JP5547653B2 - エポキシ−グアイアン誘導体および癌の治療 - Google Patents

エポキシ−グアイアン誘導体および癌の治療 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2008年1月4日に出願した米国仮特許出願第61/018,938号および2008年7月23日に出願した米国仮特許出願第61/082,850号の利益を主張し、これらの開示は参照することによって組み込まれる。
(発明の背景)
癌は、死亡の主要な原因である;例えば、腎癌は、罹患率および死亡率の重要な原因でああり、2007年に米国で推定で51,190件の新規症例および12,890件の死亡が報告されている。植物性の材料から癌治療用の医薬品を同定および単離する試みがなされている。例えば、多数のフィランサス(Phyllanthus)種は、世界の熱帯および亜熱帯領域で見出され、そのいくつかは伝統医学で使用されている。
従って、癌、特に腎癌の新規治療を同定または製作することが求められている。
(発明の簡単な概要)
本発明は、式:
Figure 0005547653
であるエングレリンA、および
Figure 0005547653
であるエングレリンB
の単離または精製化合物を提供する。
本発明は、式(I):
Figure 0005547653
[式中、
Arは、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、ハロ、またはニトロで任意に置換されている、アリ−ル基であり;
Xは、O、NH、またはSであり;
およびRは、独立にC−Cアルキルであり;
は、イソプロピルまたはイソプロピリデニルであり;
「a」は、単結合または二重結合であり;
「a」が二重結合である場合、Rは、水素であり、およびRは、ハロまたはHであり;
「a」が単結合である場合、Rは、ハロ、ヒドロキシ、またはC−Cアルコキシからなる群から選ばれ、およびRは、ハロまたはHであり;
およびRは、C−CアルキルまたはヒドロキシC−Cアルキルである。]
の化合物またはそのエピマーも提供する。
本発明は、薬学的に許容し得る担体および本発明の化合物を含む医薬組成物をさらに提供する。本発明は、動物に有効量の該化合物を投与することを含む、動物における癌、特に腎癌を治療する方法も提供する。
(図面のいくつかの見方の簡単な説明)
図1A〜1Iは、60細胞試験における様々な癌細胞株に対するエングレリンAの用量反応曲線を示す。
図1Aは、白血病細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Bは、非小細胞肺癌細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Cは、結腸癌細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Dは、黒色腫細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Eは、前立腺癌細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Fは、腎癌細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Gは、乳癌細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Hは、CNS癌細胞株に対する用量反応曲線を示す。 図1Iは、卵巣癌細胞株に対する用量反応曲線を示す。
(発明の詳細な説明)
一実施形態に従い、本発明は、式:
Figure 0005547653
であるエングレリンA、および
Figure 0005547653
であるエングレリンB
の単離または精製化合物を提供する。
上記化合物を、天然源から、例えば、植物フィランサス エングレリ パクス(Phyllanthus engleri Pax)(トウダイグサ科)の根皮および茎皮から、単離または精製することができる。この種は、有毒植物として長い歴史を有している。書籍 "Common Poisonous Plants of East Africa"(B. Verdcourt & E.C. Trump,1969年)は、この植物の根および皮が、喫煙されたときに、有毒且つ致命的であると報告する。この性質は、自殺を犯すために使用されている。実験研究では、そのエタノール抽出物が、経口および静脈内経路によってウサギに有毒であることが見出されている。その皮および根は、ヒツジおよびウシに有毒である。その有毒成分は同定されていない。
上記化合物を、該植物からあらゆる適切な方法によって、例えば、実施例で示すように溶媒抽出およびクロマトグラフィーによって、単離することができる。本発明の一実施形態に従い、単離または精製化合物は、少なくとも50%またはそれ以上、例えば、60%またはそれ以上、70%またはそれ以上、80%またはそれ以上、或いは90%またはそれ以上の純度を有する。例えば、単離若しくは精製化合物またはエピマーは、約60重量%〜100重量%、好ましくは約80重量%〜約99重量%、およびより好ましくは約90重量%〜100重量%の純度を有し得る。
別の実施形態に従い、本発明は、式(I):
Figure 0005547653
[式中
Arは、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、ハロ、またはニトロで任意に置換されている、アリ−ル基であり;
Xは、O、NH、またはSであり;
およびRは、独立にaC−Cアルキルであり;
は、イソプロピルまたはイソプロピリデニルであり;
「a」は、単結合または二重結合であり;
「a」が二重結合である場合、Rは、水素であり、およびRは、ハロまたはHであり、
「a」が単結合である場合、Rは、ハロ、ヒドロキシ、またはC−Cアルコキシからなる群から選ばれ、およびRは、ハロまたはHであり;
およびRは、C−CアルキルまたはヒドロキシC−Cアルキルである。]
の化合物またはそのエピマーを提供する。
特定の実施形態において、Rは、ヒドロキシC−Cアルキル、特にC−Cヒドロキシアルキルである。一実施形態に従い、式(I)の化合物は、
Figure 0005547653
またはそのエピマーである。
いずれかの実施形態に従い、Rは、ハロ、即ち、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード、特にクロロであり得る。
本発明のいずれかの実施形態において、Arは、フェニル、ナフチルまたはアントラセニル、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、ハロ若しくはニトロで任意に置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Arは、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、ハロ、またはニトロで任意に置換されているフェニルである。
本発明のいずれかの実施形態において、Xは、好ましくはOである。
本発明のいずれかの実施形態において、Rは、特にイソプロピルである。
本発明のいずれかの実施形態において、「a」は、二重結合または単結合である。「a」が二重結合である場合、該二重結合は、E、Z、またはEおよびZの混合(即ち、E/Z)であり得る。「a」が単結合である実施形態において、Rは、ヒドロキシ、クロロ、またはエトキシである。
別の実施形態において、本発明は、式中のRが、C−Cアルキル、特に、C−Cアルキルである式(I)の化合物またはそのエピマーを提供する。
本発明のいずれかの実施形態において、RおよびRは、特にメチルである。式Iの化合物の具体例は:
Figure 0005547653
である2’−クロロエングレリンA、
Figure 0005547653
である2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1、2、3または4)、
Figure 0005547653
である2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1または2)、および
Figure 0005547653
である2’−クロロ,3’−エトキシジヒドロエングレリンA、
[式中、2’−クロロエングレリンAにおける二重結合「a」は、E、Z、またはEおよびZの混合であり得る。]である。2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1〜4)は同じ平面構造を有するが、互いのエピマーである。2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)は同じ平面構造を有するが、互いのエピマーである。
式Iの化合物を、あらゆる適切な合成の方法論によって調製することができる。例えば、半合成(hemisynthetic)経路において、様々なエステル基[Ar−C(R)−a−C(R)−C(=O)−O−]を、天然エステル基の加水分解後に、グアイアン誘導体上に配置することができる。エステル化を、当業者に公知の方法によって、例えば、酸塩化物または酸無水物および適切な塩基を使用することによって、ヒドロキシル基に対して行うことができる。所望のエステル部分を、適切なシンナモイル部分から調製することができる。ハロゲン化エングレリンを、単離または精製エングレリンをハロゲン化することによって、或いは単離または精製中に調製することができる。
本発明は、薬学的に許容し得る担体および上記の化合物またはエピマーを含む医薬組成物も提供する。本発明は、有効量の上記実施形態のいずれかの化合物またはエピマーを動物に投与することを含む、動物における癌を治療する方法も提供する。癌は、あらゆる適切な癌、例えば、腎癌、卵巣癌、乳癌、CNS癌、白血病、前立腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌または黒色腫、特に、腎癌、CNS癌、乳癌および卵巣癌であり得る。
本発明の一実施形態に従い、エングレリン、特に、エングレリンA、2’−クロロエングレリンA、2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)および2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)は、腎癌細胞株、例えば786−0、A−498、ACHN、CAKI−1、RXF 393、SN 12CおよびUO−31に対して活性であり、例えば、これらの増殖を減少させる。2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー3および4)は、腎癌細胞株UO−31に対して活性であり、例えば、この増殖を減少させる。一実施形態に従い、エングレリンA、2’−クロロエングレリンA、2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)および2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)は、乳癌細胞株、例えば、HS 578T、NCI/ADR−RESおよびBT−549に対して活性であり、例えば、これらの増殖を減少させる。本発明の一実施形態に従い、エングレリンA、2’−クロロエングレリンA、2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)および2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)は、CNS癌細胞株、例えば、SF−268、SF−295、および/またはSNB−75に対して活性である。一実施形態に従い、エングレリンA、2’−クロロエングレリンA、2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)および2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)は、卵巣癌細胞株、例えばOVCAR−8に対して活性であり、例えば、この増殖を減少させる。これらの化合物は、例えば1μMまたはそれ以下、好ましくは0.1μMまたはそれ以下のGI50またはIC50を有する。
本明細書中で使用するように、用語「治療する」は、癌の完全な除去を必ずしも意味しない。むしろ、利益または治療効果を有すると当業者が認識する様々な治療の程度がある。この点において、本発明の方法を通じてあらゆる程度で、癌を治療することができる。例えば、望ましくは癌性腫瘍の増殖の少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、30%、または40%)が、本明細書に記載する化合物の投与で阻害される。好ましくは癌性腫瘍の増殖の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、70%、または80%)が、本明細書に記載する化合物の投与で阻害される。より好ましくは、癌性腫瘍の増殖の少なくとも90%(例えば、少なくとも95%、99%、または100%)が、本明細書に記載する化合物の投与で阻害される。さらに、または代わりに、本発明の方法を、癌の転移を阻害するために使用することができる。
本発明に従い、用語「動物」は、哺乳類、例えば非限定的に、げっ歯目(例えばマウス)およびウサギ目(例えばウサギ)を含む。哺乳類は、ネコ科(Felines)(ネコ)およびイヌ科(Canines)(イヌ)を含む食肉目からのものであることが好ましい。哺乳類は、ウシ科(Bovines)(雌ウシ)およびイノシシ科(Swines)(ブタ)を含む偶蹄目からのもの、またはウマ科(Equines)(ウマ)を含む奇蹄目(Perssodactyla)のものであることがより好ましい。哺乳類は、霊長目、セボイド目(Ceboids)またはシモイド目(Simoids)(サル)のもの、或いは真猿亜目(order Anthropoids)(ヒトおよび類人猿)のものであることが最も好ましい。特に好ましい哺乳類はヒトである。
該化合物(またはそのエピマー)は、癌を治療するために充分な用量で投与される。そのような用量は、該分野で公知である(例えば、Physicians’ Desk Reference(2004年)参照)。該化合物を、例えば、Wasserman ら,Cancer,36,第1258−1268頁(1975年)および Physicians’ Desk Reference,第58版,Thomson PDR(2004年)に記載されているような技術を使用して投与することができる。
適切な用量および投薬計画は、当業者に知られている従来の範囲発見技術によって決定することができる。一般に、治療は、本発明の化合物の最適用量未満であるより少ない投与量で開始される。その後に、その状況下における最適効果に達するまで、投与量が少しずつ増やされる。本発明の方法は、個体の体重1kgあたり約0.1μg〜約50mgの少なくとも一つの本発明の化合物を投与することを含み得る。例えば、癌−特異抗原、または患者の腫瘍量に関する他の測定可能なパラメータを測定することによって決定されるような患者の生理反応に応じて、70kgの患者に対して約10μg〜約200mgの本発明の化合物の投与量が、より一般的に使用されるであろう。
薬学的に許容し得る担体(または賦形剤)は、好ましくは、本発明の化合物に対して化学的に不活性なものであって、且つ使用条件下において有害な副作用または毒性を有さないものである。そのような薬学的に許容し得る担体は、好ましくは、食塩水(例えば、0.9%の食塩水)、Cremophor EL(これは、ヒマシ油とエチレンオキシドとの誘導体であり、Sigma Chemical Co.,セントルイス,MOから入手できる)(例えば、5%の Cremophor EL/5%のエタノール/90%の食塩水、10%の Cremophor EL/90%の食塩水、または50%の Cremophor EL/50%のエタノール)、プロピレングリコール(例えば、40%のプロピレングリコール/10%のエタノール/50%の水)、ポリエチレングリコール(例えば、40%のPEG 400/60%の食塩水)、およびアルコール(例えば、40%のエタノール/60%の水)を含む。好ましい製薬用の担体は、ポリエチレングリコール(例えばPEG 400)、並びに特に40%のPEG 400および60%の水または食塩水を含む組成物である。担体の選択は、選択される特定化合物によって、および該組成物を投与するために使用される特定の方法によって部分的に決定されるであろう。従って、本発明の医薬組成物には、幅広い種々の適切な製剤がある。
経口、エアロゾル、非経口、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、直腸、および腟内投与用の以下の製剤は単に例示であり、決して限定ではない。該医薬組成物を、非経口的に(例えば、静脈内、動脈内、皮下、皮内、髄腔内、または筋肉内)投与することができる。従って、本発明は、非経口投与に適切な許容し得る担体中に溶解または懸濁した本発明の化合物の溶液を含む非経口投与用の組成物を提供し、これは、水性および非水性の等張性滅菌注射溶液を含む。
非経口組成物のために有効な製薬用の担体の要件は、全体的にみて、当業者に周知である。Pharmaceutics and Pharmacy Practice,J.B. Lippincott Company,フィラデルフィア,PA,Banker and Chalmers 編,第238−250頁(1982年)、および ASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,第4編,第622−630頁(1986)を参照。そのような組成物は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、および製剤を対象受給者の血液と等張にする溶質を含有する溶液、並びに、懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および保存料を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液を含む。薬学的に許容し得る界面活性剤(例えば石鹸または洗剤)、懸濁剤(例えば、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロース)、或いは乳化剤および他の製薬用の補助剤を添加した、またはこれらが無添加の、製薬用の担体(例えば、滅菌液、または液体(これには、水、食塩水、ブドウ糖および関連する糖の水溶液が含まれる)の混合物、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール(例えば、局所投与で)、またはヘキサデシルアルコール)、グリコール類(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)、ジメチルスルホキシド、グリセロールケタール類(例えば、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール)、エーテル類(例えば、ポリ(エチレングリコール) 400)、油、脂肪酸、脂肪酸エステルまたはグリセリド、またはアセチル化脂肪酸グリセリド)中の生理学的に許容し得る希釈液で、該化合物を投与することができる。
非経口製剤において有用な油は、石油、動物油、植物油、および合成油を含む。そのような製剤において有用な油の具体例は、ピーナッツ油、大豆油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ペトロラタム、および鉱油を含む。非経口製剤における使用に適切な脂肪酸は、オレイン酸、ステアリン酸、およびイソステアリン酸を含む。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルは、適切な脂肪酸エステルの例である。
非経口製剤における使用に適切な石鹸は、脂肪のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、およびトリエタノールアミン塩を含み、適切な洗剤は、(a)カチオン性洗剤(例えば、ジメチルジアルキルアンモニウムハロゲン化物、およびアルキルピリジニウムハロゲン化物)、(b)アニオン性洗剤(例えば、アルキル、アリールおよびオレフィンスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリド硫酸塩、並びにスルホコハク酸塩)、(c)非イオン性洗剤(例えば、脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー)、(d)両性洗剤(例えば、アルキル−β−アミノプロピオネート、および2−アルキル−イミダゾリン4級アンモニウム塩)、および(e)それらの混合物を含む。
非経口製剤は、典型的に、約0.5重量%またはそれ以下から約25重量%またはそれ以上までの本発明の化合物を溶液中に含有し得る。保存料および緩衝剤を使用することができる。注射部位での刺激作用を最小化または排除するため、そのような組成物は、約12〜約17の親水性−親油性バランス(HLB)を有する一つまたはそれ以上の非イオン界面活性剤を含有し得る。そのような製剤中の界面活性剤の量は、典型的に、約5重量%〜約15重量%の範囲にわたり得る。適切な界面活性剤は、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、並びにプロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される疎水性ベースと、エチレンオキシドとの高分子量付加物を含む。非経口製剤を、単位用量または複数用量の密封容器(例えばアンプルおよびバイアル)中に入れて提供することができ、且つ使用直前に滅菌液状賦形剤(例えば、注射用の水)の添加だけが必要なフリーズドライ(凍結乾燥)条件で貯蔵することができる。即時注射溶液および懸濁液を、滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。
経皮的な薬放出に有用なものを含む局所用製剤は、当業者に周知であり、本発明との関連において、皮膚適用のために適切である。
経口投与に適切な製剤は、(a)希釈液(例えば、水、食塩水、またはオレンジジュース)中に溶解した有効量の本発明の化合物などの溶液;(b)それぞれ所定量の本発明の化合物を固体または顆粒として含有するカプセル、サッシェ、錠剤、ロゼンジ、およびトローチ;(c)粉末;(d)適切な液体中の懸濁液;および(e)適切な乳濁液からなり得る。液状製剤は、薬学的に許容し得る界面活性剤、懸濁剤、または乳化剤が添加された、またはこれらが無添加の、水およびアルコール(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、およびポリエチレンアルコール)などの希釈液を含み得る。カプセル形態は、例えば、界面活性剤、潤滑剤、および不活性フィラー(例えばラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、およびコーンスターチ)を含有する通常のハード−またはソフト−シェルゼラチン型のものであり得る。錠剤形態は、一つまたはそれ以上のラクトース、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、および他の賦形剤、着色剤、希釈液、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存料、香味料、および薬学的適合性の賦形剤を含み得る。ロゼンジ形態は、フレーバー(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガント)中の該化合物成分、並びに不活性基剤(例えばゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア)中に本発明の化合物を含む香錠、本発明の化合物に加えて該分野で知られているような賦形剤を含有する乳濁液、ゲルなどを含み得る。
本発明の化合物またはエピマーを、単独または他の適切な成分と組み合わせて、吸入を経て投与されるエアロゾル製剤にすることができる。本発明の化合物またはエピマーは、好ましくは界面活性剤および噴霧剤と共に微細形態で供給される。本発明の化合物の典型的な割合は、約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%であり得る。界面活性剤は、当然、無毒でなければならず、好ましくは噴霧剤に可溶である。そのような界面活性剤の典型は、6〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸(例えば、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリン(olesteric)酸およびオレイン酸)と、脂肪族多価アルコールまたはその環式無水物とのエステルまたは部分エステルである。混合エステル(例えば混合または天然グリセリド)を用いることができる。界面活性剤は、該組成物の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.25重量%〜約5重量%を構成し得る。該組成物の残りは、通常、噴霧剤である。所望により担体、例えば、鼻腔内送達のためのレシチンも含まれ得る。これらのエアロゾル製剤は、許容し得る加圧噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など)中に入れることができる。それらは、非加圧調剤のための医薬品として、例えばネブライザーまたはアトマイザー中に処方することもできる。そのようなスプレー製剤は、粘膜に噴霧するために使用することができる。
さらに、本発明の化合物またはエピマーを、様々な基剤(例えば、乳化基剤または水溶性基剤)と混合することによって、坐剤にすることができる。腟内投与に適切な製剤を、該化合物成分に加えて、該分野で適正であることが知られている担体を含有する腟坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーの配合として提供することができる。
医薬製剤中の該化合物またはエピマーの濃度は、例えば、約1重量%未満、通常、約10重量%または少なくとも約10重量%から、20重量%ないし50重量%と同程度またはそれ以上に変動することができ、選択される特定の投与様式に従い、主に液量および粘度によって選択することができる。
従って、静脈内注入用の典型的な医薬組成物を、滅菌リンゲル液(250mL)および少なくとも一つの本発明の化合物(100mg)を含有するように構成することができる。非経口投与可能な本発明の化合物を調製する実際の方法は、当業者にとって公知であるか、または明らかであろう。そして該方法は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science(第17版,Mack Publishing Company,イーストン,PA,1985年)に詳細に記載されている。
上記医薬組成物に加えて、本発明の化合物を包接化合物(例えば、シクロデキストリン包接化合物)またはリポソームとして処方し得ることは当業者に明らかであろう。リポソームは、本発明の化合物を特定組織(例えばリンパ組織)または癌性肝細胞に向けるのに役立ち得る。リポソームは、本発明の化合物の半減期を増加させるために使用することもできる。例えば、Szokaら,Ann. Rev. Biophys. Bioeng.,9,467(1980年)および米国特許第4,235,871号、同第4,501,728号、同第4,837,028号、および同第5,019,369号に記載されているように、リポソームを調製するために多くの方法が利用できる
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、当然、決してその範囲を制限すると解釈されるべきではない。
実施例1
この実施例は、フィランサス エングレリ(Phyllanthus engleri)根皮からエングレリンAおよびエングレリンBを単離する方法を示す。
乾燥根皮を粉砕し、1:1(v/v)の塩化メチレン:メタノールで一晩抽出し、次いでメタノールですすぐ。組み合わせた溶媒を真空中で蒸発乾燥させる。14.85gの抽出物が、201gの乾燥根皮から得られる。
初期分画:7.1gの抽出物を、塩化メチレン−メタノールに溶解させ、蒸発させることによって70gのジオール結合相媒体に塗布する。この材料をヘキサンと混合し、さらに蒸発させて、残留溶媒が無い流動性粉末を得る。塗布媒体を、真空ろ過装置内において同様の体積の未塗布媒体上に充填し、連続的にヘキサン、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、およびメタノール(各溶媒750mL)で溶出する。連続画分を真空中で蒸発させて、6.4g(92%)の全質量回収を得る。画分は、A498/UO−31(腎臓)およびSF−295(CNS)細胞株を使用する細胞増殖阻害について試験する。塩化メチレン画分(1.8g)が、望ましい活性を有する。
フラッシュクロマトグラフィー:該化合物の塩化メチレン画分(1.7g)を25mLのクロロホルムに溶解させ、5×16cmのシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーカラム上で分離し、クロロホルム(1.5L)で、次いでクロロホルム−メタノールの4:1混合物(500mL)で、および最後に1:1のクロロホルム−メタノール(500mL)で溶出し、25〜50mLの画分を回収する。画分を、シリカゲル薄層クロマトグラフィーで調べて、類似のTLCパターン(バニリン−硫酸スプレー試薬)に基づき組み合わせる(画分A〜F)。チューブ5〜11中に回収した画分B(1.39g)、およびチューブ12〜15に回収した画分C(115.0mg)が、最高レベルの細胞増殖阻害を示す。画分B(1.39g)中の主要なトリテルペンは、画分Bをメタノールに溶解させ、ジオール(SPE)カートリッジに通し、メタノールで溶出することによって、容易に除去することができる(画分B’)。画分B’および画分Cは、エングレリンAおよびBを主要化合物として含有する。
高速液体クロマトグラフィー:63mgの上記画分Cを、0.9mLのメタノールに溶解させ、100μLのアリコート(〜7mg/注入)で250×10mmの Varian Dynamax Microsorb 60-8 C18 HPLC カラムに注入する。検出器波長は225nmである。溶媒溶出条件(4.2mL/分)は、75%のメタノールで開始し、均一濃度で5分間実行し、5分から10分で75%から85%まで、および次いで20分で100%までの直線勾配に切り替える。カラムに100%のメタノールをさらに10分間流す。二つの主要UV吸収ピークを回収し、真空中で蒸発させる。これらの条件下で、エングレリンA(35.4mg)が約17.7分で溶出し、一方、エングレリンB(1.9mg)が17.0分で溶出する。
さらなるHPLC:同じ条件を使用して、画分B’を精製し、エングレリンAがもたらされる。
実施例2
この実施例は、フィランサス エングレリ(Phyllanthus engleri)茎皮からエングレリンAおよびBを単離する別の方法を示す。乾燥茎皮を粉砕し、1:1(v/v)の塩化メチレン:メタノールで一晩抽出し、次いでメタノールですすぐ。組み合わせた溶媒を真空中で蒸発乾燥させる。16.57gの抽出物が、387gの乾燥皮から得られる。
初期分画:3.01gの抽出物を、塩化メチレン−メタノールに溶解させ、蒸発させることによって33gのジオール結合相媒体に塗布する。この材料をヘキサンと混合し、さらに蒸発させて、残留溶媒が無い流動性粉末を得る。塗布媒体を、真空ろ過装置内において同様の体積の未塗布媒体上に充填し、連続的にヘキサン、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、およびメタノールで溶出する。連続画分を、真空中で蒸発させて、UO−31(腎臓)およびSF−295(CNS)細胞株を使用する細胞増殖阻害について試験する。塩化メチレン画分(853mg)が、望ましい活性を有する。
フラッシュクロマトグラフィー:0.732gの該塩化メチレン画分を、10mLのクロロホルムに溶解させ、5×14cmのシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーカラム上で分離し、クロロホルム(1L)で、次いでクロロホルム−メタノールの4:1混合物(500mL)で、および最後に1:1クロロホルム−メタノール(500mL)で溶出し、25〜50mLの画分を回収する。画分を、シリカゲル薄層クロマトグラフィーで調べて、類似のTLCパターン(バニリン−硫酸スプレー試薬)に基づき組み合わせる。チューブ25〜31を含む画分E(232.4mg)が、最高レベルの細胞増殖阻害を示す。
高速液体クロマトグラフィー:232mgの上記画分Eを、1.5mLのジメチルスルホキシド/メタノールに溶解させ、250μLのアリコート(〜40mg/注入)で250×21.4mmの Varian Dynamax Microsorb 60-8 C18 HPLC カラムに注入する。検出器波長は225nmである。溶媒溶出条件(20mL/分)は、75%のメタノールで開始し、5分から32分で75%から85%まで、それから36分で100%までの直線勾配であり、45分で初期条件に戻る。二つの主要ピークを回収し、真空中で蒸発させる。これらの条件下で、エングレリンAが約22分で、およびエングレリンBが25分で溶出する。表1は、様々なエングレリンの13C NMRデータを示す。
実施例3
この実施例は、フィランサス エングレリ(Phyllanthus engleri)皮からハロゲン化エングレリンを得る方法を示す。ハロゲン化は、エングレリンの抽出または精製中に起こる。
乾燥根皮を粉砕し、1:1(v/v)の塩化メチレン:メタノールで一晩抽出し、次いでメタノールですすぐ。組み合わせた溶媒を真空中で蒸発乾燥させる。14.85gの抽出物が、201gの乾燥根皮から得られる。
初期分画:2.61gの抽出物を、塩化メチレン−メタノールに溶解させ、蒸発させることによって27gのジオール結合相媒体に塗布する。この材料をヘキサンと混合し、さらに蒸発させて、残留溶媒が無い流動性粉末を得る。塗布媒体を、真空ろ過装置内において同様の体積の未塗布媒体上に充填し、連続的にヘキサン、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、およびメタノールで溶出する。連続画分を真空中で蒸発させて、UO−31およびSF−295細胞株を使用する細胞増殖阻害について試験する。塩化メチレン画分(612mg)が、望ましい活性を有する。
フラッシュクロマトグラフィー:該化合物の塩化メチレン画分(515.5mg)を、HClを含む塩素化不純物を含有すると思われる10mLのクロロホルムに溶解させ、5×14cmのシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーカラム上で分離し、クロロホルムで、次いでクロロホルム−メタノールの5:1混合物で、および最後にメタノールで溶出する。画分を、シリカゲル薄層クロマトグラフィーで調べて、類似のTLCパターンに基づき組み合わせる。チューブ15〜17を含む画分E(194mg)が、最高レベルの細胞増殖阻害を示す。
高速液体クロマトグラフィー:50mgの上記画分Eを、0.5mLのジメチルスルホキシドに溶解させ、10〜50μLのアリコートで10×250mmの Varian Dynamax Microsorb 60-8 C18 HPLC カラムに注入する。検出器波長は225nmである。溶媒溶出条件は、75%のメタノールで開始し、5分から32分で75%から85%まで、それから36分で100%までの直線勾配であり、40分で初期条件に戻る。ピークを回収し、真空中で蒸発させる。これらの条件下で、2’−クロロエングレリンAが約28分で溶出し、一方、2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1および2)が、それぞれ9および11分で溶出する。2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1)は23分で溶出するが、他の成分から完全には分離しない。50mgの上記材料から、2.7mgの2’−クロロエングレリンA、1.2mgの2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリン(エピマー1)、0.6mgの2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリン(エピマー2)、および2.2mgの2’,3’−ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1)が得られる。
さらなるHPLC:上記の得られた2’−クロロエングレリンAの試料を、Varian Dynamax C8 カラムを使用し、均一濃度系である80%のアセトニトリルで溶出するHPLCによってさらに精製する。7.5mgの不純な2’−クロロエングレリンAを精製して、4.2mgの純粋2’−クロロエングレリンAが得られる。
実施例4
この実施例は、フィランサス エングレリ(Phyllanthus engleri)皮からハロゲン化エングレリンを単離する方法を示す。ハロゲン化は、エングレリンの抽出または精製中に起こる。
乾燥茎皮を粉砕し、1:1(v/v)の塩化メチレン:メタノールで一晩抽出し、次いでメタノールですすぐ。組み合わせた溶媒を真空中で蒸発乾燥させる。16.57gの抽出物が、387gの乾燥皮から得られる。
初期分画:3.01gの抽出物を、塩化メチレン−メタノールに溶解させ、蒸発させることによって33gのジオール結合相媒体に塗布する。この材料をヘキサンと混合し、さらに蒸発させて、残留溶媒が無い流動性粉末を得る。塗布媒体を、真空ろ過装置内において同様の体積の未塗布媒体上に充填し、連続的にヘキサン、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、およびメタノールで溶出する。連続画分を真空中で蒸発させて、UO−31およびSF−295細胞株を使用する細胞増殖阻害について試験する。塩化メチレン画分(853mg)が、望ましい活性を有する。
フラッシュクロマトグラフィー:該化合物の塩化メチレン画分(147.8mg)を2mLのクロロホルムに溶解させ、2×16cmのシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーカラム上で分離し、HClを含む塩素化不純物を含有すると同様に思われるクロロホルムで、次いでクロロホルム−メタノールの4:1混合物で、および最後にメタノールで溶出する。画分を、シリカゲル薄層クロマトグラフィーで調べて、類似のTLCパターン(バニリン−硫酸スプレー試薬)に基づき組み合わせる。チューブ12〜22を含む画分F(113.9mg)が、最高レベルの細胞増殖阻害を示す。この化合物画分を実施例1のようにHPLCで精製して、さらなるエングレリン誘導体を得る。表1は、様々なエングレリン誘導体の13C NMRデータを示す。
様々なエングレリンの炭素原子は、以下のように番号づけられる。
Figure 0005547653
2’−クロロエングレリンA、エングレリンA、またはエングレリンB(分子の適用できる部分まで)、
2’−クロロ,3’−ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1、2、3、または4)。
Figure 0005547653
Figure 0005547653
表2は、エングレリンのH NMRデータを示す。
Figure 0005547653
Figure 0005547653
実施例5
この実施例は、本発明の実施形態に従う化合物またはエピマーが、ヒト腫瘍細胞株の細胞増殖を阻害することを示す。
該化合物画分の生物学的活性を、感受性ヒト腎臓株(renal line)UO−31および非感受性ヒトCNS腫瘍細胞株SF−295を使用する2日間細胞増殖アッセイによって評価する。そうして、差動的感受性(differential sensitivity)が欠けた画分を、腎臓細胞株に対してより効力のあるものから容易に区別することができる。これらのアッセイの主要エンドポイントは、ホルマザンXTTであるか、または代わりにおよび優先的に、タンパク質染色剤スルホローダミンBである。全ての試料を、八つの10倍希釈物中で、薬無しおよび細胞無しの対照と共に、各マイクロタイタープレート上で試験する。IC50値を、マイクロプレートリーダーの製造業者によって供給されるような SOFTMAXTM ソフトウェアを使用して計算する。結果を表3に示す。
Figure 0005547653
実施例6
この実施例は、本発明のエングレリンおよびエングレリン誘導体がヒト癌細胞増殖を阻害することを説明する。試料を、標準の米国国立癌研究所(National Cancer Institute)の60細胞株プロトコルで試験する。まず、それらを、60細胞株全てに対して10μMの単一最終濃度で試験する。次いで、それらを、五つの10倍希釈物中で別々に試験する。薬物曝露は、SRB終点で二日間である。結果を表4に示す。
Figure 0005547653
実施例7
この実施例は、エングレリンBモノアセテートの調製方法および特性決定方法を説明する。
エングレリンBの試料(1.9g)を、ピリジン(0.25mL)および無水酢酸(0.25mL)中にて一晩室温で撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、生成物をジクロロメタン中で抽出した。粗生成物を、pTLC(Siゲル 60 F254;2%のMeOH/DCM)で精製し、エングレリンBモノアセテート(2.0mg、95%)を得た。NMRデータを表5に示す。2細胞アッセイにおいて、エングレリンBモノアセテートは、腎癌細胞株A498に対して約400倍の選択性を示した。
Figure 0005547653
実施例8
この実施例は、エングレリンAによる腎癌細胞の増殖阻害を説明する。該エングレリンAは、NCI−60細胞パネル中の腎癌細胞株について優れた選択性を示し、8個の腎臓株の5個は、20nMより下のGI50値を有した。
Figure 0005547653
実施例9
この実施例は、本発明の一実施形態に従うエングレリンAのいくつかの性質を説明する。図1A〜1Iは、60細胞試験における様々な癌細胞株に対するエングレリンAの用量反応曲線を示し、これらは、該化合物が、多くの白血病、非小細胞、結腸癌、黒色腫、前立腺、腎臓、乳房、卵巣、およびCNS癌の細胞株に対して活性であることを示す。
本明細書中で引用した刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、個々におよび具体的に各参考文献が、参照により組み込まれることが指摘され、且つその全体が本明細書中で示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の記載に関連して(特に以下の特許請求の範囲に関連して)、用語「a」および「an」および「the」および類似の指示対象の使用は、本明細書中でそうでないことが示されるか、または文脈によって明らかに矛盾することが無い限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「comprising(含む)」「having(有する)」「including(含む)」および「containing(含有する)」は、そうではないと記述されない限り、非制限の用語(即ち、「including, but not limited to(・・・を含むが、これに限定されない)」という意味)であると解釈されるべきである。本明細書中における値の範囲の列挙は、本明細書中でそうではないと示されない限り、単に、該範囲内にあるそれぞれ別の値を個々に言及する略記法として機能することを意図とし、それぞれ別の値が、本明細書中で個々に列挙される場合と同様に、明細書中に組み込まれる。本明細書中で記載した全ての方法は、本明細書中でそうでないことが示されるか、または文脈によって明らかに矛盾することが無い限り、あらゆる適切な順序で行うことができる。本明細書中で提供されるあらゆるおよび全ての例または例示的な言葉(例えば「(such as(などの、例えば)」)の使用は、そうではないと主張されない限り、単に本発明をより良く説明することを意図とし、本発明の範囲に対する限定を提起しない。明細書中の言葉は、本発明の実施に必須であるものと同様に、あらゆる非クレーム要素を示すと解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載され、これは、本発明を実施するために本発明者らが知る最良の形態を含む。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の記載を読むことで当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形を用いることを予想し、且つ本発明者らは、本明細書中で具体的に記載された通りのものとは別に本発明が実施されることを意図する。従って、本発明は、これに添付する特許請求の範囲に列挙された主題の、適用法によって許可されるような全ての改変および均等を含む。さらに、全ての可能なそれらの変形における上記要素のあらゆる組合せは、本明細書中でそうでないことが示されるか、またはその他の点で文脈によって明らかに矛盾することが無い限り、本発明によって包含される。

Claims (9)

  1. 式:
    Figure 0005547653
    であるエングレリンA、または
    Figure 0005547653
    であるエングレリンB
    の単離または精製化合物。
  2. 式(I):
    Figure 0005547653
    [式中、
    Arは、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、ハロ、またはニトロで任意に置換されていてもよい、アリール基であり;
    Xは、Oであり;
    およびRは、独立にC−Cアルキルであり;
    は、イソプロピルであり;
    「a」は、単結合または二重結合であり;
    「a」が二重結合である場合、Rは、水素であり、およびRは、ハロまたはHであり;
    「a」が単結合である場合、Rは、ハロ、ヒドロキシおよび−Cアルコキシからなる群から選ばれ、およびRは、ハロまたはHであり;
    およびRは、C−CアルキルまたはヒドロキシC−Cアルキルである。]
    の化合物またはそのエピマー。
  3. が、ヒドロキシC−Cアルキルである請求項2に記載の化合物またはエピマー。
  4. Figure 0005547653
    である請求項2または3に記載の化合物またはそのエピマー。
  5. が、ハロである請求項2〜4のいずれか一項に記載の化合物またはエピマー。
  6. およびR が、メチルである請求項2〜5のいずれか一項に記載の化合物またはエピマー。
  7. Figure 0005547653
    である2’-クロロエングレリンA、
    Figure 0005547653
    である2’-クロロ,3’-ヒドロキシジヒドロエングレリンA(エピマー1、2、3、または4)、
    Figure 0005547653
    である2’,3’-ジクロロジヒドロエングレリンA(エピマー1または2)、または
    Figure 0005547653
    である2’-クロロ,3’-エトキシジヒドロエングレリンA
    [式中、2’-クロロエングレリンAにおける二重結合「a」は、E、Z、またはE/Zであり得る。]
    である請求項2に記載の化合物またはエピマー。
  8. 薬学的に許容し得る担体および請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物またはエピマーを含む医薬組成物。
  9. 有効量の請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物またはエピマーを含有する癌用の医薬。
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