JP5546796B2 - 発泡ポンプ - Google Patents

Description

本発明は、発泡可能な液体と空気とを混合して発泡体製品を送出する発泡ポンプの技術に属する。特には、本発明は、予混合室が発泡可能な液体の供給源に連通しており、潰れることができる空気室が、予混合室を囲むとともに、バルブを介して予混合室に連通しており、潰れることができる空気室を圧縮することで空気が予混合室へと押し出され、予混合室の発泡可能な液体と混ざり合うポンプに関する。

長年にわたり、せっけん、消毒剤、洗浄剤、殺菌剤、などといった液体を、液体を保持し、液体を送出するためのポンプ機構を提供する詰め替えユニットを支持するディスペンサハウジングから送出することが知られている。そのようなディスペンサに使用されるポンプ機構は、典型的には、アクチュエータの動作時に所定の量の液体を単純に放出する液体ポンプであった。最近では、有効性および経済性の目的のために、液体を、空気を液体へと注入することによって生成される発泡体の形態で送出することが、望まれるようになってきている。したがって、標準的な液体ポンプが、発泡体生成ポンプに取って代わられているが、発泡体生成ポンプは、必然的に、空気および液体を所望の発泡体を生成するような様相で混合するための手段を必要とする。

典型的には、発泡ポンプは、空気ポンプ部分および流体ポンプ部分を含んでおり、この２つが、発泡体を最終的に生成するために連通している必要がある。このようなポンプは、発泡ポンプの技術分野の当業者にとって公知のとおり、さまざまな形式のポンプ構造によってもたらされている。従来技術のポンプにおいては、流体および空気が、スクリーン部材の付近で合流する別個の通路を通って進められることが多く、これら別個の空気および流体の通路が一緒にされ、次いでスクリーンを通って押し出され、流体中に空気の気泡が生成され、すなわち発泡体が生成される。一般に、より豊潤な高品質の発泡体は、より小さな気泡をより一様な気泡サイズの分布にて有する結果である。本発明は、この技術分野においてこれまで知られていない構造のきわめてコンパクトな発泡ポンプを提供する。また、本発明は、小さくかつ一様なサイズの空気の気泡を有する高品質な発泡体を提供する。

本発明は、発泡可能な液体の供給源から発泡可能な液体を送出するための発泡ポンプを提供する。この発泡ポンプは、膨脹時体積および圧縮時体積を有し、膨脹時体積への膨張時には前記発泡可能な液体の供給源から前記発泡可能な液体を引き込む予混合室を包含する。更に、この発泡ポンプは、予混合室空気導入バルブと、前記予混合室を囲み、予混合室空気導入バルブを介して前記予混合室内に流体を通すことができるように連通する、潰れることができる空気室とを包含する。前記潰れることができる空気室は、膨脹時体積および圧縮時体積を有しており、前記潰れることができる空気室が膨脹時体積から圧縮時体積へと移行するときに、前記潰れることができる空気室の内部の空気が、前記予混合室空気導入バルブを通って前記予混合室へと押し出され、前記予混合室内へ引き込まれている前記発泡可能な液体と混ざり合う。出口が、前記予混合室に連通しており、前記潰れることができる空気室が膨脹時体積から圧縮時体積へと圧縮されるときに、前記発泡可能な液体および空気が、前記予混合室から前記出口へと進められる。また、少なくとも１つのメッシュスクリーンが前記出口に設けられている。

特定の実施形態においては、２つのメッシュスクリーンが混合カートリッジの入口および出口に設けられ、これらのメッシュスクリーンを通過して進められる前記発泡可能な液体および空気から、発泡体製品が生成される。他の実施形態においては、前記予混合室が、ベースに固定された弾性ドームから形成される。他の実施形態においては、前記潰れることができる空気室が、前記予混合室を囲むベローズ本体から形成される。

本発明による発泡ポンプの実施形態の側面断面図であり、発泡可能な液体の供給源に組み合わせられ、非作動の状態で示されている。 図１と同様の側面断面図であるが、作動時の状態で示されている。

図１に、本発明の発泡ポンプが図示され、参照番号１０によって示されている。発泡ポンプ１０は、発泡可能な液体の供給源に任意の適切なやり方で連通するように意図されているが、ここでは、発泡可能な液体Ｓを収容している容器１２へ固定され、流体を通すことができるように容器１２に連通して図示されている。一般に、この容器１２およびポンプ１０の組み合わせが、ポンプ１０を作動させるための駆動機構を提供するディスペンサハウジングにおいて、詰め替えユニットとして機能できることを、理解すべきである。容器１２は、この技術分野において公知のとおり、通気付きの剛構造（発泡可能な液体Ｓが取り出されるときに空気が流入できる）であってよく、あるいは潰れることができる構造であってよい。

ポンプ１０は、ベース１４と、予混合室２０を画定すべく保持リング１８によってベース１４に固定される予混合室ドーム１６とを備える。予混合室ドーム１６は、エラストマーなどの弾性材料で製作され、圧力が加えられたときにベース１４に向かって潰れ、その後に、材料の弾性の結果として、図１のドーム状へと再び膨脹することができる。あるいは、予混合室ドーム１６を、図１のドーム状へと復帰するようにばねで付勢してもよい。予混合室２０は、ベース１４の入口通路２１を介して発泡可能な液体の供給源（ここでは、発泡可能な液体Ｓを含んでいる容器１２に連通する。入口バルブ２２が、発泡可能な液体Ｓの予混合室２０への流入および予混合室２０からの流出の規制を助けるために設けられる。この実施形態においては、入口バルブ２２が、予混合室ドーム１６と一体であって、入口通路２１からの出口２３を覆うように予混合室ドーム１６から延びている弾性フラップとして示されている。他のバルブも使用可能である。

さらに、予混合室２０は、ベース１４の出口通路２４に、出口通路２４への出口２６を介して連通する。この出口は、予混合室から出る流れを許容し、予混合室へと戻る流れを阻止するための任意の適切な一方向弁を備えることができる。あるいは、バルブが出口２６にではなくベース１４の出口に配置される図示の実施形態のように、出口２６がバルブを有さなくてもよい。さらに詳しくは、出口通路２４が、送出端２８まで延び、送出端２８が、この送出端２８を出る発泡体製品の流れを制御するための出口バルブ２９によって覆われる。ここでは、出口バルブ２９が、くちばし状（duckbill）バルブとして図示されているが、他の適切なバルブを使用することが可能である。その名が示唆するとおり、入口バルブ２２は、流体が発泡可能な液体の供給源から入口通路２１を通って予混合室２０へと流入できるようにする一方で、反対方向の流れを禁じ、出口バルブ２９は、流体が出口通路２４の内部から送出端２８および出口バルブ２９を通って流れることを許す一方で、出口通路２４へと戻る流れを禁じる。さらに、出口通路２４を、長い送出チューブへの連絡によってベース１４を超えて延長することも可能であり、出口バルブ２９を、ベース１４の端部ではなく、このようなチューブの端部に配置できることを、理解すべきである。

ベローズ本体３０が、ベース１４とベローズ本体３０との間に画定される体積に予混合室ドーム１６を囲むように、ベース１４に固定される。この体積は、一部が予混合室２０によって占められ、予混合室ドーム１６とベローズ本体３０との間の体積が、潰れることができる空気室３２とされる。潰れることができる空気室３２は、予混合室空気導入バルブ３４を介して流体を通すことができるように予混合室２０に連通しており、空気室導入バルブ３６を介して流体を通すことができるように外部の大気に連通できる。その名が示唆するとおり、空気室導入バルブ３６は、空気が外部の大気からベローズ本体３０を通って潰れることができる空気室３２へと流入できるようにする一方で、反対方向の流れを制限する。ここに示した特定の実施形態においては、空気室導入バルブ３６がくちばし状バルブであるが、他のバルブを使用することが可能である。

ベローズ本体３０は、尾根４０および谷４２を有する波形であり、ベローズ本体３０に圧縮時体積と膨脹時体積との間を可逆的に収縮および延伸できる能力をもたらす材料で製作される。ベローズ本体３０は、潰れることができる空気室３２を圧縮時体積にするために矢印Ａの方向に潰れることができ、好ましくは、潰れることができる空気室３２を膨脹時体積へと移行させるべく跳ね返るのに充分な弾性を有する材料で製作される。この弾性は、好ましくは後述のようにばねもさらに使用されるため、絶対に必要というわけではない。

ばね５４が、ベローズ本体３０の端壁５６と予混合室ドーム１６の外表面との間を延びるように配置される。図においては、ばね５４が、端壁５６のリブ５８および予混合室ドーム１６のリブ６０によって保持されるものとして示されている。予混合室ドーム１６が弾性的であるため、予混合室２０は、圧縮時体積および膨脹時体積を有し、ベローズ本体３０が矢印Ａの方向に押されて、潰れることができる空気室３２を圧縮時体積へと駆り立てるとき、ばね５４の作用のもとで圧縮時体積へと移行する。これは、図２において見てとれる。潰れることができる空気室３２の圧力が充分に高いとき、空気が、予混合室空気導入バルブ３４を通って予混合室２０へと押し込まれる。予混合室空気導入バルブ３４を通って予混合室２０へと空気を押し込む容易さは、バルブを開くために必要とされる圧力に依存する。空気導入バルブ３４が開くと、潰れることができる空気室３２からの空気が、圧力のもとで予混合室２０へと進入し、予混合室２０において空気と発泡可能な液体との初期の粗い混合を生じさせる。

予混合室２０へと注入される空気の力および予混合室ドーム１６の潰れの両方が、予混合室２０において混合した空気および発泡可能な液体を、出口２６において出口通路２４へと進入させる。この粗い予混合物が、出口通路２４に沿って押され、送出端２８の付近に設けられた少なくとも１つのメッシュスクリーン４６を最終的に通過し、これによって空気および発泡可能な液体の混合物を均質化して、出口バルブ２９を通って送出されるべき高品質な発泡体製品を生成する。特定の実施形態においては、メッシュスクリーン４６を、両端にメッシュスクリーン（ここでは、入口側メッシュスクリーン５２および出口側メッシュスクリーン４６として示されている）が取り付けられた中空チューブ５０を包含している混合カートリッジ４８の一部として設けることができる。予混合室ドーム１６が通常の休止位置へと復帰するとき、予混合室２０に真空が生成され、次の１回分の流体が発泡可能な液体の供給源から入口バルブ２２を通って引き込まれる。

特定の実施形態においては、入口バルブ２２は、ポンプ１０の休止時に開いており、予混合室２０の内容物へと圧力が加えられるときにのみ、入口通路２１の出口２３を閉じる。ドーム１６を使用しているこの特定の実施形態においては、入口バルブ２２は、潰れることができるドーム１６へと力が加えられたときに閉じる。したがって、ドーム１６が、ベース１４に向かって押された後に休止位置へと復帰するとき、入口バルブ２２が容易に開いて、発泡可能な液体Ｓの予混合室２０への進入を可能にする。また、これは、ドーム１６が膨脹するときに空気が空気導入バルブ３４を通って吸い込まれる可能性がないよう、液体Ｓの流路を、最少の抵抗の経路として確立する。図に示された入口バルブ２２のためのフラップは、このような実施形態に使用すると効果的に作動する。

一般に、入口バルブ２２および空気導入バルブ３４は、ドーム１６の膨脹時に入口バルブ２２が空気導入バルブ３４よりも容易に開くように、設計されるべきである。これは、ドーム１６の膨脹時に発泡可能な液体Ｓが予混合室２０を満たすことを保証するうえで役に立つ。同様に、空気室導入バルブ３６も、ベローズ本体３０の膨脹を阻止または妨害することがないように、容易に開かなければならない。

ばね５４を設けることによって、ベローズ本体３０へ矢印Ａの方向に力が加えられるとすぐに、予混合室ドーム１６が潰れ始める。その結果、ベローズ本体３０の動きがわずかであっても、予混合室２０が少なくとも或る程度まで潰れ、加えられている力が除かれるときに、予混合室２０が、依然として入口通路２１から予混合室２０へと液体を引き込むように機能する。予混合室２０が潰れない場合、圧力が除かれても予混合室２０が膨脹することがなく、したがって新たな製品が容器１２から吸い込まれることがない。ばね５４を設けることで、予混合室２０が、たとえポンプを途中までしか動かさなくても、少なくとも少しは潰れる。ここで、「途中までの動き」とは、潰れることができる空気室３２のベローズ本体３０を完全に圧縮するには至らないと理解される。多くのポンプにおいて、ポンプを途中までしか動かさないと、ポンプの機能における厄介な問題または発泡体製品の品質低下あるいは両方につながる。

本発明のポンプは、予混合室２０において空気が発泡可能な液体へと注入されて粗い予混合物が生成され、その後にメッシュスクリーンに達して予混合物がメッシュスクリーンを通って押し出される点で、本明細書において「２段」混合機能と称されるものを提供する。これは、空気および発泡可能な液体がメッシュスクリーンにおいて初めて一緒にされる公知の１段混合から区別可能である。ここで実施される２段混合は、平均の気泡サイズがより小さく、きわめて容易に広げることができるより湿って豊潤な発泡体を提供する。特定の実施形態においては、発泡可能な液体は、液体せっけんであり、本発明のポンプによって生成される豊潤、湿潤、かつ広げやすい発泡石けんは、きわめて望ましい。

特定の実施形態においては、発泡可能な液体Ｓが、発泡可能な石けんであり、ただ１段の混合を使用する従来技術のポンプと比べ、本発明のポンプは、平均の気泡サイズがより小さい発泡石けん製品を提供し、発泡石けんの（例えば、手への）塗布性が最適化される。

以上に照らし、本発明が、技術を大きく進歩させる発泡ポンプを提供することが明らかである。特許法に従い、本発明の好ましい実施形態のみを、本明細書において詳しく説明したが、本発明は、それらに限定されず、あるいはそれらによって限定されない。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の技術的範囲に含まれるすべての変形および変種を包含する。

１０ 発泡ポンプ
１２ 容器
１４ ベース
１６ 予混合室ドーム
１８ 保持リング
２０ 予混合室
２１ 入口通路
２２ 入口バルブ
２４ 出口通路
２６ 出口
２８ 送出端
２９ 出口バルブ
３０ ベローズ本体
３２ 空気室
３４ 予混合室空気導入バルブ
３６ 空気室空気導入バルブ
４０ 尾根
４２ 谷
４６ 出口側メッシュスクリーン
５０ 中空チューブ
５２ 入口側メッシュスクリーン
５４ ばね
５６ 端壁
５８ リブ
６０ リブ
Ｓ 発泡可能な液体

Claims (9)

1. 発泡可能な液体の供給源から発泡可能な液体を送出するための発泡ポンプにおいて、
   膨脹時体積および圧縮時体積を有し、膨脹時体積への膨張時には前記発泡可能な液体の供給源から前記発泡可能な液体を引き込む予混合室と、
   予混合室空気導入バルブと、
   前記予混合室空気導入バルブを囲み、前記予混合室空気導入バルブを介して前記予混合室内に流体を通すことができるように連通しており、膨脹時体積および圧縮時体積を有していて、膨脹時体積から圧縮時体積へと移行するときに、内部の空気を前記予混合室空気導入バルブを通して前記予混合室へと押し出して、前記予混合室内へ引き込まれている発泡可能な液体に混ぜ合わせる、潰れることができる空気室と、
   前記予混合室に連通しており、前記潰れることができる空気室が膨脹時体積から圧縮時体積へと圧縮されるときに、前記予混合室から前記発泡可能な液体および空気を受け取る出口と、
   前記出口に設けられている、少なくとも１つのメッシュスクリーンと、
   を包含することを特徴とする発泡ポンプ。
2. 前記予混合室がベースに固定されたドームを含んでおり、これにより、前記ベースと前記ドームとの間に前記予混合室の前記膨脹時体積および圧縮時体積を定めることを特徴とする請求項１記載の発泡ポンプ。
3. 前記予混合室空気導入バルブが前記ドームへの空気の流れを制御することを特徴とする請求項２記載の発泡ポンプ。
4. 前記予混合室空気導入バルブがくちばし状バルブであることを特徴とする請求項３記載の発泡ポンプ。
5. 前記ドームが前記ベースに向かって圧縮できるように弾性を有することを特徴とする請求項３記載の発泡ポンプ。
6. 前記潰れることができる空気室が膨脹時体積から圧縮時体積へと移行するとき、圧力が前記ドームへと加わって、前記予混合室を膨脹時体積から圧縮時体積へと移行させることを特徴とする請求項５記載の発泡ポンプ。
7. 更に、前記予混合室と前記潰れることができる空気室との間に延びるばねを包含し、
   前記潰れることができる空気室が膨脹時体積から圧縮時体積へと移行するとき、前記ばねが前記ドームを押して、前記予混合室を膨脹時体積から圧縮時体積へと移行させることを特徴とする請求項６記載の発泡ポンプ。
8. 更に、前記発泡可能な液体の供給源から前記予混合室への前記発泡可能な液体の流れを制御し、前記予混合室から前記発泡可能な液体の供給源へと戻る、前記発泡可能な液体の流れを阻止する液体導入バルブを包含することを特徴とする請求項１記載の発泡ポンプ。
9. 前記液体導入バルブが、発泡ポンプの休止時には開いているが、前記予混合室の内容物へ圧力が加わると閉じることを特徴とする請求項８に記載の発泡ポンプ。

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