後、第2期間にわたってこうした目標温度に(または、こうした目標温度範囲内に)維持されることになり、その後、再加温/観察プロセスが反復されることになる。再冷却/維持/再加温および観察は、低体温の継続を必要とする徴候が、再加温プロセス中に観察されなくなるまで、任意の回数、反復されてもよい。
敗血性ショックについて処置される患者において、低体温の継続が必要かどうかを判定するために、測定されるか連続的にまたは周期的に監視される変数は、敗血性ショックの上述した症状のうち、例えば発熱、頻呼吸、頻脈、低血圧などのような任意の症状を含んでもよい。同様に、他の変数を測定または監視し、患者を再加温し続けるかまたは低体温に戻るかを決定するための根拠として(個々にまたは組合せて)使用してもよい。例えば、混合静脈血酸素飽和度(SvO)の減少(または、別法として、混合静脈血内の酸素の分圧の減少)は、一般に、敗血性ショックおよび多臓器機能障害の兆候と思われる。SvOは、肺動脈を流れる混合静脈血内の酸素飽和度を測定するために、患者の肺動脈内にオキシメトリ電極を有する電極を挿入することによって連続的に監視されうる。同様に、敗血性ショックは、心拍出量の著しい増加に関連しうる。心拍出量は、患者の肺動脈内への流量検知カテーテルの配置による心拍出量の連続測定を含む当分野で公知の技法によって測定されうる。SvOと心拍出量の両方を連続してリアルタイムに監視するのに適した肺動脈カテーテルの一例は、Edwards Lifesciences Corporation(カルフォルニア州アーバイン所在)から入手可能なSwan−Ganz CCOmbo(商標)肺動脈カテーテルである。同様に、無侵襲で監視される結膜酸素分圧(PcjO)は、敗血性ショックの実験的動物モデルにおいてSvOの変化と相間があることが報告された。Van der Linden, J.,Modig, J.およびWiklund, L.著「Conjunctival Oxygen Tension Monitoring in Experimental Septic Shock」Journal of Clinical Monitoring and Computing;Vol.6,No.1,pp.37〜43(1989)。
敗血性ショックおよび多臓器機能障害を示す可能性がある別の臨床変数は、血清乳酸濃度である。尿中の乳酸レベルの上昇はまた、糖原病I型患者の血液中の乳酸レベルの増加に相間があることが示された。Hagen, T.,Korson, M.S.およびWolfsdorf, J.L.著「Urinary Lactate Excretion to Monitor the Efficacy of Treatment of Type I Glycogen Storage Disease;1」Mol Genet Metab.Vol.70,No.3,pp.189〜195(2000)。そのため、血液、尿(または、おそらく他の身体流体)内の乳酸濃度も、敗血症および敗血性ショックの重篤度の指標として監視対象となり得る。
同様に、血漿コルチゾールレベルの上昇は、一部の患者において、敗血性ショックに関連付けられた。副腎不全は、敗血症および敗血性ショックを患う患者の約30%で起こると思われる。副腎不全は、コシントロピン刺激によって診断され、コシントロピン刺激は、副腎皮質刺激ホルモン(コシントロピン250mcg,i.v.)の投与に対する30分と6分後の反応を測定することによって実施される。9mcg/dl未満の血漿コルチゾールの増加は副腎不全の兆候と考えられる。
患者の血液中の一酸化窒素または硝酸はまた、敗血性ショックの発症または重篤度を示す可能性がある。敗血性ショックでは、あるサイトカインとプロスタグランジンの生成が、内皮誘導性一酸化窒素の増加をもたらすと思われる。一酸化窒素は、細胞壁輸送メカニズムおよび細胞内因子の変化をもたらし、細胞内カルシウムの減少、その後、血管拡張ならびに血管収縮薬に対する耐性をもたらす。そのため、患者の血液中の一酸化窒素または硝酸レベルの監視は、敗血性ショックの発症または重篤度の指示を提供する可能性がある。例えば、不明確な発生源の循環系ショックを患う患者における血漿硝酸レベルの(例えば、100μmol/lを超える)上昇は、敗血性発生源の信頼性のある指標であると報告された。
同様に、敗血症または敗血性ショックの種々の他の細胞性介在物質や体液性介在物質はまた、測定されるかまたは連続して監視され、低体温治療の継続が示されるかどうかを決定するためのベースとして使用されてもよい。
図2〜3に示し、また、以降で述べる熱交換カテーテルなどの血管内熱交換装置は、患者を低体温ブラケットに包むなどの無侵襲手段によるのに比べて、低体温が、より急速に、かつ、実質的により大きな制御を持って誘発されることを可能にする可能性がある。患者が最初に冷却される目標温度は、通常、約35℃より低温、好ましくは、約32℃と約34℃との間であることになる。本発明では、全身体低体温または部分身体低体温が使用されてもよい。全身体低体温が使用されると、患者の中核温が、第1期間にわたって監視され、所望の目標温度に維持されてもよい。部分身体低体温が使用されると、身体の所望の器官、肢、または解剖学的部分の温度が、監視され、所望の温度にまたは所望の温度範囲内に維持されることになる。低体温と同時に、患者は、低体温による悪寒戦慄または不快を抑制または軽減するために、麻酔をかけられてもよく、あるいは、薬物療法または他の治療を受けてもよい。低体温処置中に悪寒戦慄または不快を最小にするために施行されてもよい薬物療法の例は、PCT国際出願第PCT/US00/20321号に記載される。悪寒戦慄を抑制するのに使用される特定の薬物は、メペリジン、バスピロン、デクスメデトミジン、または、その組合せを含んでもよい。代替法において、悪寒戦慄抑制薬を投与することが望ましくない場合、患者の体温は、(所望の治療効果の少なくとも一部を達成するために)ある程度下げられるが、悪寒戦慄閾値より高く維持されてもよい。その悪寒戦慄閾値は、通常、人の患者では、35℃と35.5℃との間の中核温にある。
低体温は、少なくとも、医師が、患者の状態を十分に評価し、また、感染または他の潜在的疾患を処置することを可能にするのに十分な期間にわたって、唯一の処置として試行されてもよい。ある場合には、潜在的な敗血症、敗血性ショックあるいは全身性炎症または感染疾患についての他の処置の施行と同時に、本発明による低体温を施行することが望ましい可能性がある。敗血症または敗血性ショックの場合、本発明の低体温処置と組合されてもよい他の処置の例は、抗生物質または抗菌薬の投与、ステロイドまたは他の抗炎症性薬、抗血栓性薬の投与、水和、電解液および酸塩基平衡の維持、機械式換気、肺うっ血を軽減するための胸部物理的治療/吸引などを含むが、それに限定されない。本発明による低体温の適用は、全身性炎症を抑制することに加えて、低酸素症や循環の低下に対する組織や器官の全体的な損傷を同時に低減する可能性がある。例えば、低体温の適用は、全身性炎症の低減と同時に、低酸素症や患者の状態に関連する循環的影響によって、酸素を渇望する可能性がある器官または組織の代謝レートおよび酸素需要を低下させる可能性がある。この点で、低体温は、一般に筋保護性がある(すなわち、低体温または虚血のような傷害による損傷に対して筋肉細胞を保護する)ことがわかっており、血管内低体温は、血液が心臓に入る直前にIVC内の血液に適用される場合、同時に、心筋に対する損傷または心筋の梗塞に対する保護を提供するであろう。同様に、低体温は、一般に神経保護性があることが示されており、敗血性ショックおよび他のショック状態において起こる可能性がある低酸素症または虚血損傷に対して脳組織を保護する可能性がある。
本発明の方法は、敗血症、敗血性ショックあるいは全身性炎症の処置における使用に限定されない。むしろ、本発明はまた、身体の全てまたは一部分を加温または冷却することが、上述した血管内熱交換カテーテルを使用して実施され、また、監視装置(例えば、センサまたは他の適した監視装置)が使用されて、加温速度または冷却速度が速過ぎる(または、あまりにも早期に開始されている)こと、あるいは、身体または身体部分が、過剰に加温されるかまたは冷却されたことを示す、好ましくない症状または好ましくない臨床変数の変化(例えば、生理的変数、生化学的変数、身体的変化など)の発生が監視される。こうした症状または臨床変数の変化が観察される場合、改善的処置(例えば、冷却または加温を逆にすること、現在の温度を頭打ちの状態にし、維持すること、あるいは、冷却速度または加温速度を調整すること)がとられる。ある場合には、症状または臨床変数の変化は、被検者が、治療的低体温または高体温によってそれについて最初に処置された最初の疾患の症状または徴候の、再加温または再冷却中の再発生である可能性がある。他の場合には、症状または臨床変数の変化は、加温または冷却プロセスに関連する何らかの他の有害なまたは望まれない作用の発生である可能性がある。本発明は、さらに、これらの方法を実行するシステムを含み、こうしたシステムは、i)被検者の脈管構造内に挿入可能で、かつ、被検者の脈管構造を流れる血液を加温または冷却するために使用可能であり、それにより、被検者の身体の全てまたは一部分を加温または冷却する熱交換カテーテルと、ii)加温速度または冷却速度が速過ぎること、または、身体または身体部分が過剰に加温されるかまたは冷却されたことを示す、好ましくない症状または好ましくない臨床変数の変化の発生を監視する監視装置(例えば、センサ)と、iii)監視装置から信号を受信し、好ましくない症状または好ましくない臨床変数の変化が起こったことを、監視装置から受信される信号が示す場合、加温または冷却の速度または量を変更するようプログラムされ、作動するコントローラとを備える。こうしたシステムは、疾患を処置するために、治療的低体温のある期間後に被検者を再加温する間、または、治療的高体温のある期間後に被検者を再冷却する間使用されてもよい。こうした場合、監視装置は、治療的低体温または高体温が、さらなる期間継続されるべきであることを示す、最初の疾患の症状または臨床変数の変化の再発生を監視してもよい。他の用途では、監視装置は、冷却または加温を現在の速度で継続することが、被検者にとって安全でないか有害のおそれがあることを示す、症状または臨床変数の変化の発生を監視するのに使用されてもよい。こうした場合、コントローラは、冷却または加温を現在の速度で継続することが、安全でないか有害のおそれがあることを症状または臨床変数の変化が示すことを、監視装置から受信される信号が示すことに応答して、さらなる冷却または加温を遅延させるか、または、冷却速度または加温速度を変更するようプログラムされてもよい。
例えば、低体温患者は、再加温されると、徐脈、1次AVブロック、オスボーン波を有する幅広のQRS群、およびQT延長などの洞可逆性心電図変化を時として示しうる。Markus, L.等著「Reversible Electrocardiographic Changes in Hypothermia」Zeitschrift fur Kardiologie;Vol.93,No.8,pp.630〜633(August 2004)。少なくともある場合、これらの好ましくない心電図変化の1つまたは複数が観察されると、再加温速度を調整し、現在の体温に保持するかまたはさらに、被検者の体温をある所望の量だけ再び下げること、あるいは、被検者の心電図のこうした好ましくない変化の発生を考慮して、その他の方法で改善的処置をとることが望ましい場合がある。
同様に、本発明は、一般に、本明細書で述べるタイプの血管内熱交換システムが使用されて、被検者の身体の全てまたは一部分が加温されるかまたは冷却され、監視装置が使用されて、何らかの好ましくない症状または臨床変数の変化が監視される、方法およびシステムを含む。応答して、さらなる冷却または加温が停止されてもよく、また、被検者の体温が、所望の期間にわたってその体温に維持されてもよい。例えば、特定の疾患を処置するために、被検者が冷却されるかまたは加温される場合、監視装置は、その疾患の症状の所望の休止または減少を監視してもよく、症状のその所望の休止または減少が起こると、被検者の体温は、再加温または再冷却が試みられる前に、ある所望の期間にわたって、その時点の温度に維持されてもよい。同様に、最初の疾患の症状が再発するかまたは重篤になることを監視装置が示す場合、さらなる冷却または加温はその観察に応答して実施されてもよい。
B.本発明で使用可能な血管内熱交換カテーテルシステム
図2から3は、一般に、本発明の熱交換カテーテルシステム10の一例を示す。後述する、敗血症または敗血性ショックを示す変数を監視するセンサおよびセンサに関連するフィードバック制御を除いて、この熱交換カテーテルシステム10のさらなる詳細は2006年6月29日に出願された「Devices, Systems and Methods for Rapid Endovascular Cooling」という名称の米国特許出願第11/479961号に記載され、その特許出願は、参照により本明細書に明示的に組込まれる。この例では、熱交換カテーテルシステム10は、一般に、a)熱交換カテーテル12、b)体外熱交換器14、c)冷却器16や加熱器18、d)体温測定装置17、ならびに、e)プログラマブルコントローラ20を備える。ある例では、冷却器16および加熱器18は、加熱と冷却を交代に行う単一装置(例えば、熱電冷却器/加熱器)に組合されるかまたは一体化されてもよく、一方、他の例では、別個の冷却器16(例えば、冷凍機、凝縮器、熱電冷却器、冷たい物質塊)と別個の加熱器(例えば、抵抗加熱器、熱電加熱器、暖かい物質塊など)を使用することができる。
図2Aおよび3から理解されるように、熱交換カテーテル12は、一般に、体内熱交換器28が搭載されている細長いカテーテル本体21を備える。図3Aの断面に示すように、カテーテルの近位部分は、第1熱交換流体管腔24を有する近位軸21a、第2熱交換流体管腔26、および作動管腔22aを備える。近位軸21aの遠位端で、または、遠位端の近くで、第1熱交換流体管腔24は終端し、開口を通して3つの全体が円柱のバルーンローブ29a、29b、および29c内に連通するため、熱交換流体は、バルーンローブ29a、29b、および29cの近位部分から出て、第1熱交換流体管腔24に流入する。そのため、この特定の例では、第1熱交換流体管腔24は、体内熱交換器28から体外熱交換器へ戻るように熱交換流体の流出物を運ぶ。
図3Bの断面に見られるように、バルーンローブ29a、29b、および29cは、カテーテル軸の中央部分21bの周りでねじられるか、巻かれるか、またはその他の方法でらせん状に配設される。この例では、カテーテル軸の中央部分21bは、近位作動管腔22aの連続部または延長部に接続され、かつ、それを形成する管腔22bを有する小さなチューブ23と共に、第2熱交換流体管腔26の連続部または延長部を備える。バルーンローブ29a、29b、および29cならびに第2熱交換流体管腔26は、カテーテル軸の中央部分21bの遠位端で終端する。同様に、カテーテル軸の中央部分21bの遠位端で、または、遠位端の近くで、第2熱交換流体管腔26は終端するとともに開口を通して3つの全体が円柱のバルーンローブ29a、29b、および29c内に連通するため、熱交換流体は、第2熱交換流体管腔26からバルーンローブ29a、29b、および29cの遠位部分に流入する。そのため、この特定の例では、第2熱交換流体管腔26は、熱交換流体の流入物を体内熱交換器28に運ぶ。カテーテルへのバルーンローブの取付けは、ここで述べる熱交換流体の循環を確保するための任意の適切な方法で実施されてもよい。1つのこうした方法は、米国特許第6610083号(Keller他)に詳細に記載され、その特許は参照により本明細書に明示的に組込まれる。
図3Cの断面に示すように、カテーテル軸の遠位部分21cは、バルーンローブ29a、29b、および29cの遠位端を越えて延在する。作動管腔22bを有するチューブ23はカテーテル軸のこの遠位部分21cを連続的に延びており、その管腔22bはカテーテル12の遠位先端にあるアパーチャを介して開放されている。そのため、こうして近位カテーテル軸21aの作動管腔22aと、中央部分および遠位カテーテル軸21b、21cの作動管腔22bとが結合して、熱交換カテーテル12の軸21を貫通する連続作動管腔を形成する。一部の実施形態では、ガイドワイヤやカテーテルの迅速な交換を容易にするためにカテーテル軸21の全長よりも短く延びる作動管腔を設けることができる。こうした作動管腔22a、22bは、ガイドワイヤに沿うカテーテル12の前進を容易にしたり、流体(例えば、生理食塩水、治療または診断物質、x線撮影用造影剤など)の注入を容易にしたり、被検者の身体内への別のカテーテルまたは装置の導入を容易にするであろうと当業者であれば理解できるであろう。作動管腔22a、22bを通って進められる可能性がある別の装置の一例は、実施形態の血管内体温測定装置17(例えば、カテーテル12または軸21の遠位先端から出て進めることができ、かつ、被検者の流れる血液の温度を検知するのに使用可能な温度センサを有するカテーテルまたはワイヤ)である。作動管腔22a、22bを通って進められる可能性がある実施形態の血管内体温測定装置17の一例は、Radiant Medical, Inc.(カルフォルニア州レッドウッド市所在)によって製造されたReprieve(登録商標)血管内温度プローブである。
図1に示すように、カテーテル軸21の近位端は、近位ハブ34と遠位ハブ38との間に配設されて全体が管状の柔軟な無菌バリア36を備えてもよい。近位ハブ34がカテーテル軸21に実質的に固定方式で固着されながら、カテーテル軸21は遠位ハブ38を通して摺動式に前進後退してもよい。カテーテル軸21を経皮的に被検者の身体内に挿入する位置の直ぐ隣の位置で、縫合、接着剤、または他の手段によって遠位ハブ38を被検者の皮膚に固着してもよい。最初の挿入時に、カテーテル軸21は、所望の初期位置まで被検者の身体内を進められる。用途によっては、身体内での体内熱交換器28の特定の位置決めは、体内熱交換器28が被検者の身体を加熱または冷却する効率および迅速性に影響を及ぼす可能性がある。この点で、本発明のある種の熱交換カテーテル12は、身体内の所望位置に(例えば、下大静脈内に)体内熱交換器28全体を位置決めすることを容易にするために使用可能なオプションの要素を含んでもよい。こうしたオプションの要素の例は、図4A〜4Dに示され、以降で述べられる。カテーテル軸21が所望の初期位置まで進められた後、無菌バリア36がカテーテル軸21の露出部分を包み露出部分の無菌性を維持するように、近位ハブおよび遠位ハブは被検者の皮膚に固着される。後で、カテーテル12の部分を調整することが望まれる場合、近位ハブ34は、被検者の身体から取外され、必要に応じて、カテーテル軸が遠位ハブ38を通してさらに前進または後退してもよい。カテーテル12の所望の再位置決めが実施されると、近位ハブ34は被検者の身体にもう一度固着されてもよく、無菌バリア36はカテーテル軸21の露出部分を汚染からシールドし続けることになる。この配置構成、ならびに、カテーテル装置12の近位端内に組込まれてもよい他のバルビングシステムおよび他の要素のさらなる詳細は、米国特許第6887263号(Bleam他)に記載され、その特許は、参照により本明細書に明示的に組込まれる。
Tuohy-Borst弁付き管等の弁付きポート42を、近位作動管腔22aの近位端に取付けることで、ガイドワイヤの進行、流体(例えば、生理食塩水、治療または診断物質、x線撮影用造影剤など)の注入、または、作動管腔22a、22bを通した被検者の身体への他のカテーテルまたは装置の導入が容易になる。
一方の腕にコック栓を有するY管などの第2弁付きポート40を、第1熱交換管腔24の近位端に取付けることで、熱交換流体によるシステムの最初の充満中に、システムから空気または好ましくない流体を排気またはパージすることが容易になる。
図1を参照すると、体外熱交換器14は内側チューブ32を有するシェル30を備える。流出管45は、第1熱交換管腔24と内側チューブ32の入口とを接続し、流入管43は、内側チューブ32の出口と第2熱交換管腔26とを接続する。こうして、熱交換流体は、体外熱交換器14の内側チューブ32から第2(流入)熱交換管腔26を通り、バルーンローブ29a、29b、29cの遠位部分に入り、近位方向にバルーンローブ29a、29b、29cを通り、第1(流出)熱交換管腔24に入り、管5を通って体外熱交換器14の内側チューブ32内に戻るように圧送される。管15は、体外熱交換器14のシェル30からの出口を冷却器16や加熱器18に接続する。管19は、冷却器16や加熱器18を体外熱交換器14のシェル30の入口に接続する。こうして、加熱された流体または冷却された流体(例えば、プロピレングリコールまたは他の適した熱交換流体などのグリコール)は、冷却器16や加熱器18から管19を通り、体外熱交換器14のシェル30を通り、管15を通り、再び冷却器16や加熱器18を通って循環する。
オペレータは、コントローラ20に目標体温を入力する。コントローラ20は、体温測定装置17と通信し、被検者の身体の全てまたは一部分の温度を示す信号を受信する。コントローラ20は、a)冷却器16や加熱器18の動作、b)体外熱交換器を通る加熱された流体または冷却された流体の流量、c)体外熱交換器14を通る熱交換流体の流量や体内熱交換器28を通る熱交換流体の流量のうちの1つまたは複数を制御して、被検者の身体が所望の目標体温まで冷却されるかまたは加温されるようにさせ、所望の期間にわたり、こうした目標体温を維持する。さらに、少なくとも一部の実施形態では、コントローラ20は、被検者の体温が、第1期間にわたって目標温度に維持された後、再加温プロシジャを実施するようにプログラムされてもよい(図1の方法のフロー図を参照されたい)。この点で、システム10は、オペレータが再加温プロセスを開始するためのコマンドを入力するために、キーボードまたは他の装置を含んでもよい。こうした再加温プロセスが開始されると、コントローラ20は体内熱交換器28を通して循環する熱交換流体の温度を連続してまたは段階的に上げて、被検者の体温を上げることになる。こうした再加温プロセス中に、1つまたは複数の変数を連続してまたは選択された時点で測定または監視して、再冷却および低体温の継続が必要となる敗血症または敗血性ショックの継続の徴候を被検者が示しているかどうか判定したり、被検者の身体を正常体温まで再加温することを継続してもかまわない程度に敗血性ショックが沈静したように見えるかどうかを判定してもよい。こうした変数の測定または監視は、手作業で実施されてもよいが、ある場合には、システム10が、再冷却および低体温の継続が必要となる敗血症または敗血性ショックの継続の徴候を被検者が示しているか、または、被検者の身体を正常体温まで再加温することを継続してもかまわない程度に敗血性ショックが沈静したように見えるかどうかを示す1つまたは複数の変数を測定または監視する1つまたは複数のさらなるセンサ17xを含んでもよい。こうしたさらなるセンサ17xを含む実施形態では、さらなるセンサ17xは、測定または監視する変数をコントローラ20に供給し、コントローラ20は、さらに、こうした測定または監視された変数を、予めプログラムされた許容可能なパラメータと比較し、それに基づいて、a)被検者を再加温し続ける、または、b)被検者を再冷却し、第2期間にわたって低体温を継続するようにプログラムされてもよい。上述したように、さらなるセンサ17xが測定または監視する変数のタイプは、心拍数、呼吸数、動脈血圧、混合静脈血酸素飽和度(SvO)(または、別法として、混合静脈血内の酸素分圧)、結膜酸素分圧(PcjO)、血液、尿、または他の身体流体内の乳酸濃度や、敗血症または敗血性ショックの他の細胞性または体液性指標を含み得るが、それに限定されない。この例では、さらなるセンサ17xは、SvOと心拍出量の両方を連続監視するために装備される肺動脈カテーテル(例えば、Edwards Lifesciences Corporation(カルフォルニア州アーバイン所在)から入手可能なSwan−Ganz CCOmbo(商標)肺動脈カテーテル)を備えてもよく、コントローラ20は、監視されたSvOおよび心拍出量データをセンサ17xから受信し、被検者が敗血性ショック状態のままであることを、監視されたSvOおよび心拍出量データが示すかどうか、また、いつ示すかを判定するようにプログラムされる。例えば、心指数が3l/分/mより下がる場合、SvOが70%より下がるかまたは乳酸が上がる>4mmol/l(36mg/dl)場合、または、平均動脈圧、MAPが65mmHgより下がる場合、再加温を継続すべきではない。監視しているSvOおよび心拍出量データが、処置可能な敗血性ショックを被検者が患い続けていることを示すとコントローラ20が再加温中に判定した場合、コントローラは、その後、最初の目標温度(または、現在の体温より徐々に下がるある他の温度)に自動的に再セットして、被検者の体温が再び下げられて、第2期間にわたって、または、オペレータが再び再加温プロセスを開始するための命令を入力するときまでこうした低い温度に維持されるようにプログラムされてもよい。再加温プロファイルは、0.1〜0.5℃/時間の連続的低速度にセットされうる。
カテーテル12の初期挿入中、バルーンローブ29a、29b、29cは、収縮し、直径が隣接するカテーテル軸21と同じかまたはほんの少し大きい小型形状につぶれている。カテーテル12が被検者の脈管構造内に挿入された後、熱交換流体がバルーンローブ29a、29b、29cに流入可能となり、それにより、ローブが膨張または拡張する。(ローブが流体で実質的に満たされてその完全に拡張したサイズおよび形状をとるという意味で、ローブは「膨張」する。しかし、少なくとも一部の実施形態では、ローブは、0.00040インチと0.00065インチの間の壁厚を有する、非コンプライアントまたは半コンプライアントな(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはナイロン)バルーンであってよいと理解される。)そのため、体内熱交換器28は、バルーンローブ29a、29b、29cが空でつぶれているときに第1外接直径Dを有し、バルーンローブ29a、29b、29cが完全に満たされ膨張したとき第2外接直径Dを有するバルーンを有することになる。第1外接直径Dは、カテーテル12が所望のサイズの血管導入器を通して挿入されることが可能になるのに十分に小さいことが望ましい。さらに、熱交換の効率および迅速性は多数の因子によって直接影響を受ける。因子の1つは、膨張したバルーンローブ29a、29b、29cの血液に接触する表面積である。本質的には、バルーンローブ29a、29b、29cの血液に接触する表面積が大きくなればなるほど血液冷却または加温の効率および迅速性が大きくなる。しかし、第2外接直径Dは、通常、その血管腔を通る血液の流れを実質的に妨害しないように、体内熱交換器28がその中に位置決めされる血管腔の直径より小さくあるべきである。従来技術の血管内熱交換バルーンに優る本発明のマルチローブバルーン28の利点は、本発明の熱交換バルーン28が血管の管腔直径に近いかまたは同じ第2外接直径Dまで血管内で拡張し得るものの、その結果得られる血管腔の閉塞断面積が、ローブ29a、29b、29cのサイズおよびローブ29a、29b、29c間の流路の存在によって、約50%に制限されることである。これは、断面積の64%に相当する閉塞が、フィルタの前後に圧力勾配を発生させることなく起こった、グリーンフィールドIVCフィルタ、円錐形状スクリーンタイプデバイスのインビボ試験に匹敵する。
図2および2Aに示すような、カテーテルを大腿静脈内に挿入して下大静脈内の位置に進める用途では、12〜14フレンチよりも大きくない血管導入器を使用するのが望ましい。そのため、大腿挿入を意図される実施形態では、第1外接直径Dは約4.7mm未満であるか、ある場合には、約4.5mm未満であるか、またはそうでなければ、14フレンチ以下の血管導入器に嵌って通過する大きさに作られることが好ましい。成人の人の下大静脈の管腔は、通常、20〜22mmの平均直径を有する。そのため、血液の流れを実質的に妨害しないようにしながら、冷却または加温の効率や迅速性を最大にするために、大腿挿入および成人の下大静脈内への体内熱交換器28の進行を意図した実施形態では、第2外接直径Dが約14mmより大きいことは好ましい。相応して、カテーテル12にこうした実施形態では、第2外接直径Dは、望ましくは、第1外接直径Dの少なくとも約3倍より大きいことになる。
本発明は、本発明のいくつかの例または実施形態を参照して先に述べられたが、本発明の意図される精神および範囲から逸脱することなく、これらの例および実施形態に対して、種々の追加、削除、変更、および修正が行われてもよいことが理解される。例えば、1つの実施形態または例の任意の要素または属性は、別途指定されない限り、または、そうすることが、実施形態または例をその意図される使用に不適にすることにならなければ、別の実施形態または例に組込まれてもよく、または、それと共に使用されてもよい。同様に、方法またはプロセスのステップが、特定の順序で述べられるかまたは挙げられた場合、こうしたステップの順序は、別途指定されない限り、または、そうすることが、方法またはプロセスをその意図される目的のために実行不可能にすることにならなければ、変更されてもよい。全ての合理的な追加、削除、変更、および修正は、上述の例および実施形態の等価物であると考えられ、添付した特許請求項の範囲内に含まれる。

Claims (6)

  1. 血症あるいは敗血性ショックを患っているかまたは発症する可能性があるという初期診断または臨床的所見がなされた人または動物の被検者に対し低体温治療を提供する治療的低体温システムであって、
    前記被検者の脈管構造内に挿入可能な熱交換カテーテルと、
    前記熱交換カテーテルを通る熱交換流体を循環させることによって前記被検者の脈管構造を流れる血液を加温または冷却し、それにより、前記被検者の身体を加温または冷却する熱交換流体循環装置と、
    前記被検者の身体の温度を監視する体温センサと、
    血症あるいは敗血性ショックの重篤度を示す少なくとも1つの臨床変数であって
    合静脈血酸素飽和度(SvO)、
    混合静脈血内の酸素分圧、
    結膜酸素分圧(PcjO)、または
    血液、血清、尿、または他の身体流体内の乳酸濃
    らなる群から選択されるものである前記少なくとも1つの臨床変数を検知するための少なくとも1つの臨床変数センサと、
    i)目標低体温温度の入力と、ii)前記被験者の現在体温を示す前記体温センサからの信号及び前記少なくとも1つの臨床変数の変化を示す前記臨床変数センサからの信号とを受信するコントローラとを備え、
    前記熱交換流体循環装置が初めに前記被験者の身体を前記目標低体温温度に冷却し、当該目標低体温温度を所望の低体温期間にわたって維持するように前記コントローラはプログラムされており、
    前記コントローラは、前記所望の低体温期間の後に前記熱交換流体循環装置に前記被験者の身体の再加温を開始させ、その再加温中に前記少なくとも1つの臨床変数が敗血症あるいは敗血性ショックの重篤度の悪化を示すように変化した場合、i)前記再加温を停止し、前記被験者の身体を更なる低体温期間にわたって低体温温度に再冷却すること、あるいは、ii)更なる再加温を遅延させること、あるいは、iii)再加温の速度を変更することから選択される再医療行為を前記熱交換流体循環装置に行わせるようさらにプログラムされている前記治療的低体温システム。
  2. 前記コントローラが行わせる前記再医療行為は、前記熱交換流体循環装置に、前記被験者の身体を前記目標低体温温度にまたは目標低体温範囲の温度に第2期間にわたって再冷却させ、その後、前記再加温を開始することを備える請求項1に記載のシステム。
  3. 前記少なくとも1つの臨床変数センサは混合静脈血酸素飽和度(SvO)を測定する肺動脈カテーテルを含み、前記コントローラは再加温中に70%未満のSvOを検知したときに前記再医療行為を行わせるようにプログラムされている請求項1に記載のシステム。
  4. 前記少なくとも1つの臨床変数センサは心拍出量を測定する肺動脈カテーテルを含み、前記コントローラは再加温中に前記被験者の心指数が3l/分/mより下がる場合に前記再医療行為を行わせるようにプログラムされている請求項1に記載のシステム。
  5. 前記少なくとも1つの臨床変数センサは動脈圧モニタを含み、前記コントローラは再加温中に前記被験者の平均動脈圧が65mmHgより下がる場合に前記再医療行為を行わせるようにプログラムされている請求項1に記載のシステム。
  6. 前記少なくとも1つの臨床変数センサは血中乳酸センサを含み、前記コントローラは再加温中に前記被験者の血中乳酸が4mmol/l(36mg/dl)を超える場合に前記再医療行為を行わせるようにプログラムされている請求項1に記載のシステム。
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