JP5548698B2 - ハイブリッドアルファ‐アミラーゼ - Google Patents

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Description

配列表
配列番号1から27を含む配列表を添付し、参照によりその全体が取り込まれる。
優先権
本出願は、2008年12月15日出願の米国仮出願番号61/122,628に対して優先権を主張し、参照により、本明細書に取り込まれる。
発明の分野
本発明は、古細菌(archae)アルファ‐アミラーゼ及びターマミル(Termamyl)様アルファ‐アミラーゼ配列を含むハイブリッドアミラーゼを提供する。ハイブリッドアミラーゼは、野生型ターマミル様アミラーゼと比較して、改変された特性を有してよい。
背景
共通の機能を有する関連酵素は、顕著な配列同一性を有してよくあるいは有さなくてよい。例えば、バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ(1,4−α−D-グルカン グルカノヒドロラーゼ、EC 3.2.1.1)は、それらのアミノ酸配列が、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼに対して60%以上の同一性を有する場合、“ターマミル様”として区分される。WO 96/23874を参照願いたい。ハイブリッドアミラーゼは、62%以上の配列同一性を共有するアミラーゼとの間で創製される。Gray他、 J. Bacteriology 166: 635-43 (1986); 米国特許第6,143,708を参照願いたい。例えば、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の1−300残基及びバシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)の301−483残基を含むキメラアミラーゼは、組み換えにより発現し結晶化された。Brzozowski他、Biochemistry 39: 9099-107 (2000)を参照願いたい。また、WO 96/23874; WO 97/41213も参照願いたい。しかしながら、バシルス スブチリス(B. subtilis)及びバシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)など、25%未満の配列同一性を共有するアミラーゼであっても、共通の触媒機能及び全体的に保存される3次元(3D)の折りたたみを共有できる。
多くのアミラーゼの結晶構造が、現在入手可能である。前述のBrzozowski他(2000)を参照願いたい。例えば、プロテインデータバンク(Protein Data Bank)(PDB)、は表1に示すアミラーゼ以上の3D構造を含む。
Figure 0005548698
これらの結晶構造の比較により、顕著な配列類似性が存在しなくても、高い3次元(3D)構造の保存が明らかとなる。すべて報告されるアルファ‐アミラーゼ構造は、(β/α)触媒コアドメインである、ドメインAを共有する。「(β/α)」は、保存されるタンパク質3D構造として定義される、いわゆる「TIMバレル構造」といい、あるいは、ペプチド骨格に沿って交互に入れ替わる8つのアルファ‐へリックス及び8つのベータ‐ストランドからなる「折りたたみ」をいう。Lolis 他、Biochemistry 29: 6609-18 (1990)を参照願いたい。BドメインはドメインAのバレルストランドβ‐3及びへリックスα‐3の間の可動域、又は延長構造である。Cドメインは、典型的に8のストランドβ‐シートであり、アミラーゼの残りのC末端部分を形成する。アミラーゼのドメイン構造は、下記により詳しく説明する。
タンパク質のアミノ酸配列又は3D構造に大規模な変更をする必要性がなくて、正確に折りたたみ、安定性を維持し、及び組み換え宿主細胞に効率的な発現を実施するアミラーゼ変異体を提供するという継続的な必要性が当分野に存在する。
趣旨
ターマミル様アルファ‐アミラーゼの3D構造が、ガイドとして用いられ、新規なハイブリッドアルファ‐アミラーゼを構築する。ハイブリッドアミラーゼにおいては、ターマミル様N末端の一部が古細菌アミラーゼ由来の配列で置き換わる。二つのアミラーゼは、保存される3D構造を共有する。さらにアミラーゼ間の配列同一性は、60%未満でよい。ある実施態様においては、ハイブリッドアミラーゼは、約400から約500アミノ酸残基を含む。ハイブリッドアミラーゼにおいては、全アミノ酸の約10%と約80%の間が古細菌アルファ‐アミラーゼにより寄与される。ハイブリッド酵素における置換された部分は、ターマミル様アミラーゼと全部又は一部が構造的に保存される3D構造を有するように予測される。ある実施態様においては、少なくとも古細菌アミラーゼ配列のC末端残基(残基「x」)とターマミル様アミラーゼ配列のN‐末端残基(残基「y」)が構造的に保存される。ハイブリッドアミラーゼは、構成要素であるアミラーゼ配列の所望の特性、例えば組み換え発現の改変されたレベル、改変された溶解度、及び所望の性能特性、例えば最適pH活性プロファイル、基質特異性、生産物の特性及び特異的活性などを有利に組み合わせてよい。
タンパク質ドメインは、しばしば独立ユニットとして折りたたむと考えられるので、ハイブリッド酵素において適切な折りたたみを維持するために、ドメインが全体ユニットとして置換されなければならないことが予期される。しかしながら、ハイブリッドを野生型バシルス(Bacillus)酵素の保存された折りたたみを維持するように設計することにより、アルファ‐アミラーゼ配列がドメインの境界にて融合される必要はない。幾つかの実施態様においては、ハイブリッドアミラーゼは、第一アルファ‐アミラーゼ由来のBドメインの一部を含む第一アミノ酸配列を含み、第一アミノ酸配列は、Bドメインの残りの部分を含むバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ由来第二アミノ酸配列に融合する。このようにして、共に融合するBドメインのある部分次第で、独特な特性を有するハイブリッドアミラーゼを設計することができる。
例えば、ある実施態様は、「ウルトラシン(Ultrathin)」、Richardson他、 J. Biol. Chem. 277: 26501-07 (2002) (GenBank(商標)受託番号(Accession No.)AAM48114)に記載される古細菌アルファ‐アミラーゼ由来の配列と融合するバシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼ(AmyS;またゲオバシルス ステアロテルモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)として当分野で知られる)由来の配列を含むハイブリッドアミラーゼに関する。本明細書に記載の多様な実施態様においては、ハイブリッドのN末端はウルトラシン(言い換えると、第一アミノ酸配列)を含み、一方C末端はAmyS(言い換えると、第二アミノ酸配列)由来の残基を含む。具体的なウルトラシン残基を「UTn」で表し、ここで、nはN末端からのアミノ酸残基数である。例えば、ウルトラシンの残基104は「UT104」で表す。用語「des-Met ウルトラシン」はN末端メチオニン残基を欠失しているウルトラシンをいう。例えば、ウルトラシン残基1−104とAmyS残基100−483間のハイブリッドアミラーゼは、「UT 1-104: AmyS 100-483」と表す。
他の古細菌アミラーゼのように、ウルトラシンは、BドメインにZn2+結合部位を有する。それに対して、バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼのBドメインはCa2+‐Na‐Ca2+結合部位を有する。バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ由来の残りのBドメインに融合するウルトラシンのZn2+結合部位を含むハイブリッドは、酵素活性にCa2+を要求せずにバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼの性能特性を有することができる。そのようなハイブリッドアミラーゼは、グルコアミラーゼなど、野生型バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ由来と異なるカルシウム要求性を有する別の酵素と組み合わせて用いる時に特に有用である。例えば、ハイブリッドアミラーゼは、例えば、グルコアミラーゼと同じ反応容器でデンプンを糖化するために用いてよく、Ca2+濃度をグルコアミラーゼの性能に最適化できる。
従って、本発明は、ハイブリッドアミラーゼであって、N末端からC末端まで式(I)を有するポリペプチドを含み、
A−x−y−B (I)
ここで、
Aは、古細菌アルファ‐アミラーゼ由来第一アミノ酸配列、
Bは、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼ又はその変異体由来第二アミノ酸配列、
xは、第一アミノ酸配列のC末端残基、及び
yは、第二アミノ酸配列のN末端残基である、
ハイブリッドアミラーゼを提供する。ターマミル様アルファ‐アミラーゼ変異体は、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼに少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%配列同一性を有してよい。第一及び第二アミノ酸配列が共に約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、又は約500のアミノ酸残基を含んでよい。ハイブリッドアミラーゼ中アミノ酸の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、又は約80%が、古細菌アルファ‐アミラーゼにより寄与されてよい。残基x及びy両方が、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼと比較してハイブリッドアミラーゼ中に構造的に保存される。ハイブリッドアミラーゼは、配列番号1−8のいずれか一つを示すアミノ酸配列を含んでよい。さらなる態様においては、ハイブリッドアミラーゼを精製してよい。
ある態様においては、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼ3D構造と比較して残基xとyにおけるアルファ炭素間の二乗平均平方根距離が、約0.5Å、約0.4Å、約0.3Å、約0.2Å、又は約0.1Å以下である。別の態様においては、第一アミノ酸配列Aが、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼと比較してハイブリッドアミラーゼ中に構造的に保存される。野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼが、バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼでよい。バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼが、バシルス ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼ、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼ、バシルス スブチリス(B. subtilis)アルファ‐アミラーゼ、バシルス種(Bacillus sp.)KSM−K38アルファ‐アミラーゼ、又はバシルス ハルマパルス(B. halmapalus )アルファ‐アミラーゼでよい。ターマミル様アルファ‐アミラーゼ変異体が、親酵素のC末端を除くことにより、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼ由来でよい。古細菌アルファ‐アミラーゼが、ウルトラシン(Ultrathin)アルファ‐アミラーゼでよい。ハイブリッドアミラーゼの第一及び第二アミノ酸配列が、約60%、約55%、50%、約45%、約40%、約35%、又は約30%未満の配列同一性を共有してよいアミラーゼ由来である。また、本発明は、ハイブリッドアミラーゼの第一アミノ酸配列内にZn2+結合部位を含むハイブリッドアミラーゼを意図する。ハイブリッドアミラーゼは、第一アミノ酸配列由来のアミノ酸残基で置換される野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼのCa2+結合部位の少なくとも一つのアミノ酸を有してよい。
更なる態様においては、残基xとyがBドメイン中にある。第一アミノ酸配列が、Bドメインのアミノ酸残基の少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約98%に寄与してよい。
別の態様においては、本発明は、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼと比較して、改変された組み換え発現のレベル、溶解度、pH活性プロファイル、基質特異性、又は特異的活性を有するハイブリッドアミラーゼを意図する。ハイブリッドアミラーゼは、活性がCa2+濃度により影響されないアルファ‐アミラーゼ活性を有してよい。
また、本発明は、本明細書に記載のハイブリッドアミラーゼをコードする核酸を意図する。更なる態様においては、その核酸を含むベクターを意図する。更なる態様においては、その核酸又はそのベクターを含む宿主細胞を意図する。宿主細胞が、細菌又は真菌でよい。さらに別の態様においては、細菌がバシルス種(Bacillus sp.)でよい。
更なる態様においては、本発明はハイブリッド酵素をコードする核酸を設計する方法を意図する。方法は、
コンピューター実行方法において、古細菌アルファ‐アミラーゼ及び野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼの3D構造をアライメントする工程、
構造的に保存されるアミノ酸残基x及びyを選択する工程、及び
ハイブリッド酵素をコードする核酸を設計する工程、
を含む。コンピューター実行方法がコンピューターモニター上に3次元構造アライメントを表示することを含んでよい。野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼ3D構造と比較して残基xとyにおけるアルファ炭素間の二乗平均平方根距離が、約0.5Å、約0.4Å、約0.3Å、約0.2Å、又は約0.1Å以下である。
添付の図は本明細書にとりこまれ本明細書の一部を構成し、多様な実施態様を説明する。
図1は、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼの成熟型(言い換えると、シグナル配列の欠損)(「MatAmyS」:配列番号10)及びdes-Metウルトラシン(Ultrathin)アミラーゼ(「MatUltrathin」:配列番号9)の成熟型間のアミノ酸配列アライメント及びコンセンサス配列を示す。 図2は、比色分析ファデバス(商標)(Phadebas)アミラーゼ試験(Magle Life Sciences)を用いる多様なアミラーゼの相対的な活性を示す。基質は、水溶性である青色染料に化学的に付着した不溶性デンプンマイクロスフェアからなる。アミラーゼはデンプンを加水分解し、620nmにて吸収の変化により測定される青色染料を放出する。培養上清サンプルの一連の希釈をpH7(パネルA)及びpH10(パネルB)にて試験した。吸光度の任意の単位をアミラーゼ試験サンプルの希釈を関数としてプロットした。下記のハイブリッドアミラーゼを分析した。ハイブリッドA: UT 1-104: AmyS 100-483 (配列番号1)、ハイブリッドB: UT 1-113: AmyS 109-483 (配列番号2)、ハイブリッドC: UT 1-128: AmyS 140-483 (配列番号3)、ハイブリッドD: UT 1-145: AmyS 161-483 (配列番号4)、ハイブリッドE: UT 1-163: AmyS 203-483 (配列番号5)、ハイブリッドF: UT 1-175: AmyS 215-483 (配列番号6)、ハイブリッドG: UT 1-191: AmyS 228-483 (配列番号7)、及びハイブリッドH: UT 1-209: AmyS 246-483 (配列番号8)。 図3は、des-Metウルトラシン(Ultrathin)アミラーゼ(配列番号9)のアミノ酸配列を示す。太字で下線の引いたアミノ酸残基は、図2で示すハイブリッドにおけるウルトラシン部分の多様なC末端残基を示す。ウルトラシンにおける「クロスオーバーする位置」は太字かつ下線部である。 図4は、デンプン結合ドメイン(配列番号11)を除くC末端欠失を有するAmyS変異体のアミノ酸配列を示す。太字で下線の引いたアミノ酸残基は、図2で示すハイブリッドにおけるAmyS部分のN末端残基を示す。AmySにおける「クロスオーバーする位置」は太字かつ下線部である。 図5Aは、Bドメインが黒色である、AmySの二つの立体視を示す。Bドメインの後ろの球体は、結合したNa及びCa2+の原子を表す。 図5Bは、UT 1−104残基が黒色である、UT 1−104: AmyS 100‐483の二つの立体視を示す。Bドメインの後ろの球体は、結合したNa及びCa2+の原子を表す。 図5Cは、UT 1−209残基が黒色である、UT 1−209: AmyS 246‐483の二つの立体視を示す。Bドメインの後ろの球体は、結合したNa及びCa2+の原子を表す。
詳細な記載
本発明は、例えば、バシルス(Bacillus)アミラーゼなど、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼの全部又は部分的に保存された3D構造を共有するハイブリッドアルファ‐アミラーゼを提供する。ハイブリッドアミラーゼにおいては、ターマミル様アルファ‐アミラーゼのN末端部分が、古細菌アルファ‐アミラーゼ由来の配列で置き換わる。その二つのアミラーゼの間の配列類似性は、60%未満でよい。ハイブリッドアルファ‐アミラーゼにおける野生型3D構造を保存することは、酵素的に活性なアミラーゼを得ることを容易にする。ある実施態様においては、一つ又は両方のアミラーゼ配列が、Bドメインへの残基に寄与し、特に有益な特性をもたらす。例えば、ターマミル様アルファ‐アミラーゼのBドメイン中のCa2+結合部位をCa2+を結合しない古細菌アルファ‐アミラーゼのBドメインを用いた置換が、Ca2+非存在下で完全に活性であるハイブリッドを生成することができる。
1. 定義及び略語
本明細書の詳細な説明に従って、次の略語及び定義を適用する。本明細書にて使用する単数形「a」「an」及び「the」は、内容が明らかに他の事を指し示していない限り、複数の指示対象を含む。すなわち、例えば、「酵素」の意味は該当酵素の複数を含み、「製剤(the formulation)」の意味は一以上の製剤及び当業者に公知のこれらに均等な製剤を含む。
別段の指示がない限り、本明細書にて用いるすべての技術用語及び科学用語は当業者が通常理解するものと同様の意味を有する。次の用語を以下に示す。
1.1 定義
本明細書にて用いる「古細菌(Archae)」は、原核生物及び真核生物と異なる界の単細胞有機体をいう。古細菌は、好熱細菌、好塩性生物、及びメタン細菌を含む。
アミラーゼ類は、デンプン中のアルファ‐D‐(1→4)O‐グリコシド結合を切断する加水分解酵素であり、グルコアミラーゼ類及びベータ‐アミラーゼ並びにアルファ‐アミラーゼを含む。しかしながら、本明細書では、「アミラーゼ」は、特段の定めがない限り、アルファ‐アミラーゼをいう。アルファ‐アミラーゼ(EC 3.2.1.1; α‐D‐(l→4)‐グルカン グルカノヒドロラーゼ(glucan glucanohydrolase))は不規則的にデンプン分子内のアルファ‐D(1→4)O‐グリコシド結合を切断するエンド作用酵素として定義される。それに対して、エキソ作用デンプン分解酵素は、基質の非還元末端からデンプン分子を切断し、例えば、ベータ‐アミラーゼ(EC 3.2.1.2.α‐D‐(l→4)−グルカン マルトヒドロラーゼ(glucan maltohydrolase))及びマルトジェニックアルファ‐アミラーゼ(maltogenic α‐amylase)(EC 3.2.1.133)のようなある産物特異的アミラーゼ類である。ベータ‐アミラーゼ、アルファ‐グルコシダーゼ (EC 3.2.1.20; α‐D‐グルコシド グルコヒドロラーゼ(glucoside glucohydrolase))、グルコアミラーゼ (EC 3.2.1.3; α‐D‐(l→4)-グルカン グルコヒドロラーゼ(glucan glucohydrolase))、及び産物特異的アミラーゼ類はデンプンから特定の長さの麦芽オリゴ糖を生産する。
「ターマミル様」アミラーゼは、野生型バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼに対して少なくとも約60%配列同一性を有する。
「野生型」酵素は、自然に生じる酵素を言う。つまり、「野生型」ターマミル様アルファ‐アミラーゼは、野生型バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼに対して少なくとも約60%配列同一性を有する自然に生じるアルファ‐アミラーゼをいう。
「パーセント配列同一性」は、二つの配列をアライメントし、国立医学図書館(the National Library of Medicine)の全米バイオテクノロジー情報センター(the National Center for Biotechnology Information)(NCBI)のウェブサイトにて入手できるデフォルトアライメント値を用いてBLASTプログラムを用いてそれらを比較することにより決定される。
「変異体(variant)」、又は「変異体(複数)」は、ポリペプチドや核酸をいう。本明細書では、「変異体」は、二つの異なる親アミラーゼ由来のアミノ酸配列を含むハイブリッドタンパク質を含む。「変異体」という用語は、「ミュータント(mutant)」という用語と互換可能に用いてよい。変異体は、野生型配列と比較して、アミノ酸又はヌクレオチド配列中の一以上の位置にて、挿入、置換、トランスバージョン、及び欠失及び/又はインバージョンをそれぞれ含む。従って、「変異体ポリペプチド」及び「変異体酵素」という語句は、野生型タンパク質のアミノ酸配列から修飾されたアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。変異体ポリペプチドは、親酵素と特定のパーセント、例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、99%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。変異体は、野生型配列と比較して、1、2、3、4、5、10、15、20、又は30アミノ酸置換、追加、又は欠失、或いは1−30の範囲内の任意の整数値のアミノ酸置換、追加、又は欠失を有してよい。変異体は、異種のポリペプチドを含む融合タンパク質として発現されてよい。例えば、変異体は、別のタンパク質のシグナルペプチド又はHis−タグ配列など発現融合タンパク質の同定又は精製を助ける配列を含むことができる。
用語「融合タンパク質」は、当分野で知られている任意の手段により一緒に結合した二以上のポリペプチドをいう。これらは、化学的合成又は組み換え技術によりコードする核酸をスプライシングすることを含む。
本明細書にて用いる用語「ハイブリッドタンパク質」は、融合タンパク質の特別な形態である。融合タンパク質のように、第一タンパク質である古細菌アルファ‐アミラーゼ由来のアミノ酸配列は、第二タンパク質であるターマミル様アルファ‐アミラーゼ由来のアミノ酸配列に融合又は結合し、ハイブリッドタンパク質を形成する。本明細書に記載のハイブリッドアルファ‐アミラーゼにおいては、ターマミル様アルファ‐アミラーゼの置換した部分の3D構造のすべて又は一部を保存しながら、古細菌アルファ‐アミラーゼ由来第一アミノ酸配列がターマミル様アルファ‐アミラーゼの一部を置換する。ハイブリッドアミラーゼを導き出す古細菌アルファ‐アミラーゼ及び/又はターマミル様アルファ‐アミラーゼは、野生型アミラーゼの「変異体」でよい。
「アルファ炭素」は、ポリペプチド鎖における骨格炭素をいい、その炭素は、カルボニル炭素に結合される。
本明細書にて用いるように、第一の3D構造又は折りたたみ又はその部分は、アルファ炭素の二乗平均平方根距離(RMSD)が約1Å以下であるように構造がアライメントされる時、第二の3D構造又はその部分を用いて「構造的に保存される」。また、Orengo 他、Protein Eng. 6: 485-500 (1993)を参照願いたい。
本明細書にて用いる用語、「フラグメント」は、完全長より短いポリヌクレオチド又はポリペプチド配列をいい、二以上のアミノ酸又は核酸残基、例えば、5、10、15、20、30、又は50残基を含む配列である。
本明細書にて用いる用語「発現」は、遺伝子の核酸配列に基づいて、ポリペプチドが生成される過程をいう。過程は、転写及び翻訳両方を含む。
「単離される」は、配列が、その配列が自然に結合している及び自然に存在する、例えば、ゲノム配列など、少なくとも一つの他の成分から少なくとも実質的に除去されることを意味する。
「精製される」は、物質が相対的に純粋状態、例えば少なくとも約90%純粋、又は少なくとも約95%純粋、又は少なくとも約98%純粋であることを意味する。
「熱安定性」は、高い温度にさらされた後、酵素が活性を維持することを意味する。酵素の熱安定性はその半減期(t1/2)によって測定され、半減期により半分の酵素活性が消失する。半減期の値は、所定の条件下にて残存するアミラーゼ活性を測定することにより計算される。酵素の半減期を決定するために、サンプルは、1−10分間、試験温度に加熱され、酵素の活性の標準的なアッセイを用いて測定される。
本明細書にて用いる「アミノ酸配列」は用語「ポリペプチド」及び/又は用語「タンパク質」と同義語である。ある場合は、用語「アミノ酸配列」は用語「ペプチド」と同義語である。ある場合は、用語「アミノ酸配列」は用語「酵素」と同義語である。
本明細書にて用いる用語「ヌクレオチド配列」又は「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド配列又はポリヌクレオチド配列及び変異体、相同体、フラグメント、及びそれらの誘導体をいう。ヌクレオチド配列は、ゲノムの、合成の又は組み換え体のオリジンをいい、センス鎖又はアンチセンス鎖を表すかどうかで、二本鎖又は一本鎖でよい。本明細書にて用いるように、その用語「ヌクレオチド配列」はゲノムDNA、cDNA、合成DNA、及びRNAをいう。
「相同体」は、対象アミノ酸配列及び対象ヌクレオチド配列とある度合いの同一性を有する物を意味する。「相同配列」は別の配列に対してある%配列同一性を有するポリヌクレオチド又はポリペプチドを含み、例えば、別の配列に少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%同一性を有する。一般的に、相同体は対象アミノ酸配列と同様の活性部位残基を含みうる。また、相同体が、野生型酵素より異なる酵素的特性を有するけれども、相同体は、酵素活性も維持する。
本明細書にて用いる「ハイブリダイゼーション」は、核酸の一本鎖が塩基対を通して相補鎖に結合する過程及びポリメラーゼチェーン反応(PCR)法において実施する場合の増幅する過程も含む。変異体核酸は、一本鎖又は二本鎖DNA又はRNA、RNA/DNAへテロ二本鎖又はRNA/DNAコポリマーとして存在してよい。本明細書にて用いる「コポリマー」は、リボヌクレオチド及びデオキシヌクレオチド両者を含む1本鎖核酸ストランドをいう。変異体核酸は、発現をさらに増加するためにコドン最適化を行ってよい。
本明細書にて用いる「合成の」化合物は、インビトロで化学的又は酵素的合成によって生産されるものいう。酵母細胞宿主又は他の選択される発現宿主など、宿主生物にとって最適化コドンを使用した変異体核酸を含むが、これらに限定されない。
本明細書に用いる「形質転換細胞」は組み換えDNA技術を用いて形質転換された細菌及び真菌両方の細胞を含む。一般的に形質転換は細胞への一以上のヌクレオチド配列の挿入により起こる。挿入されたヌクレオチド配列は異種のヌクレオチド配列、即ち、融合タンパク質のような形質転換された細胞に本来有していない配列でもよい。
本明細書にて用いる「作動可能に結合する」は、記載する成分が意図する機能を行うような関係であることを意味する。例えば、コード配列に作動可能に結合する調節配列は、コード配列の発現がコントロール配列に適合する条件下に行われるようなライゲーションである。
本明細書にて用いる「生物学的活性な」とは、同じ程度とは必ずしも限らないが、自然に発生する配列と同様な構造機能、調節機能又は生物学的機能を有する配列をいう。
本明細書にて用いる用語「デンプン(starch)」は、トウモロコシなど、植物性ポリサッカライドの炭水化物の複合体を含み、化学式(C10)xで表すアミロース及びアミロペクチンを含む任意の原料をいい、ここで「x」は任意の数字である。
1.2. 略語
次の略語は、他に示していない限り、以下の意味を有する。
3-D又は3D 3次元の
ADA アゾジカルボナミド(azodicarbonamide)
AmyS バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)(a/k/a ゲオバシルス ステアロテルモフィルス(Geobacillus stearothermophilus))アミラーゼ
AmyS n AmySの残基n、配列番号9のナンバリング配列を用いる
AmyS n-483 AmyS 残基n-483, 配列番号9のナンバリング配列を用いる
cDNA 相補DNA
DEAE ジエチルアミノエタノール(diethylamino ethanol)
DNA デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)
EC 酵素委員会(Enzyme Classification designation)
HPLC 高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography)
mRNA メッセンジャーリボ核酸(messenger ribonucleic acid)
PCR ポリメレースチェーン反応(polymerase chain reaction)
PDB プロテインデータベース(protein database)
PEG ポリ(エチレングリコール)(poly (ethyleneglycol))
ppm 百万分の一(parts per million)
RMSD 二乗平均平方根距離(root mean square distance)
RT-PCR リバーストランスクリプターゼポリメラーゼチェーン反応(reverse transcriptase polymerase chain reaction)
SDS-PAGE ドデシル硫酸ナトリウム‐ポリアクリルアミドゲル電気泳動(sodium dodecyl sulfate−polyacrylamide gel electrophoresis)
1X SSC 0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0
t1/2 半減期(half life)
Tm 50%の対象タンパク質が溶解する融点(melting temperature) (℃)
ΔTm 融点での℃変化
Ultrathin 受託番号AAM48115.1(配列番号10)としてGenBank(商標)に開示の古細菌アミラーゼ
UT n 配列番号10のナンバリング配列をもちいるUltrathinアミラーゼの残基n
UT 1-n 配列番号10のナンバリング配列を用いるUltrathin残基1‐n
UT 1-x: AmyS y-483 AmyS残基y-483に融合Ultrathin残基1-x
w/v 重量/体積(weight/volume)
w/w 重量/重量(weight/weight)
2. 保存される3D構造を用いる融合タンパク質のエンジニアリング
ハイブリッド酵素を作成するために似ていないアミノ酸配列を融合するとき、特に二つの配列がドメインの中央に結合される時、ドメイン構造は、崩壊されうる。順々にドメイン構造の崩壊は、低い活性及び/又はタンパク質の折りたたみの困難性をもたらし得、発現融合タンパク質の収量の減量の結果となる。この問題は、第一のタンパク質由来のアミノ酸配列とバシルス(Bacillus)タンパク質由来のアミノ酸配列間で融合の適切なポイントを選択することにより対処される。すなわち、二つの配列が、二つのアミラーゼ配列の3D構造が保存されるポイントで融合される。このようにして、その二つの配列が、ハイブリッド酵素中に結合される時、最少の3D構造の変化が生じる。さらに、このアプローチは、アミラーゼが60%未満配列同一性を共有するときでさえ、活性ハイブリッドの構築に役立つ。
二つのタンパク質の構造アライメントは、3D構造のすべて又は一部が二つのタンパク質の間で保存されているかどうかを決定するために用いてよい。この目的のために、第一タンパク質の3D構造が、第二タンパク質の3D構造上に重ね合わせるまたはアライメントすることができる。重ね合わせ又はアライメントは、全体のタンパク質構造又は第二構造の要素にわたってなされてよい。例えば、β‐バレル中のセントラルβ‐ストランドなど、第二構造要素をアライメントできる。構造を重ね合わせる又はアライメントする方法は、当分野で周知である。ある実施態様においては、アライメントすることは、ケミカルコンピューティンググループ(Chemical Computing Group)により提供されるモレキュラーオペレーティングエンバイロメントアライメントアルゴリズム(Molecular Operating Environment alignment algorithm)などコンピューター‐実行方法で導入される。別の実施態様においては、アライメントのアウトプットは、コンピューターのモニター上又はディスプレイシステム上に表示される。
二つの構造のアライメント上、二つの構造でのアルファ炭素鎖のアライメントの空間を測定できる。構造的に保存されるアミノ酸が選択される。本明細書の目的のために、第一3D構造又は折りたたみが、構造中のアルファ炭素のRMSDが約1Å以下の場合、第二3D構造と「構造的に保存される」。構造の保存は、少なくとも二以上のアミノ酸残基を通して拡張してよく、古細菌アルファ‐アミラーゼにより寄与されるハイブリッドアミラーゼの全体部分を含んでよい。ある実施態様においては、構造の保存度合いは、十分高く、アルファ炭素のRMSDが約0.5Å以下である。
ハイブリッドアミラーゼは、式(I)に示す、N末端からC末端の一般的な構造を有する。
A−x−y−B (I)
ここで、
Aは、古細菌アルファ‐アミラーゼ由来第一アミノ酸配列、Bは、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼ又はその変異体由来第二アミノ酸配列、xは、第一アミノ酸配列のC末端残基、及びyは、第二アミノ酸配列のN末端残基である。ある実施態様においては、少なくとも残基x及びyが、野生型ターマミル様アルファ‐アミラーゼと構造的に保存される。つまり、残基x及びy中のアルファ炭素のRMSDが、約1Å以下である。別の実施態様においては、残基x及びy中のアルファ炭素のRMSDが、約0.5Å以下である。
式(I)中、xに相当する代表的なアミノ酸残基を図3に記載の太字かつ下線のアミノ酸残基として示す。式(I)中、yに相当する代表的なアミノ酸残基を図4に記載の太字かつ下線のアミノ酸残基として示す。残基x及びyは「クロスオーバーする位置」にて起こる。
ハイブリッドアミラーゼを形成するために二つのアミラーゼの配列を結合する方法は、当分野で周知な方法により行ってよい。例えば、アミノ酸配列は、ポリペプチド配列の末端にてアミノ酸の化学的結合を通して結合され得る。或いは、核酸をコードすることにより、発現宿主細胞中ハイブリッドアミラーゼタンパク質をコードするために遺伝子組み換えをすることができる。組み換え操作の方法は、当分野に周知である。適切な方法は、例えば、任意の現在入手できる実験マニュアル中に記載され、例えば、Sambrook他、MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (2001)である。
3.バシルス(Bacillus)アミラーゼのドメイン構造
バシルス(Bacillus)アミラーゼは三つの球状ドメインA、B、及びCから形成される。WO 96/23874の詳細な説明を参照願いたい。ドメインは、ドメインAとして、残基1−103と206−395、ドメインBとして残基104−205、及びドメインCとして残基396−483として定義され、残基の数字は、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼに基づく。バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼは長い分子であり、最も長い軸は、約85Åである。この軸に垂直な最も広いポイントは、約50Åであり、セントラルドメインAに及ぶ。バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼの活性部位残基は、D323、D231及びE261である。
3.1 ドメインA
ドメインAは、最も大きなドメインであり、酵素表面に深い割れ目中に3つのアミノ酸残基のクラスターを含む活性部位含む。すべて知られているアルファ‐アミラーゼ構造のドメインAは、同じ全体的な折りたたみ、すなわち、8つのセントラルβ‐ストランド及び8つのフランキングα‐ヘリックスを伴う(β/α)バレルを有する。β‐ストランド1のC末端は、ループ1で示されるループによりヘリックス1へ接続し、同一のパターンが、他のループでみられる。これらのループは、サイズにいくつか変化があり、幾つかは、かなり広くてよい。
(β/α)バレルにおける8つのセントラルβ‐ストランドは、多様に知られているアルファ‐アミラーゼ構造の間で良く重なり、構造のこの部分は、β‐ストランドのC末端に位置する活性部位の閉ざされた環境を含み、異なるアミラーゼ間で高い類似性を示す。
β‐ストランド及びα‐ヘリックスを接続するループは、ターマミル様アルファ‐アミラーゼ及び真菌類のアルファ‐アミラーゼの間で高い変化を示す。これらのループは、活性部位の構造的内容を構築し、基質への接触の多くが、これらのループに位置する残基間でみられる。基質特異性、基質結合、pH/活性プロファイル、デンプン分解パターンなど重要な特徴が、これらのループ内の同じ位置のアミノ酸により決定される。
3.2 ドメインB
ドメインBは、多くの荷電した残基を含むコンパクトなドメインである。Bドメインは、ドメインAのストランド3及びヘリックス3の間のループの延長として生じ、少なくとも一つの長いループ構造を含み、‐1、+3、‐1X、+2の結合性を有する5‐ストランド逆平行β‐シート構造を含む。Richardson, Adv. Protein Chem. 34, 167-339 (1981)を参照願いたい。
ドメインBの最初の4つのストランドは、二つのヘアピンループを形成し、ヘアピンループは、一対の交叉した指(右手まき)のように互いにまきつく。主鎖はβ‐ストランドへ折りたたみ、二つの小さなβ‐シート構造に接続する。一つのシートで一回転した後、それは、折りたたみ、ドメインAとアルファ‐アミラーゼ構造中内部の穴に接続する二つのストランドシートを作る。主鎖は、第一の二つのシートにほとんど垂直に小さなシート構造まで折りたたむ。β‐ストランド3の頂点でヘリックス3に入る前に、ドメインBにおける最後の約24アミノ酸は、ドメインAへの接触領域で、二つのカルシウム結合部位を形成する。
ドメインBは、二つのペプチドストレッチによりドメインAと接続し、二つのペプチドストレッチは、ドメイン‐ドメイン接触領域を二つに分割する。ドメインBは、カルシウム結合領域及び水分子を含む内部に埋め込まれる穴によりドメインAと接触する。分子接触の多くのタイプが存在する。酸アミノ酸と塩基アミノ酸の間でのイオン性相互作用は可能であり、これらの相互作用は、高いpHにて全体的な安定性にかなり重要であり、カルシウム結合部位を損なわないよう維持するために重要である。
3.3. ドメインC
ドメインCは、アミノ酸394−483からなるタンパク質のC末端部分である。ドメインCは、もっぱらβ‐ストランドからなり、それ自身で折りたたむ単一な8−ストランドシート構造を形成する。従って、そのシート構造は、β‐サンドウィッチ構造として記載されてよい。ストランド6及び7がゆるく接続しているのみであるが、連結性は、+1,+1,+5,−3,+1,+1,−3である。β‐シートのある部分は、ドメインAの接触部分を形成する。
3.4. Ca2+結合部位及びNa結合部位
カルシウムイオンの一つが、大変弱い配位を表すけれども、ターマミル様アルファ‐アミラーゼの構造は、4つのカルシウム結合部位及び一つのナトリウム‐結合部位を含む。カルシウムイオンの二つは、三つのイオンの直線クラスターの部分を形成し、中央のイオンは、ドメインAとBの接合点に存在するナトリウムに寄与する。
活性部位に最も近いカルシウムについて、His235及びAsp194からのカルボニル骨格、Asp194、Asn102及びAsp200残基からの側鎖原子、及び1水分子がカルシウムに結合する。ナトリウムイオンについて、結合部位は、Asp194、Asp200、Asp183及びAsp159及びVal201からのカルボニル骨格を含む。ドメインAとB間のカルシウム結合部位は、Asp204とAsp159、Asp183とAla181からのカルボニル骨格、Asp202からの原子、及び1水分子を含む。
あるカルシウムイオンはドメインAとCの間に位置し、別のカルシウムは、ドメインCに位置する。第一に述べたカルシウムは、Gly300、Tyr302及びHis406からのカルボニル骨格、Asp430からの原子、Asp407からの原子、及び1水分子と結合する。弱く配位されるカルシウム部位は、4つの水分子、及びGlu447とAsn444からの原子を含む。
4. ハイブリッドアミラーゼ
本発明のハイブリッドアミラーゼは、単離された及び/又は精製されたものでよい。ハイブリッドアミラーゼは、第一のアルファ‐アミラーゼのN末端フラグメント及び第二のアルファ‐アミラーゼであって、バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼのC末端フラグメントを含む。ある実施態様においては、バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼは、ターマミル様アミラーゼである。具体的な実施態様においては、バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼは、AmySである。ある実施態様においては、第一の及び第二のアミラーゼは、約60%未満の配列同一性を共有してよい。例えば、それらのアミラーゼは、約50%、40%、30%、又は20%未満の配列同一性を共有してよい。第一のアルファ‐アミラーゼ配列は、ハイブリッドアミラーゼのアミノ酸配列の少なくとも約10%、しかし80%以下を含む。多様な実施態様においては、第一のアルファ‐アミラーゼ配列は、ハイブリッドアミラーゼのアミノ酸残基の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は10%−80%の間の任意の整数値を含む。
ハイブリッドアミラーゼを用いる時、第一のアルファ‐アミラーゼ配列は、ハイブリッドアミラーゼ中に置換されるバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼの一部又はすべてに対応する部分と保存される3D構造を維持する。第一のアルファ‐アミラーゼは、古細菌アルファ‐アミラーゼでよい。古細菌アルファ‐アミラーゼは、GenBank(商標)受託番号AAM48115.1 (配列番号11)に記載されるウルトラシン(Ultrathin)を含む。ウルトラシン(Ultrathin)のような古細菌アルファ‐アミラーゼは、バシルス(Bacillus)アミラーゼ中のCa2+‐Na‐Ca2+結合部位のようにドメインBの同じ一般的な位置にてZn2+結合部位を有する。Ca2+は、古細菌アルファ‐アミラーゼの安定性又は活性に全く影響しない。ウルトラシン(Ultrathin)は、図1に示すようにAmySと比較的弱い配列同一性を示す。しかし、ウルトラシン(Ultrathin)は、3D構造レベルにてAmySに比較的高い類似性を表示する。
図5は、代表的なハイブリッドアミラーゼの3D構造の立体構造を示す。構造は、実施例中下記に説明する一連のモデリングアルゴリズムにより作成される。図5Aにおいて、ドメインBを黒で示す。図5Bにおいて、AmySのN末端残基をウルトラシン(Ultrathin)の1−104残基により置換する。ドメインBの小さなフラクションのみが、この実施態様において置換される。図5Aにおける野生型AmyS構造と図5Bにおけるハイブリッドアミラーゼの3Dの構造の比較により、ハイブリッドアミラーゼに保存される高い割合の3D構造を実証する。図5Cに記載のハイブリッドアミラーゼ構造は、N末端AmyS残基がウルトラシン(Ultrathin)の1−209残基で置換されるハイブリッドを示す。ハイブリッドアミラーゼの全部の構造が、バシルス(Bacillus)酵素に類似しながら、ハイブリッドアミラーゼ構造のすべてが、上記に定義される用語のように、必ずしも「保存される」必要はない。
ある実施態様においては、ハイブリッドアミラーゼは、ウルトラシンアルファ‐アミラーゼなど、古細菌アルファ‐アミラーゼのZn2+結合領域を含む。従って、ハイブリッドアミラーゼが、野生型バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼの活性及び構造の安定性特性を維持しながら、ハイブリッドアミラーゼは、Ca2+の濃度への感受性が低くなってよい。例えば、ハイブリッドアミラーゼは、Zn2+結合部位を含むウルトラシンの部分に融合するAmySのC末端部分を含む。この線に沿う、具体的なハイブリッドは、ウルトラシン(UT)アルファ‐アミラーゼのドメインBの多様な部分を含む。
ハイブリッドA: UT 1-104: AmyS 100-483 (配列番号1);
ハイブリッドB: UT 1-113: AmyS 109-483 (配列番号2);
ハイブリッドC: UT 1-128: AmyS 140-483 (配列番号3);
ハイブリッドD: UT 1-145: AmyS 161-483 (配列番号4);
ハイブリッドE: UT 1-163: AmyS 203-483 (配列番号5);
ハイブリッドF: UT 1-175: AmyS 215-483 (配列番号6);
ハイブリッドG: UT 1-191: AmyS 228-483 (配列番号7);及び
ハイブリッドH: UT 1-209: AmyS 246-483 (配列番号8)。
ハイブリッドアミラーゼは、アミラーゼに改変されたCa2+要求性、増加した熱安定性、改変された特異的活性、改変されたエンド‐又はエキソ‐アミラーゼ活性、又は改変された最適pHなど、改善された特性を提供するように組み換え操作されてよい。
また、本発明は、ハイブリッドアミラーゼをコードする核酸も提供する。ハイブリッドアミラーゼをコードする核酸は、配列番号1、配配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8のタンパク質をコードするcDNAでよいが、これらに限定されない。当業者が周知なように、遺伝子コドンは縮重し、ある場合複数のコドンが同じアミノ酸をコードしてよい。核酸は、ハイブリッドアミラーゼをコードするゲノムDNA、mRNA、及びcDNAを含む。ハイブリッドアミラーゼをコードする核酸の例は、配列番号20−27を含み、それぞれ、配列番号1−8のハイブリッドアミラーゼをコードする。
4.1. 変異体配列を有するハイブリッドアミラーゼ
ある実施態様においては、ハイブリッドアミラーゼを含む配列は、天然の又は野生型配列の変異体である。ある態様においては、第一アミラーゼに対応するハイブリッドのフラグメントのみが、同じ隣接する残基についてその天然配列に対して変異体である。別の態様においては、バシルス (Bacillus)アミラーゼに対応するハイブリッドのフラグメントのみが、同じ隣接する残基についてその天然配列に対して変異体である。例えば、AmyS配列は、配列番号11に記載のC末端欠失を有するAmySから選択されてよく、欠失は、デンプン結合ドメインを除去している。いくつかの実施態様においては、宿主細胞は、配列番号1−8と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一性を有するアミノ酸配列を用いて折りたたみセグメント融合変異体を発現するように遺伝子組み換えされる。
アミラーゼ及びその変異体の遺伝子的修飾及び組換え体の生産の方法は、当分野で周知であり、米国特許第7,166,453、6,890,572、及び6,667,065に記載されるものを含む。コードポリヌクレオチド配列の調製、プライマー、ベクター、選別方法、宿主細胞、発現されたアミラーゼ変異体の精製及び再構築、並びに有用な緩衝液、pH範囲、酵素試験のための基質濃度及び酵素濃度を含む変異体の特徴づけは、すべて当分野に周知である。変異体配列を含むハイブリッドアミラーゼは、本明細書に記載のように、当分野で周知な方法に従って、合成的に又は宿主細胞中の組換え体の発現を通しても生産できる。
5.0 折りたたみセグメント融合の精製
5.1 ベクター
いくつかの実施態様においては、上記に記載のものなど、ハイブリッドアミラーゼの変異体を含むハイブリッドアミラーゼをコードする核酸を含むDNA構築体は、ハイブリッドアミラーゼコード配列に作動可能に結合する調節配列を含む発現ベクターの宿主細胞に形質転換される。ベクターは、宿主細胞へ組み込むことができる及び宿主細胞へ導入される時複製することができる任意のベクターでよい。好適な発現及び/又は組み込みベクターの追加的例は、Sambrook他、MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); Bennett他、MORE GENE MANIPULATIONS IN FUNGI, Academic Press, San Diego (1991), pp. 396-428; 及び米国特許第5,874,276に記載される。ベクターの例は、pFB6、pBR322、PUC18、pUC100及びpENTR/D、pDON(商標)201、pDONR(商標)221、pENTR(商標)、pGEM(商標)3Z及びpGEM(商標)4Zを含む。細菌細胞中で用いる例は、pBR322及びpUC19を含み、大腸菌(E. coli)及びpE194に複製でき、例えば、バシルス(Bacillus)中に複製できる。
いくつかの実施態様においては、ハイブリッドアミラーゼをコードする核酸は、適切なプロモーターに作動可能に結合し、宿主細胞において転写を可能とする。プロモーターは、宿主細胞に相同的でもあるいは非相同的でもタンパク質をコードする遺伝子由来でよい。好適なプロモーターの例は、cbh1、cbh2、egl1、及びegl2プロモーターを含むが、これらに限定されない。ある実施態様においては、プロモーターは、宿主細胞に本来あるものでよい。例えば、バシルス(Bacillus)細胞は発現宿主細胞の場合、プロモーターは、本来あるバシルス(Bacillus)プロモーターである。「誘導プロモーター」は、環境的調節又は発生的調節下にて活性であるプロモーターである。別の実施態様においては、プロモーターは、宿主細胞に異種のものである。
幾つかの実施態様においては、コード配列は、シグナル配列に作動可能に結合する。シグナル配列をコードするDNAは、発現されるハイブリッドアミラーゼ核酸と自然に結合するDNA配列でよい。他の実施態様においては、シグナル配列をコードするDNAは、バシルス(Bacillus)以外の種由来のシグナル配列をコードするヌクレオチド配列で置換される。本実施態様においては、シグナル配列をコードするポリヌクレオチドは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのすぐ上流およびイン‐フレームである。シグナル配列は、宿主細胞と同じ種から選択されてよい。例えば、シグナル配列は、バシルス種(Bacillus sp.)由来シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase;EC 2.4.1.19)シグナル配列であるが、これに限定されず、ハイブリッドアミラーゼはバシルス スブチリス(B. subtilis)宿主細胞中に発現される。メチオニン残基をシグナル配列のN末端に加えてよい。
追加的な実施態様においては、真菌宿主細胞へ導入されるDNA構築体又はベクターを含むシグナル配列及びプロモーター配列は、同じ起源由来である。幾つかの実施態様においては、発現ベクターは、ターミネーション配列も含む。ある実施態様においては、ターミネーション配列及びプロモーター配列は、同じ起源由来である。別の実施態様においては、ターミネーション配列は、宿主細胞と相同的である。
幾つかの実施態様においては、発現ベクターは、選択マーカーを含む。好適な選択マーカーの例は、例えば、ハイグロマイシン又はフレオマイシンのような抗菌剤に抵抗性を与えるものを含む。また、栄養選択マーカーも適しており、amdS、argB、及びpyr4を含む。ある実施態様においては、選択マーカーは、amdS遺伝子であり、これは、酵素アセタミダーゼをコードし、形質転換細胞が栄養源としてアセトアミド上で成長することができる。選択マーカーとしてアスペルギルス ニドゥラン(A. nidulans)amdS遺伝子の使用が、Kelley他、(1985) EMBO J. 4: 475-479及びPenttila他、(1987) Gene 61: 155-164に記載される。
ハイブリッドアミラーゼをコードするポリヌクレオチドを用いたDNA構築体を含む好適な発現ベクターは、所定の宿主生物中に自己複製できる又は宿主生物のDNAに組み込むことができる任意のベクターでよい。幾つかの実施態様においては、発現ベクターはプラスミドである。幾つかの実施態様においては、cDNAの発現を獲得するための発現ベクターの二つのタイプが考えられる。第一の発現ベクターは、DNA配列を含み、プロモーター、ハイブリッドアミラーゼコード領域、及びターミネーターすべてが発現されるべきcDNA由来である。幾つかの実施態様においては、それ自身の転写及び翻訳調節配列の制御下にて発現されるべきドメインを残すために、遺伝子欠失は、例えば、C末端デンプン結合ドメインコードするDNAなど、望まないDNAを欠失することにより得られる。発現ベクターの第二のタイプは、組み込み済みであり、高いレベルの転写及び選択マーカーを必要とする配列を含む。幾つかの実施態様においては、ハイブリッドアミラーゼcDNA又はその一部のコーディング領域は、発現構築プロモーター及びターミネーター配列の転写制御下になるようにこの汎用の発現ベクターへ挿入される。幾つかの実施態様においては、遺伝子又はその一部は、強いcbh1プロモーターの下流に挿入される。
5.2 宿主細胞の形質転換、発現、及び培養
宿主細胞へDNA構築体又はベクターの導入は、形質転換、エレクトロポレーション、核マイクロインジェクション、形質導入、例えば、リポフェクション仲介トランスフェクション及びDEAE‐デキストリン仲介トランスフェクションのようなトランスフェクション、リン酸カルシウムでインキュベーションするDNA沈殿、DNAコートマイクロプロジェクタイルを用いる高速衝撃、及びプロトプラスト融合などの方法を含む。一般的な形質転換技術は、当分野で周知である。Ausubel他、(1987), 上記, chapter 9; Sambrook他、 (2001), 上記; 及びCampbell他、 (1989) Curr. Genet. 16: 53-56を参照願いたい。トリコデルマ(Trichoderma)における異種のタンパク質の発現は、例えば、米国特許第6,022,725;米国特許第6,268,328; Harkki他、(1991) Enzyme Microb. Technol. 13: 227-233; Harkki他、(1989) BioTechnol. 7: 596-603; EP 244,234; 及びEP 215,594に記載される。ある実施態様においては、一般的に好適な形質転換体は、ベクター系で構築され、それによりハイブリッドアミラーゼをコードする核酸が宿主細胞染色体へ安定的に組み込まれる。形質転換体は、それから周知の方法により精製される。
amdSマーカーを含む安定な形質転換体は、アセトアミドを含む固相培養培地の上で、速い成長速度及びデコボコの輪郭よりむしろデコボコのない円状のコロニーの形成という点で非安定的な形質転換体と異なるが、これらに限定されない。追加的に、ある場合、安定性の更なる試験は、例えば、アセトアミド欠損培地など、固相非選択的培地上で形質転換体を成長し、この培養培地から胞子を採取し、その次に、アセトアミド含有選択培地上で発芽し成長するこれらの胞子の割合を決定することにより導入される。当分野で知られている他の方法を形質転換体を選別するために用いてよい。
宿主細胞の例は、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)、バシルス レンツス(B. lentus)、バシルス ブレビス(B. brevis)、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)、バシルス アルカロフィリス(B. alkalophilus)、バシルス アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バシルス コアグランス(B. coagulans)、バシルス サーキュランス(B. circulans)、バシルス ラウツス(B. lautus)、バシルス ツリンギエンシス(B. thuringiensis)、ストレプトミセス リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス ムリナス(S. murinus)など、グラム陽性菌又は大腸菌(Escherichia coli)又はシュードモナス(Pseudomonas)種などグラム陰性菌を含む。
6.0 ハイブリッドアミラーゼの生成及び特徴
6.1. ハイブリッドアミラーゼを精製する方法
一般的に、細胞培養で生成されるハイブリッドアミラーゼは、培地へ分泌され、例えば、細胞培養培地から不必要な成分を除去することにより、精製及び単離されてよい。ある場合、ハイブリッドアミラーゼは、細胞溶解物から除かれてよい。そのような場合、ハイブリッドアミラーゼは、当業者により通常使用される方法を用いてハイブリッドアミラーゼが細胞内で生成された細胞から精製される。タンパク質精製の例は、親和性クロマトグラフィー、高分解能イオン交換を含むイオン交換クロマトグラフィー法、疎水性相互作用クロマトグラフィー、二相分配、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上又はDEAEなど陽イオン交換樹脂上のクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、硫酸アンモニウム、及び例えばセファデックスG−75を用いるゲルろ過を含むが、これらに限定されない。タンパク質精製の他の方法は、当分野で周知であり、広く入手可能である。
6.2. ハイブリッドアミラーゼ活性の同定
宿主細胞中のハイブリッドアミラーゼの発現を評価するために、アッセイを発現タンパク質、対応するmRNA、又はアルファ‐アミラーゼ活性を測定するために用いることができる。アッセイの例は、ノーザン及びサザンブロッティング、RT−PCR(リバーストランスクリプターゼポリメラーゼチェーン反応)、及び適切なラベル化ハイブリダイズプローブを用いるインサイチュ(in situ)ハイブリダイゼーションを含む。また、アッセイは、サンプル中のハイブリッドアミラーゼ活性を測定することも含む。発現されたハイブリッドアミラーゼのエキソ‐活性用のアッセイは、ベタミル(商標)(Betamyl)アッセイ(Megazyme, Ireland)を含むが、これに限定されない。ハイブリッドアミラーゼのエンド‐活性の好適なアッセイは、ファデバス(商標)(Phadebas)アミラーゼ試験(Magle Life Sciences)を含むが、これに限定されない。アッセイは、ハイブリッドアミラーゼ存在下で調製される液体のHPLC分析も含む。HPLCは、アッセイの他の成分からDP−3及びDP−4を分離することによりアミラーゼ活性を測定するために用いることもできる。
6.3 ハイブリッドアミラーゼ変異体特徴
ハイブリッドアミラーゼは、それらの核酸及びプライマリーポリペプチド配列により、3次元構造モデリングにより、及び/又はそれらの特異的活性により特徴づけられ得る。ハイブリッドアミラーゼの追加的な特徴は、例えば、安定性、pH範囲、酸化安定性、及び熱安定性を含む。発現及び酵素活性のレベルは、当業者に知られる標準アッセイを用いて評価され得る。別の態様においては、変異体は、高温、例えば、65−85℃にて、改善された安定性など、野生型酵素と比較して、改善された性能特性を実証される。ハイブリッドアミラーゼは、液化又は焼成など高温を要求する他の方法において用いるのに有用である。例えば、熱安定性ハイブリッドアミラーゼは、約55℃から約85℃以上の温度にてデンプンを分解できる。
発現特徴は、変異体が特定の宿主細胞で生成される時、変異体の発現の改変されたレベルを意味する。一般的に、発現は、所定の一回の量以上の周知の標準方法を用いて発酵ブロスから回収できる活性変異体の量に関連する。発現は、宿主細胞内で生成され又は宿主細胞により分泌される変異体の量又は速度にも関連する。発現は、変異体酵素をコードするmRNAの翻訳の速度にも関連できる。
本発明は、本明細書に記載の任意のハイブリッドアミラーゼをコードする核酸に相補的な核酸を提供する。さらに、本発明は、相補体にハイブリダイズすることができる核酸も提供する。別の実施態様においては、本明細書に記載の方法及び組成物に用いるための配列は、合成の配列である。配列は、酵母など宿主生物体に発現するために最適コドン使用を用いてつくられる配列を含むが、これに限定されない。
7. ハイブリッドアミラーゼの組成物及び使用
本明細書に記載の方法によって生成されかつ精製されたハイブリッドアミラーゼは、様々な工業的利用に有用である。特定のハイブリッドアミラーゼを使用するのがどれ程望ましいかは、特定用途における必要性に関してハイブリッドアミラーゼによって表示される全体的な特性に依存するだろう。
ある実施態様においては、ハイブリッドアミラーゼは、デンプン変換方法に、特に、デンプン、例えばコーンスターチ、小麦デンプン、大麦デンプンの液化方法に役立つ。所望の最終生成物は、デンプン基質の酵素変換によって生産されてよい任意の生成物でよい。例えば、所望の生成物は、発酵に有用な糖類、特にマルトトリオース、グルコースおよび/またはマルトースが豊富なシロップでよい。
バシルス(Bacillus)アミラーゼは、通常30−40%w/w乾燥固体(ds)を含んでよいデンプン懸濁液のマルトデキストランへの分解を触媒するために用いられる。典型的に、液化は、高い温度、例えば、90−100℃にて導入されるので、バシルス(Bacillus)アミラーゼなど熱安定アルファ‐アミラーゼが、この工程に好ましい。典型的に、バシルス(Bacillus)アミラーゼは、大量のグルコースを生成しない。そのかわりに、得られる液化物は、低いデキストロース当量(DE)を有し、高い重合度(DPn)でマルトース及び糖を含む。
従って、液化物は通常追加的な糖化反応であり、グルコアミラーゼ及び/又はマルトジェニックアルファ‐アミラーゼより触媒されてよい。これらの酵素は、液化後、形成されたマルトデキストランの非還元末端の加水分解を触媒し、D‐グルコース、マルトース、及びイソマルトースを放出する。糖化はグルコースに富んだまたは高マルトースシロップを生成する。前者の場合、グルコアミラーゼは、典型的に酸性条件下、高温にて、例えば、60℃、pH4.3で糖化を触媒する。典型的に、この方法に用いるグルコアミラーゼは、例えば、Optidex(商標)L400において用いられるアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)グルコアミラーゼ又はフミコーラ グリセア(Humicola grisea)グルコアミラーゼなど、菌類から得られる。脱‐分岐酵素、プルラナーゼなどは、糖化に添加することができる。しかしながら、一般的にグルコアミラーゼは、Ca2+存在下十分に働かない。この理由のために、液化工程でのバシルス(Bacillus)アミラーゼの最適な活性をサポートするために用いるCa2+は、時間を費やす操作で糖化前に除去しなければならない。
本明細書に記載のハイブリッドアミラーゼは、デンプンを液化する方法に用いる場合に特に、有益性がある。本発明のハイブリッドアミラーゼの幾つかは、活性にCa2+を必要としないので、それらは、添加されるCa2+非存在下デンプンを液化するために用いることができる。それから、液化デンプンは、グルコアミラーゼで、最初のCa2+除去の必要性無しに、全体の反応を速くし、糖生産の効率を増加して、直接的に糖化することができる。
多様な修飾及び変更が、意図する使用の精神又は範囲を逸脱せずに、同じものを使用する組成物及び方法になされることは当業者に明らかである。従って、その修飾及び変更は添付された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内である。
実施例1
1.1. アミラーゼ構造のアライメント
予備段階において、バイロコッカス ヴェッセイ(Pyrococcus woesei)アミラーゼ(PDP 受託番号 1MXG)の3D構造をAmyS(PDB 受託番号 1HVX)の3D構造とアラインした。それから、古細菌アルファ‐アミラーゼdes−Met Ultrathin (GenBank(商標)受託番号AAM48115.1; 配列番号9)3D構造をガイドとしてバイロコッカス ヴェッセイ(Pyrococcus woesei)構造を用いて決定した。ウルトラシン(Ultrathin)は、正確な3D構造モデルの構築を容易にする、バイロコッカス ヴェッセイ(Pyrococcus woesei)アミラーゼと高いレベルの配列同一性(86.7%)を共有している。モデリングをClustalWプログラムで実施した。Thompson他、Nucleic Acids Res. 22: 4673-46 (1994)を参照願いたい。
最終的に、des-Met Ultrathin構造をClustalWを用いてAmySとアラインした。最後の重ね合わせは、互いに約1ÅのRMSDとアラインしたアルファ炭素に基づいた。0.5ÅのRMSDを有するアルファ炭素を有するアラインした残基は、ハイブリッドアミラーゼにおけるAmyS配列及びウルトラシンを結合する好ましい位置として同定した。
1.2. ハイブリッド構築及び発現
ハイブリッドアミラーゼをコードする核酸を設計し、構築した。この実施例においては、配列番号1−8のハイブリッドアミラーゼは表2に示す省略形を有する。残基数の前及び後の括弧は、融合タンパク質において結合するアミノ酸残基を示す。ウルトラシン及びAmySの完全長配列に関してこれらの残基の位置は、それぞれ、図3及び図4に示す。括弧内のウルトラシン残基は、式(I)、A−x−y−B中の残基xを表し、ここで、括弧内のAmyS残基は、式(I)中の残基yを表す。
Figure 0005548698
ハイブリッドAを当分野で周知な標準的方法を用いて化学的に合成した。ハイブリッドAは、残りのハイブリッド中のクローンに対して骨格として用いた。ハイブリッドAをコードする核酸は、1551塩基の長さであり、1199位にてBssHII制限酵素部位を含む。残りのハイブリッド遺伝子をBssHII制限酵素部位まで合成した。なぜなら、それらがすべてこの制限酵素部位から遺伝子の終わりまでDNAの同じ配列を含むからである。これにより、BssHII部位までハイブリッドA骨格を含むベクターへクローニングすることが容易になる。
プラスミドを下記の要素を含むように構築した。
ベータ ラクタマーゼ遺伝子であって、アンピシリン/カルベニシリン耐性を獲得する、
バシルス スブチリス(B. subtilis)AprE(アルカリプロテアーゼ)プロモーターであって、宿主ゲノムへの組み込みを促進するバシルス(Bacillus)宿主染色体に相同的な領域を有する、
バシルス スブチリス(B. subtilis)AprEシグナル配列、
ハイブリッドアミラーゼコード核酸、
バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)LAT(リチェニフォルミス(licheniformis)アミラーゼ熱耐性)ターミネーター、
クロラムフェニコール耐性のためのクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子、及び
複製の大腸菌(E.coli)オリジン
ハイブリッドアミラーゼをコードする核酸を下記のプライマーでPCRを用いて増殖した。
PstI-NheI-F: ctcagctctgcagctagcgcagcaa (配列番号12)
BssHII-Ethyl Rev: gtgtggaattgtgagcggcca (配列番号13)
PCR反応内容物は、5μLのpFU ウルトラバッファー(UltraBuffer) (10X)、42μLのHO、0.5μLのプライマー: PstI-NheI-F、0.5μLのプライマー: BssHII-Ethyl Rev、1μLのロッシュ(Roche) dNTP‘s(5mM 保存溶液)、1μLのハイブリッドDNA及び1μLのpFU Ultra HF DNAポリメラーゼを含んだ。PCRプログラムサイクルは、サーマルサイクラー(MJ Research(商標) PTC−200 Peltier)を用いて、95℃にて1分、18x (1分95℃、1分60℃、2分、20秒68℃)、続いて68℃にて7分及び4℃にてホールドであった。
増幅された1.5Kbフラグメントをキアゲン(商標)キアクイック(Qiagen Qiaquick)PCR精製キットを用いて精製した。プラスミドpJH101、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)中の発現のための組み込みベクター(Ferrari 他、J. Bacteriol. 154: 1513-15 (1983))をすべてのハイブリッドアミラーゼの発現のために使用した。ハイブリッドA遺伝子及び組み込みベクター(pJH101)を付着末端を作成するためにHindIII及びNheI制限酵素で両者をダブル消化し、ハイブリッドA遺伝子をT4 DNAリガーゼDNAライゲーションキット(タカラバイオ(Takara Bio)カタログ番号6023 kit)を用いてpJH101にライゲートした。トップ10コンピテント大腸菌(E. coli)細胞(Invitrogen)の100μLを5μLライゲーション反応で形質転換し、LA(Luriaアガー)+50ppmカルベニシリン上に移し、37℃にて一晩インキュベーションした。細菌のコロニーが成長した後、個々のコロニーをGE Healthcare製puReTaq Ready−To−Go PCR Beads(商標)を用いてコロニーPCRを実施するために選択した。コロニーを採取し、直接PCRチューブに移した。PCRプライマーは下記を用いた。
pAprBbsGTG-201-fwd: agcgagagatgatataccta (配列番号14)
pJH101-end-rev: tttcggcgtgggtatggtggc (配列番号15)
各PCR反応由来のDNAをアガロースゲル上で分離し、コロニーPCRがうまくいっていることを確認した。
コロニーを下記のプライマーを用いてDNA配列分析のためにQuintaraBio (Berkeley, CA)へ送付した。
pAprBbsGTG-201-fwd: agcgagagatgatataccta (配列番号14)
pJH101-end-rev: tttcggcgtgggtatggtggc (配列番号15)
Et538-fwd: ggtggacgccgtcgaagtcaat (配列番号16)
Et1130-F: cgcacgttaatgaccaatacac (配列番号17)
残りのハイブリッドをハイブリッドAベクターを用いてクローン化した。ハイブリッドB、C、E、F、G、及びHの遺伝子を直接Gene Oracle Inc.により供給されたベクターから切断した。手短に言うと、Gene Oracle Inc.より供給された大腸菌(E.coli)突刺培養をLA+50ppmカルベニシリンプレート上へストリークし、培地を37℃にて終夜培養した。これらの培地からのDNAをキアゲンミニプレップキット(Qiagen Miniprep Kit)を用いて調製した。
ハイブリッドB、C、E、F、G、及びHを付着末端を作成するためにBssHII及びNheI制限酵素で両者をダブル消化した。これらの付着末端によりハイブリッド遺伝子がハイブリッドAの骨格ベクターへ直接ライゲーションできる。ハイブリッド遺伝子をキアゲンゲル抽出キット(Qiagen Gel Extraction Kit)を用いてゲルから抽出しかつ精製をした。ハイブリッド遺伝子をT4 DNAリガーゼDNAライゲーションキット(タカラバイオ(Takara Bio)カタログ番号6023 kit)を用いてハイブリッドAの骨格ベクターにライゲートした。
ハイブリッドDの遺伝子は下記プライマーを用いて増殖した。
PstI-NheI-F: ctcagctctgcagctagcgcagcaa (配列番号18)
BssHII-Eth-new2R: gacgacgagcgcgcgatcagaag (配列番号19)
PCR反応内容物は、5μLのpFU ウルトラバッファー(UltraBuffer) (10X)、42μLのHO、0.5μLのプライマー: PstI-NheI-F、0.5μLのプライマー:BssHII-Eth-new2R、1μLのロッシュ(Roche) dNTP‘s(5mM 保存溶液)、1μLのUltra-EthylハイブリッドDNA及び1μLの pFU Ultra HF DNAポリメラーゼを含んだ。PCRプログラムサイクルは、サーマルサイクラー(MJ Research(商標) PTC−200 Peltier)を用いて、95℃にて2分、18x(1分95℃、1分56℃、1分、15秒、68℃にて)、1分、15秒、68℃に続いて4℃にてホールドであった。
一般的に、特定の遺伝子のPCR実施後、反応物ごとに約2−5μLのみをアガロースゲル上にて分析しDNAが正確に増幅したことを確認する。もとの反応物の残りをキアゲンPCR精製キット(Qiagen PCR Purification Kit)を用いて精製した。しかし、この場合、二つのバンドが、分析したゲル上に見られた。従って、全PCR反応物をアガロースゲルに投与して正確なDNAの長さ(〜1100塩基ペア)に対応するバンドを抽出し精製した。DNAをキアゲンゲル抽出キット(Qiagen Gel Extraction Kit)を用いてゲルから単離した。
続いて、精製した直線フラグメント(〜1100塩基ペア)をBssHII及びNheI酵素を用いて連続的に消化した。全サンプルをキアゲンPCR精製キット(Qiagen PCR Purification Kit)を用いて精製した。ハイブリッドAの骨格ベクターも同様に消化し、キアゲンゲル抽出キット(Qiagen Gel Extraction Kit)を用いてゲル抽出した。ハイブリッドD遺伝子をタカラバイオ(Takara Bio)―ロット番号6023 kitを用いてハイブリッドAの骨格ベクターにライゲートした。トップ10コンピテント大腸菌(E. coli)細胞(Invitrogen)を5μLの各ライゲーション反応物で形質転換し、形質転換反応物をLA+50ppmカルベニシリンプレート上に移し、37℃にて一晩インキュベーションした。
ハイブリッドB、C、E、F、G、及びHのライゲーション反応物を取扱説明書に従って、ローリングサークルアンプリフィケーション テンプリフィキット(Rolling Circle Amplification (RCA) TempliPhi kit)(AmershaM41S カタログ番号 25 6400)を用いて増幅した。トップ10コンピテント大腸菌(E. coli)細胞 (Invitrogen)を5μLの各ライゲーション反応物で形質転換し、形質転換反応物をLA+50ppmカルベニシリンプレート上に移し、37℃にて一晩インキュベーションした。
単一なクローンをすべてのハイブリッド構築体の培地から選択した。コロニーPCRをpuReTaq Ready−To−Go PCR Beads (GE Healthcare)を用いて単一コロニー上で行った。コロニーをPCR管へ直接採取した。用いたPCRプライマーは、
pAprBbsGTG-201-fwd: agcgagagatgatataccta (配列番号14)
pJH101-end-rev: tttcggcgtgggtatggtggc (配列番号15)
であった。
アガロースゲルで分析を行って、コロニーPCR反応がうまく行われたことを確認した。それから、下記プライマーを用いてシーケンシング分析をするためにコロニーをQuintaraBioへ送付した。
pAprBbsGTG-201-fwd: agcgagagatgatataccta (配列番号14)
pJH101-end-rev: tttcggcgtgggtatggtggc (配列番号15)
Et538-fwd: ggtggacgccgtcgaagtcaat (配列番号16)
Et1130-F: cgcacgttaatgaccaatacac (配列番号17)
正しいDNA配列を有するクローンの液体培地を−80℃にて全体積の15%グリセロール中で凍らせた。
プラスミドミニプレップをキアゲンミニプレップ(Qiagen Miniprep)キットを用いてクローンにて行った。5μLプラスミドDNA(0.4-0.5μg)を100μLのBG6006バシルス(Bacillus)細胞へ(フェノタイプ: DaprE, DnprE, Depr, DispA, Dbpr, Dvpr, DwprA, Dmpr-ybfJ, DnprB, degUHy32, oppA, DspoIIE3501, amyE::xylRPxylAcomK-ermC)形質転換した。反応混合液を1時間37℃にてシェーカーでインキュベーションし、1%不溶性コーンスターチ+5ppmクロラムフェニコールプレート上に移し、37℃にて終夜(少なくとも16時間)インキュベーションした。プラスミドpJH101は組み換えベクター(バシルス(Bacillus)用複製のオリジンを欠損)であり、従って、宿主ゲノムへそれ自身を組み換えする能力を有する。プラスミド組み換えは、抗生剤の高い濃度で生存させるために、ベクターにそれ自身の複数のコピーをゲノムへ挿入させ、高い濃度の抗生剤上に細胞をプレート培養することにより達成された。特に、コロニーを1%不溶性コーンスターチ+25ppmクロラムフェニコールプレートLBプレート上に数回再ストリークした。この場合、ハイブリッドを全部で4回再ストリークした後、コロニーは、高い濃度の抗生剤に耐えるようになった。この段階にて、下記に記載のようにデンプンプレートアッセイを用いるアミラーゼ活性の試験がハイブリッドに対して行えるようになった。下記に記載するデンプンプレートアッセイは、プレートマトリックス内のデンプン濁り度の変化をデンプン加水分解の尺度として用いる。
実施例2
2.1. ハイブリッドアミラーゼの調製
バシルス スブチリス(B. subtilis)BG6006宿主細胞中にクローン化された異なるハイブリッドアミラーゼの新鮮なグリセロールストックを1%不溶性コーンスターチ+25ppmクロラムフェニコールプレートを含むLBプレート上にストリークし、37℃にて終夜インキュベーションした。翌朝、出発培養物を5mLの25ppmクロラムフェニコールを含む培地中で培養した。出発培養物を37℃にてシェーカー(250rpm)で8時間15分間培養させた。それから、30μLのこの前培養物を25ppmクロラムフェニコールと5mM CaClを供給した30mLの培養培地(下記に記載)で満たした250mLフラスコ中に加えた。振盪フラスコを250rpmにて混合しながら、37℃にて60−65時間インキュベーションした。培養培地は主要な窒素源として尿素及び主要な炭素源としてグルコースを用い、丈夫な細胞成長のために1%ソイトンを補給したMOPS緩衝液に基づく富栄養半‐規定培地であった。細胞培養後、培養物を二つのセットに分割した。セット1を本来のpH7に維持し、セット2のpHを約10.5へ上げた。各セット1からの25mLの細胞懸濁液を20分間5000rpmにて遠心分離し、細胞ペレットから上清中のタンパク質を分離した。セット2については、各培養物の1.5mLを2mL遠心管へアリコートし、1−3μLのNaOHを添加しpHを10.5へ上げた。サンプルを5分間14,000rpmにて遠心分離した。上清(目的タンパク質を含む)を清潔なチューブへ移し、アッセイの直前まで冷蔵庫に置いた。
2.2. アミラーゼ活性でのファデバスアッセイ
上記にように調製したハイブリッドアミラーゼを比色ファデバスアッセイを用いてアミラーゼ活性として試験し、ここでウルトラシンをコントロールとして用いた。アッセイの結果を図2に記載した。異なるアミラーゼハイブリッド(上記に記載のように調製)の振盪フラスコからの培養上清をデンプン基質結合ファデバス(商標)染色を用いるミリポアマルチスクリーン‐HVプレート(Millipore multiscreen−HV plates)(#MAHVN4550)でアミラーゼ活性を試験した。Magle Life Sciences製ファデバス(商標)アミラーゼアッセイ錠剤を時折5‐10分間ボルテックス混合を用いてアッセイ緩衝液(50mm マレイン酸Na、50mM NaCl、2mM CaCl、pH5.2)に溶解した。タンパク質サンプルの各セットからの培養上清15μLを96穴プレートの一番上の列にある135μLアッセイ緩衝液に添加し(1:10希釈)、サンプルをピペッティングにより混合した。これらのウェルそれぞれから50μLのアリコートを100μLアッセイ緩衝液を含む下の列に移し(1:3希釈)、ピペッティングにより混合し、それから続けて希釈するために一連の移しの50μLをプレートの下へ行った。基質溶液の100μLを各ウェルに添加した。プレートに蓋をしてプレートローター/ミキサー上で手短に混合し、45分間37℃にてインキュベーターに置いた。このインキュベーション後、プレートをミリポアバキュームマニフォールド(Millipore vacuum manifold)において、内容物を標準平底プレートにろ過し、マイクロプレートリーダーで620nmにて光学密度を測定した。
2.3. アミラーゼ活性でのデンプンプレートアッセイ
このアッセイにおいては、異なるアミラーゼハイブリッドを発現する細胞によるアミラーゼ生成を1%不溶性スターチ+25ppmクロラムフェニコールを補ったLAプレート上にバシルス(Bacillus)クローンを移植し、37℃にて終夜(少なくとも16時間)プレートをインキュベーションすることにより試験した。次の日クローンをデンプンプレート上の透明なゾーンの存在を観察し、相対的なハロサイズを評価することにより定量的にランク付けした。ウルトラシンをコントロールとして用いた。ウルトラシンは一般的に37℃にて培養されるが、アッセイプレートをハローをみるために70℃にて培養しなければならなかった。
2.4. 結果
実施例2.2及び2.3に記載のアッセイの結果を図2及び表3に示し、コントロールとしてウルトラシンを用いる。ハローアッセイの結果を表3の二番目のカラムに示し、比色アッセイの結果を三番目のカラムに示す。
Figure 0005548698
ハイブリッドBはAmyS残基109−483を含み、それはカルシウム結合に関与するBドメイン残基102を有していないことを意味する。にもかかわらず、このハイブリッドは、顕著なアミラーゼ活性を示し、Bドメインの一部をおのおの含むアミラーゼ配列由来のハイブリッドを形成することが可能であることを実証する。アミラーゼ活性測定(図2のパネルAとパネルB両方に示すように)は、ハイブリッドA及びハイブリッドHなどのハイブリッドが、試験された両方のpHの条件下にてウルトラシン野生型酵素よりかなり効果的に不溶性デンプンを加水分解できる。
ハイブリッドG及びHにより示させる相対的に高い活性は特に興味深い。これらのハイブリッドは、それぞれAmySの残基215−483及び残基246−483を含み、それらが、ウルトラシンの全Bドメイン並びにウルトラシン触媒Aドメインの重要な部分を有することを意味する。29アミノ酸C末端デンプン結合ドメインを欠損するAmyS変異体がハイブリッドHにおいてAmyS配列に寄与するために用いられる場合、このハイブリッドの残基の約50%が、ウルトラシン残基だろう。AmySのカルシウム結合部位が完全にウルトラシン由来の亜鉛結合部位に置き換わるので、これらのハイブリッドアミラーゼはCa2+を必要としないだろうと考えられる。
多様な修飾及びバリエーションが、本明細書にて意図する使用の範囲又は精神を逸脱せずに組成物及びそれを使用する方法になされることは当業者にとって明らかである。つまり修飾及びバリエーションは添付した特許請求の範囲及びその均等の範囲内である。
配列表
配列番号1:ハイブリッドA: AAM48115.1 A1からI104/ AmyS A100からR483. 残基 1-488.
1-104 = AAM48115.1 (w/o N-末端 Met)残基を太字で示す
105-488 = AmyS残基 100-483
Figure 0005548698
配列番号2: ハイブリッドB: AAM48115.1 A1からA113/ AmyS G109からR483.
残基 1-488.
1-113 = AAM48115.1 (w/o N-末端 Met) 残基を太字で示す
114-488 = AmyS 残基 109-483
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号3: ハイブリッドC: AAM48115.1 A1 から W128/ AmyS T140 から R483.
残基 1-472.
1-128 = AAM48115.1 (w/o N-末端 Met) 残基を太字で示す
129-472 = AmyS残基140-483
Figure 0005548698
配列番号4: ハイブリッドD: AAM48115.1 A1 から D145/ AmyS F161 から R483.
残基 1-468.
1-145 = AAM48115.1 (w/o N-末端 Met) 残基を太字で示す
146-468 = AmyS 残基 161-483
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号5: ハイブリッドE: AAM48115.1 A1からP163/ AmyS D203からR483
残基 1-444.
1-163 = AAM48115.1 (w/o N-末端 Met) 残基を太字で示す
164-444 = AmyS残基 203-483
Figure 0005548698
配列番号6: ハイブリッドF: AAM48115.1 A1からW175/ AmyS L215からR483
残基 1-444.
1-175 = AAM48115.1 (w/o N-末端 Met) 残基を太字で示す
176-444 = AmyS 残基215-483
Figure 0005548698
配列番号7: ハイブリッドG: AAM48115.1 A1からG191/ AmyS I228から483
残基 1-447.
1-191 = AAM48115.1 (w/o末端 Met) 残基を太字で示す.
192-447 = AmyS 残基 228-483
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号8: ハイブリッドH: AAM48115.1 A1からK209/ AmyS A246からR483
残基 1-447.
1-209 = AAM48115.1 (w/o N-末端 Met) 残基を太字で示す
210-447 = AmyS残基246-483
Figure 0005548698
配列番号9: ウルトラシン(Ultrathin)アルファ‐アミラーゼ(受託番号(Accession Number)AAM48115.1)
Figure 0005548698
配列番号10: AmyS、完全長タンパク質配列(バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)アミラーゼ) (NCBI PDB 構造番号 1HVX, タンパク質番号 1HVX.A)
Figure 0005548698
配列番号11: AmyS、C末端欠失(ゲオバシルス ステアロテルモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)アミラーゼ) (NCBI PDB 構造番号1HVX, タンパク質番号 1HVX.A)
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号12:
合成配列
ctcagctctgcagctagcgcagcaa
配列番号13:
合成配列
gtgtggaattgtgagcggcca
配列番号14:
合成配列
agcgagagatgatataccta
配列番号15:
合成配列
tttcggcgtgggtatggtggc
配列番号16:
合成配列
ggtggacgccgtcgaagtcaat
配列番号17:
合成配列
cgcacgttaatgaccaatacac
配列番号18:
合成配列
ctcagctctgcagctagcgcagcaa
配列番号19:
合成配列
gacgacgagcgcgcgatcagaag
配列番号20: ハイブリッドAヌクレオチド配列: AAM48115.1/AmyS
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号21: ハイブリッドBヌクレオチド配列
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号22: ハイブリッドCヌクレオチド配列
Figure 0005548698
配列番号23: ハイブリッドDヌクレオチド配列
Figure 0005548698
配列番号24: ハイブリッドEヌクレオチド配列
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号25: ハイブリッドFヌクレオチド配列
Figure 0005548698
Figure 0005548698
配列番号26: ハイブリッドGヌクレオチド配列
Figure 0005548698
配列番号27: ハイブリッドHヌクレオチド配列
Figure 0005548698

Claims (14)

  1. 酵素的に活性なハイブリッドアミラーゼであって、N末端からC末端まで式(I)を有するポリペプチドを含み、
    A−x−y−B (I)
    ここで、
    −xは、古細菌アルファ‐アミラーゼ由来第一アミノ酸配列であり、ここで、xは、第一アミノ酸配列のC末端残基
    y−Bは、バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ又はバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼに少なくとも90%の配列同一性を有するバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼの変異体由来第二アミノ酸配列であり、ここで、yは、第二アミノ酸配列のN末端残基であり、
    第一及び第二アミノ酸配列が合わせて400から500のアミノ酸残基を含み、
    ハイブリッドアミラーゼの全アミノ酸の10%から80%が、古細菌アルファ‐アミラーゼにより寄与され、
    バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ三次元構造との構造アライメントにおいて、残基xとyにおけるアルファ炭素間の二乗平均平方根距離が、1Å以下であり、及び
    前記バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼがバシルス ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼ、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼ、バシルス スブチリス(B. subtilis)アルファ‐アミラーゼ、バシルス種(Bacillus sp.)KSM−K38アルファ‐アミラーゼ、又はバシルス ハルマパルス(B. halmapalus)アルファ‐アミラーゼである、
    ことを特徴とするハイブリッドアミラーゼ。
  2. バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ三次元構造との構造アライメントにおいて、残基xとyにおけるアルファ炭素間の二乗平均平方根距離が、0.5Å以下であることを特徴とする請求項に記載のハイブリッドアミラーゼ。
  3. バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼ三次元構造との構造アライメントにおいて、残基xとyにおけるアルファ炭素間の二乗平均平方根距離が、0.3Å以下であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドアミラーゼ。
  4. バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼが、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッドアミラーゼ。
  5. バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼが、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼの変異体であり、デンプン結合ドメインが、バシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)アルファ‐アミラーゼのC末端から除かれることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のハイブリッドアミラーゼ。
  6. 古細菌アルファ‐アミラーゼが、配列番号9のアルファ‐アミラーゼであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のハイブリッドアミラーゼ。
  7. (i)第一及び第二アミノ酸配列が60%未満の配列同一性を共有するアミラーゼ由来である;及び/又は
    (ii)残基xとyがBドメイン中にある;及び/又は
    (iii)第一アミノ酸配列が、Bドメインのアミノ酸残基の少なくとも80%に寄与する;及び/又は
    (iv)第一アミノ酸配列が、Zn 2+ 結合部位を含む;及び/又は
    (v)バシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼのCa 2+ 結合部位における少なくとも一つのアミノ酸が、第一アミノ酸配列由来のアミノ酸残基で置換される;及び/又は
    (vi)ハイブリッドアミラーゼがアルファ‐アミラーゼ活性を有し、ここで、活性が、Ca 2+ 濃度により影響されない、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のハイブリッドアミラーゼ。
  8. ハイブリッドアミラーゼが、配列番号1、2、6、又は8のいずれかひとつのアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドアミラーゼ。
  9. ハイブリッドアミラーゼが、精製されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のハイブリッドアミラーゼ。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のハイブリッドアミラーゼをコードする核酸。
  11. 請求項1に記載の核酸を含むベクター。
  12. 請求項1に記載の核酸又は請求項11に記載のベクターを含む宿主細胞。
  13. 宿主細胞が、細菌又は真菌であることを特徴とする請求項12に記載の宿主細胞。
  14. 細菌がバシルス種(Bacillus sp.)であることを特徴とする請求項13に記載の宿主細胞。
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