JP5553202B2 - 距離測定装置及び距離測定方法 - Google Patents
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Description
近年、環境認識へのニーズが高まっており、例えば、自動車にステレオカメラを搭載して、運転者に周囲の歩行者の有無などの情報を提供し、運転支援をするシステムが実用化されつつある。
ステレオカメラでは遠くの物体ほど視差dが小さくなるため、測定誤差が大きくなってしまう。遠くの物体の距離を測定する場合、基線長Bを長くすれば視差dが大きくなり測定精度を高くできるが、図2に示されるように、対応点が離れてしまうため対応点の探索に時間が掛かる。また、物体の見え方が変わるため、対応点の探索が難しくなるという問題がある。なお、図2はステレオカメラのカメラ位置による物体の見え方の違いを示しており、(a)は基線長が短い場合、(b)は基線長が長い場合である。
そのため、長基線長のステレオカメラと短基線長のステレオカメラを組み合わせる方式や、短基線長の時に対応点を探索し、撮像装置を個々に移動させながら対応点を追跡して、物体が写る範囲内で基線長を最大まで延長する方式が提案されている。
また、基線長を延長させる方式では、カメラを移動させている間に対応点を探索し続ける必要があるため、計算負荷が高くなる。さらに、物体が両方のカメラに写る限界まで基線長を延長するため、必要以上に基線長を延長してしまう可能性があり、カメラの移動時間が長くなり、不必要に測定時間が掛かってしまうという問題がある。
この従来の距離測定装置は、図6に示されるように、2台のステレオカメラ31a、31bを有する撮像部31と、一対の画像の中から対応点を探索する対応点探索部32と、2台のステレオカメラ31a、31bを移動させるカメラ制御部33と、2台のステレオカメラ31a、31bが移動したとき各対応点を追跡する対応点追跡部34と、物体までの距離を算出する距離計算部35を備えている。
しかし、この距離測定装置では、上述した従来例と同様に、計算負荷が高く測定時間が長いという問題を有しており、従来からの問題点は解決されていない。
(1) 本発明に係る距離測定装置(請求項1に対応)は、物体を撮影する複数の撮像手段と、
前記撮像手段のうち2つ以上の撮像手段からの画像により、物体までの距離を算出する距離計算手段と、
前記撮像手段の位置を制御する位置制御手段と、
前記距離計算手段により第1の基線長にて算出された物体までの距離によって、要求精度を達成するために必要な第2の基線長を算出する基線長計算手段と、
前記基線長計算手段が算出した第2の基線長を記憶する基線長記憶手段とを備え、
前記第1の基線長が第2の基線長よりも短い場合に、前記位置制御手段は、前記基線長記憶手段に記憶された第2の基線長に基づき前記撮像手段の位置を制御して距離測定を行い、
さらに、前記位置制御手段は、距離測定の終了時、又は距離測定装置の起動時や終了時において、最短基線長になるように前記撮像手段の位置を制御することである。
このように、初めに、距離測定での要求精度を満たすために必要な基線長(第2の基線長)を算出し、次に、この算出された基線長の状態で距離測定を行うことにより、多くのカメラ位置で距離測定をする必要がないため、計算負荷や測定時間を減らすことができる。
このような構成によって、移動量記憶手段により撮像手段の移動量を記憶することができるので、撮像手段の基線長方向の位置や基線長を正確に検出することができる。
このような構成によって、位置検出手段で各撮像手段の位置を検出することにより、基線長を検出することができるため、撮像手段の位置についてフィードバック制御が可能となり、より精度の高い距離測定を行うことができる。
このような構成によって、必要となる位置制御手段や位置検出手段を少なくすることができるため、構成が簡単になり製作コストを低減することができる。
このような構成によって、2つの撮像手段の移動量が等しくなるようにすると、測定可能範囲(測定対象が両方のカメラに写り込む範囲)の中心が基線長の中心になるため、例えば、自動車の中央に距離測定装置を搭載した時に、自動車を中心とした範囲で距離を測定することができる。このように、2つの撮像手段の移動量が等しいと、2つの画像の対応点の移動量も等しくなるため、対応点の探索が容易になる。
このような構成によって、測定対象の距離に対して適切な基線長をとることによって近距離から遠距離まで距離測定を行うことができる。
このような構成によって、基線長計算手段で算出された第2の基線長が位置制御手段により設定できない場合は、測定された物体までの距離が要求精度を満たしていないことになるので、これを警告メッセージにより報知することができる。
前記撮像手段間の距離が第1の基線長の状態で物体までの距離測定を行い、
この測定した物体までの距離によって、要求精度を達成するために必要な第2の基線長を算出し、
前記第1の基線長が第2の基線長よりも短い場合、前記撮像手段間の距離を第2の基線長に延長して、物体までの距離測定を行い、
前記距離測定の終了時、又は距離測定装置の起動時や終了時において、前記撮像手段間の距離を最短基線長にすることである。
なお、第1の基線長が第2の基線長と同等か、又はそれよりも長い場合は、第1の基線長の状態で測定した距離が、要求精度を満たしている物体までの距離となる。
このように、初めに、距離測定での要求精度を満たすために必要な基線長を算出し、次に、この算出された基線長の状態で距離測定を行うことにより、多くのカメラ位置で距離測定をする必要がないため、計算負荷や測定時間を減らすことができる。
初めに、測定した物体までの距離によって、距離測定での要求精度を満たすために必要な基線長を算出し、次に、基線長を前記算出された基線長に延長した状態で距離測定を行うことにより、多くのカメラ位置で距離測定をする必要がないため、計算負荷や測定時間を減らすことができる。
また、基線長を算出された基線長まで延長するので、不必要に基線長を延ばすことがなく、要求精度を満たす距離測定を短時間で効率的に行うことができる。
以下に、本発明による実施例1及び実施例2について、図1〜図5を用いて説明する。
本実施例1の距離測定装置は、第1のカメラ10aと第2のカメラ10bを備え、この2台のカメラ10a、10bからの画像を用いて物体までの距離を測定をする。
上記第2のカメラ10bには、位置を変更する位置制御部18と移動量記憶部19が設けられており、この位置制御部18は第2のカメラ10bの位置を基線長方向にのみ移動させることができる。また、上記移動量記憶部19は、装置組み付け時の初期位置からの移動量、即ち、第2のカメラ10bの絶対移動量ubを記憶する。
このように、第1及び第2のカメラ10a、10bの基線長を変更する手段が簡易な構成であるため、低コスト化を図ることができる。
先ず、基線長がB1の状態において(ステップS1)、第1のカメラ10aと第2のカメラ10bから画像を取り込む(ステップS2)。それぞれのカメラ10a、10bからの画像は、理想ピンホールモデルで得る画像に変換するために、画像処理部11で補正される(ステップS3)。この画像処理部11では、例えば倍率補正、画像中心補正、又は歪補正が行われる。
上記第1及び第2のカメラ10a、10bの間隔(基線長)B1は、B1=B0+ubであるから、物体までの距離Z1は次式で算出される。
Z1/B1=f/d1
上記距離計算部13で算出された物体までの距離Z1は、距離記憶部14に記憶される。
視差dには様々な要因により誤差Δdが乗ってくる。距離測定において満たさなければならない精度がZ±ΔZであるとすると、視差誤差の許容値Δdmaxは、
このとき基線長Bが、
Z=Z1(基線長B1で測定した距離)を使って、式(2)より距離測定の精度が要求精度を満たす基線長B2を算出する(ステップS6)。また、基線長B1における距離測定の誤差ΔZ1を見積もり、Z=Z1+△Z1として基線長B2を算出してもよい。基線長計算部15で算出された基線長B2は、基線長記憶部16に記憶される。
要求精度以上で距離測定を行うためには、基線長をB2に延長する必要がある。
移動量計算部17は、基線長をB2に延長するために必要な第2のカメラ10bの移動量を算出する。第2のカメラ10bの移動量はB2−B1である。B2−B1だけ第2のカメラ10bを移動するときに、その可動範囲や測定対象を撮影できる位置を超えている場合は、距離測定装置が警告を出す手段を備えていてもよい。また、基線長をB2にするために、必要な移動量と、第2のカメラ10bの可動範囲と、測定対象を撮影できる第2のカメラ10bの位置の範囲を比較して、相対移動量を算出してもよい。
上記位置制御部18により基線長をB2に延長した状態で、第1及び第2のカメラ10a、10bで物体を撮影し画像を取り込み(ステップS9)、画像処理部11で画像処理をした後、視差算出部12において2つの画像の対応点を検出し視差d2の算出を行う。この視差d2の算出を行う際に、第1のカメラ10aの画像は変化していないが、第2のカメラ10bの画像は変化しているため、対応点の探索をする必要がある。この対応点の探索では、既に距離計算部13で算出された距離Z1と第2のカメラ10bの移動量から、対応点の位置を予測することができるため、予測位置を中心に対応点の探索を行うことにより計算負荷を減らすことができる。
このように、距離測定の精度が要求精度を満たすのに必要な基線長B2を算出することにより、多くのカメラ位置で距離測定をする必要がないため、計算負荷や測定時間を減らすことができる。
このように、出力部20には距離計算部13で算出された物体までの距離Zが出力されるが、上記ステップS7において、基線長B2>基線長B1である場合には、基線長B1の状態で測定した距離Z1は要求精度を満たしていないことになるので、上記ステップ10において算出された距離Z2が物体までの距離Zとして出力される。一方、基線長B2>基線長B1でない場合(基線長B2≦基線長B1の場合)には、基線長B1の状態で測定した距離Z1は要求精度を満たしていることになるので、上記ステップ5において算出された距離Z1が物体までの距離Zとして出力される。
本実施例2の距離測定装置は、第1のカメラ10aと第2のカメラ10bを備え、この2台のカメラ10a、10bからの画像を用いて物体までの距離を測定をする。
上記第1及び第2のカメラ10a、10bは、それぞれの位置を変更する位置制御部18a、18bと、それぞれの位置を検出するための位置検出部18c、18dを備えている。この位置制御部18a、18bは、それぞれのカメラ10a、10bを基線長方向に移動させることができる。また、上記位置検出部18c、18dはそれぞれのカメラ10a、10bの位置を検出することができるので、基線長を正確に知ることができる。
そして、本実施例2の距離測定装置は、上記実施例1のものと同様に、画像処理部11、視差算出部12、距離計算部13、距離記憶部14、基線長計算部15、基線長記憶部16、移動量計算部17、及び出力部20を備えている。
先ず、基線長がB1の状態において(ステップS1)、第1及び第2のカメラ10a、10bから画像を取り込む(ステップS2)。それぞれのカメラ10a、10bからの画像は、理想ピンホールモデルで得る画像に変換するために、画像処理部11で補正される(ステップS3)。この画像処理部11では、例えば倍率補正、画像中心補正、又は歪補正が行われる。
上記第1及び第2のカメラ10a、10bの間隔(基線長)B1は、B1=xa−xbであるから、物体までの距離Z1は次式で算出される。
Z1/B1=f/d1
上記距離計算部13で算出された物体までの距離Z1は、距離記憶部14に記憶される。
基線長B2>基線長B1の場合は、基線長B1の状態で測定した距離Z1は要求精度を満たしていないことになり(ステップS7)、基線長をB2に延長して距離測定を行う必要があるので、移動量計算部17は第1及び第2のカメラ10a、10bの各移動量を算出する。第1及び第2のカメラ10a、10bの相対的な移動量はB2−B1である。それぞれのカメラ10a、10bを移動するとき、上記実施例1と同様に、各カメラ10a、10bの可動範囲や測定対象を撮影できる位置を超えている場合は、距離測定装置が警告を出す手段を備えていてもよい。また、基線長をB2にするために、必要な移動量と、各カメラ10a、10bの可動範囲と、測定対象を撮影できる各カメラ10a、10bの位置の範囲を比較して、各カメラ10a、10bの移動量を算出してもよい。
また、上記第1及び第2のカメラ10a、10bの移動量を算出するとき、測定対象が測定可能範囲に収まるように、それぞれのカメラ10a、10bの移動量が違っていてもよい。測定対象がそれぞれのカメラ10a、10bの可動範囲の中心から離れていても、基線長を延長することができる。
このように、上記位置制御部18a、18bによって基線長をB2に延長した状態において、上記実施例1の場合と同様に、第1及び第2のカメラ10a、10bで物体を撮影し画像を取り込み(ステップS9)、視差d2を算出する。さらに、距離計算部13において物体までの距離Z2を算出し(ステップS10)、それを出力部20へ出力する(ステップS11)。
11…画像処理部 12…視差算出部
13…距離計算部 14…距離記憶部
15…基線長計算部 16…基線長記憶部
17…移動量計算部 18,18a,18b…位置制御部
18c,18d…位置検出部 19…移動量記憶部
20…出力部
B,B0,B1,B2…基線長 Z,Z1,Z2…物体までの距離
d,d1,d2…視差
Claims (8)
- 物体を撮影する複数の撮像手段と、
前記撮像手段のうち2つ以上の撮像手段からの画像により、物体までの距離を算出する距離計算手段と、
前記撮像手段の位置を制御する位置制御手段と、
前記距離計算手段により第1の基線長にて算出された物体までの距離によって、要求精度を達成するために必要な第2の基線長を算出する基線長計算手段と、
前記基線長計算手段が算出した第2の基線長を記憶する基線長記憶手段とを備え、
前記第1の基線長が第2の基線長よりも短い場合に、前記位置制御手段は、前記基線長記憶手段に記憶された第2の基線長に基づき前記撮像手段の位置を制御して距離測定を行い、
さらに、前記位置制御手段は、距離測定の終了時、又は距離測定装置の起動時や終了時において、最短基線長になるように前記撮像手段の位置を制御することを特徴とする距離測定装置。 - 前記撮像手段の移動量を記憶する移動量記憶手段を有することを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
- 前記各撮像手段の位置を検出できる位置検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
- 前記複数の撮像手段のうち、少なくとも1つの撮像手段は、前記位置制御手段を有していないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の距離測定装置。
- 基線長を変更する際に、視差画像を作る2つの撮像手段が同じ移動量となるように駆動されることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の距離測定装置。
- 基線長を変更する際に、測定対象の物体が、視差画像を作る2つの撮像手段の両方に写るように駆動されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の距離測定装置。
- 前記基線長計算手段が算出した第2の基線長を前記位置制御手段により設定できない場合に、警告メッセージを出力することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の距離測定装置。
- 複数の撮像手段を用いて複数の視点位置から物体を撮影し、この撮影画像により物体までの距離を算出する距離測定方法であって、
前記撮像手段間の距離が第1の基線長の状態で物体までの距離測定を行い、
この測定した物体までの距離によって、要求精度を達成するために必要な第2の基線長を算出し、
前記第1の基線長が第2の基線長よりも短い場合、前記撮像手段間の距離を第2の基線長に延長して、物体までの距離測定を行い、
前記距離測定の終了時、又は距離測定装置の起動時や終了時において、前記撮像手段間の距離を最短基線長にすることを特徴とする距離測定方法。
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