JP2007322759A - ズームレンズ位置制御装置、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持すること。
【解決手段】ズームレンズ装置110が備えるバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112とを合焦状態に保持するズームレンズ位置制御装置100で、記憶部102は、バリエータレンズ111の位置座標とバリエータレンズ111に対するフォーカスレンズ112の合焦位置座標とを関連付けた設計値ズームトラッキング曲線に関する情報を記憶する。変換部104は、光軸上の任意の位置座標にあるバリエータレンズ111に対するフォーカスレンズ112の実際の合焦位置座標に基づいて、任意の位置座標を記憶部102によって記憶された設計値ズームトラッキング曲線上で実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する。駆動部105は、変換部104による変換結果に基づいて、バリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112を駆動する。
【選択図】図1
【解決手段】ズームレンズ装置110が備えるバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112とを合焦状態に保持するズームレンズ位置制御装置100で、記憶部102は、バリエータレンズ111の位置座標とバリエータレンズ111に対するフォーカスレンズ112の合焦位置座標とを関連付けた設計値ズームトラッキング曲線に関する情報を記憶する。変換部104は、光軸上の任意の位置座標にあるバリエータレンズ111に対するフォーカスレンズ112の実際の合焦位置座標に基づいて、任意の位置座標を記憶部102によって記憶された設計値ズームトラッキング曲線上で実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する。駆動部105は、変換部104による変換結果に基づいて、バリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112を駆動する。
【選択図】図1
Description
この発明は、監視カメラやビデオカメラなどに用いられるバリエータレンズやフォーカスレンズなどの内部レンズ群によってフォーカスをおこなうインナーフォーカス方式のズームレンズ位置制御をおこなうズームレンズ位置制御装置、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムに関する。
近年、家庭用や業務用に監視カメラやビデオカメラ、あるいはディジタル式のスチルカメラなどが普及している。これらのカメラに使用されるズームレンズ装置は、小型かつ低コストに製造することができるようになっている。このようなズームレンズ装置としては、たとえば、内部レンズ群の一部をフォーカスレンズとして使用するいわゆるインナーフォーカス方式のズームレンズ装置が一般的に知られている。
このインナーフォーカス方式のズームレンズ装置においては、たとえば光軸上を移動する変倍用のバリエータレンズのみを移動させると、その移動に伴って結像位置(以下、「合焦位置」という)が移動する。したがって、常に光軸上の一定位置に撮像面を結像させるためには、光軸上を移動して画像変動を補正するとともにフォーカスをおこなうフォーカスレンズを移動させる必要がある。
このようなズームレンズ装置におけるフォーカスレンズの移動制御は、たとえばメモリなどの記憶部に記録されたデータと、このデータに基づき制御をおこなう制御部とによって電子的にカム機能を実現することによりおこなわれている。
具体的には、バリエータレンズを移動させてズーム調整をおこなう間に合焦状態を維持できるように、フォーカスレンズをバリエータレンズの動きに追従させるズームトラッキング制御をおこなう。このズームトラッキング制御におけるバリエータレンズの位置と、合焦位置となるフォーカスレンズの位置との関係は、いわゆるズームトラッキング曲線によって示される。そして、このことを、通常、いわゆる電子カムと呼ぶ。
図12は、従来のインナーフォーカス方式のズームレンズ装置に用いられる一般的な電子カムの構成を示す構成図である。また、図13(A)および図13(B)は、図12に示した電子カムの動作原理を説明するための説明図である。図12に示すように、一般的なインナーフォーカス方式のズームレンズ装置1200は、たとえば光軸方向に沿って並設された第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群を備えて構成されている。
被写体側に配置される第1レンズ群は、いわゆる対物レンズと称される固定レンズ1201である。この固定レンズ1201の光軸方向における被写体側(前方側)と反対側(後方側)には、第2レンズ群としてバリエータレンズ1202が配置される。このバリエータレンズ1202は、光軸方向に移動可能であり、主にズーム調整のときに移動する。
バリエータレンズ1202の光軸方向における後方側には、ズームレンズ装置1200の明るさ(開口数)を調整する絞り1205が配置され、この絞り1205の後方側には、第3レンズ群として固定レンズ1203が配置される。固定レンズ1203の後方側には、第4レンズ群としてフォーカスレンズ1204が配置される。このフォーカスレンズ1204は、バリエータレンズ1202と同様に光軸方向に移動可能であり、主にフォーカス調整のときに駆動されて移動する。
そして、フォーカスレンズ1204の光軸方向の後方側にある焦点位置には、撮像素子1206が配置される。この撮像素子1206は、受光面上に結像された光学像を電気信号に変換して出力する。なお、上述したバリエータレンズ1202には、レンズを光軸方向に移動させるためのリードスクリュー1207を介して駆動モータとしてのパルスモータ1208が取り付けられている。
このパルスモータ1208は、ドライバ1209を介してCPU1210に電気的に接続されている。CPU1210は、パルス信号をドライバ1209に出力し、このドライバ1209によってパルスモータ1208を駆動することでバリエータレンズ1202を移動させる。また、上述したフォーカスレンズ1204には、同様にリードスクリュー1211を介してパルスモータ1212が取り付けられ、ドライバ1209を介してCPU1210に接続されている。
CPU1210は、メモリ1213と電気的に接続されており、このメモリ1213には、バリエータレンズ1202の位置に関連付けられたフォーカスレンズ1204の位置情報である電子カム情報が記憶されている。この電子カム情報は、ズーム調整の際にバリエータレンズ1202が動かされると、CPU1210によってメモリ1213から読み出され、パルスモータ1212の駆動パルス数の計算に用いられる。そして、計算された計算結果に基づく信号を、ドライバ1209を介してパルスモータ1212に出力することにより、フォーカスレンズ1204は所定の位置へ駆動される。
なお、図13(A)に示すように、バリエータレンズ1202およびフォーカスレンズ1204が実線により描かれている位置においては、これらのレンズ1202,1204がそれぞれ広角端にあることを示しており、点線により描かれている位置においては、それぞれ望遠端にあることを示している。
また、図13(B)に示すグラフ1301は、ズーム調整がおこなわれるときのバリエータレンズ1202およびフォーカスレンズ1204の光軸上の移動軌跡を、それぞれ直線1302および曲線1316で示したものである。このグラフ1301では、横軸がこれらのレンズ1202,1204の光軸上の位置を示し、縦軸がズームレンズ装置1200の焦点距離を示している。
そして、上述したように、フォーカスレンズ1204の移動軌跡を示す曲線1303によってあらわされる座標値(以下、「電子カム情報」という)は、メモリ1213にズームレンズ装置1200の焦点距離と関連付けられて記憶されている。この記憶された電子カム情報は、CPU1210によってズーム調整の際にメモリ1213から読み出され、CPU1210は、所望の焦点距離に対応する電子カム情報が示す座標値の位置へフォーカスレンズ1204を移動させるようにパルスモータ1212を制御する。
このように構成された電子カムによって、バリエータレンズ1202およびフォーカスレンズ1204は駆動されるが、実際に製造されたズームレンズ装置1200にはいわゆる製造誤差が存在するので、電子カム情報を製造後のズームレンズ装置1200に合わせて補正する必要が生じる。通常、このような補正をフランジバック調整という。このフランジバック調整における補正の内容は、概ね原点合わせ補正とカム形状補正との2つに大別することができる。
原点合わせ補正は、設計上の設計値ズームトラッキング曲線のピーク点、望遠端および広角端のいずれか一つを実際に製造されたズームレンズ装置1200に合わせるものであり、カム形状補正は、設計値ズームトラッキング曲線の形状を製造上の製造ズームトラッキング曲線の形状に近づけるものである。
原点合わせ補正としては、たとえばズームレンズ装置1200の電子カム情報のカーブ(以下、「電子カムカーブ」という)が、バリエータレンズ1202の移動範囲の中央付近より少し望遠端寄りにピーク点を持ち、このピーク点付近ではフォーカスレンズ1204の位置を決めやすく、かつ望遠端側ではバリエータレンズ1202の位置を決めやすいという特性を利用した方式のものが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
この方式の原点合わせ補正においては、つぎのような方法によりピーク点を求める。まず、実際のピーク点と推定される位置に対して、バリエータレンズ1202をやや広角端側に配置し、フォーカスレンズ1204をやや近距離側に配置する。つぎに、フォーカスレンズ1204の位置を固定したまま、バリエータレンズ1202を望遠端側へ移動させる。このときに撮像素子1206によって検出される結像コントラストが最大となる最良合焦位置にバリエータレンズ1202を固定するとともに、フォーカスレンズ1204を移動させて最良合焦位置に固定する。
このようにして得られたバリエータレンズ1202およびフォーカスレンズ1204の位置が実際に製造されたズームレンズ装置1200のピーク点の位置となる。そして、原点合わせ補正は、設計上のバリエータレンズ1202とフォーカスレンズ1204との位置関係を示す設計値ズームトラッキング曲線のピーク点を、実際に製造されたズームレンズ装置1200のピーク点に合わせるように移動させることによりおこなわれる。
ここで、この原点合わせ補正について、さらに詳しく説明する。図14は、従来の原点合わせ補正を説明するための説明図である。図14において、横軸はバリエータレンズ1202の位置を示し、縦軸はフォーカスレンズ1204の位置を示している。また、製造されたズームレンズ装置1200の実際の電子カムデータである製造ズームトラッキング曲線1401において、点1402はピーク点、点1403は広角端、点1404は望遠端を示している。このような条件における原点合わせ補正は、つぎの手順でおこなわれる。
(1)フォーカスレンズ1204の位置を予想ピーク点1402より少し近距離側に固定し、バリエータレンズ1202の位置を徐々に変更して最良合焦位置を検出する。そのときの位置を、ピーク点1402のバリエータレンズ1202の位置とする(ピーク点のズーム座標を検出)。
(2)バリエータレンズ1202の位置を固定したまま、フォーカスレンズ1204を移動させて最良合焦位置を検出する。これをフォーカスレンズ1204のピーク点1402の位置とする(ピーク点のフォーカス座標を検出)。
(3)設計値ズームトラッキング曲線(図示せず)におけるピーク点1402から望遠端1404までの縦軸方向の値だけフォーカスレンズ1204を移動させることにより、(1)で決定したピーク点1402から設計値の望遠端1404まで下がった位置1402Tを決める(ピーク点から望遠端の距離分フォーカスを下げる)。
(4)フォーカスレンズ1204を固定し、バリエータレンズ1202を移動させて最良合焦位置を検出し、そのときのバリエータレンズ1202およびフォーカスレンズ1204の位置を望遠端1404として決定する(ズームを変えて望遠端を検出)。
(5)設計値ズームトラッキング曲線のピーク点と望遠端との間を(1)で決定したピーク点1402と(4)で決定した望遠端1404とにそれぞれ一致するように設計値ズームトラッキング曲線を伸縮させる。
(6)設計値ズームトラッキング曲線におけるピーク点1402から広角端1403までの縦軸方向の値だけフォーカスレンズ1204を移動させることにより、(1)で決定したピーク点1402から設計値の広角端1403まで下がった位置1402Wを決める(ピーク点から広角端の距離分フォーカスを下げる)。
(7)フォーカスレンズ1204を固定し、バリエータレンズ1202を移動させて最良合焦位置を検出し、そのときのバリエータレンズ1202およびフォーカスレンズ1204の位置を広角端1403として決定する(ズームを変えて広角端を検出)。
(8)設計値ズームトラッキング曲線のピーク点と広角端との間を(1)で決定したピーク点1402と(7)で決定した広角端1403とにそれぞれ一致するように設計値ズームトラッキング曲線を伸縮させる。
また、カム形状補正としては、たとえば上述した原点合わせ補正と類似の方法により原点を合わせる方法が知られている。この方法で定めた電子カムカーブの望遠端ズーム座標と広角端ズーム座標との間のスパンは、設計値から作成される電子カム情報におけるスパンとは異なるため、そのまま当て嵌めることはできない。そこで、望遠端から中央までの領域には電子カム情報をそのまま当て嵌め、中央から広角端までの領域では残りのデータを過不足なく適応させて調整をおこなうこととしている(たとえば、下記特許文献2参照。)。
すなわち、電子カムカーブが設計値ズームトラッキング曲線から外れるのは中央から広角端の領域であることが多いとの認識に基づき、設計値ズームトラッキング曲線における該当部分のみを伸縮補正して原点を合わせる。この方法によれば、全域にわたって均等に伸縮させて当て嵌めた場合と比べ、中央付近で発生する誤差を低減することができる。
また、他のカム形状補正としては、たとえば上述した原点合わせ補正と類似の方法により原点を合わせ、図14を用いて説明したように、横軸がバリエータレンズ1202の位置を示し、縦軸がフォーカスレンズ1204の位置を示す製造ズームトラッキング曲線1401において、電子カムのズームトラッキング曲線をあらわすときに、バリエータレンズ1202の位置座標を示す横座標方向とフォーカスレンズ1204の位置座標を示す縦座標方向とを両方向で伸縮補正させる方法が知られている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
図15は、従来の他のカム形状補正を説明するための説明図である。図15において、実線であらわす曲線1501は、設計値から得られる設計値ズームトラッキング曲線を示し、一点鎖線であらわす曲線1502は、設計値ズームトラッキング曲線をフォーカスレンズ1204の位置に関する縦軸方向のみ伸縮補正して得られた中間補正電子カムカーブを示している。
また、点線であらわす曲線1503は、フォーカスレンズ1204の位置座標のみ伸縮補正して得られた中間補正電子カムカーブをバリエータレンズ1202の位置に関する横座標方向に伸縮補正して得られた最終補正電子カムカーブを示している。この方法によれば、上述したカム形状補正での電子カムカーブよりも、中央付近での誤差が減少する。
しかしながら、上述した従来の電子カムによるフランジバック調整方法は、現在のズームレンズ装置における高倍率化や撮像素子の画素数の増加による高解像度化などに十分対応できるものではない。たとえば、上記特許文献1におけるフランジバック調整方法では、実際の製造工程においては、レンズだけを組み立てたものと、これに撮像素子を取り付けたものとについて、それぞれ調整をおこなわなければならない。
この調整方法においては、一つのズームレンズ装置を製造するうえで少なくとも2回調整がおこなわれるにも拘わらず、設計値から求められる位置をピーク点と仮定しても、撮像素子を取り付けた後の調整によって十分に高精度なピーク点を求めることができるため、あえて最初にピーク点を求める必要がなく、無駄な工程が増えてしまうという問題がある。
また、上記特許文献2におけるフランジバック調整方法では、たとえば望遠端から中央までは設計値をそのまま当て嵌め、中央から広角端までは残りのデータを伸縮して合わせるという方法も可能であるが、この場合、望遠端から中央までの間で計算値からずれてしまったり、中央から広角端までの中間において電子カムカーブが膨らんでしまったりして、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができないという問題がある。
さらに、現在の高精度レンズにおける微細なレベルでは電子カムカーブにおける部分的な膨らみが多く存在するため、上記特許文献3におけるフランジバック調整方法では、上記特許文献2の場合と同様に、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができないという問題がある。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができるズームレンズ位置制御装置、ズームレンズ位置制御方法、およびズームレンズ位置制御プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置は、インナーフォーカス方式のズームレンズ装置において光軸方向に駆動されるバリエータレンズとフォーカスレンズとの位置を合焦状態に保持するためのズームレンズ位置制御装置であって、前記バリエータレンズの位置座標と前記バリエータレンズに対して合焦する前記フォーカスレンズの位置座標(以下、「合焦位置座標」という)とを関連付けた設計値ズームトラッキング曲線に関する情報を記憶する記憶手段と、光軸上の任意の位置座標にある前記バリエータレンズに対する前記フォーカスレンズの実際の合焦位置座標に基づいて、前記任意の位置座標を、前記記憶手段によって記憶された設計値ズームトラッキング曲線上で前記実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する変換手段と、前記変換手段による変換結果に基づいて、前記バリエータレンズおよび前記フォーカスレンズを駆動する駆動手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、実際の合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズの位置座標を、設計値ズームトラッキング曲線において実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換し、変換結果に基づいてバリエータレンズおよびフォーカスレンズを駆動することで、設計値ズームトラッキング曲線全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明によれば、実際の合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズの位置座標を、設計値ズームトラッキング曲線において当該合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換することで、実際の合焦位置座標を計測する際のバリエータレンズの位置座標に左右されることなく、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明によれば、ズームレンズ位置制御装置ごとに位置座標を変換することで、ズームレンズ装置ごとに最適な変換をおこなうことができるので、ズームレンズ装置あるいはズームレンズ位置制御装置ごとの製造誤差に左右されることなく、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置における前記任意の位置座標は、前記バリエータレンズの駆動範囲内に断続的に存在する複数箇所の位置座標であることを特徴とする。
本発明によれば、バリエータレンズの位置座標ごとに最適な変換をおこなうことができるので、設計値ズームトラッキング曲線全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明によれば、バリエータレンズの複数箇所の位置座標を変換することで、駆動精度の信頼性の向上を図りつつ、設計値ズームトラッキング曲線全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置における前記変換手段は、前記任意の位置座標および前記実際の合焦位置座標と前記設計値ズームトラッキング曲線における前記バリエータレンズの位置座標とを用いて所定の変換係数を算出し、算出された所定の変換係数を用いて前記任意の位置座標を変換することを特徴とする。
本発明によれば、実際の合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズの位置座標を、算出された変換係数を用いて変換することで、実測値に則した変換をおこなうことができるので、設計値ズームトラッキング曲線全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置における前記変換手段は、前記複数箇所の位置座標のうち隣接する位置座標に基づいて、当該隣接する位置座標間における前記所定の変換係数を算出することを特徴とする。
本発明によれば、隣接する位置座標間における所定の変換係数を算出することで、実際の合焦位置座標をバリエータレンズの駆動範囲全域に亘って計測することなく、設計値ズームトラッキング曲線全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置における前記記憶手段は、前記所定の変換係数を記憶することを特徴とする。
本発明によれば、バリエータレンズおよびフォーカスレンズを駆動するごとに変換係数を算出することなく、設計値ズームトラッキング曲線全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置における前記記憶手段は、前記任意の位置座標および前記実際の合焦位置座標を記憶することを特徴とする。
本発明によれば、必要に応じて適宜位置座標を変換することができるので、変換にかかる処理負担を最小限に抑えることができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置における前記駆動手段は、前記バリエータレンズを駆動する第1の駆動手段と、当該第1の駆動手段によって駆動されるバリエータレンズの位置座標に応じて前記フォーカスレンズを駆動する第2の駆動手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、バリエータレンズとフォーカスレンズとをそれぞれ別の駆動手段を用いて駆動することで、バリエータレンズとフォーカスレンズとのそれぞれの駆動精度を確保し、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御方法は、インナーフォーカス方式のズームレンズ装置において光軸方向に駆動されるバリエータレンズとフォーカスレンズとの位置を合焦状態に保持するためのズームレンズ位置制御方法であって、光軸上の任意の位置座標にある前記バリエータレンズに対して前記フォーカスレンズが実際に合焦する位置座標(以下、「実際の合焦位置座標」という)に基づいて、前記任意の位置座標を、前記バリエータレンズの位置座標と前記バリエータレンズに対して合焦する前記フォーカスレンズの位置座標とを関連付けた設計値ズームトラッキング曲線上で前記実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する変換工程と、前記変換工程による変換結果に基づいて、前記バリエータレンズおよび前記フォーカスレンズを駆動する駆動工程と、を含んだことを特徴とする。
本発明によれば、実際の合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズの位置座標を、設計値ズームトラッキング曲線において実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換し、変換結果に基づいてバリエータレンズおよびフォーカスレンズを駆動することで、設計値ズームトラッキング曲線全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明によれば、実際の合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズの位置座標を、設計値ズームトラッキング曲線において当該合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換することで、実際の合焦位置座標を計測する際のバリエータレンズの位置座標に左右されることなく、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明によれば、ズームレンズ位置制御装置ごとに位置座標を変換することで、ズームレンズ装置ごとに最適な変換をおこなうことができるので、ズームレンズ装置あるいはズームレンズ位置制御装置ごとの製造誤差に左右されることなく、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本発明にかかるズームレンズ位置制御プログラムは、上述したズームレンズ位置制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、上述したズームレンズ位置制御方法をコンピュータによって実行させることが可能なプログラムを提供することができる。
本発明にかかるズームレンズ位置制御装置、ズームレンズ位置制御方法、およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、バリエータレンズの駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズとフォーカスレンズとの高精度な合焦状態を保持することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(ズームレンズ位置制御装置の機能的構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態のズームレンズ位置制御装置100は、インナーフォーカス方式のズームレンズ装置110が備えるバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との位置を合焦状態に保持するための装置である。
(ズームレンズ位置制御装置の機能的構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態のズームレンズ位置制御装置100は、インナーフォーカス方式のズームレンズ装置110が備えるバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との位置を合焦状態に保持するための装置である。
図1に示すように、インナーフォーカス方式のズームレンズ装置110は、バリエータレンズ111とフォーカスレンズ112とを備えている。バリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112は、同一の光軸上において、光軸方向に移動可能に設けられている。
また、図1に示すように、ズームレンズ位置制御装置100は、制御部101と、記憶部102と、計測部103と、変換部104と、駆動部105と、を備えて構成されている。制御部101は、ズームレンズ位置制御装置100が備える各部102〜125の制御を司る。記憶部102は、バリエータレンズ111の位置座標と、バリエータレンズ111に対して合焦するフォーカスレンズ112の位置座標と、を関連付けた設計値ズームトラッキング曲線(図2参照)に関する情報を記憶する。
ここで、設計値ズームトラッキング曲線とは、設計上のズームレンズ101におけるバリエータレンズの動きにフォーカスレンズの動きを追従させるために用いる曲線である。より詳細に、設計値ズームトラッキング曲線とは、バリエータレンズが取り得る移動範囲内におけるバリエータレンズの位置座標と、バリエータレンズ111の移動にともなって変化し、各位置座標におけるバリエータレンズ111に対して合焦するフォーカスレンズ112の位置座標と、を関連付けた曲線である。
そして、記憶部102に記憶される設計値ズームトラッキング曲線に関する情報とは、設計値ズームトラッキング曲線をあらわす情報であり、たとえば、バリエータレンズとフォーカスレンズとの位置座標をあらわす情報である。また、設計値ズームトラッキング曲線に関する情報とは、設計値ズームトラッキング曲線をあらわす数式であってもよいし、設計値ズームトラッキング曲線をあらわす画像データであってもよい。
また、記憶部102は、本実施の形態のズームレンズ位置制御装置100によるズームレンズ位置制御方法を実現するためのズームレンズ位置制御プログラムを記憶する。計測部103は、光軸上の任意の位置座標にあるバリエータレンズ111に対してフォーカスレンズ112が実際に合焦する位置座標(以下、「実際の合焦位置座標」という)を計測する。フォーカスレンズ112の実際の合焦位置座標が計測されるバリエータレンズ111の任意の位置座標は、バリエータレンズ111の移動範囲内に断続的に存在する複数箇所の位置座標である。
上述した記憶部102には、計測部103によって計測された実際の合焦位置座標と、実際の合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズ111の位置座標と、に関する情報が記憶されている。なお、本実施の形態においては、計測部103による位置座標の計測は、変換部104による位置座標の変換に先立ってあらかじめおこなわれているものとする。
変換部104は、光軸上の任意の位置座標にあるバリエータレンズ111に対するフォーカスレンズ112の実際の合焦位置座標に基づいて、任意の位置座標を、記憶部102によって記憶された設計値ズームトラッキング曲線上で実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する。
具体的には、変換部104は、たとえば、記憶部102によって記憶された設計値ズームトラッキング曲線に関する情報と、計測部103によって計測された実際の合焦位置座標および実際の合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズ111の位置座標に関する情報と、を用いて、計測部103によって実際の合焦位置座標が計測されたときのバリエータレンズ111の位置座標を、記憶部102によって記憶された設計値ズームトラッキング曲線上で実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する。
具体的に、変換部104は、たとえば、実際の合焦位置座標および実際の合焦位置座標が計測されたときのバリエータレンズ111の任意の位置座標と、設計値ズームトラッキング曲線上で前記実際の位置座標に関連付けられたバリエータレンズ111の位置座標と、を用いて所定の変換係数を算出し、算出された所定の変換係数を用いて任意の位置座標を変換する。
この場合、変換部104は、バリエータレンズ111の移動範囲内の複数箇所の位置座標のうち隣接する位置座標に基づいて、当該隣接する位置座標間における所定の変換係数を算出する(図5参照)。これにより、複数箇所の位置座標間における所定の変換係数を算出することで補填される。
詳細な算出方法については後述するが、隣接する位置座標間における所定の変換係数を変換部104によって算出することで、複数箇所の位置座標間における所定の変換係数を算出によって補填することができるので、駆動範囲内におけるバリエータレンズのすべての位置座標について、フォーカスレンズ112の実際の合焦位置座標を計測することなく所定の変換係数を得ることができる。
上述した記憶部102は、変換部104によって所定の変換係数が算出された場合に、算出された所定の変換係数に関する情報を記憶してもよい。この場合、記憶部102に記憶される所定の変換係数に関する情報とは、所定の変換係数をあらわす情報であり、たとえば、算出された所定の変換係数をあらわす情報である。また、所定の変換係数をあらわす情報とは、所定の変換係数の算出に用いる数式であってもよいし、算出された所定の変換係数をグラフ化してあらわす画像データであってもよい。以下、本実施の形態では、変換部104によって算出された所定の変換係数によってあらわされる曲線を、「駆動用ズームトラッキング曲線」という。
駆動部105は、変換部104による変換結果に基づいて、バリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112を駆動する。変換部104によって算出された所定の変換係数に関する情報が記憶部102に記憶されている場合、駆動部105は、記憶部102に記憶された情報に基づいて、バリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112を駆動する。
駆動部105は、バリエータレンズ111を駆動する第1の駆動部106と、当該第1の駆動部106によって駆動されるバリエータレンズ111の位置座標に応じてフォーカスレンズ112を駆動する第2の駆動部107と、を備えている。以下、本実施の形態では、第1の駆動部106によって駆動されることでバリエータレンズ111が取り得る移動範囲を駆動範囲として説明する。
第1の駆動部106は、制御部から出力される制御信号に応じて、バリエータレンズ111を光軸方向に移動させる。第2の駆動部107は、第1の駆動部106によって駆動されるバリエータレンズ111の位置座標に応じて、各位置座標におけるバリエータレンズ111に対する合焦位置座標にフォーカスレンズ112が位置づけられるように、フォーカスレンズ112を光軸方向に移動させる。
なお、実施の形態においては、計測部103を備えるズームレンズ位置制御装置100について説明したがこれに限るものではなく、計測部103を備えていないズームレンズ位置制御装置(図示省略)であってもよい。この場合、変換部104は、計測部103に代えて別の計測装置を用いて計測された、バリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との実際の合焦位置の位置座標を用いて上記変換をおこなってもよい。
図2は、ズームレンズ位置制御装置におけるズームトラッキング曲線を説明するための図である。また、図3は、原点合わせの処理手順を説明するためのフローチャートである。図2において、横軸はズーム座標を示し、縦軸はフォーカス座標を示している。図2中、点線であらわされている曲線201は、ズームレンズ装置110における実際のズームトラッキング曲線(カムカーブ)をあらわしている。
実際のズームトラッキング曲線201とは、バリエータレンズ111の実際の位置座標と、バリエータレンズ111に対するフォーカスレンズ112の実際の合焦位置座標と、を関連付けた曲線である。実際のズームトラッキング曲線201は、実際の合焦位置座標を計測するバリエータレンズ111の位置座標数を無数に増やすことで得られる。また、図2中、実線であらわされている曲線202は、記憶部102に記憶されている設計値ズームトラッキング曲線に関する情報に基づいてあらわされる設計値ズームトラッキング曲線(電子カムカーブ)である。
なお、実際のズームトラッキング曲線201および設計値ズームトラッキング曲線202は、特定の被写体距離(たとえば、無限被写体)に対するものであり、他の被写体においても同一の処理がおこなわれるものである。また、設計値ズームトラッキング曲線202は、広角端を基準として原点合わせが完了している状態で描かれているものとする。このズームレンズ位置制御装置100における原点合わせ処理は、つぎのようにおこなわれる。
図3のフローチャートにおいて、まず、駆動部105によって、バリエータレンズ111を設計ピーク位置へ移動させる(ステップS301)。つぎに、フォーカスレンズ112を合焦位置へ移動させて(ステップS302)、図2中P点であらわすピーク位置のフォーカス座標を求める。そして、フォーカスレンズ112を合焦位置からピーク位置と広角端との間の設計距離(図2中矢印hで示す距離)分無限側(下側)へ下げ(ステップS303)、この位置を広角端のフォーカス座標としてフォーカスレンズ112をその位置で固定する。
つぎに、駆動部105によって、バリエータレンズ111を広角側へ合焦するまで移動させ(ステップS304)、合焦位置を広角端として設計値ズームトラッキング曲線202の広角端を実際のズームトラッキング曲線201の広角端に合わせ(ステップS305)、一連の処理を終了する。
図2から分かるように、設計値ズームトラッキング曲線202に対して、実際のズームトラッキング曲線201は、光軸方向におけるバリエータレンズ111の位置座標に応じて変換幅が異なっている。なお、図2においては、理解しやすくするために実際の合焦位置座標を計測した際のバリエータレンズ111の位置座標間の間隔が広くあらわされている。
図2中、点S1,S2,・・・,Snは、バリエータレンズ111の位置座標がそれぞれZ1,Z2,・・・,Znとなる実際のズームトラッキング曲線201上の点である。また、点S1’,S2’,・・・,Sn’は、それぞれ点S1,S2,・・・,Snの各点におけるフォーカスレンズ112の位置座標と同じ位置にフォーカスレンズ112の位置座標を持つ設計値ズームトラッキング曲線202上の点である。
また、図2中、Z1’,Z2’,・・・,Zn’は、設計値ズームトラッキング曲線202上において点S1’,S2’,・・・,Sn’に対応するバリエータレンズ111の位置座標をあらわしている。さらに、図2中、α1,α2,・・・,αnは、実際のズームトラッキング曲線201上におけるバリエータレンズ111の位置座標Z1,Z2,・・・,Znを、設計値ズームトラッキング曲線202上におけるバリエータレンズ111の位置座標Z1’,Z2’,・・・,Zn’に変換するための変換係数である。
ここで、一般的な変換係数はαn=Zn/Zn’となるため、ズームレンズ位置制御装置100によって実際のズームトラッキング曲線201を持つズームレンズ101を、設計値ズームトラッキング曲線202によって位置制御するためには、つぎのような処理がおこなわれる。はじめに、計測部103によって複数箇所で計測されたバリエータレンズ111の位置座標に基づいて、変換部104によって変換係数α1,α2,・・・,αnを算出する。
たとえば、実際のズームトラッキング曲線201上におけるバリエータレンズ111の位置座標Z1,Z2,・・・,Znが与えられたときには、変換係数α1,α2,・・・,αnを用いて、実際のズームトラッキング曲線201上におけるバリエータレンズ111の位置座標Z1,Z2,・・・,Znを、設計値ズームトラッキング曲線202上におけるバリエータレンズ111の位置座標Z1’,Z2’,・・・,Zn’へ変換する。
駆動部105は、このようにして変換された設計値ズームトラッキング曲線202上におけるバリエータレンズ111の位置座標Z1’,Z2’,・・・,Zn’を用いて、バリエータレンズ111を駆動する。なお、実施の形態においては、上記変換係数α1,α2,・・・,αnは、ズームレンズ装置110の組み立て中や撮像素子取り付け時におこなわれるフランジバック調整作業において計測(算出)され、図3のフローチャートを用いて説明した原点合わせに関するデータとともに記憶部102に記憶されている。
実施の形態においては、実際の合焦位置座標を計測したバリエータレンズ111の位置座標間に存在する中間位置においても補間演算により変換係数を得て、滑らかに補正をおこなうことができるように構成した。以下、このことについて説明する。
図4は、補間演算を説明するための説明図(その1)である。図4中、Z3,Z4はバリエータレンズ111の駆動範囲内における任意の2つの位置座標をあらわしている。また、図4中、Z3’,Z4’は、実際のズームトラッキング曲線201上におけるバリエータレンズ111の位置座標Z3,Z4を、変換係数α3,α4を用いて変換することによって得られた設計値ズームトラッキング曲線202上におけるバリエータレンズ111の位置座標をあらわしている。ここでは、変換係数α3はα4よりも大きいものとして説明する。
実際の合焦位置座標を、バリエータレンズ111の駆動範囲内において間断的に計測した場合、実際の合焦位置座標を計測した際のバリエータレンズ111の位置座標間における変換係数の大きさによっては、実際のズームトラッキング曲線201上における位置座標の大小関係と、変換によって得られる設計値ズームトラッキング曲線202上における位置座標の大小関係と、が逆転してしまうことがある。
具体的には、たとえば、図4に示すように、変換係数α3がα4よりも大きい場合、実際のズームトラッキング曲線201上における位置座標Z3とZ4との大小関係と、変換によって得られる設計値ズームトラッキング曲線202上における位置座標Z3’,Z4’との大小関係と、が逆転してしまうことがある。
図4中、符号401で示す曲線は、実際の合焦位置座標を計測した際のバリエータレンズ111の位置座標間に存在する中間位置における変換係数の補間演算をおこなわなかった場合に、バリエータレンズ111の矢印402方向への移動にともなって移動するフォーカスレンズ112の移動軌跡を部分的にあらわしている。図4から分かるように、補間演算をおこなわなかった場合、フォーカスレンズ112は、曲線401で示すようにギクシャクした移動軌跡を描いて移動することとなってしまう。
また、図4中、符号403で示す曲線は、実際の合焦位置座標を計測した際のバリエータレンズ111の位置座標間に存在する中間位置における変換係数の補間演算をおこなった場合に、バリエータレンズ111の矢印402方向への移動にともなって移動するフォーカスレンズ112の移動軌跡を部分的にあらわしている。図4から分かるように、補間演算をおこなった場合、フォーカスレンズ112は、曲線403で示すようになめらかな移動軌跡を描いて移動する。
なお、図4中符号M1,M2は、補間演算をおこなうことによってフォーカスレンズ112の移動状況が改善された区間の始点および終点をあらわしている、また、符号F1,F2は、M1,M2におけるフォーカスレンズ112の位置座標値をあらわしている。
ところで、変換前後でズーム座標値の大小が逆転してしまう現象は、伸縮率が広角端基準であることを前提として、望遠端の伸縮率が大きい場合にその境界で起こるものである。また、望遠端の伸縮率が小さい場合にはズーム座標値の逆転は起こらないが、境界において段差が生じてしまうこととなる。
このようなことから、望遠端の伸縮率が大きい場合においてフォーカスレンズを滑らかに動作させるためには、バリエータレンズ111の位置座標に対して合焦位置となるフォーカスレンズ112の位置座標を計測する点数を増やし、計測された位置座標を用いて伸縮率がスムーズに変わるように制御することが望まれる。しかし、計測する位置座標の点数を増加させると作業性が著しく劣ることとなってしまう。本実施の形態のズーム位置制御装置100では、以下に説明するような補間演算をおこなって、各実際の計測点間における変換係数を演算によって求めるように構成した。
図5は、補間演算を説明するための説明図(その2)である。図5中、符号501は、位置座標の実際の計測点を無限大に増やした場合の、各実際の計測点における実際の変換係数をあらわしている。また、図5中、符号502は、補間演算をおこなった場合の各実際の計測点間において補間された変換係数をあらわしている。また、図5において、Z3,Z4,・・・,Znは上述したバリエータレンズ111の位置座標を示し、α3,α4,・・・,αnは望遠端を含めたバリエータレンズの各位置座標における変換係数を示している。
図5においては、望遠端を含めた複数箇所(n箇所)におけるバリエータレンズ111の位置座標において変換係数を算出する場合について説明する。図5から分かるように、補間演算をおこなうことで、実際に合焦位置座標を計測した際のバリエータレンズ111の位置座標間における変換係数の大きさによって、実際のズームトラッキング曲線201上における位置座標の大小関係と、変換によって得られる設計値ズームトラッキング曲線202上における位置座標の大小関係と、が逆転してしまうことを防止し、フォーカスレンズ112をなめらかに移動させることができる。
図6は、補間演算を説明するための図である。また、図7は、補間演算によって求められた変換係数を用いた動作を示すフローチャートである。以下に、図6および図7を用いて、変換係数の補間演算について説明する。図6に示すように、バリエータレンズ111の位置座標Z3,Z4の変換係数α3,α4は、あらかじめ算出され記憶部102に記憶されている。このため、バリエータレンズ111が位置座標Z3,Z4間の該当する中間位置Zxに来たときの変換係数αxは、比例計算によって補間される場合は、変換係数α3,α4を用いて次式(1)によって求められる。
αx=(α4−α3)×(Zx−Z3/Z4−Z3)+α3・・・(1)
上述した(1)式によってあらわされる演算結果は、図7のフローチャートに示すように、バリエータレンズ111の位置座標に応じてフォーカスレンズ112を駆動する際に用いられる。図7のフローチャートにおいては、まず、記憶部102に記憶された、実際に計測した位置座標間における変換係数の中から、該当する位置(中間位置)の位置座標を間にする、当該中間位置前後の変換係数α3,α4を読み出す(ステップS701)。
つぎに、上記式(1)を用いた補間演算によって、ステップS701における該当する位置座標の変換係数(αx)を求める(ステップS702)。そして、求められた変換係数(αx)を用いて、変換されたバリエータレンズ111の位置座標(ズーム軸の値Zx)を求める(ステップS703)。
つぎに、記憶部102に記憶された設計値ズームトラッキング曲線202(電子カムカーブ)からフォーカスレンズ112の位置座標(フォーカス位置)を求める(ステップS704)。そして、求めた位置座標にフォーカスレンズ112を移動させて(ステップS705)、一連の処理を終了する。
図8は、補間演算をおこなわず中間位置の変換係数を求めない場合を説明するための図である。また、図9は、補間演算をおこなって中間位置の変換係数を求めた場合を説明するための図である。以下に、図8および図9を用いて、上述した中間位置の変換係数が求まることにより、変換前後でのバリエータレンズ111の位置座標の大小逆転現象が解消されることについてさらに説明する。以降においては、バリエータレンズ111の位置座標Z=100のときに変換係数α=1.2、バリエータレンズ111の位置座標Z=110のときに変換係数α=1.1となる場合について説明する。
図8に示すように、変換係数を求めない場合は、たとえば、バリエータレンズ111の位置座標Z=105を境界として、広角端側では変換係数α=1.2が適用され、望遠端側では変換係数α=1.1が適用される。このとき、バリエータレンズ111の位置座標Z=104における変換後の位置座標はZ=104×1.2=124.8となる。バリエータレンズ111の位置座標Z=106における変換後の位置座標はZ=106×1.1=116.6となるため、変換係数を求めない場合は、バリエータレンズ111の位置座標の大小関係が逆転してしまうことが分かる。
一方、図9に示すように、変換係数を求める場合は、たとえば、バリエータレンズ111の位置座標Z=104においては、変換係数α=(1.1−1.2)×[(104−100)/(110−100)]+1.2=1.16が求められる。そして、変換後のバリエータレンズ111の位置座標は、Z=104×1.16=120.64となる。
また、バリエータレンズ111の位置座標Z=106においては、変換係数α=(1.1−1.2)×[(106−100)/(110−100)]+1.2=1.14が求められ、変換後のバリエータレンズ111の位置座標は、Z=106×1.14=120.84となる。このように、実施の形態のズームレンズ位置制御装置100においては、バリエータレンズ111の位置座標の変換前後において、バリエータレンズ111の位置座標の大小関係が逆転してしまわないように制御することができ、スムーズな動作を得ることが可能となる。
図10は、補間演算をおこなった場合と補間演算をおこなわなかった場合との変換係数を説明するための図である。図10において、・・・,Z3,Z4,・・・,Znは上述したバリエータレンズ111の位置座標を示し、・・・,α3,α4,・・・,αnは望遠端を含めたバリエータレンズ111の位置座標における変換係数を示している。また、実線は補間演算をした場合の変換係数を示し、太実線は補間演算をしない場合の変換係数を示している。
図10に示すように、補間演算をしない場合は、図中点線で囲む領域の辺りで逆転現象が発生してしまい、スムーズな動作を得ることができなくなる。しかし、実施の形態のズームレンズ位置制御装置100のように補間演算をした場合は、逆転現象が起こることなくスムーズな動作を得ることができる。
なお、上述した実施の形態においては、変換係数を計測(算出)する際に、広角端をズーム座標の原点とするとともに、実際の合焦位置の位置座標を計測する位置座標にバリエータレンズ111を固定し、代わりに変換係数を1の前後で少しずつ変えて変換後のバリエータレンズ111の位置座標を求め、この変換後のバリエータレンズ111の位置座標を用いてフォーカスレンズ112を移動させて、合焦位置を求めることとした。これにより、変換係数を必要に応じて小さくすることができるので、見かけ上の最小動作単位よりも小さな単位でバリエータレンズ111の位置座標を動かした場合と同等の効果を得ることが可能となる。
図11は、他の変換係数の計測(算出)方法を説明するための図である。図11において、曲線1101は望遠端付近の設計値ズームトラッキング曲線202の一部(以下、「(電子カムカーブ)」という)を示し、点Tは曲線1101上の点を示している。また、Zは点Tにおけるバリエータレンズ111の位置座標、αは変換係数、Z’は変換後のバリエータレンズ111の位置座標、点T’は変換係数をαとしたときの点Tの移動位置をそれぞれ示している。さらに、ΔF’は係数を1からαに変えたときのフォーカスの移動量、ΔZはバリエータレンズの最小の単位移動量、ΔFはバリエータレンズ111の単位移動量に対するフォーカスの移動量をそれぞれ示している。
図11に示すように、望遠端付近においては、電子カムカーブ1101が極端に立った状態となるため、バリエータレンズ111の位置座標の少しの変化でフォーカスレンズ112が合焦位置となる位置座標が大きく変わることとなる。従来の調整法においては、バリエータレンズ111を最小の単位移動量ΔZより細かく動作させることができなかったため、フォーカスレンズ112はΔF単位で曲線1101上を移動することとなり、最良合焦位置を飛び越してしまうことがあった。
しかし、たとえば変換係数が1からαに変わるときに曲線1101に与えられる変換後のバリエータレンズ111の位置座標Z’は、αが1に近い値とすればΔZより少ない変化値とすることができる。この場合、曲線1101上の点Tは点T’となり、そのときのフォーカスレンズ112の移動量はΔF’となる。
ここで、変換係数αを1にさらに近づけていけば、ΔF’はさらに小さくなるので、αの値を適切に選択することによって設計値ズームトラッキング曲線(電子カムカーブ)1101におけるフォーカスレンズ112の動作を最小動作単位でおこなうことが可能となる。したがって、実施の形態の方法によれば、電子カムカーブ1101の傾きが大きい場合でも、バリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112が最良合焦位置に位置づけられるように調整することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、実際に合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズ111の位置座標を、設計値ズームトラッキング曲線202において合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換し、変換結果に基づいてバリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112を駆動することで、設計値ズームトラッキング曲線202全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、実際に合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズ111の位置座標を、設計値ズームトラッキング曲線202において当該合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換することで、実際に合焦位置座標を計測する際のバリエータレンズ111の位置座標に左右されることなく、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、ズームレンズ位置制御装置100ごとに位置座標を変換することで、ズームレンズ装置110ごとに最適な変換をおこなうことができるので、ズームレンズ装置110あるいはズームレンズ位置制御装置100ごとの製造誤差に左右されることなく、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、バリエータレンズ111の位置座標ごとに最適な変換をおこなうことができるので、設計値ズームトラッキング曲線202全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、バリエータレンズ111の複数箇所の位置座標を変換することで、駆動精度の信頼性の向上を図りつつ、設計値ズームトラッキング曲線202全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、実際に合焦位置座標を計測したときのバリエータレンズ111の位置座標を、算出された変換係数を用いて変換することで、実測値に則した変換をおこなうことができるので、設計値ズームトラッキング曲線202全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、隣接する位置座標間における所定の変換係数を算出することで、実際の合焦位置座標をバリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘って計測することなく、設計値ズームトラッキング曲線202全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、補正処理のためのズーム座標値の変換係数を位置座標間の中間位置においては補間演算によって求めるため、演算のための煩雑な作業を発生させることなく変換係数の急激な変化を防止し、フォーカスレンズ112の滑らかな動作を実現することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムにおいて、算出された所定の変換係数を記憶しておくことにより、バリエータレンズ111およびフォーカスレンズ112を駆動するごとに変換係数を算出することなく、設計値ズームトラッキング曲線202全体を一様に変換する従来の方法と比較して、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムにおいて、フォーカスレンズ112の合焦位置座標および当該合焦位置座標を計測した際のバリエータレンズ111の位置座標を記憶部102に記憶しておくことにより、必要に応じて適宜位置座標を変換することができるので、変換にかかる処理負担を最小限に抑えることができる。
また、本実施の形態にかかるズームレンズ位置制御装置100、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムによれば、バリエータレンズ111とフォーカスレンズ112とをそれぞれ別の駆動手段を用いて駆動することで、バリエータレンズ111とフォーカスレンズ112とのそれぞれの駆動精度を確保し、バリエータレンズ111の駆動範囲全域に亘ってバリエータレンズ111とフォーカスレンズ112との高精度な合焦状態を保持することができる。
なお、本実施の形態で説明したズームレンズ位置制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上のように、本発明にかかるズームレンズ位置制御装置、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラムは、ズームレンズの効率的な制御に有用であり、特にズーム調整がおこなわれる監視カメラやビデオカメラなどの撮影装置に適している。
100 ズームレンズ位置制御装置
102 記憶部
104 変換部
105 駆動部
106 第1の駆動部
107 第2の駆動部
102 記憶部
104 変換部
105 駆動部
106 第1の駆動部
107 第2の駆動部
Claims (9)
- インナーフォーカス方式のズームレンズ装置において光軸方向に駆動されるバリエータレンズとフォーカスレンズとの位置を合焦状態に保持するためのズームレンズ位置制御装置であって、
前記バリエータレンズの位置座標と前記バリエータレンズに対して合焦する前記フォーカスレンズの位置座標(以下、「合焦位置座標」という)とを関連付けた設計値ズームトラッキング曲線に関する情報を記憶する記憶手段と、
光軸上の任意の位置座標にある前記バリエータレンズに対する前記フォーカスレンズの実際の合焦位置座標に基づいて、前記任意の位置座標を、前記記憶手段によって記憶された設計値ズームトラッキング曲線上で前記実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する変換手段と、
前記変換手段による変換結果に基づいて、前記バリエータレンズおよび前記フォーカスレンズを駆動する駆動手段と、
を備えることを特徴とするズームレンズ位置制御装置。 - 前記任意の位置座標は、前記バリエータレンズの駆動範囲内に断続的に存在する複数箇所の位置座標であることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ位置制御装置。
- 前記変換手段は、前記任意の位置座標および前記実際の合焦位置座標と前記設計値ズームトラッキング曲線における前記バリエータレンズの位置座標とを用いて所定の変換係数を算出し、算出された所定の変換係数を用いて前記任意の位置座標を変換することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ位置制御装置。
- 前記変換手段は、前記複数箇所の位置座標のうち隣接する位置座標に基づいて、当該隣接する位置座標間における前記所定の変換係数を算出することを特徴とする請求項3に記載のズームレンズ位置制御装置。
- 前記記憶手段は、前記所定の変換係数を記憶することを特徴とする請求項3または4に記載のズームレンズ位置制御装置。
- 前記記憶手段は、前記任意の位置座標および前記実際の合焦位置座標を記憶することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のズームレンズ位置制御装置。
- 前記駆動手段は、前記バリエータレンズを駆動する第1の駆動手段と、当該第1の駆動手段によって駆動されるバリエータレンズの位置座標に応じて前記フォーカスレンズを駆動する第2の駆動手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のズームレンズ位置制御装置。
- インナーフォーカス方式のズームレンズ装置において光軸方向に駆動されるバリエータレンズとフォーカスレンズとの位置を合焦状態に保持するためのズームレンズ位置制御方法であって、
光軸上の任意の位置座標にある前記バリエータレンズに対して前記フォーカスレンズが実際に合焦する位置座標(以下、「実際の合焦位置座標」という)に基づいて、前記任意の位置座標を、前記バリエータレンズの位置座標と前記バリエータレンズに対して合焦する前記フォーカスレンズの位置座標とを関連付けた設計値ズームトラッキング曲線上で前記実際の合焦位置座標に関連付けられた位置座標に変換する変換工程と、
前記変換工程による変換結果に基づいて、前記バリエータレンズおよび前記フォーカスレンズを駆動する駆動工程と、
を含んだことを特徴とするズームレンズ位置制御方法。 - 請求項8に記載のズームレンズ位置制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするズームレンズ位置制御プログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006153089A JP2007322759A (ja) | 2006-06-01 | 2006-06-01 | ズームレンズ位置制御装置、ズームレンズ位置制御方法およびズームレンズ位置制御プログラム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013036795A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-21 | Tamron Co Ltd | 位置検出ユニット、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ、及びレンズユニットの製造方法、位置検出方法 |
US9906730B2 (en) | 2014-11-18 | 2018-02-27 | Nihon Video System Co., Ltd. | Motion controller device |
CN112565591A (zh) * | 2020-11-20 | 2021-03-26 | 广州朗国电子科技有限公司 | 一种自动对焦镜头校准方法、电子设备、存储介质 |
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2006
- 2006-06-01 JP JP2006153089A patent/JP2007322759A/ja active Pending
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