JP5549161B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
図9は、従来の排紙装置について説明するための模式図である。なお、図9は電子写真方式の画像形成装置の一部分を示している。図示するように、画像形成装置100は、トナー像の形成された用紙P0を、加熱ローラ111と加圧ローラ112とが成す定着ニップ部Nt0にてニップして、熱と圧力により画像を定着させる定着装置103を備えている。定着装置103にて画像が定着された用紙P0は、下流側に配設された排紙装置113に搬送され、用紙P0表面と裏面を夫々用紙ガイド板108、109にガイドされて、搬送方向最下流に配置された排紙ローラ102と従動排紙ローラ101とが成す排紙ニップ部Nh0にニップされて、排紙部141に排紙される。
定着装置103から搬送されてきた用紙P0が排紙ニップ部Nh0に到達した瞬間、用紙P0の先端は排紙ニップ部Nh0に衝突する。この衝突が原因で用紙P0が座屈し、波うちPNと呼ばれる用紙ダメージが発生していた。図示するように波うちPNは、定着ニップ部Nt0の搬送方向直下流にて発生する。定着ニップ部Nt0を通過した直後の用紙P0は、定着装置103にて加熱された直後であり、波うちPNが発生する部位の用紙P0は高温となっているため、波うちPNの形状は用紙P0に記憶され、排紙後においても残ってしまっていた。
これらの問題を解決するために、従来技術においては、排紙ニップ部Nh0の搬送上流に設置してある用紙ガイド板108や用紙ガイド板109の形状を最適化することが行われていた。また、特許文献1及び2においては、排紙ニップ部Nh0の搬送上流に可動式ガイド板を設置する方法が、特許文献3においてはニップNh0の位置を変化させる方法が提案されている。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、排紙ローラ及び排紙ローラ対のニップ部に起因した用紙ダメージや異常音を発生させず、高品質、静音化等に対応した排紙装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記検出手段の用紙検出結果に基づいて、前記用紙が前記排紙ニップ部から所定距離下流に搬送されたと判断したとき、前記従動排紙ローラを前記離間位置に移動させる請求項1又は2記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、前記検出手段による用紙検出結果に基づいて前記排紙装置内部で用紙ジャムが発生していると判断したとき、前記従動排紙ローラを前記離間位置に移動させるように制御する請求項1乃至5の何れか一項記載の画像形成装置を特徴とする。
〔電子写真式画像形成装置〕
本発明に係る排紙装置が適用される画像形成装置について図1に基づいて説明する。図1は、画像形成装置の内部構造を示した模式断面図である。
画像形成装置200は、装置最下部に複数の用紙Pを載置した給紙カセット201と、給紙カセット201に載置された用紙束から用紙Pを1枚ずつ分離して給送する給紙ローラ202と、給紙ローラ202の用紙搬送方向下流側に配置され、給紙された用紙Pを一旦突き当てて停止させるとともに、タイミングを取って搬送するレジストローラ203、204と、を備える。
図1に示す画像形成装置200は、電子写真方式の画像形成装置であり、トナー色毎に感光体ユニット210(210Y、210M、210C、210K)を有している。感光体ユニット210は、夫々静電潜像を担持する感光体211(211Y、211M、211C、211K)と、感光体211を一様帯電させる帯電ローラ212(212Y、212M、212C、212K)と、感光体211に形成された静電潜像を色の異なるトナーにて現像する現像器213(213Y、213M、213C、213K)と、を備える。また、感光体ユニット210の上方には、感光体211にレーザ光Lを照射して静電潜像を形成する露光装置220が設けられている。
感光体ユニット210の下方には、被転写媒体である中間転写ベルト225が水平方向に沿って設けられている。また、レジストローラ203、204の用紙搬送方向下流には、用紙Pに画像を転写する駆動転写ローラ205及び従動転写ローラ206と、が配置されている。駆動転写ローラ205は、他のローラと共に中間転写ベルト225を巻回している。
駆動転写ローラ205及び従動転写ローラ206の用紙搬送方向下流には、加熱ローラ231と加圧ローラ232とを備え熱と圧力により用紙Pにトナー像を定着させる定着装置230と、排紙ローラ14と従動排紙ローラ15とを備え、用紙Pをニップしつつ排紙トレイ240に排紙する排紙装置を備えている。
給紙カセット201から給紙ローラ202によって給紙された用紙は、レジストローラ203、204により同期をとられて送り出され、駆動転写ローラ205及び従動転写ローラ206に達する。駆動転写ローラ205は中間転写ベルト225の内側にあり、中間転写ベルト225を回転駆動させている。
感光体ユニット210では、まず帯電ローラ212が、感光体211の表面に接触して、感光体211の表面を一様に帯電させる。
続いて、露光装置220が、感光体211の表面をレーザ光Lで露光して、感光体211の表面に静電潜像を形成する。続いて、現像器213が、感光体211の表面に形成された静電潜像をトナーで顕像化して、感光体211の表面にトナー像を形成する。続いて、感光体211の表面から中間転写ベルト225の表面にトナー像が転写される。以上のような画像形成プロセスを経て駆動転写ローラ205、従動転写ローラ206により中間転写ベルト225上のトナー像が用紙に転写され、定着装置230へ搬送されて加熱ローラ231、加圧ローラ232で画像が用紙に定着される。排紙ローラ14と従動排紙ローラ15を有する排紙装置1により排紙トレイ240に排出され印刷が終了する。
これらの動作は、不図示の制御手段によって制御されている。
本発明の第一の実施形態について図2に基づいて説明する。本実施形態に係る排紙装置は、従動排紙ローラが用紙Pの搬送位置に応じて進退移動する点に特徴がある。図2は、従動排紙ローラの進退移動について説明するための模式図であり、(a)は従動排紙ローラが離間位置にある状態を示す図であり、(b)は従動排紙ローラがニップ位置にある状態を示す図である。
排紙装置1は、定着装置230の用紙搬送方向直下流に配置されて用紙Pの通過を検知する排紙センサフィラー11と、搬送される用紙Pの両面をガイドする一対の用紙ガイド板12、13と、用紙Pをニップしつつ排紙トレイ240へ排紙する排紙ローラ14及び従動排紙ローラ15と、を備える。
排紙センサフィラー11(検出手段)は、定着装置230と排紙ローラ14及び従動排紙ローラ15(排紙ローラ対、排紙手段)との間の搬送経路内に配置され、少なくとも一部を回動自在に軸支され用紙Pの通過に伴って回動する。図示の排紙センサフィラー11の正面形状は略楕円形であり、用紙Pの非通過時には先端部側が自重により落下して初期位置11aに位置し、用紙Pの通過時には用紙Pに当接して検知位置11bにまで回動する。排紙センサフィラー11の回動動作は、不図示の排紙センサによって検知され、不図示の中央演算装置(制御手段)は、用紙Pが通過中か否かを検知可能である。
従動排紙ローラ15は、排紙ローラ14に対して進退移動可能に構成されている。従動排紙ローラ15は、排紙ローラ14に圧接されたニップ位置15bにあるとき、排紙ローラ14との間に排紙ニップ部Nhを形成し、用紙Pは排紙ニップ部Nhにてニップされつつ排紙される。また、排紙ローラ14から離間した離間位置15aにあるとき、用紙Pは従動排紙ローラ15に接触せずに排紙される。従動排紙ローラ15の進退移動は、後述する接離機構によって行われる。
定着装置230から搬送されてきた用紙Pの用紙先端Paは、排紙センサフィラー11に当接して排紙センサフィラー11を検知位置11bまで押し上げるとともに、用紙ガイド板12、13に沿って搬送され、排紙ローラ14と離間位置15aにある従動排紙ローラ15との間を通過する。排紙センサフィラー11は、用紙Pに押し上げられることにより、図示されない排紙センサにより動作を検出されるようになっている。
この排紙センサフィラー11が検知位置11bに移動することにより、不図示の中央演算装置は用紙先端Paが排紙センサフィラー11を通過した旨の情報を得ることができる。中央演算装置は、この情報と、用紙Pの搬送速度情報と、用紙先端Paが排紙センサフィラー11を通過してからの経過時間情報とから、用紙先端Paが搬送されている位置を計算により求めることができる。
そして上述の計算により、用紙Pが排紙ローラ14の排紙ニップ部Nhに相当する位置から所定距離Aだけ用紙搬送方向下流にまで搬送されたと判断されたことを条件として、従動排紙ローラ15を離間位置15aからニップ位置15bに移動させる制御を行う。なお、搬送速度に関する情報を用いずに、排紙センサフィラー11を通過してからの経過時間情報のみに基づいて、従動排紙ローラ15をニップ位置15bに移動させる制御を行ってもよい。
前述の従動排紙ローラ15の移動は、用紙先端Paの位置情報、すなわち用紙先端Paの通過が検知されたか否かに基づいて行っているため、用紙先端Paの位置を正確に把握可能である。このような、用紙先端Paの検知に基づいて従動排紙ローラ15を移動させる制御は、例えば用紙先端Paが従動排紙ローラ15と排紙ローラ14の間を通過した直後に従動排紙ローラ15をニップ位置15bに移動させる必要がある場合に特に有効である。
ニップ位置15bへの移動を急ぐ事例としては、用紙Pの剛性が低くなる場合が挙げられる。具体的には、用紙Pが薄い紙である場合や、画像形成装置が高温環境化におかれている場合である。用紙Pの剛性が低い場合、用紙Pの用紙先端Pa側と用紙後端Pb側の双方を夫々排紙ニップ部Nhと定着ニップ部Ntとでニップしなければ、排紙トレイ240へ排紙される用紙Pの挙動が不安定となり、スタック不良等の用紙ジャムが発生する虞があるためである。
本発明第二の実施形態について図2に基づいて説明する。第一の実施形態においては、用紙先端Paの情報に基づいて、従動排紙ローラをニップ位置に移動させた。本実施形態においては、用紙後端Pbの情報及び用紙の搬送方向長情報に基づいて従動排紙ローラをニップ位置に移動させる点に特徴がある。
本実施形態では、用紙後端Pbを検知する用紙通過センサ16(用紙通過検出手段)を、定着ニップ部Ntよりも用紙搬送方向上流側にBだけ離間した位置に設置する。用紙後端Pbが用紙通過センサ16の設置された箇所を通過したとき、用紙先端Paが排紙ローラ14の排紙ニップ部Nhに相当する位置から距離Aだけ搬送されている状態である(図2(a)参照)。
中央演算装置は、用紙通過センサ16が用紙後端Pbの通過を検知した検知情報に基づいて従動排紙ローラ15をニップ位置15bに移動させるように制御することで、第一の実施形態と同様の制御を行うことができる。
また、中央演算装置は、用紙通過センサ16による用紙後端Pbの検知情報と、用紙Pの搬送速度情報と、用紙後端Pbが用紙通過センサ16を通過してからの経過時間情報と、定着ニップ部Ntと排紙ニップ部Nhとの距離情報と、用紙Pの搬送方向長情報とから、用紙先端Paが搬送されている位置を計算により求めることができるので、用紙Pのサイズが異なっても、第一の実施形態と同様の制御を行うことができる。
この制御は、例えば排紙トレイ240へ用紙Pを排出するのにスタック不良等の問題が起こる虞がない場合、具体的には、定着ニップ部Nt又は排紙ニップ部Nhの少なくとも何れか一方が用紙Pをニップしている場合であって、用紙Pの剛性が高い場合に有効である。用紙Pの剛性が高い場合とは、例えば、用紙Pが厚紙である場合や画像形成装置の設置環境が高温環境かでない場合等が上げられる。このように、スタック不良等の虞が少ない場合には、用紙後端Pbの検知に基づいて、従動排紙ローラをニップ位置に移動させるように制御するとよい。
従動排紙ローラ15が離間位置15aにある状態を時間的に長くすることにより、排紙ローラ14と従動排紙ローラ15の長寿命化や、画像形成動作中における排紙装置1の静音化の観点から有利となる。
本実施形態においては、用紙排紙時だけではなく、用紙ジャム発生時にも従動排紙ローラを離間位置へ移動させるようにした点に特徴がある。
中央演算装置は、用紙Pの設定等により用紙Pの搬送方向長を認識しており、用紙先端Paが排紙センサフィラー11と用紙通過センサ16を通過してから、用紙後端Pbが通過するまでの平均的な時間を演算により求めることができる。従って、排紙センサフィラー11と用紙通過センサ16が、平均的な用紙Pの通過時間よりも長い時間、用紙Pを検出している場合には、排紙装置1内部にて用紙ジャムが発生していると判断することができる。
このとき、中央演算装置は、従動排紙ローラ15を離間位置に移動させるように制御する。排紙装置1内にてジャムを発生させた用紙Pは、従動排紙ローラ15と排紙ローラ14に挟持されていない(排紙ニップ部Nhにニップされていない)状態となるため、ジャム処理を容易に行うことができる。
本発明第四の実施形態について図3に基づいて説明する。本実施形態では、第一及び第二の実施形態にてニップ位置に移動させた従動排紙ローラを離間位置に移動させる。以下、移動タイミングについて説明する。図3(a)、(b)は、従動排紙ローラのニップ位置から離間位置への移動について説明する模式図である。
定着装置230から搬送されてきた用紙Pの用紙後端Pbが排紙センサフィラー11を通過すると、排紙センサフィラー11は初期位置11aに戻る。また、用紙後端Pbは排紙ニップ部Nhを通過する。中央演算装置は、排紙センサフィラー11の動作により得られた用紙後端Pbの通過情報に基づいて、用紙後端Pbが排紙ニップ部Nhより用紙搬送方向下流へ所定距離Cだけ離間した位置まで搬送されたと判断したとき、又は所定距離Cだけ離間した位置まで搬送された時間に相当する時間が経過したと判断したとき、従動排紙ローラ15を離間位置に移動させるように信号を発して、従動排紙ローラ15を排紙ローラ14から離間させる。
このように、本実施形態によれば、排紙センサフィラーによる用紙後端の検知情報に基づいて、用紙後端が排紙ニップ部より用紙搬送方向下流へ所定距離離間したタイミングで従動排紙ローラを排紙ローラから離間させるので、定着ニップ通過後の用紙を確実に排紙トレイに排紙することができる。
以下では、従動排紙ローラを排紙ローラに対し進退移動させる接離機構の具体的な実施形態について図4に基づいて説明する。図4(a)、(b)は、接離機構の一実施形態を示す模式図である。
従動排紙ローラ15を排紙ローラ14に対して進退移動させる接離機構20は、従動排紙ローラ15を排紙ローラ14に対して圧接させる圧接スプリング21と、圧接スプリング21の圧接力を調節する偏心カム26と、偏心カム26と圧接スプリング21とを連結するリンク片23と、を備える。
従動排紙ローラ15は軸受22によって回転自在に軸支されており、軸受22には従動排紙ローラ15を排紙ローラ14に圧接する圧接スプリング21の一端部21aが固定されている。圧接スプリング21の他端部21bは、リンク片23の一端部23a側に固定されている。圧接スプリング21の軸方向内部には、圧接スプリング21の伸縮方向をその軸方向に規制する規制片21cが内包されている。
カムフォロア25と当接する偏心カム26の側面のうち、カム軸26aから最も離れた最遠点26bがカムフォロア25と当接するとき、つまり、最遠点26bがカムフォロア25と当接する位置まで偏心カム26が回転駆動源によって回転したとき、偏心カム26はリンク片23を介して従動排紙ローラ15をニップ位置15bに移動させる。従動排紙ローラ15は排紙ローラ14に圧接することにより、排紙ニップNhを形成する。圧接スプリング21は、両端部(21a、21b)に固定された従動排紙ローラ15とリンク片23とに挟まれて圧縮されることにより、排紙ローラ14に対して加圧力を発生する。
一方、(b)に示すように、回転駆動源によりさらに偏心カム26が回転すると、従動排紙ローラ15が移動して排紙ローラ14と接触しない状態となる。リンク片23の一端部23a側には、従動排紙ローラ15を排紙ローラ14から離間させる方へ付勢する離間スプリング27(張架スプリング)及び従動排紙ローラ15の離間位置15aを決定するストッパ28が配置されている。偏心カム26の位相がカムフォロア25と接触しない位相にあるとき、離間スプリング27は、従動排紙ローラ15が排紙ローラ14と接触することを防止する。また、離間スプリング27の付勢力によってリンク片23がストッパ28と当接することにより、離間位置15aが決定される。
従動排紙ローラを排紙ローラに対して進退移動させる接離機構の他の実施形態について図5に基づいて説明する。図5(a)、(b)は、接離機構の他の実施形態を示す模式図である。本実施形態は、従動排紙ローラ15の進退移動をソレノイドの直動動作によって行う点に特徴がある。なお、以下の説明では「従動排紙ローラの接離機構1」にて説明した部材と同一の部材については同一の符号を用いる。
本実施形態に係る接離機構40において排紙ローラ14は、排紙装置1の筐体である排紙フレーム17に軸支された支軸18によって回転自在に支持されている。排紙ローラ14に当接する従動排紙ローラ15は、軸受22に軸支された回転軸22aによって自在に回転する。軸受22の図中下方には、従動排紙ローラ15を排紙ローラ14に圧接する圧接スプリング21の一端部21aが固定されている。圧接スプリング21の他端部21bは、後述するソレノイド41の直動部42と圧接スプリング21とを連結する従動排紙ローラベース43に固定され、圧接スプリング21の軸方向内部には、圧接スプリング21の伸縮方向をその軸方向に規制する規制片21cが内包されている。
従動排紙ローラベース43には、従動排紙ローラ15を排紙ローラ14から離間させる方へ付勢する離間スプリング27及び従動排紙ローラ15の離間位置15aを決定するストッパ28が配置されている。離間スプリング27の一端部27aは、従動排紙ローラベース43に固定され、他端部27bは排紙フレーム17に固定されている。
具体的には、(a)に示すように直動部42が退避すると、従動排紙ローラ15は従動排紙ローラベース43、圧接スプリング21を介してニップ位置15bに移動し、排紙ローラ14に対して圧接する。圧接スプリング21は両端に固定された従動排紙ローラ15と従動排紙ローラベース43に挟まれ圧縮することにより、従動排紙ローラ15の排紙ローラ14に対する加圧力を発生する。
一方、(b)に示すように、ソレノイド41の直動部42が進出すると、従動排紙ローラ15は従動排紙ローラベース43、圧接スプリング21を介して移動し、排紙ローラ14から離間した状態となる。このとき、離間スプリング27により従動排紙ローラベース43を排紙フレーム17上のストッパ28に接触固定させるので、離間位置15aが決定される。
以上のように本実施形態によれば、図4にて説明したカムを用いた方式に比べ、駆動源とカムを連結するシャフトやギヤ類を必要としないため、接離機構をより低コストに実現可能である。なお、画像形成装置の実装条件等によりいずれかの方式を選択可能である。
ここで、各排紙ローラと用紙ガイド板との関係について図6に基づいて説明する。図6は、従動排紙ローラと排紙ローラと用紙搬送方向の関係を示す模式図であり、(a)は本実施形態に係る模式図であり、(b)は比較例に係る模式図である。
用紙ガイド板12と用紙ガイド板13は、排紙ローラ14と従動排紙ローラ15とから構成される排紙ローラ対へ突入する用紙Pの搬送方向Dを決定するガイドである。破線は排紙ローラ14とニップ位置における従動排紙ローラ15との共通接線50である。搬送方向Dは共通接線50よりも従動排紙ローラ15側にあり、かつ搬送方向D上に離間位置15a従動排紙ローラ15が存在しないように、用紙ガイド板12と用紙ガイド板13の位置を設定されている。言い換えれば、従動排紙ローラ15が離間位置15aにあるときの搬送方向Dは、排紙ローラ14と離間位置15aとの間に設定されている。
このようにすることで、従動排紙ローラ15がニップ位置15bに移動したとき確実に搬送中の用紙Pを排紙ニップ部Nhにてニップすることができる。
以上説明したように、排紙装置に接離機構を設けると共に、用紙ガイド板12、13の形状を上述のように設定することで、用紙先端が排紙ローラと従動排紙ローラに衝突することなく、用紙を排紙部に排出することが可能となった。これにより図9にて説明した用紙先端がローラニップ部に衝突することに起因した波うち発生を回避できる。
次に本発明の実施例による従動排紙ローラの移動方向について図7、図8に基づいて説明する。図7は、従動排紙ローラの移動方向を示す模式図であり、(a)は離間位置からニップ位置への移動を示す図であり、(b)はニップ位置から離間位置への移動を示す図である。図8は、比較例に係る模式図である。
図7(a)に示すように、従動排紙ローラ15が排紙ローラ14に対し離間位置15aからニップ位置15bに移動するとき、従動排紙ローラ15の移動方向Xは用紙P搬送方向上流から下流への方向とする。また、ニップ位置15bから離間位置15aに移動する時は逆方向(移動方向Y)とする。このようにすることで、用紙ダメージや用紙ジャムの発生を防止する。
仮に比較例図8に示すように、搬送中の用紙Pが排紙ローラ14と従動排紙ローラ15との間にあり、離間位置15aからニップ位置15bに移動した時に、用紙搬送方向に対し逆もしくは直角方向に動作し従動排紙ローラ15が排紙ローラ14に対し圧接させると、搬送中の用紙Pに対し排紙ニップ部Nhにおいてブレーキ力Fが生じ、図7に示した用紙先端Paが排紙ローラ対に衝突する時と同様の用紙ダメージや用紙ジャムが発生することとなる。
なお以上、電子写真方式の画像形成装置の例により説明したが、排紙装置に排紙ローラ対を備えた画像形成装置に対して、本発明を適用することができる。例えばインクジェット記録装置に対して本発明を適用することもできる。
Claims (6)
- 用紙を搬送する搬送手段と、搬送された前記用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像形成が成された前記用紙を排紙部に排紙する排紙装置と、を備えた画像形成装置であって、
前記排紙装置は、駆動回転する駆動排紙ローラ、及び前記駆動排紙ローラに圧接したニップ位置と前記ニップ位置よりも用紙搬送方向上流側、且つ前記駆動排紙ローラから離間した離間位置との間を進退自在に構成された従動排紙ローラを有し、前記各排紙ローラにより形成される排紙ニップ部にて前記用紙をニップしつつ前記排紙部に排紙する排紙手段と、前記駆動排紙ローラに対して前記従動排紙ローラを接離させる接離機構と、前記排紙ニップ部の用紙搬送方向上流側に配置されて搬送される前記用紙の有無を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記接離機構の動作を制御する制御手段と、を備え、
前記接離機構は、前記従動排紙ローラを前記排紙ローラに圧接させる圧接スプリングと、前記従動排紙ローラを前記ニップ位置と前記離間位置との間で移動させる偏心カムと、前記偏心カムを回転駆動する駆動手段と、前記偏心カムと前記圧接スプリングとを連結し中間部に支点を有するリンク片と、前記従動排紙ローラを前記離間位置に移動させるように前記リンク片を付勢する離間スプリングと、を備え、前記偏心カムを回転させることにより、前記従動排紙ローラが前記支点を中心とした円弧に沿って移動するように構成されており、
前記制御手段は、前記従動排紙ローラが前記離間位置にあるときに、前記検出手段の検出結果に基づいて前記用紙の先端が前記排紙ニップ部に相当する位置から所定距離下流に搬送されたと判断したとき、前記駆動手段を回転駆動させて、前記排紙ニップ部に相当する位置を搬送されている前記用紙の搬送方向に沿って、前記従動排紙ローラを前記ニップ位置に移動させることを特徴とする画像形成装置。 - 用紙を搬送する搬送手段と、搬送された前記用紙に画像を形成する画像形成手段と、加圧ローラと加熱ローラとを備え、前記画像形成手段によって画像形成が成された前記用紙に画像を定着させる定着手段と、画像が定着された前記用紙を排紙部に排紙する排紙装置と、を備えた画像形成装置であって、
前記排紙装置は、駆動回転する駆動排紙ローラ、及び前記駆動排紙ローラに圧接したニップ位置と前記ニップ位置よりも用紙搬送方向上流側、且つ前記駆動排紙ローラから離間した離間位置との間を進退自在に構成された従動排紙ローラを有し、前記各排紙ローラにより形成される排紙ニップ部にて前記用紙をニップしつつ前記排紙部に排紙する排紙手段と、前記駆動排紙ローラに対して前記従動排紙ローラを接離させる接離機構と、前記定着装置の用紙搬送方向上流側に配置されて搬送される前記用紙の有無を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記接離機構の動作を制御する制御手段と、を備え
前記接離機構は、前記従動排紙ローラを前記排紙ローラに圧接させる圧接スプリングと、前記従動排紙ローラを前記ニップ位置と前記離間位置との間で移動させる偏心カムと、前記偏心カムを回転駆動する駆動手段と、前記偏心カムと前記圧接スプリングとを連結し中間部に支点を有するリンク片と、前記従動排紙ローラを前記離間位置に移動させるように前記リンク片を付勢する離間スプリングと、を備え、前記偏心カムを回転させることにより、前記従動排紙ローラが前記支点を中心とした円弧に沿って移動するように構成されており、
前記制御手段は、前記従動排紙ローラが前記離間位置にあるときに、前記検出手段の検出結果に基づいて前記用紙の後端が前記加圧ローラと前記加熱ローラにより形成される定着ニップ部から所定距離上流に搬送されたと判断したとき、前記駆動手段を回転駆動させて、前記排紙ニップ部に相当する位置を搬送されている前記用紙の搬送方向に沿って、前記従動排紙ローラを前記ニップ位置に移動させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記検出手段の用紙検出結果に基づいて、前記用紙が前記排紙ニップ部から所定距離下流に搬送されたと判断したとき、前記従動排紙ローラを前記離間位置に移動させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段の用紙検出結果により得られた用紙後端の通過情報から所定の時間経過後に、前記用紙後端が前記排紙ニップ部から用紙搬送方向下流へ所定距離だけ離間した位置まで搬送されたと判断し、前記従動排紙ローラを前記離間位置に移動させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記駆動排紙ローラ対の用紙搬送方向直上流に、前記用紙の両面をガイドする一対の用紙ガイド板を備え、
前記用紙ガイド板は、前記従動排紙ローラが前記離間位置にあるときに、前記用紙ガイド板を通過した前記用紙が前記各排紙ローラの間を通過するように配置され、
前記駆動排紙ローラ側の前記用紙ガイド板の下流側端部に形成された折れ部が前記駆動排紙ローラと前記従動排紙ローラとの共通接線の同一直線上か又は前記共通接線よりも前記駆動排紙ローラ寄りに位置することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記検出手段による用紙検出結果に基づいて前記排紙装置内部で用紙ジャムが発生していると判断したとき、前記従動排紙ローラを前記離間位置に移動させるように制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の画像形成装置。
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