JP5546084B2 - 抗原に対する免疫応答を調節する組成物および方法 - Google Patents

抗原に対する免疫応答を調節する組成物および方法 Download PDF

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Description

(技術分野)
本発明は、一般に、免疫系、および特に抗原に対する免疫応答を調節する組成物および方法に関する。
(背景技術)
サイトカインは、白血球上の細胞表面受容体への結合により免疫および/または炎症反応を制御するポリペプチド分子である。それらは、拡散性の細胞外ホルモンとして活性であるが、いくつかのサイトカインはまたトランスメンブラン形で天然に存在する。それらは、免疫または炎症応答の性質を増大、減弱、または変化させることができる。選択サイトカインが調節できる白血球特性の例は、増殖状態、転写プロフィル、および遊走傾向を含む。
いくつかのサイトカインは、構造および/または機能の類似性に基づきファミリーに分類できる。該ファミリーの例は、インターロイキン、インターフェロン、ケモカイン、およびコロニー刺激因子(CSF)を含む。サイトカインは1つ以上のファミリーに属することがある。
インターロイキンは、白血球により産生されるサイトカインである。インターロイキンには、「インターロイキン」または「IL」に後に命名した順番を示す番号を付して呼称されるサイトカインがある。現在までにIL−1からIL−18が記載されている。さらに、ほとんどの他の既知のサイトカインが、白血球により産生され、従って、インターロイキンと考えることができる。
インターフェロンは、ウイルス複製阻害能に基づいて一緒に分類される。インターフェロンはインターフェロン(IFN)α、βおよびγを含む。
ケモカインは、白血球の化学走性を誘導する。別の言葉で言えば、ケモカインの濃度勾配では、白血球はより高濃度に向けて移動する。ケモカインは、2つの保存システインが連続しているC−Cケモカイン、および2つの保存システインが別のアミノ酸により分離されているC−X−Cケモカインと呼称される2つのサブファミリーを含む。C−Cケモカインは、一般に、単球およびリンパ球を最も強力に引き付け、一方、C−X−Cケモカインは、一般に、好中球を最も強力に引き付ける。C−Cケモカインの例は、マクロファージ化学走性および活性化因子(MCAF)、マクロファージ炎症タンパク質(MIP)1aおよびb、およびRANTESを含む。C−X−Cケモカインの例は、IL−8、好中球活性化タンパク質2(NAP−2)、および血小板因子4(PF−4)を含む。
コロニー刺激因子(CSF)は、骨髄細胞の選択型白血球への分化促進能から一緒に分類される。ほとんどのCSFはまた、成熟末梢白血球の機能も調節する。CSFの例は、マクロファージCSF(M−CSF)、顆粒球CSF(G−CSF)、および顆粒球−マクロファージCSF(GM−CSF)を含む。
サイトカインはまた、それらが結合する受容体の型に従って分類できる。該型の受容体の例は、ヘマトポイエチン受容体(クラスIサイトカイン受容体としても知られる)、インターフェロン受容体(クラスIIサイトカイン受容体としても知られる)、免疫グロブリンスーパーファミリー受容体、TNF受容体、およびケモカイン受容体を含む。
ヘマトポイエチン受容体は、2個の保存アミノ酸モチーフをその細胞外ドメインに含む。これらの1つは、4個の位置的に保存されたシステインからなり、他方は、配列Trp−Ser−X−Trp−Serからなり、ここでの「X」は、非保存アミノ酸である。このファミリーの多くの受容体が、複数のポリペプチド鎖を含み、その鎖のいくつかは該ファミリーの1つ以上のメンバーに共通である。ある共通鎖の存在は、ヘマトポイエチン受容体のサブファミリーを規定する。例えば、GM−CSF、IL−3およびIL−5の受容体を含む、GM−CSF受容体サブファミリーのメンバーは全て、同一のシグナル伝達β鎖を含む。同様に、IL−6、IL−11、IL−12、白血病阻害因子(LIF)、オンコスタチンM、および毛様体神経栄養性増殖因子(CNTF)の受容体を含む、IL−6受容体サブファミリーのメンバーは全て、gp130シグナル伝達鎖を含む。IL−2受容体サブファミリーは、シグナル伝達γ鎖の存在により規定される。このサブファミリーのメンバーは、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9およびIL−15の受容体を含む。
インターフェロン受容体は、ヘマトポイエチン受容体と同様、4個の位置的に保存された細胞外システインの存在、およびTrp−Ser−X−Trp−Serモチーフの非存在を特徴とする。このファミリーのメンバーは、インターフェロンα、β、およびγの受容体を含む。
免疫グロブリンスーパーファミリー受容体は、免疫グロブリン定常および可変領域の球状ドメインに相同的な球状ドメインを有する。このファミリーに属するサイトカイン受容体は、IL−1、M−CSFおよびc−kitの受容体を含む。
ケモカイン受容体は、膜を横断する7個の疎水性αヘリックスセグメントを含むGタンパク質共役7トランスメンブランドメイン受容体の大きな群に属する。これらの受容体は、ヘテロ三量体Gタンパク質を介してシグナルを媒介するGタンパク質共役受容体のスーパーファミリー内の構造相関群を形成する。
GM−CSFなどのいくつかのサイトカインのカルボキシ末端(Brownら、Eur J Biochem 1994、225:873−880)は、同族受容体との相互作用に重要であることが当分野で知られている。GPI部分はタンパク質のカルボキシ末端に結合するので、当業者は、異種GPI部分は、GM−CSFなどのサイトカインのその受容体への結合を妨害し得ると期待する。さらに、ケモカインなどの可溶性サイトカインは、濃度勾配を介してその活性を奏効することが知られているので、当業者は、該分子の膜結合型は、免疫応答の調節を補助できるとは期待しない。
CD40は、B細胞、マクロファージ、および樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)を含む、ある白血球上に発現されたトランスメンブラン細胞表面ポリペプチドである。CD40リガンド(CD40L)またはCD154として知られる、CD40の天然リガンドも、例えば、CD4+Tヘルパー細胞上に発現されるトランスメンブラン細胞表面ポリペプチドである。IL−4存在下でのIgM発現B細胞上でのCD40の会合により、それらの細胞は、IgGおよびIgEの分泌を開始できる(Splawskiら、1993、J Immunol 150:1276−1285)。さらに、あるAPC上でのCD40の会合により、それらのAPCは細胞障害性T細胞を刺激できる(Ridgeら、1998、Nature 393:474−478;Bennettら、1998、Nature 393:478−480;Schoenbergerら、1998、Nature 393:480−483)。一方、樹状細胞上でのCD40の連結により、外来抗原の取込み能は減少する(Sallustoら、1995、J Exp Med 182:389−400;Ruedlら、1997、Eur J Immunol 27:1325−1330)。
Mendoza等(1997、J Immunol 159:5777−5781)は、CD40Lをコードしているプラスミドを、リポーター抗原をコードしているプラスミドと共注入することにより、被検者の抗原に対する免疫応答は調節されたことを示した。Dullforce等(1998、Nature Medicine 4:88−91)は、多糖抗原と共に抗CD40抗体を投与することにより、抗原に対するT細胞非依存性抗体応答が増強したことを示した。Grossmann等(1997、Human Gene Ther 8:1935−1943)は、CD40Lをコードしている遺伝子を腫瘍細胞に移し、これらの細胞を使用して、野生型腫瘍細胞の免疫になるようにマウスにワクチン接種した。Kato等(1998、J Clin Invest 101:1133−1141)は、CD40Lをコードしている遺伝子を用いてB細胞白血病細胞を形質導入し、形質導入細胞はインビトロでAPC機能を有することを示した。Couderc等(1998、Cancer Gene Ther 5:163−75)も、CD40Lの遺伝子を腫瘍細胞に導入し、これらの細胞でワクチン接種すると抗腫瘍免疫応答が誘導されることを示した。
(発明の開示)
本発明は、少なくとも一部には、CDリガンド増強細胞、すなわち、外来性CD40リガンドと混合した細胞、または、サイトカイン覆膜細胞、すなわち、細胞表面会合サイトカインを有するように修飾された細胞は、細胞に含まれるかまたは細胞に付着した選択抗原または抗原群に対するレシピエントの免疫応答を調節するという発見に基づく。
それ故、本発明は、選択抗原に対して哺乳動物をワクチン接種する方法を包含し、該方法は、哺乳動物に、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を含むワクチン組成物を投与することを含み、ここでのCD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞は選択抗原を含む。
好ましくは、CD40リガンド増強細胞は、外来性遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドと混合する。遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドは脂質部分を含むことがさらに好ましい。脂質部分は、グリコシルホスファチジルイノシトールおよび/または脂肪酸、例えばパルミテートを含むことが好ましい。本発明はまた、短鎖、中鎖、長鎖および非常に長い鎖長の脂肪酸、飽和、単不飽和および多不飽和脂肪酸、ミリステート、ミコール酸を含む脂質、およびコレステロールを含む脂質も提供する。
好ましくは、サイトカイン覆膜細胞は、外来性遺伝子工学操作により改変されたサイトカインと混合する。遺伝子工学操作により改変されたサイトカインは脂質部分を含むことがさらに好ましい。脂質部分は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)および/または脂肪酸、例えばパルミテートを含むことが好ましい。
CD40リガンドが、CD40、例えば、哺乳動物CD40分子、例えば、非げっ歯類CD40分子、例えばヒトCD40分子に、少なくともナノモル範囲の親和性で結合することが好ましい。好ましい実施形態において、親和性は、好ましくは、約0.005から100ナノモル、より好ましくは0.05から10ナノモル、最も好ましくは0.5から10ナノモルである。好ましい実施形態において、CD40リガンドは、天然CD40リガンド、すなわちCD40リガンド、すなわちCD154の細胞外ドメインの少なくとも約10個連続したアミノ酸を含む。好ましい実施形態において、CD40リガンドは、天然CD40リガンド、すなわちCD40リガンド、すなわちCD154の細胞外ドメインの少なくとも約20個連続したアミノ酸を含む。別の好ましい実施形態において、CD40リガンドは、天然CD40リガンド、すなわちCD40リガンド、すなわちCD154の細胞外ドメインの少なくとも約30個連続したアミノ酸を含む。適切なCD40リガンドは、約5から500、好ましくは5から100、最も好ましくは5から50アミノ酸のリガンドを含む。さらに別の好ましい実施形態において、CD40リガンドは、CD40分子に結合する抗体のイディオタイプ部分を含む。本明細書に使用した抗体の「イディオタイプ」部分は、抗体分子の超可変領域に関連した抗原性決定基を意味する。CD40リガンドが、CD40リガンド増強細胞を受けている被検者により発現されるCD40分子に結合することが最も好ましい。
本発明の好ましい方法において、ワクチン組成物はさらに、オプソニン増強細胞、すなわち、1)組換え核酸からオプソニンを発現するように修飾されるか、2)より高いレベルの内因性オプソニンを発現するように修飾されるか、または3)外来性オプソニンと混合された細胞を含む。オプソニン増強細胞を外来性オプソニンと混合する場合、オプソニンは脂質部分を含む遺伝子工学操作により改変されたオプソニンであり得る。
本発明の1つの実施形態において、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を用いたワクチン接種により、細胞に含まれる抗原に対する抗体により媒介される免疫応答が顕現する。本発明の別の実施形態において、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を用いたワクチン接種により、細胞に含まれる抗原を認識するCD4+T細胞により媒介される免疫応答が顕現する。本発明の別の実施形態において、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を用いたワクチン接種により、細胞に含まれる抗原を認識するCD4+T細胞により媒介される免疫応答が顕現する。本発明のさらに別の実施形態において、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を用いたワクチン接種により、細胞に含まれる抗原を認識するCD8+T細胞により媒介される免疫応答が顕現する。勿論、T細胞の場合、抗原は、主な組織適合性複合体分子に関連して認識される。
好ましくは、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞は、オプソニン増強細胞でもある。また、本発明の細胞は、各々、CD40リガンド増強細胞、サイトカイン覆膜細胞、およびオプソニン増強細胞であることが好ましい。
本発明はまた、選択抗原に対して哺乳動物をワクチン接種する方法を包含し、該方法は、APCをインビトロで、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞と、該APCによる該選択抗原の内部移行を可能とするに十分な時間接触させ、該接触APCを哺乳動物に投与することを含む。
本明細書に使用した「接触」は、インビトロで混合することを意味する。
本明細書に使用した「内部移行を可能とするに十分な時間」は、APCによる選択抗原の内部移行を可能とするに十分な時間である期間を意味する(例えば、14日間、または7日間、または5日間または3日間以内、または約24、12、6、3、2または1時間という短時間、またはさらには約30、20、10、5または1分間という短時間)。
好ましくは、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞は、外来性オプソニンおよび/または遺伝子工学操作により改変されたオプソニンを含む。
別の好ましい実施形態において、CD40リガンド増強細胞はサイトカインを発現する。好ましくは、サイトカインは、人工的に細胞に導入された組換え核酸配列から発現される。本明細書に使用した「人工的に導入」は、トランスフェクション、電気穿孔法、リポフェクション、直接的注入、受容体媒介DNA取込みおよびウイルス媒介遺伝子移行を含むがこれに限定されない方法を意味する。さらに別の好ましい実施形態において、CD40リガンド増強細胞をサイトカインと混合する。好ましくは、サイトカインは遺伝子工学操作により改変されたサイトカインである。
遺伝子を人工的に導入した細胞は、元の導入遺伝子のコピーを含む子孫細胞を含むものとする。
好ましくは、サイトカインは、GM−CSF、IL−4、IL−2、IL−6、IL−12、IL−10またはTNF−αの受容体のリガンドである。
サイトカインは「抗腫瘍サイトカイン」であることが好ましい。本発明によると、「抗腫瘍サイトカイン」は、細胞と混合するか、または動物に投与した場合に、腫瘍細胞の増殖または転移をインビトロまたはインビボで制限できるか、または腫瘍を有する動物の生存を、腫瘍を有さない対照動物に比べて延長できるサイトカインである。好ましい実施形態において、抗腫瘍サイトカインは、細胞と混合するか、または動物に投与した場合に、腫瘍細胞の増殖または転移をインビトロまたはインビボで、少なくとも5%、または少なくとも10から50%、または少なくとも50から100%または少なくとも100%以上制限できるか、または腫瘍を有する動物の生存を、腫瘍を有さない対照動物に比べて、少なくとも5%、または少なくとも10から50%、または少なくとも50から100%または少なくとも100%またはそれ以上延長できる。
さらに別の好ましい実施形態において、サイトカイン覆膜細胞は、CD40リガンドを発現する。好ましくは、CD40リガンドは、人工的に細胞に導入された組換え核酸配列から発現される。本明細書に使用した「発現」は、エリザ法、イムノブロット法、免疫沈降法、フローサイトメトリー法、蛍光顕微鏡法または共焦点レーザー顕微鏡法を含むがこれに限定されない方法により検出されたレベルで産生されることを意味する。好ましくは、本発明の方法および組成物において、本発明で有用なタンパク質(例えば、オプソニン、抗原、サイトカイン、またはCD40リガンド)は、天然に発現されるかまたは細胞に存在する場合に、天然形の有用なタンパク質の発現レベルの少なくとも約5%以上、好ましくは約10から25%以上、より好ましくは50から100%以上であるレベルで発現される。
本明細書に使用した「組換え核酸配列」は、当分野で公知であり本明細書に記載された組換えDNA法により作成された核酸配列を意味する。さらに別の好ましい実施形態において、サイトカイン覆膜細胞はCD40リガンドと混合する。好ましくは、サイトカインは遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドである。
好ましくは、本発明の方法および組成物において、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞は実質的にインビトロで分裂できない。「実質的にインビトロで分裂できない」は、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞は、細胞分裂を防ぐように処理されていない対応する細胞の分裂速度の約50%未満である速度で分裂することを意味する。好ましい実施形態において、実質的にインビトロで分裂できないというのは、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞が、細胞分裂を防ぐように処理されていない対応する細胞の分裂速度の約30から50%未満である速度で分裂することを意味する。
またワクチン組成物を弱毒化することが好ましく、それ故、細胞がその病原形で引き起こす疾病を引き起こすことができない。本明細書に使用した「弱毒化」は、ワクチンを含む細胞が、例えば、電離放射線、抗増殖剤への曝露により、または固定を伴うまたは伴わない殺滅により、疾病を引き起こすことのできない状態を意味する。
本発明の1つの実施形態において、本発明の組成物に含まれるサイトカインは、Th1免疫応答、すなわち、IL−2およびIFN−γなどのTh1サイトカインを発現するT細胞の産生を促進する。別の実施形態において、本発明の組成物に含まれるサイトカインは、Th2免疫応答、すなわち、IL−4およびIL−10などのTh2サイトカインを発現するT細胞の産生を促進することが好ましい。
サイトカインが遺伝子工学操作により改変されたサイトカインであることが好ましい。また、サイトカインは天然に膜会合形で存在しないか、または天然に脂質連結形で存在しないことが好ましい。サイトカインが生物活性であることが好ましい。サイトカインが高度に生物活性であることがさらに好ましい。サイトカインが極めて生物活性であることがさらにより好ましい。サイトカインが天然の生物活性または超生物活性であることが最も好ましい。
サイトカインが、そのカルボキシ末端にGPI部分を含む遺伝子工学操作により改変されたサイトカインであることが好ましく、カルボキシル末端は、サイトカインの受容体への結合および/またはそれを介したシグナリングに寄与する。カルボキシ末端の寄与は、天然または天然に存在する形の(すなわち遺伝子工学操作により改変されたされていない)サイトカインが約5から15アミノ酸分カルボキシル末端で短縮された、組換え変異体の作成により描写できる。受容体への結合または生物活性のアッセイの解読が、非短縮天然サイトカイン、または天然に存在する形のサイトカインに比べて少なくとも約20%減少している場合、カルボキシ末端は、サイトカイン受容体への結合および/またはそれを介したシグナリングに寄与する。別に、カルボキシ末端(すなわち約50までのアミノ酸)に特異的なモノクローナル抗体を、受容体結合またはバイオアッセイで、サイトカインと混合する。受容体への結合または生物活性のアッセイの解読が、抗体の非存在下のサイトカインと比べて、少なくとも約20%減少している場合、カルボキシル末端は、サイトカイン受容体への結合および/またはそれを介したシグナリングに寄与する。両方の方法論が当業者には公知である。
好ましくは、オプソニン増強細胞のオプソニンは、C3bのα’鎖またはマンノース結合タンパク質の1つである。
オプソニンがC3の断片である場合、CR2よりも高い親和性でCR1に結合することが好ましい。C3の断片がCR2のリガンドでないことがさらに好ましい。好ましくは、オプソニンはC3biでもC3dでもC3dgでもない。
好ましくは、本発明の組成物の抗原は、病原細胞であり、これは悪性の腫瘍細胞であり得る。本明細書に使用した「悪性」は、周辺組織への侵入能を有する細胞を含む腫瘍由来であることを意味する。
本発明で有用な腫瘍細胞は、B16細胞、およびCMS−5ネズミ線維芽細胞、および本発明に有用な腫瘍と題した章に含まれる腫瘍に由来する細胞を含むがこれに限定されない。
本発明はまた、選択抗原およびオプソニンをコードしている組換え核酸を含む、病原性CD40リガンド増強細胞または病原性サイトカイン覆膜細胞を包含し、ここでの該細胞は、コードされたオプソニンを発現し、ここでのオプソニンは、ビトロネクチン、フィブロネクチン、補体成分C1q、C1qA鎖、C1qB鎖、C1qC鎖、補体断片C3b、C3bi、C3d、C3dgおよびC4b、マンノース結合タンパク質、コングルチニン、表面プロテインAおよびD、α−2−マクログロブリン、および免疫グロブリンおよび遺伝子工学操作により改変されたオプソニンからなる群から選択される。
好ましくは、病原細胞は、腫瘍細胞であり、これは悪性であり得る。
病原細胞は、病原細菌、病原真菌、病原ウイルス、病原寄生虫細胞、病原節足動物細胞からなる群から選択されることが好ましい。本発明が、オプソニン増強細菌病原体を含むワクチン組成物を含む場合、投与した細胞は、オプソニン増強病原細胞を含むことが好ましい。
本発明はまた、オプソニンをコードしている組換え核酸および抗原をコードしている組換え核酸を含有および発現している、宿主CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を包含する。本発明はまた、サイトカインをコードしている組換え核酸および抗原をコードしている組換え核酸を含有および発現している、宿主CD40リガンド増強細胞を包含する。本発明はまた、CD40リガンドをコードしている組換え核酸および抗原をコードしている組換え核酸を含有および発現している、宿主サイトカイン覆膜細胞を包含する。
好ましくは、宿主細胞は、抗原の担体として作用できる、任意のCD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞であり、従って、有核細胞または原核細胞でもよい。本発明のこの態様において、宿主細胞は病原性である必要はないが、核酸が人工的に導入されるどの細胞でもよい。該細胞は、滑膜細胞などの特殊間葉細胞を含む線維外細胞;角化細胞、上皮細胞、内皮細胞、白血球、腫瘍細胞、細菌細胞、真菌細胞、寄生虫細胞を含むがこれに限定されない。
本発明はまた、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドと混合した細胞を含む組成物を包含する。
本発明はまた、遺伝子工学操作により改変されたサイトカインと混合した細胞を含む組成物を包含する。
好ましくは、細胞は病原細胞である。
本発明の組成物がさらに、Segal、PCT出願PCT/US97/05032に記載のようなオプソニン増強細胞を含むことが好ましく、その内容は参考として本明細書に明白に取込む。
好ましくは、組成物は実質的に培養培地を含まない。本明細書に使用した「培養培地」は、ウシ胎児血清などの動物血清を少なくとも2%含む細胞培養に使用される培地を意味する。
本発明はまた、オプソニンと混合した、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を含む組成物を包含し、ここでの細胞は実質的にインビトロで分裂できない。
好ましくは、組成物は実質的に培養培地を含まない。
本発明はまた、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞に、共有結合を介してまたは受容体リガンド結合相互作用、例えば、コレクチンオプソニンのレクチンドメインと抗原含有細胞(例えばCD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞)の表面上の炭水化物の間の相互作用を介して結合できる、外来性オプソニンと混合した、異種抗原を含むCD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を含む組成物を包含する。
好ましくは、細胞は哺乳動物宿主で分裂できない。
本発明はまた、本質的にCD40リガンド増強細胞およびオプソニンからなる組成物、および本質的にCD40リガンド増強細胞およびサイトカインからなる組成物を包含する。本発明はまた、本質的にサイトカイン覆膜細胞およびオプソニンからなる組成物、およびサイトカイン覆膜細胞およびCD40リガンドからなる組成物を包含する。
本発明の組成物はまたさらに、第二サイトカインを含み得、これは好ましくは細胞と混合するか、または細胞により発現される。また、第二サイトカインは遺伝子工学操作により改変されたサイトカインであることが好ましい。
本発明はまた、CD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞および医薬的に許容される担体を含むワクチン組成物を包含する。好ましくは、該組成物はさらに、オプソニン増強細胞を含む。また、ワクチン組成物がCD40リガンド増強細胞を含む場合、それはさらにサイトカインを含むことが好ましい。
本明細書に使用した「ワクチン接種」という用語は、例えば、CD40リガンド増強および/またはオプソニン増強またはサイトカイン覆膜および/またはオプソニン増強またはCD40リガンド増強、オプソニン増強、サイトカイン覆膜細胞またはCD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞を内部移行したAPCなどの、本発明の細胞ではないことを除き、全ての点で同一である対応する細胞の複製サンプルの投与から得られる応答よりも、応答が、幾分効率的で、幾分迅速で、幾分大きく、および/または幾分容易に誘導されるような、選択抗原に対する免疫応答の調節を意味する。好ましい実施形態において、ワクチン接種は、本発明の細胞ではないことを除き、全ての点で同一である対応する細胞の複製サンプルの投与から得られた応答よりも、応答が、約5ないし100%、またはより好ましくは約5ないし50%、またはより好ましくは約5ないし25%幾分効率的で、幾分迅速で、幾分大きく、および/または幾分容易に誘導されるような、選択抗原に対する免疫応答の調節を意味する。
本明細書に使用した「ワクチン組成物」という用語は、その投与が、被検者のワクチン接種(本明細書で定義)を構成する組成物を意味する。好ましい実施形態において、ワクチン組成物は、CD40リガンド増強細胞;CD40リガンド増強、オプソニン増強細胞;サイトカインと組み合わせたCD40リガンド増強細胞またはCD40リガンド増強、サイトカイン覆膜細胞;CD40リガンド増強細胞またはCD40リガンド増強、オプソニン増強細胞と接触させたAPC細胞;サイトカイン覆膜細胞;サイトカイン覆膜、オプソニン増強細胞;CD40リガンド増強細胞ではないという点を除いて全ての点において一致する対応する細胞の投与から得られる応答より、約5ないし100%、または好ましくは約5ないし50%、またはより好ましくは約5ないし25%幾分効率的で、幾分迅速で、幾分大きく、および/または幾分容易に誘導されるような応答をする選択された抗原に対する免疫応答を調整できるサイトカイン覆膜細胞又はサイトカイン被膜オプソニン増強細胞と接触するAPC細胞;CD40リガンド増強、オプソニン増強細胞;サイトカインと組合わせたCD40リガンド増強細胞またはCD40リガンド増強、サイトカイン覆膜細胞;CD40リガンド増強細胞またはCD40リガンド増強、オプソニン増強細胞と接触させたAPC細胞;サイトカイン覆膜細胞;サイトカイン覆膜、オプソニン増強細胞;サイトカイン覆膜細胞またはサイトカイン覆膜、オプソニン増強細胞と接触させたAPC細胞を含む組成物を意味する。
「免疫応答を調節する」という用語は、選択抗原に対する免疫応答の刺激/活性化を意味し得るか、または選択抗原に対する免疫応答の抑制、排除または減弱を意味し得る。好ましい実施形態において、免疫応答を調節するという用語は、ワクチン接種を実施しない免疫応答と比べて、少なくとも約5%、または好ましくは5ないし50%、またはより好ましくは50ないし100%の選択抗原に対する免疫応答の刺激および/または活性化を意味するか、またはワクチン接種を実施しない免疫応答と比べて、少なくとも5%、または好ましくは5ないし50%、またはより好ましくは50ないし100%の、選択抗原に対する免疫応答の抑制、排除、または減弱を意味し得る。
「病原」細胞は、天然に存在する形で、疾病を引き起こすことのできる細胞、例えば腫瘍細胞、自己反応性T細胞、病原細菌、病原真菌、または病原寄生虫細胞である。本発明の目的では、病原ウイルスは病原細胞である。病原細胞は、病原細菌、真菌、寄生虫またはウイルスを弱毒化、不活性化または殺滅することにより修飾し得る。
「外来性オプソニン」、「抗原」、「サイトカイン」、または「CD40リガンド」は、細胞外から導入されるか細胞外で産生される、オプソニン、抗原、サイトカイン、またはCD40リガンドを意味する。
「内因性オプソニン」、「抗原」、「サイトカイン」、または「CD40リガンド」は、細胞に天然に発現されるか、または天然に存在する、天然形のオプソニン、抗原、サイトカイン、またはCD40リガンドである、オプソニン、抗原、サイトカイン、またはCD40リガンドを意味する。
「異種オプソニン」、「抗原」、「サイトカイン」、または「CD40リガンド」は、細胞に天然に発現されない、オプソニン、抗原、サイトカイン、またはCD40リガンドを意味する。
オプソニン増強細胞のオプソニンは、細胞質分子、細胞表面分子、または分泌分子として発現され得る。しかし、オプソニンは細胞表面分子または分泌分子として発現されることが好ましい。
抗原およびオプソニンは同一ではないことが好ましい。また、抗原およびサイトカインは同一ではないことが好ましい。サイトカインおよびオプソニンは同一ではないことがさらに好ましい。CD40リガンドは抗原ともオプソニンともサイトカインとも同一ではないことがさらに好ましい。
1つの実施形態において、CD40リガンドは、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドである。遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドは、脂質部分、例えば脂肪酸、例えば、パルミテートを含むことが好ましく、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)部分を含むことがさらに好ましい。
別の好ましい実施形態において、サイトカインは、トランスメンブランセグメントを含む遺伝子工学操作により改変されたサイトカインである。本明細書に使用した「トランスメンブランセグメント」は、細胞膜を通過し、細胞膜二重層の内部の脂質分子の疎水性尾と相互作用するトランスメンブランタンパク質の疎水性領域を意味する。
別の好ましい実施形態において、サイトカインは、遺伝子工学操作により改変されたサイトカインであり、脂質を含む。さらに別の好ましい実施形態において、脂質を、グリコシルホスファチジルイノシトール部分を介してサイトカインに連結させる。
1つの好ましい実施形態において、オプソニンは、遺伝子工学操作により改変されたオプソニンであり、脂質を含む。さらに好ましい実施形態において、オプソニン、例えばコレクチンは、細胞に非共有結合的に結合できる。細胞は、例えば、グリコシルトランスフェラーゼまたはグリコシダーゼで処理することにより処理して、該非共有結合を促進できる。
オプソニンが細胞に含まれる分子により不活性化され得、例えば、C3bが、CD46により不活性化され得る場合、不活性化物質の阻害剤、例えば抗体を組成物に含めることができる。
「細胞様」構造、すなわち内部親水性区画を隔離する親油性膜を含む構造を、本発明の方法および組成物における細胞の代わりに、すなわちその等価体として使用できる。リポソームが特に有用な細胞様構造である。従って、本発明は、抗原を含み、脂質連結遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドまたは脂質連結遺伝子工学操作により改変されたサイトカインと混合されたリポソームを包含する。
「CD40リガンド」という用語は、CD40に、少なくともマイクロモルの範囲の親和性で結合できる分子を意味する。「遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンド」は、異種細胞膜結合部分を含むCD40リガンドである。
本明細書に使用した「サイトカイン」という用語は、哺乳動物細胞により天然に分泌され、白血球上の細胞表面受容体に結合し、白血球に(サイトカインの白血球受容体への単なる占有以上の)変化(例えば、増殖状態の変化、転写プロフィルの変化、または遊走傾向の変化)を誘導する、ポリペプチド分子を意味する。「変化」は、サイトカインの非存在下に比べ、少なくとも約5%の増加または減少を意味する。「サイトカイン」という用語は、本明細書で、天然に存在するサイトカインの受容体のリガンドであるポリペプチド分子を意味する。オプソニンと異なり、サイトカインは、自然に同時に抗原と細胞表面受容体に結合しない。
本発明の方法および組成物に有用なサイトカインの例は、以下を含むがこれに限定されない:GM−CSF、IL−2、IL−4、IL−6、IL−12、ヘマトポイエチン受容体リガンド、免疫グロブリンスーパーファミリー受容体リガンド、インターフェロン受容体リガンド、TNF受容体リガンド、およびケモカイン受容体リガンド。サイトカイン受容体に対する抗体はサイトカインでもよい。
本明細書に記載した「遺伝子工学操作により改変されたサイトカイン」は、異種細胞膜結合部分を含むサイトカインである。
本明細書に使用した「オプソニン」という用語は、同時に抗原含有細胞と抗原提示細胞(APC)の両方に結合または付着することにより、抗原とAPC間の連結またはカップリング剤(アダプター)として作用でき、APCによる抗原含有細胞のより効率的な結合、包み込みおよび内部移行を可能とする、天然に存在するおよび天然に存在しない分子を意味する。本発明で有用なオプソニンは、天然に存在するオプソニンに結合できる受容体を介してAPCに結合できる、天然に存在しないオプソニンも含む。
本明細書に使用した「オプソニン」という用語は、処理段階または段階群の少なくとも1つの産物が、同時に抗原含有細胞とAPCの両方に結合または付着することにより、連結またはカップリング剤として作用でき、APCによる他の抗原含有細胞のより効率的な結合、包み込みおよび内部移行を可能とするように処理され得る分子を意味し得る。オプソニンは、多鎖オプソニンの任意のポリペプチド鎖であり得る。
本発明の方法および組成物に有用なオプソニンの例は以下を含む:ビトロネクチン、フィブロネクチン、補体成分、例えばC1q(その成分ポリペプチド鎖A、BおよびCのいずれかを含む)、補体断片、例えばC3d、C3bおよびC4b、マンノース結合タンパク質、コングルチニン、表面プロテインAおよびD、C反応性タンパク質(CRP)、α−2−マクログロブリン、および免疫グロブリン、例えば、免疫グロブリンのFc部分。
「先天オプソニン」は、先天免疫系のオプソニンであり、先天免疫系の分泌ポリペプチド分子として当分野で知られており、同時に抗原とAPCの表面に結合すると信じられている。従って、それらは「橋」として作用でき、この特性により、APCによる抗原の内部移行を促進すると考えられている。オプソニンが抗原に結合する様式は、オプソニンによって異なり、共有結合的または非共有結合であり得る。一般に、先天オプソニンの抗原結合部分は、免疫グロブリンの抗原結合部分とは異なり、前者は同種のメンバー間で比較的不変であり、個体発生中に多様化を受けない。
天然に存在するAPC結合部分を含む分子は、それが部分を介して細胞に安定に結合または付着できる該部分を含む場合、オプソニンと考えられ、オプソニン分子がその天然抗原結合ドメインを含むか否かに関わらず、APC結合部分は細胞外空間に位置する。
本明細書に記載した「遺伝子工学操作により改変されたオプソニン」は、細胞膜結合部分が、オプソニンの天然抗原結合ドメインで置換されているか、または細胞膜結合部分が、オプソニンの天然抗原結合ドメインの修飾または除去なくオプソニンに連結されている分子を含む。
遺伝子工学操作により改変されたオプソニン、遺伝子工学操作により改変されたサイトカイン、または遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドの「細胞膜結合部分」、すなわち、これにより分子が安定に細胞に結合できる部分は、架橋部分および脂質部分を含むがこれに限定されない。細胞膜結合部分は、ポリペプチドとその同族細胞表面ポリペプチドの相互作用以外の手段により細胞に結合することが好ましい。細胞膜結合部分が非ポリペプチド部分であることがさらに好ましい。好ましい実施形態において、脂質部分が、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)部分を介して遺伝子工学操作により改変された分子に連結している。別の好ましい実施形態において、脂質は、脂肪酸、例えばパルミテートを含む。さらに別の好ましい本発明の実施形態において、細胞膜結合部分は、オプソニンまたは抗原結合ドメイン短縮オプソニンに、オプソニンの抗原結合末端で連結している。別の好ましい実施形態において、遺伝子工学操作により改変されたオプソニンは、APCに結合できる免疫グロブリンのイディオタイプ部分を含む。
貪食作用を引き起こし、非クロノタイプであり、従って、クロノタイプ受容体は細胞によって変化するが、細胞によって変化しない受容体に結合することが好ましい。非クロノタイプ受容体は、先天免疫に役割を果たす細胞上に存在し、例えば、非イディオタイプ受容体を含む。該受容体の例は、CR1、CR2、CR3、CR4およびC1q受容体、C1q受容体の成分を含む受容体、コレクチン受容体、α2m受容体、CRP受容体、および免疫グロブリンのFc受容体を含む。
本明細書に使用した「抗原」という用語は、抗原のレシピエントに体液性および/または細胞性免疫応答を開始できる分子を意味する。抗原は、任意の型の生物分子であり得、これは、例えば、単純な中間代謝物、糖、脂質、およびホルモン並びに巨大分子、例えば、複合炭水化物、リン脂質、核酸およびタンパク質を含む。抗原の一般的なカテゴリーは、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、原虫および他の寄生虫抗原、腫瘍抗原、自己免疫疾患に関与する抗原、アレルギーおよび移植片拒絶、および他の種々の抗原を含むがこれに限定されない。本発明の組成物および方法において、抗原がポリペプチド、例えば、少なくとも7個のアミノ酸を含むものが好ましい。
本発明のCD40リガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞は、例えば、細胞に含まれる抗原または抗原群に対するヒトの免疫応答を調節するために使用できる。細胞は哺乳動物、好ましくはヒトに投与され、抗原提示細胞により取り込まれるか(すなわち摂食または貪食)または他の白血球、例えばリンパ球または顆粒球に接触する。別に、細胞を、貪食作用の可能な条件下でインビトロで抗原提示細胞と接触させる。
本明細書に使用した「抗原提示細胞」または「APC」は、抗原を摂食し、抗原をT細胞に提示する細胞を意味する。これらの細胞は、貪食性白血球、単球、マクロファージ、および樹状細胞(例えば、皮膚のランゲルハンス細胞)、Bリンパ球、および内皮細胞を含む。「専門APC」は、構成的にTリンパ球を活性化できるAPCである。専門APCは、典型的には、構成的にクラスII主要組織適合性分子および共刺激分子、例えばB7−1および/またはB7−2を発現する。
本発明のワクチン組成物は、例えば、ヒトなどの哺乳動物の免疫応答の調節に使用できる。
本発明はまた、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドまたは遺伝子工学操作により改変されたサイトカインをコードしている組換え核酸配列を人工的に細胞に導入して、これらの細胞がインビボで、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドまたは遺伝子工学操作により改変されたサイトカインを発現するようにした細胞を含む、トラスジェニック動物に関する。
記載
本発明は、少なくとも一部には、「CD40リガンド増強細胞」は、被検者に投与した場合、細胞に含まれるかまたは細胞に付着した抗原または抗原群に対する、レシピエントの免疫応答を調節するという発見に基づく。本発明によると、「CD40リガンド増強細胞」は、外来性CD40リガンドと混合した細胞である。「CD40リガンド増強細胞」という用語は、天然CD40リガンドのCD154と混合した細胞だけでなく、任意のCD40リガンドと混合した細胞も包含することを意図する。該細胞は、例えば、形質導入遺伝子からCD40リガンドを発現している細胞よりも、本発明の細胞は調製がより簡単で、より迅速で、より労力が少ないという点で利点がある。従って、自己細胞、例えば腫瘍細胞を本発明の方法および組成物に使用する場合、本発明は疾病のより迅速な処置を可能とする。さらに、本発明は、異種細胞膜結合部分を含むCD40リガンドは、免疫調節特性を保持できることを教義する。これは、CD154の細胞外ドメインを含むGPI連結分子の場合には特に驚くべきことである。なぜなら、GPI部分は、カルボキシ末端に付着し、一方、無傷の天然に存在するCD154のトランスメンブランセグメントは、アミノ酸に向かっているからである。従って、GPI連結CD154の配向は、細胞表面に関して天然CD154とは逆である。遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドは、被検者に投与した場合に混合細胞から拡散しない点で可溶性リガンドよりも利点がある。
本発明は、一部には、細胞表面サイトカインを有する細胞は、被検者に投与した場合、細胞に含まれるか細胞に付着した抗原または抗原群に対してレシピエントの免疫応答を調節できるという驚くべきおよび予測されなかった発見に基づく。従って、本発明は、該分子の膜結合型に関する。さらに、該細胞は、可溶形の同サイトカインを発現する細胞または可溶形の同サイトカインと混合した細胞よりも驚くべき利点を与える。本発明は、GM−CSFなどのいくつかのサイトカインのカルボキシ末端が、同族受容体との相互作用に重要であり、GPI部分がタンパク質のカルボキシ末端に付着するという従来技術の教義、および、従って、異種GPI連結タンパク質は、GM−CSFなどのサイトカインのその受容体への結合を妨害するだろうという期待の点で、予測されなかった結果を提供する。さらに、従来技術は、ケモカインなどの多くのサイトカインが、その活性を濃度勾配を介して奏効することを教義する。
膜結合サイトカインは、可溶性サイトカインに優る数個の利点を与える。膜結合サイトカインは、全身循環に可溶性サイトカインほど多く拡散せず、それ故、全身毒性の危険性は低い。さらに、混合した可溶性サイトカインに比べ、膜結合サイトカインが細胞に近いことにより、細胞に含まれる抗原に対する免疫応答のより高度な調節が可能になる。さらに、外来性遺伝子工学操作により改変されたサイトカインを含むサイトカイン覆膜細胞は、異種サイトカイン遺伝子で形質導入した細胞よりも、迅速かつ少ない労力で調製できる。
本発明で有用なCD40リガンド
様々な種のCD40タンパク質をコードしているヌクレオチド配列が、例えば、Genbank寄託番号Y10507、M83312およびU57745により提供される。ヒトCD40は、277アミノ酸長のトランスメンブラン糖タンパク質(48kDa)である。CD40はリンタンパク質であり、ホモ二量体として発現され得る。可溶形のCD40(28kDa)も記載されている。CD40タンパク質は、様々な発達段階で全てのBリンパ球、活性化T細胞および単球、濾胞樹状細胞、胸腺上皮細胞、および様々な癌細胞系に発現される。それは、ほとんどの成熟B細胞悪性腫瘍およびいくつかの初期B細胞急性リンパ性白血病に発現される。CD40は、形質細胞悪液質患者の大半の骨髄腫細胞系および骨髄腫細胞で実証された。
CD40mRNAの誘導および一次ヒト単球の細胞表面タンパク質発現の増強が、GM−CSF、IL3、またはIFN−γで処理した後に観察される。ヒトCD40遺伝子は第20番染色体に位置する。
CD40は、記憶細胞の発達に役割を果たしていると提唱されている。それはまた細胞活性化にも役割を果たし、適格因子および進行因子として機能している。CD40抗原の(IL4およびIL5などのサイトカインと組合わせた)架橋により、B細胞が増殖し、活性化T細胞の非存在下で、IgMから、IgG、IgA、およびIgEの合成への免疫グロブリンクラスの切り替えを誘導する。CD40は、天然B細胞のIgA分泌への傾倒に必要な必須シグナルの1つであり;IgA誘導の機序は、IL10とTGF−βの共同を必要とする。可溶性CD40は、T細胞依存性B細胞増殖を阻害する。
CD40に対するモノクローナル抗体は、細胞内接着の誘導(CD11a/CD18(LFA−1)を介して)、短期および長期増殖、分化並びにタンパク質のチロシンリン酸化増強を含む、Bリンパ球に対する様々な効果を媒介する。胚中心中心細胞は、CD40および抗原受容体を通した活性化によりアポトーシスによる細胞死を受けることから防がれる。ヒト休止B細胞においてCD40の発現はIL4により誘導される。ヒトB細胞をIL6で処理すると、細胞内CD40ドメインがリン酸化される。しかし、CD40はIL6の受容体としては機能しない。活性化ヒトB細胞において、IL6の合成は、CD40に対して指向したモノクローナル抗体で細胞を処理することにより誘導され、これは、CD40がIL6に依存性のシグナル伝達機序に関与することを示唆する。
いくつかの限定された配列相同性が、神経増殖因子、TNF−αおよびCD27の受容体に見出され、CD40は、これらおよび他のサイトカインの生物活性の調節にも関与し得ると想定される。
CD40は、非免疫細胞にも生物機能を有するが、これらは依然としてほとんど知られていない。CD40連結は、間葉および上皮起源の形質転換細胞においてアポトーシスによる細胞死が誘導されることが示された。部分的には、これらのプロセスは、CD40の細胞質ドメインに存在する死ドメインを通して媒介される。
CD40の特に有用なリガンドは、CD154である。CD154(「CD40リガンド」;ヒトタンパク質29.3kDa、261アミノ酸)は、TNFファミリーのタンパク質のメンバーである。ヒトタンパク質は、ネズミEL4胸腺腫細胞から単離された類似タンパク質と、cDNAおよびタンパク質レベルでそれぞれ82.8%および77.4%の同一性を示す。両方のタンパク質が、休止B細胞上に発現されるCD40細胞表面抗原のリガンドである。CD154をコードしているヒト遺伝子は、第Xq26.3−q27番染色体に位置する。様々な種の天然CD40リガンドをコードしているヌクレオチド配列が、例えば、Genbank寄託番号X67878、X96710、X68550、X65453、Z48469およびL07414により提供される。様々な種のCD154分子のアミノ酸配列が、例えば、Entrezタンパク質データベース寄託番号1705713、231718、560693、3047129、116000、151870、38412、109639、1083014、38484および37270により提供される。
CD154は、トランスメンブランポリペプチドとして天然に合成される。それにも関わらず、CD154の生物学的に活性な可溶性断片が記載されている(Pietravalleら、1996、J Biol Chem 271:5965−5967)。Mazzei等(1995、J Biol Chem 270:7025−7028)は、CD154の生物学的に活性な可溶性断片を、無傷トランスメンブランCD154のアミノ酸Glu108からLeu261からなるポリペプチドのホモ三量体として同定した。Graf等(1995、Eur J Immunol 25:1749)は、Met113でのタンパク質分解切断により産生されたC末端断片からなる別の活性断片を記載する。Aruffo等は、CD154の可溶形並びにインビトロでのB細胞の刺激におけるその使用を、米国特許第5,540,926号に開示する。本発明において、CD40の特に有用なリガンドは、アミノ酸残基47−261の、特許第‘926号の配列番号2に示した配列を含むポリペプチドを含む。これらの残基は、ヒトCD154の細胞外ドメインに含まれる。
別の特に有用な型のCD40リガンドは、CD40に対する抗体である。該抗体の例は、Harlan Bioproducts for Science(インディアナポリス、インディアナ州)の製品番号MCA1143およびMCA1590と呼称されたモノクローナル抗体;Biodesign International(ケネバンク、メイン州)のカタログ番号P61640F(クローン14G7により産生)、P42374M(クローンMAB89により産生)、P61046M(クローンBL−C4により産生)、およびP54486M(クローンB−B20により産生)と称されるモノクローナル抗体;Upstate Biotechnology(プラシド湖、ニューヨーク州)のカタログ番号05−422(クローン626.1により産生)と称されるモノクローナル抗体;Mabtech(ナッカ、スウェーデン)のカタログ番号3601(クローンS2C6により産生)と称されるモノクローナル抗体;Research Diagnostics(フランダーズ、ニュージャージー州)のカタログ番号RDI−CBL486(クローンBB20により産生)、RDI−M1691clb(クローンCLB−14G7により産生)、RDI−mCD40−323(クローン3/23により産生)と称されるモノクローナル抗体;Schwabeら、1997、Hybridoma 16:217−226に記載のモノクローナル抗体;Bjorckら、1994、Immunology 83:430−437に記載のモノクローナル抗体;Ledbetterら、1994、Circ Shock 44:67−72により記載のモノクローナル抗体G28−5;およびBuskeら、1997、Exp Hematol 25:329−337に記載のモノクローナル抗体を含む。
本発明で有用なサイトカイン
本明細書に定義した「サイトカイン」という用語は、哺乳動物細胞により天然に分泌され、白血球上の細胞表面受容体に結合する、ポリペプチド分子を意味する。「サイトカイン」という用語はまた、本明細書で、天然に存在するサイトカインの受容体のリガンドであるポリペプチド分子を意味する。オプソニンと異なり、サイトカインは、自然に同時に抗原と細胞表面受容体に結合しない。
サイトカインの受容体を有する白血球は、例えば、単球、マクロファージ、樹状細胞、好中球、好酸球、好塩基球、血小板、リンパ球、Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、骨髄腫細胞、リンパ腫細胞、および白血球細胞を含む。
いずれか1つの機序により固めたくはないが、細胞表面会合サイトカインは、細胞へのサイトカインの安定な近位を可能とし、従って細胞の近傍のサイトカイン濃度を増加させることにより、自由な拡散性サイトカインに優る利点を与えると信じられている。
好ましいサイトカインは、非げっ歯類サイトカイン、例えば、霊長類、例えばヒトサイトカインである。
いくつかのサイトカインが、構造的および/または機能的特性に基づきサイトカインの1つ以上のファミリーに属すると捉えることができる。1つの該ファミリーは、インターロイキンからなる。インターロイキンは、構造的に多様であるが、白血球により発現され白血球に作用するという両方の特性を共有する。インターロイキンの例は、IL−1(例えば、Genbank寄託番号M15330、M28983、E04743、M15131によりコードされるポリペプチド)、IL−2(例えば、Genbank寄託番号E01108、K02797によりコードされるポリペプチド)、IL−3(例えば、Genbank寄託番号A02046、M14743によりコードされるポリペプチド)、IL−4(例えば、M13982、M25892によりコードされるポリペプチド)、IL−5(例えば、X06270、J03478によりコードされるポリペプチド)、IL−6(例えば、E02772、M20572によりコードされるポリペプチド)、IL−7(例えば、J04156、M29054−29057によりコードされるポリペプチド)、IL−8(例えば、M28130によりコードされるポリペプチド)、IL−9(例えば、Kelleherら、Blood.1991;77:1436−1441、Immunogenetics 1990;31(4):265−270に開示された配列)、IL−10(例えば、M84340、U16720によりコードされるポリペプチド)、IL−11(例えば、Paulら、Proc Natl Acad Sci USA.1990;87:7512−7516、Morrisら、Exp Hematol.1996;24:1369−1376に開示された配列)、IL−12(例えば、Genbank寄託番号M86671、S82412によりコードされるポリペプチド;Genbankタンパク質P29459、P29460)、IL−13(例えば、U31120、L13028によりコードされるポリペプチド)、IL−14(例えば、Ambrusら、Proceedings of the National Academy of Sciences(USA) 1993;90:6330−4に開示された配列)、IL−15(例えば、AF031167、U22339によりコードされるポリペプチド)、IL−16(例えば、AF006001、M90391によりコードされるポリペプチド)、IL−17(例えば、U32659、U43088によりコードされるポリペプチド)、IL−18(例えば、D49949、D49950によりコードされるポリペプチド)、TNF−α(例えば、M16441、Y00467によりコードされるポリペプチド)、およびGM−CSF(例えば、X03019、M11220によりコードされるポリペプチド)、および種間のその相同体を含む。相同体をコードしているヌクレオチド配列は、中程度から高度の厳密性条件下で互いにハイブリッド化する。
別のファミリーは、ヘマトポイエチンからなる。このファミリーのメンバーは、ヘリックスA、B、C、およびDとして知られる、4つのα−ヘリックス領域を含む。ヘリックスAおよびB並びにヘリックスCおよびDは、互いにそれぞれ大体平行に走る。ヘマトポイエチンの例は、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−9、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、GM−CSF、G−CSF(例えば、Genbank寄託番号E01219、M13926によりコードされるポリペプチド)、オンコスタチンM(例えば、Malikら、Mol Cell Biol 1989;9:2847−2853に開示された配列の、Genbank寄託番号D31942によりコードされるポリペプチド)、LIF(例えば、Genbank寄託番号X13967、X06381によりコードされるポリペプチド)、CNTF(例えば、Genbank寄託番号U05342、X60542によりコードされるポリペプチド)、および種間のその相同体を含む。相同体をコードしているヌクレオチド配列は、中程度から高度の厳密性条件下で互いにハイブリッド化する。
ヒトIL2は、pIが僅かに塩基性の133アミノ酸(15.4kDa)のタンパク質である。ネズミおよびヒトIL2は、約65%の相同性を示す。IL2は、疎水性分泌シグナル配列として機能している、最初の20アミノ末端アミノ酸をもつ、153アミノ酸の前駆タンパク質として合成される。該タンパク質は、生物活性に必須な1つのジスルフィド結合(Cys58/105位)を含む。
IL2は、3位のスレオニンでO−グリコシル化されている。異なる分子量および荷電をもつ変種は、可変的グリコシル化に起因する。非グリコシル化IL2も生物活性である。グリコシル化は、肝細胞による因子の排泄を促進するようである。
再生魚視覚神経から単離されたグルタミン転移酵素の作用により産生された、ヒトIL2の二量体形は、培養液中のラット脳希突起膠細胞の細胞障害性因子であることが示された。
ヒトIL2遺伝子は、4つのエキソンを含む。IL2遺伝子は、ヒト第4q26−28番染色体(ネズミ第3番染色体)に位置する。ネズミおよびヒトIL2の相同性は、コード領域のヌクレオチドレベルで72%である。
IL2の生物活性は、4−12×10受容体/細胞の密度で、活性化T細胞にはほぼ排他的に発現されているが、休止T細胞には発現されていない膜受容体により媒介される。活性化B細胞および休止単核白血球は稀にこの受容体を発現する。IL2受容体の発現は、IL5およびIL6により調節される。異なっておよび独立的に発現される、3つの異なる型のIL2受容体が識別される。高親和性IL2受容体(Kdis〜10pM)は、細胞により発現される全IL2受容体の約10%を構成する。この受容体は、リガンド結合ドメインとしての2つのサブユニットIL2R−α(TAC抗原=T細胞活性化抗原;p55)およびIL2R−β(p75;CD122)並びにシグナリング成分としてのγ鎖からなる膜受容体複合体である。p75は、休止Tリンパ球、NK細胞、および多くの他の細胞型に構成的に発現されるが、p55の発現は、通常、細胞活性化後にのみ観察される。しかし、p55は、多くの腫瘍細胞によりおよびHTLV−1感染細胞により構成的に合成される。
単球のIL2受容体発現は、IFN−γにより誘導され、よってこれらの細胞は、腫瘍細胞障害性となる。T細胞では、p75の発現は、IL3により減少できる。中間親和性IL2受容体(Kdis=100pM)は、p75サブユニットおよびγ鎖(下記参照)からなるが、低親和性受容体(Kdis=10nM)はp55のみにより形成される。
p55(例えば、Genbank寄託番号X01057によりコードされるポリペプチド)は、219アミノ酸の細胞外ドメインと13アミノ酸の非常に短い細胞質ドメインをもつ、251アミノ酸長を有する。p55遺伝子は、ヒト第10p14からp15番染色体に位置する。
p75(例えば、Genbank寄託番号M26062、M28052によりコードされるポリペプチド)は、214アミノ酸の細胞外ドメインと286アミノ酸の細胞質ドメインをもつ、525アミノ酸長を有する。p75遺伝子は、10個のエキソンを含み、約24kbの長さを有する。それは第22q11.2−q12染色体およびネズミ第15番染色体(バンドE)に位置する。
γと呼称される、IL2受容体の第三の64kDaサブユニットが記載されている(例えば、Genbank寄託番号、D13821、D11086によりコードされるポリペプチド)。ネズミおよびヒトの受容体のγサブユニットは、ヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで約70%の配列同一性を有する。このサブユニットは、高および中親和性IL2受容体の産生に必要であるが、それ自体ではIL2に結合しない。これらの2つの型の受容体は、α−β−γヘテロ三量体およびβ−γヘテロ二量体からそれぞれなる。IL2受容体のγサブユニットをコードしている遺伝子は、ヒト第Xq13番染色体に位置し、約4.2kbに及び、8個のエキソンを含む。IL2受容体のγサブユニットは、近年、IL4およびIL7の受容体の成分であることが示された。それはまた、IL13受容体の成分であるとも信じられている。
p75のトランスメンブランドメインに直ぐ隣接して存在する267−317位のアミノ酸は、IL−2媒介シグナル伝達に関与している。さらに、IL2受容体は、受容体鎖のコンフォメーション変化、受容体媒介エンドサイトシス、およびさらにシグナル伝達プロセスに関与している多くの他のタンパク質(p22、p40、p100)に会合している。同定されたタンパク質の1つは、95kDa細胞接着分子ICAM−1であり、これはおそらく、IL2受容体を細胞間の接触領域に集中させ、従って、例えば、IL−2媒介T細胞刺激中のパラ分泌活性を媒介し得る。p75に会合した別のタンパク質は、lckと呼ばれる、チロシン特異的プロテインキナーゼである。IL2により誘導された細胞増殖は、lck陰性細胞系でプロテインチロシンキナーゼの特異的阻害剤により阻害されるという観察は、他のキナーゼもIL2受容体に会合し得ることを示唆する。fynおよびlynと呼ばれる、2つの該キナーゼが同定されている。さらに、IL2受容体シグナリングもvavにより媒介され得る。
活性化リンパ球は、連続的に、TAC抗原の42kDa断片を分泌する。この断片は、血清および血漿中を循環し、可溶性IL2受容体(sIL2R)として機能する。この可溶性受容体の濃度は、例えば、感染、自己免疫疾患、白血病、または臓器移植後などの様々な病理状態で顕著に異なる。レベルは、100倍まで増加し得る。sIL2Rのレベルは、HIV誘導疾患の重度に相関するようであり、他の設定の診断値にもなり得る。
マウスおよびヒトIL2は両方共、高効率で、相同種のT細胞の増殖を引き起こす。ヒトIL2はまた、類似濃度でマウスT細胞の増殖も刺激し、一方、マウスIL2は、低効率(6から170倍)で、ヒトT細胞を刺激する。
IL2は、Tリンパ球の全亜集合の増殖因子である。それは、休止細胞の細胞周期進行を誘導する、T細胞の抗原非特異的増殖因子であり、従って、活性化Tリンパ球のクローン性増殖が可能となる。この効果は、プロラクチンなどのホルモンにより調節される。
IL2はまた、活性化B細胞の増殖も促進し、例えばIL4などの追加の因子の存在も必要とする。
T細胞およびB細胞に対するその効果のために、IL2は、免疫応答の中心的な制御因子である。それはまた、抗炎症反応、造血および腫瘍監視にも役割を果たす。IL2は、末梢白血球のIFN−γの合成を刺激し、またIL1、TNF−α、およびTNF−βの分泌も誘導する。
LAK細胞(リンホカイン活性化キラー細胞)の増殖の活性とは別の殺腫瘍性サイトカインの分泌の誘導がおそらく、IL2の抗腫瘍活性の原因となる主な因子であると信じられている。
IL2は、因子(例えば、ATH8、CT6、CTLL−2、FDCPミックス、HT−2、NKC3、TALL−3)に応答する細胞系を使用してバイオアッセイでアッセイできる。IL2の特異的エリザアッセイおよび可溶性受容体の酵素イムノアッセイも利用できる。可溶性受容体は、ビオチニル化IL2およびフローサイトメトリーまたはエリザアッセイの使用によっても検出できる。
IL2は、特異的にある腫瘍を攻撃するT細胞の増殖およびクローン性増殖を支持するので、様々な腫瘍細胞型について有意な抗腫瘍活性を示す。IL2の、慣用的な処置には難治性の癌患者の処置における使用は増加している。全身投与IL2との併用療法により、標準的な処置のない転移性腎細胞癌患者の30%に長期寛解が得られた。他覚的および長期生存臨床応答もまた、黒色腫または急性骨髄性白血病の一部の患者にも実証されている。
高用量の全身IL2療法は、多くの望ましくない副作用にも関連している。IL2は、B細胞およびマクロファージを含む、細胞性免疫系の他の成分に対する追加の効果を有し、TNF−α、TNF−β、およびTNF−γを含む他の可溶性メディエータの分泌を誘導する。これらの効果は、IL2の抗腫瘍活性並びにその用量依存的毒性にも寄与し得る。
ネズミ腫瘍細胞の機能的IL2遺伝子を用いた形質導入は、同系宿主による、遺伝子的に修飾された細胞の拒絶をもたらすことが示された。IL2を発現している変化した腫瘍細胞も全身免疫を増加させる。
ヒトIL4は、24アミノ酸の疎水性分泌シグナル配列を含む前駆体として合成される129アミノ酸のタンパク質(20kDa)である。IL4は、2つのアルギニン残基(38および105位)でグリコシル化され、ジスルフィド結合形成に関与する6個のシステイン残基を含む。ジスルフィド結合は、生物活性に必須である。その生物活性の異なる、IL4のいくつかのグリコシル化変種が記載されている。ネズミおよびヒトIL4の比較により、両方のタンパク質は91から128位のみで異なることが示される。
組換えヒトタンパク質のTyr124がアスパラギン酸残基により置換された、IL4変種のY124Dは、高い親和性でIL4受容体に結合する(Kd=310pM)。この変種は、IL4受容体系の強力なアンタゴニストである。検出可能なT細胞増殖活性は保持されておらず、IL−4依存性T細胞増殖を競合的に阻害する(K(i)=620pM)。この変異体の存在により、高親和性結合およびシグナル産生は、リガンドで効率的に脱共役できることが実証される。Y124Dは、IL13受容体の強力なアンタゴニストとしても作用する。
ヒトIL4遺伝子は、4個のエキソンを含み、約10kbの長さを有する。それは、第5q23−31番染色体に位置する。ネズミ遺伝子は第11番染色体に位置する。IL4遺伝子は、造血増殖因子(例えば、GM−CSF、M−CSF、IL3、IL5)をコードしている他の遺伝子の近位にある。IL4遺伝子とIL5遺伝子の間の距離は、約90−240kbである。
ヌクレオチドレベルで、ヒトおよびネズミIL4遺伝子は、約70%の相同性を示す。IL4の5’領域は、これおよび他の遺伝子の発現を制御している転写因子の結合部位である、CLE(保存リンホカインエレメント)と呼称される数個の配列エレメントを含む。ヒトIL4遺伝子(79から69位)の5’領域のP配列(CGAAAATTTCC)と呼ばれる配列モチーフは、T細胞活性化シグナルへの応答を媒介している、NF(P)と呼ばれる核因子の結合部位である。IL4の生物活性は、100−5000コピー/細胞の密度で発現される、特異的受容体(Kdis=20−100pM)により媒介される(例えば、Genbank寄託番号M29854、X52425によりコードされるポリペプチド)。IL4受容体の細胞外ドメインは、エリスロポエチン(Epo)受容体、IL6およびIL2受容体のβ鎖に関連する。それはCD124と称される。
ネズミIL4受容体のcDNAは、810アミノ酸のトランスメンブランドメイン(分泌シグナル配列を含む)をコードする。この受容体は、553アミノ酸の大細胞内ドメインを有する。ヒト受容体は、207アミノ酸の細胞外ドメイン、24残基のトランスメンブランドメイン、および569アミノ酸の大細胞内ドメインを有する。
IL4受容体は、近年、シグナリング成分としてIL2受容体のγサブユニットを含むことが示された。このγサブユニットは、IL4およびIL7およびおそらくIL13の受容体にも会合している。2つの形の受容体が記載され、その1つが分泌されている。分泌受容体のみが、細胞外IL4結合ドメインを含み、IL4活性を遮断できる。IL4受容体と同じ親和性でIL4に結合するIL4結合タンパク質(IL4−BP)も、可溶性IL4受容体変種であることが示された。これらの可溶性受容体はおそらく、受容体結合を阻害することにより、サイトカイン活性の生理学的制御因子として機能するか、または輸送タンパク質として作用する。可溶性受容体または結合タンパク質が、IL1(IL1受容体アンタゴニスト)、IL2、IL6、IL7、TNF−α、IGF、およびIFN−γでも記載されている。
IL4の生物活性は、種特異的であり;マウスIL4は、ヒト細胞に対して不活性であり、ヒトIL4はネズミ細胞に対して不活性である。IL4は、活性化B細胞の増殖および分化、クラスIIMHC抗原の発現、および休止B細胞での低親和性IgE受容体の発現を促進する。IL4は、B細胞上のクラスIIMHC抗原の発現を増強する。それは、他のB細胞刺激への応答能およびT細胞への抗原提示能を促進できる。これは、特異的B細胞のクローン性増殖を促進する1つの方法であり得、従って、免疫系は、非常に低濃度の抗原に応答できる。非B非T細胞によるIL4の産生は、これらの細胞が、IgEまたはIgGのそのFc受容体を介して、他の細胞と相互作用する場合に刺激される。この効果はIL3により増強できる。IL2およびPAF(血小板活性化因子)はIL4の合成を誘導するが、TGF−βはそれを阻害する。
IL3は、B細胞のIL2誘導効果に拮抗し、IL2受容体発現のゆっくりとした減少を引き起こし、従って、IL2によるヒトB細胞の増殖を阻害する。活性化B細胞では、IL4は、IgG1およびIgEの合成を刺激し、IgM、IgG3、IgG2aおよびIgG2bの合成を阻害する。B細胞でのIL4により誘導されるこのイソタイプ切り替えは、IFN−γにより拮抗される。多発性骨髄腫の増殖は、骨髄腫増殖因子であるIL6の合成を阻害するIL4により抑制できる。IL4はまた、ヒト肺胞マクロファージにおけるIL6の合成も阻害する。
IL4でマクロファージを前処理することにより、菌体内毒素またはIFN−γによる細胞の活性化に応答した、IL1、TNF−αおよびプロスタグランジンの産生は防がれる。
IL4は、コロニー形成アッセイで顆粒球または赤血球前駆細胞を含むコロニーの産生においてEpoおよびG−CSF/Epoと相乗作用する。
IL4の古典的な検出法は、刺激精製B細胞の増強増殖を測定する、B細胞共刺激アッセイである。IL4は、IL4応答細胞(例えば、BALM−4;BCL1;CT.4S;CTL44;CTLL−2;Da;FDCPミックス;HT−2;L4;L138.8A;MO7E;MC/9;NFS−60;Ramos;Sez627、TF−1;TS1)を使用したバイオアッセイでも検出できる。ヒトIL4の特異的検出法は、多くのB細胞系におけるCD23の誘導であり、CD23は、フローサイトメトリーまたは蛍光イムノアッセイにより検出される。消費/分解を防ぐ条件下でのIL4産生速度の迅速な決定を可能とするイムノアッセイは、サイトカインイムノトラップである。
IL4は、結腸および哺乳動物癌の増殖を阻害する。それはLAK細胞の発達を増大させることが示された。機能的IL4遺伝子を用いたネズミ腫瘍細胞の形質導入は、同系宿主による、遺伝的に修飾された細胞の拒絶をもたらすことが示された。IL4を発現している変化した腫瘍細胞は、全身免疫を増加させる。形質導入細胞をワクチン接種したマウスは、その後の非形質導入細胞の攻撃を、およびある場合には、既存の腫瘍を拒絶する。
ヒトIL6は、73および172位がグリコシル化された185アミノ酸のタンパク質である。それは、212アミノ酸の前駆タンパク質として合成される。単球は、分子量21.5−28kDaをもつ、少なくとも5つの異なる分子形のIL6を発現する。それらは、グリコシル化およびリン酸化などの翻訳後変化が主に異なる。
様々な細胞型から単離されたIL6は、そのN末端にいくらかの微小不均一性を示す。担体タンパク質のα−2−マクログロブリン(α2M)とおそらく複合体を形成している42−45kDa形が血漿中に観察されている。ネズミおよびヒトIL6は、DNAレベルで65%の配列相同性およびタンパク質レベルで42%の相同性を示す。IL6は、LIF、CNTF、オンコスタチンM、IL11およびCT−1も含む、サイトカインのファミリーのメンバーである。全ての既知のIL6サイトカインファミリーのメンバーが、肝急性相タンパク質発現を誘導する。
H−IL6と称されるIL6と可溶性IL6受容体の間の融合タンパク質からなる、安定および高度に生物活性の設計サイトカインが、ヒト造血前駆細胞増殖に使用され、細胞がIL6には応答しないが、IL6および可溶性IL6受容体からなる安定な複合体を必要とする場合には有用である。
ヒトIL6遺伝子は、約5kbの長さを有し、5個のエキソンを含む。それは、マーカーD7S135とD7S370の間のヒト第7p21からp14番染色体に位置する。ネズミ遺伝子は、第5番染色体に位置する。IL6およびG−CSF遺伝子のヌクレオチドは配列はある点で互いに似ており、進化の関連の可能性を示唆する。
IL6受容体(例えば、Genbank寄託番号M20566、E03515によりコードされるポリペプチド)は、T細胞、マイトジェン活性化B細胞、末梢単球、並びにいくつかのマクロファージ由来およびB細胞由来腫瘍細胞型上に発現される。それは、休止B細胞上には発現されないが、休止T細胞上には発現される。肝細胞では、IL6受容体発現は、IL6またはIL1での処理後に増強される。数個の細胞型において、IL6受容体の発現はまた、グルココルチコイドによっても増強される。IL6受容体遺伝子は、ヒト第1q21番染色体に位置する。
IL6受容体は、80kDaおよび449アミノ酸長の強力にグリコシル化されたタンパク質である。それはCD126と称されている。それは468アミノ酸の前駆体として合成される。分子構造は、受容体が、細胞外受容体ドメインのアミノ末端領域に免疫グロブリン様配列ドメインを含むという点で、M−CSF、PDGFおよびIL1の受容体のそれと類似している。
IL6受容体の細胞内ドメインは、約82アミノ酸長を有し、細胞内シグナル伝達に関与する他のタンパク質とは全く相同性を示さない。異なる親和性(Kdis=10−9および10−11M)でIL6に結合し、同受容体タンパク質の翻訳後修飾により最も生じ易い、2つの異なる形の受容体が記載されている。IL6の生物活性は、10−13−10−15Mの濃度でも認められ、他の高親和性受容体コンフォメーションの存在またはより高い親和性をもつさらなる受容体分子の存在が示唆される。
IL6受容体媒介シグナル伝達は、プロテインキナーゼCおよびまたアデニル酸シクラーゼを含む。
IL6とその受容体の間に形成された複合体は、シグナル伝達に関与する、トランスメンブラン糖タンパク質のgp130(918アミノ酸;277アミノ酸の細胞質ドメイン)と会合する。IL6のその受容体への結合により、gp130のジスルフィド連結ホモ二量体化および関連したチロシンキナーゼ活性化が、シグナル伝達の第一段階として起こる。gp130は、IL6受容体を発現しない細胞でも発現される。それは、IL11、LIF、オンコスタチンM、およびCNTF、およびCT−1を含む他の受容体の成分であることが判明した。これは、なぜLIF、CNTF、およびIL6が、因子自体は互いに関連しないにも関わらず、多くの生物活性を共有しているかを説明する。LIL因子と呼ばれる、STATタンパク質に似た因子が、IL6、およびまたIL1および細菌リポ多糖のシグナル経路に関与することが判明した。
gp130とも相互作用する、可溶形のIL6受容体(IL6R−SUP(IL6受容体可溶性尿タンパク質))も記載されている。これらの可溶性受容体はおそらく、受容体結合の阻害によるサイトカイン活性の生理学的制御因子として機能するか、または輸送タンパク質として作用する。類似の可溶性受容体または結合タンパク質が、IL1(IL1ra、IL1受容体アンタゴニスト)、IL2、IL4、IL7、TNF−α、IGF、およびIFN−γについても記載されている。
造血前駆細胞および神経細胞を含む、いくつかの細胞は、IL6と可溶性IL6受容体の組合せにのみ応答性であり、IL6のみには応答性ではない。
ヒトIL6は、サル、ラットおよびマウスで生物活性である。ネズミIL6は、ヒト細胞では活性ではない。多くの生物活性が、IL6を記載した多くの異なる頭字語により例示される。IL6は、抗原特異的免疫応答および炎症反応に影響を及ぼす多面的サイトカインである。それは、急性相反応の主な生理学的メディエータの1つである。肝細胞では、グルココルチコイドと組合わせたIL6は、メタロチオネインの合成を誘導し、細胞内亜鉛レベルを増加させ、よって、CCL4誘導肝毒性を防ぐ。
IL6は、コリン作用性神経の神経栄養性因子であり、培養液中のその生存を促進する。IL6により、いくつかの神経細胞系を誘導して分化できる。
IL6は、IL1と同様、下垂体のACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の合成を刺激する。ACTHに応答して合成されたグルココルチコイドは、IL6、IL1およびTNFの産生をインビボで阻害し、従って、免疫系と神経内分泌機能の間に一種のネガティブフィードバックループを確立している。星状膠細胞では、IL6は神経成長因子(NGF)の合成を誘導する。
IL6は、インビトロおよびインビボでのB細胞分化因子およびT細胞の活性化因子である。IL2の存在下で、IL6は、成熟および非成熟T細胞の、細胞障害性T細胞への分化を誘導する。IL6はまた、胸腺細胞の増殖も誘導し、おそらく胸腺T細胞の発達に役割を果たす。
IL6は、細胞がIL4により前以て活性化されている場合、B細胞の、免疫グロブリン分泌形質細胞への最終的成熟を誘導できる。B細胞では、IL6は、血清IgG1レベルが120から400倍に上昇できる程度まで、抗体の分泌を刺激する。
僅か0.002ng/mLの濃度のIL6は、多くのヒト骨髄腫の主な自己分泌増殖修飾因子の1つである。これらの細胞の増殖は、IL6に対して指向されたモノクローナル抗体により阻害できる。それはまた、IL6に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの導入により、またはIL4により阻害できる。骨髄腫細胞に対するコルチコステロイドの増殖阻害効果は、おそらく、ステロイド誘導IL6発現の減少に起因する。ヒトIL6依存性骨髄腫細胞の増殖は、IFN−γによっても阻害できる。IL6はまた、他の腫瘍型の自己分泌増殖修飾因子としても機能し得、そのいくつかはIL6を構成的に分泌することが判明した。IL6は、インビトロ子宮頸部腫瘍細胞増殖の自己分泌修飾因子であることが示された。その一方で、IL6は、哺乳動物癌、子宮頸部癌、ヒト肺癌細胞系、組織球リンパ腫、および黒色種などのいくつかの充実性腫瘍の増殖を阻害する。
IL6およびIL3は、インビトロで、多能性造血前駆細胞の増殖の促進において相乗作用する。IL6はまた、インビトロで巨核球の成熟を誘導し、インビボで血小板数を増加させるトロンボポエチンである。ネズミ骨髄培養物では、IL6はGM−CSFに似た活性を示すが、ヒト骨髄培養物では示さない。
形質細胞腫細胞は、IL6およびまたIL6受容体も産生する。これらの細胞は、自己分泌様に刺激されることが示唆されている。1つは因子を産生し、他方は受容体を発現している、2つの異なる細胞個体群の存在に関与するパラ分泌機序も記載されている。
IL6は、IL6応答性細胞系(例えば、7TD1;B9;CESS、KPMM2、KT−3;M1、MH60−BSF−2、MO7E;Mono Mac6;NFS−60;PIL−6;SKW6−Cl4;T1165;XG−1)を使用して、バイオアッセイで検出できる。IL6はまた、ハイブリドーマ増殖因子としてその活性によってもアッセイできる。感度の高いイムノアッセイおよび比色試験も利用できる。受容体会合gp130タンパク質の検出にはエリザアッセイがある。
他のサイトカイン(例えばIL2)と組合せて、IL6は、いくつかの腫瘍型の処置に有用であり得る。機能的IL6遺伝子を用いたネズミ腫瘍細胞の形質導入は、同系宿主による、遺伝的に修飾された細胞の拒絶をもたらすことが示された。IL6を発現している変化した腫瘍細胞は全身免疫も増加させる。形質導入細胞をワクチン接種したマウスは、その後の非形質導入細胞の攻撃を、およびある場合には、既存の腫瘍を拒絶する。
ヒトIL10は、160アミノ酸長を有するサブユニットをもつホモ二量体タンパク質である。ヒトIL10は、ネズミIL10と73%のアミノ酸相同性を示す。ヒトIL10は、4個のエキソンを含む。それは、エプスタイン−バーウイルスのBCRF−1遺伝子(Bam HI C断片の右側の読み枠)の産物に密接に関連する(タンパク質レベルで84%の相同性)。これらの2つのタンパク質は、ヒトとネズミIL10よりも互いにより密接に関連している。それ故、BCRF−1は、ウイルスIL10(vIL10)と呼ばれている。ヒトIL10遺伝子は第1番染色体に位置する。ヒトIL10は、ヌクレオチドレベルで、ネズミIL10に81%の相同性を示す。
受容体が、放射標識IL10(例えば、Genbank寄託番号L12120、U00672によりコードされるポリペプチド)を使用することにより、ネズミおよびヒト細胞上で同定された。マウスIL10は、ヒトIL10の、マウス細胞への結合を遮断できるが、ヒト細胞への結合は遮断できない。ネズミIL10受容体がクローン化された。この受容体は、ネズミIL10に特異的に結合する約110kDaのタンパク質である。この受容体はIFN受容体に構造的に関連している。
IL10は、T細胞のTh1亜個体群におけるIFN−γ、IL2およびTNF−βなどの多くのサイトカインの合成を阻害するが、Th2細胞のは阻害しない。この活性はIL4により拮抗される。IFN−γ産生に対する阻害効果は間接的であり、補助細胞によるIL12合成の抑制の結果のようである。ヒト系において、IL10は、Th1およびTh2細胞により産生され、その機能をダウンレギュレートする。細菌リポ多糖により刺激されたマクロファージにおいて、IL10は、とりわけ、サイトカインmRNAの分解を促進することにより、IL1、IL6およびTNF−αの合成を阻害する。それはまた、抗原提示の阻害をもたらす。ヒト単球において、IFN−γおよびIL10は、互いの他の産生および機能を拮抗する。IL10は、IL12の生理学的アンタゴニストであることが示された。
1L10はまた、補助細胞の存在下でT細胞のマイトジェンまたは抗CD3誘導増殖を阻害し、IFN−γおよびIL2の産生を減少させる。外来性IL2およびIL4は、増殖阻害効果を阻害するが、IFN−γの産生には影響を及ぼさない。LPS刺激マクロファージにおいて、IFN−γは、IL10の産生を阻害することによりIL6の合成を増加させる。IL10は、Th2上清の、Th1細胞によるサイトカイン合成を阻害する能力の大半または全てに関与しているようである。
IL10は、IL5により誘導されたT細胞非依存性抗原によるIgの分泌を阻害するが、IL2により誘導されたものは阻害しない。
ネズミLy−1B細胞は、主なIL10源である。他のB細胞と比べて、Ly−1B細胞は、非常に上昇した構成的および誘導的レベルのIL10を発現する。これらの細胞はまた、連続的な自己補充という特有の特性を有する。抗IL10抗体で新生仔マウスを連続的に処置することにより、正常な脾臓B細胞個体群は維持されるが、Ly−1B細胞は枯渇する。これらのマウスには、血清中免疫グロブリンMレベルも非常に減少しており、特異的抗原に対するその抗体応答も損傷している。それ故、IL10は、Ly−1B細胞発達の制御因子である。Ly−1B細胞枯渇の機序は、IFN−γの産生増加に関与するようである。なぜなら、中和抗IFN−γ抗体の共投与は、実質的に、これらのマウスの腹膜常在Ly−1B細胞数を回復するからである。
IL10はまた、成熟および非成熟胸腺細胞の増殖の共刺激因子であり(IL2、IL4およびIL7と共に)、細胞障害性T細胞分化因子として機能し、より多くの数のIL2活性化細胞障害性Tリンパ球前駆体が、細胞障害性エフェクター細胞に増殖および分化することを促進する。IL10は、インビトロでB細胞生存能を保持し、またB細胞も刺激し、その分化を促進する。それは、B細胞上のMHCクラスII抗原の発現を増強し、一方、それは単球上のMHCクラスII発現を阻害する。その抗原受容体を介してまたはCD40を介して活性化されたB細胞において、IL10は、IgG、IgAおよびIgMの分泌を誘導する。この効果は、IL4により相乗作用されるが、IL10により誘導された免疫グロブリンの合成は、TGF−βにより拮抗される。マクロファージの活性化はIL10により防ぐことができる。
ヒトIL10は、ヒトTリンパ球の強力かつ特異的な化学誘引物質であることが示された。化学走性活性は、CD8を発現している細胞には指向されるが、CD4(+)細胞には指向されない。IL10はまた、IL8に向けて、CD4(+)細胞の化学走性応答は阻害するが、CD8(+)細胞のそれは阻害しない。
IL10は、高感度エリザアッセイを用いて検出できる。ネズミ肥満細胞系D36を使用して、ヒトIL10をバイオアッセイできる。細胞内因子も、フローサイトメトリーにより検出できる。
IL10発現ベクターのCHO細胞への導入を使用して、インビボでの局所的IL10産生の結果を分析した。これらの変化細胞は、ヌードマウスまたは重症複合免疫不全症SCIDマウスでもはや腫瘍原性ではなく、等数の同時注入した正常CHO細胞の増殖も抑制した。正常CHO腫瘍は通常、実質的にマクロファージにより浸潤されるが、CHO−IL10腫瘍組織内には実際上、存在しておらず、これは、IL10が、腫瘍増殖促進活性を与え得るマクロファージの浸潤を阻害することにより、ある腫瘍の腫瘍増殖を間接的に抑制することを示唆する。
ヒトIL12は、IL12の生物活性に必須なジスルフィド結合により連結した、40kDaサブユニット(p40、306アミノ酸;10%炭水化物)および35kDaサブユニット(p35、197アミノ酸;20%炭水化物)からなる、ヘテロ二量体70kDaの糖タンパク質である。p40は、10個のシステインおよびヘパリンの結合部位を含み;p35は7個のシステインを含む。
IL12の2つのサブユニットは、どの他の既知のタンパク質とも関連していない。p40は、IL6受容体の細胞外ドメインといくらかの相同性を示し、p35は、IL6の相同体のようである。
単一の分子に2つのIL12サブユニットを合わせた、生物活性ネズミおよびヒトIL12融合タンパク質が記載されている。この設計サイトカインは、インビボで抗腫瘍活性を保持する。二量体組換えIL12の全ての生物学的特徴を保持している単鎖タンパク質Flexi12も記載されている。
IL12のp40サブユニット(IL12B)をコードしている遺伝子は、他のサイトカイン遺伝子も有する同領域のヒト第5q31−q33番染色体に位置する。IL12のp35サブユニット(IL12A)をコードしている遺伝子は、ヒト第3p12−q13.2番染色体に位置する。2つの遺伝子の発現は、互いに独立的に調節されている。
IL12受容体は、約110kDaの単一タンパク質(例えば、Genbank寄託番号U03187、U23922、U64198、U64199によりコードされるポリペプチド)のようである。1細胞あたり1000−9000個までの高親和性IL12受容体が、様々なT細胞マイトジェンによりまたはIL2により活性化された末梢血単核細胞上に発現されている。IL12受容体は、CD4およびCD8を発現している活性化T細胞上および活性化CD56陽性ナチュラルキラー細胞上に存在する。休止末梢血単核細胞、扁桃腺B細胞、または抗IgM/Dx、抗IgM/Dx+IL2、またはSAC+IL2により活性化された扁桃腺B細胞は、受容体を発現しない。高親和性IL12受容体は、形質転換マモセットNK様細胞系、HVS.SILVA40上に構成的に発現する。
IL12のその受容体への結合は、p40サブユニットに対して指向したモノクローナル抗体により防ぐことができ、それ故、それは結合部位を含む。IL12のp40サブユニットは、IL6受容体の細胞外ドメインと相同性を示す。p40サブユニットのウイルスのコードする相同体はEBV誘導遺伝子−3である。
ヒトIL12は、ネズミリンパ球では活性でない。ネズミp35およびヒトp40サブユニットからなるハイブリッドヘテロ二量体は、ネズミ細胞に対する生物活性は保持するが;しかし、ヒトp35とネズミp40の組合せは、ネズミ細胞に対して完全に不活性である。ネズミIL12は、ネズミおよびヒトリンパ球の両方に対して活性である。ネズミIL12サブユニットp40(IL12p40)のp40サブユニットは、様々なアッセイ系でIL12ヘテロ二量体の効果を特異的に拮抗し、IL12ヘテロ二量体の内因性特異的阻害剤として機能することが示された。
IL12は、植物凝集素により活性化されたヒトリンパ芽球の増殖を刺激する。IL12は、CD56陽性NK細胞を活性化し、この活性は、TNF−αに特異的な抗体により遮断される。IL12は、特異的同種間CTL反応を促進する。IL12はまた、抗CD3抗体および混合リンパ球培養物中の同種刺激と、T細胞増殖の誘導において相乗作用する。
Th1型の末梢リンパ球において、IL12は、IFN−γおよびIL2、およびTNFの合成を誘導する。TNF−αも、ナチュラルキラー細胞に対するIL12の効果の媒介に関与するようである。なぜなら、IL12の効果は、TNF−αに対して指向された抗体により阻害されるからである。IL12およびTNF−αは、IL12がIFN−γ応答を最大化する上でのIFN−γ産生の共刺激物質であり;IL12、TNF、およびIFN−γの産生は、IL10により阻害される。Th2ヘルパー細胞では、IL12はIL4、IL5およびIL10の合成を減少させる。
IL12は、末梢血中の単核細胞の増殖の促進およびLAK細胞(リンホカイン活性化キラー細胞)の産生の促進において、最適以下の量のIL2と相乗作用する。ピコモル濃度のIL12が、IL2によりインビボで増殖されたナチュラルキラー細胞の細胞溶解活性の増大において、ナノモル濃度のILと同程度に効果的である。IL12はまた、コマイトジェンとして作用し、IL2により誘導された休止末梢細胞の増殖を増強する。
IL12は、SCF(幹細胞因子)により誘導された原始骨髄前駆細胞の骨髄造血を増強し、コロニー刺激因子と相乗作用して増殖を誘導する。IL12は、より拘束された骨髄前駆体に対する相乗作用も有し、IL3、IL11またはIL3とSCFと相乗作用する。
IL12は、LAK細胞(リンホカイン活性化キラー細胞)の産生に必要なIL2の量の減少を可能とするので、潜在的に臨床的に興味深い。IL12は、インビボで様々な実験腫瘍の増殖を阻害し、インビボで抗血管形成効果を有することが示されたが、これは少なくとも一部には、IFN−γにより媒介される。それ故、IL12は、血管形成依存性悪性腫瘍の処置にも強力な候補のようである。
TNFリガンドスーパーファミリーのメンバー(TNFα、TNF−β、LTβ、CD27リガンド、CD30リガンド、CD40リガンド、CD95リガンド、41BB、OX40リガンド、TRAIL)は、共通の生物活性を共有するが、いくつかの特性は、いくつかのリガンドのみにより共有され、その他は独特である。ヒトTNF−αは、17kDaおよび157アミノ酸長の非グリコシル化タンパク質である。ネズミTNF−αは、N−グリコシル化されている。TNF−βとの相同性は約30%である。TNF−αは、二量体および三量体を形成する。17kDa形の因子は、233アミノ酸の前駆タンパク質のプロセシングにより産生される。TNF−α変換酵素は、この変換を媒介することが示された。26kDaのトランスメンブラン形も記載されている。
TNF−αは、因子の生物活性を変化させることなく分解できる、単一のジスルフィド結合を含む。Ala84からValおよびVal191からAlaへの変異により、因子の細胞毒性活性はほぼ完全に減少する。これらの部位は受容体結合に関与する。7N末端アミノ酸の欠失およびPro8Ser9Asp10のArgLysArgによる置換により、約10倍抗腫瘍活性が増強し、L−M細胞アッセイにより実証したように、受容体結合が増加し、同時に毒性が減少した、変異因子が得られる。
遺伝子は、約3.6kb長を有し、4個のエキソンを含む。一次転写物は、2762ヌクレオチド長を有し、233アミノ酸の前駆タンパク質をコードする。アミノ末端78アミノ酸は、前配列として機能する。ヒト遺伝子は、第6p23−6q12番染色体に位置する。それは、HLA−BのクラスIHLA領域と、補体因子Cをコードしている遺伝子の間に位置する。TNF−βをコードしている遺伝子は、TNF−α遺伝子の約1.2kb下流である。しかし、両方の遺伝子は独立的に調節されている。2つの遺伝子はまた、ネズミ第17番染色体上で互いに近接して存在する。
TNF−αの約500から1000個の高親和性受容体(Ka=2.5×10−9M)が、赤血球の例外を除く全ての体細胞型で発現される。55kDa(TNF−R1;新規呼称:CD120a)(例えば、Genbank寄託番号X55313によりコードされるポリペプチド)および75kDa(TNF−R2;新規呼称:CD120b)(例えば、Goodwin RG等(1991)Molecular Cellular Biology 11:3020−6に記載)の2つの受容体が記載されている。1つの受容体は、171アミノ酸の細胞外ドメインおよび221アミノ酸の細胞質ドメインを含む455アミノ酸のグリコシル化タンパク質である。細胞外部分のシステインリッチドメインの配列相同性により、受容体は、低親和性NGF受容体およびヒト細胞表面抗原CD40に関連することが判明する。
55kDa受容体のTNF−R1のC末端細胞内領域の欠失解析により、プログラム化細胞死に至るシグナルプロセスに関与する、いわゆる死ドメインの存在が判明した。TNF−R1の死ドメインは、TRADDを含む様々な他のシグナルアダプター分子およびRIPと相互作用する。
2つの既知の受容体が、TNF−αおよびTNF−βの両方に結合する。p55は、TNFの細胞毒性作用を受け易い細胞上に特に発現される。p75も、特に骨髄起源の細胞型を含む、多くの細胞型に存在する(受容体サブユニットのウイルスコード相同体は、EBV誘導遺伝子−6である)。刺激T細胞およびBリンパ球上で強く発現される。様々な細胞型上でのTNFの異なる活性、すなわち、増殖促進および増殖阻害活性は、おそらく他の別の受容体会合タンパク質と組合せた複数の受容体の異なる発現および/または調節により媒介される。p55は、微生物およびその病原因子に対する宿主防御に重要な役割を果たすようである。
第三の受容体サブタイプは、正常ヒト肝臓に発現される。それはTNF−αには結合するがTNF−βには結合しない。いくつかのウイルスは、p55およびp75TNF受容体と密接に相同性である、TNF結合特性をもつ分泌タンパク質をコードしている遺伝子を含む。2つの受容体サブタイプの異なる効果が、内皮への白血球のTNF媒介接着にも見られた。p55受容体の関与は、特に、細胞接着分子ICAM−1、E−セレクチン、V−CAM−1、およびCD44の誘導をもたらし、一方、p55およびp75受容体の両方の関与は、α−2インテグリンの発現を誘導する。
短縮可溶形の受容体も見出された。可溶形、特にp60受容体の可溶細胞外ドメインは、TNFの抗増殖効果を遮断し、それ故、TNFの有害な効果を調節し得る。
受容体密度は、IL1並びにホルボールエステルなどの腫瘍促進物質により減少する。TNF−α受容体発現密度は、IFN−α、IFN−β、およびIFN−γにより誘導される。
TNF受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞質ドメインに会合するシグナルトランスデューサは、TRAF(腫瘍壊死因子受容体会合因子)を含む。
ヒトTNF−αは、僅かに減少した特異的活性をもち、ネズミ細胞上で活性である。一般に、TNF−αおよびTNF−βは、インビトロ系で類似の生物活性スペクトルを示すが、TNF−βは、しばしばより強度が低いか、または見かけの部分的アゴニスト活性を示す。
TNF−αは、広い生物活性スペクトルを示す。それはインビトロで多くの腫瘍細胞系の細胞溶解および細胞分裂停止を引き起こす。感受性細胞は、ピコモル濃度の因子への曝露後の数時間以内に死滅し、これは少なくとも一部には、TNF細胞障害性および遺伝子制御シグナル経路の共通のメディエータとして働くミトコンドリア由来二次メッセンジャー分子が関与する。因子は、移植腫瘍の出血性壊死を誘導する。注入後数時間以内に、TNF−αは、悪性腫瘍内の小血管の破壊をもたらす。因子はまた、好中球性顆粒球の貪食作用および細胞障害性を増強し、また、fos、myc、IL1およびIL6を含む多くの他のタンパク質の発現も調節する。
26kDa形のTNFが、活性化単球およびT細胞で優先的に見出される。それは生物学的にも活性であり、直接的な細胞間接触により細胞破壊を媒介する。
好中球のfMLP(ホルミル−Met−Leu−Phe)の化学走性特性は、TNF−αにより増強される。TNF−αは、IP−10、JE、KCを含む多くの化学誘引物質サイトカインの合成を、細胞型および組織特異的様式で誘導する。
TNF−αは、正常なヒト二倍体線維芽細胞の増殖因子である。それは、線維芽細胞におけるコラゲナーゼおよびプロスタグランジンE2の合成を促進する。それはまた、インビボでヒト慢性リンパ球性白血病細胞の自己分泌増殖修飾因子として機能し得、神経芽細胞腫細胞の自己分泌増殖修飾因子であると記載されている。自己分泌増殖促進活性はIL4により阻害される。
休止マクロファージにおいて、TNFは、IL1およびプロスタグランジンE2の合成を誘導する。それはまた、マクロファージの貪食作用およびスーパーオキシドジスムターゼの合成を刺激する。TNFは破骨細胞を活性化し、従って骨再吸収を誘導する。
白血球およびリンパ球前駆体では、TNFは、クラスIおよびII HLAおよび分化抗原の発現、およびIL1、コロニー刺激因子、IFN−γの産生、およびアラキドン酸代謝を刺激する。それはまた、内皮細胞および滑膜細胞のコラゲナーゼの生合成を刺激する。
IL6は菌体内毒素およびTNFにより誘導されたIL1の合成、および内毒素により誘導されたTNFの合成を抑制する。
神経伝達物質SP(サブスタンスP)は、マクロファージのTNFおよびIL1の合成を誘導する。IL1は、IL6と同様に、下垂体のACTH(副腎皮質ホルモン)の合成を刺激する。ACTHに応答して合成されたグルココルチコイドは次に、IL6、IL1およびTNFの合成をインビボで阻害し、従って、免疫系と神経内分泌機能の間のネガティブフィードバックループを確立する。
TNF−αは、IL2の非存在下で、様々な刺激により誘導されたT細胞の増殖を増強する。T細胞のいくつかの亜個体群のみが、TNF−αの存在下でIL2に応答する。IL2の存在下で、TNF−αは、B細胞の増殖および分化を促進する。
皮膚ランゲルハンス細胞の機能的能力もまたTNF−αにより影響を受ける。これらの細胞は、接触感作などの一次免疫応答を開始できない。それらは、GM−CSFおよびまたIL1により免疫刺激樹状細胞に変換される。それ故、これらの細胞は、免疫学的に未熟なリンパ系樹状細胞のレザバーである。成熟ランゲルハンス細胞の抗原処理能の増強は、TNF−αにより有意に減少する。
TNF−αはまた、正常な免疫応答に必要であるが、過剰発現は、重度の病理学的結果を有する。TNF−αは、腫瘍患者に観察される主な悪液質のメディエータである(従って、その名称はカヘクチンである)。TNFはまた、グラム陰性敗血症のいくつかの重度な作用の原因である。
TNF−αは、それに応答する細胞系を含むバイオアッセイで検出できる(例えば、BT−20、CT6、EL4;PK15;L929;L−M;MO7E;T1165;WEHI−3B)。TNF−αはまた、高感度サンドイッチ酵素イムノアッセイ、エリザ、免疫放射線測定法(IRMA)、およびRELAY(受容体媒介標識移行アッセイ)と呼称されるアッセイにより検出できる。細胞内因子は、2色免疫蛍光フローサイトメトリーにより検出する。Higuchi等は、TNF−αまたはTNF−βでの処置後にアポトーシスを受けている細胞からのトリチウム化チミジンの放出に基づくアッセイを記載した。IFN−α、IFN−β、IFN−γ、TGF−β、IL4、LIFおよびGM−CSFは、このアッセイを妨害しないことが示された。
化学療法薬とは対照的に、TNFは、特異的に悪性細胞を攻撃する。徹底的な前臨床試験により、皮下ヒト異種移植片およびヌードマウスでのリンパ節転移に対するTNF−αの直接的な細胞静止および細胞毒性効果、並びに、好中球、マクロファージ、およびT細胞を含む様々な免疫効果細胞に対する様々な免疫調節効果が実証された。1回および複数回の投与量の第I相試験により、TNFは、ショックおよび悪液質などの重度の毒性を併発することなく、抗癌効果に関連した投与量範囲で、進行した悪性腫瘍をもつ患者に安全に投与できることが確認された。しかし、全体的に臨床試験は、残念ながらこれまで癌処置の有意な改善を実証できておらず、TNF誘導全身毒性が、大半の場合において、抗新生物剤としてのTNF使用における主な制限である。TNFと細胞障害性または免疫調節剤、特にIFN−γおよびおそらくIL2の組合せ使用は、いくつかの腫瘍の処置に利点があり得る。いくつかの場合、TNFの腫瘍内適用が、腫瘍制御に利点があることが判明した。
p55受容体に選択活性を有するいくつかの変異形のTNF−βが近年記載された。p55受容体の活性化は、形質転換細胞に対して細胞障害性活性を引き起こすに十分であることが示された。移植ヒト腫瘍を有するヌードマウスにその抗腫瘍活性を保持する、いくつかのこれらの変異体が記載された。
TNFはまた、リンホカイン活性化キラー細胞の攻撃性を増加させるために使用できる。
実験線維肉腫転移モデルを用いた研究により、TNFは、肺の転移数の有意な増加を誘導することが示された。サイトカイン療法中の低用量の内因性TNFまたはTNFの投与は、循環腫瘍細胞の転移能を増強し得ることが示唆された。機能的TNF−α遺伝子を用いたネズミ腫瘍細胞の形質導入により、同系宿主による、遺伝学的に修飾された細胞の拒絶がもたらされることが示された。
インターフェロンは、標的細胞にウイルス非特異的抗ウイルス状態を誘導するサイトカインのファミリーである。インターフェロンのその受容体への結合は、新規タンパク質合成を誘導し、次いで、開始因子eIF−2が不活性化される。不活性化は、インターフェロンにより誘導された抗ウイルス状態に寄与すると考えられる。インターフェロンはまた、ウイルスmRNAを分解する細胞内エンドヌクレアーゼを活性化する経路を誘導する。多くのインターフェロンがまた、マクロファージおよびリンパ球の活性化などの、免疫調節活性も有する。インターフェロンの例は、IFN−α(例えば、Genbank寄託番号K01900、J00209、M12350、J00213、J00216、J00214、M11003、M11026、M34913、M54886、X01974、L38698、M13710、K01238、M13660、M68944、X01972、X01971、X01973、X01969によりコードされるポリペプチド)、IFN−β(例えば、Genbank寄託番号M28622、X14029、X14455、K00020、J00218、E00171、X04430、A09363、M27327、M16656、M25460、K03196によりコードされるポリペプチド)、IFN−γ(例えば、Genbank寄託番号A34532、X87308、E00756、K00083によりコードされるポリペプチド)、IFN−ω(例えば、Genbank寄託番号X58822、A12140によりコードされるポリペプチド)、ウシ栄養芽層タンパク質−1(IFN−τ)(例えば、Genbank寄託番号M31556、M31557、M31558によりコードされるポリペプチド)、および種間のその相同体を含む。ヒトIFN−αおよびIFN−βは、IFN−γ受容体(例えば、Genbank寄託番号J03143、M28233によりコードされるポリペプチド)とは異なる、共通の受容体(例えば、Genbank寄託番号X60459、M89641によりコードされるポリペプチド)に結合すると考えられる。
少なくとも23個の異なるIFN−αの変種が知られている。個々のタンパク質が、19−26kDaの分子量を有し、156から166および172アミノ酸長のタンパク質からなる。全てのIFN−αサブタイプが、アミノ酸115から151位の間に共通保存配列領域を有するが、アミノ末端は可変である。多くのIFN−αサブタイプが、僅か1または2つの位置でその配列が異なる。天然に存在する変種はまた、カルボキシ末端の10アミノ酸が短縮されたタンパク質を含む。ジスルフィド結合が、1/98および29/138位のシステイン間に形成される。ジスルフィド結合29/138は、生物活性に必須であるが、1/98結合は、生物活性に影響を及ぼすことなく減少できる。
ヒトIFN−βは、20kDaの糖タンパク質(約20%の糖部分)であり、166アミノ酸長を有する。グリコシル化は、インビトロでの生物活性に必要でない。該タンパク質は、生物活性に必要なジスルフィド結合Cys31/141を含む。DNAレベルで、IFN−βは、IFN−β−2と34%、他のIFN−αサブタイプと約30%の配列相同性を示す。IFN−γとは対照的に、IFN−βはpH2で安定である。
ヒトIFN−γは、146アミノ酸のサブユニットをもつ二量体タンパク質である。該タンパク質は、2つの部位でグリコシル化されている。pIは8.3から8.5である。IFN−γは、23アミノ酸の分泌シグナル配列を含む166アミノ酸の前駆タンパク質として合成される。20および25kDaの生物学的に活性な2つの分子形のタンパク質が記載されている。その両方共、25位でグリコシル化されている。25kDa形は、97位でもグリコシル化されている。分子量および荷電に関して、天然IFN−γの観察された差異は、可変的グリコシル化パターンに起因する。非変性条件下で観察された40−60kDa形はIFN−γの二量体および三量体である。
サイトカインのCSFファミリーのメンバーは、軟寒天またはメチルセルロース上に固定した骨髄細胞の増殖および分化を可能とする。造血前駆細胞は、ほんの短時間、該因子の非存在下で維持できるが、その存在により、特定の因子に応じて、赤血球系細胞、好中球、好酸球、マクロファージおよび/または巨核球を含むコロニーの発達が可能となる。これらの細胞型の増殖および発達を支持しているコロニー形成を刺激している様々な活性の生化学的分析により、この種の多くの異なるおよび別個の因子が存在することが判明した。
これらの因子の多くは、NまたはO−グリコシル化されている。グリコシル化は、溶解性、安定性、およびタンパク質分解酵素に対する抵抗性を増強することが示された。それは、これらの因子の完全な生物活性スペクトルには必要ではないようである。多くのヒトコロニー刺激因子をコードしている遺伝子がクローン化され、位置決定された。いくつかの遺伝子は近位にあるが、いくつかの保存領域の例外を除き互いに大きな相同性は示さない。
コロニー刺激因子は、例えば、Bリンパ球、上皮細胞、線維芽細胞、内皮細胞、マクロファージ、間質細胞系、Tリンパ球を含む、多くの異なる細胞型により産生される。それらは、約25から32アミノ酸の古典的疎水性分泌シグナル配列を含む前駆分子として合成される。分泌因子は、非常に低濃度(1から100pM)で活性である極めて高い特異的生物活性を有する。これらの因子は、造血前駆細胞の増殖に絶対に必要である。単なる生存の維持に必要な濃度は、通常、細胞増殖の誘導または細胞の特異的機能活性の顕現に必要な次元よりも低い。
個々の因子の名称は通常、これらの因子に応答する細胞型を示す。古典的コロニー刺激因子は、M−CSF(例えば、Genbank寄託番号E03235、M64592、U22386、X05010によりコードされるポリペプチド)(マクロファージ特異的)、G−CSF(顆粒球特異的)、GM−CSF(マクロファージ/顆粒球特異的)、IL3(多機能性)およびMEG−CSF(例えば、Genbank寄託番号D86370、U70136によりコードされるポリペプチド)(巨核球特異的)を含む。G−CSFおよびM−CSFは系統特異的であるが、GM−CSFおよびIL3は、造血前駆細胞の分化の初期の段階に作用する多機能性造血増殖因子である。
ヒトGM−CSFは、2つのグリコシル化部位を有する127アミノ酸の単量体タンパク質である。該タンパク質は、144アミノ酸の前駆体として合成され、これは、アミノ末端に疎水性分泌シグナル配列を含む。糖部分は、完全な生物活性スペクトルには必要でない。非グリコシル化およびグリコシル化GM−CSFは、インビトロで同じ活性を示す。完全にグリコシル化されたGM−CSFは、非グリコシル化タンパク質よりもインビボでより生物学的に活性である。文献に記載の異なる分子量形のGM−CSF(14kDa、35kDa)は、様々なグリコシル化度の結果である。GM−CSFは、4個のシステイン残基(54/96および88/121位)を含む。
GM−CSFのタンパク質配列と、他のコロニー刺激因子の配列の比較により、それらは互いに強く相同性ではないことが判明する。ヒトおよびネズミGM−CSFは、タンパク質レベルで60%およびヌクレオチドレベルで70%の相同性を示す。しかし、2つの因子は免疫学的に交差反応しない。GM−CSFは、ヘパリンスルフェートプロテオグリカンとの複合体として細胞の細胞外マトリックスと会合できる。これにより、生物学的に不活性な形での因子の貯蔵を可能とする。因子がこれらの貯蔵所から最終的に放出される正確な機序は不明である。
ヒト遺伝子は約2.5kb長を有し、4個のエキソンを含む。GM−CSF遺伝子とIL3遺伝子の間の距離は、約9kbである。ヒトGM−CSF遺伝子は、造血増殖因子(M−CSF、IL3、IL4、IL5)をコードしている他の遺伝子およびM−CSF受容体をコードしている遺伝子の近位の第5q22−31番染色体に位置する。GM−CSF遺伝子の5’領域は、CLE(保存リンホカインエレメント)として知られる数個の配列エレメントを含む。それらは、転写因子の結合部位として機能し、GM−CSF遺伝子の発現を調節する。
GM−CSF受容体は、骨髄細胞の細胞表面上に数100から数1000コピー/細胞の密度で発現される。該受容体は、内皮細胞および小細胞肺癌細胞などの非造血細胞上にも発現される。受容体陽性細胞系統において、受容体密度は、成熟度の増加に伴い減少する。
該受容体は、IL2−β、IL3、IL6、IL7、Epo、およびプロラクチン受容体を含む、造血増殖因子の他の受容体と有意な相同性を示す。1つのクローン化されたGM−CSF受容体サブユニット(GM−Rα、45kDa)は、低い親和性でGM−CSFに結合する(例えば、Genbank寄託番号SEG_HUMGRASによりコードされるポリペプチド)。第二サブユニット(GM−Rβ、120kDa)は、GM−CSFに結合しない。GM−Rαは、54アミノ酸の短い細胞質ドメインのみを含む400アミノ酸のタンパク質である。高親和性GM−CSF受容体は、2つの受容体サブユニットの凝集により形成される。受容体のGM−Rβサブユニット(例えば、Genbank寄託番号SEG_MUSAIC2B、M59941によりコードされるポリペプチド)もまた、他のサイトカイン受容体系の構成成分である。それは、IL3およびIL5の高親和性受容体の一成分であり、その両方共、サイトカイン特異的サブユニット(AIC2A)も含む。
ヒトGM−CSFは、ネズミ細胞に対して活性でなく、その逆もそうである。GM−CSFは、軟寒天培養液中でマクロファージ/顆粒球含有コロニーの増殖を刺激する因子として初めて単離された(コロニー形成アッセイ)。GM−CSFは、顆粒球およびマクロファージ前駆細胞の増殖および発達には不可欠である。それは、骨髄芽球および単芽球を刺激し、これらの細胞の不可逆的分化を引き起こす。GM−CSFは、赤血球系および巨核球系前駆細胞の増殖においてEpoと相乗作用する。別のコロニー刺激因子のM−CSFと組合せて、相乗的抑制現象、すなわちこれらの2つの因子の組合せにより、マクロファージ含有細胞コロニーの産生の部分的抑制がもたらされることが観察される。
急性骨髄性白血病患者由来のいくつかの型の芽細胞において、GM−CSFは、増殖の自己分泌メディエータとして作用する。GM−CSFは、強力な好中球の化学誘発物質である。それは、殺菌活性、酸化的代謝、並びに好中球およびマクロファージの貪食活性を増強する。これらの細胞の細胞障害性も高める。
GM−CSFは、例えばG−CSFよりも顕著ではない特異性を示す。それは、好中球、好酸球および単球系統の増殖および分化を刺激する。それはまた、対応する成熟形を機能的に活性化し、例えば、ある細胞表面接着タンパク質(CD−11A、CD−11C)の発現を増強する。これらのタンパク質の過剰発現は、炎症部位に顆粒球の局所的蓄積が観察される1つの説明となり得る。さらに、GM−CSFはまた、好中球活性の刺激物質である、fMLP(ホルミル−Met−Leu−Phe)の受容体の発現を増強する。
ピコからナノモル濃度のGM−CSFは、好酸球に化学走性であり、また、他の化学走性因子に応答したこれらの細胞の化学走性挙動にも影響を及ぼす。
顆粒球では、GM−CSFは、アラキドン酸代謝物の放出および反応性酸素種の産生増加を刺激する。Na+/H+対向輸送系の活性化により、サイトゾルが迅速にアルカリ化される。好中球顆粒球の貪食活性および好酸球の細胞障害性も、GM−CSFによりかなり増強される。GM−CSFは、炎症応答部位に存在する細胞(Tリンパ球、組織マクロファージ、内皮細胞、肥満細胞)により産生されるので、それは炎症反応に重要なメディエータであると推定できる。
皮膚のランゲルハンス細胞の機能的状態も、GM−CSFにより影響を受ける。これらの細胞は、例えば接触感作などの一次免疫応答を開始することができない。それらは、GM−CSF(およびまたIL1)により非常に強力な免疫刺激樹状細胞に変換される。それ故、ランゲルハンス細胞は、免疫学的に未熟なリンパ系樹状細胞のインサイツレザバーを形成する。抗原処理能の増加として見られるこれらの細胞の成熟は、TNF−αによりダウンレギュレートできる。
ナノモル濃度で、GM−CSFは、好塩基球上の補体C3a受容体の発現を誘導する。通常C3aに応答せず、GM−CSFにより活性化された細胞は、C3a刺激に応答して脱顆粒する。これは、ヒスタミンおよびロイコトリエンC4の放出を伴う。このプロセスは、炎症応答(Tリンパ球、組織マクロファージ、内皮細胞、肥満細胞)に関連した過敏症反応に意義があり得る。GM−CSFはまた、栄養芽層インターフェロン(TP−1)の強力な誘導物質であることが示された。
GM−CSFは、IL1、IL3およびG−CSFを含む、いくつかの他のサイトカインと相乗作用する。GM−CSFおよびG−CSFは、インビトロでの好中球含有コロニーの発達を可能とするために協奏的に作用しなければならない。
IL3自体は、ほんの僅か循環血液細胞数を増大させるが;続くGM−CSF投与量は、細胞数を有意に増加させ、これはおそらく、IL3が最初に、GM−CSFに応答できる細胞を増殖させるためである。ほとんどのIL3依存性細胞系がGM−CSFおよびIL4の存在下でも増殖でき、数個の相乗効果が、GM−CSFとIL4の間に観察されるという観察により、これらの3つの因子は、細胞増殖の制御に類似の機能を実施することが示唆される。シグナル伝達機序は、少なくともいくつかの共通因子を含むという指摘がある。
発癌遺伝子によりコードされるチロシン特異的プロテインキナーゼを用いた実験により、因子依存性細胞でのこのキナーゼ活性の発現は、GM−CSF、IL3およびIL4に対するその依存性を消失させることが示された。これらの因子が細胞の増殖および分化を調節する正確な機序は依然として不明である。
GM−CSFの調節解除発現の結果は、構成的にGM−CSFを発現する遺伝子を有するトランスジェニックマウスで研究した。GM−CSFをコードしているトランスジーンの過剰発現は、網膜の病理学的変化をもたらし、失明を引き起こし、また筋肉の劣化を引き起こす。これらのマウスは、活性化マクロファージの非常に顕著な増加を特徴とする。さらに、GM−CSFの過剰発現により、大量のIL1およびTNFを分泌している成熟マクロファージの活性化が起こり、これはこれらのサイトカインは、トランスジェニックマウス疾病のいくつかの態様に関与し得ることを示唆する。
組織病理学的検査により、単球系統の前駆細胞の個体群の顕著な増加が実証される。GM−CSFトランスジェニック動物は、通常、これらの因子の過剰発現から生じる広範囲の組織傷害から数ヶ月以内に死亡する。類似の結果が、適切なレトロウイルスベクターを用いた形質転換によりGM−CSFを過剰発現するように操作した骨髄を有するマウスで得られた。しかし、これらの知見は、臨床的な意義はないようである。GM−CSFでの霊長類およびマウスの長期処置により、生命に危険を及ぼす合併症は起こらないことが示された。
GM−CSF遺伝子破壊の生物学的結果を、標的化遺伝子欠失を有するES細胞から産生したマウスで研究した。標的化GM−CSF遺伝子破壊にホモ接合性のマウスは、損なわれていない定常状態の造血を特徴とし、これは、GM−CSFが、血液、骨髄、および脾臓における主要な型の成熟造血細胞およびその前駆体の正常レベルの維持に必須ではないことを実証する。
ほとんどのGM−CSF欠損マウスは表面的には健康および繁殖性であるが、異常な肺を発達させる。GM−CSF欠損マウスに、特発性ヒト疾患肺胞蛋白症を規定する特徴である、肺胞腔に界面活性物質脂質およびタンパク質の進行的蓄積が生じる。肺気道および血管に関連した広範なリンパ性過形成も認められる。これらの結果は、肺恒常性におけるGM−CSFの予測されなかった重要な役割を実証する。
GM−CSF、IL3、およびIL5受容体複合体の共通βサブユニット(βC)をコードしている遺伝子のヌル変異にホモ接合性のトランスジェニックマウスは、正常な発達を示し、若年成体生存期間を生き延びた。それらは、肺胞蛋白症に似た肺気管支肺胞周囲リンパ浸潤および領域を発達させる。ホモ接合型欠失変異体の末梢血および骨髄の好酸球数は減少したが、他の血液学的パラメータは正常である。ホモ接合型欠失変異体由来の骨髄細胞は、GM−CSFの高親和性結合を示さないが、ヘテロ接合型動物由来の細胞は、中間の高親和性受容体数を示す。ホモ接合型欠失変異体由来の骨髄細胞のクローン培養物は、GM−CSFおよびIL5が高濃度であっても、コロニー形成アッセイのコロニー形成を刺激しない。変異体と野生型同腹仔の間の全身クリアランスおよびGM−CSF分布の差異は観察されない。
Nishinakamura等は、β−c変異体マウスを、IL3の欠失したマウスと交差させた。全てのIL3、GM−CSF、およびIL5機能を欠失した二重変異マウスは見かけ上正常な生殖性である。動物は、β−c変異体マウスと同数の好酸球の減少および寄生虫に対する好酸球応答の欠失を示す。リステリア単球遺伝子に対する二重変異体マウスの免疫応答は正常である。フルオロウラシル処置後の造血回復も正常である。これらの知見は、IL3、GM−CSF、およびIL5の存在に依存しない別の血球産生機序の存在を示唆する。
GM−CSFは、マクロファージ、好中球、好酸球、および巨核球を含むコロニーの発達によりコロニー形成アッセイでアッセイできる。GM−CSFは、GM−CSFの存在にその増殖を依存するか、またはこの因子に応答する細胞系(例えば、AML−193;B6SUt−A;BAC1.2F5;BCL1;Da;FDCP1;GF−D8;GM/SO:IC−2;MO7E;NFS−60;PT−18;TALL−103;TF−1;UT−7)を用いて特異的バイオアッセイでも検出される。
GM−CSFは、血球の異常成熟または白血球の産生減少を特徴とする全疾病における造血の生理学的再構成に使用できる。GM−CSFの主要および最も重要な臨床適用は、おそらく、化学療法および/または放射線療法後の生命に危険を及ぼす好中球減少の処置であり、これは、GM−CSF処置下で顕著に減少する。GM−CSFは、化学療法誘導血球減少を修正し、感染および出血への血球減少関連素因に対抗するために使用できる。
GM−CSF投与後の合併症の危険性を回避するために、注意深い臨床監視が、ある患者群、例えば、脊髄形成異常症候群、急性骨髄性白血病、炎症疾患、自己免疫血小板減少症または免疫応答機能不全患者に必要である。
数個の研究により、GM−CSFの使用は、細胞障害性薬物処置に対する許容度を増強させ、細胞障害性薬物処置の副作用により必要とされる用量の減少を防ぐために使用できることが実証された。GM−CSF処置により、頻繁に、1クールあたりの細胞障害性薬物用量の増加が可能となる。これらの研究により、GM−CSF処置下で罹患率も有意に減少することが判明した。
機能的GM−CSF遺伝子を用いたネズミ腫瘍細胞の形質導入は、同系宿主による、遺伝学的に修飾された細胞の拒絶をもたらすことが示された。さらに、GM−CSF形質導入腫瘍細胞をワクチン接種することにより、その後の野生型同系腫瘍細胞の種菌の増殖を防ぐ。
サイトカインのケモカインファミリーは、白血球に化学走性を誘導する、比較的小さく、構造的に類似したポリペプチドからなる。ケモカインは、8−10kDaの分子量を有し、タンパク質レベルで、互いに約20から50%の配列相同性を示す。タンパク質はまた、共通の遺伝子構造および三次構造を共有する。全ケモカインが、細胞内ジスルフィド結合形成に関与する多くの保存システイン残基を有する。
個々の遺伝子の染色体位置に従って、2つの異なるケモカインのサブファミリーを識別する。α−ケモカインのメンバーは、4qケモカインファミリーとも呼ばれる。なぜなら、このファミリーのメンバーをコードしている遺伝子は、ヒト第4q12−21番染色体に位置しているからである。このファミリーのメンバーの最初の2つのシステイン残基は、1つのアミノ酸により分離され、それ故、これらのタンパク質はC−X−Cケモカインとも呼ばれる。このサブファミリーは、9E3(例えば、Genbankタンパク質P08317)、AMCF(例えば、Genbank寄託番号M99367、M99368によりコードされるポリペプチド)、β−トロンボグロブリン(例えば、Begg GS等(1978)、Biochemistry 17:1739−44に開示)、CINCファミリーメンバー(例えば、Genbank寄託番号D21095によりコードされるポリペプチド)、ENA−78(例えば、Genbank寄託番号X78686によりコードされるポリペプチド)、エオタキシン(例えば、Genbank寄託番号U46572、U40672によりコードされるポリペプチド)、GCP−2(例えば、Genbank寄託番号Y08770、U83303によりコードされるポリペプチド)、IL8、IP−10(例えば、Genbank寄託番号L07417、X02530によりコードされるポリペプチド)、KC(例えば、Genbank寄託番号J04596によりコードされるポリペプチド)、LIX(例えば、Genbank寄託番号U27267によりコードされるポリペプチド)、mig(例えば、Genbank寄託番号M34815、Z24725によりコードされるポリペプチド)、MGSA(例えば、Genbank寄託番号X12510によりコードされるポリペプチド)、mob−1(例えば、Genbank寄託番号U17035によりコードされるポリペプチド)、NAP−2(Clark−Lewis I等(1991) Biochemistry 30:3128−35、Cohen AB等(1992) American Journal of Physiology 263:L249−56に記載)、NAP−3(Schroder JM等(1991) Journal of Experimental Medicine 171:1091−100に記載)、NAP−4(Schroder JM等(1990) Biochemical and Biophysical Research Communications 172:898−904に記載)、PBSF(SDF)(例えば、Genbank寄託番号D21072、U16752、D50645によりコードされるポリペプチド)、およびPF4(例えば、Genbank寄託番号M25897によりコードされるポリペプチド)を含む。
IL8、MGSA、マウスKC、MIP−2(例えば、Genbank寄託番号X65647によりコードされるポリペプチド、およびBlum Sら、幹細胞増殖の阻害剤をコードしているネズミ遺伝子の3つのヒト相同体、DNA Cell Biol.9:589−602(1990);Clements JMら、酵母で発現されたMIP−1αの生物学的および構造的特性、Cytokine 4:76−82(1992);Devatelis Gら、炎症およびケモキネシス特性をもつ新規モノカインである、ネズミマクロファージ炎症タンパク質(MIP)のcDNAのクローニングおよび特徴付け、Journal of Experimental Medicine 167:1939−44(1988)(erratum、JEM 170:2189(1989));Farber JM、γ−インタフェロンにより選択的に誘導されるマクロファージmRNAは、サイトカインの血小板因子4ファミリーのメンバーをコードする、Proceedings of the National Academy of Science(USA)87:5238−42(1990);Haskill Sら、サイトカイン機能をコードしている3つの関連したヒトGRO遺伝子の同定、Proceedings of the National Academiy of Science(USA)87:7732−6(1990);Poltorak AN等(1995)Journal of Inflammation 45(3):207−19;Rossi DL等(1997)Journal of Immunology 158(3):1033−1036;Sherry B等(1988)Journal of Experimental Medicine 168:2251−9;Tekamp−Olson P等(1990) Journal of Experimental Medicine 172:911−9;Wolpe SD等(1989) Proceedings of National Adademy of Science(USA) 86:612−16;Wolpe SD等(1989) FASEB Journal 3:2565−73に記載)、NAP−2、ENA−78、およびGCP−2は、アミノ末端近くの最初のシステイン残基直前の保存ELR配列モチーフ(グルタミン酸−ロイシン−アルギニン)により規定されるヒトC−X−Cケモカインの亜群を含む。ELR配列モチーフを含むケモカインが、初期に好中球を化学誘引および活性化することが判明した。ELR配列モチーフを含まないケモカインは、単球、樹状細胞、T細胞、NK細胞、Bリンパ球、好塩基球、好酸球を化学誘引および活性化するようである。
β−ケモカインまたは17qケモカインファミリーのメンバーは、ヒト第17q11−32番染色体(ネズミ第11番染色体)に位置する。最初の2つのシステイン残基は隣接しており、それ故、これらのタンパク質はC−Cケモカインとも呼ばれる。このサブファミリーは、ACT−2(例えば、Genbank寄託番号J04130によりコードされるポリペプチド)、C10(例えば、Berger MS等(1993) DNA Cell Biol.12:839−47;Berger MS等(1996)8:439−447に記載)、CCF18(例えば、Hara T等(1995) Journal of Immunology 155:5352−8に記載)、DC−CK1(例えば、Adema GJ等(1997)Nature 387:713−717に記載)、ELC(例えば、Genbank寄託番号AB000887、AF059208によりコードされるポリペプチド)、エオタキシン−2(例えば、Forssmann U等(1997) Journal of Experimental Medicine 185:2171−2176に記載)、エキソダス(Exodus)(例えば、Genbank寄託番号U64197,U88320、U88321、U88322によりコードされるポリペプチド)、FIC(例えば、Genbank寄託番号L04694によりコードされるポリペプチド)、GDCFおよびGDCF−2(例えば、Kuratsu J等(1989) Journal of the National Cancer Institute 81:347−51;Yoshimura T等(1989)Journal of Experimental Medicine 169:1449−59;Yoshimura T等(1989) Journal of Immunology 142:1956−62に記載)、HC−21(例えば、Chang HC&Reinherz EL(1989)European Journal of Immunology 19:1045−1051に記載)、HCC−1(例えば、Genbank寄託番号Z49270によりコードされるポリペプチド)、I−309(例えば、Genbank寄託番号M57502によりコードされるポリペプチド)、JE(例えば、Genbank寄託番号AF058786、M28226によりコードされるポリペプチド)、LAG−1(リンパ球活性化遺伝子−1)(例えば、Genbank寄託番号X53683によりコードされるポリペプチド)、LARC D86995)、LD78 E03130、E03131、MARC(例えば、Thirion S等(1994)Blochemical and Biophysical Research Communications 201:493−499に記載)、MCAF M24545およびApella E等(1990)Progress in Clinical and Biological Research 349:405−17)、MCP−1(例えば、Genbank寄託番号X14768によりコードされるポリペプチド)、MCP−2(例えば、Genbank寄託番号Y16645によりコードされるポリペプチド)、MCP−3(例えば、Genbank寄託番号X72308、S71251によりコードされるポリペプチド)、MCP−4(例えば、Genbank寄託番号X98306によりコードされるポリペプチド)、MCP−5(例えば、Genbank寄託番号U50712によりコードされるポリペプチド)、MIP(マクロファージ炎症タンパク質)(例えば、Genbank寄託番号U77180、U77035、U49513、M35590によりコードされるポリペプチド)、MRP−2(例えば、Youn BS等(1995)Journal of Immunology 155:2661−7に記載)、RANTES SDF(例えば、Genbank寄託番号M21121、M77747によりコードされるポリペプチド)、TARC(例えば、Genbank寄託番号Q92583)を含む。
さらに、ケモカインに関連しているが、2つのケモカイン群の1つに依然として割り当てられていないか、または2つのケモカイン群(例えば、ATAC(例えばGenbank寄託番号X86474によりコードされるポリペプチド)、Ltn(例えば、Genbank寄託番号U15607、U23772によりコードされるポリペプチド)、SCM−1(例えば、Genbank寄託番号D63789、D63790、D43769によりコードされるポリペプチド)のいずれかの古典的特徴を有さない数個の他の因子が存在する。これらは、C型ケモカインまたはγ−ケモカインと呼ばれる。
ニューロタクチン(例えば、Genbank寄託番号AF010586によりコードされるポリペプチド)を含むさらに別のケモカイン群が同定され、これはCX(3)Cシステインサインモチーフを特徴とする。構造的および機能的特性を基礎にしたケモカインの明確に定義された亜群の存在は、生体中の白血球の移動の調節における化学誘引物質の多様性の重要性を示す。
ケモカインの生物活性は、特異的受容体によりおよびまた数個のこれらのタンパク質に結合する重複したリガンド特異性をもつ受容体より媒介され、常にC−CケモカインまたはC−X−Cケモカイン群のいずれかに属する。ケモカイン受容体は、膜を横断する7個の疎水性αヘリックスセグメントを含む、Gタンパク質共役7トランスメンブランドメイン受容体の大きな群に属する。これらの受容体は、ヘテロ三量体Gタンパク質を介してシグナルを媒介するGタンパク質共役受容体のサブファミリー内の構造関連群を形成する。
C−X−Cケモカインに結合する受容体は、CXCRの後に数字を付して称されるが(例えば、CXCR−1(例えば、Genbank寄託番号L19591によりコードされるポリペプチド)、CXCR−2(例えば、Genbank寄託番号M94582によりコードされるポリペプチド)、CXCR−3(例えば、Genbank寄託番号X95876によりコードされるポリペプチド)、CXCR−4(例えば、Genbank寄託番号D87747、AF025375によりコードされるポリペプチド))、C−Cケモカインに結合している受容体は、CCRの後に数字を付して称される(例えば、CCR−1(例えば、Genbank寄託番号L09230、U29678によりコードされるポリペプチド)、CCR−2(例えば、Genbank寄託番号U29677、U95626によりコードされるポリペプチド)、CCR−3(例えば、Genbank寄託番号U51241によりコードされるポリペプチド)、CCR−4(例えば、X90862、X85740によりコードされるポリペプチド)、CCR−5(例えば、Genbank寄託番号U54994、U83327によりコードされるポリペプチド)、CCR−6(例えば、Genbank寄託番号U95626によりコードされるポリペプチド)、CCR−7(例えば、Genbank寄託番号L31581によりコードされるポリペプチド)、CCR−8(例えば、Genbank寄託番号Z98206、U45983によりコードされるポリペプチド)。ウイルスケモカイン受容体相同体は、ECRF−3、EBI−1(EBV誘導遺伝子−1)、およびUS28を含む。
複数のケモカインと他のメディエータの組合せ効果が、炎症部位での細胞組成物に関与すると現在想定されている。さらに、多くのケモカインが直接細胞を活性化する。あるケモカインは、顆粒球および/または単球を活性化し、呼吸性バースト、脱顆粒、およびリソソーム酵素の放出を引き起こす。他のケモカインは、免疫細胞を感作して、最適以下の量の他の炎症メディエータに応答させる。さらに別のものは、好塩基球の強力なヒスタミン放出因子であることが示された。その乱交雑なケモカイン受容体を介して赤血球は、ケモカインネットワークの調節に重要な役割を果たすことが提唱された。赤血球受容体に結合したケモカインは、その正常標的細胞に接近できないことが知られている。これは、余分のケモカインのシンクを提供するようであり、炎症部位で起こる局所的プロセスを破壊することなく、これらのメディエータの全身効果を制限するのに役立ち得る。
あるC−Cケモカインは、単なる化学走性以外の生物活性を示す。いくつかのケモカインが、IL2により活性化される細胞に類似した、CHAK(C−Cケモカイン活性化キラー)として知られる、キラー細胞の増殖および活性化を誘導できることが示された。
本発明の別の特に有用なサイトカインは、flt−3リガンド(例えば、Genbank寄託番号U04806、U04807、U03858、L23636、U29874、U29875、U44024によりコードされるポリペプチド)である。このサイトカインは、flt−3チロシンキナーゼ(例えば、Genbank寄託番号Z26652、X59398によりコードされるポリペプチド)に結合する。ヒトflt−3リガンドはまた、ネズミflt−3受容体を発現している細胞の増殖も刺激する。
flt−3リガンドの効果は、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、IL3、PIXY−321、およびSCFの共発現により相乗される。SCFとIL3の組合せで、flt−3リガンドは、マーカースペクトルCD34(+)CD38(−)をもつ細胞の増殖を引き起こすことができる。flt−3リガンドのみが、血液形成細胞、例えばCFU−GM、CFU−GEMM、および非常に原始的な高増殖能コロニー形成細胞の系統の前駆細胞型の生存を支持する。flt−3リガンドのみが、赤血球および巨核球前駆細胞に対して辺縁効果を有する。
マウスでは、flt−3リガンドは、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、IL3、IL6、IL7、IL11、IL12およびSCFと相乗して、様々な型の前駆体/前駆細胞の増殖を強力に増強する。flt−3リガンドは、LTC−IC(長期培養開始細胞)の増殖を支持する。flt−3リガンドの造血前駆細胞生存促進能は、TGF−βにより抑止され、TNF−αにより対抗される。
機能的flt−3受容体の発現およびAML(急性骨髄性白血病)およびALL(急性リンパ性白血病)におけるリガンドに対する応答の研究により、かなりの不均一性が示される。特にBCP−ALLは、flt−3リガンドの存在下、表面flt−3受容体の強力な発現にも関わらず増殖できない。
再生不良性貧血患者並びに化学療法誘導一過性造血抑制癌患者において、flt−3リガンドの血清中レベルは、骨髄不全度に反比例して変動する。flt−3リガンドの血清中レベルは、再生不良性貧血患者由来の骨髄前駆体のインビトロでのコロニー形成能と逆相関する。同系線維肉腫細胞で攻撃したマウスのflt−3リガンド処置は、完全な腫瘍減退および腫瘍増殖速度の減少をもたらすことが示された。
抗腫瘍サイトカインは、特に、本発明の方法および組成物に有用である。本発明によると、「抗腫瘍サイトカイン」は、細胞と混合するか、または動物に投与した場合に、腫瘍細胞の増殖または転移をインビトロまたはインビボで制限できるか、または腫瘍を有する動物の生存を延長できるサイトカインである。サイトカインは、PBSなどの生物学的に適合性の緩衝液中に溶液として製剤化でき、腫瘍細胞とインビトロで混合できる。サイトカインの濃度は、約ピコモル範囲から約マイクロモル範囲までであり得る。抗腫瘍サイトカインは、例えば、細胞の増殖速度を、例えば、緩衝液のみに比べて少なくとも10%減少させるか、または細胞の転移特性を阻害し、これは、例えば、細胞接着性の増加または人工規定膜などの細胞外マトリックス基質への侵入能の減少により証明され得る。別に、抗腫瘍サイトカインは、腫瘍の増殖または転移をインビボで阻害し得るか、または腫瘍を有する動物の生存を延長し得る。サイトカインのインビボ抗腫瘍効果を評価するために、サイトカインは、医薬的に許容される担体に製剤化し得、静脈内、腫瘍内、または腹腔内注入などにより投与し得る。サイトカインはまた、サイトカインを発現するか、またはサイトカインで覆膜された腫瘍細胞などの細胞と共に投与し得る。
生物活性のアッセイ
本発明によると、サイトカインは、「生物活性」、「高度に生物活性」、「極度に生物活性」、「天然の生物活性」、または「超生物活性」であることが好ましい。異なるレベルの生物活性は、白血球に(サイトカインの白血球受容体への単なる占有以上の)変化を誘導する能力に関する。本発明によると、全ての天然に存在するサイトカインは、天然の生物活性である。多くの型のアッセイが、天然に存在しないサイトカインの生物活性を実証できる。例えば、サイトカインは、特定の細胞型の生存および/または増殖を誘導することが示され得る。別の例として、サイトカインは、cAMP、アラキドン酸、カルシウムイオン、またはイノシトール三リン酸などの、細胞内二次メッセンジャーの濃度を変化させ得る。以下は、生物活性のアッセイの例である:
アッセイ1
1つ以上の60ウェルLuxマイクロタイタートレーの各ウェルに、最終濃度10%新生仔ウシ血清の10μlダルベッコ修飾イーグル培地中の200FDC−P1細胞を添加する。最大でマイクロモル範囲の濃度のサイトカインを、容量5μlで各ウェルに加える。トレーを、48時間、37℃で、10%CO中インキュベートする。生存細胞数計測を実施する。生存細胞平均数/ウェルを計測する。このアッセイは、例えば、ネズミGM−CSF受容体を介して媒介される生物活性の同定に有用である。
アッセイ2
サイトカインサンプルおよび天然に存在するサイトカインに同一の組換え標準物質を、96ウェル平底マイクロタイタープレートの完全RPMI−10中で各々連続希釈する。各希釈液を三重に蒔く。活発なlog増殖期のCT.4S細胞を集め、少なくとも2回、完全RPMI−10中で洗浄し、完全RPMI−10に1×10細胞/mlで再度懸濁する。50μlの細胞懸濁液を、プレートの各ウェルに加え、次いで、24時間、37℃で、5%CO中インキュベートする。トリチウム化チミジンを各ウェルに加え、プレートをさらに24時間インキュベートする。次いで、細胞を収集し、トリチウム取込みを液体シンチレーション計測により測定する。このアッセイは、例えば、IL−4受容体を介して媒介される生物活性の同定に有用である。
アッセイ3(コロニー形成アッセイ)
寒天(4%w/v)を、3分間煮沸することにより滅菌水中で融解する。次いで、寒天を42℃に冷却し、42℃RPMI−15に最終濃度が0.4%となるまで加える。溶液を42℃で維持する。大腿を、無菌技術を使用して若年マウスから取り出す。髄を、23G針を具備したシリンジを使用して、骨の開放端を、無菌ハンク平衡塩溶液(HBSS)で流すことにより集める。髄を、15ml組織培養チューブに入れ、ボルテックスをかけ、細胞懸濁液とする。骨断片を5分間静置し、上清懸濁液を除去する。懸濁液を、7.5×10有核細胞/mlに調整し、0.4%寒天含有42℃RPMIを添加することにより1:100に希釈する。サイトカインの2倍連続希釈液を、容量<=0.2mlで35mm組織培養皿に加える。対照皿にはサイトカインを添加しない。1mlの温細胞懸濁液を各皿に加え、寒天を室温に設定する。培養物を5−7日間、37℃で、5%CO中インキュベートする。次いで、コロニー形成を、顕教鏡で評価する。サイトカインプレート上のある型のコロニーの平均数(またはある異なる型のコロニーの凝集数)および対照プレート上の平均数を計測する。このアッセイは、例えば、CSF受容体を介して媒介される生物活性の同定に有用である。
アッセイ4
サイトカインを、RPMI1640/25mM HEPES/1%BSA中に連続希釈する。25μlの各希釈液を、三重に、マルチウェル化学走性チャンバー底に蒔く。培地のみを含むウェルは、陰性対照として使用し、化学走性誘導性の天然に存在するサイトカインを含むウェルは、陽性対照として使用する。ポリカーボネート膜を、チャンバー底上に配置し、チャンバーを構築する。RPMI/HEPES/BSA中1.5×10細胞/mlの50μlの末梢血単核細胞を、チャンバーの各上部ウェルに加える。チャンバーを、90分間、37℃で、5%CO中インキュベートする。膜を取り出し、洗浄し、染色する。各ウェルの3−5個のランダムな視野の移動細胞を顕微鏡により計測する。
アッセイ5
天然に存在するサイトカイン基準標準物質を、補充培地を使用して17×100mmチューブ中で2ng/mlに希釈する。3さらに5倍の連続希釈液も調製する。サイトカインの連続希釈液を、2ng/mlから20pg/mlまで、17×100mmチューブに調製する。補充培地中50μlのPHA活性化ヒトリンパ芽球4×10細胞/mlを、96ウェル平底マイクロタイタープレートの各ウェルに加える。各基準標準物質またはサイトカインの希釈液50μlを、三重にウェルに加える。陰性対照ウェルには、50μlの補充培地のみを加える。プレートを、48時間、37℃で、5%CO中インキュベートし、細胞をトリチウム化チミジンで標識する。取込みは、液体シンチレーション計測により測定する。このアッセイは、例えば、IL−12受容体を介して媒介される生物活性の同定に有用である。
アッセイ6
生物活性の別のアッセイで、免疫適格性動物に、10−10の次元の照射サイトカイン形質導入またはサイトカイン覆膜腫瘍細胞を用いてワクチン接種し、10−10の次元の生野生型腫瘍細胞(任意の一時的順序)で攻撃する。アッセイの解読は、生存、腫瘍開始、または転移数である。
サイトカインアッセイのさらなる例は、例えば、Callard REら、ヒトB細胞増殖および分化因子のアッセイ、Clemens MJ等(編)リンホカインおよびインターフェロン、実践的アプローチ、p.345−64、IRL出版、オックスフォード1987;Coligan JEら、免疫学の現在のプロトコル、Grene and Wiley−Interscience、ニューヨーク1991);Dotsika EN、細胞性免疫機能に影響を及ぼすメディエータのアッセイ、Current Opinion in Immunology 2:932−5(1989);Feldmann Mら、サイトカインアッセイ:自己免疫の病原の評価における役割、Immunological Reviews 119:105−123(1991);Guiguet Mら、認識されていない相互作用成分に起因するサイトカイン含有調製物の生物活性の誤解釈、Analytical Biochemistry 247(2):441−442(1997);Hamblin AS&O’Garra A、インターロイキンおよび他の関連因子のアッセイ、リンパ球、実践的なアプローチ、Klaus GGB(編)、p.209−28、IRL出版、オックスフォード、(1987);Laska EM&Meisner MJ、バイオアッセイの統計学的方法および適用、Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.27:385−97(1987);Mosman TR&Fong TAT、T細胞によるサイトカイン産生の特異的アッセイ、Journal of Immunological Methods 116:151−8(1989);Newton RC&Uh1 J、サイトカインおよびその阻害剤の検出および定量に関連したアッセイ、Modern Methods in Pharmacol.5:83−99(1989);Thorpe Rら、サイトカインの検出および測定、Blood Rev.6:133−48(1992);van Zoelen EJ 、ポリペプチド増殖因子の検出用の生物学的アッセイの使用、Progress in Growth Factor Research 2:131−52(1990);Winstanley FP、サイトカインバイオアッセイ、Gallagher G等(編)腫瘍免疫生物学、実践的なアプローチ、オックスフォード大学出版、p.179−303(1993);Wadha Mら、個々のサイトカインの定量的生物学的アッセイ、Balkwill RF(編)サイトカイン、実践的なアプローチ、オックスフォード大学出版、p.309−330(1991)にも見出すことができる。
本発明により、天然に存在しないサイトカインが、等モル量の天然に存在するサイトカイン(後者はアッセイで陽性の結果を与える)により生じた解読の少なくとも10%、しかし29%以下(最も近い1%)である生物活性アッセイの解読を与える場合、その天然に存在しないサイトカインは「生物活性」である。本発明によると、天然に存在しないサイトカインが、等モル量の天然に存在するサイトカイン(後者はアッセイで陽性の結果を与える)により生じた解読の少なくとも30%、しかし49%以下(最も近い1%)である生物活性アッセイの解読を与える場合、その天然に存在しないサイトカインは「高度に生物活性」である。本発明によると、天然に存在しないサイトカインが、等モル量の天然に存在するサイトカイン(後者はアッセイで陽性の結果を与える)により生じた解読の少なくとも50%、しかし69%以下(最も近い1%)である生物活性アッセイの解読を与える場合、その天然に存在しないサイトカインは「極度に生物活性」である。本発明によると、天然に存在しないサイトカインが、等モル量の天然に存在するサイトカイン(後者はアッセイで陽性の結果を与える)により生じた解読の少なくとも70%、しかし100%以下(最も近い1%)である生物活性アッセイの解読を与える場合、その天然に存在しないサイトカインは「天然の生物活性」である。本発明によると、天然に存在しないサイトカインが、等モル量の天然に存在するサイトカイン(後者はアッセイで陽性の結果を与える)により生じた解読の100%以上である生物活性アッセイの解読を与える場合、その天然に存在しないサイトカインは「超生物活性」である。
本発明で有用なオプソニン
本明細書に定義した「オプソニン」は、例えば、貪食性白血球(単球およびマクロファージを含む)、樹状細胞(例えば、皮膚のランゲルハンス細胞)、Bリンパ球、および、ヒトでの内皮細胞などの、抗原および抗原提示細胞(APC)の両方に結合する天然に存在する分子および天然に存在しない分子、またはプロセス段階または段階群の少なくとも1つの産物が、例えば、貪食性白血球、樹状細胞、Bリンパ球、およびヒトでの内皮細胞などの抗原および抗原提示細胞(APC)の両方に結合できるように処理され得る分子を意味する。
いずれか1つの作用機序に固めず、オプソニン増強細胞は、本明細書に有益な効果を与えると信じられている。なぜなら、オプソニン部分は、抗原とAPC間の連結またはカップリング剤として作用し、抗原のより効率的な結合、包み込みおよび内部移行を可能とするからである。さらに、オプソニン自体が、抗原と共に内部移行できる。「内部移行」は、細胞質または細胞の細胞質内の区画にもたらされる、分子による細胞取込みを意味する。貪食作用は、分子が細胞により内部移行されるプロセスである。
好ましいオプソニンは、例えば霊長類オプソニン、例えばヒトオプソニンなどの、非げっ歯類オプソニンである。本発明で有用なオプソニンは、本明細書に記載したような、先天免疫に役割を果たす細胞上の受容体などのAPC上の受容体(例えば、貪食性白血球、例えば、マクロファージおよび貪食系の他の細胞)に結合する。
いくつかのセットのオプソニンが、構造的および機能的に類似であると考えられる。例えば、1つのファミリーは、補体成分C3およびC4の断片を含む。これらの2つの成分は、高度に構造的に相同性であり、各々、ペプチド(それぞれC3aまたはC4a)が天然分子からタンパク質分解的に切断されると破壊される分子内チオールエステル結合を有する。チオールエステルの崩壊により、抗原とエステル連結を形成できる化学構造が利用できる。このエステル結合が存するC3部分、すなわち、非C3a部分は、C3bと称され、C4bは、C4切断の類似産物である。C3bは、さらに、I因子などのタンパク質によりタンパク質分解でき、エステル結合を介して抗原に連結したままの、C3biおよびC3dなどの断片が生じる。
生物学的に活性で膜に結合したC3および/C4の断片の高親和性受容体として機能することが知られる4つの構造的に独特のタンパク質がある。CR1は、C3のC3b断片およびC4のC4b断片の主な受容体である。それは他の細胞型の中でも、単球および単球由来APC上に発現される。CR2は、C3dとして知られるC3の断片の主な受容体であり、例えば、成熟Bリンパ球上に発現されるが、単球系統の細胞上には発現されない。Bリンパ球上でのCR2の主な役割は、その同族抗原と協奏したB細胞の直接的共刺激であると信じられている。
CR3は、好中球および単球により主に発現され、また、FDC、クッパー細胞、およびNK細胞にも発現される。CR3は、C3biに主な特異性をもつC3断片受容体である。CR3は、貪食作用などのプロセス中での接着相互作用および膜再構成に必要な細胞骨格事象の重要な形成体として提唱されている。
CR4は、β2インテグリンファミリーのメンバーであり、そのα鎖は、CR3およびLFA−1のα鎖に構造的に類似している。その主な生理学的リガンドは、C3dおよびC3d,gであると信じられているが;その生物活性は、CR3ほど解明されていない。
先天オプソニンのファミリーの別の例は、補体成分C1q、マンノース結合タンパク質、界面活性物質プロテインAおよびD、およびコングルチニンを含む、コラーゲン性C型レクチンの群である、コレクチンである。各分子は、抗原に結合できるレクチンドメイン、並びに、C1q受容体に全体的または部分的に同一の受容体を含む、貪食性単核細胞上の受容体に結合できるコラーゲン性ドメインを含む(Nepomucenoら、Immunity 6:11‘9−29;Tennerら、Immunity 3:485−93;Guanら、J Immunol 152:4005−16;Geertsmaら、Am J Physiol 267:L578−84;Miyamuraら、Biochem J 300:237−42;Malhotraら、J Exp Med 172:955−9;Malhotraら、Biochem J 293:15−19)。大半の既知のコレクチンは、一部、ヒドロキシプロリンとヒドロキシリジン残基の共有結合的架橋により、翻訳後に構築された、ある場合にはホモマーの、別の場合にはヘテロマーの、複数のポリペプチド鎖を含む。コレクチンは、例えば、Pikaarら、J Infest Dis 172:481−9;Alvarez−Dominguezら、Infection&Immunity 61:3664−72;Kuhlmanら、J Exp Med 169:1733−45;およびGeertsmaら、上記でオプソニンであることが実証される。
本発明で有用な他の先天オプソニンには、C反応性タンパク質(CRP)、α−2マクログロブリン、およびフィブロネクチンがある。ペントラキシンファミリーの分子のメンバーであるCRPは、単球系統の細胞上の受容体に結合し、オプソニンであることが示された(TeboおよびMortenson、J Immunol 144:231−8;Holzerら、J Immunol 133:1424−30)。α−2マクログロブリンは、C3およびC4と同様、分子をタンパク質分解した時に崩壊できる、内部チオールエステル結合を含む。該崩壊により、分子の抗原への共有結合が可能となり、α−2マクログロブリンのAPCへの結合は、コンジュゲートの取込みを促進できる。フィブロネクチンは、α5β1インテグリンに結合し、また、様々な抗原にも結合でき、それはオプソニンとして機能することが可能となる(Cosio、J Lab Clin Med 103:613−9;CzopおよびAusten、J Immunol 129:2678−81)。
免疫グロブリン(抗体)は、その可変領域を介して抗原に、およびその定常領域を介してAPCに結合することにより、オプソニンとして機能できる。典型的には、免疫グロブリンは、互いに共有結合し、その各々が1つの軽鎖に結合した、2つの重鎖を含む。これらのヘテロ四重体はさらに、IgMの五量体などの、より高次構造へと構築できる。重鎖および軽鎖の両方の可変領域が、抗原結合部位の構造に寄与でき、一方、APC結合部位は、重鎖定常領域上に位置する。組換え単鎖抗体も記載されている。免疫グロブリンのAPC受容体は、Fcα、Fcγ、Fcε、並びに、それぞれIgA、IgG、IgEおよびIgMのFc mu受容体を含む。
多細胞真核生物により天然に発現されるオプソニンが分泌される。後者の特徴は、接着分子からオプソニンを識別する。天然に存在するAPC結合部分を含む天然に存在しない分子は、該分子が天然に存在する抗原の抗原結合部分を含むか否かに関わらず、APC結合部分が細胞外空間に位置するように、部分を介して細胞に安定に結合または付着できる該部分を含む場合にオプソニンと考える。部分を介して分子が細胞に安定に結合できる該部分は、架橋部分、トランスメンブラン配列、および脂質部分を含む。これらの配列または部分を含むタンパク質の調製は、当業者には公知である。
「オプソニンのAPC結合部分」は、キメラ分子に含まれた場合に、少なくともナノモル範囲の親和性で、APC上に生理学的に発現される受容体へのキメラ分子の結合を可能とする、オプソニンの配列またはドメインである。
APC結合部分を含むオプソニン断片の例は多い。該断片は、APC結合機能を保持する限りどの長さでもよく;例えば、約40アミノ酸、100アミノ酸、150アミノ酸、500アミノ酸、800アミノ酸、またはさらには3000アミノ酸であり得る。例えば、Las Holtetら、1994、FEBS Lett 344:242は、高い親和性でα2m受容体に結合する、ヒトα2mのカルボキシ末端断片(val1299−ala1451)を記載する。ヒトα2mのアミノ酸1314−1451を含む断片および対応するラットα2mのドメインも、天然α2mの親和性の1から2%であるが、α2m受容体に結合する(Van Leuvenら、1986、J Biol chem 261:11369;Enghildら、1989、Biochemistry 28:1406;Salvesenら、1992、FEBS Lett 313:198;Sottrup−Jensenら、1986、FEBS Lett 205:20)。
BechererおよびLambris、1988、J Biol Chem 263:14586は、CR1に結合するC3bの断片、例えばC3c、エラスターゼ処理により生成し、C3bのα’鎖のN末端を含むC3の断片、およびC3bα’鎖の42N末端アミノ酸を含む合成ペプチドを記載する。CR3へのC3の結合配列も記載されている(Wrightら、1987、PNAS 84:4235)。
ペプシン消化により得られたN末端断片である、C1qの「コラーゲン柄」は、C1q受容体に結合する(Reid、1981、Methods Enzymol 80:16;Malhotraら、1993,Biochem J 293:15)。Malhotraら、同上は、コングルチニンのAPC結合部分は、その55N末端アミノ酸に含まれるという証拠も提供する。Ezekowitz(米国特許第5,270,199号)は、特許’199号の図2のヌクレオチド370−438からなる、ヒトマンノース結合タンパク質の推定APC結合部位を与える。さらに、コングルチニンとの相同性により、特許第‘199号に開示されたエキソン1は、APC結合部分を含み得る。
IgGのAPC結合部分は、CanfieldおよびMorrison、1991、J Exp Med 173:1483−91;Lundら、1991、J Immunol 147:2657−62;およびSarmayら、1992、Mol Immunol、29:633−9に記載のように、残基234−237を含む、CH2ドメインおよび低ヒンジ領域を含む。
本発明の組成物および方法に使用できるオプソニンの例は、フィブロネクチン(例えば、Genbank寄託番号X02761、K00799、K02273、X82402、X00307、X00739)、CRP(例えば、Genbank寄託番号X17496、M11880、M11881、M11882)、C1qなどの補体成分(例えば、Genbank寄託番号X66295、M22531、X03084、X58861、およびスイスプロット寄託番号P02747、P02745)、C3bおよびC3dなどの補体断片(例えば、Genbank寄託番号K02782、K02765)、マンノース結合タンパク質(例えば、Genbank寄託番号S42292、S42294、X15422)、コングルチニン(例えば、Genbank寄託番号X71774)、α−2−マクログロブリン(例えば、Genbank寄託番号M93264、M11313)、および界面活性物質プロテインA(例えば、Genbank寄託番号M68519、S48768)およびD(例えば、Genbank寄託番号L40156、X65018、S38981)、免疫グロブリン、および種間のその相同体を含む。
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本発明によるオプソニン性の決定
ある天然に存在するオプソニンは、1つ以上の以下のアッセイでオプソニン性を有すると決定され、それが分泌分子である場合、本発明で有用であると考えられる。
アッセイ1
O’RearおよびRoss、免疫学の現在のプロトコル、1994、John Wiley&Sons、P.13.4.5−9に記載のような、1つのオプソニン性のアッセイにおいて、候補オプソニン分子に生理学的に生じた連結を介して結合したSRBCが得られる。候補オプソニンが天然である種由来のAPCを、BSAの1%(w/v)Cohn画分を含む氷冷HBSS中に4×10/mlで懸濁する。候補オプソニンがC3断片である場合、APCは新しく得た非培養末梢血単球である。候補オプソニンに連結したSRBCまたは対照SRBC(前者と同一であるが、候補オプソニンには連結していない)を、同溶液に2×10/mlで懸濁する。100μlのSRBC懸濁液および100μlのAPC懸濁液を、10×75mmプラスチックチューブに混合する。チューブを、40rpmで37℃で2−20分間回転させる。少量の懸濁液を、スライド上にのせ、カバーガラスで覆い、5−10分間静置する。過剰な液体は、カバーガラス上に圧力をかけて除去でき、カバーガラスは、例えば、マニュキア除光液などでスライドに密閉できる。スライドを顕微鏡で調べ、4つ以上のSRBCに目に見えて接着したAPCの比率を決定する。4×10個以下の候補オプソニン分子/SRBCが存在する時に比率が50%以上である場合、候補オプソニンはオプソニンであり得る。
アッセイ2(プロテアーゼ活性化候補オプソニン)
候補オプソニンまたは放射標識候補オプソニンを、1.5−3倍モル過剰のプロテアーゼ(0.05Mトリエタノールアミン−0.1M NaCl、pH8.0、室温で一晩)で処理する。このアッセイで、プロテアーゼは、抗原として役立ち得るか、または過剰の別の抗原を添加できる。結合研究の前に、候補オプソニン−抗原複合体を、HBSS(4℃)に対して透析する。
単球に結合している候補オプソニン−抗原複合体を、1.0M以下の濃度の標識リガンドを、氷上で200ml容量中の(1.5−4.0)×10単球と共にインキュベートすることにより測定する。放射標識リガンドの非特異的結合を、100倍モル過剰の標識候補オプソニン−抗原複合体の存在下で決定する。非結合リガンドを細胞および細胞結合リガンドから、ガラス線維フィルター上での迅速な真空ろ過により分離する。研究を、氷上で実施し、エンドサイトーシスに起因する複雑化の可能性を回避する。結合定数および1細胞あたりの部位数を、分析によりおよび非線形曲線の当てはめにより決定する。単球結合部位への候補オプソニン−抗原複合体親和性が、少なくともナノモル範囲である場合、候補オプソニンはオプソニンである。
アッセイ3
第I部
候補オプソニンがP.cariniiの表面に結合するかを直接評価するために、免疫電子顕微鏡法を実施する。P.cariniiを、1mMカルシウムを含むTBSを使用して瀕死感染ラットの気管支肺胞洗浄液(BAL)から単離して、表面結合候補オプソニンを保存する。単離生物を、過ヨウ素酸−リジン−パラホルムアルデヒド緩衝液中に固定し、ロウアクリルマウンティング培地(Ted Pella社、レディング、カリフォルニア州)に包埋する。超薄切片を得、正常ヤギ血清(2%)で1時間遮断し、ウサギ抗候補オプソニンまたは非免疫ウサギIgG(25mg/ml)と共に一晩インキュベートする。洗浄後、切片を、続いて、15nMコロイド状金(アマシャム社、アーリントンハイツ、イリノイ州)にコンジュゲートさせたヤギおよびウサギIgGと共にインキュベートする。切片を再度洗浄し、透過型電子顕微鏡(モデル6400:JEOL USA社、ピーボーイ、マサチューセッツ州)で調べる。
第II部
候補オプソニンに対する抗体の存在下または非存在下で、または精製候補を添加して、P.cariniiの培養肺胞マクロファージへの付着を以下のように定量する。P.cariniiの肺胞マクロファージへの粘着は、生物を51Cr標識することによりアッセイする。P.carinniは、1mMカルシウムを含むTBSを用いて感染ラットから単離し、表面結合候補オプソニンの損失を防ぐ。該生物は、20%FCSおよび200mCiの51Crクロム酸ナトリウム(New England Nuclear)を含む2ml DME中37℃で8時間インキュベートすることにより放射標識される。正常肺胞マクロファージを、健康ラットから洗浄し、マクロファージの堅い粘着を確かにするために、正常ラットIgG(100mg/ml×60分間)で前以て覆膜した組織培養プレート(1×10細胞/ウェル)に蒔く。1時間後、マクロファージを穏やかにHBSSで洗浄し、非粘着細胞を除去する。>95%のマクロファージが、この洗浄後に粘着する。表面会合候補オプソニンを含む51Cr−P.carinii(1×10)をマクロファージに加え、37℃でさらに1時間インキュベートする。続いて、非粘着P.cariniiを洗浄により除去する。粘着P.cariniiを含むマクロファージ単層を、1N NaOHに可溶化し、定量する。P.cariniiの粘着は、粘着の比率=(A/A+B)×100(ただしA=単層に会合した51Cr−P.carinii、およびB=非付着51Cr−P.carinii)として定義する。培養液中でのP.cariniiの肺胞マクロファージ肺細胞への付着に対する候補オプソニンの効果を評価するために、P.carinii粘着アッセイを、候補オプソニン(100mg/ml)に対して産生されたポリクローナルウサギ抗体の存在下または非存在下で実施する。
P.cariniiへの候補オプソニンの結合が、第I部で明らかである場合、および第II部で、粘着%が、P<0.05の統計学的有意性で抗候補オプソニンの存在下で減少する場合、候補オプソニンはオプソニンである。
アッセイ4
細菌と粘着単球の会合は以下の通り測定する。使用した修飾PBSおよび全緩衝液中の内毒素レベルは、カブトガニアッセイにより決定すると50pg/ml以下である。修飾PBS中5×10単球を、2時間37℃で、テラサキプレートのウェルに粘着させる。非粘着細胞をPBSで3回洗浄して除去した後、10−50μg/mlの候補オプソニンを含むまたは含まない緩衝液0.5ml中5×10FITC標識細菌を加える。10:1から50:1までの細菌と単球の比を使用する。30分間37℃で暗闇中インキュベートした後、非粘着細菌を、温PBSで5回洗浄することにより除去する。アッセイを、4重に実施し;各ウェルで、100単球に会合した細菌数を、×400倍率を使用して蛍光顕微鏡下で計測する。結果は、100単球に会合した細菌数として表現する。候補オプソニンを有するこの数が、候補オプソニンを有さない数の少なくとも2倍である場合、候補オプソニンはオプソニンである。
アッセイ5
第I部
1mlあたり約1×10から6×10細菌を、全容量0.7mlのPBSアリコート中10mcg/mlの125I−候補オプソニンと共にインキュベート(20分間、0℃)し、100mlの反応混合物を150mlの油クッション(60%フタル酸ジブチル、40%フタル酸ジオクチル[Eastman Kodak社、ロチェスター、ニューヨーク])に重層し、混合物を遠心分離(10,000×g、60秒、4℃)する。細胞ペレットを含むチューブの先端をモーツァルトかみそり刃で切断し、放射活性を計測する。
第II部
APCを、96ウェル組織培養プレート(Costar、ケンブリッジ、マサチューセッツ州)に、2×10細胞/mlで、使用前の夕方に蒔く。2×10細菌/ウェル(0.1ml/ウェル)を、100mcg/mlの候補オプソニンを含むまたは含まない培養プレートに加える。次いで、プレートを、1,000×gで7分間遠心分離する。15分間37℃で細菌の取込みを行わせた後、冷PBSで数回洗浄することにより遊離細菌を除去する。次いで、それらを、RMPI1640と、45分間培養液に存在すると全ての細胞外細菌を殺滅する量の抗生物質中でインキュベート(45分間、37℃)する。このインキュベート期間の終了を時間0と考える。単層を、ハンク平衡食塩水で3回洗浄し、同量のRPMI1640(R0)を加える。細胞を、数サイクルの凍結および解凍を使用して溶解する。生菌数(CFU)/ウェルを、インキュベートの24時間後に、血液寒天プレート(コロンビア血液寒天;ベクトンディキンソン、サンノゼ、カリフォルニア州)上での定量的プレート計測により決定する。各結果は、3回の測定の平均として示す。
第I部で、候補オプソニン処理細菌ペレットが、>75KCPMを有し、この取込みが、非標識候補オプソニンにより阻害できる場合、および第II部で、候補オプソニンを有するCFUが、それを有さないものよりも大きい場合(P<0.05)、候補オプソニンは、オプソニンであり得る。
アッセイ6
10細菌を含む、200μlのGHBSS(ハンク平衡塩溶液)+10mmolCaClを含む0.1%ゼラチン)を調製する。次いで、細菌を4℃で20−100μg/mlの候補オプソニンと共にインキュベートする。結合アッセイを、競合的阻害剤の存在下または非存在下で実施する。30分間インキュベートした後、細菌を、GHBSS+10mmolCaCl中、室温で、微量遠心管中、1,300gで3分間洗浄する。その後、1:1,000希釈のウサギ抗候補オプソニン抗血清を、細菌と共に1時間、PBS+5%FCSおよび10mmlCaCl中でインキュベートし、次いで、細菌を、GHBSS+10mmolCaClと0.05%Tween20中で3回洗浄する。抗血清の細菌への結合は、ローダミン(Fisher Pharmaceuticals、オレンジバーグ、ニューヨーク)にコンジュゲートしたヤギ抗ウサギIgGの1:1,000希釈液により検出する。インキュベート後、細菌を、GHBSS+10mmolCaClと0.05%Tween20中で5回洗浄し、ガラススライド上に塗り、空気乾燥させる。その後、細菌を100%氷冷メタノールで5分間固定する。陰性対照は、候補オプソニンおよび第一段階抗体を含まない。三重アッセイの多くの視野を蛍光顕微鏡により調べる。
第II部 放射標識細菌と細胞の会合
10個の放射標識細菌を、200μlのGHBSS+10mmolCaCl中に再度懸濁し、2μg/mlから40μg/mlの範囲の候補オプソニンの存在下または非存在下で4℃で30分間インキュベートする。次いで、細菌を、3回、GHBSS+10mmolCaCl中3分間室温で、微量遠心管中、1,300gで洗浄し、50μlのGHBSSに再度懸濁し、10の次元のAPC(GHBSS)を含む1ml懸濁液に加える。細菌およびAPCを、穏やかに、37℃で20分間振盪し、その後、付着していない細菌を、微量遠心管中82gで分画遠心分離を使用して5回洗浄することにより除去する。最後の洗浄前に、各サンプルのアリコートを、ラブテックスライド上に置き、細胞を10分間付着させ、メタノールで固定し、ギームザで染色し、光学顕微鏡法により評価する。ラブテックスライド上に配置された細胞を評価するために、少なくとも400個の細胞を計測する。貪食係数は、100PMNあたりの付着または摂取粒子の数を示した。細胞および放射標識細菌を含む上記由来のペレットを、次いで、100μlPBS+0.5%トリトンX−100に溶解し、放射活性をシンチレーションカウンターで測定する。第I部で、候補オプソニンの細菌への特異的結合が明らかである場合、および第II部で、cpmでの細菌の特異的取込みが、候補オプソニン非存在下よりも存在下の方が3倍より高い場合、候補オプソニンはオプソニンであり得る。
アッセイ7
第I部
L donovani promastigotesへの結合を調べるために、培養物を、5×10寄生虫ml−1で接種する。9日間以内の一定の時間点で、寄生虫画分を計測し、洗浄し、1%BSA、0.5mM Ca2+、0.05%NaN、トリス緩衝食塩水(TBS)、(10mMトリスHCl、0.15M NaCl、pH8.0)(希釈)を2×10ml−1まで再度懸濁する。次いで、この懸濁液の15μlを、150μlのフタル酸ジノニル/フタル酸ジブチル(40:60v/v)油混合物に重層しておいた、EDTA非含有希釈液中5μg/ml放射標識候補オプソニン(0.12μCi/μg)70μlを含む200μlマイクロチューブに加える。寄生虫を1時間インキュベートし、油層を通して遠心分離し、細胞ペレットを削除し、会合した候補をγ計測により検出する。各アッセイは三重に実施する。前鞭毛虫への候補の結合の濃度依存性も、0.045μCi/μgの活性および60−0.015μg/ml候補までの2倍希釈シリーズを使用して、上記のように測定する。
第II部
APCを、24ウェル組織培養プレートのカバーガラス上に1×10細胞/ウェルで蒔く。細胞を、10%PCS、1mMグルタミン、200U/mlペニシリンおよび200μg/mlストレプトマイシンを補充したRPMI1640(ライフテクノロジーズ)中で、加湿インキュベーター中37℃でインキュベートする。24時間後、非粘着細胞を除去し、残りの細胞を6日後に使用する。前鞭毛虫を、候補物質の存在下または非存在下、30μg/mlでRPMI1640中1時間インキュベートし、次いで、APC培養物に10/ウェルで加える前に3回洗浄する。前鞭毛虫に、1時間APCを感染させ、次いで、細胞を洗浄し、メタノールで固定し、ギームザ染色(BDH、Poole、ドーセット、英国)し、計測する。感染したAPCの比率および寄生虫数/100マクロファージを、四通りの培養物から決定する。
第I部で、寄生虫への候補オプソニンの親和性が、少なくともナノモル範囲であり、第II部で、100APCあたりに拾い上げられる寄生虫数が、候補オプソニンの存在下で、候補オプソニン非存在下での少なくとも2倍である場合、候補オプソニンはオプソニンであり得る。
アッセイ8
第I部
5%ウシ胎児血清を含む[35S]メチオニン標識培養培地の一部(0.5ml)および候補オプソニンを、30分間室温で、10%の微生物の懸濁液0.1mlまたは0.2mlと共にインキュベートする。試験した微生物は、例えば、Salmonella typhimurium、Bacillus subtilis、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、およびSaccharomyces cerevisiaeを含み得る。結合したタンパク質は、2%SDSおよび0.1Mジチオトレイトールを含む緩衝液中で煮沸することにより放出し、5%SDSゲル上で分析する。
第II部
H]チミジンで標識した、固定細菌(0.1ml;10容量%;1010生物/ml)を、候補オプソニンを枯渇させて、または枯渇させずに、0.1ml血清と共にインキュベートする。PBSで洗浄した後、細菌を、二価カチオンを含む0.9mlPBSの最終容量中で1×10の次元のAPCと共にインキュベートする。時折0.2mlを、N−エチルマレイミド(2mM)を含む氷冷PBSに取り出し、さらなるエンドサイトーシスを遮断し、細胞を洗浄する(約100gで10秒間)。
第Ia部で、候補オプソニンに対応するバンドが明らかである場合、および第II部で、インキュベートの6−10分後にCPMが、血清の枯渇したサンプルよりも血清の枯渇していないサンプルの方が少なくとも3倍高い場合、候補オプソニンはオプソニンであり得る。
結果がアッセイ3、5、6、7、8の第I部を形成する代わりに、アッセイの第II部を満たす候補オプソニンは、それが、少なくともナノモル範囲の親和性でアッセイの抗原と結合できる場合にオプソニンであり得る。
アッセイ9
C3断片の少なくとも1.2×10分子/細胞で覆膜したSRBCを、O’RearおよびRoss、免疫学の現在のプロトコル、1994、John Wiley & Sons、p.13.4.5−9に記載の通りに調製する。10%ウシ胎児血清を含むRPMIの2×10細胞/mlの単球250μlを、8ウェルガラス組織培養プレートの各ウェルに加え、37℃で、5%COで3時間インキュベートする。単球をHBSSで2回洗浄し、1.5×10/mlのDVBS2+の50μlのSRBCを各ウェルに加える。プレートを、50gで5分間遠心分離し、次いで、37℃、5%COで3時間インキュベートする。壁をHBSSで2回洗浄し、0.5%グルタルアルデヒドで固定し、ギームザ染色で染色する。>40%の単球が、光学顕微鏡により測定して、少なくとも1つのSRBCとロゼットを形成する場合、候補はオプソニンであり得る。
遺伝子工学操作により改変されたオプソニン、サイトカイン、または脂質を含むCD40リガンド
長鎖脂肪酸などの脂質の、ポリペプチドなどの分子への付着により、複合体を細胞と混合した場合に、複合体は、形質膜と安定に会合できるようになる(Nagarajanら、1995、J Immunol Methods 184:241−51;McHughら、1995、PNAS 92:8059−63;van den Bergら、1995、J Cell Biol、131:669−77)。これは、脂質の膜への挿入により起こると信じられている。脂質会合ポリペプチドを製造する簡便な方法は、適切な宿主細胞中で、一部、GPI部分の翻訳後付加を指示するシグナル配列をコードしている核酸を発現させることを含む。組換えDNA技術を使用して、天然非GPI連結タンパク質を、異種GPIシグナル配列に連結したタンパク質をコードする核酸を構築することにより、GPI連結タンパク質として発現できる。この目的に有用なGPIシグナル配列をコードしているヌクレオチド配列は、例えば、減衰加速因子(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「22」をコードしている配列;Carasら、米国特許第5,109,113号に開示されたシグナル配列をコードしている配列);ブレビカン(例えば、Genbank寄託番号X86406のnt1982−2047)、メソセリン(例えば、Genbank寄託番号U40434のnt1858−1983)、コクシジオイデスイミティス抗原2(例えば、NCBI Entrezタンパク質データベース寄託番号1256444のアミノ酸172−194をコードしている配列、Zhuら、1996、Gene 181、121−5)、アセチルコリンエステラーゼ(例えば、Duvalら、1992、EMBO J 11:3255−61に記載のペプチド「HC」をコードしている配列;(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「19」をコードしている配列))、ヒト葉酸受容体αおよびβ(例えば、NCBI Entrezタンパク質データベース寄託番号182416のアミノ酸230−257またはNCBI Entrezタンパク質データベース寄託番号1655592のアミノ酸228−255をコードしている配列、YanおよびRatnam、1995、Biochemistry 34:14594−600)、5’ヌクレオチダーゼ(例えば、NCBI Entrezタンパク質データベース寄託番号404502のアミノ酸547−570または547−574をコードしている配列、Furukawaら、1994、Biochim Biophys Acta 1190:273−8;(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「5」または「6」をコードしている配列))、CD59(例えば、GenbankU48255のnt393−473によりコード;BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「20」をコードしている配列;Powellら、1997、J Immunol 158:1692−1702の図2のアミノ酸74−101をコードしている配列)、T−カドヘリン(例えば、KollerおよびRanscht、1996、J Biol Chem 271:30061−7により記載のニワトリTカドヘリンの76C末端アミノ酸をコードしている配列)、アミノペプチダーゼP(例えば、NCBI Entrezタンパク質データベース寄託番号1517942のアミノ酸649−673をコードしている配列、Hydeら、1996、Biochem J 319:197−201)、カルボキシペプチダーゼM、CD16B、Thy1、炭酸脱水酵素IV(例えば、NCBI Entrezタンパク質データベース寄託番号179791のアミノ酸284−312をコードしている配列、Okuyamaら、1995、Arch Biochem Biophys 320:315−22)、胎盤アルカリホスファターゼ(例えば、NCBI Entrezタンパク質データベース寄託番号178464のアミノ酸498−529をコードしている配列、Odaら、1994、Biochem J 301:577−83)、神経糖タンパク質F3、癌胎児抗原(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「28」をコードしている配列)、MRC−OX45(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「2」をコードしている配列)、RT6.2(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「3」をコードしている配列)、D.discoideumプレスポア特異的抗原(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「4」をコードしている配列)、ミクロソームジペプチダーゼ(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、BioChim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「8」をコードしている配列)、CAMPATH−1(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「9」をコードしている配列)、T.bruceiPARP(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「10」をコードしている配列)、T.bruceiVSG Mit118a(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「11」をコードしている配列)、T.bruceiVSG Mit117a(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「12」をコードしている配列)、T.bruceiVSG MITat1.1000BC(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「13」をコードしている配列)、T.bruceiVSGMITat1.5b(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「14」をコードしている配列)、T.bruceiVSG ILTat1.1(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「15」をコードしている配列)、T.bruceiVSGTxTat1(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「16」をコードしている配列)、T.bruceiVSGMit221(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「17」をコードしている配列)、プリオンタンパク質(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「18」をコードしている配列)、ウロキナーゼ受容体(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「21」をコードしている配列)、T.congolenseVSG YNat1.1(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「23」をコードしている配列)、S.cerevesiaeGAS−1(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「24」をコードしている配列)、Thy−1(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「25」または「26」をコードしている配列)、L.majorPSP(例えば、BuchtおよびHjalmarsson、1996、Biochim Biophys Acta 1292:223−32の表1のアミノ酸配列「29」をコードしている配列)、D.discoideum接触部位A糖タンパク質(例えば、Barthら、1996、Biochem J 317:533−40に記載の25C末端アミノ酸をコードしている配列)、CD24、および合成配列(例えば、Coyneら、1993、J Biol Chem 268:6689−93により記載)により含まれるものを含む。
GPI連結ポリペプチドは、以下の方法を使用して細胞から抽出できる。5×10細胞を遠心沈殿し、−80℃で凍結する。ペレットを、14mlの0.15M NaCl/10mMトリス7.4/0.1mMプリマキン/2%TritoX−114中で撹拌しながら0℃で1時間解凍し、次いで、8800gで0℃で10分間遠心分離する。上清を−20℃で一晩維持し、室温で解凍し、次いで、32℃で12分間放置する。次いで、3000gで3分間32℃で遠心分離する。上層をデカントし、11mlの冷緩衝液A(0.15M NaCl/10mMトリス7.4/0.1mMプリマキン/0.06%トリトンX−114)を底層に加える。これを氷上で10分間インキュベートする。12分間32℃のインキュベート、32℃で3000gの遠心分離、上層のデカント、および11ml冷緩衝液Aの底層への添加を反復する。この溶液を18000gで10分間0℃で遠心分離する。12分間32℃のインキュベート、32℃で3000gの遠心分離、および上層のデカントを反復する。3容量の冷アセトンを、最終底層に加える。溶液を12,000RPMで30分間遠心分離し、上清を除去し、GPI画分を含むタンパク質ペレットを真空下で乾燥させる。特異的タンパク質は、イムノアフィニティー精製などの当業者に公知の方法により精製できる。
脂質連結遺伝子工学操作により改変されたサイトカイン、オプソニン、またはCD40リガンドを製造する別の方法は、パルミテートなどの脂肪酸にポリペプチドを化学的に連結させることである。1.5mg/mlのポリペプチドを、0.3%デオキシコール酸、0.1%重炭酸ナトリウム、および0.1%アジ化ナトリウムを含むPBS、pH7.8に懸濁する。溶液の最適最終pHは、7.6−8.0である。混合物を37℃に加温し、パルミチン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(Research Organics、クリーブランド、オハイオ)を最終濃度0.1mg/mlとなるまで加える。溶液を一晩室温でインキュベートする。ポリペプチドを、PBS、pH7.6中0.15%デオキシコール酸で平衡化した16×250mmのセファデックスG−75クロマトグラフィーカラムを通過させて精製する。
本発明で有用な架橋部分
CD40リガンド、サイトカイン、またはオプソニンを、細胞または細胞様構造に連結させる別の簡便な方法は、架橋剤を使用することである。「架橋剤」は、少なくとも2つの他の分子、例えば、2つのポリペプチドまたはポリペプチドと脂質上の官能基と反応できる化学実体であり、架橋剤との反応時に2つの分子は共有結合的に連結される。従って、CD40リガンドは、細胞の表面上の分子に架橋できる。
二官能性および多官能性の両方の多種多様な架橋剤が、当分野で公知であり、例えばシグマ(セントルイス、ミズーリ州)などから市販で入手できる。これらは、例えば、S−アセチルメルカプトコハク酸無水物、S−アセチルチオグリコール酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、S−アセチルチオプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アジピン酸ジヒドラジド、4−アジド安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−(5−アジド−2−ニトロベンジルオキシ)スクシンイミド、6−(4−アジド−2−ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、p−アジドフェナシルブロミド、N−(4−アジドフェニルチオ)フタルイミド、4−アジドサリチル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、プロモ酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、カルボニル−ビス(L−メチオニンp−ニトロフェニルエステル)、2−ジアゾ−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸p−ニトロフェニルエステル、ジエチルマロンイミデート、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン、4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ジメチルアジピミデート、ジメチル3,3’−ジチオビスプロピオンイミデート、ジメチルピメリミデート、ジメチルスベリミデート、4,4’−ジチオビスフェニルアジド、ジチオビス(プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、エチレングリコールビス−(コハク酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、4−フルオロ−3−ニトロフェニルアジド、ビス−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)スルホン、p−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、グルタルアルデヒド、2−イミノチオラン、6−(ヨードアセトアミド)カプロン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヨード酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、3−マレイミド酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、3−マレイミド安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(N−マレミド)ベンゾフェノン、γ−マレミド酪酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ε−マレミドカプロン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(N−マレミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(N−マレミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸3−スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、β−マレミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N,N’−ビス(3−マレミドプロピオニル)−2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン、1,4−フェニレンジイソチオシアネート、N,N’−o−フェニレンジマレミド、N,N’−p−フェニレンジマレミド、ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル)、ビス(ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル))、ポリオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル)、ビス(ポリオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル))、ポリオキシエチレンビス(p−ニトロフェニルカーボネート)、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スベリン酸ビス(N−ヒドロキシスクシンイミド)エステル、コハク酸マレミドエチルN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、1,5ビス(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)−ペンタン、およびビス(N−スクシニミジル)カーボネートを含む。
本発明による、GPI結合オプソニン、サイトカイン、またはCD40リガンドの細胞への結合の決定
本発明のある実施形態において、オプソニン、サイトカイン、またはCD40リガンドを、脂質を含むGPIまたはGPI部分を含むように遺伝子工学操作により改変されたして、脂質基の細胞の形質膜への挿入を介して、修飾ポリペプチドを細胞に結合させることが可能となる。多少なりとも慣用的なGPIからなるGPI部分では、当業者は該部分がポリペプチドの細胞膜への結合を可能とするかを容易に決定できる。以下のアッセイは、GPI連結分子が細胞に結合できるかを決定するのに有用である。
取込みを定量するために、GPI連結ポリペプチドを、最初に、125Iで標識する。セファデックスG−25カラムに、1mlPBS中0.1mgの関連タンパク質、次いで20−30mlPBSを添加する。2mCi Na[125I]およびPBS中10μMラクトペルオキシダーゼ20μlを、1mg/mlの関連タンパク質PBS溶液2mlに加える。0.025Mリン酸緩衝液、pH7.4中、4μlの0.03%過酸化水素を、タンパク質溶液中に撹拌する。過酸化水素の添加は、1分間隔でさらに3回反復する。PBS中15nM NaI 1mlを加える。溶液をセファデックスカラムに重層し、20ml PBSで溶出する。溶出液をガイガー計数管により監視し、標識タンパク質を含む、最初の放射活性ピークを集める。比活性は、γ計測(回収率100%と想定)により決定する。タンパク質溶液を40μg/mlに希釈し、下記した形質膜取込み手順に使用する。洗浄後、1μlのアリコートの細胞をγ計測する。会合がGPI部分を介するかを決定するために、細胞をBと共にインキュベートする。Thuringiensisホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC(シグマ)を37℃で3時間遠心分離し、計測前に洗浄する。この放出は細胞表面からGPI連結タンパク質を放出する。
本発明で有用な抗原
1.ウイルス抗原
ウイルス抗原の例は、レトロウイルス抗原、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗原由来のレトロウイルス抗原、例えば、gag、polおよびenv遺伝子の遺伝子産物、Nefタンパク質、逆転写酵素、および他のHIVタンパク質;肝炎ウイルス抗原、例えば、B型肝炎ウイルスのS、MおよびLタンパク質、B型肝炎ウイルスのプレS抗原、および他の肝炎、例えばA型、B型、およびC型肝炎のウイルス成分、例えばC型肝炎ウイルスRNA;赤血球凝集素およびノイラミニダーゼなどのインフルエンザウイルス抗原および他のインフルエンザウイルス成分;麻疹ウイルス融合タンパク質などの麻疹ウイルス抗原および他の麻疹ウイルス成分;タンパク質E1およびE2などの風疹ウイルス抗原および他の風疹ウイルス成分;VP7scなどのロタウイルス抗原および他のロタウイルス成分;外被糖タンパク質Bなどのサイトメガロウイルスおよび他のサイトメガロウイルス抗原成分;RSV融合タンパク質などの呼吸器合胞体ウイルス抗原、M2タンパク質、および他の呼吸器合胞体ウイルス抗原成分;最初期タンパク質などの単純ヘルペスウイルス抗原、糖タンパク質D、および他の単純ヘルペスウイルス抗原成分;gpI、gpIIなどの水痘帯状疱疹ウイルス抗原および他の水痘帯状疱疹ウイルス抗原成分;プロテインE、M−E、M−E−NS1、NS1、NS1−NS2A、80%Eなどの日本脳炎ウイルス抗原および他の日本脳炎ウイルス抗原成分;狂犬病糖タンパク質、狂犬病核タンパク質などの狂犬病ウイルス抗原および他の狂犬病ウイルス抗原成分を含むがこれに限定されない。ウイルス抗原の追加の例については、基礎ウイルス学、第2版、Fields,B.N.およびKnipe,D.M.編(Raven出版、ニューヨーク、1991)参照。
2.細菌抗原
本発明の組成物および方法に使用できる細菌抗原は、百日咳毒素、線維状赤血球凝集素、ペルタクチン、FIM2、FIM3、アデニル酸シクラーゼなどの百日咳菌抗原および他の百日咳菌抗原成分;ジフテリア毒素またはトキソイドなどのジフテリア菌抗原および他のジフテリア菌抗原成分;破傷風毒素またはトキソイドなどの破傷風菌抗原および他の破傷風菌抗原成分;Mタンパク質などの連鎖球菌抗原および他の連鎖球菌抗原成分;リポ多糖などのグラム陰性桿菌細菌抗原および他のグラム陰性細菌抗原成分;ミコール酸、熱ショックタンパク質65(HSP65)、30kDa主分泌タンパク質、抗原85Aなどのマイコバクテリウム・ツベルクローシス細菌抗原および他のマイコバクテリア抗原成分;ヘリコバクター・ピロリ細菌抗原成分;プノイモリシン、肺炎球菌莢膜多糖などの肺炎球菌細菌抗原および他の肺炎球菌細菌抗原成分;莢膜多糖などのヘモフィルスインフルエンザ細菌抗原および他のヘモフィルスインフルエンザ細菌抗原成分;炭疽保護抗原などの炭疽細菌抗原および他の炭疽細菌抗原成分;ロンプ(romp)などのリケッチア細菌抗原および他のリケッチア細菌抗原成分を含むがこれに限定されない。また、任意の他の細菌、マイコバクテリア、マイコプラズマ、リケッチア、またはクラミジア抗原も本明細書に記載の細菌抗原に含まれる。
3.真菌抗原
本発明の組成物および方法に使用できる真菌抗原は、カンジダ真菌抗原成分;熱ショックタンパク質60(HSP60)などのヒストプラスマ真菌抗原および他のヒストプラスマ真菌抗原成分;莢膜多糖などのクリプトコックス真菌抗原および他のクリプトコックス真菌抗原成分;球状体抗原などのコクシジオイデス真菌抗原および他のコクシジオイデス真菌抗原成分;およびトリコフィチンなどの白癬真菌抗原および他のコクシジオイデス真菌抗原成分を含むがこれに限定されない。
4.寄生虫抗原
原虫および他の寄生虫抗原の例は、メルゾイト表面抗原、スポロゾイト表面抗原、スポロゾイト周囲抗原、配偶子嚢胞/配偶子表面抗原、血液段階抗原pf1 55/RESAなどの熱帯熱マラリア原虫抗原および他のマラリア原虫抗原成分;SAG−1、p30などのトキソプラズマ抗原および他のトキソプラズマ抗原成分;グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、パラミオシンなどの住血吸虫抗原および他の住血吸虫抗原成分;gp63、リポホスホグリカンおよびその会合タンパク質などの大リーシュマニアおよび他のリーシュマニア抗原および他のリーシュマニア抗原成分;および75−77kDa抗原、56kDa抗原などのトリパノソーマ・クルージ抗原および他のトリパノソーマ抗原成分を含むがこれに限定されない。
5.腫瘍抗原
本発明の組成物および方法に使用できる腫瘍抗原は、テロメラーゼ成分;P−糖タンパク質などの多剤耐性タンパク質;MAGE−1、α胎児性タンパク質、癌胎児性抗原、変異体p53、パピローマウイルス抗原、ガングリオシドまたは黒色腫または他の腫瘍細胞の他の炭水化物含有成分を含むがこれに限定されない。任意の型の腫瘍細胞由来の抗原を、本明細書に記載の組成物および方法に使用できると本発明により考えられる。
6.自己免疫に関する抗原
自己免疫疾病、アレルギー、および移植片拒絶に関与する抗原を、本発明の組成物および方法に使用できる。例えば、任意の1つ以上の以下の自己免疫疾病または疾患に関与する抗原を本発明に使用できる:糖尿病、関節炎(慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節症、乾癬性関節炎を含む)、多発性硬化症、筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎および浮腫性皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群に続発性の乾性結膜炎を含む、シェーグレン症候群、円形脱毛症、節足動物咬創反応によるアレルギー応答、クローン病、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー性喘息、皮膚性エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、癩病反転反応、結節性紅斑癩病、自己免疫ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳症、特発性両側進行性感覚神経聴力損失、再生不良性貧血、真性赤血球系貧血、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ヴェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブン−ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、クローン病、グレーヴス眼病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後ブドウ膜炎、および腸肺線維症。自己免疫疾病に関与する抗原の例は、グルタミン酸デカルボキシラーゼ65(GAD65)、天然DNA、ミエリン塩基性タンパク質、ミエリンプロテオリピドタンパク質、アセチルコリン受容体成分、チログロブリンおよび甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体を含む。アレルギーに関与する抗原の例は、日本ヒマラヤスギ花粉抗原、ブタクサ花粉抗原、ライグラス花粉抗原などの花粉抗原、塵ダニ抗原およびネコ抗原などの動物由来抗原、組織適合性抗原、およびペニシリンおよび他の治療薬を含む。移植片拒絶に関与する抗原の例は、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓などの、移植レシピエントに移植する移植片の抗原性成分、および神経移植片成分を含む。抗原は、自己免疫疾病の処置に有用な変化したペプチドリガンドでもよい。
本発明の組成物および方法で使用できる種々の抗原の例は、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、テストステロン、成長ホルモン、プロラクチンなどの内因性ホルモン、および他のホルモン、コカインおよびヘロインなどの耽溺薬物、および抗レプチン受容体抗体のFab含有部分などの抗原受容体のイディオタイプ断片を含む。
本発明による組換え核酸を含む細胞の調製
細胞を、本明細書で教義したように、当分野で公知の慣用的な方法を介してトランスフェクトする。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトする適切な方法は、Sambrook等(分子クローニング:実験マニュアル、第2版、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(1989))、および他の実験マニュアルに見出すことができる。CD40リガンド、サイトカイン、またはオプソニンをコードしている核酸分子を導入する方法の追加例を下記する。例えば、オプソニン、サイトカイン、CD40リガンド、および/または抗原をコードしている導入核酸分子を含む細胞それ自体を、例えばワクチン組成物で、本発明の方法に従って、被検者に(抗原として)投与できる。
A.裸核酸の細胞への導入
1.DEAE−デキストランにより媒介されるトランスフェクション:裸核酸は、核酸とDEAE−デキストランの混合物を形成し、該混合物を細胞と共にインキュベートすることにより細胞に導入できる。ジメチルスルホキシドまたはクロロキンショック段階を追加して、核酸取込み量を増加させることができる。DEAE−デキストラントランスフェクションは、インビトロの細胞修飾にのみ適用可能であり、一過性に核酸を細胞に導入するのに使用できるが、安定なトランスフェクト細胞の創製には好ましくない。従って、この方法は、短期間の遺伝子産物の産生には使用できるが、長期の遺伝子産物の産生に選択される方法ではない。DEAE−デキストラン媒介トランスフェクションのプロトコルは、分子生物学の現存のプロトコル、Ausubel,F.M.等(編)Greene Publishing Associates、(1989)、第9.2章、および分子クローニング:実験マニュアル第2版、Sambrookら、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(1989)、第16.41から16.46章または他の標準的な実験マニュアルに見出すことができる。
2.電気穿孔法:裸核酸はまた、適切な緩衝液中で細胞および核酸を共にインキュベートし、細胞を高電圧電気パルスにかけることにより細胞に導入できる。核酸が電気穿孔法により導入される効率は、印加した電場の強度、電気パルスの長さ、温度、核酸のコンフォメーションおよび濃度、および培地のイオン組成により影響を受ける。電気穿孔法を使用して、安定(または一過性)に多種多様の細胞型をトランスフェクトでき、インビトロでの細胞の修飾にのみ適用可能である。細胞を電気穿孔するプロトコルは、分子生物学の現在のプロトコル、Ausubel,F.M.等(編)Greene Publishing Associates、(1989)、第9.3章、および分子クローニング:実験マニュアル第2版、Sambrookら、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(1989)、第16.54−16.55章または他の標準的な実験マニュアルに見出すことができる。
3.リポソーム媒介トランスフェクション(「リポフェクション」):裸核酸は、核酸を、カチオン性脂質含有リポソーム懸濁液と混合することにより細胞に導入できる。次いで、核酸/リポソーム複合体を細胞と共にインキュベートする。リポソーム媒介トランスフェクションを使用して、安定(または一過性)にインビトロで培養液中の細胞をトランスフェクトできる。プロトコルは、分子生物学の現在のプロトコル、Ausubel,F.M.等(編)Greene Publishing Associates、(1989)、第9.4章、および他の標準的な実験マニュアルに見出すことができる。さらに、インビボでの遺伝子送達は、リポソームを使用して達成できる。例えば、Nicolau等(1987)Meth.Enz.149:157−176;WangおよびHuang(1987) Proc.Natl.Acad Sci.SA84:7851−785S;Brigham等(1989) Am.J.Med.Sci.298:278;およびGould−Fogerite等(1989) Gene 84:429−438参照。
4.直接的注入:裸核酸は、核酸を細胞に直接注入することにより細胞に導入できる。インビトロでの細胞培養では、核酸は、微量注入により導入できる。各細胞を個々に微量注入するので、このアプローチは、大量の細胞を修飾する場合には非常に多くの労力がかかる。しかし、微量注入が選択される方法である状況は、トランスジェニック動物の産生においてである(以下でより詳細に議論する)。この状況では、核酸は、安定に受精卵母細胞に導入され、次いで、動物に発達させる。得られた動物は、卵母細胞に導入された核酸を有する細胞を含む。直接注入はまた、裸核酸をインビボで細胞に導入するのにも使用されてきた(例えば、Acsadi等(1991) Nature 332:815−818;Wolff等(1990) Science 247:1465−1468参照)。インビボでDNAを細胞に注入するための送達装置(例えば、「遺伝子銃」)を使用できる。該装置は市販で入手できる(例えばバイオラッドから)。
5.受容体媒介DNA取込み:裸核酸はまた、細胞表面受容体のリガンドに連結させた、ポリリジンなどのカチオンと核酸を複合体形成させることにより導入できる(例えば、Wu,G.およびWu,C.H.(1988) J.Biol.Chem. 263:14621;Wilson等(1992) J.Biol.Chem.267:963−967;および米国特許第5,166,320号参照)。核酸−リガンド複合体の受容体への結合は、受容体媒介エンドサイトーシスにより核酸の取込みを容易にする。核酸−リガンド複合体が標的化する受容体は、トランスフェリン受容体およびアシアロ糖タンパク質受容体を含む。エンドソームを自然に破壊し、よって細胞質に物質を放出するアデノウイルスキャプシドに連結した核酸−リガンド複合体を使用して、細胞内リソソームによる複合体の分解を防ぐことができる(例えば、Curiel等(1991) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8850;Cristiano等(1993) Proc.Natl.Acad.Sci USA 90:2122−2126参照)。受容体媒介核酸取込みを、インビトロまたはインビボでの細胞への核酸の導入に使用でき、さらに、目的の標的細胞上に選択的に発現される受容体に結合するリガンドの使用により、核酸を特定の細胞型に選択的に標的化できる特徴を追加した。
一般に、裸核酸を培養液中の細胞に導入する場合(例えば、上記のトランスフェクション技術の1つにより)、ほんの僅かな細胞(10中約1)が典型的には、トランスフェクトされた核酸を、そのゲノムに組込む(すなわち、核酸は、細胞にエピソーム様に維持される)。従って、外来性核酸を取り込んだ細胞を同定するために、選択マーカーをコードしている核酸を、目的の核酸(群)と共に、細胞にトランスフェクトすることが有利である。好ましい選択マーカーは、G418、ヒグロマイシンおよびメトトレキサートなどの薬剤耐性を付与するものを含む。選択マーカーは、目的の遺伝子(群)と同じプラスミドに導入しても、または別々のプラスド上に導入してもよい。
B.ウイルス媒介遺伝子移行
遺伝子産物をコードしている核酸を細胞に導入する好ましいアプローチは、遺伝子産物をコードしている核酸、例えばcDNAを含むウイルスベクターの使用による。細胞のウイルスベクターでの感染は、大量の細胞が核酸を受容し、核酸を受容した細胞を選択する必要がないという利点を有する。さらに、例えば、ウイルスベクターに含まれるcDNAにより、ウイルスベクター内にコードされた分子は、ウイルスベクター核酸を取り込んだ細胞で効率的に発現され、ウイルスベクター系はインビトロまたはインビボで使用できる。
1.レトロウイルス:欠陥レトロウイルスは、遺伝子療法目的の遺伝子移行での使用のために十分に特徴づけられている(論評については、Miller,A.D.(1990) Blood 76:271参照)。レトロウイルスゲノムに挿入された目的の遺伝子産物をコードしている核酸を有する、組換えレトロウイルスを作成できる。さらに、レトロウイルスゲノムの一部を除去して、レトロウイルス複製欠陥にできる。次いで、複製欠陥レトロウイルスを、ビリオンにパッケージングし、これは、標準的な技術によりヘルパーウイルスの使用を通じて標的細胞の感染に使用できる。組換えレトロウイルスの産生およびインビトロまたはインビボでの該ウイルスでの細胞の感染プロトコルは、分子生物学の現在のプロトコル、Ausubel,F.M.等(編)Greene Publishing Associates、(1989)、第9.10−9.14章、および他の標準的な実験マニュアルに見出すことができる。適切なレトロウイルスの例は、pLJ、pZIP、pWEおよびpEMを含み、これは当業者には公知である。適切なパッケージングウイルス系の例は、ψCrip、ψCre、_2、および_Amを含む。レトロウイルスは、上皮細胞、内皮細胞、リンパ球、筋芽細胞、肝細胞、骨髄細胞を含む、多くの異なる細胞型への、様々な遺伝子のインビトロおよび/またはインビボでの導入に使用できる(例えば、Eglitis等(1985) Science 230:1395−1398;DanosおよびMulligan(1988) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460−6464;Wilson等(1988) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:3014−3018;Armentano等(1990) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6141−6145;Huber等(1991) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8039−8043;Ferry等(1991) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8377−8381;Chowdhury等(1991) Science 254:1082−1805;van Beusechem等(1992) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7640−7644;Kay等(1992) Human Gene Therapy 3:641−647;Dai等(1992) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10892−10895;Hwu等(1993) J.Immunol.150:4104−115;米国特許第4,868,116号;米国特許第4,980,286号;PCT出願WO89/07136;PCT出願WO89/02468;PCT出願WO89/05345;およびPCT出願WO92/07573参照)。レトロウイルスベクターは、レトロウイルスゲノム(およびそれに挿入される外来核酸)が宿主ゲノムに組込まれて核酸を細胞に安定に導入するために、標的細胞分裂を必要とする。従って、標的細胞の複製の刺激が必要であり得る。
2.アデノウイルス:アデノウイルスゲノムは、目的の遺伝子産物をコードおよび発現するが、正常溶解ウイルス生活環での複製能の点では不活性化されているように操作できる。例えば、Berkner等(1988) Bio Techniques 6:616;Rosenfeld等(1991) Science 252:431−434;およびRosenfeld等(1992) Cell 68:143−155参照。アデノウイルス株Ad5dl324型または他の株のアデノウイルス(例えば、Adz、Ad3、Ad7等)由来の適切なアデノウイルスベクターは当業者には公知である。組換えアデノウイルスは、分裂細胞が効果的な遺伝子送達ベヒクルである必要はないという点で有利であり、気道上皮(Rosenfeld等(1992)上記引用)、内皮細胞(Lemarchand等(1992) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6482−6486)、肝細胞(HerzおよびGerard(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2812−2816)、および筋肉細胞(Quantin等(1992) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2581−2584)を含む、多種多様な細胞型の感染に使用できる。さらに、導入アデノウイルス核酸(およびそれに含まれる外来DNA)は、宿主細胞のゲノムには組込まれないが、依然としてエピソーム性であり、よって、導入核酸が宿主ゲノム(例えばレトロウイルスDNA)に組込まれる状況での挿入的変異誘発の結果として起こり得る潜在的な問題を回避する。さらに、アデノウイルスゲノムの外来DNA保有能力は、他の遺伝子送達ベクターに比べて大きい(8kbまで)(Berknerら、上記引用;Haj−AhmandおよびGraham(1986) J.Virol.57:267)。現在使用されているほとんどの複製欠陥アデノウイルスベクターは、ウイルスE1およびE3遺伝子の全部または一部が欠失しているが、アデノウイルス遺伝子物質の80%を保持する。
3.アデノ随伴ウイルス:アデノ随伴ウイルス(AAV)は、効率的な複製および増殖性生活環のために、ヘルパーウイルスとして、アデノウイルスまたはヘルペスウイルスなどの別のウイルスを必要とする、天然欠陥ウイルスである(論評については、Muzyczkaら、Curr.Topics in Micro. and Immunol.(1992)158:97−129)。それは、そのDNAを非分裂細胞に組込み得、高頻度の安定な組込みを示す、数個のウイルスの1つでもある(例えば、Flotte等(1992)Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.7:349−356;Samulski等(1989) J.Virol.63:3822−3828;およびMcLaughlin等(1989) J.Virol. 62:1963−1973参照)。AAVの300という少ない塩基対を含むベクターをパッケージングし、組込むことができる。外来性核酸の空間は、約4.5kbに制限されている。Tratschin等(1985) Mol.Cell.Biol.5:3251−3260に記載のようなAAVベクターを使用して、核酸を細胞に導入できる。様々な核酸が、AAVベクターを使用して異なる細胞型に導入された(例えば、Hermonat等(1984) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6466−6470;Tratschin等(1985) Mol.Cell.Biol.4:2072−2081;Wondisford等(1988) Mol.Endocrinol.2:32−39;Tratschin等(1984) J.Virol.51:611−619;およびFlotte等(1993) J.Biol.Chem.268:3781−3790参照)。
特定の発現ベクター系の効力および核酸を細胞に導入する方法は、当分野で慣用的に使用される標準的なアプローチにより評価できる。例えば、細胞に導入された核酸は、フィルターハイブリダイゼーション技術(例えばサザンブロット)により検出でき、導入核酸の転写により産生されたRNAは、例えば、ノザンブロット、RNアーゼ保護または逆転写酵素−複製連鎖反応(RT−PCR)により検出できる。遺伝子産物は、適切なアッセイにより、例えば、特異的抗体を用いた、産生タンパク質の免疫学的検出により、または、酵素アッセイなどの遺伝子産物の機能的活性を検出する機能的アッセイにより検出できる。細胞により発現される目的の遺伝子産物が、容易にアッセイできない場合、調節エレメントに連結したリポーター遺伝子および使用したベクターを使用して最初に発現系を最適化できる。リポーター遺伝子は、容易に検出できる遺伝子産物をコードし、従って、系の効力の評価に使用できる。当分野で使用される標準的なリポーター遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ルシフェラーゼ、およびヒト成長ホルモンをコードしている遺伝子を含む。
本発明で有用な細胞
本発明は、CD40リガンド増強細胞およびサイトカイン覆膜細胞を提供する。CD40リガンド増強細胞およびサイトカイン覆膜細胞の調製に有用な細胞は、以下を含むがこれに限定されない。
CD40リガンド増強細胞およびサイトカイン覆膜細胞は、本発明に従って宿主細胞から調製でき、ここでの宿主細胞は、本発明により抗原の担体として作用できる任意の細胞であり得、従って、核酸を人工的に導入できる、有核細胞または原核細胞であり得る。本発明で有用な原核細胞は、細菌細胞および酵母を含む。本発明で有用な真核(有核)細胞は、真菌細胞、寄生虫細胞および哺乳動物細胞を含む。本発明で有用な哺乳動物細胞は、滑膜細胞などの特殊間葉細胞を含む線維芽細胞、角化細胞、上皮細胞、内皮細胞、白血球および腫瘍細胞を含むがこれに限定されない。
本発明で有用な細胞系は、B16、CMS−5、線維肉腫細胞、Cos1細胞およびCHO細胞、TS/A、ルイス肺癌、RENCA、ダニングラット前立腺癌、および米国細胞培養銀行協会(マナッサス、バージニア州)のカタログに含まれる細胞系を含むがこれに限定されない。
CD40リガンド増強細胞およびサイトカイン覆膜細胞は、本発明に従って病原細胞から調製できる。病原細胞は、腫瘍細胞(例えば、B16細胞、CMS−5線維肉腫細胞、および「本発明に有用な腫瘍」と題した章に含まれる腫瘍由来の細胞)、および病原細菌、病原真菌、病原ウイルス、病原寄生虫、または病原節足動物由来の細胞を含む。
本発明はまた、哺乳動物宿主で分裂できない、CD40リガンド増強またはサイトカイン覆膜細胞を提供する。
本発明によるサイトカイン、オプソニン、またはCD40リガンドと混合した細胞の調製
本発明はまた、CD40リガンド、並びにサイトカインおよび/またはオプソニンと混合した細胞の調製物を考える。それ故、細胞は、すでに、抗原、例えば、腫瘍細胞抗原(内因性発現抗原または異種抗原)を発現し得、上記に定義したように、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドまたは遺伝子工学操作により改変されたサイトカインと混合し得、調製物は、本発明により、それぞれ、「CD40リガンド増強細胞」または「サイトカイン覆膜細胞」と考えられる。この混合物で、調製物は、慣用的な生理学的塩緩衝液中で1μg−100μg/mlリガンドと混合した約10から10細胞からなる。
本発明が、サイトカイン、オプソニン、またはCD40リガンドと混合した細胞の調製を包含する場合、サイトカイン、オプソニンまたはCD40リガンドを、最初に慣用的な手段に従って調製し、次いで細胞と混合する。サイトカイン、オプソニン、またはCD40リガンドは、宿主細胞株または系のトランスフェクションを介した組換えDNA技術および組換えタンパク質の単離を介して調製し得る。
培養液中の真核宿主細胞などの、本発明の宿主細胞を使用して、本発明のポリペプチドを産生(すなわち発現)できる。例えば、トランスフェクトした宿主細胞(これに本発明のポリペプチドをコードしている組換え発現ベクターを導入する)を、ポリペプチドが産生されるまで、適切な培地中で培養し、培地または宿主細胞から単離し得る。
CaPO4により媒介されるトランスフェクション:裸核酸は、核酸およびリン酸カルシウムを含む沈殿物を形成することにより、細胞に導入できる。例えば、HEPES緩衝食塩水を、塩化カルシウムおよび核酸を含む溶液と混合して、沈殿物を形成し得、次いで、該沈殿物を細胞と共にインキュベートする。グリセロールまたはジメチルスルホキシドショック段階を加えて、ある細胞により取り込まれる核酸の量を増加できる。CaPO4媒介トランスフェクションを使用して、安定(または一過性)に細胞をトランスフェクトでき、インビトロでの細胞修飾にのみ適用可能である。CaPO4媒介トランスフェクションのプロトコルは、分子生物学の現在のプロトコル、Ausubel,F.M.等(編)Greene Publishing Associates、(1989)、第9.1章、および分子クローニング:実験マニュアル第2版、Sambrookら、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(1989)、第16.32−16.40章または他の標準的な実験マニュアルに見出すことができる。
人工的に導入した組換え核酸配列からの発現を検出する方法
本発明は、人工的に細胞に導入された、組換え核酸分子から発現されたタンパク質(例えば、本発明によるによる遺伝子工学操作により改変されたCDリガンド、サイトカイン、またはオプソニン)を検出する方法を提供する。
抗体の調製
本発明で有用なタンパク質に特異的な抗体(例えば、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンド、サイトカイン、またはオプソニン)は、タンパク質精製に、および、これらのタンパク質を発現している組換え核酸分子を人工的に導入した細胞からのこれらのタンパク質の発現の検出に有用である。抗体により、我々は、該抗体の結合(可変)領域、および他の抗体修飾を使用した作成物を含む。従って、本発明で有用な抗体は、全抗体、抗体断片、多機能性抗体凝集物、または一般に抗体由来の1つ以上の特異的結合部位を含む物質を含み得る。抗体断片は、Fv、FabまたはF(ab’)断片またはその誘導体、例えば、単鎖Fv断片などの断片であり得る。抗体または抗体断片は、非組換え、組換えまたはヒト化であり得る。抗体は、免疫グロブリンアイソタイプ、例えばIgG、IgM等であり得る。さらに、免疫グロブリンまたはその断片の、凝集物、ポリマー、誘導体およびコンジュゲートを適宜使用できる。
抗体の産生に有用な本発明に記載のタンパク質(例えば、本発明の遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンド、サイトカインまたはオプソニン)のタンパク質産物(またはその断片またはオリゴペプチド)は生物活性を必要としないが、抗原性でなければならない。特異的抗体の誘導に使用したペプチドは、少なくとも5個のアミノ酸および好ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有し得る。好ましくは、それらは天然タンパク質の領域と同一であり、小さな天然に存在する分子の全アミノ酸配列を含み得る。本発明に有用なタンパク質(例えば、本発明の遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンド、サイトカインまたはオプソニン)をコードしている組換え核酸のタンパク質産物に対応するアミノ酸の短伸長は、キーホールリムペットヘモシアニンまたはGSTなどの別のタンパク質由来のアミノ酸と融合させ得、抗体は、キメラ分子に対して産生される。当分野で公知の手順を、本発明の組換え核酸のタンパク質産物に対する抗体の産生に使用できる。
抗体の産生のために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス等を含む、様々な宿主に、本発明で有用なタンパク質(例えば、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンド、サイトカインまたはオプソニン)をコードしている組換え核酸分子のタンパク質産物(または免疫原性特性を保持するその任意の部分、断片、またはオリゴヌクレオチド)を注入することにより免疫化し得る。宿主種に応じて、様々なアジュバントを使用して、免疫応答を増加させ得る。該アジュバントは、フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、およびリゾレシチンなどの界面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルション、キーホールリムペットヘモシアニン、およびニトロフェノールを含むがこれに限定されない。BCG(カルメット−ゲランの桿菌)およびコリネバクテリウム・パビウムは、潜在的に有用なヒトアジュバントである。
1.ポリクローナル抗体
抗原タンパク質は、その免疫原性を高めるために、慣用的な担体にコンジュゲートさせ得、ペプチド−担体コンジュゲートに対する抗血清が生じる。ペプチドの担体タンパク質への結合および免疫化は、記載の通りに実施し得る(Dymeckiら、、1992、J.Biol.Chem.、267:4815)。血清は、エリザ(下記)により、または別にドットまたはスポットブロットによりタンパク質抗原に対して滴定できる(BoersmaおよびVan Leeuwen、1994、J.Neurosci.Methods、51:317)。同時に、抗血清を、記載のように調製した組織切片に使用し得る。有用な血清は、例えば、Greenら、、1982、Cell、28:477の手順に従って、エリザにより適切なペプチドと強力に反応する。
2.モノクローナル抗体
モノクローナル抗体を調製する技術は公知であり、モノクローナル抗体は、Arnheiterら、、1981、Nature、294;278により記載のように、そのレベルを測定するか、または不活性化またはアフィニティー精製する、好ましくは担体に結合した、候補抗原を使用して調製し得る。
モノクローナル抗体は、典型的には、ハイブリドーマ組織培養物から、またはハイブリドーマ組織を導入した動物から得られた腹水から得られる。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ(またはポリクローナル血清)は、標的タンパク質への抗体の結合についてスクリーニングできる。
3.抗体検出法
特に好ましい免疫学的試験は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体の使用に依拠し、酵素結合免疫測定法(エリザ)、免疫ブロット法および免疫沈降法(Voller、1978、Diagnostic Horizons、2:1、Microbiological Associates Quarterly Publication、ウォルカースビル、メリーランド州;Vollerら、、1978、J.Clin.Pathol.、31:507;米国再発行特許第31,006号;英国特許第2,019,408号;Butler、1981、Methods Enzymol.、73:482;Maggio,E(編)、1980、Enzyme Immunoassay、CRC出版、ボーカラトーン、フロリダ州参照)またはラジオイムノアッセイ(RIA)(Weintraub,B.、ラジオイムノアッセイの原理、放射リガンドアッセイの7番目のトレーニングコース、The Endocrine Society、1986年3月、p.1−5、46−49および68−78)を含む。本発明で有用なタンパク質(例えば、遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンド、サイトカインまたはオプソニン)をコードしている組換え核酸により産生されるタンパク質の存在または非存在について組織を分析するために、免疫組織化学技術を使用し得る。抗体分子は、標的タンパク質の容易な検出を促進するため標識され得ることは当業者には明らかである。抗体分子を標識する技術は、当業者には公知である(HarlowおよびLane、1989、抗体、コールドスプリングハーバーラボラトリー参照)。
免疫応答が本発明に従って調節されるかの決定
細胞に含まれる抗原または抗原群に対する、哺乳動物、好ましくはヒトの免疫応答を調節するために、CD40リガンド増強細胞およびサイトカイン覆膜細胞が本発明で有用である。細胞が投与され、抗原提示細胞により取り込まれる(すなわち摂取または貪食)。別に、細胞を、貪食作用を可能とする条件下でインビトロで抗原提示細胞と接触させる。
「免疫応答」は、免疫系に関与する選択応答の刺激/活性化、または選択応答の抑制、排除、または減弱を意味する。好ましい実施形態において、免疫応答は、CDリガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞ではない対照細胞と比べて、少なくとも約5%、または好ましくは5ないし50%、またはより好ましくは50ないし100%、または少なくとも100%またはそれ以上の、免疫系に関与する選択応答の刺激/活性化、または、少なくとも約5%、または好ましくは5ないし50%、またはより好ましくは50ないし100%、または少なくとも100%またはそれ以上の、選択応答の抑制、排除、または減弱を意味する。従って、免疫応答の調節は、CDリガンド増強細胞またはサイトカイン覆膜細胞ではないことを除き全ての点で同一の細胞を同一の様式で投与する場合に、所望の応答が、より効率的、より迅速、より大きく、および/またはより容易に誘導されることを意味する。被検者における異なる免疫応答は、様々に調節され得、例えば、細胞性免疫応答は選択的に増強され得るが、体液性応答は選択的に減弱され得、その逆もある。
以下のインビトロおよびインビボアッセイは、免疫応答が本発明に従って調節されたかを決定するのに有用である。詳細に下記したアッセイは、抗原に対する細胞性または体液性免疫応答の刺激または抑制を測定する。以下のアッセイで言及した抗原は代表的なものである。本発明で有用な選択抗原に対する免疫応答を、その抗原にアッセイを適合させることにより、1つ以上の以下のアッセイを使用して測定し得ることは当業者には明らかである。
I.貪食作用の増加の検出
以下のアッセイは、オプソニン増強細胞、サイトカイン覆膜細胞、またはCD40リガンド増強細胞が、抗原提示細胞による貪食作用を刺激するかを決定するために使用し得る。
貪食作用は、FCSを添加していないRPMI中37℃で30分間粘着させた単球を使用して調べる。ヒツジ赤血球を、オプソニン、CD40リガンド、サイトカイン、またはその前駆体と共に、平均して300以下の該分子が各赤血球に沈着するような条件下でインキュベートする。前駆体を使用する場合、次いで、覆膜赤血球を処理して、全前駆体を実際の候補分子に変換する(例えば、Carloら、、J.Immunol.123:523−8(1979)参照)。新鮮な単球を被検者から単離し、5×10−1×10のこれらの細胞を、1%BSAを含むRPMI培地0.25−0.5mlに懸濁する。このアリコートを、組織培養ウェルに入れ、30分間37℃でインキュベートする。1.2×10細胞/mlで懸濁した過剰の覆膜赤血球を、単球にのせ、プレートを5分間50gで遠心分離し、30分間37℃でインキュベートする。非摂取物質を、氷冷溶解緩衝液を使用して2つの低張溶解段階で除去し、粘着細胞を固定および染色し、細胞を光学顕微鏡で調べる。貪食作用を、1つ以上の標的細胞を摂取した100単球の比率を決定することにより定量し、摂取E/100単球(PI)の全数を記録する。本発明での貪食作用の刺激は、40と等しいかそれ以上の貪食係数により示される。
II.免疫応答の増幅は、通常、普通休止状態である特定の亜個体群のリンパ系細胞の増殖を含む
増殖アッセイは、臨床試験で以下の適用を有する:(1)マイトジェンまたは抗CD3抗体などの多クローン性増殖シグナルへの応答能に現れる、T細胞またはB細胞の全体的な免疫学的適合性の評価。増殖欠陥は、基本的な細胞性免疫欠陥の指標であり得る。低増殖がしばしば、慢性疾病の非特異的二次効果として見られる。(2)特異的抗原に対する個体の評価、ここでの低い応答は、一般的または特異的免疫欠陥の指標である。(3)混合リンパ球反応(MLR)によるMHC適合性の決定。
さらに、増殖アッセイは、リンホカイン産生の推定、シグナル伝達の調査、およびTまたはB細胞の増殖因子要求(例えばリンホカイン)の評価に有用である。ここに概略を述べた手順は、細胞増殖と通常よく相関する、[H]チミジンのDNAへの取込みを測定し、細胞数の変化により測定される。しかし、活性化刺激が、イオノマイシンとホルボールミリステートアセテート(PMA)などの化学活性化物質のように、毒性である場合、活性化後の新規DNA合成の発生は、生細胞の正味の増加を伴わないことがあり、事実、細胞数の減少が観察され得る。この場合、DNAへの[H]チミジン取込みは、細胞数の推定よりも初期細胞刺激の指標となる。さらに、[H]チミジン取込みは、個々の細胞ではなく細胞個体群に関する情報を提供する。フローサイトメトリーなどの別の方法を、その種類の情報を必要とする研究に使用し得る。
抗原誘導T細胞増殖アッセイ
このプロトコルは、特異的抗原−破傷風毒素に応答したT細胞の増殖を試験するために設計される。それは、任意のタンパク質または多糖抗原に応答したT細胞増殖を試験するために修飾できる。材料:(T細胞懸濁液、自己抗原提示細胞懸濁液(非T細胞)、破傷風溶液(Connaught or State Laboratory Institute of Massachusetts)。(1)T細胞を計測し、完全RPMI−10ABで1×10細胞/mlに調整する。(2)一方向MLRプロトコルの段階2のように、抗原提示細胞を、マイトマイシンCで処理(または2500radで照射)する。抗原提示細胞の濃度を2×10細胞/mlに調整。抗原提示細胞は、自己非T細胞または自己単球/マクロファージからなり得る。(3)100μlのT細胞懸濁液および50μlの抗原提示細胞個体群をウェルに加え;分配前に混合する。(4)50μlの破傷風毒素を加え、最終濃度を0、1、5、10および20μg/mlとする。各希釈について3つのウェルを調製する。(5)加湿37℃、5%COインキュベーター中で6日間インキュベートする。(6)[H]チミジンでパルスし、支持プロトコルに記載の通り収集する。
リンホカイン依存性細胞増殖アッセイ
このプロトコルは、リンホカイン依存性リンパ球個体群の増殖、この場合は、IL依存性B細胞の増殖をアッセイする。材料:(扁桃腺B細胞懸濁液、セファロースビーズ(バイオ−ラッド)に架橋した抗IgM、完全RPMI中の10,000U/mlのヒトrIL−4(Genzyme))。(1)扁桃腺B細胞を計測し、濃度を完全RPMI−10を用いて1×10細胞/mlに調整。(2)100μlの扁桃腺B細胞を各ウェルに分配する。各実験条件について3つのウェルを調製する。(3)10,000U/mlのrIL−4溶液を、1:10、1:100および1:1000に希釈する。20μlの原液または希釈液を適切なウェルに加え、1000U/ml、100U/ml、10U/ml、および1U/mlを得る。rIL−4を含まない対照ウェルを含める。(4)抗IgMビーズを適切なウェルにピペットする。
試験的な実験を用いて最適なビーズ濃度を決定する。最適用量を「定める」ために各実験に数個のビーズ濃度を含めるのが最善である。扁桃腺B細胞およびIL−4希釈液のみ、抗IgMビーズのみ、培養培地のみ、およびIL−4および抗IgMビーズ希釈液の全ての組合せでウェルを調製する。(5)各ウェルの容量を、必要であれば完全RPMI−10を用いて200μlに増加する。(6)加湿37℃、5%COインキュベーター中で5日間培養する。(7)[H]チミジンでパルスし、支持プロトコルに記載の通り収集する。
H]チミジンパルスおよび細胞培養物の収集
このプロトコルを、先行プロトコルと共に使用して、[H]チミジン取込みアッセイを完全にする。(1)20μlの50μCi/ml[H]チミジンを各培養物(1.0μCi)に一定時間に加え、培養を終了する(通常6または18時間)。(2)細胞を吸引し、細胞を溶解し、DNAをろ紙上に移す自動マルチウェル収集器を使用して細胞培養物を収集し、一方、非取り込み[H]チミジンを洗い流す。各列のマイクロタイタープレートを10回充填および吸引し、完全な細胞移行および完全な非取り込みチミジンの除去を確実にする。各ろ紙片を100%エタノールで洗浄し乾燥し易くする。シンチレーションバイアルに移す。半自動収集器用には、各ウェルのフィルタードットを、シンチレーションカウントバイアルに移す。手動移行用には、ランプ下でフィルターを乾燥させ、ピンセットでシンチレーションバイアルに移す。シンチレーション液を各バイアルに移す。(3)標準誤差が2%以下となるまで、シンチレーションカウンターでサンプルを計測する。バックグラウンド培養物および各実験状態の平均cpmを計算する。複製培養物の変動は20%以下とする。
III.インビトロ抗体応答の誘導および測定
タンパク質または多糖抗原でインビボ免疫化した後に抗体応答を引き起こすヒト免疫系の能力は、免疫系のBおよびT細胞アームの両方の全体的な完全性を表す指標である。従って、インビボ免疫化と続く抗体応答の測定は、様々な後天性および先天性免疫不全症、並びに、免疫系に影響を及ぼす他の状態の宿主における免疫機能の適切な試験である。以下の手順は、インビボ免疫化およびエリザ技術を使用した続く免疫応答の測定用である。
NIP−およびHRPO−標識抗体を使用したサイトカインについての免疫酵素アッセイ
このプロトコルは、マイクロタイタープレートに結合させた覆膜抗体によりサイトカインが固定される、異種非競合的イムノアッセイ反応を使用した、サイトカインについての免疫酵素アッセイを記載する。非結合物質を洗い流し、ハプテンニトロヨードフェニル(NIP)で標識した異なる抗サイトカイン抗体を使用して検出を行う。これは、次いで、色素生産性基質ABTSで現れる、抗NIP抗体のセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRPO)コンジュゲートにより検出される。この非競合的イムノアッセイで、イムノアッセイシグナル(A405)は、サンプルに存在するサイトカインの量の直接的な関数として増加する。抗体は、免疫学の現在のプロトコル、1995、6.20.2−6.20.10に記載の通り調製する。
アッセイプレートの覆膜。(1)多チャネルピペッターを使用して、100μlの適切な覆膜抗体の希釈液を、使用するアッセイプレートの全ウェルに移す。(2)プレートを、マイクロタイタープレートシールまたはパラフィンで封をし、2時間37℃でインキュベートする。調製プレートにサンプルおよび標準液を調製する。(3)アッセイする各サンプル(またはならし培地のアリコート)を等量のイムノアッセイ希釈液で希釈する。(4)1mlまたはそれ以下のアッセイする各希釈サンプルを、別々のスピン−X微量ろ過装置の上チャンバーにピペットする。5分間10,000rpmで微量遠心し、低チャンバーに集まる濾液を保持する。(5)65μlの各希釈サンプルを、調製プレート(すなわち、96ウェルマイクロタータープレート)の適切なウェルに加える。(6)室温でサイトカイン標準液のアリコートを解凍し、確実に十分に混合する。130μlを、標準曲線の最高濃度を示す調製プレートのウェルにピペットする。このウェルから65μlを次に移し、次いで、標準曲線に提示される各濃度65μlが、調製プレートの適切なウェルに配置するように、イムノアッセイ希釈液で1:1の希釈の実施を続ける。(7)室温でカリブレーターのアリコートを解凍する(使用する場合)。等量のイムノアッセイ希釈液で希釈し、次いで、65μlの希釈カリブレーターを、調製プレートの適切なウェルまたはウェル群にピペットする。
覆膜抗体と共にインキュベートする。(8)インキュベーターから覆膜アッセイプレートを取り出す。1×洗浄緩衝液で充填した2リットルビーカーに浸漬し、次いで、シンク上で反転させ振り液体を除去する。さらに2回反復し、ペーパータオル上に叩き乾燥させる。(9)多チャネルピペッターを使用して、調製プレートの各ウェルから50μlの溶液を、対応するアッセイプレートのウェルに移す。(10)プレートを、マイクロタイタープレートシールまたはパラフィンで封をし、2時間室温でインキュベートする。
検出抗体と共にインキュベートする。(11)目的のサイトカインに特異的なNIP標識検出抗体を、検出緩衝液で1μg/mlに希釈する。(12)段階8のようにアッセイプレートを洗浄する。(13)段階11からの75μl希釈検出抗体を、未使用の外ウェルを含む、アッセイプレートの全ウェルに加える。(14)プレートを、マイクロタイタープレートシールまたはパラフィンで再度封をし、1時間室温でインキュベートする。
HRPOコンジュゲート抗NIP抗体と共にインキュベートする。(15)HRPOコンジュゲート抗NIPMabを検出緩衝液で1:3000に希釈する。(16)段階8のようにアッセイプレートを洗浄する。(17)段階15からの希釈HRPO標識抗NIP抗体を、アッセイプレートの全ウェルに加える。(18)プレートを、マイクロタイタープレートシールまたはパラフィンで再度封をし、1時間室温でインキュベートする。
色素生産性基質と共にインキュベートする。(19)段階8のようにアッセイプレートを洗浄する。(20)100μlのABTS基質作用溶液を、アッセイプレートの全ウェルに加える。プレートを覆い、発色が所望のレベル(一般に、最も高い濃度の標準液を含むウェルのA405が1.5ないし2となるまで)に到達するまで、室温でインキュベートする。このプロトコルは通常、30−60分後に解読できるアッセイを提供する。
プレートを解読し、データを分析する。(21)コンピューターインターフェースを有するマイクロタイタープレート解読器を使用して、単波長モードで405nmでまたは二波長モードで405および650nmで全ウェルの吸光度を測定する。(22)カーブフィッティングソフトウェアを使用して、一度(線形)、二度(二次)または四パラメーター(非線形)数学的機能により記載された曲線に標準データを当てはめる。(23)未知のサイトカインサンプルからの吸光度データを、当てはめた標準曲線に補間し、サイトカイン濃度を計算する。
IV.インビボ抗体応答の誘導は、免疫系の全体的な完全性の評価に対するアプローチを提供する
ここに提示したプロトコルでは、ジフテリアおよび破傷風毒素は、代表的なタンパク質抗原として使用され、肺炎球菌多糖は、その安全性および利用性から代表的な多糖抗原として使用される。しかし、これらの抗原により顕現される応答は、過去のワクチン接種および自然曝露のために二次応答であるようである。一次応答を得るために、キーホールリムペットヘモシアニンなどの珍しい抗原を使用する。
抗原を、ここにあるように、筋肉内または皮下経路により投与する場合、「全身」免疫応答が誘導され、循環抗体の測定が最も適切である。しかし、時に「局所」または粘膜免疫応答の評価に関心のある場合がある。この場合、抗原は、呼吸器リンパ組織を刺激するために鼻腔内に、または胃腸管リンパ組織を刺激するために経口的に投与され、血液よりむしろ、気管支洗浄液または腸液を抗体含量についてアッセイし;さらに、局所/粘膜応答の刺激により適切な抗原を使用する(すなわち、呼吸器応答ではインフルエンザウイルス抗原および胃腸管応答ではコレラ毒素)。
インビボ抗体応答のアッセイにおいて、タンパク質および多糖抗原の両方に対する応答を決定することが重要である。なぜなら、これらの抗原は免疫系の異なる成分を刺激するからである。これに関して、タンパク質抗原に対する主要な抗体応答は、IgG1およびIgG3サブクラス抗体からなり、一方、多糖抗原に対する主要な抗体応答はIgG2サブクラス抗体からなる。
様々なイムノアッセイ技術が、インビボ免疫化後に得られた材料における抗体応答の測定に使用されている。これらの中で、エリザアッセイは、安定で、容易に測定でき、再現性で、安全な解読が得られることから、おそらく最も有用である。
タンパク質/多糖抗原に対するインビボ抗体応答の誘導
このプロトコルでは、抗原を、筋肉内または皮下経路により投与し、血清を応答の測定のために集める。(1)前以て免疫化した血液サンプルを引き出し、血液を凝血させ、血塊から遠心分離により血清を分離する。血清を適切に標識したプラスチックチューブ中−20℃から−70℃で貯蔵する。(2)適切に調製した筋肉内部位(三角筋または大腿)に0.5mlのトキソイド混合物を注入し、物質を静脈内注入しないように注意する。(3)適切に調製した皮下部位に0.5mlの高価肺炎球菌ワクチンを注入し、物質を静脈内注入しないように注意する。(4)所望の間隔で、通常1、2、および3週間間隔で免疫化後の血液サンプルを引き出す。血清を分離し、−20℃から−70℃に貯蔵する。(5)全ての血清サンプルを集めた後、サンプルを、エリザを使用して抗体の存在についてアッセイする。
エリザは、破傷風およびジフテリアブースターおよび多価肺炎球菌多糖ワクチンでワクチン接種した個体から得られた血清中のタンパク質および多糖抗原を含む、様々な抗原に対するインビボ抗体応答を測定するための、迅速で、感度が高く、再現性で、非放射活性の方法を提供する。破傷風、ジフテリアおよび肺炎球菌多糖I、IIおよびIII型に特異的なアッセイは、免疫学の現在のプロトコル、1995、第6および7巻に詳述されている。
腫瘍拒絶を使用したアッセイ
免疫調節の別のアッセイで、免疫適合性動物に、10−10の次元の照射サイトカイン覆膜またはCD40リガンド増強腫瘍細胞をワクチン接種し、10−10の次元の生野生型腫瘍細胞で攻撃する(任意の一時的順序)。これらの細胞の生存または腫瘍開始が、サイトカイン覆膜またはCD40リガンド増強細胞の代わりに照射非サイトカイン覆膜/非CD40リガンド増強細胞を、同一パラメータを使用して、ワクチン接種した動物のそれとは異なる場合、免疫調節が生じた。例えば、試験群の少なくとも10%の動物が、対照群の平均生存よりも100%長く生存する場合、試験は陽性である。別の例として、20%の試験動物の腫瘍の開始が、対照動物の平均開始よりも50%遅くあり得る。
用途
本発明を適用可能な腫瘍
本発明は、以下を含むがこれに限定されない腫瘍の処置を考える:黒色腫、扁平上皮細胞腫瘍、基底細胞癌、星状腫、神経膠腫、多形グリア芽腫、多形(multiforme)、髄膜腫、脳室上衣腫、シュワン腫、神経芽腫、網膜芽腫、髄膜腫、グロムス腫瘍、例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、滑膜細胞肉腫、線維肉腫、紡錘細胞腫瘍、血管肉腫、原始神経外胚葉細胞腫瘍、およびカポジ肉腫を含む肉腫、リンパ腫、急性および慢性白血病、頭頸部腫瘍、鼻咽頭癌、咽頭癌、喉頭癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、胸腺腫、食道癌、胃癌、小腸癌、結腸および直腸癌、中皮腫、腺癌、扁平上皮癌、気管支肺胞癌および小細胞癌を含む肺癌、膵臓癌、島細胞および非島細胞腫瘍、乳癌、心粘液腫、下垂体腫瘍、カルチノイド腫瘍、肝細胞腫、胆管癌、肝芽腫、腎細胞癌、腎芽腫、ウィルムス腫瘍、副腎癌、クロム親和芽細胞腫、胚細胞腫瘍、絨毛癌、卵巣癌、精巣癌、精上皮癌、子宮体腫瘍、前立腺癌、精嚢癌、膣腫瘍、陰茎癌、胞状奇胎、胆嚢癌、および膀胱癌。
本発明でのトランスジェニック動物
本明細書に記載した遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドまたは遺伝子工学操作により改変されたサイトカインをコードしている核酸分子は、非ヒトトランスジェニック動物の産生に使用でき、該トランスジェニック動物の細胞を単離して、動物またはヒトワクチン接種のワクチン製剤に使用できる。
例えば、1つの実施形態において、核酸分子を、受精卵母細胞または胚幹細胞に導入する。次いで、該細胞を使用して、本発明のポリペプチドをコードしている外来性核酸分子をそのゲノムに導入した非ヒトトランスジェニック動物、または内因性核酸分子を変化させた相同的組換え動物を創製できる。該動物は、本発明の分子の機能および/または活性の研究に、および本発明の分子の活性の修飾因子の同定および/または評価に有用である。本明細書に使用した「トランスジェニック動物」は、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはマウスであり、動物の1つ以上の細胞がトランスジーンを含む。トランスジーンは、細胞のゲノムに取り込まれ、それからトランスジェニック動物が発達し、成熟動物のゲノムに存続し、トランスジェニック動物の1つ以上の細胞型または組織でコードされた遺伝子産物の発現を支持する、外来性核酸である。
本発明のトランスジェニック動物は、本明細書に記載のポリペプチドをコードしている核酸分子を、受精卵母細胞の雄性前核に、例えば微量注入により導入し、卵母細胞を偽妊娠雌育成動物に発達させることにより創製できる。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルも、トランスジーンに含めて、トランスジーンの発現の効率を増加できる。組織特異的調節配列(群)をトランスジーンに機能的に連結させて、本発明のポリペプチドの発現を特定の細胞に指向できる。胚操作および微量注入を介してトランスジェニック動物、特にマウスなどの動物を作成する方法は、当分野では慣用的となり、例えば、米国特許第4,736,866号および4,870,009号(これは両方共Leder等による)、Wagner等による米国特許第4,873,191号およびHogan,B、マウス胚の操作(コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、1986)に記載されている。類似の方法を、他のトランスジェニック動物の産生にも使用する。トランスジェニック確立動物は、本発明の核酸分子の存在、例えば、そのゲノム内でのトランスジーンおよび/または動物の組織または細胞のトランスジーンmRNAの発現に基づき同定できる。次いで、トランスジェニック確立動物を使用して、トランスジーンを有するさらなる動物を繁殖できる。さらに、本発明のポリペプチドをコードしているトランスジーンを有するトランスジェニック動物はさらに、他のトランスジーンを有する他のトランスジェニック動物に繁殖できる。
本発明はさらに、以下の例証により説明され、これはさらなる制限として捉えるべきでない。
例証
遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドの作成
実施例1
ヒトCD154−GPIの作成
ヒトCD154−GPI作成物は、下記したPCRパラメータおよびオリゴヌクレオチドを使用して複製連鎖反応(PCR)法により調製する。
以下のオリゴヌクレオチドを使用して、ヒトCD4+T細胞全cDNAからCD154の2つの部分のいずれかを増幅する:
上流オリゴヌクレオチド:
5’pCCGAATTCCATAGAAGGTTGGACAAGATAGAA3,
または
5’pCCGAATTCGAGACGAAGAAAGAAAGAAAACAG3’;
下流オリゴヌクレオチド;
5’pTAGCCGGCGAGTTTGAGTAAGCCAAAGGACG3’PCRパラメータ:変性94℃で1分間
アニーリング65℃で1分間
伸長72℃で1分間
維持72℃で10分間(最終サイクル)。
PCRは、アガロースゲル上に可視バンドを生じる最少数のサイクルでPfuポリメラーゼを使用して実施する。PCRの完了後、反応液を4℃で10分間冷却させる。PCR産物を1.2%アガロースゲルを通して電気泳動した後に精製する。DNAバンドを切出し、DNA断片をQiagenから購入したキットを使用して精製する。
精製DNA断片をEcoRIおよびNgoM1で消化する。消化後、反応混液をフェノール:クロロホルム(1:1)で、次いでクロロホルムで抽出する。水層を0.3M酢酸ナトリウムpH5.2に調整し、DNAを2容量のエタノールで−80℃で2時間沈殿させる。
DNAを遠心分離によりペレット化し、エタノールを除去し、ペレットを70%エタノールで濯ぐ。ペレットを真空下で乾燥させる。
DNAを滅菌水に再度懸濁し、前以てEcoRI−NgoMIで消化しておいたpUC19−GPI21(下記)にライゲートする。ライゲートは、1時間室温で行う。増幅DNAにライゲートしたPUC19GPI21を使用して、コンピテントAG−1細胞を形質転換する。形質転換AG−1細胞を、アンピシリンを含むLBプレート上で選択する。プラスミドDNAを単離し、下記のように分析する。制限消化を行い、pUC19CD154−GPI21キメラ作成物を確認する。陽性クローンからのDNAを単離し、シークエンスしてその実体を確認する。
実施例2
マウスCD154−GPIの作成
ネズミCD154−GPI作成物を、下記のPCRパラメータおよびオリゴヌクレオチドを使用してPCR法により調製する。
以下のオリゴヌクレオチドを使用して、マウスCD4+T細胞全cDNAからCD154の2つの部分のいずれかを増幅する:上流オリゴヌクレオチド
5’pCCGAATTCCATAGAAGATTGGATAAGGTCGA3’、
または
5’pCCGAATTCGAGAAAAAAGAAAACAGCTTTGAAA3’;
下流オリゴヌクレオチド:
5’pTAGCCGGCGAGTTTGAGTAAGCCAAAAGATG3’PCRパラメータ:変性94℃で1分間、アニーリング65℃で1分間、伸長72℃で1分間、維持72℃で10分間(最終サイクル)。
PCRは、アガロースゲル電気泳動上に可視バンドを生じる最少数のサイクルでPfuポリメラーゼを使用して実施する。PCR後、反応液を4℃で10分間冷却させる。PCR産物を1.2%アガロースゲルを通して電気泳動した後に精製する。DNAバンドを切出し、DNA断片をQiagenから購入したキットを使用して精製する。
精製DNA断片をEcoRIおよびNgoM1で消化する。消化後、反応混液をフェノール:クロロホルム(1:1)で、次いでクロロホルムで抽出する。水層を0.3M酢酸ナトリウムpH5.2に調整し、DNAを
2容量のエタノールで−80℃で2時間沈殿させる。
DNAを遠心分離によりペレット化し、エタノールを除去し、ペレットを70%エタノールで濯ぐ。ペレットを真空下で乾燥させる。
DNAを滅菌水に再度懸濁し、前以てEcoRI−NgoMIで消化しておいたpUC19−GPI21(下記)にライゲートする。ライゲートは、1時間室温で行う。増幅DNAにライゲートしたPUC19GPI21を使用して、コンピテントAG−1細胞を形質転換する。形質転換AG−1細胞を、アンピシリンを含むLBプレート上で選択する。プラスミドDNAを単離し、下記のように分析する。制限消化を行い、pUC19CD154−GPI21キメラ作成物を確認する。陽性クローンからのDNAを単離し、シークエンスしてその実体を確認する。キメラタンパク質の発現を測定するために、CD154断片と共に枠内に、およびその直ぐ上流に、分泌シグナル配列、例えばマウスIL−2のものを配置する断片を発現ベクターにクローン化する。
潰伝子工学操作により改変されたサイトカインの作成
実施例3
GM−CSF−GP1の作成
GM−CSF−GPI作成物は、下記の通り調製する。
以下の2つのオリゴヌクレオチドは、Midland Certified Reagent Company(ミッドランド、テキサス州)から購入した:GTX−5
5’pAATTCCGCGCCGGCACAGTGCTCAGAGACAAACTGGTCAAGTGTGAGGGCATCAGCCTGCTGGCTCAGAACACCTCGTGGCTGCTGCTGCTCCTGCTGTCCCTCTCCCTCCTCCAGGCCACGGATTTCATGTCCCTGTGACTGGGTAC3’
GTX−5は:
a.EcoRI部位(塩基1−5)にライゲートするに適した5’末端の配列 b.インフレームキメラコード配列(塩基9−14)を創製するためのNgoM1部位
c.ヒトTny−1のGPI修飾配列のコード配列(Genbank寄託番号M11749)(塩基15−137)
d.終止コドン(塩基138−140)
e.KpnI部位へのライゲート用の3’末端の配列(塩基144−148)を含む。
GTX−6(以下)と呼ばれる、ねじれ末端を除き、GTX−5に相補的なオリゴヌクレオチドも購入した。
GTX−6:
5’pCCAGTCACAGGGACATGAAATCCGTGGCCTGGAGGAGGGAGAGGGACAGCAGGAGCAGCAGCAGCCACGAGGTGTTCTGAGCCAGCAGGCTGATGCCCTCACACTTGACCAGTTTGTCTCTGAGCACTGTGCCGGCGCGG3’。
GTX−5およびGTX−6を最終濃度1μg/λで個々のチューブの滅菌水に溶解した。GTX−5およびGTX−6は、最終濃度100ng/λで混合し、60分間室温でアニールさせた。
次いで、GTX−5:GTX−6二本鎖オリゴヌクレオチド(Thy−GPI)をプラスミドpUC19にクローン化した。4μgのpUC19DNAをEcoRIおよびKpnIで消化した。電気泳動後、線形DNAを製造業者により提供された指示に従ってQiagen(サンタカタリナ、カリフォルニア州)ゲル精製キットを使用して0.7%アガロースゲルから精製した。100ngのGTX−5:GTX−6オリゴヌクレオチドを、室温で60分間、最終容量20μ1中、200ngのEcoRI−KpnI消化pUC19にライゲートした。
プラスミドを、ストラタジーンから購入した、コンピテントAG−1細胞に形質転換した。形質転換E.コリをLB−ampプレートに接種した。アンピシリン(100μg/ml)を含むLBプレート上で増殖している細菌コロニーを拾い、1mlのamp含有LBに接種し、一晩37゜で撹拌しながら増殖させた。
プラスミドDNAを標準的なアルカリ溶解ミニプレッププロトコルを使用して単離した。プラスミドDNAをEcoRIおよびKpnIで消化した。DNAを、臭化エチジウムで染色した1.6%アガロースゲル上で電気泳動し、約148bpのEcoRI−KpnI断片を含むコロニーをかくして同定した。陽性コロニーを100mlのアンピシリン含有LBに接種し、一晩増殖させた。プラスミドDNAをQiagenから購入したキットを使用して精製した。
今回pUC−GPI21と称した、Thy−GPI陽性クローンのヌクレオチド配列をシークエンスして、その実体を確認した。
GM−CSFコード配列を、クロンテック(パロアルト、カリフォルニア)から購入したマウス肺cDNAライブラリーから増幅した。PCRプライマーを以下の通りであった:
上流オリゴヌクレオチド:
5’CCGAATTCATGTGGCTGCAGAATTTACTTTTCCTGGGCATTGTGGTCTAC3’
下流オリゴヌクレオチド:
5’CAGCCGGCTTTTTGGACTGGTTTTTTGCATTCAAAGGGGATATCAGTCAG3’
PCRパラメータ:変性90℃で1分間
アニーリング60℃で1分間
伸長72℃で1分間。
PCRは、Taqポリメラーゼを使用して30サイクル実施した。PCR完了後、反応液を4℃で10分間冷却させた。
GM−CSF PCR産物を、1%アガロースゲルを通して電気泳動した後に精製した。DNAバンドを切出し、DNA断片をQiagenから購入したキットを使用して精製した。
次いで、精製GM−CSF DNA断片をEcoRIおよびNgoMIで消化した。消化後、反応混液をフェノール:クロロホルム(1:1)で、次いでクロロホルムで抽出する。水層を0.3M酢酸ナトリウムpH5.2に調整し、DNAを2容量のエタノールで−80℃で2時間沈殿させる。DNAを遠心分離によりペレット化し、エタノールを除去し、ペレットを70%エタノールで濯ぐ。ペレットを真空下で乾燥させる。
GM−CSF cDNAを滅菌水に再度懸濁し、EcoRI−NgoMIで消化しておいたpUC19−GPI21にライゲートした。ライゲートは、1時間室温で行った。GM−CSFにライゲートしたPUC19−GPI21を使用してコンピテントAG−1細胞を形質転換した。形質転換AG−1細胞をLB−ampプレート上に接種した。形質転換したコロニーを個々に、100μg/mlアンピシリンを含むLB1mlに接種した。プラスミドDNAを迅速なアルカリ溶解法により単離した。制限消化を実施して、pUC19 GM−CSF−GPI21キメラ作成物を確認した。陽性クローンからのDNAを単離し、シークエンスしてその実体を確認した。
実施例4
IL−4−GPIの作成
GPI連結ネズミIL−4をコードしているプラスミドを以下の通り作成する。ネズミIL−4(Genbank寄託番号M25892)をコードしているcDNAを、以下のプライマーを使用してマウス脾臓ライブラリーからPCR(上記)により増幅する:
上流プライマー:
5’CCGAATTCATGGGTCTCAACCCCCAGCT3’
下流プライマー:
5’CAGCCGGCCGAGTAATCCATTTGCATGATG3’。
PCR産物は上記のようにアガロースゲル電気泳動から単離し、EcoRIおよびNgoM1で消化し、上記のように精製する。cDNAをpUC−GPI21にライゲートし、プラスミドをコンピテントE.コリ細胞に形質転換する。陽性プラスミドクローンを上記のように単離する。キメラ遺伝子を、下記のように発現ベクターにクローン化する。
実施例5
IL−12p40−GPIの作成
GPI連結ネズミIL−12p40サブユニットをコードしているプラスミドは以下のように作成する。ネズミIL−12のp40サブユニットをコードしているcDNA(Genbank寄託番号M86671)を、以下のプライマーを使用して、PCR(上記)によりマウス脾臓ライブラリーから増幅する。
上流プライマー:
5’CCGAATTCATGTGTCCTCAGAAGCTAACCA3’
下流プライマー:
5’CAGCCGGCGGATCGGACCCTGCAGGGA3’。
PCR産物は上記のようにアガロースゲル電気泳動から単離し、EcoRIおよびNgoM1で消化し、上記のように精製する。cDNAをpUC−GPI21にライゲートし、プラスミドをコンピテントE.コリに形質転換する。陽性プラスミドクローンを上記のように単離する。キメラ遺伝子を、下記のように発現ベクターにクローン化する。
実施例6
IL−12p35−GPIの作成
GPI連結ネズミIL−12p35サブユニットをコードしているプラスミドは以下のように作成する。ネズミIL−12のp35サブユニットをコードしているcDNA(Genbank寄託番号M86672)を、以下のプライマーを使用して、マウス脾臓ライブラリーから増幅する。
上流プライマー:
5’CCGAATTCATGTGTCAATCACGCTACCTCCT3’
下流プライマー:
5’CAGCCGGCGGCGGAGCTCAGATAGCCCATC3’。
PCR産物は上記のようにアガロースゲル電気泳動から単離し、EcoRIおよびNgoM1で消化し、上記のように精製する。cDNAをpUC−GPI21にライゲートし、プラスミドをコンピテントE.コリに形質転換する。陽性プラスミドクローンを上記のように単離する。キメラ遺伝子を、下記のように発現ベクターにクローン化する。
GPI連結IL−12p35およびp40は、宿主細胞で共発現できるか、またはGPI連結作成物は、他の作成物の非GPI連結型と共発現できる。
GPIキメラタンパク質の哺乳動物細胞発現ベクターへのクローニング
実施例7
PUC19GM−CSF−GPI21を、EcoRIおよびKpnIで消化し、GM−CSF−GPI21DNA断片を放出させた。DNA断片を製造業者のプロトコルに従ってQiagenから購入したキットを使用してアガロースゲル電気泳動後、精製した。
Cos1細胞での一過性発現のために、キメラGM−CSF−GPI遺伝子を、哺乳動物発現ベクターpSVK3(ファルマシアバイオテック、ピスカタクォー、ニュージャージー州)にクローン化した。ネズミ腫瘍細胞およびCHO細胞での安定な発現のために、遺伝子を、pCI哺乳動物発現ベクター(プロメガ、マジソン、ウィスコンシン)にクローン化した。どちらの場合共、DNA断片を、EcoRIおよびKpnIで消化しておいたプラスミドにライゲートした。
各ライゲート混液を使用して、AG−1細胞を形質転換した。形質転換細胞を、100μg/mlアンピシリンを含むLBプレート上での増殖により選択した。形質転換コロニーを拾い、1mlのアンピシリン含有LBに接種した。プラスミドDNAを迅速なアルカリ溶解法により単離した。プラスミドDNAを制限酵素で消化して、挿入断片の存在を確認した。pSVK3 GM−CSF−GPIおよびpCI GM−CSF−GPIを含むクローンを選択した。各クローンの100ml培養物からのプラスミドDNAを、Cos1細胞、B16ネズミ黒色腫またはCHO細胞への電気穿孔用に単離した。
Cos1、B16またはCHO細胞へのGM−CSF−GPIの電気穿孔
実施例8
Cos−1細胞での一過性発現
Cos1細胞を、Pen−Strepを含むDMEM−10%FBS中で増殖させた。約75%の集密度の細胞をトリプシン処理により収集した。トリプシン処理した細胞を、Pen−Strepを含むDMEM−10%FBS中に希釈し、1500rpm(約1500g)で3分間、Heraeus Biofuge15R遠心機で遠心分離することによりペレット化した。上清を除去し、細胞をPen−Strepを含むDMEM−10%FBS中に、最終濃度約6×10細胞/mlで再度懸濁した。
電気穿孔用に、0.6mlの再度懸濁した細胞を、10μg(1μg/μl)のpSVK3GM−CSF−GPI21で電気穿孔した。
電気穿孔は、バイオラッドジーンパルサーを使用して実施した。条件は製造業者により推奨された通りであった。電気穿孔後、細胞をPen−Strep(P−S)を含むDMEM−10%FBSで濯ぎ、組織培養フラスコに蒔いた。
細胞を48時間後に収集した。培地を除去し、細胞を無菌PBSで濯いだ。次いで、細胞を組織培養フラスコから出し、細胞を4分間室温で微量遠心分離することによりペレット化した。
B16黒色腫細胞でのGM−CSF−GPIの安定な発現
プラスミドpCI GMCSF−GPIを、制限酵素Bgl IIで線形化した。B16黒色腫細胞へのGM−CSF−GPIの安定な組込みを選択するために、pCI GMCSF−GPIを、B16細胞に、G418(neo)に対する耐性を付与する遺伝子と共に、それぞれモル比20:1で電気穿孔した。電気穿孔条件は、250V、750μF、0.4cm電極ギャップキュベット中、キャパシタンス・イクステンダー・プラスとバイオラッド・ジーンパルサーIIを使用するものであった。電気穿孔後、細胞を2日間DMEM、10%FCS、P−S中、G418の非存在下で増殖させた。2日後、細胞に、2mg/mlG418(クロンテック)を補充した、DMEM、10%FCS、P−Sを加えた。選択後、pCI GMCSF−GPIで電気穿孔しておいたG418耐性B16細胞を、1mg/mlG418を補充した、DMEM、10%FCS、P−S中で増殖させた。
CHO細胞でのGM−CSF−GPIの安定な発現
プラスミドpCIGMCSF−GPIを、制限酵素Bgl IIで線形化した。CHO細胞でのGMCSF−GPIの安定な発現を選択するために、pCIGMCSF−GPIを、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の遺伝子と共に細胞に電気穿孔した。CHO DG44細胞(コロンビア大学のChasin博士から得る)を、pCIGMCSF−GPIで、EcoRI消化pSV2 DHFR(ATCC)と共にそれぞれモル比20:1で電気穿孔した。CHO DG44細胞の電気穿孔条件は、250V、1050μF、0.4cm電極ギャップキュベット中、キャパシタンス・イクステンダー・プラスとバイオラッド・ジーンパルサーIIを使用するものであった。細胞を2日間、HT補充(ギブコBRL)を含むMEMアルファ培地(ギブコBRL)、7%透析FCS中増殖させた。2日後、細胞を、HT補充を含まないMEMアルファ培地、7%透析FCSを含む選択培地に入れた。トランスフェクトした細胞の安定なプールを維持した。GM−CSF−GPI配列を増幅するために、トランスフェクトした細胞を段階的に増加させた(0.02μM、0.1μM、0.5μM、および1.0μM)メトトレキサート中増殖した。pCI GM−CSF−GPI(およびpSV2 DHFR)で電気穿孔し、1.0μMメトトレキサートに耐性なCHO細胞のプールを増殖した。
サイトカイン覆膜またはCD40リガンド増強細胞を使用したワクチン接種およびサイトカイン覆膜またはCD40リガンド増強細胞の効力の実証
実施例9
サイトカイン覆膜細胞を使用したワクチン接種
pCI−GM−CSF−GPIおよびneoでトランスフェクトしたB16細胞の、腫瘍細胞に対する予防ワクチンとして作用する能力を、対照細胞、すなわち「空」pCI(すなわち挿入断片を含まないプラスミド)およびneoでのみトランスフェクトしたB16細胞のそれと比較した。4匹のC57BL/6マウスに、5×10照射(3500rad)対照細胞を腹部の皮下にワクチン接種し、5匹のマウスに、5×10照射GM−CSF−GPI細胞をワクチン接種した。数日後、全マウスに、頸部に皮下注入した1×10野生型生細胞で攻撃した。腫瘍が、攻撃の7、11(2匹のマウス)、および15日後に、対照のマウスのセットに検出された。腫瘍が、攻撃の11、12、15(2匹のマウス)、および16日後に、GM−CSF−GPIのマウスのセットに検出された。結果は、15(2匹のマウス)、16、および20日までの対照のマウスのセットの生存期間;およびGM−CSF−GPI処置マウスのかなり長い生存期間、すなわち16、19、21(2匹のマウス)、および32日を実証した。
実施例10
CD40リガンド増強細胞を使用したワクチン接種
B16腫瘍細胞を照射し、下記した手順を使用してGPI連結ネズミCD154で覆膜した。C57BL/6マウスに、5×10照射CD154−GPI覆膜細胞を、鼠径部ヒダにワクチン接種した。対照マウスに、CD154で覆膜していない照射細胞の複製サンプルを注入した。1週間後、マウスに、頸部への注入により、1×10非照射、非CD154増強野生型B16細胞で攻撃した。CD154増強細胞をワクチン接種したマウスは、対照マウスの生存期間より少なくとも20%多い、平均60日間の生存期間を有するか、または攻撃段階(上記)の60日後に、対照マウスと比較して少なくとも20%多い、CD154−GPI覆膜細胞を受容したマウスが生存する。
実施例11
GPI−オプソニンキメラの作成およびCD140リガンド増強、オプソニン増強細胞を使用したワクチン接種
ネズミマンノース結合タンパク質(MBP)コード配列を、クロンテックから購入したマウス肝臓cDNAライブラリーからPCRにより増幅した。PCRプライマーは以下の通りであった:
上流プライマー:
5’CCGAATTCATGCTTCTGCTTCCATTACTCCCTGTCCTTCTGTGTGTG3’
下流プライマー:
5’TAGCCGGCTGGGAACTCGCAGACAGCCTTGAAGGAAGCTTGACAGGA3’
PCRパラメータ:変性95℃で1分間
アニーリング64℃で1分間、伸長72℃で1分間
維持72℃で5分間(最終サイクル)。
PCRは、ベント・ポリメラーゼを使用して30サイクル実施した。PCR完了後、反応液を4℃で10分間冷却させた。MBP PCR産物を1%アガロースゲルを通して電気泳動した後に精製した。DNAバンドを切出し、DNA断片をQiagenから購入したキットを使用して精製した。
MBP−GPI21キメラの作成
精製MBP DNA断片をEcoRIおよびNgoM1で消化した。消化後、反応混液をフェノール:クロロホルム(1:1)で、次いでクロロホルムで抽出した。水層を0.3M酢酸ナトリウムpH5.2に調整し、DNAを2容量のエタノールで−80℃で2時間沈殿させた。DNAを遠心分離によりペレット化し、エタノールを除去し、ペレットを70%エタノールで濯いだ。ペレットを真空下で乾燥させた。
MBP DNAを滅菌水に再度懸濁し、EcoRI−NgoMIで消化しておいたpUC19−GPI21にライゲートした。ライゲートは、1時間室温で行った。MBPにライゲートしたPUC19GPI21を使用して、コンピテントAG−1細胞を形質転換した。プラスミドDNAを単離し、上記のように分析した。陽性クローンからのDNAを単離し、シークエンスしてその実体を確認した。
C3bα鎖−GPI21キメラの作成
C3bα鎖コード配列を、クロンテックから購入したマウス肝臓cDNAライブラリーからのPCRにより増幅した。PCRプライマーは以下の通りであった:
上流プライマー:
5’GCGAATTCCGCCTAGGAGTGAATTGGAGGAAGACATAATTCCAGAAGAAGATATTATC3’
下流プライマー:
5’TAGCCGGCGTTGGGACAACCATAAACCACCATAGATTCTGTGAATGC3’
PCRパラメータ:変性94℃で1分間
アニーリング65℃で1分間
伸長72℃で1分間
維持72℃で10分間(最終サイクル)。
PCRはPfuポリメラーゼを使用して35サイクル実施した。PCR完了後、反応液を4℃で10分間冷却させた。
C3bα鎖PCR産物を1%アガロースゲルを通して電気泳動した後に精製した。DNAバンドを切出し、DNA断片をQiagenから購入したキットを使用して精製した。
精製したC3bα鎖DNA断片をEcoRIおよびNgoM1で消化した。消化後、反応混液をフェノール:クロロホルム(1:1)で、次いでクロロホルムで抽出した。水層を0.3M酢酸ナトリウムpH5.2に調整し、DNAを2容量のエタノールで−80℃で2時間沈殿させた。DNAを遠心分離によりペレット化し、エタノールを除去し、ペレットを70%エタノールで濯いだ。ペレットを真空下で乾燥させた。
C3bα鎖DNAを再度滅菌水に懸濁し、EcoRI−NgoMIで消化しておいたpUC19−GPI21にライゲートした。ライゲートは、1時間室温で行った。C3bα鎖DNAにライゲートしたPUC19GPI21を使用して、コンピテントAG−1細胞を形質転換した。形質転換AG−1細胞をアンピシリン含有LBプレート上で選択した。プラスミドDNAを単離し、上記のように分析した。制限消化を実施して、pUC19C3bα鎖−GPI21キメラ作成物を確認した。陽性クローンからのDNAを単離し、シークエンスしてその実体を確認した。
これらの作成物は、宿主細胞に人工的に導入でき、組換えタンパク質は、当分野で公知の方法、例えばイムノアフィニティー精製により精製できる。
CD154増強、オプソニン増強細胞を使用したワクチン接種
C57BL/6マウスに、1×10非照射、非増強野生型B16細胞で頸部の後を攻撃した。1週間後、マウスに、下記したように、GPI連結ネズミCD154およびGPI連結オプソニン、例えばC3bα’鎖またはMBPと混合した、5×10照射B16細胞でワクチン接種した。対照マウスに、GPI−CD154またはGPI連結オプソニンで増強していない同一細胞でワクチン接種した。CD154増強/オプソニン増強細胞でワクチン接種したマウスは、対照マウスの生存期間より少なくとも20%多い、平均60日間の生存期間を有するか、または攻撃段階(上記)の60日後に、対照マウスと比較して少なくとも20%多い、GPI連結CD154およびGPI連結オプソニンと混合した照射B16細胞を受容したマウスが生存する。
実施例12
CD40mAb増強細胞またはCD40mAb増強、オプソニン増強細胞を使用したワクチン接種
CD40に対するモノクローナル抗体をパルミテートに結合させる(Colskyら、1989、J.Immunol Methods、124:179−87)。次いで、脂質連結抗体をGPI−CD154の代わりに実施例10および11(上記)に記載のワクチン接種および方法に使用する。
CD154およびIL−4で増強した細胞を使用したワクチン接種
実施例13
GPI連結IL−4を、実施例4に記載の通りに調製し、実施例10に記載のワクチン接種法を、GPI連結IL−4をGPI−CD154覆膜ワクチンに加えて実施する。
実施例14
GMCSF覆膜細胞を使用したワクチン接種
B16腫瘍細胞を照射し、下記した手順を使用してGPI連結GM−CSFで覆膜する。C57BL/6マウスに、5×10GPI−GMCSF覆膜細胞を、鼠径部ヒダにワクチン接種する。対照マウスに、GPI−GM−CSFで覆膜していない同一細胞を注入する。1週間後、マウスに、頸部の後への注入により、1×10非照射、非覆膜野生型B16細胞で攻撃する。サイトカイン覆膜細胞をワクチン接種したマウスは、対照マウスの生存期間より少なくとも20%多い、平均60日間の生存期間を有するか、または攻撃段階(上記)の60日後に、対照マウスと比較して少なくとも20%多い、GPI−GMCSF覆膜細胞を受容したマウスが生存する。
実施例15
GPI−GMCSF、GPI−オプソニン増強細胞を使用したワクチン接種
C57BL/6マウスに、1×10非照射、非覆膜野生型B16細胞で、頸部の後に注入することにより攻撃する。1週間後、マウスに、GPI連結GM−CSFおよびGPI連結オプソニン、例えばC3bα’鎖またはMBPで覆膜した、5×10照射B16細胞でワクチン接種する。対照マウスに、GPI−GM−CSFまたはGPI連結オプソニンで覆膜していない照射細胞の複製サンプルでワクチン接種する。サイトカイン覆膜細胞をワクチン接種したマウスは、対照マウスの生存期間より少なくとも20%多い、平均60日間の生存期間を有するか、または攻撃段階(上記)の60日後に、対照マウスと比較して少なくとも20%多い、GMCSFおよびオプソニン覆膜細胞を受容したマウスが生存する。
実施例16
組換えIL−12を、上記のプロトコルを使用してパルミテートに結合させる。次いで、脂質連結IL−12を、実施例14および15に記載のワクチンおよび方法に加えるか、または該実施例のGM−CSFと置換する。
実施例17
実施例15および16の方法は、GPI連結IL−4(実施例4に記載の通り調製)をGPI−GM−CSF覆膜ワクチンに加えて実施する。
トランスメンブラン遺伝子工学操作により改変されたオプソニンの調製
実施例18
別の実施例で、C3bのAPC結合部分を含むトランスメンブラン遺伝子工学操作により改変されたオプソニンを調製する。ネズミ補体C3のC3b断片の一部を、PCRにより、マウス肝臓cDNAから、Genbank寄託番号K02782を含む配列のヌクレオチド2304−2324に対応する上流プライマーと5’「ATG」およびGenbank寄託番号K02782を含む配列のnt2429−2453に相補的な下流プライマーを使用して増幅する。マウスIgG3のトランスメンブラン領域を、マウス脾臓cDNAから、Genbank寄託番号V01526を含む配列のヌクレオチド100−125に対応し、C3b断片のアンチセンス鎖の5’末端に相補的な5’末端の12塩基を含む上流プライマー、および、Genbank寄託番号V01526を含む配列のヌクレオチド823−846を補完し、下流停止コドンと、適切な制限部位を含む伸長部位を取り込んだ下流プライマーを使用して増幅する。両方のPCR産物を、アガロースゲル電気泳動(両方共1.2%アガロース)により単離し、ガラスビーズ(ジーンクリーン・ガラスビーズ、製造業者の指示、Bio101社、ビスタ、カリフォルニア州)を使用して切出したアガロースバンドから溶出し、分光測定法により定量した。2つの増幅配列を、重複PCR法を使用して互いにインフレーム融合する(Hortonら、1989、Gene、77:61−8)。簡潔には、等モル量の2つの断片を、過剰量の上流C3bプライマーおよび下流IgG3プライマーと共にPCR反応に使用する。
上記の産物を適切な発現ベクターに、必要であれば上流分泌シグナルの存在下または非存在下でクローン化でき、適切な抗原含有細胞、例えば悪性腫瘍細胞に発現できる。トランスフェクトされた細胞は、脂質連結遺伝子工学操作により改変されたCD40リガンドおよび/または脂質連結遺伝子工学操作により改変されたサイトカインと混合でき、細胞により含まれる抗原に対するワクチンとして使用できる。
増強細胞を調製するための遺伝子工学操作により改変された分子の使用
実施例19
サイトカイン覆膜、CD40リガンド増強、オプソニン増強細胞を、遺伝子工学操作により改変されたサイトカイン、CD40リガンド、またはオプソニンをコードしている核酸を、上記のように細胞に導入することにより調製できる。脂質連結遺伝子工学操作により改変されたサイトカイン、CD40リガンド、またはオプソニンを使用して、以下の手順を使用して、CD40リガンド増強、サイトカイン覆膜またはオプソニン増強細胞を調製できる(McHughら、前記)。細胞を適切な緩衝液、例えばHBSS、リン酸緩衝食塩水、または細胞培養培地に、1×10から1×10細胞/mlの次元の濃度で懸濁する。脂質連結分子、例えばGPI連結CD154またはパルミテート連結GM−CSFを、10−200μg/mlの次元で加え、混合物を37℃で2ないし20時間インキュベートする。細胞を使用前に3回緩衝液中で洗浄する。
別に、パルミテート連結分子に特に有用な方法では、細胞を、5×10/ml血清非含有DMEMで懸濁する。次いで、0.9mlの細胞混液のアリコートを、15mlコニカルチューブに分配する。PBS/0.15%デオキコレート/0.1%重炭酸ナトリウム/pH7.8中0.1mg/ml−1mg/mlの0.1mlの遺伝子工学操作により改変されたタンパク質を各チューブに加える。チューブを氷浴中スタイロフォームホールダーに傾斜させて置き、4時間振盪した。細胞を遠心沈殿させ、PBSで2回洗浄し、使用のために再度懸濁する。
実施例20
ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を、全血から勾配遠心分離により単離し、10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640中に再度懸濁し、5%CO中37℃で2時間プラスチック皿に置く。次いで、非粘着細胞を廃棄し、粘着細胞を7日間、800U/mlヒトGM−CSFおよび500U/mlヒトIL−4と共に培養する。次いで、約1×10から1×10のこれらの細胞を集め、培養器から出し、癌被検者から収集した細胞、例えば、TNF−α受容体リガンドおよび/またはIL−12受容体リガンドを含むサイトカイン覆膜悪性腫瘍細胞を含む、約1×10から1×10のサイトカイン覆膜またはCD40リガンド増強細胞と混合する。この混合物を37℃で約5分から6時間インキュベートする。次いで、約1×10から1×10のAPCを被検者に、例えば皮下注入により投与する。
実施例21
ネズミ骨髄マクロファージを収集する。次いで、約1×10から1×10のこれらの細胞を集め、培養器から出し、約1×10から1×10のサイトカイン覆膜またはCD40リガンド増強B16黒色腫細胞、例えば、GM−CSF受容体リガンドおよび/またはIL−12受容体リガンドを含むサイトカイン覆膜B16細胞を含むサイトカイン覆膜B16細胞と混合する。この混合物を37℃で約5分から6時間インキュベートする。次いで、約1×10から1×10のAPCをB16腫瘍を有するマウスに、例えば皮下注入により投与する。
投与の用量、形態および医薬製剤
本発明は、選択抗原に対する哺乳動物の免疫応答を調節する方法を包含し、該方法は、哺乳動物に、治療量のCD40リガンド増強細胞、サイトカイン覆膜および/またはオプソニン増強細胞を投与するか、または、CD40リガンド増強細胞、サイトカイン覆膜細胞および/またはオプソニン増強細胞とインビトロで接触させた治療量のAPCを投与することを含む。
本明細書に記載した細胞は、液体溶液または懸濁液のいずれかの注入液として;感染前に液体中溶液または懸濁液に適した固体形も調製できる。調製物はまた乳化できるか、または細胞をリポソーム中にカプセル化できる。活性免疫原性成分はしばしば、医薬的に許容され、活性成分と適合性の担体と混合する。「医薬的に許容される担体」という用語は、アレルギー反応または他の不適当な作用を、投与する被検者に引き起こさない担体を意味する。適切な医薬的に許容される担体は、例えば、水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、またはその他の1つ以上およびその組合せを含む。さらに、所望であれば、ワクチンは、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および/またはワクチンの効力を増強するアジュバントなどの、少量の補助物質を含むことができる。効果的であり得るアジュバントの例は、水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP11637、ノル−MDPとも呼ばれる)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(COP)19835A、MTP−PEと呼ばれる)、および、2%スクアレン/Tween80エマルション中、細菌から抽出された3つの成分、モノホスホリル脂質A、トレハロースジミコレートおよび細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含むRIBIを含むがこれに限定されない。他のアジュバントの例は、DDA(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)、フロイント完全および不完全アジュバントおよびQuilAを含む。さらに、リンホカイン(例えばIFN−、IL−2およびIL−12)などの免疫調節物質またはポリI:Cなどの合成IFN−誘導物質を、本明細書に記載したアジュバントと組合せて使用できる。
本発明の細胞は、非経口的に、注入により、例えば皮下または筋肉内に投与できる。他の投与形態に適切なさらなる製剤は、坐剤、およびある場合では、経口製剤またはエアゾールとしての分配に適した製剤を含む。経口製剤の場合には、アジュバント、抗原パッケージング、または個々のサイトカインの様々な製剤への添加を使用するT細胞サブセットの操作により、最適な免疫応答をもつ改良された経口ワクチンが得ることができる。坐剤では、伝統的な結合剤および担体は、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドを含み得;該坐剤は、0.5%−10%、好ましくは1%−2%の範囲で活性成分を含む混合物から形成し得る。経口製剤は、かかる普通使用される添加剤、例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウム等を含む。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続放出製剤または散剤の形をとり、10%−95%、好ましくは27−70%の活性成分を含む。
本発明の細胞は、中性または塩形としてワクチン組成物を製剤化できる。医薬的に許容される塩は、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基により形成)を含み、これは無機酸、例えば、塩酸またはリン酸、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸等と形成される。遊離カルボキシル基により形成される塩はまた、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化鉄などの無機塩基、および、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等の該有機塩基から誘導できる。
該ワクチン組成物の任意の細胞成分は、該組成物の封入体の調製において、例えば、細胞分裂を阻害できる電離放射線への曝露、シクロホスファミド、サイトカラシンD、またはコルヒチンなどの抗増殖剤、または固定を伴うまたは伴わない殺滅を含む、ワクチンの細胞の弱毒化または不活性化を含む処置にかけることができる。
細胞を、投与量製剤に適合性の様式で、予防的および/または治療的に効果的な量で投与する。投与する量は、例えば、被検者の免疫系の抗体産生能を含む処置する被検者並びに所望する保護の程度に依存する。適切な投与量範囲は、1回のワクチン接種あたり、数百μgの次元であり、好ましい範囲は、約0.1μgから1000μg、例えば約1μgから300μgの範囲であり、好ましくは約10μgから50μgの範囲である。初回投与およびブースター注射に適切な治療法も可変的であるが、初回投与に続き次の接種または他の投与が典型的である。必要な正確な活性成分の投与量は、医者の判断に依存し、各被験者に固有であり得る。治療有効量の本発明の細胞は、とりわけ、投与計画、投与する抗原の単位量、細胞を他の治療物質と組合せて投与するかどうか、レシピエントの免疫状態および健康、並びに特定の組成物の治療活性に依存することは、当業者には明らかである。
細胞は、1回投与量の計画で、または複数回の投与量計画で投与してもよい。複数回の投与量計画は、ワクチン接種の初期クールが、1から10の別々の用量を含み得、続いて、免疫応答の維持および/または補強に必要なその後の時間間隔で投与する他の用量、例えば、2回目の投与量は1から4ヵ月後、および必要であればその後の投与量(群)は数ヵ月後というものである。1から5年間、通常3年間の間隔の周期的ブースターが、所望のレベルの保護免疫を維持するのに好ましい。免疫化のクールの後に、ESAT6またはST−CFと共培養した末梢血リンパ球(PBL)のインビトロ増殖アッセイ、および、感作リンパ球からのIFN放出レベルの測定が続き得る。アッセイは、慣用的な標識、例えば放射性核種、酵素、蛍光標識等を使用して実施できる。これらの技術は当業者には公知であり、米国特許第3,791,932号、第4,174,384号および第3,949,064号に見出すことができ、これは参考として本明細書に取込む。
他の実施形態
前記の実施例は、本発明の作成および実行において、本発明者により実施され考えられた実験を実証する。これらの実施例は、本発明の実践技術の通知およびその有用性の実証の両方に役立つ技術の開示を含むと信じられている。本明細書に開示した技術および実施形態は好ましい実施形態であり、一般的な数多くの等価な方法および技術を同結果の達成のために使用し得ることが当業者により理解されるだろう。
本明細書の上記に同定した全参考文献は、本発明の1つ以上の実施形態の実践に重要であり得る組成物および/または方法の基礎を記載、提示、提供するかまたは可能にする程度で、参考としてここで本明細書に明白に取込む。

Claims (19)

  1. イトカイン覆膜細胞を含むワクチン組成物であって、前記サイトカイン覆膜細胞は選択抗原を提供し且つ細胞の表面に結合された、遺伝子工学操作により改変されたサイトカインを有し、前記遺伝子工学操作により改変されたサイトカインは、サイトカインからの第一部分とGPIである第二部分とを含み、前記サイトカインは、IL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−10受容体、IL−12受容体、TNF−α受容体、IFN−γ受容体、ケモカイン受容体、及びGM−CSF受容体からなる群から選択される受容体のリガンドの1つである、ワクチン組成物。
  2. イトカイン覆膜細胞と選択抗原を含むワクチン組成物であって、前記サイトカイン覆膜細胞は細胞の表面に結合された、遺伝子工学操作により改変されたサイトカインを有し、前記遺伝子工学操作により改変されたサイトカインは、サイトカインからの第一部分とGPIである第二部分とを含み、前記サイトカインは、IL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−10受容体、IL−12受容体、TNF−α受容体、IFN−γ受容体、ケモカイン受容体、及びGM−CSF受容体からなる群から選択される受容体のリガンドの1つである、ワクチン組成物。
  3. 前記ワクチン組成物はさらに、オプソニン増強細胞を含み、前記オプソニンは、マンノース結合タンパク質及びC3bのα’鎖からなる群から選択される、請求項1または2のワクチン組成物。
  4. さらにサイトカインを含む、請求項1または2のワクチン組成物。
  5. さらに前記サイトカインを発現する細胞を含む、請求項4のワクチン組成物。
  6. 前記サイトカインをコードしている組換え核酸分子は、人工的に前記細胞に導入され、前記細胞は、前記核酸から前記サイトカインを発現する、請求項4のワクチン組成物。
  7. 前記サイトカインは遺伝子工学操作により改変されたサイトカインである、請求項4のワクチン組成物。
  8. 前記遺伝子工学操作により改変されたサイトカインはGPIを含む、請求項7のワクチン組成物。
  9. 前記オプソニン増強細胞のオプソニンは遺伝子工学操作により改変されたオプソニンである、請求項3のワクチン組成物。
  10. 前記遺伝子工学操作により改変されたオプソニンはGPIを含む、請求項のワクチン組成物。
  11. インビトロでAPCを、選択抗原を含むサイトカイン覆膜細胞と、前記APCによる前記選択抗原の内部移行を可能とするに十分な時間接触させることにより得られるワクチン組成物であって、前記サイトカイン覆膜細胞は選択抗原を提供し且つ細胞の表面に結合された、遺伝子工学操作により改変されたサイトカインを有し、前記遺伝子工学操作により改変されたサイトカインは、サイトカインからの第一部分とGPIである第二部分とを含み、記サイトカインは、IL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−10受容体、IL−12受容体、TNF−α受容体、IFN−γ受容体、ケモカイン受容体、及びGM−CSF受容体からなる群から選択される受容体のリガンドの1つである、ワクチン組成物。
  12. インビトロでAPCを、選択抗原を含むサイトカイン覆膜オプソニン増強細胞と、前記APCによる前記選択抗原の内部移行を可能とするのに十分な時間接触させることにより得られるワクチン組成物であって、前記サイトカイン覆膜オプソニン増強細胞のサイトカインは細胞の表面に結合された、遺伝子工学操作により改変されたサイトカインであり、前記遺伝子工学操作により改変されたサイトカインは、サイトカインからの第一部分とGPIである第二部分とを含み、記サイトカインは、IL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−10受容体、IL−12受容体、TNF−α受容体、IFN−γ受容体、ケモカイン受容体、及びGM−CSF受容体からなる群から選択される受容体のリガンドの1つであり、前記オプソニンは、マンノース結合タンパク質及びC3bのα’鎖からなる群から選択される、ワクチン組成物。
  13. 前記サイトカイン覆膜細胞の前記細胞は病原細胞である、請求項1〜3、11又は12のいずれか1つのワクチン組成物。
  14. 前記病原細胞は悪性腫瘍細胞である、請求項13のワクチン組成物。
  15. 前記病原細胞は、細菌、ウイルス、真菌及び寄生虫細胞からなる群から選択される、請求項13のワクチン組成物。
  16. 前記ワクチン組成物は弱毒化されている、請求項1〜15のいずれか1つのワクチン組成物。
  17. 前記サイトカインはGM−CSF受容体のリガンドである、請求項1〜16のいずれか1つのワクチン組成物。
  18. 前記GM−CSF受容体のリガンドはGM−CSFである、請求項17のワクチン組成物。
  19. 前記サイトカインはIL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−10受容体、IL−12受容体、TNF−α受容体、IFN−γ受容体、及びケモカイン受容体からなる群から選択される受容体のリガンドの1つである、1〜16のいずれか1つのワクチン組成物。
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