JP5552397B2 - 合成樹脂製容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製の容器に関する。特に、例えば麺類等の食品を収容して食品パッケージとして使用可能な合成樹脂製の食品容器に関する。
従来、合成樹脂製の食品容器として、上端に平面視円環状の開口端部を有する容器本体と、その容器本体の開口端部に嵌合可能な蓋体とからなり、容器本体に蓋体を嵌合させることで容器内部をほぼ密閉状態に保持可能とした容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
上記のような蓋体嵌合型の容器本体では、その開口端に半径方向外向きに突出するフランジ部を設けるのが通例となっている(特許文献1参照)。また、そのようなフランジ部に対してカーリング(内向き反転したカール部を形成する加工)を施すことも行われている(特許文献2参照)。フランジ・カーリングの主たる目的は、カール部の形成によって口縁部分の補強を図ると共に、容器本体の開口端に人が口を付けたときの口当り感を良くすることにある。なお、特許文献2には、合成樹脂製容器本体の円環状開口端のフランジ部に対してカーリングを施すための装置(口縁捲回装置)が開示されている。この口縁捲回装置は、捲回用溝(40)を有するカーリング型(4)と、キャビティ型(3)とを備えている。そして、予め加熱されたカーリング型の捲回用溝(40)に対し容器本体のフランジ部を回転させながら徐々に押し込むと共に、その最終段階でカーリング型の捲回用溝(40)を塞ぐ位置にキャビティ型(3)を配置することで、容器本体のフランジ部にカール部を形成している。
特許第3108982号公報 特公昭62−28732号公報
上記のような合成樹脂製容器にあっては、同一の成型用金型を使用した場合でも成型条件等によって製品寸法にバラツキが生じ易く、容器本体と蓋体との嵌合が不安定になり易いことが経験的に知られている。具体的には、製造ロットによっては、容器本体と蓋体との間の嵌合がカツカツ(嵌合がきつ過ぎる状況)になったり、スカスカ(嵌合がゆる過ぎる状況)になったりすることがある。特に従来の容器では、容器本体の円環状開口端と蓋体とが全周嵌合する設計となっているため、寸法の僅かな誤差も容器本体と蓋体との嵌合状態(即ち嵌合の強度)を不安定化させる。
本発明の目的は、蓋体嵌合型の合成樹脂製容器において、容器本体と蓋体との間に少々の寸法バラツキが存在したとしても、容器本体と蓋体との適度な嵌合状態又は嵌合強度を安定的に実現することができる合成樹脂製容器を提供することにある。
請求項1の発明は、まず、上端に平面視略円環状の開口端部を有する容器本体と、その容器本体の開口端部に係合可能な環状係合部を有する蓋体とを備えた合成樹脂製容器において、
容器本体の開口端部の外側全周にわたり、容器本体の側壁に向かって下方且つ内方へ巻き込むように反転形成されたカール部が設けられており、
前記カール部の少なくとも外縁には、凹部又は凸部のいずれか少なくとも一方の複数からなる凹凸形成領域と、凹部も凸部も持たない凹凸不形成領域とが設けられ、且つ、これら両領域が当該カール部の周方向に沿って交互に配置されている、ことを特徴とする。
また、この請求項1の発明は、さらに、前記カール部をカーリング加工により形成することで、当該カール部の凹凸不形成領域凹凸形成領域よりも半径方向外寄りに相対配置され、カーリング加工完了後におけるカール部の外周アウトラインが非円形状を呈する、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の合成樹脂製容器において、前記カール部には、少なくとも3箇所に凹凸不形成領域が設けられている、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、蓋体が嵌合可能な平面視略円環状の開口端部を具備し、その開口端部が全周にわたってカール部を有してなる容器本体を製造する方法であって、
A)合成樹脂製の原反シートを準備するシート準備工程と、
B)原反シートの加熱下、当該原反シートの一部に容器本体前駆体の形状を成形する成形工程であって、
この原反シートの容器本体前駆体には水平フランジ部を成形すると共に、この水平フランジ部の外周縁部乃至全体に相当する平面視円環状のカール予定部位に対して、凹部又は凸部のいずれか少なくとも一方の複数からなる凹凸形成領域と、凹部も凸部も持たない凹凸不形成領域とを、これら両領域がカール予定部位の周方向に沿って交互に配置されるように成形する成形工程と、
C)カール予定部位の外周縁に沿って原反シートから容器本体前駆体を切り離すカット工程と、
D)カット工程で切り離された容器本体前駆体の水平フランジ部のうちのカール予定部位に対してカーリング加工を施すことにより、水平フランジ部の全周にわたり、周方向に交互配置された凹凸形成領域および凹凸不形成領域を有するカール部を形成するカーリング工程と、を備えてなることを特徴とする容器本体の製造方法である。
[本発明の作用に関する補足説明]
本発明の合成樹脂製容器は、上端に平面視略円環状の開口端部13を有する容器本体10と、その容器本体の開口端部13に係合可能な環状係合部33を有する蓋体30とを備え、容器本体の開口端部13の外側にはその全周にわたりカール部15が設けられていることを前提とするものである。特に本発明では、容器本体前駆体の水平フランジ部の外周縁部乃至全体に相当する平面視円環状のカール予定部位に対し、「凹凸形成領域16」および「凹凸不形成領域17」を設けておき、そのような二領域併存のカール予定部位に対してカーリング加工を施すことで、容器本体の開口縁において図8(B)に示すような微妙な変形を生じさせ、そのことが容器本体10と蓋体30との間の安定的嵌合に極めて好都合な状態をもたらすのである。
凹凸形成領域16および凹凸不形成領域17が周方向に沿って交互配置されたカール予定部位に対し例えば口縁捲回装置を用いてカーリング加工を施した場合、凹凸形成領域16と凹凸不形成領域17とが等しくカーリングされるわけではなく、ましてやカーリング加工完了後に、図8(A)に示すようにカール部の外周アウトラインOLが真円を描くわけではない。実際にはカーリング加工時に次のようなことが起きる。即ち、凹凸形成領域16では、比較的小さな曲率半径での反転曲げ加工が容易であるために、折り曲げ予定位置線(図8(A)中の半径Rの円弧線)にほぼ沿った位置でカーリングが可能である。
これに対し凹凸不形成領域17では、反転曲げ加工は必ずしも容易ではなく、半径Rの折り曲げ予定位置線通りの位置でカーリングを行うのは困難であって実際には前記折り曲げ予定位置線よりも若干外寄りに張り出した位置でカーリングが達成される(図8(A)中の四つの小矢印は、カーリング位置が外方向に張り出す傾向を示唆する)。このため、カール予定部位の全周にわたってカーリング加工を完了した暁には、図8(B)にデフォルメして示すように、凹凸不形成領域17が凹凸形成領域16よりも半径方向外寄りに相対配置される傾向(配置の不均衡化)が現れ、その結果、カーリング加工完了後には、カール部の外周アウトラインOLが真円からはずれた非円形状を呈することになる。
このように、外周アウトラインOLが円形から微妙に崩れた平面視非円形状の開口縁に対して蓋体を嵌合させた場合、蓋体の環状係合部33の内接円(図8(B)に仮想線33Lで示す)と容器本体の開口縁との接触は、全周接触ではなく、複数の凹凸不形成領域17での点接触または部分円弧接触となる。また、外周アウトラインOLのうち各凹凸不形成領域17に対応する部位は、蓋体の環状係合部33に対して弾性係合可能な部位となる。このような状況のもとで容器本体10と蓋体30とを嵌合させたときには、これらが仮に熱膨張や熱収縮等に起因する寸法のバラツキを内在していたとしても、全周嵌合の場合のようなカツカツ又はスカスカした状況は生まれにくく、容器本体10と蓋体30との間の安定した嵌合を実現することができる。
本発明の合成樹脂製容器によれば、容器本体の開口端部の外側全周に設けられたカール部において、凹凸形成領域凹凸不形成領域とを当該カール部の周方向に交互配置するという構成を採用したことで、上述のように、容器本体のカール部の外周アウトラインを微妙に真円からはずれた非円形状とすることができると共に、カール部のうちの凹凸不形成領域に対応する部位を蓋体の環状係合部に対する弾性係合部として機能させることができる。従って、容器本体と蓋体との間に少々の寸法バラツキが存在したとしても容器本体と蓋体との適度な嵌合状態又は嵌合強度を安定的に実現することができる。
また、容器本体側のカール部の少なくとも3箇所に凹凸不形成領域を設けることで、容器本体に蓋体を嵌合させたときの蓋体の姿勢安定性を高めることができる。
本発明の蓋体嵌合型の容器本体の製造方法によれば、容器本体前駆体の水平フランジ部の外周縁乃至全体にカール部を形成する目的でカーリング加工を施したときに、そのカーリング加工に付随する副次的産物として、カール部の外周アウトラインの非円形化をごく自然に誘導することができる。つまり、一工程のカーリング加工によって、カール部の形成とその外周アウトラインの非円形化とを同時達成することができ、目的とする蓋体嵌合型の容器本体を極めて効率的に量産することができる。
一実施形態に従う容器本体を示し、(A)は概略平面図、(B)は直径方向断面(X1−X1線断面)における端面図。 図1の容器本体に嵌合可能な蓋体を示し、(A)は概略平面図、(B)は直径方向断面(X2−X2線断面)における端面図。 容器本体と蓋体との嵌合部位及びその近傍の径方向断面図。 熱成形機の概略を示す図。 熱成形された原反シートを示し、(A)は部分平面図、(B)は部分側面図。 (A)は原反シートから切り離された容器本体前駆体の平面図、(B)は凹凸不形成領域を横断する位置での断面図(B1−B1線断面図)、(C)は凹凸形成領域を横断する位置での断面図(C1−C1線断面図)。 (A)はカーリング加工後の容器本体の平面図、(B)は凹凸不形成領域を横断する位置での断面図(B2−B2線断面図)、(C)は凹凸形成領域を横断する位置での断面図(C2−C2線断面図)。 (A)及び(B)はカーリング加工の影響を説明するための模式図であり、特に(B)はカーリング加工後におけるカール部の外周アウトラインを示す。
以下、本発明の一実施形態である冷麺用の食品容器について図面を参照しつつ説明する。食品容器は、図1に示す容器本体10と、図2に示す蓋体30とから構成される。
図1に示すように、容器本体10は概してカップ型の形状をなし、平面視円形状の底壁11と、その周辺部から立ち上がる略截頭円錐台形状の側壁12とを有している。容器本体側壁12の上端位置には平面視略円環状の開口端部13が存在し、その開口端部13にはその全周にわたって半径方向外向きに延出する本体水平フランジ部14aが設けられている。そして、本体水平フランジ部14aの外周縁部には、それに繋がるカール部15が設けられている。カール部15の詳細については後ほど説明する。
図2に示すように、蓋体30は下側に開口した浅皿型の形状をなし、平面視円形状の天井壁31と、その周辺部から立ち下がる略短円筒状の側壁32とを有している。蓋体側壁32はその径方向断面が段差状となるように形成されており、蓋体側壁32の下端寄り位置には、前記容器本体10との相互係合に関与する環状係合部33が設定されている。容器本体10に蓋体30を嵌合させたとき、図3に示すように容器本体の開口縁を構成する本体水平フランジ部14aの外周縁(及びカール部15の外周縁)が蓋体の環状係合部33の内周側に接触・係合することにより、容器本体10の上に蓋体30が保持される。
図5〜図7は容器本体の本体水平フランジ部14a及びカール部15の形成手順を示す一連の図であるが、特に図7に示すように、本体水平フランジ部14aの外周縁部には、その全周にわたってカール部15が設けられている。カール部15は、本体水平フランジ部14aの下側に位置して、本体水平フランジ部14aの外周縁から容器本体の側壁12に向かって下方且つ内方へ巻き込むように反転形成されている。本実施形態では、カール部15には、4つの凹凸形成領域16と4つの凹凸不形成領域17とが、当該カール部15の周方向に沿って交互配置されるように設けられている(図6参照)。ここで、凹凸形成領域16とは、容器本体10の半径方向に延びる多数の凹部(溝部)又は凸部(突条部)のいずれか少なくとも一方が密集することで素地表面がデコボコした領域をいう。他方、凹凸不形成領域17とは、前記凹凸形成領域16にあるような凹部(溝部)凸部(突条部)持たず、素地表面が滑らかな領域をいう。ちなみに本実施形態では、凹凸形成領域16の周方向に沿った断面が「波形」となるように、凹部(溝部)凸部(突条部)が形成されている。
尚、本実施形態では、カール部15における凹凸不形成領域17の数を4箇所としたが、凹凸不形成領域17の数はこれに限定されず、2箇所以上であればいつくでもよい。但し、容器本体10に対する蓋体30の安定保持の観点から、凹凸不形成領域17の数は3箇所以上が好ましい。更に言えば、容器本体10の製造のし易さ及び嵌合時における蓋体30の姿勢安定性とのバランスを考慮すると、凹凸不形成領域17の数は3〜6の範囲が好ましい。ちなみに凹凸形成領域16と凹凸不形成領域17とはカール部15の周方向に交互配置されることから、凹凸形成領域16の数は必然的に凹凸不形成領域17の数と同数となる。また、4つの凹凸不形成領域17は、好ましくは、容器本体10の中心軸に対して等角度間隔(即ち90°間隔)で設けられている。
食品容器を構成する容器本体10及び蓋体30のいずれについても、合成樹脂製の原反シートを熱成形して製造可能である。蓋体30の製造は従前の方法によるものであり、特に新規な手順は無いので説明を省略する。他方、容器本体10の製造手順には、従来法には見られない特徴があるので以下に詳述する。
[容器本体の製造手順について]
容器本体10は、以下に述べるシート準備工程、本体形状の成形工程、カット工程およびカーリング工程を経て製造される。なお、成形工程及びカット工程は、図4に示すような熱成形機40によって実行される。この熱成形機40は、原反シートSを加熱する加熱部41と、加熱した原反シートSに真空成形および/または圧空成形を施すための金型(図示略)を有する成形部42と、その成形部42で成形された容器を原反シートSから切り離すためのカットプレス部43とを備える。
A)シート準備工程
この工程では、合成樹脂製の原反シートSが準備される。原反シートSを構成する合成樹脂としては熱可塑性樹脂が用いられる。使用可能な熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ乳酸、及びこれら樹脂の発泡体をあげることができる。なお、原反シートSを構成する合成樹脂には、必要に応じてタルクその他の添加物を添加することができる。原反シートSの厚さの好適範囲は0.1mm〜1.0mm、より好ましくは0.30mm〜0.45mmである。
B)本体形状の成形工程
この工程では、原反シートSを所定温度に加熱した状況のもとで、原反シートSの一部に容器本体前駆体10Z(カーリング前の容器本体)の形状が成形される(図5参照)。より具板的には、熱成形機の加熱部41で原反シートSを加熱すると共に、熱せられた原反シートSを成形部42に搬送して真空又は圧空による熱成形を施し、そのまま成形品を加熱状態の金型に保持することで原反シートSの一部に容器本体のカップ形状に対応する形状を付与している。その際、カップ形状の成形と同期して、図5(A)及び(B)に示すように容器本体前駆体10Zの水平フランジ部14の外周縁部に相当する平面視円環状(リング状)のカール予定部位15yに対し、前述のような凹凸形成領域16と凹凸不形成領域17とを、これら二種類の領域が当該カール予定部位15yの周方向に沿って交互に配置されるように成形している。
なお、凹凸形成領域16では、容器本体10の半径方向に延びる1条の凹部(溝部)と1条の凸部(突条部)とが隣接配置されている。この隣り合う凹部と凸部からなる一組の凹凸部における周方向寸法を「凹凸部の配列ピッチ」と呼ぶことにすると、この凹凸形成領域16における凹凸部の配列ピッチは、好ましくは、1.0mm〜5.0mmの範囲、より好ましくは、1.0mm〜2.0mmの範囲である。なお、本実施形態では、凹凸形成領域16の周方向断面が「波形」となるように、凹部(溝部)又は凸部(突条部)が形成されている。
また、カール予定部位15y(及びカール部15)の全周を100%とした場合、その全周のうち全ての凹凸形成領域16が占める割合は、好ましくは70%〜90%であり、全ての凹凸不形成領域17が占める割合はその残り(即ち30%〜10%)である。仮に、全ての凹凸形成領域16が占める割合が70%未満になると(つまり全ての凹凸不形成領域17が占める割合が30%以上になると)、凹凸形成領域16の割合が相対的に少なくなり過ぎて、図8(B)に示したような、カーリング加工に起因するカール部の外周アウトラインOLの非円形状化が実現しないおそれがある。他方、全ての凹凸形成領域16が占める割合が90%を超えると(つまり全ての凹凸不形成領域17が占める割合が10%以下になると)、凹凸不形成領域17の割合が相対的に少なくなり過ぎて、図8(B)に示したような、カーリング加工に起因するカール部の外周アウトラインOLの非円形状化が実現しないおそれがある。
C)カット工程
この工程では、カール予定部位15yの外周縁(外周輪郭)に沿って容器本体前駆体10Zが原反シートSから切り離される(図6参照)。より具体的には、熱成形機の成形部42で熱成形された原反シートSのカップ状部位がカットプレス部43に搬送され、このカットプレス部43の円筒刃(図示略)によって打ち抜き加工が行われる。この打ち抜き加工により、図6に示すような容器本体前駆体10Zが得られる。ちなみに図6(B)は凹凸不形成領域17でのカール予定部位15yの半径方向断面を示し、図6(C)は凹凸形成領域16でのカール予定部位15yの半径方向断面を示す。
D)カーリング工程
この工程では、前記カット工程で切り離された容器本体前駆体の水平フランジ部14のうちのカール予定部位15yに対し、例えば前述のような口縁捲回装置を用いてカーリング加工が施される(図7参照)。より具体的には、容器本体前駆体10Zを口縁捲回装置に装填すると共に、予め加熱されたカーリング型の捲回用溝に対し容器本体前駆体のカール予定部位15yを回転させながら徐々に押し込むことで、最終的にはフランジ部14の外周縁部全体にわたって図7に示すようなカール部15が形成される。このカール部15は、容器本体の開口端部の外側全周にわたって形成され、周方向に交互配置された4つの凹凸形成領域16と4つの凹凸不形成領域17とを有する。このカーリングの過程で、容器本体のカール部15には、上記「本発明の作用に関する補足説明」の欄で説明したような、各凹凸不形成領域17が各凹凸形成領域16よりも半径方向外寄りに相対配置されるという「配置の不均衡化」が生じ、カーリング加工完了後のカール部15の外周アウトラインOLが、厳密な意味での真円から微妙に変形した非円形状を呈する結果となる(図8(B)参照)。なお、原反シートSから切り離し直後の容器本体前駆体10Zのカール予定部位15yはその平面視形状が正確な円形を呈しているので、口縁捲回装置でカーリング加工を行う際の容器本体前駆体10Zの回転操作(回転駆動)を円滑且つ容易に行うことができる。
[実施形態の効果]
上記容器本体10の製造手順では、容器本体形状の熱成形工程で、水平フランジ部14の外周縁部に相当するカール予定部位15yの一部に前述のような凹凸形成領域16を予め設けておき、その後にこれらの凹凸部を起点としてカーリング加工を施している。このため、カール予定部位15yのカーリング加工が円滑に行われるほか、凹凸形成領域16を設けない場合に比べてカーリング加工の歩留まりが向上する。また、水平フランジ部14の外周縁にカール部15を形成する目的でカーリング加工を施したときに、カール部15の形成とその外周アウトラインOLの非円形化とを同時達成することができ、目的とする蓋体嵌合型の容器本体10を極めて効率的に量産することができる。
本実施形態の食品容器によれば、容器本体10の本体水平フランジ部14aの外周縁に設けられたカール部15において、凹凸形成領域16と凹凸不形成領域17とを当該カール部15の周方向に交互配置するという構成を採用したことで、上述のように、容器本体の開口縁たるカール部15の外周アウトラインOLを微妙に真円からはずれた非円形状とすることができると共に、カール部15のうちの凹凸不形成領域17に対応する部位を蓋体の環状係合部33に対する弾性係合部として機能させることができる。このため、容器本体10と蓋体30との間に少々の寸法バラツキが存在したとしても、容器本体10と蓋体30との間に適度な嵌合強度をもたせることができる。
例えば、容器本体10と蓋体30との寸法関係が、蓋体の環状係合部33の内接円33L(図8(B)参照)の大きさに比べて、容器本体カール部15の各凹凸不形成領域17が前記内接円33Lの外に若干はみ出すような関係にある場合を考える。このような場合に蓋体30を容器本体10に嵌合したとき、蓋体の環状係合部33が各凹凸不形成領域17を押し返そうとする反発力(反作用)が生じるが、その反発力は、凹凸不形成領域17間に存在する凹凸形成領域16が外方向へ膨らむように弾性変形することで吸収・緩和される。また、弾性変形した各凹凸形成領域16が元の状態に戻ろうとする復元力は、同時に各凹凸不形成領域17が蓋体の環状係合部33を押す力(押圧力)の源泉となり、この押圧力により、4つの凹凸不形成領域17と蓋体の環状係合部33との間に適度な摩擦力が生み出される。従って、容器本体10と蓋体30との間に少々の寸法バラツキが存在したとしても、容器本体10と蓋体30との嵌合時には、両者間の適度な嵌合強度を安定的に実現することができる。
本件本体を上記実施例の製造工程に基づき、厚さ0.35mmのポリ乳酸原反シートSを用いて、容器本体10を成形した。製造された容器本体10の凹凸形成領域16はカール部全体の77%を占め、その凹凸ピッチ幅は2.0mmであった。また、容器本体10の凹凸不形成領域17は、4箇所設けられ、カール部全体の23%を占めて形成された。この容器本体10と蓋体30の嵌合強度をばねはかりにて測定した所、0.4Nであった。これより、容器本体10と蓋体30は適度に保持されている事が分かる。
[変更例]:本発明の実施形態は食品容器に限定されるものではなく、食品以外の各種物品等を収容可能な包装用容器に本発明を適用することもできる。
10…容器本体
10Z…容器本体前駆体
13…容器本体の開口端部
14…水平フランジ部
14a…本体水平フランジ部
15…カール部

Claims (3)

  1. 上端に平面視略円環状の開口端部を有する容器本体と、その容器本体の開口端部に係合可能な環状係合部を有する蓋体とを備えた合成樹脂製容器において、
    容器本体の開口端部の外側全周にわたり、容器本体の側壁に向かって下方且つ内方へ巻き込むように反転形成されたカール部が設けられており、
    前記カール部には、凹部又は凸部のいずれか少なくとも一方の複数からなる凹凸形成領域と、凹部も凸部も持たない凹凸不形成領域とが設けられ、且つ、これら両領域が当該カール部の周方向に沿って交互に配置されており、
    前記カール部をカーリング加工により形成することで、当該カール部の凹凸不形成領域が凹凸形成領域よりも半径方向外寄りに相対配置され、カーリング加工完了後におけるカール部の外周アウトラインが非円形状を呈する、ことを特徴とする合成樹脂製容器。
  2. 前記カール部には、少なくとも3箇所に凹凸不形成領域が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製容器。
  3. 蓋体が嵌合可能な平面視略円環状の開口端部を具備し、その開口端部が全周にわたってカール部を有してなる容器本体を製造する方法であって、
    A)合成樹脂製の原反シートを準備するシート準備工程と、
    B)原反シートの加熱下、当該原反シートの一部に容器本体前駆体の形状を成形する成形工程であって、
    この原反シートの容器本体前駆体には水平フランジ部を成形すると共に、この水平フランジ部の外周縁部乃至全体に相当する平面視円環状のカール予定部位に対して、凹部又は凸部のいずれか少なくとも一方の複数からなる凹凸形成領域と、凹部も凸部も持たない凹凸不形成領域とを、これら両領域がカール予定部位の周方向に沿って交互に配置されるように成形する成形工程と、
    C)カール予定部位の外周縁に沿って原反シートから容器本体前駆体を切り離すカット工程と、
    D)カット工程で切り離された容器本体前駆体の水平フランジ部のうちのカール予定部位に対してカーリング加工を施すことにより、水平フランジ部の全周にわたり、周方向に交互配置された凹凸形成領域および凹凸不形成領域を有するカール部を形成するカーリング工程と、を備えてなることを特徴とする容器本体の製造方法。
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