JP5547496B2 - 整流回路、該整流回路の制御回路 - Google Patents

整流回路、該整流回路の制御回路 Download PDF

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Description

本発明は、FETを高度に制御した低損失整流回路により、ダイオード回路、ORingFETダイオード用途回路等を実現し、また、これを応用したスイッチング電源等の整流回路に適合するダイオード回路に関する。
従来から使用されている整流用ダイオードにおいて、通常のPN接合のシリコンダイオードでは、順方向電圧降下は0.6V〜1V程度であり、近年、情報処理装置に採用される低電圧駆動のディバイスにおいては、電力損失が大きい。
また、順方向電圧降下が比較的小さいショットキーバリアダイオードでも順方向電圧降下は、0.2V〜0.4V程度であり、電力損失の大きさにおいてシリコンダイオードと大差はない。さらに、このダイオードは逆耐圧電圧が小さいので、高電圧の整流用途として向かない。
ORダイオード回路は、電力容量の小さい直流電源(たとえば、DC/DCコンバータなど)をダイオードにより並列接続し、大電力(大電流)を得たり、同様に並列接続されたディバイスを予備機として使用するためのものであり、すなわち、電源の出力をダイオードを通して複数並列接続するものである。
最近では、情報処理機器の電力損失(高発熱)を抑えるため、これらの機器は低電圧駆動される。したがって、出力電圧の低い(12Vが標準になりつつある。)直流電源が使用されるため、ORダイオード回路に通常のPN接合のシリコンダイオード又はショットキーバリアダイオードを使用した場合、直流電源電圧に対する順方向電圧降下の割合が大きく電力損失及び電圧の無駄が大きい。したがって、FETを用いた低導通抵抗による低損失整流回路か考えられる。
また、整流作用をもたせる同期整流回路に使用されるFET(a field-effect transistor)を制御すると複雑な回路となる。同様な目的に使用されるスイッチング電源のダイオードには高い周波数応答が求められる。
特開2004−320873号公報
特許文献1の動作は以下のとおりである。
(1)FET1のソース電位がドレイン電位より低いとき、又は、端子12が開放されているときはバイポーラトランジスタ3のエミッタ電位は、ベース電位よりも低いため、バイポーラトランジスタ3は非導通であり、バイポーラトランジスタ3のコレクタ電位は高く、FET1は導通する。
(2)バイポーラトランジスタ3のエミッタ電位がベース電位よりも高いとき、バイポーラトランジスタ3は導通する。したがって、バイポーラトランジスタ3のコレクタ電位が低下し、FET1は非導通となる。
(3)さらにバイポーラトランジスタ3のエミッタ電位が高くなると、バイポーラトランジスタ3のエミッタ→ベース→抵抗素子9→抵抗素子6→バイポーラトランジスタ2のベースの経路でバイポーラトランジスタ3のエミッタ電位が、バイポーラトランジスタ2のベース印加され、仮に、ダイオード4がバイポーラトランジスタ2のベース、エミッタ間に挿入されていないとバイポーラトランジスタ2のベースが高電位となり破壊される。
(4)上記(3)において、ダイオード4があるため、バイポーラトランジスタ2は破壊されないが、ダイオード4が導通(端子12から端子11へ電流が流れることと等価)し、逆流阻止回路として機能しない。
(5)抵抗素子7による電位の印加は機能していない。すなわち、抵抗素子7の回路はオープンでよい。
以上のように、特許文献1の動作は後述する本発明の動作と基本的に相違する。
以上の現状に鑑み、本発明は、逆流阻止が確実である整流回路であり、ORingFETダイオード用途回路、スイッチング電源回路に適合するダイオード回路、等を実現する。
上記の目的を実現するべく本発明は以下の構成とする。
)請求項に係る整流回路は、
第1制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第1半導体素子と、
第2制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第2半導体素子と、
第3制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第3半導体素子と、
第1抵抗素子と、第2抵抗素子と、を備え、
前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
前記第1半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第3半導体素子の電流路の他端に伝達されるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は低下し前記第1半導体素子の電流路は非導通であり、前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は上昇し前記第1半導体素子の電流路が導通する前記第2半導体素子の電流路の他端と前記第3半導体素子の電流路の他端間を整流作用電流路とすることを特徴とする。
)請求項に係る整流回路は、
第1制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第1半導体素子と、
第2制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第2半導体素子と、
第3制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第3半導体素子と、
第1抵抗素子と、第2抵抗素子と、誘導性素子と、を備え、
前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
前記第1半導体素子の電流路の他端と前記第3半導体素子の電流路の他端との間に前記誘導性素子が挿入され、
前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は低下し前記第1半導体素子の電流路は非導通であり、前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は上昇し前記第1半導体素子の電流路が導通する前記第2半導体素子の電流路の他端と前記第3半導体素子の電流路の他端間を整流作用電流路とすることを特徴とする。
)請求項に係る制御回路は、
請求項に記載の整流回路における第1半導体素子の導通/非導通を制御する制御回路であって、該制御回路は、前記整流回路から前記第1半導体素子を除去した回路であり、
前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、外部素子として構成される第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
前記外部素子として構成される第1半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第3半導体素子の電流路の他端に伝達されるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位を低電位として出力し、
前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通となり該第2半導体素子の電流路の一端の電位を高電位として出力し、
前記外部素子として構成される第1半導体素子の制御端に前記低電位又は前記高電位を排他的に出力すべく構成され、前記外部素子として構成される第1半導体素子を非導通又は導通に排他的制御することを特徴とする。
)請求項に係る制御回路は、
請求項に記載の整流回路における第1半導体素子の導通/非導通を制御する制御回路であって、該制御回路は、前記整流回路から前記第1半導体素子及び前記誘導性素子を除去した回路であり、
前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、外部素子として構成される第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
前記外部素子として構成される第1半導体素子の他端の電位は、外部素子として構成される誘導性素子の一端に伝達されるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の他端には、前記外部素子として構成される誘導性素子の他端の電位が伝達されるべく構成され、
前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位を低電位として出力し、
前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通となり該第2半導体素子の電流路の一端の電位を高電位として出力し、
前記外部素子として構成される第1半導体素子の制御端に前記低電位又は前記高電位を排他的に出力すべく構成され、前記外部素子として構成される第1半導体素子を非導通又は導通に排他的制御することを特徴とする。
(A)本発明による整流回路は、制御端を有する半導体素子を整流電流路に使用しているため、整流による順方向電圧降下が極めて小さく、極めて低電力損失である。
(B)本発明による整流回路は、制御端を有する半導体素子を整流電流路に使用し、該整流電流路の両端の電位を制御回路が比較し、該半導体素子の電流路の導通/非導通の制御をするので、該整流電流路の他端から一端への電流の逆流がない。
(C)本発明による制御回路は、制御端を有する半導体素子の組み合わせにより整流電流路を制御するので、該整流電流路の他端から一端への電流の逆流がない。
(D)本発明による整流回路は、制御回路と誘導性素子の組み合わせにより、整流電流路を制御するので、高い周波数の電流を整流する場合でも、該整流電流路の他端から一端への電流の逆流がない。
は、本発明による整流回路、制御回路の第1の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第2の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第3の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第4の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第5の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第6の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第7の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第8の実施の形態を示す回路構成図である。 は、本発明による整流回路、制御回路の第9の実施の形態を示す回路構成図である。
(1)第1の実施の形態
(1−1)回路構成
図1は、本発明による第1の実施の形態である整流回路及び該整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。
図1において破線で囲まれた部分が該制御回路である。該制御回路は、第2半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ2、第3半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ3、第1抵抗素子である抵抗素子R1及び第2抵抗素子である抵抗素子R2で構成される。
以下、図1を参照して本発明の回路構成を説明する。
直流電源の正極電位を入力する端子T1(ダイオードでいうアノードに相当)、直流電源の正極電位を出力する端子T2(ダイオードでいうカソードに相当)が存在する。
端子T1にFETQ1のソースSが接続され、FETQ1のドレインDには誘導性素子であるインダクターLの一端が接続され、該インダクターLの他端は端子T2に接続されている。電流は端子T1から端子T2へ、すなわち、FETQ1のソースSからドレインDへ流れる。ドレインDからソースSに向かう電流は遮断されるように制御される。
さらに、端子T1には、第2半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ2のコレクタCが接続され、端子T2には、第3半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ3のコレクタCが接続される。
バイポーラトランジスタQ2のベースBとバイポーラトランジスタQ3のベースBが接続され、この接続部に第2抵抗素子である抵抗素子R2の一端が接続され、抵抗素子R2の他端は、両バイポーラトランジスタQ2、Q3のベースBにバイアス電位を供給する直流電源が印加される端子T3に接続される。
バイポーラトランジスタQ3のエミッタEは、抵抗素子R2の一端に接続される。すなわち、バイポーラトランジスタQ3のベース、エミッタ間は短絡されている。
バイポーラトランジスタQ2のエミッタEは、第1抵抗素子である抵抗素子R1の一端に接続され、抵抗素子R1の他端は、バイポーラトランジスタQ2のエミッタE電位及びFETQ1のゲート電位を供給する直流電源が印加される端子T3に接続される。
なお、バイポーラトランジスタQ3はコレクタC接地として使用されるが、端子T2には外部の直流電源電位が印加されるため、耐圧がエミッタより高いコレクタを端子T2に接続している。また、バイポーラトランジスタQ2もコレクタC接地として使用され、両バイポーラトランジスタQ2、Q3の動作特性をそろえるようにしている。
バイポーラトランジスタQ2のエミッタEは、FETQ1のゲートGに接続され、バイポーラトランジスタQ2のコレクタCは、FETQ1のソースに接続される。
バイポーラトランジスタQ2、バイポーラトランジスタQ3、抵抗素子R1及び抵抗素子R2で構成される破線で囲まれた回路は、本発明の整流回路の一部である本発明の制御回路である。
(1)第1の実施の形態
(1−2)回路動作
図1を参照して本発明の第1の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
本発明の図1の回路における整流回路は、端子T1をアノードとし、端子T2をカソードとしたダイオードを構成し、端子T1、端子T2間に印加される電圧極性を制御回路が判別しFETQ1のゲートGに印加する電位を制御し、FETQ1の導通/非導通を制御する。
なお、本発明の回路動作説明において、各素子の電位はバイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位を基準電位(=端子T1の電位、=FETQ1のソース電位)とし、各素子は端子T3に印加される直流正極性電位により動作する。
端子T1に負荷動作用の直流電源の一端を接続し、端子T2には負荷の一端を接続する。図1の回路には示されていないが、別の電流路により、該直流電源の他端と負荷の他端を接続し直流電源と負荷の電流路を構成する。
本発明の説明において、該直流電源の一端は正極性電位であり、該直流電源の他端は負極性電位とする。
(1−2−1)FETQ1を非導通とする動作概要
端子T1の電位をV1、端子T2の電位をV2とすると、V1≦V2ではバイポーラトランジスタQ3は非導通又は少しだけ浅い導通状態にあり、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通するため、抵抗素子R1による電圧降下によりバイポーラトランジスタQ2のエミッタEの電位は低下し略0Vである(制御回路の動作)。この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1は非導通である(制御回路の動作と併せて整流回路の動作となる。)。
すなわち、FETQ1のドレインDからソースSへ向かう電流は流れない。よって、端子T2は、ダイオードのカソード、端子T1は、ダイオードのアノードとして、図1の回路は動作する。
(1−2−2)FETQ1を導通とする動作概要
逆に、V1>V2ではバイポーラトランジスタQ3が導通し、バイポーラトランジスタQ2は非導通であるため、抵抗素子R1による電圧降下がなく、バイポーラトランジスタQ2のエミッタEの電位は端子T3に印加された直流電源電圧まで上昇し(制御回路の動作)、この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1を導通とする(制御回路の動作と併せて整流回路の動作となる。)。
すなわち、FETQ1のソースからドレインへ向かう電流は流れる。よって、端子T1は、ダイオードのアノード、端子T2は、ダイオードのカソードとして、図1の回路は動作する。
上記説明において補足すると、FETQ1が非導通のときは、FETQ1のドレインDからソースSに向かう電流は流れないことは勿論であるが、FETQ1のボディダイオードにより、ソースからドレイン方向へ向かう電流は流れることが可能である。ただし、V1≦V2においてFETQ1が非導通となる前提条件があるため、ソースからドレイン方向へ向かう電流は有り得ない。
また、FETQ1が導通のときは、FETQ1のソースSからドレインDに向かう電流が流れることは勿論であるが、FETQ1のドレインDからソースS方向へ向かう電流も流れることが可能である。ただし、V1>V2のときにおいてFETQ1が導通となる前提条件があるため、FETQ1ドレインからソース方向へ向かう電流は有り得ない。
FETQ1の導通時は、FETQ1のボディダイオードによらずFETQ1の極めて低い導通抵抗によりソースからドレイン方向へ向かう電流を流すことができるので、PN接合ダイオードによる整流より遙かに有利である。
以下、図1を参照して本発明の第1の実施の形態について、詳細な説明をする。ただし、以下の式(1−1)、式(1−2)の前提条件が存在する。
EC3/hfe3>IEC2/hfe2・・・・式(1−1)
式(1−1)は、IBC3>IBC2を表している。
hfe2・r1>hfe3・r2・・・・・・式(1−2)
式(1−1)は式(1−2)と等価である。
式(1−2)に基づき、場合の条件式を展開すると、以下の式が考えられる。
hfe2=hfe3の場合、r1>r2・・・式(2)
hfe2>hfe3の場合、r1≧r2・・・式(3)
hfe2≫hfe3の場合、r1<r2・・・式(4)
hfe2<hfe3の場合は、ここでは考えない。
ただし、hfe2はバイポーラトランジスタQ2のコレクタC接地時の電流増幅率、hfe3はバイポーラトランジスタQ3のコレクタC接地時の電流増幅率。
BC2は、バイポーラトランジスタQ2のベース電流、IBC3は、バイポーラトランジスタQ3のベース電流。
EC2は、バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電流、IEC3はバイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流。
r1は抵抗素子R1の抵抗値、r2は抵抗素子R2の抵抗値である。
バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位をVc2、バイポーラトランジスタQ3コレクタ電位をVc3とし、Vc2=V1、Vc3=V2とする。
条件:A1
Vc2=Vc3(V1=V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位=バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。)では、バイポーラトランジスタQ3が少しだけ浅く導通し、バイポーラトランジスタQ2が確実に導通する。
図1の回路では、hfe2>hfe3とするため、式(3)を適用する。
hfe2>hfe3である理由は、上記のように、IBC3>IBC2で表されるとおり、バイポーラトランジスタQ3のベース電流を多く流し、バイポーラトランジスタQ2のベース電流を少なく流すためである
図1において、上記、「hfe2>hfe3の場合、r1≧r2・・・式(3)」が成立し、バイポーラトランジスタQ2のコレクタ、バイポーラトランジスタQ3のコレクタ間の電位が略同一であるとき、結果的に、IBC3>IBC2となる。したがって、バイポーラトランジスタQ3を導通させるためのベース順方向電圧VBC3が、VBC3>VBC2となる。
上記の状態において、バイポーラトランジスタQ2とバイポーラトランジスタQ3のベースは接続されているため、両ベース電位はV’BC3=V’BC2となるように均衡し、
BC3>V’BC3=V’BC2>VBC2の状態で、VBC3とVBC2との中間的電位に落ち着く。
したがって、バイポーラトランジスタQ3を導通させるためのベース電位V’ BC3が、バイポーラトランジスタQ3の導通に必要な電位VBC3を下回り、このため、IBC3及びIEC3は、バイポーラトランジスタQ3のベースBに通常のベース順方向電圧VBC3が印加されたときより少なくなる。
両バイポーラトランジスタのベース電位、V’BC3=V’BC2の均衡によってIBC3及びIEC3が減少するが、抵抗素子R2を流れる電流は、Ir2=V3/r2であり、r2により制限されて変わらないので、
BC3及びIEC3が減少した分だけIBC2が多く流れ、バイポーラトランジスタQ2は、確実な導通状態を維持できる。
ただし、V’ BC2は、バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位に対するベース電位、
V’ BC3は、バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位に対するベース電位。
ベース順方向電圧VBC2は、バイポーラトランジスタQ2のエミッタE、コレクタC間が導通する電圧。
ベース順方向電圧VBC3は、バイポーラトランジスタQ3のエミッタE、コレクタC間が導通する電圧である。
BC3>IBC2についてさらに説明を加えると、
hfe2は、hfe2=IEC2/IBC2で表され、
hfe3は、hfe3=IEC3/IBC3で表される。
EC2はr1の逆数の関数、IEC3はr2の逆数の関数で表わされ、
EC3/hfe3>IEC2/hfe2・・・・式(1−1)と、
hfe2>hfe3の場合、r1≧r2・・・式(3)のr1≧r2の関係により、
EC3≧IEC2の傾向にあり、さらに式(3)のhfe2>hfe3の関係により、
結果としてIBC3>IBC2となる。
BC3>IBC2であるため、電流量の少ないIBC2が流れるバイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧V BC2 は、電流量の多いIBC3が流れるバイポーラトランジスタQ3のベース順方向電圧VBC3よりも小さい。
したがって、上記のとおり、VBC3>VBC2となる。
EC3≒V3/r2、IEC2=V3/r1である。ただし、V3は端子T3に印加される直流電源電位である。
ここで、IEC3≒V3/r2であり、IEC3=V3/r2ではないのは、抵抗素子R2には、バイポーラトランジスタQ2、Q3にベース電流を流すためである。
バイポーラトランジスタQ2は確実に導通するため、バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートGにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
条件:B1
Vc2<Vc3’(V1<V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位<バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。)では、バイポーラトランジスタQ3が非導通であり、バイポーラトランジスタQ2が確実に導通する。
Vc2<Vc3’を別の表現をすると、Vc2<Vc3’は、Vc2=Vc3+Vαと表現できる
上記条件:A1の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVα上昇すると、バイポーラトランジスタQ3は、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位を維持するため、ベース電位がVα上昇することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は、さらに上昇し、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のエミッタEの電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートGにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
なお、バイポーラトランジスタQ3が非導通となる理由は、バイポーラトランジスタQ3のベースBにとっては、コレクタ側から逆バイアス電圧が印加されたこととなり、ベース電流が流れなくなるためである。
条件:C1
Vc2>Vc3”(V1>V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位>バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。)では、バイポーラトランジスタQ3が導通し、バイポーラトランジスタQ2が非導通となる。
Vc2>Vc3”を別の表現をすると、Vc2>Vc3”は、Vc2=Vc3−Vβと表現できる。
上記条件A1の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVβ低下すると、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位を維持するため、ベース電位がVβ低下することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は低下し、バイポーラトランジスタQ2は非導通となる。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のエミッタE電位は上昇し、端子T3に印加される直流電源電位となり、この電位が印加されるFETQ1のゲート電位において、FETQ1は導通となる。このため、FETQ1のソースSから、ドレインDに電流が流れ、FETQ1のソースSは、ダイオードのアノード、FETQ1のドレインDは、ダイオードのカソードの機能を有する。
なお、バイポーラトランジスタQ3が導通となる理由は、バイポーラトランジスタQ3のベースBにとっては、コレクタC側から順バイアス電圧が印加されたこととなり、ベース電流が充分流れるためである。
図1の回路において、FETQ1のドレインDと端子T2間に誘導性素子であるインダクターLを挿入する理由は、当該回路のFETQ1を非導通とする電流路遮断に係る周波数特性を良くするためである。すなわち、高い周波数の電流の整流において逆流させることなく整流できる。つまり、高周波数対応となる。
この動作原理は、V1>V2からV1≦V2に端子T1、端子T2間に印加される電位が遷移したとき、バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位は直ちにV2となるが、インダクターLにより、FETQ1のドレインに印加される電位V2に遅れが発生するため、FETQ1が非導通となるまでに時間を稼ぐためである。
仮に、インダクターLが、FETQ1が配設されている電流路のFETQ1のドレインD側電流路に挿入されていない場合、各素子、特にバイポーラトランジスタQ2、Q3及びFETQ1のゲートの電荷放電時間による電位伝達の遅れにより、FETQ1が導通から非導通に遷移するための時間的遅れが発生する。
したがって、FETQ1が導通状態のまま、電流がFETQ1のドレインDからソースSに逆流してしまう。
端子T2に別の電源による電位V2が印加されている状態において、上記のように、FETQ1の導通から非導通への遅れの発生と、端子T1の電位V1が、V1<V2なる条件が重なると端子T2に印加された電位V2により、端子T1に接続されている電源側へ電流が流れる。
このような、事態が発生すると整流回路としての機能が失われる。インダクターLは、端子T2に印加される電位V2のFETQ1のドレインDへの伝達を遅らせる機能を有する。このインダクターLにより、高調波パルス電位が印加されるスイッチング電源等の整流回路に適合可能となる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)回路構成
図2は、本発明による第2の実施の形態である整流回路及び該整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。
図2において破線で囲まれた部分が該制御回路である。該制御回路は、第2半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ2、第3半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ3、第1抵抗素子である抵抗素子R1及び第2抵抗素子である抵抗素子R2で構成される。
以下、図2を参照して本発明の第2の実施の形態の回路構成と本発明の第1の実施の形態である図1との相違点を説明する。
直流電源の正極電位を入力する端子T1(ダイオードでいうアノードに相当)、直流電源の正極電位を出力する端子T2(ダイオードでいうカソードに相当)が存在する。
直流電源の負極電位を入力する端子T1’、直流電源の負極電位を出力する端子T2’が存在する。
ただし、本発明において、端子T1、端子T2間でダイオードを構成するので、
端子T2’は必須ではなく存在しなくてもよい。
端子T1、端子T1’間に負荷に供給する直流電源を入力し、この電源を制御回路動作用電源に流用するが、図2において、本発明の第1の実施の形態の図1のように制御回路動作用電源を別に用意すれば、本発明において端子T1’も無くてもよい。
端子T1には、第2半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ2のコレクタ、容量素子であるコンデンサCの一端、制御回路用直流電源を構成する受光素子であるフォトダイオードPD1〜PDnの直列回路のPDnカソード及びフォトダイオードを励起する発光素子である発光ダイオードLEDのアノードが接続される。
端子T1’と端子T2’は接続され、この接続部に定電流素子である定電流ダイオードRDのカソードが接続され、定電流ダイオードRDのアノードは、発光素子LEDのカソードに接続される。
フォトダイオードPD1のアノード、コンデンサCの他端、抵抗素子である抵抗素子R1の他端及び抵抗素子である抵抗素子R2の他端は接続されている。
本発明の第2の実施の形態の図2においては、第1の実施の形態の図1に示される誘導性素子であるインダクターLが存在しないで、第1半導体素子であるFETQ1のドレインDと端子T2が直接接続されている。
以上が、図2と図1の相違点である。
図2のその他の回路構成については、図1と同様に、破線で囲まれた第2半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ2、第3半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ3、抵抗素子である抵抗素子R1及び抵抗素子である抵抗素子R2で構成される制御回路並びに第1半導体素子であるNチャネルFETQ1が整流電流路を構成し、全体として整流回路を構成するという点について同様である。
したがって、第2の実施の形態である図2の回路に使用される符号は、第1の実施の形態である図1の符号と同様とし、回路構成の説明は、図1における説明を援用し、重複する説明を割愛する。
(2)第2の実施の形態
(2−2)回路動作
図2を参照して本発明の第2の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
図2において、図1と相違する点は、端子T1、端子T1’間に印加される直流電源を流用して、発光素子である発光ダイオードLEDを発光させ、この発光を受光する受光素子であるフォトダイオードPD1〜PDnにより、制御回路動作用電源電圧を発生させている点である。
以上の点においては、図1の制御回路及び整流回路の動作に相違点はない。
さらに別の相違点は、図2にはインダクターLが存在しない。したがって、図1においては、端子T2の電位V2がバイポーラトランジスタQ3のコレクタCに直接印加されるのに対し、FETQ1のドレインDには、インダクターLを介して印加されるが、図2においては、端子T2の電位V2がバイポーラトランジスタQ3のコレクタCに対しても、FETQ1のドレインDに対しても直接印加される。
したがって、インダクターLが存在しないことは、図1において、バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位Vc3、FETQ1のドレイン電位Vdとすると、Vc3≠Vd
であり、図2においては、Vc3=Vdとなる。この相違点においても、制御回路と整流電流路であるFETQ1との回路動作原理は同一である。
ただし、第1の実施の形態で説明した特徴であるインダクターLを挿入した効果は発生しない。しかしながら、第1の実施の形態で説明した高い周波数での整流動作が要求されない用途であれば問題はない。
上記で説明したように、図1において、Vc3≠Vdであり、図2においては、Vc3=Vdとなる。このような相違点があっても、制御回路と整流電流路であるFETQ1との回路動作原理は同一であるため、図2における制御回路は、図1における制御回路と同様にFETQ1を導通/非導通とする制御が可能である。
したがって、第2の実施の形態である図2の回路動作の説明は、第1の実施の形態である図1の回路動作の説明をそのまま適用できる。よって、図1における回路動作の説明を図2の回路動作の説明に援用し、重複する説明を割愛する。
(3)第3の実施の形態
(3−1)回路構成
図3は、本発明による第3の実施の形態である整流回路及び整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。
第3の実施の形態における図3の回路は、第1の実施の形態における図1の回路から誘導性素子であるインダクターLを取り除き、端子T2とFETQ1のドレインDを直接接続し、さらに、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間の接続を開放した回路である。すなわち、バイポーラトランジスタQ3のエミッタが開放されている。
したがって、図3の回路の各素子の符号は、図1の回路の各素子の符号と同一の符号を付し、図1の回路構成の説明を援用し、重複する説明を割愛する。
(3)第3の実施の形態
(3−2)回路動作
図3を参照して本発明の第3の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
第3の実施の形態における図3の回路は、第1の実施の形態における図1の回路から誘導性素子であるインダクターLを取り除き、端子T2とFETQ1のドレインDを直接接続し、さらに、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間の接続を開放した回路である。
本発明の第3の実施の形態である図3の回路は、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタEが接続されていない回路であり、すなわち、本発明の第3の実施の形態における図3の破線で囲まれた制御回路が、本発明の第1の実施の形態である図1の破線で囲まれた制御回路の回路動作と相違するところは、この点に起因する。
本発明の第3の実施の形態の説明においても、第1の実施の形態の説明で使用した電位値、電流値、電流増幅率、抵抗値等の記号も同一の記号を使用し該記号の意義も同一とする。
したがって、図3の回路動作の説明は、図1の回路動作の説明から、誘導性素子であるインダクターLの動作説明を削除し、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間の接続を開放した回路動作について中心に説明し、図1と動作が共通する部分は図1の説明を援用し、重複する説明は割愛する。
図3には、インダクターLが存在しないため、図1における動作説明の電流路遮断(FETQ1を非導通とする)に係る周波数特性を良くする必要のない、高周波数における遮断特性が要求されない整流回路、直流電源を並列接続するためのORingFETダイオード回路等に好適である。
図3の回路において、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間は解放されているため、バイポーラトランジスタQ3は、ベースBがP型、コレクタCがN型のPN接合のダイオードとして機能する。
(3−2−1)FETQ1を非導通とする動作概要
端子T1の電位をV1、端子T2の電位をV2とすると、V1≦V2では、バイポーラトランジスタQ3のベースB、コレクタC間に、コレクタ電位を基準として、ベース順方向電圧V”BC3=約0.6Vの標準的PN接合電位差が発生し、バイポーラトランジスタQ3と共通ベース電位を有するバイポーラトランジスタQ2のベース電位によりバイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
図3の回路では、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流が流れないため、
BC3+IBC2=V3/r2であり、V3/r2が一定であれば、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流が流れるときよりも、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流が流れないときの方が、IBC3は大きい。
したがって、バイポーラトランジスタQ2の電流路に電流が流れるため、抵抗素子R1による電圧降下によりバイポーラトランジスタQ2のエミッタEの電位は低下し略0Vである(制御回路の動作)。
この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1は非導通である(制御回路の動作と併せて整流回路の動作)。
すなわち、FETQ1のドレインDからソースSへ向かう電流は流れない。よって、端子T1は、ダイオードのアノード、端子T2は、ダイオードのカソードとして、図3の回路は動作する。
(3−2−2)FETQ1を導通とする動作概要
逆に、V1>V2では、第1の実施の形態と同様にバイポーラトランジスタQ3のベースBの電位が低下し、バイポーラトランジスタQ2は非導通となるため、抵抗素子R1による電圧降下がなく、バイポーラトランジスタQ2のエミッタEの電位は端子T3に印加された直流電源電圧V3まで上昇し(制御回路の動作)、この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1を導通とする(制御回路の動作と併せて整流回路の動作)。
すなわち、FETQ1のソースからドレインへ向かう電流は流れる。よって、端子T1は、ダイオードのアノード、端子T2は、ダイオードのカソードとして、図3の回路は動作する。
以下、図3を参照して本発明の第3の実施の形態について、詳細な説明をする。ただし、以下の式(5)の前提条件が存在する。
I’BC3>IEC2/hfe2・・・式(5)
I’BC3>IBC2・・・式(6)
式(5)は式(6)を意味する。すなわち、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBC2をバイポーラトランジスタQ3のベース電流I’BC3より小さく設定する。
バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電流IEC2は、IEC2=V3/r1であり、バイポーラトランジスタQ2の電流増幅率がhfe2のとき、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBC2は、IBC2=V3/r1/hfe2となる。
バイポーラトランジスタQ3のベース電流I’BC3と、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBC2の和、I’BC3+IBC2は、V3/r2で制限されるため、
I’BC3+IBC2=V3/r2となる。(I’BC3+V3/r1/hfe2)=V3/r2・・・式(7)となる。
ただし、I’BC3は、バイポーラトランジスタQ3のエミッタE開放時のバイポーラトランジスタQ3のベース電流。V”BC3は、バイポーラトランジスタQ3のエミッタE開放時のバイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位に対するベース電位。
条件:A3
Vc2=Vc3(V1=V2の状態。FETQ1のソース電位=ドレイン電位。バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位=バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。)
バイポーラトランジスタQ3のベース順方向電圧V”BC3が約0.6V(標準的PN接合ダイオードの順方向電圧)であるので、この電圧より低いバイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧VBC2において、バイポーラトランジスタQ3と共通ベース電位を有するバイポーラトランジスタQ2のベース電位によりバイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
前提条件、I’BC3>IBC2・・・式(6)から、第1の実施の形態における図1の説明を援用し、V”BC3>V”’BC3=V”BC2>VBC2であり、バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位=バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位であれば(FETQ1のソース電位=ドレイン電位)、ベース電位を共通とするバイポーラトランジスタQ2とバイポーラトランジスタQ3において、このときのバイポーラトランジスタQ2のベース電位V”BC2は、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBC2=IEC2/hfe2で定められたバイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧VBC2より高い(V”BC2>VBC2)。
バイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧VBC2と、バイポーラトランジスタQ3のベース順方向電圧V”BC3とで合成された電位(V”BC2=V”’BC3)となり、バイポーラトランジスタQ2を充分導通とするためのベース順方向電圧を得る。
ただし、V”’BC3、V”BC2は、ベースBを共通電位とするバイポーラトランジスタそれぞれQ3、Q2の条件A3におけるベース電位である。
すなわち、V”BC2は、電位V”BC3とVBC2が均衡した電位である。
バイポーラトランジスタQ2とバイポーラトランジスタQ3のベースは接続されているため、両ベース電位はV”’BC3=V” BC2となるよう、
V”BC3>V”’BC3=V”BC2>VBC2で均衡する。
このように、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通するため、バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
条件:B3
Vc2<Vc3’(V1<V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位<バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。FETQ1のソース電位<ドレイン電位。)では、バイポーラトランジスタQ2が確実に導通する。
Vc2<Vc3’を別の表現をすると、Vc2<Vc3’は、Vc2=Vc3+Vαと表現できる。
上記条件A3の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVα上昇すると、バイポーラトランジスタQ3は、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位差を維持するため、ベース電位がVα上昇することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は、さらに上昇し、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のエミッタEの電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
条件:C3
Vc2>Vc3”
これは、V1>V2(バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位>バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。FETQ1のソース電位>ドレイン電位。)であり、バイポーラトランジスタQ2が非導通となる。
Vc2>Vc3”を別の表現をすると、Vc2>Vc3”は、Vc2=Vc3−Vβと表現できる。
上記条件A3の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVβ低下すると、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位差を維持するため、ベース電位がVβ低下することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は低下し、バイポーラトランジスタQ2は非導通となる。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のエミッタE電位は上昇し、端子T3に印加される直流電源電位となり、この電位が印加されるFETQ1のゲート電位において、FETQ1は導通となる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)回路構成
図4は、本発明による第4の実施の形態である整流回路及び整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。制御回路は、図4において破線で囲まれた回路である。
第4の実施の形態における図4の回路は、第2の実施の形態における図2の回路に第4半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ4、第5半導体素子であるPNPバイポーラトランジスタQ5によるエミッタフォロア電流増幅回路を追加したものである。
図4と図2の回路において相違する点はこの部分のみである。したがって、図4の回路において、第2の実施の形態である図2の回路に共通する回路の各素子には図2の符号と同一の符号を付し、図2の回路構成の説明を援用し、重複する説明を割愛する。
図4の回路において、バイポーラトランジスタQ4及びQ5のベースは、バイポーラトランジスタQ2のエミッタEに接続され、バイポーラトランジスタQ4とバイポーラトランジスタQ5のエミッタは、FETQ1のゲートGに接続され、バイポーラトランジスタQ4のコレクタはフォトダイオードPD1のアノードに接続され、バイポーラトランジスタQ5のコレクタは端子T1に接続されている。
(4)第4の実施の形態
(4−2)回路動作
図4を参照して本発明の第4の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
図4は、第2の実施の形態である図2にエミッタフォロワ電流増幅回路が付加され、FETQ1のゲート容量を充電するに充分な電流を供給することができる。
バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位が高い(フォトダイオードPD1のアノードの電位)とき、バイポーラトランジスタQ4が導通し、バイポーラトランジスタQ5が非導通で、FETQ1を導通させ、バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位が低い(端子T1の電位)とき、バイポーラトランジスタQ4は非導通で、バイポーラトランジスタQ5が導通となり、FETQ1を非導通とさせる。
上記以外は第2の実施の形態である図2の回路動作の説明のとおりであり、第2の実施の形態の回路動作説明は、第1の実施の形態の回路動作説明を援用している。
したがって、第4の実施の形態である図4の回路動作説明は、第1及び第2の実施の形態である図1及び図2の回路動作説明を援用し、重複する説明を割愛する。
(5)第5の実施の形態
(5−1)回路構成
図5は、本発明による第5の実施の形態である整流回路及び整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。制御回路は、図5において破線で囲まれた回路である。
第5の実施の形態における図5の回路は、第4の実施の形態における図4の回路においてエミッタフォロア回路の一部を構成する第5半導体素子であるPNPバイポーラトランジスタQ5を整流素子であるダイオードDに置き換えたものである。
このダイオードDは、バイポーラトランジスタQ5のエミッタEとベースBが形成するPN接合ダイオードに相当する。
図5と図4の回路において相違する点はこの部分のみである。したがって、図5の回路において、第4の実施の形態である図4の回路に共通する回路の各素子には図4の符号と同一の符号を付し、図4の回路構成の説明を援用し、重複する説明を割愛する。
図5の回路において、ダイオードDのアノードはバイポーラトランジスタQ4のエミッタEに接続され、ダイオードDのカソードは、バイポーラトランジスタQ2のエミッタEに接続される。
(5)第5の実施の形態
(5−2)回路動作
図5を参照して本発明の第5の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
図5におけるダイオードDは、FETQ1を導通とするときFETQ1のゲートGに蓄積された電荷を放電しFETQ1を非導通とする役割を果たす。FETQ1を非導通とするとき、バイポーラトランジスタQ2は導通するので、ダイオードDのカソードは、バイポーラトランジスタQ2のコレクタCと導通するので、これが可能である。
上記以外は第4の実施の形態である図4の回路動作の説明のとおりであり、第4の実施の形態の回路動作説明は、第2の実施の形態の回路動作説明を援用し、第2の実施の形態の回路動作説明は、第1の実施の形態の回路動作説明を援用している。
したがって、第5の実施の形態である図5の回路動作説明は、第1、第2及び第4の実施の形態である図1、図2及び図4の回路動作説明を援用し、重複する説明を割愛する。
(6)第6の実施の形態
(6−1)回路構成
図6は、本発明による第6の実施の形態である整流回路及び該整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。
図6において破線で囲まれた部分が該制御回路である。該制御回路は、第2半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ2、第3半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ3、第1抵抗素子である抵抗素子R1及び第2抵抗素子である抵抗素子R2で構成される。
以下、図6を参照して本発明の回路構成を説明する。
直流電源の正極電位を入力する端子T1(ダイオードでいうアノードに相当)、直流電源の正極電位を出力する端子T2(ダイオードでいうカソードに相当)が存在する。
端子T1にFETQ1のソースSが接続され、FETQ1のドレインDには誘導性素子であるインダクターLの一端が接続され、該インダクターLの他端は端子T2に接続されている。電流は端子T1から端子T2へ、すなわち、FETQ1のソースSからドレインDへ流れる。ドレインDからソースSに向かう電流は遮断されるように制御される。
さらに、端子T1には、第2半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ2のエミッタEが接続され、端子T2には、第3半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ3のコレクタCが接続される。
バイポーラトランジスタQ2のベースBとバイポーラトランジスタQ3のベースBが接続され、この接続部に第2抵抗素子である抵抗素子R2の一端が接続され、抵抗素子R2の他端は、両バイポーラトランジスタQ2、Q3のベースBにバイアス電位を供給する直流電源が印加される端子T3に接続される。
バイポーラトランジスタQ3のエミッタEは、抵抗素子R2の一端に接続される。すなわち、バイポーラトランジスタQ3のベース、エミッタ間は短絡されている。
バイポーラトランジスタQ2のコレクタCは、第1抵抗素子である抵抗素子R1の一端に接続され、抵抗素子R1の他端は、バイポーラトランジスタQ2のコレクタC電位及びFETQ1のゲート電位を供給する直流電源が印加される端子T3に接続される。
バイポーラトランジスタQ2のコレクタCは、FETQ1のゲートGに接続され、バイポーラトランジスタQ2のエミッタEは、FETQ1のソースに接続される。
バイポーラトランジスタQ2、バイポーラトランジスタQ3、抵抗素子R1及び抵抗素子R2で構成される破線で囲まれた回路は、本発明の整流回路の一部である本発明の制御回路である。
(6)第6の実施の形態
(6−2)回路動作
図6を参照して本発明の第1の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
本発明の図1の回路における整流回路は、端子T1をアノードとし、端子T2をカソードとしたダイオードを構成し、端子T1、端子T2間に印加される電圧極性を制御回路が判別しFETQ1のゲートGに印加する電位を制御し、FETQ1の導通/非導通を制御する。
なお、本発明の回路動作説明において、各素子の電位はバイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位を基準電位(=端子T1の電位、=FETQ1のソース電位)とし、各素子は端子T3に印加される直流正極性電位により動作する。
端子T1に負荷動作用の直流電源の一端を接続し、端子T2には負荷の一端を接続する。図1の回路には示されていないが、別の電流路により、該直流電源の他端と負荷の他端を接続し直流電源と負荷の電流路を構成する。
本発明の説明において、該直流電源の一端は正極性電位であり、該直流電源の他端は負極性電位とする。
(6−2−1)FETQ1を非導通とする動作概要
端子T1の電位をV1、端子T2の電位をV2とすると、V1≦V2ではバイポーラトランジスタQ3は非導通又は少しだけ浅い導通状態にあり、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通するため、抵抗素子R1による電圧降下によりバイポーラトランジスタQ2のコレクタCの電位は低下し略0Vである(制御回路の動作)。この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1は非導通である(制御回路の動作と併せて整流回路の動作となる。)。
すなわち、FETQ1のドレインDからソースSへ向かう電流は流れない。よって、端子T2は、ダイオードのカソード、端子T1は、ダイオードのアノードとして、図6の回路は動作する。
(6−2−2)FETQ1を導通とする動作概要
逆に、V1>V2ではバイポーラトランジスタQ3が導通し、バイポーラトランジスタQ2は非導通であるため、抵抗素子R1による電圧降下がなく、バイポーラトランジスタQ2のコレクタCの電位は端子T3に印加された直流電源電圧まで上昇し(制御回路の動作)、この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1を導通とする(制御回路の動作と併せて整流回路の動作となる。)。
すなわち、FETQ1のソースからドレインへ向かう電流は流れる。よって、端子T1は、ダイオードのアノード、端子T2は、ダイオードのカソードとして、図6の回路は動作する。
上記説明において補足すると、FETQ1が非導通のときは、FETQ1のドレインDからソースSに向かう電流は流れないことは勿論であるが、FETQ1のボディダイオードにより、ソースからドレイン方向へ向かう電流は流れることが可能である。ただし、V1≦V2においてFETQ1が非導通となる前提条件があるため、ソースからドレイン方向へ向かう電流は有り得ない。
また、FETQ1が導通のときは、FETQ1のソースSからドレインDに向かう電流が流れることは勿論であるが、FETQ1のドレインDからソースS方向へ向かう電流も流れることが可能である。ただし、V1>V2のときにおいてFETQ1が導通となる前提条件があるため、FETQ1ドレインからソース方向へ向かう電流は有り得ない。
FETQ1の導通時は、FETQ1のボディダイオードによらずFETQ1の極めて低い導通抵抗によりソースからドレイン方向へ向かう電流を流すことができるので、PN接合ダイオードによる整流より遙かに有利である。
以下、図6を参照して本発明の第6の実施の形態について、詳細な説明をする。ただし、以下の式(1−1)、式(1−2)の前提条件が存在する。
EC3/hfe3>ICE2/hfe2・・・・式(1−1)
式(1−1)は、IBC3>IBE2を表している。
hfe2・r1>hfe3・r2・・・・・・式(1−2)
式(1−1)は式(1−2)と等価である。
式(1−2)に基づき、場合の条件式を展開すると、以下の式が考えられる。
hfe2=hfe3の場合、r1>r2・・・式(2)
hfe2>hfe3の場合、r1≧r2・・・式(3)
hfe2≫hfe3の場合、r1<r2・・・式(4)
hfe2<hfe3の場合は、ここでは考えない。
ただし、hfe2はバイポーラトランジスタQ2のエミッタE接地時の電流増幅率、hfe3はバイポーラトランジスタQ3のコレクタC接地時の電流増幅率。
BE2は、バイポーラトランジスタQ2のベース電流、IBC3は、バイポーラトランジスタQ3のベース電流。
CE2は、バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電流、IEC3はバイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流。
r1は抵抗素子R1の抵抗値、r2は抵抗素子R2の抵抗値である。
バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位をVe2、バイポーラトランジスタQ3コレクタ電位をVc3、Ve2=V1、Vc3=V2とする。
条件:A6
Ve2=Vc3(V1=V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位=バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。)では、バイポーラトランジスタQ3が少しだけ浅く導通し、バイポーラトランジスタQ2が確実に導通する。
図6の回路では、hfe2>hfe3であるため、式(3)を適用する。
hfe2>hfe3である理由は、バイポーラトランジスタQ2はエミッタ接地、バイポーラトランジスタQ3はコレクタ接地であるためである。よって、IBC3>IBE2で表されるとおり、バイポーラトランジスタQ3のベース電流は多く、バイポーラトランジスタQ2のベース電流は少ない。
ただし、バイポーラトランジスタQ2、Q3は、同一の接地回路(両トランジスタをエミッタ接地とした場合など)において略同一のhfeである場合の例である。また、温度特性なども略同一のものを使用することが好適である。
図6において、上記、「hfe2>hfe3の場合、r1≧r2・・・式(3)が成立し、バイポーラトランジスタQ2のエミッタE、バイポーラトランジスタQ3のコレクタC間の電位が略同一であるとき、結果的に、IBC3>IBE2となる。したがって、バイポーラトランジスタQ3を導通させるためのベース順方向電圧VBC3が、VBC3>VBE2となる。
上記の状態において、バイポーラトランジスタQ2とバイポーラトランジスタQ3のベースは接続されているため、両ベース電位はV’BC3=V’BE2となるように均衡し、
BC3>V’BC3=V’BE2>VBE2の状態で、VBC3とVBE2との中間的電位に落ち着く。
したがって、バイポーラトランジスタQ3を導通させるためのベース電位V’ BC3が、バイポーラトランジスタQ3の導通に必要な電位VBC3を下回り、このため、IBC3及びIEC3は、バイポーラトランジスタQ3のベースBに通常のベース順方向電圧VBC3が印加されたときより少なくなる。
両バイポーラトランジスタのベース電位、V’BC3=V’BE2の均衡によってIBC3及びIEC3が減少するが、R2を流れる電流は、Ir2=V3/r2であり、r2により制限されて変わらないので、
BC3及びIEC3が減少した分だけIBE2が多く流れ、バイポーラトランジスタQ2は、確実な導通状態を維持できる。
ただし、V’ BE2は、バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位に対するベース電位、
V’ BC3は、バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位に対するベース電位。
ベース順方向電圧VBE2は、バイポーラトランジスタQ2のコレクタC、エミッタE間が導通する電圧。
ベース順方向電圧VBC3は、バイポーラトランジスタQ3のエミッタE、コレクタC間が導通する電圧である。
BC3>IBE2についてさらに説明を加えると、
hfe2は、hfe2=ICE2/IBE2で表され、
hfe3は、hfe3=IEC3/IBC3で表される。
CE2はr1の逆数の関数、IEC3はr2の逆数の関数で表わされ、
EC3/hfe3>ICE2/hfe2・・・・式(1−1)と、
hfe2>hfe3の場合、r1≧r2・・・式(3)のr1≧r2の関係により、
EC3≧ICE2の傾向にあり、さらに式(3)のhfe2>hfe3の関係により、
結果としてIBC3>IBE2となる。
BC3>IBE2であるため、電流量の少ないIBE2が流れるバイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧VBE2は、電流量の多いIBC3が流れるバイポーラトランジスタQ3のベース順方向電圧VBC3よりも小さい。
したがって、上記のとおり、VBC3>VBE2となる。
EC3≒V3/r2、ICE2=V3/r1である。ただし、V3は端子T3に印加される直流電源電位である。
ここで、IEC3≒V3/r2であり、IEC3=V3/r2ではないのは、抵抗素子R2には、バイポーラトランジスタQ2、Q3にベース電流を流すためである。
バイポーラトランジスタQ2は確実に導通するため、バイポーラトランジスタQ2のコレクタC電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートGにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
条件:B6
Ve2<Vc3’(V1<V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位<バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。)では、バイポーラトランジスタQ3が非導通であり、バイポーラトランジスタQ2が確実に導通する。
Ve2<Vc3’を別の表現をすると、Ve2<Vc3’は、Ve2=Vc3+Vαと表現できる。
上記条件:A6の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVα上昇すると、バイポーラトランジスタQ3は、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位を維持するため、ベース電位がVα上昇することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は、さらに上昇し、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のコレクタCの電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートGにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
なお、バイポーラトランジスタQ3が非導通となる理由は、バイポーラトランジスタQ3のベースBにとっては、コレクタ側から逆バイアス電圧が印加されたこととなり、ベース電流が流れなくなるためである。
条件:C6
Ve2>Vc3”(V1>V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位>バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。)では、バイポーラトランジスタQ3が導通し、バイポーラトランジスタQ2が非導通となる。
Ve2>Vc3”を別の表現をすると、Ve2>Vc3”は、Ve2=Vc3−Vβと表現できる。
上記条件A6の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVβ低下すると、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位を維持するため、ベース電位がVβ低下することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は低下し、バイポーラトランジスタQ2は非導通となる。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のコレクタC電位は上昇し、端子T3に印加される直流電源電位となり、この電位が印加されるFETQ1のゲートGにおいて、FETQ1は導通となる。このため、FETQ1のソースSから、ドレインDに電流が流れ、FETQ1のソースSは、ダイオードのアノード、FETQ1のドレインDは、ダイオードのカソードの機能を有する。
なお、バイポーラトランジスタQ3が導通となる理由は、バイポーラトランジスタQ3のベースBにとっては、コレクタC側から順バイアス電圧が印加されたこととなり、ベース電流が充分流れるためである。
図6の回路において、FETQ1のドレインDと端子T2間に誘導性素子であるインダクターLを挿入する理由は、当該回路のFETQ1を非導通とする電流路遮断に係る周波数特性を良くするためである。
この動作原理は、V1>V2からV1≦V2に端子T1、端子T2間に印加される電位が遷移したとき、バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位は直ちにV2となるが、インダクターLにより、FETQ1のドレインに印加される電位V2に遅れが発生するため、FETQ1が非導通となるまでに時間を稼ぐためである。
仮に、インダクターLが、FETQ1が配設されている電流路のFETQ1のドレインD側電流路に挿入されていない場合、各素子、特にバイポーラトランジスタQ2、Q3及びFETQ1のゲートの電荷放電時間による電位の伝達の遅れにより、FETQ1が導通から非導通に遷移するための時間的遅れが発生する。
したがって、FETQ1が導通状態のまま、電流がFETQ1のドレインDからソースSに逆流してしまう。
端子T2に別の電源による電位V2が印加されている状態において、上記のように、FETQ1の導通から非導通への遅れの発生と、端子T1の電位V1が、V1<V2なる条件が重なると端子T2に印加された電位V2により、端子T1に接続されている電源側へ電流が流れる。
このような、事態が発生すると整流回路としての機能が失われる。インダクターLは、端子T2に印加される電位V2のFETQ1のドレインDへの伝達を遅らせる機能を有する。このインダクターLにより、高調波パルス電位が印加されるスイッチング電源等の整流回路に適合可能となる。
(7)第7の実施の形態
(7−1)回路構成
図7は、本発明による第7の実施の形態である整流回路及び整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。
第7の実施の形態における図7は、第6の実施の形態における図6から誘導性素子であるインダクターLを取り除き、端子T2とFETQ1のドレインDを直接接続した回路である。
したがって、図7の回路は、インダクターLを除き各素子の符号は、図6の回路の各素子の符号と同一の符号を付し、図1の回路構成の説明を援用し、重複する説明を割愛する。
(7)第7の実施の形態
(7−2)回路動作
第7の実施の形態における図7の回路は、第6の実施の形態における図6の回路から誘導性素子であるインダクターLを取り除き、端子T2とFETQ1のドレインDを直接接続した回路である。
したがって、図7の回路動作の説明は、図6の回路動作の説明から、誘導性素子であるインダクターLの動作説明を削除したものと同一であり、同一である重複する説明は割愛する。
図7には、インダクターLが存在しないため、図6における動作説明のFETQ1を非導通とする電流路遮断に係る周波数特性を良くする必要のない高周波数における遮断特性が要求されない整流回路、直流電源を並列接続するためのORingFETダイオード回路等に好適である。
(8)第8の実施の形態
(8−1)回路構成
図8は、本発明による第8の実施の形態である整流回路及び整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。
第8の実施の形態における図8の回路は、第6の実施の形態における図6の回路から誘導性素子であるインダクターLを取り除き、端子T2とFETQ1のドレインDを直接接続し、さらに、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間の接続を開放した回路である。すなわち、バイポーラトランジスタQ3のエミッタが開放されている。
したがって、図8の回路の各素子の符号は、図6の回路の各素子の符号と同一の符号を付し、図6の回路構成の説明を援用し、重複する説明を割愛する。
(8)第8の実施の形態
(8−2)回路動作
図8を参照して本発明の第8の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
第8の実施の形態における図8の回路は、第6の実施の形態における図6の回路から誘導性素子であるインダクターLを取り除き、出力端子T2とFETQ1のドレインDを直接接続し、さらに、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間の接続を開放した回路である。
本発明の第8の実施の形態である図8の回路は、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタEが接続されていない回路であり、すなわち、本発明の第8の実施の形態における破線で囲まれた制御回路が、本発明の第6の実施の形態である図6の破線で囲まれた制御回路の回路動作と相違するところは、この点に起因する。
本発明の第8の実施の形態の説明においても、第6の実施の形態で使用した電位値、電流値、電流増幅率、抵抗値等の記号は同一の記号を使用し該記号の意義も同一とする。
したがって、図8の回路動作の説明は、図6の回路動作の説明から、誘導性素子であるインダクターLの動作説明を削除し、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間の接続を開放した回路動作について中心に説明し、図6の回路と動作が共通する部分は図6の回路の動作説明を援用し、重複する説明は割愛する。
図8の回路には、インダクターLが存在しないため、図6の回路における動作説明の電流路遮断(FETQ1を非導通とする)に係る周波数特性を良くする必要のない高周波数における遮断特性が要求されない整流回路、直流電源を並列接続するためのORingFETダイオード回路等に好適である。
図8の回路において、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタE間は解放されているため、バイポーラトランジスタQ3は、ベースBがP型、コレクタCがN型のPN接合のダイオードとして機能する。
(8−2−1)FETQ1を非導通とする動作概要
端子T1の電位をV1、端子T2の電位をV2とすると、V1≦V2では、バイポーラトランジスタQ3のベースB、コレクタC間に、コレクタ電位を基準として、ベース順方向電圧V”BC3=約0.6Vの標準的PN接合電位差が発生し、バイポーラトランジスタQ3と共通ベース電位を有するバイポーラトランジスタQ2のベース電位によりバイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
図8の回路では、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流が流れないため、
BC3+I BE2 =V3/r2であり、V3/r2が一定であれば、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流が流れるときよりも、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電流が流れないときの方が、IBC3は大きい。
したがって、バイポーラトランジスタQ2の電流路に電流が流れるため、抵抗素子R1による電圧降下によりバイポーラトランジスタQ2のコレクタCの電位は低下し略0Vである(制御回路の動作)。
この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1は非導通である(制御回路の動作と併せて整流回路の動作)。
すなわち、FETQ1のドレインDからソースSへ向かう電流は流れない。よって、端子T1は、ダイオードのアノード、端子T2は、ダイオードのカソードとして、図8の回路は動作する。
(8−2−2)FETQ1を導通とする動作概要
逆に、V1>V2では、第6の実施の形態と同様にバイポーラトランジスタQ3のベースBの電位が低下し、バイポーラトランジスタQ2は非導通となるため、抵抗素子R1による電圧降下がなく、バイポーラトランジスタQ2のコレクタCの電位は端子T3に印加された直流電源電圧まで上昇し(制御回路の動作)、この電位が伝達されるFETQ1のゲート電位により、FETQ1を導通とする(制御回路の動作と併せて整流回路の動作)。
すなわち、FETQ1のソースからドレインへ向かう電流は流れる。よって、端子T1は、ダイオードのアノード、端子T2は、ダイオードのカソードとして、図8の回路は動作する。
以下、図8を参照して本発明の第8の実施の形態について、詳細な説明をする。ただし、以下の式(5)の前提条件が存在する。
I’BC3>ICE2/hfe2・・・式(5)
I’BC3>IBE2・・・式(6)
式(5)は式(6)を意味する。すなわち、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBE2をバイポーラトランジスタQ3のベース電流I’BC3より小さく設定する。
バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電流ICE2は、ICE2=V3/r1であり、バイポーラトランジスタQ2の電流増幅率がhfe2のとき、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBE2は、IBE2=V3/r1/hfe2となる。
バイポーラトランジスタQ3のベース電流I’BC3と、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBE2の和、I’BC3+IBE2は、V3/r2で制限されるため、
I’BC3+IBE2=V3/r2となる。(I’BC3+V3/r1/hfe2)=V3/r2・・・式(7)となる。
ただし、I’BC3は、バイポーラトランジスタQ3のエミッタE開放時のバイポーラトランジスタQ3のベース電流。V”BC3は、バイポーラトランジスタQ3のエミッタE開放時のバイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位に対するベース電位。
条件:A8
Ve2=Vc3(V1=V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位=バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。FETQ1のソース電位=ドレイン電位。)
バイポーラトランジスタQ3のベース順方向電圧V”BC3が約0.6V(標準的PN接合ダイオードの順方向電圧)であるので、この電圧より低いバイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧VBE2において、バイポーラトランジスタQ3と共通ベース電位を有するバイポーラトランジスタQ2のベース電位によりバイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
前提条件、I’BC3>IBE2・・・式(6)から、第1の実施の形態における図1の説明を援用し、V”BC3>V”’BC3=V”BE2>VBE2であり、バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位=バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位であれば(FETQ1のソース電位=ドレイン電位)、ベース電位を共通とするバイポーラトランジスタQ2とバイポーラトランジスタQ3において、このときのバイポーラトランジスタQ2のベース電位V” BE2は、バイポーラトランジスタQ2のベース電流IBE2=ICE2/hfe2で定められたバイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧VBE2より高い(V” BE2>VBE2)。
バイポーラトランジスタQ2のベース順方向電圧VBE2と、バイポーラトランジスタQ3のベース順方向電圧V”BC3とで合成された電位(V” BE2=V”’BC3)となり、バイポーラトランジスタQ2を充分導通とするためのベース順方向電圧を得る。
ただし、V”’BC3、V”BE2は、ベースBを共通電位とするバイポーラトランジスタそれぞれQ3、Q2の条件A8におけるベース電位である。すなわち、電位V”BC3とVBE2が均衡した電位である。
バイポーラトランジスタQ2とバイポーラトランジスタQ3のベースは接続されているため、両ベース電位はV”’BC3=V”BE2となるよう、V”BC3>V”’BC3=V”BE2>VBE2で均衡する。
このように、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通するため、バイポーラトランジスタQ2のコレクタC電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
条件:B8
Ve2<Vc3’(V1<V2の状態。バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位<バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位。FETQ1のソース電位<ドレイン電位。)では、バイポーラトランジスタQ2が確実に導通する。
Ve2<Vc3’を別の表現をすると、Ve2<Vc3’は、Ve2=Vc3+Vαと表現できる。
上記条件(A8)の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVα上昇すると、バイポーラトランジスタQ3は、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位差を維持するため、ベース電位がVα上昇することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は、さらに上昇し、バイポーラトランジスタQ2は確実に導通する。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のコレクタCの電位は低下し略0Vであり、この電位が印加されるFETQ1のゲートにおいて、FETQ1は非導通である。このため、FETQ1のドレインDから、ソースSに電流は流れず、ダイオードの逆方向電流阻止の機能を有する。
条件:C8
Ve2>Vc3”
これは、V1>V2の状態であり、バイポーラトランジスタQ2のエミッタ電位>バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電位、FETQ1のソース電位>ドレイン電位である。このとき、バイポーラトランジスタQ2が非導通となる。
Ve2>Vc3”を別の表現をすると、Ve2>Vc3”は、Ve2=Vc3−Vβと表現できる。
上記条件A8の説明に加え、バイポーラトランジスタQ3のコレクタCの電位がVc3からVβ低下すると、定められた自己のコレクタC、ベースB間電位を維持するため、ベース電位がVβ低下することになる。このため、バイポーラトランジスタQ3のベースBと同電位であるバイポーラトランジスタQ2のベースB電位は低下し、バイポーラトランジスタQ2は非導通となる。
したがって、バイポーラトランジスタQ2のコレクタC電位は上昇し、端子T3に印加される直流電源電位となり、この電位が印加されるFETQ1のゲートにおいて、FETQ1は導通となる。
(9)第9の実施の形態
(9−1)回路構成
図9は、本発明による第9の実施の形態である整流回路及び整流回路における整流電流路を構成する第1半導体素子であるNチャネルFETQ1を制御する制御回路を示す回路構成図である。制御回路は、図9において破線で囲まれた回路である。
第9の実施の形態における図9の回路は、第6の実施の形態における図6の回路に第4半導体素子であるNPNバイポーラトランジスタQ4、第5半導体素子であるPNPバイポーラトランジスタQ5によるエミッタフォロア電流増幅回路を追加したものである。
したがって、図9において、第6の実施の形態である図6の回路に共通する回路の各素子には図6の符号と同一の符号を付し、図6の回路構成の説明を援用し、重複する説明を割愛する。
図9において、バイポーラトランジスタQ4及びQ5のベースは、バイポーラトランジスタQ2のコレクタCに接続され、バイポーラトランジスタQ4とバイポーラトランジスタQ5のエミッタは、FETQ1のゲートGに接続され、バイポーラトランジスタQ4のコレクタは端子T3に、バイポーラトランジスタQ5のコレクタは端子T1に接続されている。
(9)第9の実施の形態
(9−2)回路動作
図9を参照して本発明の第9の実施の形態である整流回路及び制御回路の回路動作を説明する。
図9は、第6の実施の形態である図6にエミッタフォロワ電流増幅回路が付加され、FETQ1のゲート容量を充電するに充分な電流を供給することができる。
バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位が高い(端子T3の電位)とき、バイポーラトランジスタQ4が導通し、バイポーラトランジスタQ5が非導通で、FETQ1を導通させ、バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電位が低い(端子T1の電位)とき、バイポーラトランジスタQ4は非導通で、バイポーラトランジスタQ5が導通となり、FETQ1を非導通とさせる。
上記以外は第6の実施の形態である図6の回路動作の説明のとおりであり、図9の説明は図6の説明を援用し、重複する説明を割愛する。
本発明には、第1から第9の実施の形態が存在し、図1から図9が存在する。本発明は、図1〜図9のそれぞれの特徴的部分をそれぞれ組み合わせて実現可能である。
すなわち、インダクターLの有無、バイポーラトランジスタQ3のベースBとエミッタEとの接続又は開放、バイポーラトランジスタQ2のコレクタ接地又はエミッタ接地の選択の組み合わせである。
Q1〜Q5 半導体素子
R1〜R3 抵抗素子
D 整流素子
C 容量素子
LED 発光素子
PD1〜PDn 受光素子
RD 定電流素子
T1、T2、T3 端子
T1’、T2’ 端子

Claims (4)

  1. 第1制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第1半導体素子と、
    第2制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第2半導体素子と、
    第3制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第3半導体素子と、
    第1抵抗素子と、第2抵抗素子と、を備え、
    前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
    前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
    前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
    前記第1半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第3半導体素子の電流路の他端に伝達されるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は低下し前記第1半導体素子の電流路は非導通であり、前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は上昇し前記第1半導体素子の電流路が導通する前記第2半導体素子の電流路の他端と前記第3半導体素子の電流路の他端間を整流作用電流路とすることを特徴とする整流回路。
  2. 第1制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第1半導体素子と、
    第2制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第2半導体素子と、
    第3制御端を有し電流路の一端及び他端を有する第3半導体素子と、
    第1抵抗素子と、第2抵抗素子と、誘導性素子と、を備え、
    前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
    前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
    前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
    前記第1半導体素子の電流路の他端と前記第3半導体素子の電流路の他端との間に前記誘導性素子が挿入され、
    前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は低下し前記第1半導体素子の電流路は非導通であり、前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位が伝達される前記第1制御端の電位は上昇し前記第1半導体素子の電流路が導通する前記第2半導体素子の電流路の他端と前記第3半導体素子の電流路の他端間を整流作用電流路とすることを特徴とする整流回路。
  3. 請求項に記載の整流回路における第1半導体素子の導通/非導通を制御する制御回路であって、該制御回路は、前記整流回路から前記第1半導体素子を除去した回路であり、
    前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
    前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
    前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、外部素子として構成される第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
    前記外部素子として構成される第1半導体素子の電流路の他端の電位は、前記第3半導体素子の電流路の他端に伝達されるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位を低電位として出力し、
    前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通となり該第2半導体素子の電流路の一端の電位を高電位として出力し、
    前記外部素子として構成される第1半導体素子の制御端に前記低電位又は前記高電位を排他的に出力すべく構成され、前記外部素子として構成される第1半導体素子を非導通又は導通に排他的制御することを特徴とする制御回路。
  4. 請求項に記載の整流回路における第1半導体素子の導通/非導通を制御する制御回路であって、該制御回路は、前記整流回路から前記第1半導体素子及び前記誘導性素子を除去した回路であり、
    前記第2制御端及び前記第3制御端には、前記第2抵抗素子を介して外部のバイアス電位が印加されるべく構成され、
    前記第2半導体素子の電流路の一端には前記第1抵抗素子を介して外部の直流電源が供給する電流が流れるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の一端は開放され、
    前記第2半導体素子の電流路の他端の電位は、外部素子として構成される第1半導体素子の電流路の一端に伝達されるべく構成され、
    前記外部素子として構成される第1半導体素子の他端の電位は、外部素子として構成される誘導性素子の一端に伝達されるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の他端には、前記外部素子として構成される誘導性素子の他端の電位が伝達されるべく構成され、
    前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位と同一又は超えるとき、該第2半導体素子の電流路は導通し該第2半導体素子の電流路の一端の電位を低電位として出力し、
    前記第3半導体素子の電流路の他端の電位が前記第2半導体素子の電流路の他端の電位未満のとき、該第2半導体素子の電流路は非導通となり該第2半導体素子の電流路の一端の電位を高電位として出力し、
    前記外部素子として構成される第1半導体素子の制御端に前記低電位又は前記高電位を排他的に出力すべく構成され、前記外部素子として構成される第1半導体素子を非導通又は導通に排他的制御することを特徴とする制御回路。
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