JP5550596B2 - 受信装置 - Google Patents

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本発明は、複数のアンテナから送信された信号を複数のアンテナで受信し、デジタル信号処理により分離及び検出するMIMO(Multi−Input Multi−Output)システムにおいて、特に、復調に適した受信アンテナのブランチを選択する受信装置に関する。
従来、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて、同一周波数で異なる情報を空間的に多重して伝送するMIMO技術が注目されている。MIMO技術は、送信アンテナから受信アンテナまでの間の伝搬経路、すなわち各チャネルの特性の違いに基づいて、空間的に多重された各送信信号を分離するものである。したがって、その受信特性は、受信電力だけでなくチャネル間の相関によっても大きく異なることが、理論的にも実験的にも報告されている。受信特性、特に回線の信頼性を向上させる基本的な方法として、受信アンテナ数を増やすことが考えられる。広い伝送可能エリアと高い信頼性が要求されるマクロダイバーシチを利用するMIMOシステムにおいては、多数の受信アンテナを分散配置することにより、電波の不感地帯を低減する。
図6は、マクロダイバーシチとMIMO技術を組合せたマクロダイバーシチ受信システムを、放送分野のロードレース中継に用いた場合の概要を説明する図である。このマクロダイバーシチ受信システムは、市街地のコース近傍に数多く配置された受信ポイント(受信アンテナ)33から、無線周波数帯または中間周波数帯の受信信号を、有線の光ファイバー34を介してスイッチングセンター35まで伝送し、スイッチングセンター35に設置された1台の復調装置(受信装置)36に入力するものである。
具体的には、移動中継車31には変調装置(図示せず)が積載されており、変調装置は、撮影されたロードレースのハイビジョン映像信号をOFDM変調し、送信ポイント(送信アンテナ)32から変調信号を送信する。移動中継車31の近傍の各ビルには、その屋上に受信ポイント(受信アンテナ)33が設置されている。複数の受信ポイント33は、移動中継車31の送信ポイント32から送信された変調信号を受信する。受信ポイント33により受信された変調信号は、E/O(電気/光)変換器(Electrical to Optical Converter)37において電気信号から光信号に変換され、光信号として光ファイバー34を介してO/E(光/電気)変換器(Optical to Electrical Converter)38へ伝送される。O/E変換器38において光信号が電気信号に変換される。スイッチングセンター35に設置された復調装置36は、複数の受信ポイント33からの変調信号を、E/O変換器37、光ファイバー34及びO/E変換器38を介して入力し、複数の変調信号に対し復調処理及び合成処理を行う。
図6に示したマクロダイバーシチ受信システムのように、多数の受信アンテナを広範囲に配置することにより、シャドウイング及びフェージングに対する耐性を向上させることができるだけでなく、受信アンテナの配置間隔が広がることから、チャネル間相関を低減させることができる(非特許文献1)。
しかしながら、受信アンテナの数が増えると、受信装置内の処理に関わる回路規模及び要求される処理速度も増大し、十分な計算資源を装備した受信装置の製造が技術及びコストの両面から困難となる。また、配置された全ての受信アンテナが、送信信号を常に受信している可能性は少なく、各受信アンテナにて集められた全ての受信信号を利用しなければ復調できないわけでもない。
このような課題を解決するため、復調処理に寄与する最適なアンテナブランチの組合せを、復調処理を行う前に選択する方法が用いられる(特許文献1,2)。例えば、特許文献1には、異なる偏波を用いて、相関の小さい受信アンテナの組合せ、または伝送容量を最大にするためのアンテナブランチの組合せを選択する技術が開示されている。
また、特許文献2には、アンテナブランチ選択に要する計算量を削減するために、受信電力を基準として、事前に指定したアンテナブランチ数だけ選択し、さらに、その中から復調処理を行うアンテナブランチの組合せを、相関行列の最小固有値が最大となることを判定基準として選択する技術が開示されている。
特開2004−312381号公報 特開2006−324787号公報
K.Mitsuyama,T.Ikeda,and T.Ohtsuki,"Practical Delay Difference Correction in Distributed MIMO OFDM Systems",IEEE ICWIT 2010,WITS1101,Aug.2010.
前述の特許文献1では、受信アンテナ等を選択するために、異なる偏波を用いることに限定している。また、受信アンテナの相関は、考えられる2ブランチ全ての組合せについて計算を行う必要があり、固有値の計算は、送信アンテナ数と同程度の全ての組合せについて行う必要がある。そのため、受信アンテナの数が多くなった場合に、相関及び固有値の計算量が大きくなってしまうという問題があった。
一方、前述の特許文献2では、相関の小さいアンテナブランチの組合せを少ない演算量で効率良く選択するために、第1のステップで、電力基準選択回路において全受信アンテナブランチから事前に指定したアンテナブランチ数だけ選択した後、第2のステップで、互いの相関が低い最適な組合せを固有値基準の選択回路により選択する。
しかしながら、特許文献2の方法では、第1のステップで受信電力の高いアンテナブランチを選択したとき、相関が低い最適なアンテナブランチの組合せとなり得るブランチを除外してしまう可能性がある。すなわち、どのブランチも復調には十分な受信電力を有するが、第1のステップでは電力基準の判定が行われ、第2のステップでは固有値基準の判定が行われるから、電力基準による判定の優先順位が高くなり、そのため、程々の電力を有しかつ相関が低い最適なブランチであるにも関わらず、固有値基準によって判定される前に除外されてしまう場合がある。したがって、必ずしも全ての受信アンテナブランチから最適な組合せが選択されているとは限らないという問題があった。
また、互いに相関が低いアンテナブランチの組合せを選択する基準として、相関行列から求めた最小固有値の最大値だけを用いている。しかし、アンテナブランチ毎にAGC(Automatic Gain Control:自動利得制御)を行うシステムでは、受信電力が一定になるように増幅されるため、代わりに相対的な受信電力を検出する必要がある。そのため、その検出誤差の影響を受けて、正確な最小固有値が得られない場合があるという問題もあった。
そこで、本発明では、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、MIMO復調処理に適した受信アンテナのブランチを、一層少ない演算量で選択可能な受信装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明による受信装置は、複数の送信アンテナから送信された信号を複数の受信アンテナで受信し、前記受信アンテナ毎に、前記複数の受信アンテナのうちの1個の受信アンテナと前記複数の送信アンテナとの間のチャネル応答を、前記受信アンテナに対応するブランチのチャネル応答として求め、複数のブランチのうちの所定数のブランチを選択し、前記選択したブランチの信号及びチャネル応答を用いてMIMO復調を行う受信装置において、前記ブランチの信号に基づいてブランチ毎の受信CN比を検出し、最大受信CN比を有するブランチを検出する受信CN比・最大ブランチ検出部と、前記最大受信CN比を有するブランチのチャネル応答、及び前記最大受信CN比を有するブランチ以外の残りのブランチのチャネル応答から、2行2列のチャネル応答の要素からなる2×2チャネル行列を生成し、前記2×2チャネル行列の相関行列を求め、前記相関行列に基づいて、前記残りのブランチ毎に、前記最大受信CN比との間の相関を示す条件数を算出する2×2相関行列条件数算出部と、前記受信CN比・最大ブランチ検出部により検出された残りのブランチの受信CN比、及び、前記2×2相関行列条件数算出部により算出された残りのブランチの条件数に基づいて、前記最大受信CN比を有するブランチを含む前記所定数のブランチを選択するブランチ選択部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明による受信装置は、前記ブランチ選択部が、前記最大受信CN比を有するブランチに加えて、予め設定された第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする。
また、本発明による受信装置は、前記ブランチ選択部が、前記選択したブランチが前記所定数に満たない場合、前記第1の閾値未満の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする。
また、本発明による受信装置は、前記ブランチ選択部が、前記選択したブランチが前記所定数に満たない場合、前記第1の閾値未満、かつ予め設定された第2の閾値以上(前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも小さい値とする)の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする。
また、本発明による受信装置は、前記ブランチ選択部が、前記選択したブランチが前記所定数に満たない場合、前記第2の閾値未満の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする。
また、本発明による受信装置は、さらに、チャネル応答二乗加算部を備え、前記チャネル応答二乗加算部が、前記ブランチのチャネル応答における、前記受信アンテナと前記複数の送信アンテナとの間のそれぞれの要素を2乗し、前記全てのブランチ間で、同じ送信アンテナについてのチャネル応答の前記2乗の結果を加算して、前記送信アンテナからの送信信号の受信CN比に関する品質を示す加算結果を求め、前記加算結果に基づいて、前記複数の送信アンテナからの送信信号のうちの2つの送信信号を識別する情報を生成し、前記2×2相関行列条件数算出部が、前記チャネル応答二乗加算部により生成された2つの送信信号を識別する情報に基づいて、前記最大受信CN比を有するブランチにおける前記2つの送信信号に対応するチャネル応答を生成し、前記残りのブランチにおける前記2つの送信信号に対応するチャネル応答を生成し、これらのチャネル応答から、2行2列のチャネル応答の要素からなる2×2チャネル行列を生成し、前記2×2チャネル行列の相関行列を求め、前記相関行列に基づいて、前記残りのブランチ毎に、前記最大受信CN比との間の相関を示す条件数を算出する、ことを特徴とする。
また、本発明による受信装置は、前記受信CN比を受信電力とし、前記受信電力が、前記受信アンテナにて受信した信号を周波数変換する際の自動利得制御が行われる前の信号に基づいて検出される、ことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、MIMO技術を利用した通信システムにおいて、最大受信CN比を有する受信アンテナのブランチを最初に選択し、受信CN比の大きさを考慮しながら、最大受信CN比を有するブランチとの間でチャネル間相関が低いブランチを、2×2相関行列の条件数の小さいものから順番に選択するようにした。これにより、MIMO復調処理に適したブランチを選択する際に、最大受信CN比を有するブランチに対する相関を求め、かつ2×2行列の演算を行えば済むから、演算負荷は高くなく、従来に比べて一層少ない演算量で実現することが可能となる。その結果、多数のブランチを有するマクロダイバーシチ型のMIMOシステムにおいても、現実的な回路規模でのハードウェア実装が可能となる。
本発明の実施形態による第1,2(実施例1,2)の受信装置の構成を示すブロック図である。 実施例1によるブランチ選択処理を説明するフローチャートである。 実施例2によるブランチ選択処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態による第3(実施例3)の受信装置の構成を示すブロック図である。 実施例3によるブランチ選択処理を説明するフローチャートである。 マクロダイバーシチとMIMO技術を組合せたマクロダイバーシチ受信システムを、放送分野のロードレース中継に用いた場合の概要を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明の実施形態による第1(実施例1)の受信装置は、MIMO技術を利用した通信システムにおいて、送信アンテナ数が2の場合のMIMO復調処理に適した受信アンテナブランチ(以下、ブランチという。)を選択する際に、最大受信CN比を有するブランチを最初に選択し、予め設定された1個の閾値を用いて受信CN比の大きさを考慮しながら、最大受信CN比を有するブランチとの間でチャネル間相関が低いブランチを2×2相関行列の条件数の小さいものから順番に選択する例である。また、本発明の実施形態による第2(実施例2)の受信装置は、予め設定された2個の閾値を用いて、受信CN比の低いブランチを含まないように、受信CN比の大きさを考慮しながら、チャネル間相関の低いブランチを条件数の小さいものから順番に選択する例である。実施例2では、実施例1に比べ、条件数(相関)による選択基準と受信CN比による選択基準との比重をより細かく制御することができ、例えば、受信CN比が極端に低いブランチを選択しないで、ある程度の受信CN比を有しかつ相関の低いブランチを選択することができる。また、本発明の実施形態による第3(実施例3)の受信装置は、送信アンテナ数が3以上の場合のMIMO復調処理に適したブランチを選択する際に、3個以上の送信信号のうち2個の送信信号を選択し、1ブランチあたり3個以上のチャネル応答の中から、2個の送信信号に対応する2個のチャネル応答を選択し、2×2相関行列を用いて条件数を求め、実施例1,2と同様の手法により、ブランチを選択する例である。
尚、実施例1〜3では、放送素材伝送用無線装置であるARIB STD−B33「テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム」の規格等のマルチキャリア方式であるOFDM信号を基にして説明を行うが、本発明は、マルチキャリア方式の信号だけでなく、シングルキャリア方式の信号にも適用できる。
まず、実施例1について説明する。実施例1は、前述のとおり、MIMO技術を利用した通信システムにおいて、送信アンテナ数が2の場合のMIMO復調処理に適したブランチを選択する際に、最大受信CN比を有するブランチを最初に選択し、予め設定された1個の閾値を用いて受信CN比の大きさを考慮しながら、最大受信CN比を有するブランチとの間でチャネル間相関が低いブランチを2×2相関行列の条件数の小さいものから順番に選択する例である。
図1は、実施例1による受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置1−1は、A/D(Analog/Digital:アナログ/デジタル)変換部2、デジタル直交復調部3、GI(Guard Interval:ガードインターバル)除去部4、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)演算回路5、受信CN(Carrier to Noise)比・最大ブランチ検出部6、チャネル推定部7、2×2相関行列条件数算出部8、アンテナブランチ選択部9−1、チャネル選択部10及びMIMO復調部11を備えている。尚、受信装置1−1及び周波数変換部20は、図6に示した復調装置36に相当し、周波数変換部20は、受信装置1−1の外部に設けられているが、受信装置1−1の内部に備えるようにしてもよい。実施例2,3についても同様である。
実施例1では、図示しないN=2個の送信アンテナから送信された信号が、図示しないP=16個の受信アンテナで受信され、AGCを行う手段を含む周波数変換部20を介して受信装置1−1に入力されるものとする。
周波数変換部20は、16個の受信アンテナから信号(16ブランチの信号)を入力し、入力した信号の周波数帯をA/D変換可能な周波数帯に変換すると共に、AGCのフィードバック制御により、出力信号のレベルを所定範囲内に収めるようにする。周波数変換部20により周波数変換及びAGCされた信号は、デジタル信号処理を行う受信装置1−1に入力される。実施例1では、P=16、すなわち受信アンテナのブランチ数が16系統である場合を示している。
受信装置1−1のA/D変換部2は、周波数変換部20から16ブランチの信号を入力し、アナログ信号を量子化し、デジタル信号に変換する。デジタル直交復調部3は、A/D変換部2から16ブランチのデジタル信号を入力し、デジタル直交復調を行う。GI除去部4は、デジタル直交復調部3から16ブランチのデジタル直交復調された信号を入力し、FFT窓を設定し、GIを除去して有効シンボルを抽出し、有効シンボル長の信号を生成する。FFT演算回路5は、GI除去部4から16ブランチの有効シンボル長の信号を入力し、時間領域の信号をFFTし、周波数領域の信号を生成する。これにより、16ブランチの信号のそれぞれについて、シンボル単位の周波数領域の信号に変換される。A/D変換部2からFFT演算回路5までの信号処理は、一般的なOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)受信装置と同じ構成であり、周波数同期等の信号同期に関わる詳細なブロックは省略してある。
〔受信CN比・最大ブランチ検出部〕
受信CN比・最大ブランチ検出部6は、FFT演算回路5から16ブランチの周波数領域の信号を入力し、16ブランチの信号のそれぞれに対して受信CN比を検出すると共に、最大受信CN比を有するブランチを検出する。具体的には、受信CN比・最大ブランチ検出部6は、系統毎(ブランチ毎)に、入力した信号のデータキャリアまたはパイロットキャリアの電力と、ガードバンドまたはヌルキャリア等のノイズレベルに等しいキャリアの電力との間の比に基づいて、受信CN比を求める。そして、受信CN比・最大ブランチ検出部6は、16ブランチの受信CN比をアンテナブランチ選択部9−1に出力すると共に、最大受信CN比を有するブランチPmaxの番号(最大受信CN比ブランチ番号)を2×2相関行列条件数算出部8及びアンテナブランチ選択部9−1に出力する。
尚、受信装置1−1では、周波数変換部20において、受信アンテナのブランチ毎に独立してAGCが行われることを想定しているため、受信CN比は、ブランチ間の信号品質の指標として用いられる。一方、AGC前にブランチ毎の受信電力を検出する受信電力検出部が設けられている場合には、受信CN比・最大ブランチ検出部6は、受信電力検出部から16ブランチの受信電力を入力し、最大受信電力を有するブランチを検出するようにしてもよい。実施例2,3についても同様である。
〔チャネル推定部〕
チャネル推定部7は、FFT演算回路5から16ブランチの周波数領域の信号を入力し、各送信アンテナから各受信アンテナまでの間のN×P個、図1ではN=2,P=16であるから、N×P=32個のチャネル応答を推定する。そして、チャネル推定部7は、推定したチャネル応答を2×2相関行列条件数算出部8及びチャネル選択部10に出力する。このチャネル応答は、各送信アンテナが伝送している固有の既知信号を用いることにより推定される。各送信アンテナが伝送している固有の既知信号は、MIMOシステムの場合、時分割多重または符号分割多重されることが一般的であり、この多重を解くことにより、各送信アンテナから各受信アンテナまでの既知信号で変調されているサブキャリアのチャネル応答を求めることができる。
具体的には、送信アンテナnの既知信号をvn、受信アンテナのブランチpで受信した送信アンテナnの既知信号をup,nとすると、この組合せによるチャネル応答hp,nは、hp,n=E[up,n/vn]で求められる。ただし、E[x]はxの期待値である。受信アンテナのブランチpの信号から得られるチャネル応答hpは、hp=[hp,1p,2・・・hp,N]となる。実施例1ではN=2であるから、ブランチpの信号から得られるチャネル応答hpは、hp=[hp,1p,2]の2個である。
以下、送信アンテナ数N=2,受信アンテナ数(ブランチ数)P=16、MIMO復調のために選択されるブランチ数M=4として具体的に説明する。
〔2×2相関行列条件数算出部〕
2×2相関行列条件数算出部8は、チャネル推定部7から16ブランチのチャネル応答を入力すると共に、受信CN比・最大ブランチ検出部6から最大受信CN比ブランチ番号(Pmax)を入力し、ブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]、及び残りの15ブランチのチャネル応答から、以下の式により、15通りの2×2チャネル行列を生成する。式(1)は、ブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]及び残りのブランチpのチャネル応答[hp,1p,2]から生成される2×2チャネル行列HPmax,pを示す。
Figure 0005550596
2×2相関行列条件数算出部8は、生成した2×2チャネル行列HPmax,pから、以下の式により、2×2チャネル行列HPmax,pの相関行列RPmax,pを求める。
Figure 0005550596
添え字のHは複素転置(エルミート行列)を示し、*は複素共役を示す。
2×2相関行列条件数算出部8は、2×2相関行列RPmax,pの要素a,b,c,dから、以下の式により、2×2相関行列RPmax,pの条件数cond(RPmax,p)を求める。
Figure 0005550596
ここで、行列の条件数は、その行列の「悪条件性」を示す指標として用いられる。行列が代表的な正定値対称行列の場合には、最大固有値と最小固有値との間の比が条件数となる。例えば、ある行列の行列式が0に近い値の場合には、行列式を分母にして計算する逆行列を求める際の精度が著しく劣化するから、条件数は非常に大きい値となる。MIMOを用いたシステムでは、チャネル間の相関が高い場合、ZF(Zero Forcing)またはMMSE(Minimum Mean Square Error)アルゴリズム等による処理において、限られた演算ビット数の固定小数演算を行うときに、ウェイト算出時の逆行列演算等を正常に行うことができず、条件数が著しく大きい値となる。
前記式(3)により求められる条件数cond(RPmax,p)は、最大受信CN比を有するブランチPmaxと他のブランチpとの間の相関が高い場合、大きい値となり、相関が低い場合、小さい値となる。そのため、後述するアンテナブランチ選択部9−1において、ブランチPmaxに加え、条件数が小さいブランチpを選択することにより、MIMO復調後の受信特性を向上させることができる。
2×2相関行列条件数算出部8は、最大受信CN比を有するブランチPmaxと他の15個のブランチpとの間における2×2相関行列RPmax,pの条件数cond(RPmax,p)をアンテナブランチ選択部9−1に出力する。2×2相関行列条件数算出部8が出力する条件数cond(RPmax,p)の数は15個である。
ここで、既知信号のサブキャリアが複数存在する場合、2×2相関行列条件数算出部8は、サブキャリア毎に条件数を求め、その平均値を、最大受信CN比を有するブランチPmaxと他の15個のブランチpとの間における2×2相関行列RPmax,pの条件数cond(RPmax,p)としてアンテナブランチ選択部9−1に出力する。尚、全ての既知信号のサブキャリアを使用することなく、適度に間引いたサブチャリアを使用して条件数の平均値を求めるようにしてもよい。これにより、演算量を削減することができる。
〔アンテナブランチ選択部〕
アンテナブランチ選択部9−1は、FFT演算回路5から16ブランチの周波数領域の信号を入力し、受信CN比・最大ブランチ検出部6から16ブランチの受信CN比及び最大受信CN比を有するブランチの番号を示すブランチPmaxを入力し、2×2相関行列条件数算出部8から15個の条件数を入力する。そして、アンテナブランチ選択部9−1は、16ブランチの受信CN比、最大受信CN比を有するブランチの番号を示すブランチPmax、15個の条件数、及び予め設定された1個の閾値(受信CN比の閾値)に基づいて、受信CN比及び相関を考慮した、最大受信CN比を有するブランチPmax及び残りの15ブランチのうちの3ブランチを合わせた合計4ブランチを選択する。そして、アンテナブランチ選択部9−1は、入力した16ブランチの周波数領域の信号のうち、選択した4ブランチの周波数領域の信号をMIMO復調部11に出力し、選択した4ブランチの番号を示す制御信号を生成してチャネル選択部10に出力する。
具体的には、アンテナブランチ選択部9−1は、まず、最大受信CN比を有するブランチPmaxを選択する。そして、アンテナブランチ選択部9−1は、ブランチPmax以外の残りの15ブランチの受信CN比と閾値とを比較し、閾値以上の受信CN比を有するブランチを特定し、特定したブランチの中から、条件数が小さい3ブランチを選択する。また、アンテナブランチ選択部9−1は、3ブランチ全てを選択できなかった場合、閾値未満の受信CN比を有するブランチの中から、条件数の小さい残りの数のブランチを選択する。これにより、合計4ブランチが選択される。
つまり、アンテナブランチ選択部9−1は、ブランチPmaxを除くM−1=4−1=3ブランチを選択する際に、15個の条件数のうち条件数の小さいブランチから順番に3ブランチを選択するが、条件数だけを選択の基準にするのではなく、各ブランチの受信CN比が、閾値以上であることも選択の基準としている。
例えば、最大受信CN比30dBを有するブランチPmax=1とし、ブランチPmax=1とブランチp=2〜16との間の2×2相関行列の条件数がそれぞれ以下のとおりであり、閾値をCNRth=10dBとする。表1において、#はブランチpの番号を示す(表2においても同じ)。
Figure 0005550596
前記例の場合、アンテナブランチ選択部9−1は、まず、最大受信CN比を有するブランチPmax=1を選択する。そして、アンテナブランチ選択部9−1は、残りのブランチp=2〜16の受信CN比と閾値CNRth=10dBとを比較し、閾値以上の受信CN比を有するブランチp=2〜5,7〜15を特定し、特定したブランチp=2〜5,7〜15の中から、条件数が小さい3個のブランチp=14,10,4を選択する。これにより、M=4個のブランチPmax=1,p=4,10,14が選択されたことになる。
つまり、選択されるブランチは、最大受信CN比を有するブランチPmax=1に加えて、条件数の小さい順に閾値CNRth=10dB以上の受信CN比を有するブランチp=14,10,4となる。ブランチp=16は、条件数では3番目に小さいが、このブランチの受信CN比は閾値CNRth以下であるから、除外されることになる。
次に、前記例において、閾値がCNRth=25dBの場合、アンテナブランチ選択部9−1は、まず、最大受信CN比を有するブランチPmax=1を選択する。そして、アンテナブランチ選択部9−1は、残りのブランチp=2〜16の受信CN比と閾値CNRth=25dBとを比較し、閾値以上の受信CN比を有するブランチp=5,12を特定し、ブランチp=5,12を選択する。この場合、3個のブランチを選択することができず、残り1個のブランチを選択する必要がある。アンテナブランチ選択部9−1は、3ブランチ全てを選択できなかったから、閾値未満の受信CN比を有するブランチp=2〜4,6〜11,13〜16の中から、条件数の最も小さい残りの1個のブランチp=14を選択する。これにより、M=4個のブランチPmax=1,p=5,12,14が選択されたことになる。
つまり、選択されるブランチは、最大受信CN比を有するブランチPmax=1に加えて、条件数の小さい順に閾値CNRth=25dB以上の受信CN比を有するブランチp=5,12、さらに、条件数の小さい閾値CNRth=25dB未満の受信CN比を有するブランチp=14となる。閾値CNRth以上の受信CN比を有するブランチがブランチPmax=1を除いてp=5,12の2ブランチしか得られないため、3ブランチ目は残りのブランチから条件数の小さい順にブランチp=14が選択されたことになる。
前記例では、閾値をCNRth=25dBと高い値としたため、最後に選択されたブランチp=14の受信CN比が非常に小さく(受信CN比は17)、選択された他のブランチとの間の差が大きい。つまり、閾値がCNRth=25dBのように、ある程度高い値の場合、選択基準の比重は、条件数よりも受信CN比の方が高くなる。逆に、閾値がCNRth=5dBのように非常に小さい値の場合、選択基準の比重は、受信CN比よりも条件数の方が高くなる。
このように、変調方式、または実際にMIMO復調を行うブランチ数等に応じて、閾値を適切な値に設定することにより、MIMO復調に適したブランチの選択が可能となる。
〔チャネル選択部〕
チャネル選択部10は、チャネル推定部7から16ブランチのチャネル応答を入力すると共に、アンテナブランチ選択部9−1から、選択された4ブランチの番号を示す制御信号を入力する。そして、チャネル選択部10は、16ブランチのチャネル応答のうち、選択された4ブランチの番号に対応するチャネル応答を選択し、4ブランチのチャネル応答をMIMO復調部11に出力する。
〔MIMO復調部〕
MIMO復調部11は、アンテナブランチ選択部9−1から、選択された4ブランチの周波数領域の信号を入力すると共に、チャネル選択部10からこれらのチャネル応答を入力する。そして、MIMO復調部11は、4ブランチの周波数領域の信号及びチャネル応答を用いて、MIMO復調によりN=2個の送信アンテナから送信された信号の分離及び検出処理を行い、2系統の信号を出力する。
〔ブランチ選択処理〕
次に、図1に示した実施例1の受信装置1−1に備えた受信CN比・最大ブランチ検出部6、2×2相関行列条件数算出部8及びアンテナブランチ選択部9−1において、P個のブランチからM個(P>M)のブランチを選択する処理のフローを示す。図2は、実施例1によるブランチ選択処理を説明するフローチャートである。まず、受信CN比・最大ブランチ検出部6は、P個のブランチの受信CN比を検出し、P個のブランチの受信CN比から、最大受信CN比を有するブランチPmaxを検出する(ステップS201)。
2×2相関行列条件数算出部8は、最大受信CN比を有するブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]、及び残りのP−1個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,2]から2×2チャネル行列を生成し、その相関行列の条件数を算出する(ステップS202)。
アンテナブランチ選択部9−1は、ブランチPmaxに加えて、条件数の小さいブランチから順に、閾値以上の受信CN比を有するブランチを選択する(ステップS203)。すなわち、アンテナブランチ選択部9−1は、まず、最大受信CN比を有するブランチPmaxを選択し、残りのP−1個のブランチにおける受信CN比と閾値とを比較し、閾値以上の受信CN比を有するブランチを特定し、特定したブランチの中から、条件数が小さい順にブランチを選択する。
アンテナブランチ選択部9−1は、ステップS203によりM個のブランチを選択したか否かを判定し(ステップS204)、M個のブランチを選択したと判定した場合(ステップS204:Yes)、処理を終了する。一方、アンテナブランチ選択部9−1は、ステップS204において、M個のブランチを選択していないと判定した場合(ステップS204:No)、閾値未満の受信CN比を有するブランチを、条件数の小さいものからM個になるまで選択する(ステップS205)。これにより、M個のブランチ(最大受信CN比を有するブランチPmax、及び残りのP−1個のブランチのうちのM−1個のブランチ)が選択される。
以上のように、実施例1の受信装置1−1によれば、受信CN比・最大ブランチ検出部6が、P=16ブランチの周波数領域の信号に基づいてそれぞれの受信CN比を検出すると共に、最大受信CN比を有するブランチPmaxを検出し、2×2相関行列条件数算出部8が、最大受信CN比を有するブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]、及び残りのP−1=15個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,2]から2×2チャネル行列を生成し、その相関行列の条件数を求めるようにした。そして、アンテナブランチ選択部9−1が、ブランチPmaxに加えて、条件数の小さいブランチから順に、閾値以上の受信CN比を有するブランチを選択し、選択したブランチの数がM=4個未満の場合、閾値未満の受信CN比を有するブランチを、条件数の小さいものからM=4個になるまで選択するようにした。これにより、P=16個のブランチからM=4個のブランチが選択される。すなわち、アンテナブランチ選択部9−1が、最大受信CN比を有するブランチPmaxを最初に選択し、そのブランチPmaxとの間でチャネル間相関の低いブランチを、2×2相関行列の条件数の小さいものから、閾値の受信CN比に関する基準を満たすことを条件として、順番に選択するようにした。
これにより、MIMO復調処理に適したブランチを選択する際に、最大受信CN比を有するブランチPmaxに対する相関を求め、かつ2×2行列の演算を行えば済むから、演算負荷は高くなく、従来に比べて一層少ない演算量で実現することが可能となる。具体的には、最適なブランチの組合せを探索する従来のブランチ選択方法では、PM通りの組合せの中から相関が最も低いものを選択する必要があるが、実施例1のブランチ選択方法では、P−1個の組合せの中から選択するだけで済むので、従来のブランチ選択方法に比べて、ブランチ選択に関わる演算量を著しく低減することが可能となる。前述の例のように、P=16個のブランチからM=4個のブランチを選択する場合、従来のブランチ選択方法では、16=1820通りの組合せの中から最良の組合せを選択する必要がある。これに対し、実施例1では、P−1=16−1=15通りの中から選択するだけで済む。また、行列の条件数を用いて選択を行う場合、従来のブランチ選択方法では、M=4の最適な組合せを求めるために、4×4相関行列の条件数を、1820通りの全組合せに対して求める必要があり、演算量が大きくなる。これに対し、実施例1では、2×2相関行列の条件数を、限られたP−1=16−1=15通りの組合せに対して求めるだけで済むから、ブランチ選択のために必要な演算量をさらに削減することができる。
ブランチ数がさらに増えて、P=32ブランチからM=4ブランチを選択する場合は、従来のブランチ選択方法では、324=35960通りの組合せを探索する必要があるが、実施例1では、P−1=32−1=31通りの中から選択するだけで済むから、ブランチ数に比例した演算量の増大だけでブランチの選択を実現できる。
また、実施例1の受信装置1−1によれば、アンテナブランチ選択部9−1が、受信CN比に関する閾値を用いてブランチを選択するようにした。これにより、P個のブランチの中から、条件数(相関)だけでなく受信CN比も考慮したM個のブランチを選択する際に、受信CN比に関する閾値を用いるようにしたから、閾値に応じて、受信CN比及び条件数(相関)による選択基準の比重を制御し、ブランチを選択することが可能となる。例えば、閾値が大きい値の場合、選択基準の比重は、条件数よりも受信CN比の方が高くなる。逆に、閾値が小さい値の場合、選択基準の比重は、受信CN比よりも条件数の方が高くなる。
次に、実施例2について説明する。実施例2は、前述のとおり、MIMO技術を利用した通信システムにおいて、MIMO復調処理に適したブランチを選択する際に、最大受信CN比を有するブランチを最初に選択し、予め設定された2個の閾値を用いて、受信CN比の低いブランチを含まないように、受信CN比の大きさを考慮しながら、最大受信CN比を有するブランチとの間でチャネル間相関が低いブランチを2×2相関行列の条件数の小さいものから順番に選択する例である。実施例2では、実施例1に比べ、条件数(相関)による選択基準と受信CN比による選択基準との比重をより細かく制御することができ、例えば、受信CN比が極端に低いブランチを選択しないで、ある程度の受信CN比を有しかつ相関の低いブランチを選択することができる。
実施例2の受信装置1−2は、図1に示すように、A/D変換部2、デジタル直交復調部3、GI除去部4、FFT演算回路5、受信CN比・最大ブランチ検出部6、チャネル推定部7、2×2相関行列条件数算出部8、アンテナブランチ選択部9−2、チャネル選択部10及びMIMO復調部11を備えている。
実施例1の受信装置1−1と実施例2の受信装置1−2とを比較すると、両受信装置1−1,1−2は、A/D変換部2、デジタル直交復調部3、GI除去部4、FFT演算回路5、受信CN比・最大ブランチ検出部6、チャネル推定部7、2×2相関行列条件数算出部8、チャネル選択部10及びMIMO復調部11を備えている点で同一である。これに対し、実施例2の受信装置1−2は、実施例1の受信装置1−1のアンテナブランチ選択部9−1とは異なるアンテナブランチ選択部9−2を備えている点で相違する。具体的には、実施例1のアンテナブランチ選択部9−1では、1個の閾値と受信CN比とを比較してブランチを選択するのに対し、実施例2のアンテナブランチ選択部9−2では、2個の閾値のそれぞれと受信CN比とを比較してブランチを選択する。以下、実施例2の受信装置1−2において、実施例1の受信装置1−1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
実施例2では、実施例1と同様に、図示しないN=2個の送信アンテナから送信された信号が、図示しないP=16個の受信アンテナで受信され、周波数変換部20を介して受信装置1−2に入力されるものとする。
〔アンテナブランチ選択部〕
アンテナブランチ選択部9−2は、FFT演算回路5から16ブランチの周波数領域の信号を入力し、受信CN比・最大ブランチ検出部6から16ブランチの受信CN比及び最大受信CN比を有するブランチPmaxを入力し、2×2相関行列条件数算出部8から15個の条件数を入力する。そして、アンテナブランチ選択部9−2は、16ブランチの受信CN比、最大受信CN比を有するブランチPmax、15個の条件数、及び2個の閾値(受信CN比の閾値)に基づいて、受信CN比及び相関を考慮したM=4ブランチを選択する。そして、アンテナブランチ選択部9−2は、入力した16ブランチの周波数領域の信号のうち、選択した4ブランチの周波数領域の信号をMIMO復調部11に出力し、選択した4ブランチの番号を示す制御信号を生成してチャネル選択部10に出力する。選択される4ブランチは、最大受信CN比を有するブランチPmaxに加え、残りの15ブランチのうち、条件数の小さい順番に、第1の閾値以上の受信CN比を有する3ブランチとなるが、第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチ数が3未満の場合、第2の閾値以上の受信CN比を有するブランチが選択され、また、第2の閾値未満の受信CN比を有するブランチも選択される場合もある。
具体的には、アンテナブランチ選択部9−2は、まず、最大受信CN比を有するブランチPmaxを選択する。そして、アンテナブランチ選択部9−2は、ブランチPmax以外の残りの15ブランチの受信CN比と第1の閾値とを比較し、第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチを特定し、特定したブランチの中から、条件数が小さい3ブランチを選択する。また、アンテナブランチ選択部9−2は、3ブランチ全てを選択できなかった場合、第1の閾値未満かつ第2の閾値以上の受信CN比を有するブランチの中から、条件数の小さい残りの数のブランチを選択する。さらに、アンテナブランチ選択部9−2は、3ブランチ全てを選択できなかった場合、第2の閾値未満の受信CN比を有するブランチの中から、条件数の小さい残りの数のブランチを選択する。これにより、合計4ブランチが選択される。
つまり、アンテナブランチ選択部9−2は、15個の条件数のうち、小さいブランチから順番にM−1=4−1=3ブランチを選択するが、条件数だけを選択の基準にすることなく、各ブランチの受信CN比が第1の閾値以上であり、また、第2の閾値以上であることも選択の基準としている。
実施例1と同様に具体例を用いて説明する。例えば、最大受信CN比30dBを有するブランチPmax=1とし、ブランチPmax=1とブランチp=2〜16との間の2×2相関行列の条件数がそれぞれ以下のとおりであり、第1の閾値をCNRth1=12dB、第2の閾値をCNRth2=8dBとする。
Figure 0005550596
前記例の場合、アンテナブランチ選択部9−2は、まず、最大受信CN比を有するブランチPmax=1を選択する。そして、アンテナブランチ選択部9−2は、残りのブランチp=2〜16の受信CN比と第1の閾値CNRth1=12dBとを比較し、第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチp=10,15を特定し、ブランチp=10,15を選択する。この場合、3個のブランチを選択することができず、残り1個のブランチを選択する必要がある。アンテナブランチ選択部9−2は、3ブランチ全てを選択できなかったから、第1の閾値未満かつ第2の閾値CNRth2=8dB以上の受信CN比を有するブランチp=2〜5,7〜9,11,14の中から、条件数の最も小さい残りの1個のブランチp=14を選択する。これにより、M=4個のブランチPmax=1,p=10,14,15が選択されたことになる。
つまり、選択されるブランチは、最大CN比を有するブランチPmax=1に加えて、条件数の小さい順に、第1の閾値CNRth1=12dB以上の受信CN比を有するブランチp=10,15、さらに、条件数の小さい順に、第1の閾値CNRth1=12dB未満かつ第2の閾値CNRth2=8dB以上のブランチp=14となる。第1の閾値CNRth1以上となる受信CN比を有するブランチがブランチPmax=1を除いてp=10,15の2ブランチしか得られないため、3ブランチ目は、第1の閾値CNRth1未満かつ第2の閾値CNRth2以上の受信CN比を有する残りのブランチから条件数の小さい順にブランチp=14が選択されたことになる。
実施例1では、前述のとおり、1個の閾値が大きい値の場合、選択基準の比重は、条件数よりも受信CN比の方が高くなり、1個の閾値が小さい値の場合、選択基準の比重は、受信CN比よりも条件数の方が高くなる。これに対し、実施例2では、実施例1において受信CN比及び条件数による選択基準の比重を決定することが困難な場合に、閾値を1個増やして合計2個の閾値を用いることにより、受信CN比及び条件数による選択基準の比重をより細かく制御し、アンテナブランチを選択することができる。例えば、受信CN比が極端に低いブランチを選択しないで、ある程度の受信CN比を有しかつ相関の低い(条件数が小さい)ブランチを選択することができる。
閾値の目安としては、例えば送信アンテナ数N=2の場合、理論上必要とされる最も少ない受信アンテナ数はN=2であるから、受信アンテナ数P=2で復調可能な必要最低限の受信CN比が12dBであったとすると、12dBを第1の閾値とする。また、MIMO復調を行うブランチ数がM=4である実施例2の場合、ブランチ数4で復調できる必要最低限の受信CN比が8dBであったとすると、8dBを第2の閾値とする。これにより、チャネル間相関基準を優先しながら、受信CN比も考慮したきめ細かなブランチ選択が可能となる。
〔ブランチ選択処理〕
次に、図1に示した実施例2の受信装置1−2に備えた受信CN比・最大ブランチ検出部6、2×2相関行列条件数算出部8及びアンテナブランチ選択部9−2において、P個のブランチからM個(P>M)のブランチを選択する処理のフローを示す。図3は、実施例2によるブランチ選択処理を説明するフローチャートである。まず、受信CN比・最大ブランチ検出部6は、図2に示したステップS201と同様に、最大受信CN比を有するブランチPmaxを検出する(ステップS301)。
2×2相関行列条件数算出部8は、図2に示したステップS202と同様に、最大受信CN比を有するブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]、及び残りのP−1個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,2]から2×2チャネル行列を生成し、その相関行列の条件数を算出する(ステップS302)。
アンテナブランチ選択部9−2は、ブランチPmaxに加えて、条件数の小さいブランチから順に、第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチを選択する(ステップS303)。すなわち、アンテナブランチ選択部9−2は、まず、最大受信CN比を有するブランチPmaxを選択し、残りのP−1個のブランチにおける受信CN比と第1の閾値とを比較し、第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチを特定し、特定したブランチの中から、条件数が小さい順にブランチを選択する。
アンテナブランチ選択部9−2は、ステップS303によりM個のブランチを選択したか否かを判定し(ステップS304)、M個のブランチを選択したと判定した場合(ステップS304:Yes)、処理を終了する。一方、アンテナブランチ選択部9−2は、ステップS304において、M個のブランチを選択していないと判定した場合(ステップS304:No)、第1の閾値未満かつ第2の閾値以上の受信CN比を有するブランチを、条件数の小さいものからM個になるまで選択する(ステップS305)。
アンテナブランチ選択部9−2は、ステップS303及びステップS305によりM個のブランチを選択したか否かを判定し(ステップS306)、M個のブランチを選択したと判定した場合(ステップS306:Yes)、処理を終了する。一方、アンテナブランチ選択部9−2は、ステップS306において、M個のブランチを選択していないと判定した場合(ステップS306:No)、第2の閾値未満の受信CN比を有するブランチを、条件数の小さいものからM個になるまで選択する(ステップS307)。これにより、M個のブランチ(最大受信CN比を有するブランチPmax、及び残りのP−1個のブランチのうちのM−1個のブランチ)が選択される。
以上のように、実施例2の受信装置1−2によれば、アンテナブランチ選択部9−2が、ブランチPmaxに加えて、条件数の小さいブランチから順に、第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチを選択し、選択したブランチの数がM=4個未満の場合、第1の閾値未満かつ第2の閾値以上の受信CN比を有するブランチを、条件数の小さいものからM=4個になるまで選択し、選択したブランチの数がM=4個未満の場合、第2の閾値未満の受信CN比を有するブランチを、条件数の小さいものからM=4個になるまで選択するようにした。これにより、P=16個のブランチからM=4個のブランチが選択される。すなわち、アンテナブランチ選択部9−2が、最大受信CN比を有するブランチPmaxを最初に選択し、そのブランチPmaxとの間でチャネル間相関の低いブランチを、2×2相関行列の条件数の小さいものから、第1の閾値及び第2の閾値である受信CN比に関する基準を満たすことを条件として、順番に選択するようにした。
これにより、実施例1と同様に、MIMO復調処理に適したブランチを、従来に比べて一層少ない演算量で選択することが可能となる。具体的には、最適なブランチの組合せを探索する従来のブランチ選択方法では、PM通りの組合せの中から相関が最も低いものを選択する必要があるが、実施例2のブランチ選択方法では、P−1個の組合せの中から選択するだけで済むので、従来のブランチ選択方法に比べて、ブランチ選択に関わる演算量を著しく低減することが可能となる。また、行列の条件数を用いて選択を行う場合、従来のブランチ選択方法では、M=4の最適な組合せを求めるために、4×4相関行列の条件数を1820通りの全組合せに対して求める必要があるが、実施例2では、2×2相関行列の条件数を、限られたP−1=16−1=15通りの組合せに対して求めるだけで済むから、ブランチ選択のために必要な演算量をさらに削減することができる。
また、実施例1の受信装置1−1では、受信CN比に関する1個の閾値を用いてブランチを選択するが、実施例2の受信装置1−2では、受信CN比に関する2個の閾値を用いてブランチを選択するようにした。これにより、P個のブランチの中から、受信CN比及び条件数を考慮してM個のブランチを選択する際に、実施例1に比べて、受信CN比及び条件数による選択基準の比重をより細かく制御し、ブランチを選択することが可能となる。例えば、条件数(相関)による選択基準を優先しながら、受信CN比も考慮したブランチを選択したり、受信CN比による選択基準を優先しながら、条件数(相関)も考慮したブランチを選択したりすることができる。
次に、実施例3について説明する。実施例3は、前述のとおり、送信アンテナ数が3以上の場合のMIMO復調処理に適したブランチを選択する際に、3個以上の送信信号のうち2個の送信信号を選択し、1ブランチあたり3個以上のチャネル応答の中から、2個の送信信号に対応する2個のチャネル応答を選択し、2×2相関行列を用いて条件数を求め、実施例1,2と同様の手法により、ブランチを選択する例である。
ここで、例えば送信アンテナ数が3の場合、各ブランチで生成されるチャネル応答は、各送信アンテナからそのブランチの受信アンテナまでの間の3個となり、最大受信CN比を有するブランチPmaxのチャネル応答が[hPmax,1Pmax,2Pmax,3]、ブランチpのチャネル応答が[hp,1p,2p,3]となる。そのため、実施例1,2と同様のブランチ選択方法を実現するためには、各ブランチにおける3個のチャネル応答から2個のチャネル応答を選択する必要がある。
図4は、実施例3による受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置1−3は、A/D変換部2、デジタル直交復調部3、GI除去部4、FFT演算回路5、受信CN比・最大ブランチ検出部6、チャネル推定部7、アンテナブランチ選択部9−2、チャネル選択部10、MIMO復調部11、チャネル応答二乗加算部12及び2×2相関行列条件数算出部13を備えている。
実施例2の受信装置1−2と実施例3の受信装置1−3とを比較すると、両受信装置1−2,1−3は、A/D変換部2、デジタル直交復調部3、GI除去部4、FFT演算回路5、受信CN比・最大ブランチ検出部6、チャネル推定部7、アンテナブランチ選択部9−2、チャネル選択部10及びMIMO復調部11を備えている点で同一である。これに対し、実施例3の受信装置1−3は、実施例2の受信装置1−2の2×2相関行列条件数算出部8とは異なる2×2相関行列条件数算出部13を備え、さらに、チャネル応答二乗加算部12を備えている点で相違する。具体的には、実施例2の2×2相関行列条件数算出部8では、最大受信CN比を有するブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]、及び残りのP−1個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,2]から2×2チャネル行列を生成し、その相関行列の条件数を算出するのに対し、実施例3の2×2相関行列条件数算出部13では、チャネル応答二乗加算部12により生成された、選択する送信信号の情報に基づいて、最大受信CN比を有するブランチPmaxにおける3個のチャネル応答、及び残りのP−1個の各ブランチpにおける3個のチャネル応答から、2個のチャネル応答を選択し、例えば、最大受信CN比を有するブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,3]、及び残りのP−1個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,3]から2×2チャネル行列を生成し、その相関行列の条件数を算出する。以下、実施例3の受信装置1−3において、実施例2の受信装置1−2と共通する部分には同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
実施例3では、図示しないN=3個の送信アンテナから送信された信号は、図示しないP=16個の受信アンテナで受信され、周波数変換部20を介して受信装置1−3に入力されるものとする。以下、送信アンテナの数N=3を例にして説明するが、本発明は、送信アンテナの数をN=3に限定するものではなく、3以上であればよく、N=3または4であることが望ましい。
〔チャネル応答二乗加算部〕
チャネル応答二乗加算部12は、チャネル推定部7から16ブランチのチャネル応答を入力し、各ブランチpのチャネル応答における各要素の2乗hp,1p,1 ,hp,2p,2 ,hp,3p,3 を算出し、ブランチ間で加算してΣhp,1p,1 ,Σhp,2p,2 ,Σhp,3p,3 を求める。このとき、Σhp,1p,1 >Σhp,2p,2 >Σhp,3p,3 であったとすると、受信装置1−3から見た送信信号毎の受信CN比に関する品質は、送信信号1,2,3の順に良いものと判断される。そして、チャネル応答二乗加算部12は、各ブランチpのチャネル応答に関するブランチ間の加算結果Σhp,1p,1 ,Σhp,2p,2 ,Σhp,3p,3 に基づいて、選択する送信信号の情報(2個の送信信号の情報、後述する(a)の場合は送信信号1,3、(b)の場合は送信信号1,2)を生成し、すなわち送信信号を2個選択し、選択する送信信号の情報(識別情報)を2×2相関行列条件数算出部13に出力する。
ここで、どの送信信号を選択するか(優先的に受信するか)については、以下のように、ブランチ選択の方式が異なる。
(a)どの送信信号も平均的に受信するブランチ選択
(b)品質の良い送信信号を優先するブランチ選択
(a)は、送信信号1,2,3をいずれも平均的に受信してブランチを選択する場合であり、チャネル応答二乗加算部12により、選択する送信信号の情報として送信信号1,3が生成され出力される。これにより、最も品質の良い送信信号のチャネル応答であるhp,1と最も品質の悪い送信信号のチャネル応答であるhp,3とを用いることにより、実施例1,2と同様のブランチ選択処理を行うことができる。
(b)は、送信信号1,2,3のうちの品質の良いものを優先して受信しブランチを選択する場合であり、チャネル応答二乗加算部12により、選択する送信信号の情報として送信信号1,2が生成され出力される。これにより、品質の良い送信信号1,2のチャネル応答であるhp,1,hp,2を用いることにより、実施例1,2と同様のブランチ選択処理を行うことができる。
〔2×2相関行列条件数算出部〕
2×2相関行列条件数算出部13は、チャネル応答二乗加算部12から、選択する送信信号の情報(例えば前記(a)の場合は送信信号1,3)を入力すると共に、チャネル推定部7から16ブランチのチャネル応答を入力し、受信CN比・最大ブランチ検出部6から最大受信CN比ブランチ番号(Pmax)を入力する。2×2相関行列条件数算出部13は、チャネル応答二乗加算部12から、選択する送信信号の情報として送信信号1,3(前記(a)の場合)を入力した場合、ブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2Pmax,3]に対して送信信号1,3に関するチャネル応答[hPmax,1Pmax,3]を生成し、残りの15個のブランチpのチャネル応答[hp,1p,2p,3]に対して送信信号1,3に関するチャネル応答[hp,1p,3]を生成する。そして、2×2相関行列条件数算出部13は、以下の式により、2×2チャネル行列を生成する。式(4)は、ブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,3]及び残りのブランチpのチャネル応答[hp,1p,3]から生成される2×2チャネル行列HPmax,pを示す。
Figure 0005550596
2×2相関行列条件数算出部13は、生成した2×2チャネル行列HPmax,pから、以下の式により、2×2チャネル行列HPmax,pの相関行列RPmax,pを求める。
Figure 0005550596
添え字のHは複素転置(エルミート行列)を示し、*は複素共役を示す。
2×2相関行列条件数算出部13は、2×2相関行列RPmax,pの要素a,b,c,dから、前記式(5)により、2×2相関行列RPmax,pの条件数cond(RPmax,p)を求める。そして、2×2相関行列条件数算出部13は、最大受信CN比を有するブランチPmaxと他の15個のブランチpとの間における2×2相関行列RPmax,pの条件数cond(RPmax,p)をアンテナブランチ選択部9−2に出力する。2×2相関行列条件数算出部13が出力する条件数cond(RPmax,p)の数は15個である。
一方、2×2相関行列条件数算出部13は、チャネル応答二乗加算部12から、選択する送信信号の情報として送信信号1,2(前記(b)の場合)を入力した場合、ブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2Pmax,3]に対して送信信号1,2に関するチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]を生成し、残りの15個のブランチpのチャネル応答[hp,1p,2p,3]に対して送信信号1,2に関するチャネル応答[hp,1p,2]を生成する。そして、2×2相関行列条件数算出部13は、ブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,2]及び残りのブランチpのチャネル応答[hp,1p,2]から生成される2×2チャネル行列HPmax,pを生成し、その相関行列RPmax,pを求め、その要素a,b,c,dから2×2相関行列RPmax,pの条件数cond(RPmax,p)を求め、最大受信CN比を有するブランチPmaxと他の15個のブランチpとの間における2×2相関行列RPmax,pの条件数cond(RPmax,p)をアンテナブランチ選択部9−2に出力する。
前記(b)の場合、すなわち品質の良い送信信号を優先するブランチ選択を行う場合、送信信号3の品質は劣化するが、MIMO復調部11が、V−BLAST等のアルゴリズムにより信号品質の良いものから順にMIMO復調を行うときに有効となる。これは、品質の良い送信信号1,2が優先して復調された後、受信信号から復調された推定精度の高い送信信号1,2の信号レプリカを減算することで、送信信号3が検出されるからであり、送信信号3も考慮したMIMO復調が行われるからである。
〔ブランチ選択処理〕
次に、図4に示した実施例3の受信装置1−3に備えた受信CN比・最大ブランチ検出部6、チャネル応答二乗加算部12、2×2相関行列条件数算出部13及びアンテナブランチ選択部9−2において、P個のブランチからM個(P>M)のブランチを選択する処理のフローを示す。図5は、実施例3によるブランチ選択処理を説明するフローチャートである。
まず、チャネル応答二乗加算部12は、P個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,2p,3]における各要素の2乗hp,1p,1 ,hp,2p,2 ,hp,3p,3 を算出し、ブランチ間で加算してΣhp,1p,1 ,Σhp,2p,2 ,Σhp,3p,3 を求める(ステップS501)。そして、チャネル応答二乗加算部12は、各ブランチpのチャネル応答に関するブランチ間の加算結果Σhp,1p,1 ,Σhp,2p,2 ,Σhp,3p,3 に基づいて、選択する送信信号の情報(例えば送信信号1,3)を生成する(ステップS502)。
受信CN比・最大ブランチ検出部6は、図2に示したステップS201及び図3に示したステップS301と同様に、最大受信CN比を有するブランチPmaxを検出する(ステップS503)。そして、2×2相関行列条件数算出部13は、最大受信CN比を有するブランチPmaxのチャネル応答[hPmax,1Pmax,3]、及び残りのP−1個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,3]から2×2チャネル行列を生成し、その相関行列の条件数を算出する(ステップS504)。
アンテナブランチ選択部9−2は、図3に示したステップS303〜ステップS307と同様の処理を行い、M個のブランチ(最大受信CN比を有するブランチPmax、及び残りのP−1個のブランチのうちのM−1個のブランチ)を選択する(ステップS505〜ステップS509)。
尚、実施例3では、受信装置1−3は、実施例2に対応するアンテナブランチ選択部9−2を備えているが、アンテナブランチ選択部9−2の代わりに、実施例1に対応するアンテナブランチ選択部9−1を備えるようにしてもよい。この場合、図5に示したブランチ選択処理は、図3に示した実施例2のステップS303〜ステップS307と同様のステップS505〜ステップS509の代わりに、図2に示した実施例1のステップS203〜ステップS205となる。
以上のように、実施例3の受信装置1−3によれば、送信アンテナの数が3以上の場合(N≧3)に、チャネル応答二乗加算部12が、P個の各ブランチpのチャネル応答[hp,1p,2p,3]における各要素の2乗hp,1p,1 ,hp,2p,2 ,hp,3p,3 を算出し、ブランチ間で加算してΣhp,1p,1 ,Σhp,2p,2 ,Σhp,3p,3 を求め、この加算結果に基づいて、3個以上の送信信号の中から2個の送信信号を選択するようにした。そして、2×2相関行列条件数算出部13が、チャネル応答二乗加算部12により選択された2個の送信信号に基づいて、ブランチPmaxのチャネル応答に対して2個のチャネル応答を生成し、残りのブランチpのチャネル応答に対して2個のチャネル応答を生成し、これらのチャネル応答から2×2チャネル行列を生成し、その相関行列の条件数を求めるようにした。そして、アンテナブランチ選択部9−2が、ブランチPmaxに加えて、閾値を用いて受信CN比の大きさを考慮しながら、最大受信CN比を有するブランチとの間でチャネル間相関が低いブランチを2×2相関行列の条件数の小さいものから順番に選択するようにした。
これにより、送信アンテナの数が3以上の場合であっても、実施例1,2と同様に、2×2チャネル行列を用いて条件数を求めることができ、MIMO復調処理に適したブランチを、従来に比べて一層少ない演算量で選択することが可能となる。
1 受信装置
2 A/D変換部
3 デジタル直交復調部
4 GI除去部
5 FFT演算回路
6 受信CN比・最大ブランチ検出部
7 チャネル推定部
8,13 2×2相関行列条件数算出部
9 アンテナブランチ選択部
10 チャネル選択部
11 MIMO復調部
12 チャネル応答二乗加算部
20 周波数変換部
31 移動中継車
32 送信ポイント
33 受信ポイント
34 光ファイバー
35 スイッチングセンター
36 復調装置
37 E/O変換器
38 O/E変換器

Claims (7)

  1. 複数の送信アンテナから送信された信号を複数の受信アンテナで受信し、前記受信アンテナ毎に、前記複数の受信アンテナのうちの1個の受信アンテナと前記複数の送信アンテナとの間のチャネル応答を、前記受信アンテナに対応するブランチのチャネル応答として求め、複数のブランチのうちの所定数のブランチを選択し、前記選択したブランチの信号及びチャネル応答を用いてMIMO復調を行う受信装置において、
    前記ブランチの信号に基づいてブランチ毎の受信CN比を検出し、最大受信CN比を有するブランチを検出する受信CN比・最大ブランチ検出部と、
    前記最大受信CN比を有するブランチのチャネル応答、及び前記最大受信CN比を有するブランチ以外の残りのブランチのチャネル応答から、2行2列のチャネル応答の要素からなる2×2チャネル行列を生成し、前記2×2チャネル行列の相関行列を求め、前記相関行列に基づいて、前記残りのブランチ毎に、前記最大受信CN比との間の相関を示す条件数を算出する2×2相関行列条件数算出部と、
    前記受信CN比・最大ブランチ検出部により検出された残りのブランチの受信CN比、及び、前記2×2相関行列条件数算出部により算出された残りのブランチの条件数に基づいて、前記最大受信CN比を有するブランチを含む前記所定数のブランチを選択するブランチ選択部と、
    を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 請求項1に記載の受信装置において、
    前記ブランチ選択部は、
    前記最大受信CN比を有するブランチに加えて、予め設定された第1の閾値以上の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする受信装置。
  3. 請求項2に記載の受信装置において、
    前記ブランチ選択部は、
    前記選択したブランチが前記所定数に満たない場合、前記第1の閾値未満の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする受信装置。
  4. 請求項2に記載の受信装置において、
    前記ブランチ選択部は、
    前記選択したブランチが前記所定数に満たない場合、前記第1の閾値未満、かつ予め設定された第2の閾値以上(前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも小さい値とする)の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする受信装置。
  5. 請求項4に記載の受信装置において、
    前記ブランチ選択部は、
    前記選択したブランチが前記所定数に満たない場合、前記第2の閾値未満の受信CN比を有するブランチのうち前記条件数が小さい順のブランチを、前記所定数を満たすまで選択する、ことを特徴とする受信装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の受信装置において、
    さらに、チャネル応答二乗加算部を備え、
    前記チャネル応答二乗加算部は、前記ブランチのチャネル応答における、前記受信アンテナと前記複数の送信アンテナとの間のそれぞれの要素を2乗し、前記全てのブランチ間で、同じ送信アンテナについてのチャネル応答の前記2乗の結果を加算して、前記送信アンテナからの送信信号の受信CN比に関する品質を示す加算結果を求め、前記加算結果に基づいて、前記複数の送信アンテナからの送信信号のうちの2つの送信信号を識別する情報を生成し、
    前記2×2相関行列条件数算出部は、
    前記チャネル応答二乗加算部により生成された2つの送信信号を識別する情報に基づいて、前記最大受信CN比を有するブランチにおける前記2つの送信信号に対応するチャネル応答を生成し、前記残りのブランチにおける前記2つの送信信号に対応するチャネル応答を生成し、これらのチャネル応答から、2行2列のチャネル応答の要素からなる2×2チャネル行列を生成し、前記2×2チャネル行列の相関行列を求め、前記相関行列に基づいて、前記残りのブランチ毎に、前記最大受信CN比との間の相関を示す条件数を算出する、ことを特徴とする受信装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の受信装置において、
    前記受信CN比を受信電力とし、前記受信電力は、前記受信アンテナにて受信した信号を周波数変換する際の自動利得制御が行われる前の信号に基づいて検出される、ことを特徴とする受信装置。
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