JP5547145B2 - ベンゼン分解処理装置 - Google Patents

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本発明は、ベンゼン分解触媒を備えるベンゼン分解処理装置に関する。
改正大気汚染防止法の施行等により、ベンゼン等の揮発性有機化合物(Voratile Organic Compounds;VOC)の排出量を削減することが求められている。そこで、白金等を含む触媒を用いた触媒燃焼法によってVOCを分解処理することが知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開2001−219068号公報
しかしながら、前述の触媒によって、ベンゼンのような分子構造が安定なVOCを十分に分解するためには、高温で分解反応を行う必要がある。このため、エネルギーの消費量やコストが増大する等の問題があった。さらに、前述の触媒では、低濃度のベンゼンを十分に分解することが難しいという問題もあった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来よりも低温な環境であっても効率的にベンゼンを分解処理可能なベンゼン分解処理装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、白金ナノ粒子を含む触媒成分及び酸素の吸蔵と放出を行う酸素吸蔵物質を多孔質物質に担持させることで、従来よりも低温環境下であっても効率的にベンゼンを分解できるという知見を得、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、導入された処理対象ガスに含まれるベンゼンを、ベンゼン分解触媒にて触媒燃焼させることによって分解処理するベンゼン分解処理装置であって、前記ベンゼン分解触媒の温度を検出する温度検出部と、前記ベンゼン分解触媒を加熱するヒータ部と、前記温度検出部での検出温度が前記ベンゼン分解触媒における好適反応温度範囲よりも低い場合に、前記ヒータ部を動作させて前記ベンゼン分解触媒を加熱する温度制御部と、を備え、前記ベンゼン分解触媒は、白金ナノ粒子を含む触媒成分と、酸素を吸蔵するとともに放出する酸素吸蔵物質と、前記触媒成分及び前記酸素吸蔵物質を担持する多孔質物質と、前記多孔質物質が表面にコーティングされる基材と、を備えることを特徴とする。本発明によれば、従来よりも低温環境下であっても効率的にベンゼンを分解できる。さらに、ベンゼンの分解処理に伴う発熱が十分ではない反応初期の段階から、ベンゼンの分解効率を高めることができる。
また、本発明は、導入された処理対象ガスに含まれるベンゼンを、ベンゼン分解触媒にて触媒燃焼させることによって分解処理するベンゼン分解処理装置であって、前記ベンゼン分解触媒の温度を検出する温度検出部と、前記処理対象ガスの導入量を調整する導入量調整部と、前記温度検出部での検出温度が前記ベンゼン分解触媒における好適反応温度範囲よりも低い場合に、前記処理対象ガスの導入量を増やすように前記導入量調整部を制御し、前記温度検出部での検出温度が前記ベンゼン分解触媒における好適反応温度よりも高い場合に、前記処理対象ガスの導入量を減らすように前記導入量調整部を制御するガス導入量制御部と、を備え、前記ベンゼン分解触媒は、白金ナノ粒子を含む触媒成分と、酸素を吸蔵するとともに放出する酸素吸蔵物質と、前記触媒成分及び前記酸素吸蔵物質を担持する多孔質物質と、前記多孔質物質が表面にコーティングされる基材と、を備えることを特徴とする。本発明によれば、従来よりも低温環境下であっても効率的にベンゼンを分解できる。さらに、処理対象ガスの導入量を増やすことでベンゼンの分解処理に伴う発熱量が増え、処理対象ガスの導入量を減らすことでベンゼンの分解処理に伴う発熱量が減ることが期待できるので、外部からの加熱冷却量を抑制しつつベンゼン分解触媒を好適反応温度に維持できる。
上記ベンゼン分解触媒において、酸素吸蔵物質はCeO-ZrOであることが好ましく、多孔質物質はAlであることが好ましい。また、触媒成分の白金ナノ粒子の平均粒子径は2.5nmであることが好ましい。
上記ベンゼン分解触媒において、前記基材が、シート状のベース部と、前記ベース部の表面から立ち上がった複数の突出片とを含んでいる場合には、ベース部と突出片のそれぞれに、触媒成分と酸素吸蔵物質とを担持した多孔質物質がコーティングされるので、ベンゼンが接触し易くなって分解効率を高めることができる。
上記ベンゼン分解触媒において、前記ベース部は短尺辺と長尺辺とを有する矩形帯状であり、前記基材が一方の前記短尺辺を中心として螺旋状に巻回された形状に設けられている場合には、突出片が介在することで、ベース部は隙間を空けた状態で巻回されるため、ベンゼンが接触し易くなって分解効率を高めることができる。
本発明によれば、従来よりも低温な環境であっても効率的にベンゼンを分解可能なベンゼン分解処理装置を提供できる。
(a)はベンゼン分解処理装置の概略構成図であり、(b)はベンゼン分解触媒とヒータの配置例を示す図であり、(c)はベンゼン分解触媒とヒータにおける他の配置例を示す図である。 (a)はベンゼン分解触媒における基材表面の構造を説明するための模式図であり、(b)はベンゼン分解触媒の構成成分の一例を示す表である。 ベンゼン分解触媒における基材表面の一部を示す斜視図である。 ベンゼン分解触媒における基材の全体構造を示す斜視図である。 分解確認試験に用いた実験装置を説明する模式図である。 分解確認試験の実験手順を説明する図である (a)は異なるベンゼン濃度ごとに、反応温度とベンゼンの分解率との関係を示すグラフであり、(b)は異なるベンゼン濃度ごとに、反応温度とベンゼンの分解速度との関係を示すグラフである。 (a)は異なる空間速度ごとに、反応温度とベンゼンの分解率との関係を示すグラフであり、(b)は異なる空間速度ごとに、反応温度とベンゼンの反応速度との関係を示すグラフである。 (a)は異なる反応温度範囲ごとに、反応温度と分解率との関係を示すグラフであり、(b)は異なる反応温度範囲ごとに、反応温度と物質収支との関係を示すグラフである。 本実施形態にかかるベンゼン分解触媒と、市販の白金系触媒とのベンゼン分解性能を比較するためのグラフである。 (a)は市販の白金系触媒のベンゼン分解性能を示すグラフであり、(b)は市販の白金系触媒のベンゼン分解性能を示す他のグラフである。
===ベンゼン分解処理装置の構成===
まず、図1を参照して、本実施形態にかかるベンゼン分解処理装置について説明する。図1(a)は、ベンゼン分解処理機能を有するドラフトチャンバーシステム10の概略構成図である。この実施形態ではドラフトチャンバーシステム10がベンゼン分解処理装置に相当する。例示したドラフトチャンバーシステム10は、チャンバー本体11と、排気ユニット12と、排気ダクト13と、ベンゼン分解触媒1と、ヒータユニット14と、ヒータスイッチ15と、温度センサ16と、制御部17とを有している。
チャンバー本体11は、各種化学物質の処理などを行う作業空間を区画する箱状体であり、作業者側の前面には上下方向にスライドする透明なスライド板が設けられ、開口部の大きさが調整できるように構成されている。また、このチャンバー本体11には、作業空間の空気(処理対象ガスに相当する)を排出すべく排気用の開口部も設けられている。
排気ユニット12は、作業空間の空気を吸い出してチャンバー本体11の外へ排出する部分である。本実施形態における排気ユニット12は、速度が可変の排気ファン12aを有しており、排気ファン12aの回転速度を変えることで、空気の排出量を調整することができる。そして、チャンバー本体11の外へ排出された作業空間の空気は、排気ダクト13を通じてベンゼン分解触媒1に導入され、分解処理される。このため、排気ユニット12は、処理対象ガスのベンゼン分解触媒1への導入量を調整する導入量調整部に相当する。
排気ダクト13は、排気ユニット12から排出された作業空間の空気を案内する筒状部材であり、処理対象ガスの排出流路を区画する。このため、排気ダクト13の一端は排気ユニット12に連通され、他端は大気開放されている。そして、排気ダクト13によって区画される排気流路の途中には、ベンゼン分解触媒1が設けられている。このベンゼン分解触媒1は、作業空間の空気に含まれるベンゼンを、触媒燃焼によって分解処理するものであり、その直径が排気ダクト13の内径と同じか僅かに小さい程度の円柱状であって、空気を通すための隙間が設けられている。なお、このベンゼン分解触媒1については、後で詳しく説明する。
ヒータユニット14は、ベンゼン分解触媒1を加熱する部分であり、ヒータ部に相当する。後述するように、ベンゼン分解触媒1にはベンゼンの分解処理に適した温度範囲(好適温度範囲)がある。ある程度の量のベンゼンが分解処理されると、反応熱によってベンゼン分解触媒1が加熱され、この好適温度範囲を維持することができる。しかし、分解初期の段階や分解対象のベンゼンの量が少ない場合には、得られる反応熱だけでベンゼン分解触媒1を好適温度範囲に維持することは難しい。そこで、本実施形態では、ベンゼン分解触媒1を加熱するためのヒータユニット14を設けている。
ヒータユニット14は、通電によって加熱するものが好適に用いられる。このヒータユニット14は、例えば図1(a)に示すように、排気ダクト13の外周部分に設けられ、排気ダクト13を介してベンゼン分解触媒1を加熱するものを用いることができる。また、図1(b)に示すように、ベンゼン分解触媒1におけるガス流れ方向の上流側端部にヒータユニット14を配置してもよい。さらに、図1(c)に示すように、ベンゼン分解触媒1の外周部分を囲繞するようにヒータユニット14を配置してもよい。
ヒータスイッチ15は、ヒータユニット14と制御部17の間に介在し、制御部17からの制御信号に従ってヒータユニット14に対する通電量を制御する。ヒータユニット14は通電量に応じて温度が変化するので、ヒータスイッチ15と制御部17の組は、ヒータ部の動作を制御する温度制御部に相当する。
温度センサ16は、ベンゼン分解触媒1の温度を検出する部分であり、温度検出部に相当する。この温度センサ16は、ベンゼン分解触媒1の外周面に配置される。好適には、外周面におけるガス流れ方向の中間から上流側の範囲に配置される。これは、ベンゼン分解触媒1で処理される排出空気(処理対象ガス)に関し、含有されるベンゼンの濃度が上流側ほど高いため、ベンゼン分解触媒1の温度も上流側ほど高くなる傾向が見られるためである。そして、温度センサ16からの検出信号は制御部17に出力される。この検出信号により、制御部17はベンゼン分解触媒1の温度を認識することができる。
制御部17は、ドラフトチャンバーシステム10における制御の中心となる部分であり、CPUやメモリなどを含んで構成されている。この制御部17は、メモリに記憶されたコンピュータプログラムに従って動作し、排気ユニット12による排出量の制御やヒータユニット14によるベンゼン分解触媒1の加熱制御などを行う。
前述したように、制御部17は、ヒータスイッチ15とともに温度制御部を構成する。この場合、制御部17は、温度センサ16での検出温度がベンゼン分解触媒1における好適反応温度範囲よりも低い場合に、ヒータスイッチ15に通電量を増やす旨の制御信号を出力する。この制御信号に基づいてヒータスイッチ15は、ヒータユニット14への通電量を増加させる。その結果、ヒータユニット14の温度が上昇し、ベンゼン分解触媒1がその分加熱される。また、温度センサ16での検出温度が好適反応温度範囲の下限値以上に上昇した場合、制御部17は、ヒータスイッチ15に通電を止める旨の制御信号を出力する。この制御信号に基づいてヒータスイッチ15は、ヒータユニット14への通電を停止させる。その結果、ヒータユニット14による加熱が停止される。
また、制御部17は、ガス導入量制御部としても機能する。この場合、制御部17は、温度センサ16での検出温度がベンゼン分解触媒1における好適反応温度範囲よりも低い場合に、排気ファン12aの回転速度を上昇させることで作業空間の空気排出量を増やす。一方、制御部17は、温度センサ16での検出温度が好適反応温度範囲よりも高い場合に、排気ファン12aの回転速度を低下させることで作業空間の空気排出量を減らす。
===ベンゼン分解触媒の構成===
次に、図2(a)〜図4を参照して、ベンゼン分解触媒1について詳細に説明する。ここで、図2(a)は、ベンゼン分解触媒1が有する基材5の表面における白金ナノ粒子2、酸素吸蔵物質3、多孔質物質4の構造を説明するための模式図である。図2(b)は、ベンゼン分解触媒1の構成成分の一例を示す表である。図3は、基材5の表面の一部を示す斜視図である。図4は、基材5の全体構造を示す斜視図である。
ベンゼン分解触媒1は、揮発性有機化合物(VOC)の一種であるベンゼンを酸化して二酸化炭素(CO)と水(HO)とに分解する(触媒燃焼反応)。このベンゼン分解触媒1は、特にベンゼン(C)について効率よく分解できるように、スクリーニングされたものである。
図2(a),(b)に示すように、ベンゼン分解触媒1は、白金ナノ粒子(触媒成分)2と、酸素吸蔵物質3と、多孔質物質4と、基材5とを備えている。
白金ナノ粒子2は、白金(Pt)をナノレベルの微粒子に加工したものである。本実施形態では平均直径が2.5nm(標準偏差0.033%)の微粒子に加工されたものを用いている。
酸素吸蔵物質3は、酸素を吸収するとともに、吸収した酸素を放出する物質である。本実施形態では、酸素吸蔵物質3として酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物(CeO−ZrO)を用いている。酸素吸蔵物質3を用いることにより、酸素過剰雰囲気では酸素が吸蔵され、還元雰囲気では酸素が放出されるため、酸素量を適切に調整することができ、触媒燃焼反応を促進できる。
多孔質物質4は、白金ナノ粒子2及び酸素吸蔵物質3を担持する物質である。本実施形態では、多孔質物質4として酸化アルミナ(Al)を用いている。そして、白金ナノ粒子2及び酸素吸蔵物質3は、例えば含浸法を用いることで多孔質物質4に担持させることができる。
基材5は、表面に多孔質物質4がコーティングされる部分であり、本実施形態ではステンレスによって作製されている。なお、耐熱性を有し多孔質物質4がコーティングできれば他の金属であってもよい。
ここで、図3及び図4を参照して、基材5の構造について具体的に説明する。基材5は、シート状のベース部50と、ベース部50の一方の表面から立ち上がった複数の突出片51とを備えている。
ベース部50は、短尺辺と長尺辺とを有する矩形帯状に形成されている。また、各突出片51は、ベース部50の表面から直交する角度で立ち上がっている。このような突出片51は、ベース部50にコ字状の微細な切り込みを形成し、切り込みの内側部分を起こすことで形成できる。この場合、突出片51とベース部50とは一体に形成され、ベース部50における各突出片51の基端部分には突出片51と同じ形状の貫通孔52が形成される。
そして、基材5は、突出片51や貫通孔52が形成されたベース部50を、一方の短尺辺を中心として螺旋状に巻回された円柱形状を呈している。
本実施形態において、ベース部50は、突出片51を備える表面が内側となるように巻回されている。これにより、各突出片51は、円柱形状の中心軸から放射状に向いて設けられ、半径方向に重なり合うベース部50の隙間(層間)に介在する。これによって、ベース部50の隙間は突出片51の高さ以上の間隔に維持され、通気性が確保される。
次に、上記構成のベンゼン分解触媒1に対し、ベンゼンを含んだ被処理流体を反応させてベンゼンを分解させる場合の作用について説明する。
このベンゼン分解触媒1でベンゼンの分解を行う場合、上記被処理流体を、基材5の一方の端面側から他方の端面側に向かって流す。基材5の層間には、白金ナノ粒子2及び酸素吸蔵物質3を担持する多孔質物質4がコーティングされた突出片51が介在しているので、被処理流体が突出片51と衝突する際に触媒燃焼反応が生じて、ベンゼンが分解される。
この際、突出片51は、被処理流体の入口側である基材5の一方の端面側から、被処理流体の出口側である他方の端面側に亘って異なる位置に多数配置されている。したがって、被処理流体を流すための流路を基材5の内部全体に形成できる。これによって、基材5の内部における目詰まりを防止できる。
また、突出片51によって、被処理流体に対する適度な流路抵抗を与えることができるし、被処理流体の流れ方向に変化を与えることもできる。さらに、貫通孔52によって層間を跨いで被処理流体を流すことができる。これにより、被処理流体は、基材5の内部を三次元的に流れることができる。
以上より、ベンゼン分解触媒1で被処理流体に含まれるベンゼンを分解させた場合には、被処理流体を基材5の内部全体に行き渡らせることができ、内部全体で触媒燃焼反応が生じるため、ベンゼンを効率よく分解することができる。
===ベンゼン分解触媒によるベンゼン分解確認試験について===
前述の作用効果を確認するため、ベンゼン分解触媒1によるベンゼンの分解確認試験を行った。以下、図5及び図6を参照しつつ、分解確認試験について説明する。図5は、分解確認試験に用いた実験装置20を示す模式図である。図6は、分解確認試験の実験手順を説明するための図である。
ベンゼン分解触媒1の触媒燃焼反応において、ベンゼンの濃度及び被処理流体の空間速度SVは、ベンゼン分解性能を評価する上で重要なパラメータとなる。そこで、この分解確認試験では、ベンゼンの濃度変化によるベンゼンの分解率の影響と、被処理流体の空間速度SVの変化によるベンゼンの分解率の影響とをそれぞれ確認した。尚、空間速度SVとは、ベンゼン分解触媒1を通過する際の単位時間あたりの被処理流体の体積(標準状態)を、ベンゼン分解触媒1の体積で除したものである。
先ず、図5を参照しつつ、分解確認試験を行うための実験装置20について説明する。この実験装置20では、反応管21内にベンゼン分解触媒1が配置されている。具体的には、ベンゼン分解触媒1は、この反応管21の内部において、基材5の一方の端面側から被処理流体が流入し、他方の端面側から被処理流体が流出する状態で配置されている。
反応管21の内部に配置される関係から、ベンゼン分解触媒1は、ドラフトチャンバーシステム10で用いるものよりも小型のものを用いた。具体的には、図4に示す基材5の高さ(ベース部50の短尺辺の長さ)hが10.0mm、突出片51の高さが375μm、ベース部50の長尺辺方向における突出片51同士の間隔が662μmのものを用いた。この基材5を、螺旋状に12ターン巻回することで、端面の直径方向の長さdが12.8mmの円柱状に構成した。
反応管21は電気炉22内に設置されている。この電気炉22は、熱電対温度調節器23を備え、この熱電対温度調節器23によって調節された温度で反応管21を加熱する。つまり、電気炉22によって、ベンゼン分解触媒1による触媒燃焼反応の反応温度が調節される。
また、反応管21は、各種ガスの供給管28A〜28DとそれぞれMFC(Mass Flow Controller)24を介して接続されている。そして、MFC24によって、反応管21に供給されるガスの流量が調整される。つまり、MFC24によって、空間速度SVが所定速度(後述する)となるように調整される。
尚、反応管21に供給される各種ガスは、窒素によって希釈され後述する所定の濃度に調整されたベンゼン(C)や、バランスガスとしての空気(Air)、窒素(N)、酸素(O)である。そして、窒素が供給管28Aを通じて供給され、酸素が供給管28Bを通じて供給される。同様に、ベンゼン及び窒素が供給管28Cを通じて供給され、空気が供給管28Dを通じて供給される。
また、実験装置20は、バイパス管27を備えている。このバイパス管27は、前述した各種ガスが反応管21をバイパスしてクロマトグラフ25,26へ直接供給されるように、ガスの流路を切り換えるために用いられる。
そして、反応管21を通過した後の被処理流体に含まれるベンゼンや触媒燃焼反応によって生成したCOの定量分析は、TCD付きのクロマトグラフ25及びFID付きのクロマトグラフ26によって行った。
次に、図6を参照しつつ、実験装置20での分解確認試験の手順について説明する。
先ず、供給管28AからNガスを反応管21に毎分200cc(標準状態)ずつ供給しながら、電気炉22によって、反応管21の温度を所定の温度T0に上昇させる。反応管21が温度T0で安定したならば、流路をバイパス管27に切り替え(t1)、MFC24によって、被処理流体が実験条件の組成(後述する)となるように各ガスの量を調整する。
実験条件の組成となったならば、ガスクロマトグラフ25,26による測定を繰り返し行う(ベース分析a,b)。これらの測定結果から、被処理流体が実験条件の組成となっているか否かを確認する。そして、反応管21が温度T0に達してから所定時間(60分)が経過したならば、流路をバイパス管27から反応管21へ切り替える(t2)。
流路を反応管21に切り換えた後、ガスクロマトグラフ25,26による測定を繰り返し行う(温度T0での確認分析c〜e)。これらの測定結果から、温度T0におけるベンゼンの分解性能を確認する。ここでは確認分析c〜eの平均値から分解性能を確認する。
確認分析c〜eが終了したならば、反応管21の温度を上昇させて所定温度T1に設定する(t3〜t4)。この場合、電気炉22に対する通電量を増やすことで反応管21の温度を上昇させる。そして、温度T1を60分保持した後、ガスクロマトグラフ25,26による測定を繰り返し行う(温度T1での確認分析f〜h)。これらの測定結果から、温度T1におけるベンゼンの分解性能を確認する。ここでは、温度T0のときと同様に、確認分析f〜hの平均値から分解性能を確認する。
確認分析f〜hが終了したならば、以後は同様の手順で他の温度の確認分析を行う(t5〜)。そして、必要な温度まで確認が終了したならば、一連の確認試験を終了する。
<<<ベンゼンの濃度の変化と、反応温度に対するベンゼンの分解率との関係について>>>
前述したように、ベンゼンの濃度はベンゼン分解触媒1のベンゼン分解性能を評価する上で重要なパラメータとなる。そこで、ベンゼンの濃度を異ならせた場合における、ベンゼンの分解率と反応温度との関係、並びに、反応速度と反応温度との関係について確認した。確認結果を図7(a),(b)に示す。
この確認試験において、被処理流体中のベンゼンの濃度は、30ppm、100ppm、300ppmの3種類とした。そして、反応管21での反応温度は80℃から180℃まで20℃毎に変化させた。また、被処理流体の空間速度SVは12000h−1とした。
図7(a)に示すように、このベンゼン分解触媒1では、被処理流体中のベンゼンの濃度が30ppmであれば、140℃の反応温度でベンゼンを100%分解できることが確認された。また、ベンゼンの濃度が100ppm、300ppmであれば、共に160℃の反応温度でベンゼンを100%分解できることが確認された。
以上より、ベンゼンの濃度が30〜300ppmの場合、このベンゼン分解触媒1では、140℃から160℃程度の反応温度でベンゼンを分解できることが確認された。また、ベンゼンの濃度が高くなるにつれ、ベンゼンを100%分解できる反応温度が高温側にシフトすることも確認された。さらに、ベンゼンを分解する触媒燃焼反応は、反応温度が100℃から160℃の間で急激に進行することも確認された。
図7(b)に示すように、このベンゼン分解触媒1では、反応温度が160℃以上になると何れの濃度でも反応速度が収束することが確認された。そして、反応温度が160℃であってベンゼンの濃度が30ppmの場合、反応速度は約18μmol/cm・sに達しなかった。また、ベンゼンの濃度が100ppmの場合、反応速度は約50μmol/cm・sであり、ベンゼンの濃度が300ppmの場合、反応速度は約160μmol/cm・sであった。このように、ベンゼンの濃度が高い程に反応速度が高くなることが確認された。すなわち、被処理流体中のベンゼンの濃度が高いほど、触媒燃焼反応の反応速度が速く、ベンゼンの分解がより速やかに行われることが確認された。
<<<空間速度SVの変化と、反応温度に対するベンゼンの分解率との関係について>>>
被処理流体の空間速度SVもまたベンゼン分解触媒1のベンゼン分解性能を評価する上で重要なパラメータとなる。そこで、空間速度SVを異ならせた場合における、ベンゼンの分解率と反応温度との関係、並びに、反応速度と反応温度との関係についても確認をした。確認結果を図8(a),(b)に示す。
この確認試験において、ベンゼン分解触媒1に対する被処理流体の空間速度SVは、6000h−1、12000h−1、24000h−1の3種類とした。そして、反応管21での反応温度は、100℃から200℃まで20℃毎に変化させた。また、被処理流体中のベンゼンの濃度は300ppmとした。
図8(a)に示すように、このベンゼン分解触媒1では、空間速度SVが6000h−1、12000h−1の場合、共に160℃の反応温度でベンゼンを100%分解できることが確認された。また、空間速度SVが24000h−1の場合、200℃の反応温度でベンゼンを95%分解できることが確認された。
以上より、ベンゼンの濃度が300ppmであって空間速度SVが6000〜24000h−1の場合、このベンゼン分解触媒1では、160℃から200℃程度の反応温度でベンゼンを分解できることが確認された。なお、空間速度SVが高すぎるとベンゼンの分解能が低下することも確認された。加えて、空間速度SVが大きくなるにつれ、ベンゼンを約100%分解できる反応温度も高温側にシフトすることも確認された。
図8(b)に示すように、このベンゼン分解触媒1では、空間速度SVが6000〜12000h−1の場合、反応温度が160℃以上になると反応速度が収束することが確認された。また、空間速度SVが24000h−1の場合、反応温度180℃と200℃の間における反応速度の増加率が、反応温度140℃と180℃の間の増加率よりも小さくなっていることが確認された。
そして、空間速度SVが6000h−1の場合、反応温度180℃での反応速度は約80μmol/cm・sであり、空間速度SVが12000h−1の場合、反応温度180℃での反応速度は約160μmol/cm・sであった。また、空間速度SVが24000h−1の場合、反応温度200℃での反応速度は約300μmol/cm・sであった。
このように、被処理流体の空間速度SVが高い程に反応速度が高くなり、ベンゼンの分解がより速やかに行われることが確認された。
<<<カーボン基準の物質収支について>>>
また、ベンゼン分解触媒1による触媒燃焼反応によって、ベンゼンがCOに転化していることを確認すべく、ベンゼンの分解確認試験を行った。
この確認試験も実験装置20を用いて行った。具体的には、反応管21に供給する被処理流体量を毎分258cc(標準状態)、空間速度SVを12000h−1、被処理体中のベンゼンの濃度を300pmとした実験条件において、1回目の測定であるRUN1では、反応温度の範囲を100℃−160℃とし、2回目の測定であるRUN2では、反応温度の範囲を100℃−180℃として、分解確認試験を行った。
この分解確認試験でも、反応管21を通過した後の被処理流体に含まれるベンゼンや触媒燃焼反応によって生成したCOの定量分析を、TCD付きのクロマトグラフ25及びFID付きのクロマトグラフ26によって行った。そして、この定量分析結果から、反応温度とベンゼンの分解率との関係、及び、反応温度と物質収支との関係を求めた。反応温度とベンゼンの分解率との関係を図9(a)に示す。また、反応温度と物質収支との関係を図9(b)に示す。
図9(a)に示す反応温度とベンゼンの分解率との関係については、図7(a)の確認試験と同じような結果が得られた。すなわち、反応温度120℃から分解率の急激な上昇が見られ、160℃以上でほぼ全量が分解されることが確認された。そして、被処理流体中のベンゼン濃度と分解率とから、分解されたベンゼンの炭素量を算出し、測定されたCOに由来する炭素量と比較することで、物質収支を求めた。各反応温度において物質収支が0.7以上であることから、このベンゼン分解触媒1によって、被処理流体中のベンゼンの多くがCOにまで分解されていることが確認された。
<<<市販の白金系触媒と、ベンゼン分解触媒との分解性能の比較について>>>
ここで、ベンゼン分解触媒1とベンゼン分解性能を比較するため、市販の白金系触媒についても、ベンゼン分解触媒1と同様に、実験装置20による分解確認試験を行った。尚、図10は、被処理流体中のベンゼンの濃度を300ppm、空間速度SVを12000h−1とした場合の、反応温度とベンゼンの分解率との関係を示している。また、この分解確認試験は、ベンゼン分解性能をより確実に比較するため、ベンゼン分解触媒1に担持される白金ナノ粒子2と、市販の白金触媒とが同等の密度となる条件の下で行っている。
図10に示すように、ベンゼン分解触媒1は、約160℃の反応温度において、ベンゼンを100%分解できることが確認された。この結果は、先に説明した確認試験と同じ結果である。これに対して、市販の白金系触媒では、約260℃の反応温度においても、ベンゼンを約80%しか分解できていないことが確認された。
また、図11(a)は、ベンゼン濃度を1%とし、空間速度SVを10000h−1、20000h−1、30000h−1、40000h−1とした場合における市販の白金系触媒の反応温度とベンゼンの分解率との関係を示すグラフである。図11(b)は、空間速度を30000h−1とし、ベンゼン濃度を1%、3%、5%、7%、10%とした場合における市販の白金系触媒の反応温度とベンゼンの分解率との関係を示すグラフである。
図11(a)から判るように、市販の白金系触媒では、例えば、空間速度SVを10000h−1とし、ベンゼンの濃度を1%とした場合、ベンゼンを100%分解するためには、反応温度を280℃(553K)にする必要がある。また、図11(b)から判るように、市販の白金系触媒では、例えば、空間速度SVを30000h−1とし、ベンゼンの濃度を1%とした場合、ベンゼンを100%分解するためには、反応温度を360℃にする必要がある。また、図11(b)から判るように、市販の白金系触媒では、例えば、ベンゼンの濃度を、他の条件に比べて低濃度である1%とした場合、反応温度を500℃にまで上昇させても、ベンゼンを50%程度しか分解することができないことが確認された。
以上より、本実施形態のベンゼン分解触媒1では、市販の白金系触媒に比べて十分に低い反応温度範囲(140〜180℃,以下好適反応温度範囲という)であっても、高いベンゼン分解性能が発揮されることが確認された。また、ベンゼンの濃度が低い場合(30ppm)であっても、ベンゼンの濃度が高い場合(300ppm)と同様に、ベンゼンを100%分解できることが確認された。このように、本実施形態のベンゼン分解触媒1は、低温で効率的にベンゼンを分解することができる。このため、触媒燃焼反応にかかるエネルギーの消費量を低減することや、コストを削減することができる。
===ドラフトチャンバーシステムによるベンゼンの分解処理===
次に、図1を参照して、ドラフトチャンバーシステム10によるベンゼンの分解処理について説明する。
このドラフトチャンバーシステム10において、作業空間の空気(処理対象ガス)に含まれるベンゼンを分解するに際しては、予めヒータユニット14に通電し、ベンゼン分解触媒1を好適反応温度範囲まで加熱する。前述の実験結果より明らかなように、本実施形態のベンゼン分解触媒1において、その好適反応温度範囲は140〜180℃である。このため、制御部17は、温度センサ16からの検出信号に基づいてベンゼン分解触媒1の温度を認識する。そして、ベンゼン分解触媒1の温度が好適反応温度範囲の最低温度である140℃に達するまでの期間に亘り、ヒータユニット14への通電を指示する制御信号をヒータスイッチ15へ出力する。ヒータスイッチ15は、制御部17からの制御信号に基づいて動作し、ヒータユニット14への通電を行う。これにより、ベンゼンの分解処理に伴う発熱が十分ではない反応初期の段階から、ベンゼンの分解効率を高めることができる。
ベンゼン分解触媒の温度が140℃に達したならば、制御部17は、それまで停止されていた排気ユニット12の動作を開始させる。これにより、排気ファン12aが回転し、作業空間の空気が排気ダクト13を通じてベンゼン分解触媒1に導入される。このとき、ベンゼン分解触媒1の温度は、好適反応温度範囲にあるため、作業空間の空気に含まれるベンゼンが分解される。
ベンゼン分解触媒1は、ベンゼンの分解処理に伴って発熱する。この発熱によってベンゼン分解触媒1の温度が上昇したならば、制御部17は、ヒータユニット14への通電を停止させる制御信号をヒータスイッチ15へ出力する。ヒータスイッチ15は、制御部17からの制御信号に基づいて動作し、ヒータユニット15への通電を停止する。これにより、ベンゼン分解触媒1は、ベンゼンの分解処理で発生する熱によって、その温度を好適反応温度範囲内に維持する。
ここで、ベンゼン分解触媒1に導入される空気中のベンゼン濃度が高く、温度センサ16で検出されるベンゼン分解触媒1の温度が、好適反応温度範囲の上限値よりも高くなった場合、制御部17は、排気量(導入量)を減らすための制御信号を排気ユニット12に出力する。これにより、排気ファン12aの回転速度が低下し、ベンゼン分解触媒1に導入される空気の量が少なくなる。その結果、ベンゼン分解触媒1での発熱が抑制され、ベンゼン分解触媒1の温度を好適反応温度範囲内に収めることができる。
反対に、空気中のベンゼン濃度が低く、ベンゼン分解触媒1の温度が、好適反応温度範囲の下限値よりも低くなった場合、制御部17は、排気量を増やすための制御信号を排気ユニット12に出力する。これにより、排気ファン12aの回転速度が上昇し、ベンゼン分解触媒1に導入される空気の量が増える。その結果、ベンゼン分解触媒1での発熱量が増え、ベンゼン分解触媒1の温度を好適反応温度範囲内に収めることができる。
なお、空気の導入量を上限まで増やしても、ベンゼン分解触媒1の温度が好適反応温度範囲の下限値よりも低いままの場合、制御部17は、ヒータユニット14への通電をヒータスイッチ15に指示する。
このように、本実施形態のドラフトチャンバーシステム10では、ベンゼン分解触媒1の温度に応じてベンゼン分解触媒1に導入される空気の量を制御しているので、導入される空気の量を増やすことでベンゼンの分解処理に伴う発熱量が増え、導入される空気の量を減らすことでベンゼンの分解処理に伴う発熱量が減ることが期待できる。これにより、ヒータユニット14による加熱を抑制しつつベンゼン分解触媒1を好適反応温度範囲に維持できる。なお、ベンゼン分解触媒1を冷却するクーラ(図示せず)を別途設けた場合には、このクーラによる冷却を抑制しつつベンゼン分解触媒1を好適反応温度範囲に維持できる。
===その他の実施形態===
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
まず、酸素吸蔵物質としてCeO-ZrOを例示したが、200℃前後の反応温度に耐えるものであって、多孔質物質に担持されるものであれば、酸素吸蔵物質として用いることができる。また、多孔質物質に関してAlを例示したが、200℃前後の反応温度に耐えるものであって、白金ナノ粒子や酸素吸蔵物質を担持できればAlに限られない。加えて、触媒成分としての白金ナノ粒子に関し、平均粒子径が2.5nmのものを例示したが、ナノレベルの粒子であれば同様に用いることができると解される。
前述したベンゼン分解触媒1では、基材5が、ベース部50の一方の短尺辺を中心として螺旋状に巻回された円柱形状を呈していることとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、例えば、基材5は、複数のベース部50を重ね合わせた積層構造であることとしてもよい。
1…ベンゼン分解触媒,2…白金ナノ粒子,3…酸素吸蔵物質,4…多孔質物質,5…基材,10…ドラフトチャンバーシステム,11…チャンバー本体,12…排気ユニット,12a…排気ファン,13…排気ダクト,14…ヒータユニット,15…ヒータスイッチ,16…温度センサ,17…制御部,20…実験装置,21…反応管,22…電気炉,23…熱電対温度調節器,24…MFC,25,26…ガスクロマトグラフ,27…バイパス管,28A、28B、28C、28D…供給管,50…ベース部,51…突出片,52…貫通孔

Claims (7)

  1. 導入された処理対象ガスに含まれるベンゼンを、ベンゼン分解触媒にて触媒燃焼させることによって分解処理するベンゼン分解処理装置であって、
    前記ベンゼン分解触媒の温度を検出する温度検出部と、
    前記ベンゼン分解触媒を加熱するヒータ部と、
    前記温度検出部での検出温度が前記ベンゼン分解触媒における好適反応温度範囲よりも低い場合に、前記ヒータ部を動作させて前記ベンゼン分解触媒を加熱する温度制御部と、を備え、
    前記ベンゼン分解触媒は、
    白金ナノ粒子を含む触媒成分と、
    酸素を吸蔵するとともに放出する酸素吸蔵物質と、
    前記触媒成分及び前記酸素吸蔵物質を担持する多孔質物質と、前記多孔質物質が表面にコーティングされる基材と、
    を備えることを特徴とするベンゼン分解処理装置。
  2. 導入された処理対象ガスに含まれるベンゼンを、ベンゼン分解触媒にて触媒燃焼させることによって分解処理するベンゼン分解処理装置であって、
    前記ベンゼン分解触媒の温度を検出する温度検出部と、
    前記処理対象ガスの導入量を調整する導入量調整部と、
    前記温度検出部での検出温度が前記ベンゼン分解触媒における好適反応温度範囲よりも低い場合に、前記処理対象ガスの導入量を増やすように前記導入量調整部を制御し、前記温度検出部での検出温度が前記ベンゼン分解触媒における好適反応温度よりも高い場合に、前記処理対象ガスの導入量を減らすように前記導入量調整部を制御するガス導入量制御部と、を備え、
    前記ベンゼン分解触媒は、
    白金ナノ粒子を含む触媒成分と、
    酸素を吸蔵するとともに放出する酸素吸蔵物質と、
    前記触媒成分及び前記酸素吸蔵物質を担持する多孔質物質と、前記多孔質物質が表面にコーティングされる基材と、
    を備えることを特徴とするベンゼン分解処理装置。
  3. 前記酸素吸蔵物質は、CeO-ZrOであることを特徴とする請求項1又は2に記載のベンゼン分解処理装置。
  4. 前記多孔質物質は、Alであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のベンゼン分解処理装置。
  5. 前記触媒成分の白金ナノ粒子は、平均粒子径が2.5nmであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のベンゼン分解処理装置。
  6. 前記基材は、シート状のベース部と、前記ベース部の表面から立ち上がった複数の突出片とを含んでいることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のベンゼン分解処理装置。
  7. 前記ベース部は、短尺辺と長尺辺とを有する矩形帯状であり、
    前記基材は、一方の前記短尺辺を中心として螺旋状に巻回された形状に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のベンゼン分解処理装置。
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