JP5553104B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、画像形成方法に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便かつ安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。
この様なインクジェット記録方式で用いられるインクジェットインクとしては、水を主溶媒とする水性インク、水以外の溶媒を主溶媒とする非水系インク、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後、光等の活性光線により硬化する活性光線硬化性インク等、複数のインクがあり、用途に応じて使い分けられている。
一方、長期の耐候性が求められる屋外掲示物や曲面を有する物体への密着性が求められる印字物等、広い用途でポリ塩化ビニル製の記録媒体が使用されている。ポリ塩化ビニルに印刷する方法は複数あるが、版を作製する必要がなく、仕上がりまでの時間が短く、少量多品種の生産に適する方法として、インクジェット記録方法がある。前記、ポリ塩化ビニル製の記録媒体に記録可能なインクジェットインクの例として、シクロヘキサノンを含有したインクジェットインクが開示されている(特許文献1参照)。シクロヘキサノンは、ポリ塩化ビニルに対する溶解能が高く、インクジェットインク中の顔料がポリ塩化ビニル中に入り込むため、良好な耐擦過性が得られる。また、シクロヘキサノンに比べ臭気が弱く作業環境上好ましい溶媒として、N−メチルピロリドン、アミド等の溶媒を含有する非水系インクが開示されている(特許文献2、3参照)。また、耐擦過性等の画像堅牢性を向上させる目的で塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やアクリルなどの樹脂を添加した非水系インクが開示されている(特許文献4、5参照)。
一方、記録媒体上に形成されるインクドットの視認性を下げ画像の粒状感を低減する為に、同一色のインク濃度を変化させた濃色インクと淡色インクを組み合わせたプリント方法が広く普及している。前記、樹脂を含有する非水系インクに、濃色インクと淡色インクを組み合わせたプリント方法を適用した場合、特に高いヘッドの駆動周波数において濃色インクと淡色インクを共に安定に出射することが困難であり高速プリントにおける画像形成上課題となる場合があることが判明した。
特表2002−526631号公報 特開2005−15672号公報 特開2005−60716号公報 特開2005−36199号公報 WO2004/007626号パンフレット
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高速プリントにおいても安定した出射性が得られ、ポリ塩化ビニルに対する印字適性(耐擦過性、光沢、乾燥性)が良好な非水系インクジェット用インクセットとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも混合溶媒、顔料及び樹脂からなる1色以上のインクから構成され、該インクの少なくとも1色が、顔料濃度の異なる淡色インクと濃色インクとから構成される非水系インクジェット用インクセットを、インクジェットヘッドから吐出することによって画像を形成方法において、
該淡色インクが含有する混合溶媒の粘度(V1)と該濃色インクが含有する混合溶媒の粘度(V2)との比(V1/V2)が、下記式(1)を満たし、かつ、
前記インクジェットヘッドのヘッド駆動周波数が7kHz以上となる条件で画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
式(1)
1.1<V1/V2<2.5
2.前記淡色インクが含有する混合溶媒の粘度(V1)が、1.0mPa・s以上、3.7mPa・s以下であることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
3.前記混合溶媒の少なくとも1種が、含硫黄複素環化合物であることを特徴とする前記1または2に記載の画像形成方法。
4.前記含硫黄複素環化合物が、スルホランであることを特徴とする前記3に記載の画像形成方法。
5.前記混合溶媒の少なくとも1種が、ケトン系溶媒であることを特徴とする前記1または2に記載の画像形成方法。
6.前記ケトン系溶媒が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたはラクトン類であることを特徴とする前記5に記載の画像形成方法。
7.前記樹脂の少なくとも1種が、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
8.前記濃色インクまたは淡色インクが含有する樹脂が、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
9.前記1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法で、記録面側に少なくともポリ塩化ビニルを有する記録媒体に画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
本発明により、高速プリントにおいても安定した出射性が得られ、ポリ塩化ビニルに対する印字適性(耐擦過性、光沢、乾燥性)が良好な非水系インクジェット用インクセットとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも混合溶媒、顔料及び樹脂からなる1色以上のインクから構成され、該インクの少なくとも1色が、顔料濃度の異なる淡色インクと濃色インクとから構成される非水系インクジェット用インクセットにおいて、該淡色インクが含有する混合溶媒の粘度(V1)と該濃色インクが含有する混合溶媒の粘度(V2)との比(V1/V2)が、前記式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする非水系インクジェット用インクセットにより、高速プリントにおいても安定した出射性が得られ、ポリ塩化ビニルに対する印字適性(耐擦過性、光沢、乾燥性)が良好な非水系インクジェット用インクセットを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
複数の非水系インクジェットインク(以下、単にインクともいう)から構成される非水系インクジェット用インクセット(以下、単にインクともいう)において、各インクの粘度をできるだけ近い値に調整することが、インク液滴を安定に出射する観点で好ましい。単純に溶媒で希釈し、顔料濃度を低下させて調製した淡色インクの場合、顔料濃度が低いことから濃色インクに比べ低粘度となるため好ましくない。従って、淡色インクと濃色インクの粘度差を少なくするためには、淡色インクではより高粘度の配合物で粘度を調整する必要がある。
淡色インクの具体的な粘度調整手段としては、濃色インクに対して、(1)粒子間相互作用の強いなど、分散液の粘度が高い顔料を選択する、(2)樹脂の添加量を増やす、あるいは高分子量等の特性を備えた高粘度の樹脂を用いる、(3)高粘度溶媒を用いる等の方法が挙げられる。しかしながら、(1)項と(2)項の方法については、出射するインク液滴の曲がりが発生するなど、出射安定性が逆に劣化することが本発明者らの検討で判明した。また、(1)項については、顔料の分散安定性を得ることが困難なんるとの課題もあり好ましくない。本発明者は、上記のような状況を踏まえ検討を進めた結果、(3)項の方法、すなわち、高粘度溶媒を用いて淡色インクと濃色インクの粘度差を少なくする方法を用いることにより、インクの出射液滴の曲がりを抑制でき、安定出射が可能となることを見出した。
(3)項に記載の方法で良好な出射安定性が得られる明確な解釈には至っていないが、(1)項と(2)項の方法では、樹脂や顔料の相互作用が強くなり、その結果、インクの弾性が向上し、インクジェットヘッドの駆動に伴う液滴出射に対してエネルギー損出がある為に安定に出射できないと考えられる。これに対し、(3)項の方法であれば、インクの弾性が比較的低い為、安定に出射できるものと推定している。また、本発明の目的である濃色インクと淡色インクの出射安定性を両立する課題に対し、特に、非水系インクジェット用インクにおいては、サテライトの制御が困難などの問題が起き易いことも本発明者らの検討で判明した。非水系インクジェット用インクは、水系インクジェットインクに比べて表面張力が低いため、インク出射時にインク液滴が尾を引きやすく、その結果、サテライトを生ずるものと推定している。
以下、本発明の非水系インクジェット用インクセットの構成について、具体的に説明する。
本発明の非水系インクジェット用インクセットは、記録媒体上に形成されるインクドットの視認性を下げ、画像の粒状感を低減し、広い濃度範囲にわたって連続的かつなめらかに変化する階調性を表現するために、少なくとも一色以上のインクにおいて、顔料濃度が異なる2つのインク(淡色インク、濃色インク)を使用するインクセットであることを特徴とする。このとき、両者の顔料質量%比(淡色インク/濃色インク)は0.5〜0.1が好ましい。また、本発明においては、濃色インクに対する淡色インクの粘度比率(淡色インク/濃色インク)は、0.85〜1.15の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.9〜1.0の範囲であり、この範囲に粘度バランスを調整することにより、淡色インクと濃色インク共に出射安定性を得やすい。
次に、本発明に用いる混合溶媒について説明する。
本発明において、淡色インクに用いる混合溶媒の粘度(V1)とし、濃色インクに用いる混合溶媒の粘度(V2)とした時、その粘度比(V1/V2)が、1.1<V1/V2<2.5の範囲であることを特徴とする。
本発明において、各混合溶媒の粘度測定方法としては、回転式、振動式や細管式を適用することができ、例えば、Saybolt粘度計、Redwood粘度計、ブルックフィールドアナログ粘度計等を挙げることはできるが、JISZ 8809に規定されている粘度計校正用標準液で検定されたものであれば特に制限されない。本発明における好ましい方法として、ブルックフィールドアナログ粘度計を挙げることができる。また、粘度は、測定時の温度や圧力により変化するが、本発明では25℃、常圧下で測定した値を用いる。
本発明においては、淡色インクに用いる混合溶媒の粘度(V1)は、3.7mPas・s以下であることが、出射液滴の曲がりを抑制しやすい観点から好ましい。粘度(V1)の下限については、特に限定されるものではないが、1.0mPas・s未満の混合溶媒では、攪拌時や計量時に飛散しやすく、また低粘度の溶媒は乾燥しやすい傾向にあるなど製造時のハンドリングにおいて好ましくない。従って、粘度(V1)は1.0mPas・s以上であることが好ましい。
本発明において、本発明で規定する前記式(1)で規定する条件を満たす方法として、特に制限はないが、下記に述べる各溶媒を適宜選択、組み合わせることにより、淡色インクに用いる混合溶媒の粘度(V1)と、濃色インクに用いる混合溶媒の粘度(V2)とを適宜調整することが好ましい。
本発明の目的であるポリ塩化ビニルに対するプリント適性を付与するためには、ポリ塩化ビニルに対する溶解能力が高い溶媒を選択することが、プリント画像の擦過耐性を付与することができる観点から好ましい。一方、このような溶媒はプリンターやインクジェットヘッドに用いる種々の構成部材を劣化させる場合があり、その使用量が制限されるため、インクの粘度の調整目的では、希釈溶媒を併用することが好ましい。これらポリ塩化ビニルに対する溶解能力が高い溶媒と希釈溶媒を組み合わせたものが、本発明でいう混合溶媒である。
上記のポリ塩化ビニルに対する溶解能力が高い溶媒としては、複素環化合物が挙げられ例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリジノン、ラクトンなどのケトン系溶媒や含硫黄複素間化合物が好ましい。含硫黄複素間化合物についてはスルホランが、ケトン系溶媒については、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びγ−ブチロラクトン等のラクトン類が耐擦過性と光沢および乾燥性を満足する点で特に好ましい。
インク中に占める前記複素環化合物の添加量は2〜20質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜10質量%の範囲である。
本発明において、希釈溶剤としては、各インクの粘度を調整することが主目的であるがポリ塩化ビニルに対する親和性が高い溶媒を選択することで、プリント時にはじき等の故障がなく、乾燥性に優れた画像が得られる。親和性を得るため、溶解度パラメータが15MPa1/2以上、28MPa1/2以下、より好ましくは17MPa1/2以上、26MPa1/2以下の溶媒を選択することが好ましい。
本発明でいう溶解度パラメータとは物質間の親和性や溶解性の指標となる有用な尺度である。本発明でいう溶解度パラメータは、25℃における値を示す。溶解度パラメータは各種文献に示されており、例えば、「POLYMER HANDBOOK」(J.Brandrup他、Wiley−interscience Publication)に記載されている。
本発明に係るインクに適用する好ましい希釈溶媒としては、下記一般式(1)及び(2)で表される化合物群から選ばれる1種類以上の化合物が挙げられる。
Figure 0005553104
上記一般式(1)において、R1、R2はそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OX1はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。
Figure 0005553104
上記一般式(2)において、R3、R4はそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OX2はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。
本発明に係る一般式(1)、(2)で表される具体的な化合物としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が挙げられる。これらの中でも溶媒(B)の成分として、少なくとも一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましく、ポリ塩化ビニルに印字した時のインクの速乾性をより向上させることができる。また、溶媒(B)の成分として、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテートから選ばれる少なくとも1種を含有することが出射安定性の点から好ましい。
更に、希釈溶媒として、ジエチレングリコールジエチルエーテルとエチレングリコールジアセテートを少なくとも含有することが好ましく、その含有比は1:1〜10:1であることがより好ましい。このような構成にすることにより、プリント時の速乾性や出射安定性が良好となるのに加え、インクの臭気を低減する効果もある。
本発明のインクセットにおいては、前記溶媒以外の溶媒を本発明の目的効果を損なわない範囲で含有しても良く、そのような溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が挙げられる。
次に、本発明に係る樹脂について説明する。
本発明における樹脂とは、ポリ塩化ビニルに記録した際の定着性を向上させるために用いる。このような樹脂としては、このような樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)等のアクリル系樹脂、エリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等のポリエステル系樹脂、エバフレックス(三井・デュポンポリケミカル社製)等のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エスレック(積水化学社製)等のブチラール樹脂、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等のポリウレタン樹脂、SOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等の塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
出射安定性と画像堅牢性の両立において好ましい樹脂の数平均分子量は10000〜30000の範囲であり、組成としては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。特に好ましい樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物であり、この樹脂は、出射安定性と耐擦過性や乾燥性および光沢をバランスよく向上できる。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物と塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物を混合して用いることも好ましい。
本発明に係る樹脂の合成法としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法など特に制約はなく適用することができるが、溶液重合法が特に好ましい。溶液重合法とは、ビニル基をもつモノマーのラジカル重合を行う際に用いられる方法の一つで、生成するポリマーが可溶な溶媒にモノマーおよび開始剤を溶解させて、加熱して重合を行う方法でダウケミカル社等で製造、販売されている。本発明において更に好ましい樹脂は、溶液重合法により合成された塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物であり、該樹脂のより好ましい数平均分子量は12000〜20000の範囲である。
本発明のインクにおける樹脂の含有量は、1〜10質量%であることが好ましい。含有量を1質量%以上とすることで、ポリ塩化ビニル上に画像記録した際の良好な耐擦過性が得られ、また、10質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなる。より好ましい含有量の範囲は3〜7質量%である。
次いで、本発明で用いる顔料について説明する。
本発明の非水系インクジェットインクに色材として顔料を使用することにより、ポリ塩化ビニルに記録した記録物の耐候性を高めることができる。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントイエロー214等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
以上の他に、レッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には、以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば
C.I.Pigment Red209、224、177、194、
C.I.Pigment Orange43、
C.I.Vat Violet3、
C.I.Pigment Violet19、23、37、
C.I.Pigment Green7、36、
C.I.Pigment Blue15:6、等が用いられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明において、濃色インクにおける顔料の含有量は、2〜10質量%とすることが好ましい。また、淡色インク顔料の含有量は前記のように、濃色インクに対する淡色インクの顔料含有量比(淡インク/濃インク)が0.5〜0.1であることが好ましい。
本発明に係る顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
本発明に係るインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、50nm以上、150nm以下がより好ましい。平均粒径を10nm以上とすることにより顔料粒子同士の凝集が生じにくくなり、平均粒径を200nm以下とすることによって、長期間にわたり保存した際に顔料が沈降する現象を抑制しやすくなるため、平均粒径を前記の範囲とすることで保存安定性が良好なインクを得られやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤等が用いられるが、高分子分散剤が好ましい。高分子分散剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、Anti−Terra−U(BYKChemie社製)、Disperbyk(BYK Chemie社製)、Efka(Efka CHEMICALS社製)、フローレン(共栄社化学社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、デモール(花王社製)、ホモゲノール、エマルゲン(以上、花王社製)、ソルスパーズ(アビシア社製)、ニッコール(日光ケミカル社製)等が挙げられる。
本発明に係るインクにおける分散剤の含有量は、顔料に対して10〜200質量%であることが好ましい。10質量%以上とすることで顔料分散の安定性が高められ、200質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなる。
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができる。
本発明に係るインクを吐出して画像形成を行う際に使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
本発明に係るインクを用いたインクジェット記録方法においては、例えば、インクジェットインクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを吐出し記録媒体に付着させることで、インクジェット記録画像が得られる。記録媒体に付着させたインクを素早く確実に乾燥させるため、記録媒体の表面温度を高めて画像形成する方法が好ましい。表面温度は記録媒体の耐久性や、用いるインクの乾燥性に応じて調節するが、好ましくは40〜100℃である。特に、記録媒体としてポリ塩化ビニルを用いる場合、表面温度を高めることにより記録媒体表面に対するインクの濡れ性が向上するため、表面温度を高めて記録することはより好ましい。ポリ塩化ビニル製の記録媒体の銘柄によっても濡れ性やインク乾燥性に違いが生じることがあるので、各媒体の特性に応じて表面温度を調節しても良い。
記録媒体の表面温度を高めて記録を行う場合、インクジェット記録装置にヒーターを搭載させることが好ましく、記録媒体の搬送前、もしくは搬送時に加熱を行うことにより、インクジェット記録装置単体で記録媒体の表面温度を調節することが可能である。
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体としては、ポリ塩化ビニルを用いることを特徴とする。ポリ塩化ビニルからなる記録媒体の具体例としては、SOL−371G、SOL−373M、SOL−4701(以上、ビッグテクノス株式会社製)、光沢塩ビ(株式会社システムグラフィ社製)、KSM−VS、KSM−VST、KSM−VT(以上、株式会社きもと製)、J−CAL−HGX、J−CAL−YHG、J−CAL−WWWG(以上、株式会社共ショウ大阪製)、BUSMARK V400 F vinyl、LITEcal V−600F vinyl(以上、Flexcon社製)、FR2(Hanwha社製)LLBAU13713、LLSP20133(以上、桜井株式会社製)、P−370B、P−400M(以上、カンボウプラス株式会社製)、S02P、S12P、S13P、S14P、S22P、S24P、S34P、S27P(以上、Grafityp社製)、P−223RW、P−224RW、P−249ZW、P−284ZC(以上、リンテック株式会社製)、LKG−19、LPA−70、LPE−248、LPM−45、LTG−11、LTG−21(以上、株式会社新星社製)、MPI3023(株式会社トーヨーコーポレーション社製)、ナポレオングロス光沢塩ビ(株式会社二樹エレクトロニクス社製)、JV−610、Y−114(以上、アイケーシー株式会社製)、NIJ−CAPVC、NIJ−SPVCGT(以上、ニチエ株式会社製)、3101/H12/P4、3104/H12/P4、3104/H12/P4S、9800/H12/P4、3100/H12/R2、3101/H12/R2、3104/H12/R2、1445/H14/P3、1438/OneWay Vision(以上、Inetrcoat社製)、JT5129PM、JT5728P、JT5822P、JT5829P、JT5829R、JT5829PM、JT5829RM、JT5929PM(以上、Mactac社製)、MPI1005、MPI1900、MPI2000、MPI2001、MPI2002、MPI3000、MPI3021、MPI3500、MPI3501(以上、Avery社製)、AM−101G、AM−501G(以上、銀一株式会社製)、FR2(ハンファ・ジャパン株式会社製)、AY−15P、AY−60P、AY−80P、DBSP137GGH、DBSP137GGL(以上、株式会社インサイト社製)、SJT−V200F、SJT−V400F−1(以上、平岡織染株式会社製)、SPS−98、SPSM−98、SPSH−98、SVGL−137、SVGS−137、MD3−200、MD3−301M、MD5−100、MD5−101M、MD5−105(以上、Metamark社製)、640M、641G、641M、3105M、3105SG、3162G、3164G、3164M、3164XG、3164XM、3165G、3165SG、3165M、3169M、3451SG、3551G、3551M、3631、3641M、3651G、3651M、3651SG、3951G、3641M(以上、Orafol社製)、SVTL−HQ130(株式会社ラミーコーポレーション製)、SP300GWF、SPCLEARAD vinyl(以上、Catalina社製)、RM−SJR(菱洋商事株式会社製)、HiLucky、New Lucky PVC(以上、LG社製)、SIY−110、SIY−310、SIY−320(以上、積水化学工業株式会社製)、PRINT MI Frontlit、PRINT XL Light weightbanner(以上、Endutex社製)、RIJET 100、RIJET 145、RIJET165(以上、Ritrama社製)、NM−SG、NM−SM(日栄化工株式会社製)、LTO3GS(株式会社ルキオ社製)、イージープリント80、パフォーマンスプリント80(以上、ジェットグラフ株式会社製)、DSE550、DSB 550、DSE 800G、DSE 802/137、V250WG、V300WG、V350WG(以上、Hexis社製)、DigitalWhite 6005PE、6010PE(以上、Multifix社製)等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクセットの調製》
〔顔料分散体の調製〕
〈顔料分散体1の調製〉
顔料としてC.I.ピグメントレッド122を12部、顔料分散剤であるソルスパーズ24000(アイ・シー・アイ・ジャパン社製)を5部、ジエチレングリコールジエチルエーテルを83部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して、顔料分散体1を得た。なお、顔料分散体1について25℃、常圧下で測定した粘度は18.4mPa・sであった。
〈顔料分散体2の調製〉
上記顔料分散体1の調製において、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19に変更した以外は同様にして、顔料分散体2を得た。なお、顔料分散体2について25℃、常圧下で測定した粘度は80.4mPa・sであった。
〔インクセット1の調製〕
〈濃色インク1の調製〉
ジエチレングリコールジエチルエーテルを32部、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを6部、2酢酸エチレンを15部混合した溶媒に、樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VYHD、ダウケミカルズ社製、数平均分子量22,000)を5部徐々に添加、攪拌、溶解して、溶液Aを調製した。
次に、上記顔料分散体1の42部を攪拌しながら溶液Aの全量を添加し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過して、濃色インク1を得た。
濃色インク1(100部)中の各成分比率を下記に示す。
C.I.ピグメントレッド122 5部
ソルスパーズ24000 2.1部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 66.9部
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 6部
2酢酸エチレン 15部
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物 5部
上記調製した濃色インク1の25℃、常圧下で測定した粘度は、8.51mPas・sであった。また、濃色インク1中の混合溶媒、すなわちジエチレングリコールジエチルエーテルを66.9部と1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを6部及び2酢酸エチレンを15部混合した混合溶媒について、同様に25℃、常圧下で測定した粘度は1.48mPas・sであった。
〈淡色インク1の調製〉
上記濃色インク1の調製において、顔料分散体1の添加量を8.1部に、溶液Aの調製に用いたジエチレングリコールジエチルエーテルの添加量を65.9部に変更した以外は同様にして、淡色インク1を調製した。
淡色インク1(100部)中の各成分比率を下記に示す。
C.I.ピグメントレッド122 1部
ソルスパーズ24000 0.4部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 72.6部
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 6部
2酢酸エチレン 15部
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物 5部
上記調製した淡色インク1の25℃、常圧下で測定した粘度は6.96mPas・sであった。また、淡色インク1中の混合溶媒、すなわち、ジエチレングリコールジエチルエーテルを72.6部と1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを6部及び2酢酸エチレンを15部混合した溶媒について、同様に25℃、常圧下で測定した粘度は1.46mPas・sであった。
以上の濃色インク1と淡色インク1の組合せを、インクセット1とした。
〔インクセット2〜7の調製〕
上記インクセット1の調製において、濃色インク及び淡色インクの調製で使用した混合溶媒の種類と配合比率を表1に記載のように変更した以外は同様にして、インクセット2〜7を調製した。
〔インクセット8の調製〕
上記インクセット1の調製において、淡色インク1の調製に用いた樹脂(VYHD)の添加量を5.5部に変更し、混合溶媒の種類と配合比率を表1に示すように変更した以外は同様にして、インクセット8を作成した。
〔インクセット9の調製〕
上記インクセット1の調製において、淡色インク1の調製に用いた樹脂(VYHD)を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VYHH、ダウケミカルズ社製、数平均分子量27,000)に変更した以外は同様にして、インクセット9を調製した。
〔インクセット10の調製〕
上記インクセット1の調製において、淡色インク1の調製に用いた顔料分散体1を、顔料分散体2に変更した以外は同様にして、インクセット10を調製した。
Figure 0005553104
なお、表1に略称で記載の各添加剤の詳細は以下の通りである。
〈混合溶媒〉
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DMID:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
TeEGMBE:テトラエチレングリコールモノブチルエーテル
〈樹脂〉
VYHD:塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物、ダウケミカルズ社製、数平均分子量22,000
VYHH:塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物、ダウケミカルズ社製、数平均分子量27,000
〈顔料〉
PR122:C.I.ピグメントレッド122
PV19:C.I.ピグメントバイオレット19
《インクセットの評価》
上記調製した各インクセットについて、下記の方法に従って出射性と形成画像の評価を行った。
〔出射安定性の評価〕
ノズル口径28μm、駆動周波数7kHz、ノズル数512、最小液適量14pl、ノズル密度180dpi(なお、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、最大記録密度が1440×1440dpiであるヒーターを搭載したオンデマンド型インクジェットプリンタに、各インクセットを装填した。
次いで、プリンター主走査方向に濃色インク、副走査方向に淡色インクを用いて格子状にラインを記録した。なお、線幅は約0.3mm、格子間隔は約1mmで10cm四方の格子画像とした。また、記録媒体はポリ塩化ビニル製のJT5929PM(Mactac社製)を用いた。プリント中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が40℃になるようにヒーターで制御した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形 (株)堀場製作所社製)を用いて測定した。ヘッド駆動周波数7kHz、10kHz、15kHzの各条件で、前記格子画像をプリントし、下記基準に従い出射安定性を評価した。
○:格子線に曲がりや途切れがなく均一な画像が得られる
△:格子線に曲がりが見られるが、途切れはなく実用上許容できる範囲
×:格子線の曲がりや途切れがあり、部分的な濃度斑が発生
なお、特開2002−363469号公報の図2に記載のストロボ発光方式のインク飛翔観察装置を用いて、吐出周期と発光周期を同期させCCDカメラにより、各インクの飛翔状態をモニターしたところ、上記評価で格子線の曲がりや途切れが見られるインクで液滴速度の低下や欠が発生するノズルが見られた。
〔画像の評価〕
〈耐擦過性の評価〉
上記出射安定性の評価に用いた格子画像(ヘッド駆動条件7kHz)を、乾いた木綿(カナキン3号)で擦り、下記基準に従って耐擦過性を評価した。
○:51回以上擦っても画像はほとんど変化しない
△:50回擦った段階で、木綿(カナキン3号)にわずかな着色があるが、プリント画像にはほとんど影響しない
×:20回未満の回数を擦る間に、格子画像の欠落が発生する
〈乾燥性の評価〉
出射安定性性の評価に用いたプリンターと記録媒体を使い、ヘッド駆動周波数7kHzで濃色インクと淡色インクの各ベタ画像を隣接して形成した。プリント中は、前記同様に記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が40℃になるようにヒーターで制御した。
画像を記録した後、ベタ画像表面を指で擦り、下記の基準に従って乾燥性を評価した。
○:指で擦っても画像が取れなくなる時間は、画像記録直後から計測して3分未満である
△:指で擦っても画像が取れなくなる時間は、画像記録直後から計測して3分以上、5分未満である
×:指で擦っても画像が取れなくなる時間が、画像記録直後から計測して5分以上かかる
〈光沢感の評価〉
乾燥性の評価と同様にして、濃色インクでプリントしたベタ画像(濃色プリント部)と淡色インクでプリントしたベタ画像(淡色プリント部)の光沢およびプリントしていない部分(未プリント部)の光沢を目視観察し、下記基準に従って光沢感を評価した。
○:濃色プリント部、淡色プリント部および未プリント部のいずれも同等の光沢を示し、光沢感に優れた画像である
△:濃色プリント部、淡色プリント部および未プリント部のいずれかの間で若干の光沢差が感じられるが、許容できるレベルの光沢感を示す
×:濃色プリント部、淡色プリント部のいずれかの画像が失透しており、光沢感に欠ける画像である
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 0005553104
表2に記載の結果より明らかなように、本発明のインクセットはヘッド駆動周波数10kHzと15kHzにおいて格子画像の曲がりや途切れがないか、実用上問題ない範囲で安定した出射画像が得られる。一方、比較例に示したインクセットでは10kHz以上の駆動周波数で格子画像の曲がりや途切れがあり、出射安定性が得られない結果であった。なお、画像評価においては、いずれのインクセットにおいても問題ない範囲であった。
実施例2
《インクジェットインクの調製》
〔顔料分散体3の調製〕
実施例1に示した顔料分散体1の調製において、顔料の種類をC.I.ピグメントブルー15:4に変更した以外は同様にして、顔料分散体3を調製した。なお、顔料分散体3について25℃、常圧下で測定した粘度は18.6mPas・sであった。
〔インクセット11の調製〕
実施例1に示したインクセット3の調製において、顔料分散体1に代えて、上記調製した顔料分散体3を用いた以外は同様にして、インクセット11を調製した。
〔インクセット12〜22の調製〕
上記インクセッ11の調製において、使用した樹脂またはケトン系溶媒のジメチルイミダゾリジノンを表3に示すように変更した以外は同様にして、インクセット12〜22を調製した。
また、インクセット11〜22の調製に使用した各混合溶媒と各インクについて、25℃、常圧下で測定した粘度を測定し、得られた結果を表3に示した。
Figure 0005553104
なお、表3に略称で記載の各添加剤の詳細は以下の通りである。
〈混合溶媒〉
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DMID:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
2EA:2酢酸エチレン
TeEGMBE:テトラエチレングリコールモノブチルエーテル
BL:γ−ブチロラクトン
CH:シクロヘキサノン
MP:N−メチルピロリドン
PyD:2−ピロリドン
〈樹脂〉
VYHD:塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物、ダウケミカルズ社製、数平均分子量22,000
VMCA:塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、ダウケミカルズ社製
アクリル:ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体(デグサ社製、DEGLANP24)
*1:エチレン/酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、エバフレックス45X)
ブチラール:ポリビニルブチラール樹脂、積水化学社製、エスレックBL−1
《インクセットの評価》
上記調製した各インクセットについて、実施例1と同様の方法に従って、出射安定性と形成画像の評価を行い、得られた各結果を、表4に示す。
Figure 0005553104
表4に記載の結果より明らかなように、樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物VMCA(商品名、ダウケミカルズ社製)を使用したインクセット12及び16〜20は、ヘッド駆動周波数15kHzの条件においても格子画像の曲がりや途切れがなく、特に良好な出射安定性を示す。また、ケトン系溶媒を変更したインクセット12、16〜20を比較すると、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホランをそれぞれ使用したインクセット12、16、20が、形成画像の各評価結果において優れた効果を発揮することが分かる。

Claims (9)

  1. 少なくとも混合溶媒、顔料及び樹脂からなる1色以上のインクから構成され、該インクの少なくとも1色が、顔料濃度の異なる淡色インクと濃色インクとから構成される非水系インクジェット用インクセットを、インクジェットヘッドから吐出することによって画像を形成する方法において、
    該淡色インクが含有する混合溶媒の粘度(V)と該濃色インクが含有する混合溶媒の粘度(V)との比(V/V、下記式(1)を満たし、前記濃色インクに対する、前記淡色インクの粘度比率は、0.85〜1.15であり、かつ、
    前記インクジェットヘッドのヘッド駆動周波数が7kHz以上となる条件で画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
    式(1)
    1.1<V/V<2.5
  2. 前記淡色インクが含有する混合溶媒の粘度(V)が、1.0mPa・s以上、3.7mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記混合溶媒の少なくとも1種が、含硫黄複素環化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記含硫黄複素環化合物が、スルホランであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記混合溶媒の少なくとも1種が、ケトン系溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  6. 前記ケトン系溶媒が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたはラクトン類であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 前記樹脂の少なくとも1種が、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記濃色インクまたは淡色インクが含有する樹脂が、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法で、記録面側に少なくともポリ塩化ビニルを有する記録媒体に画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。

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